JPH11209370A - ラクチドの製造方法及びラクチド製造用触媒 - Google Patents

ラクチドの製造方法及びラクチド製造用触媒

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JPH11209370A
JPH11209370A JP979998A JP979998A JPH11209370A JP H11209370 A JPH11209370 A JP H11209370A JP 979998 A JP979998 A JP 979998A JP 979998 A JP979998 A JP 979998A JP H11209370 A JPH11209370 A JP H11209370A
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polylactic acid
lactate
acid
mmhg
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Tsuyoshi Ikeda
剛志 池田
Hideji Kurashima
秀治 倉島
Yasushi Higuchi
靖 樋口
Masahiro Kurokawa
正弘 黒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な触媒を用い、酸や水などの不純物の含
有量が極めて少なく且つ高純度なラクチドを効率的に製
造する方法を提供する。 【解決手段】 乳酸エステルをモノブチル錫化合物の存
在下、加熱し、脱アルコールしてポリ乳酸またはポリ乳
酸とラクチドとを含む組成物を製造する工程、及び前記
工程により得られたポリ乳酸またはポリ乳酸とラクチド
とを含む組成物をモノブチル錫化合物の存在下、加熱し
てラクチドを製造する工程とからなる高純度のラクチド
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な触媒を用い、
酸や水などの不純物の含有量が極めて少なく且つ高純度
なラクチドを効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラクチドは、乳酸あるいはそのエステル
が脱水または脱アルコールして生成する環状二量体であ
って、分子内環状エステルの一種である。ラクチドを開
環重合して得られるポリラクチドは良好な生分解性を有
しており、縫合糸など生体分解性材料に利用されてい
る。また近年、ゴミ埋め立て地の不足や廃棄物の焼却な
どの点でプラスチック廃棄物が問題となっており、ポリ
ラクチドは加水分解および酵素や微生物によって分解さ
れる生分解性プラスチックとしても期待され、徐々に需
要および供給とも増えている状況にある。
【0003】ラクチドの重合により生体分解性材料や生
分解性プラスチックなどの用途に必要な高分子量のポリ
ラクチドを得るためには、原料のラクチド中の酸や水
分、乳酸エステル、ラクトイル乳酸エステル(乳酸エス
テルの鎖状2量体)などアルコール性水酸基を有する不
純物の混入をできるだけ低く抑える必要がある。なぜな
らこれらの不純物はラクチドの重合を阻害し、十分な物
性が得られる程度の分子量の達成を妨げるからである。
【0004】ラクチドの製造方法は、乳酸または乳酸エ
ステルを重合させてオリゴマーのポリ乳酸とし、次に触
媒の存在下、高真空中でポリ乳酸を加熱して分解(解重
合反応)、環状二量化してラクチドを留去させる方法が
一般的である。その際、ラクチド合成に有効な触媒とし
ては周期律表IV属、V属、またはVIII属の金属またはそ
の化合物(独国特許第1083275号公報)、錫また
はその化合物(独国特許第3708915号公報)、チ
タンテトラアルコキシド(独国特許第1234703号
公報)などの公知の触媒に加え、トリフルオロメタンス
ルホン酸錫(特開平5−105745号公報)、アルカ
リ金属塩もしくはアルカリ金属塩と周期律表4属〜15
属の金属および/又はその塩(特開平6−279434
号公報)、乳酸と錫の1:1付加物(特開平6−298
754号公報)、酸化第一鉄(特開平8−119961
号公報)、錫末、ハロゲン化錫または20個までの炭素
原子を有するカルボン酸から誘導される有機錫化合物
(特開昭63−101378号公報)などが知られてい
る。
【0005】上記の触媒を用いたラクチドの製造はいず
れもポリ乳酸の解重合反応を200℃を越えるような非
常に高い温度で行っている。しかしながら、200℃を
越えるような高い温度でラクチドの製造を行えば、水が
生成するエーテル化反応やカルボン酸が生成するオリゴ
マーの熱分解反応といった副反応が非常に起こりやすく
なり、生成した水やカルボン酸が不純物としてラクチド
中に大量に混入する。前記したように水分やカルボン酸
類はラクチドを重合させる際に重合阻害物となり、実
際、上記の製造法で得られたラクチドはポリマー原料と
するためにさらに再結晶あるいは再蒸留による精製を行
っている。
【0006】200℃以下の反応温度でラクチドを製造
する方法としてアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属
と弱酸の塩またはアルカリ金属のアルコキシド(特開平
6−65230号公報)、錫アルコキシド化合物または
亜鉛アルコキシド化合物(特開平7−330757号公
報)、を触媒に用いた製造法が開示されているが、得ら
れるラクチドの純度はいずれも低い。また特開平6−3
1175号公報においてジブチル錫化合物を触媒に用
い、120〜220℃の反応温度(実施例では160
℃、その後昇温とある)によるラクチドの製造法を開示
しているが、ラクチドの純度についての記載がなく、我
々の追試の結果では乳酸エステルおよびラクトイル乳酸
エステルが多量に混入し、重合に耐えうる純度のラクチ
ドは得られなかった(比較例1参照)。このように低い
反応温度で実施することにより酸や水などの不純物を低
減しようとすれば、逆に乳酸エステルやラクトイル乳酸
エステルが増大する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように酸や水な
ど不純物の含有量が極めて少なく且つ高純度のラクチド
を高収率、安価にかつ容易に製造する方法は開発されて
いないのが実状である。本発明の目的は従来技術におけ
る上記したような課題を解決して高純度でポリマー原料
などに使用できるラクチドを高収率、容易にかつ安価に
製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、乳酸エステルを原料に用いてラクチドを製造
するに当たって、触媒としてモノブチル錫化合物を添加
することにより、上記課題を解決できることを見いだ
し、本発明に到達した。即ち、本発明は乳酸エステルを
モノブチル錫化合物の存在下、加熱し、脱アルコールし
てポリ乳酸またはポリ乳酸とラクチドとを含む組成物を
製造する工程、及び前記工程により得られたポリ乳酸ま
たはポリ乳酸とラクチドとを含む組成物をモノブチル錫
化合物の存在下、加熱してラクチドを製造する工程とか
らなる高純度のラクチドの製造方法、ならびにモノブチ
ル錫化合物からなるラクチド製造用触媒である。本発明
で製造されるラクチドはさらなる精製を行うことなくポ
リラクチド原料として用いることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法において詳細
に説明する。本発明の触媒は上記一般式[I]で表され
るモノブチル錫化合物である。
【化3】 上記一般式において、X、YおよびZはそれぞれ独立に
塩素原子、水酸基、あるいはX、Y、Zのうち2つをあ
わせてオキソ基である。
【0010】具体的にはモノブチル錫オキサイド、モノ
ブチル錫トリクロライド、モノブチル錫クロライドジヒ
ドロキサイドなどが挙げられる。乳酸エステルの脱アル
コール工程の際に、上記触媒の添加量は乳酸エステルに
対して0.01〜5重量%で十分であり、これ以上添加
することは経済的に不利である。好ましくは0.01〜
1重量%である。また乳酸エステルとしては乳酸メチ
ル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。入手の容易さ、原料の製
造コストおよびラクチドの製造コストなどの観点から好
ましくは乳酸メチルである。これらの原料は単独または
数種類の混合のどちらにおいても使用することができ
る。また乳酸エステルはD体、L体またはその混合物の
いずれも用いることができる。
【0011】乳酸エステルの脱アルコール工程(工程
1)の温度は脱アルコール反応が容易に進行する120
〜230℃が好ましい。圧力は大気圧下から漸次低下さ
せるが、乳酸エステルが留出しないよう700〜300
mmHgの間で調節する。アルコールの留出がほとんど
見られなくなった段階でさらに5mmHg前後まで減圧
にして未反応の乳酸エステルおよびラクトイル乳酸エス
テルを留出させる。回収した乳酸エステルおよびラクト
イル乳酸エステルはラクチドの原料として循環使用でき
る。本発明に用いられるモノブチル錫化合物を触媒とす
ると速やかに乳酸エステルのオリゴマー化が進行し、2
〜5時間という短時間の反応でラクチドの製造に適した
平均分子量2000〜4000のポリ乳酸またはポリ乳
酸とラクチドとを含む組成物が得られる。
【0012】ラクチドの製造(工程2)に用いるポリ乳
酸またはポリ乳酸とラクチドとを含む組成物は、本発明
の触媒を用いて乳酸エステルの脱メタノール反応により
製造されたものであってもよいし、公知の技術によって
得られたポリ乳酸であってもよいが、本発明で得られる
ポリ乳酸またはポリ乳酸とラクチドとを含む組成物を用
いる場合はポリマーの末端がエステルであるため、ラク
チド中の酸を低減する点から特に好ましい。ラクチドの
製造に用いるポリ乳酸の分子量は2000〜4000が
好ましく、2500〜3500が特に好ましい。分子量
が2000より小さい場合にはポリ乳酸がラクチドに解
重合した結果ポリ乳酸末端から生ずる、乳酸や乳酸エス
テル、それらの鎖状2量体のラクチドへの混入が大きく
なり、また4000より大きい場合にはラクチドの留出
速度が低下し好ましくない。また本発明で得られたポリ
乳酸またはポリ乳酸とラクチドとを含む組成物を用いる
場合はさらなる触媒の添加は必要なく、反応装置もその
まま用いることができる。ラクチドを製造する際の加熱
温度は圧力によっても変わるが、120〜230℃が好
ましい。120℃未満ではラクチドの生成速度が遅くな
り、230℃を超える温度ではラクチド中への酸や水分
の混入が大きくなり、好ましくない。圧力は上記反応温
度範囲でラクチドが効率よく留出する圧力、すなわち、
100mmHg以下が好ましく、特に1〜10mmHg
が好ましい。本発明の触媒を用いた場合、120〜23
0℃という温度範囲でラクチドの留出が速やかに進行
し、特に200〜230℃の温度でラクチドの製造を行
っても酸や水などの不純物が生成しにくく、ポリマー原
料となりうる実質的に純粋なラクチドが得られる。
【0013】本発明により製造されるラクチドは酸成分
や水分などの不純物が極めて低く、それ以上の精製を行
わずにポリマー原料などに使用できる。このラクチドは
従来再蒸留や再結晶(再蒸留・再結晶ともに数回におよ
び多大な労力を必要とするものである)などによって得
ていたラクチドと同等かそれ以上の性状のものであるの
は驚くべきことである。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。なお実施例における特性値は
以下に述べる方法によって測定した。 酸価測定方法:ラクチドを約5g精秤し、モレキュラー
シーブス3A(1/16インチ、和光純薬工業製)であ
らかじめ乾燥した塩化メチレンに溶解させる。終点決定
用の指示薬としてフェノールレッド(乾燥メタノール中
0.05重量%/容量)を用い、サンプル溶液中に10
滴加える。この溶液を0.025N−カリウムメトキシ
ド(ベンゼン・メタノール溶液)(和光純薬工業製非水
滴定用0.1mol/カリウムメトキシドを乾燥メタノ
ールで希釈して調製する)で滴定することにより測定す
る。 ガスクロマトグラフィー分析条件:ラクチド組成を分析
する。ラクチドを精秤し、テトラヒドロフランに溶解さ
せて分析を行う。カラムはTC−17(ジーエルサイエ
ンス)を用いる。測定条件は注入口温度およびFID検
出器温度ともに250℃に設定し、カラム温度を60℃
から240℃まで昇温させることにより行う。 水分測定法:ラクチド1gを塩化メチレン5gに溶解
し、水分測定装置(旧三菱化成製微量水分測定装置CA
−05型)を用いて測定する。 高速液体クロマトグラフィー分析条件:ポリ乳酸、ポリ
ラクチドの分子量を測定する。ポリ乳酸、ポリラクチド
0.023gをテトラヒドロフラン15gに溶解し、S
hodexGPC KF804Lのカラム4本を備えた
Shodex GPC SYSTEM―11(溶出液テ
トラヒドロフラン、40℃)を用いて測定した。
【0015】実施例1 DL−乳酸メチル4000gにモノブチル錫オキサイド
20gを加え、140〜180℃、700mmHgで3
時間攪拌してメタノール1058gを留出した後、さら
に1時間かけて5mmHgにして未反応の乳酸メチルお
よびラクトイル乳酸メチル620gを留出し、平均分子
量3150のラクチドを含むポリ乳酸を得た。このポリ
乳酸を4mmHgに減圧し、175〜185℃でラクチ
ドを留出させ3.5時間で1794gの純粋なラクチド
を得た。ガスクロマトグラフィーの分析の結果このラク
チドは純度99.4%であることがわかった(DL−ラ
クチド61.8%、メソラクチド37.6%、乳酸メチ
ル0.18%、ラクトイル乳酸メチル0.18%)。酸
価12.9meq/kg。水分71ppm。このラクチ
ド20gにオクチル酸錫0.04gを添加し、160℃
で2時間ラクチドを重合すると平均分子量93000の
ポリラクチドが得られた。
【0016】実施例2 DL−乳酸メチル4000gにモノブチル錫オキサイド
20gを加え、140〜220℃、700mmHgで4
時間攪拌してメタノール1120gを留出した後、さら
に1時間かけて5mmHgにして未反応の乳酸メチルお
よびラクトイル乳酸メチル340gを留出し、平均分子
量3710のラクチドを含むポリ乳酸を得た。このポリ
乳酸を4mmHgに減圧し、210〜220℃でラクチ
ドを留出させ2.2時間で1954gの純粋なラクチド
を得た。ガスクロマトグラフィーの分析の結果このラク
チドは純度99.6%であることがわかった(DL−ラ
クチド63.2%、メソラクチド36.4%、乳酸メチ
ル0.13%、ラクトイル乳酸メチル0.16%)。酸
価22.1meq/kg。水分98ppm。このラクチ
ド20gにオクチル酸錫0.04gを添加し、160℃
で2時間ラクチドを重合すると平均分子量80000の
ポリラクチドが得られた。
【0017】実施例3 DL−乳酸エチル4000gにモノブチル錫オキサイド
20gを加え、140〜220℃、700mmHgで4
時間攪拌してエタノール1460gを留出した後、さら
に1時間かけて5mmHgにして未反応の乳酸エチルお
よびラクトイル乳酸エチル470gを留出し、平均分子
量3430のラクチドを含むポリ乳酸を得た。このポリ
乳酸を4mmHgに減圧し、210〜220℃でラクチ
ドを留出させ2.3時間で1550gの純粋なラクチド
を得た。ガスクロマトグラフィーの分析の結果このラク
チドは純度99.4%であることがわかった(DL−ラ
クチド59.8%、メソラクチド39.6%、乳酸エチ
ル0.11%、ラクトイル乳酸エチル0.24%)。酸
価23.3meq/kg。水分105ppm。このラク
チド20gにオクチル酸錫0.04gを添加し、160
℃で2時間ラクチドを重合すると平均分子量71000
のポリラクチドが得られた。
【0018】比較例1 実施例1におけるモノブチル錫オキサイドをジブチル錫
オキサイドにかえて実施例1と同様に脱メタノール工程
を行ったところ、4時間の反応により平均分子量155
0のポリ乳酸を得た。(メタノール722g、乳酸メチ
ル等983g)。このポリ乳酸を4mmHgに減圧し、
175〜185℃で加熱したところ、4時間の反応で2
09.6gのラクチドが得られた。ガスクロマトグラフ
ィーの分析の結果このラクチドは純度91.9%である
ことがわかった(DL−ラクチド59.2%、メソラク
チド35.7%、乳酸メチル1.02%、ラクトイル乳
酸メチル0.65%)。酸価29.5meq/kg。水
分82ppm。このラクチド20gにオクチル酸錫0.
04gを添加し、160℃で2時間ラクチドを重合する
と平均分子量10400のポリラクチドが得られた。
【0019】比較例2 実施例1におけるモノブチル錫オキサイドをジブチル錫
オキサイドに変え、さらにラクチド留出工程の温度を変
えてラクチドの製造を行った。実施例1と同様に脱メタ
ノール反応工程を行ったところ、4時間の反応により平
均分子量1620のポリ乳酸を得た。(メタノール76
3g、乳酸メチル等961g)。このポリ乳酸を4mm
Hgに減圧し、210〜220℃で加熱したところ、3
時間の反応で1559gのラクチドが得られた。ガスク
ロマトグラフィーの分析の結果このラクチドは純度9
6.8%であることがわかった(DL−ラクチド60.
2%、メソラクチド35.6%、乳酸メチル0.22
%、ラクトイル乳酸メチル0.24%)。酸価100.
5meq/kg。水分911ppm。このラクチド20
gにオクチル酸錫0.04gを添加し、160℃で2時
間ラクチドを重合すると平均分子量6500のポリラク
チドが得られた。
【0020】比較例3 実施例1におけるモノブチル錫オキサイドをオクチル酸
錫にかえて実施例1と同様に脱メタノール反応工程を行
ったところ、3時間の反応により平均分子量3340の
ポリ乳酸を得た。(メタノール722g、乳酸メチル等
983g)。このポリ乳酸を4mmHgに減圧し、17
5〜185℃で加熱したところ、4時間の反応で17
0.7gのラクチドが得られた。ガスクロマトグラフィ
ーの分析の結果このラクチドは純度93.3%であるこ
とがわかった(DL−ラクチド55.6%、メソラクチ
ド37.7%、乳酸メチル0.95%、ラクトイル乳酸
メチル0.88%)。酸価31.9meq/kg。水分
107ppm。このラクチド20gにオクチル酸錫0.
04gを添加し、160℃で2時間ラクチドを重合する
と平均分子量9100のポリラクチドが得られた。
【0021】比較例4 実施例1におけるモノブチル錫オキサイドをオクチル酸
錫にかえ、さらにラクチド留出工程の温度をかえてラク
チドの製造を行った。実施例1と同様に脱メタノール反
応工程を行ったところ、6.5時間の反応により平均分
子量4810のポリ乳酸を得た。(メタノール788
g、乳酸メチル等974g)。このポリ乳酸を4mmH
gに減圧し、反応温度を210〜220℃に加熱すると
6時間の反応で1134gのラクチドを得た。ガスクロ
マトグラフィーの分析の結果このラクチドは純度96.
4%であることがわかった(DL−ラクチド57.4
%、メソラクチド39.0%、乳酸メチル0.28%、
ラクトイル乳酸メチル0.29%)。酸価89.2me
q/kg。水分1034ppm。このラクチド20gに
オクチル酸錫0.04gを添加し、160℃で2時間ラ
クチドを重合すると平均分子量6000のポリラクチド
が得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明に触媒を採用することによりポリ
マー原料などに使用可能なラクチドが効率よく製造され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 正弘 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸エステルを下記一般式[I]で表さ
    れるモノブチル錫化合物の存在下、加熱し、脱アルコー
    ルしてポリ乳酸またはポリ乳酸とラクチドとを含む組成
    物を製造する工程1、及び工程1で得られたポリ乳酸ま
    たはポリ乳酸とラクチドとを含む組成物を下記一般式
    [I]で表されるモノブチル錫化合物の存在下、加熱し
    てラクチドを製造する工程2からなるラクチドの製造方
    法。 【化1】 (式中、X、Y、Zは、それぞれ独立して塩素原子、ヒ
    ドロキシル基、あるいはX、Y、Zのうち二つをあわせ
    てオキソ基を表す)
  2. 【請求項2】 工程2の反応温度が120〜230℃で
    ある請求項1記載のラクチドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の工程1および/または工程2
    の反応に作用する下記一般式[I]で表されるモノブチ
    ル錫化合物からなるラクチド製造用触媒。 【化2】 (式中、X、Y、Zは、それぞれ独立して塩素原子、ヒ
    ドロキシル基、あるいはX、Y、Zのうち二つをあわせ
    てオキソ基を表す)
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