JPH11209211A - フザリウム属菌生菌製剤 - Google Patents

フザリウム属菌生菌製剤

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JPH11209211A
JPH11209211A JP10006843A JP684398A JPH11209211A JP H11209211 A JPH11209211 A JP H11209211A JP 10006843 A JP10006843 A JP 10006843A JP 684398 A JP684398 A JP 684398A JP H11209211 A JPH11209211 A JP H11209211A
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NOYAKU BIO TECHNOLOGY KAIHATSU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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NOYAKU BIO TECHNOLOGY KAIHATSU
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フザリウム菌の生菌体の生存率が高く、室温
で長期間にわたって保存できるとともに、耐熱性も高
く、これにより流通性に優れるとともに、取扱性に優れ
通常の農薬と同様の簡単な操作で使用して優れた防除効
果が得られるフザリウム属菌生菌製剤を提供する。 【解決手段】 フザリウム属菌の芽胞を主体とする生菌
体を含む液を、セピオライト、アタパルジャイト、パリ
ゴルスカイトなどの層−リボン構造を有する粘土鉱物、
および必要により加えられる増量剤、結合剤、界面活性
剤の粉末に吸着させて乾燥させたフザリウム属菌生菌製
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の病害を抑制
するための非病原性フザリウム属菌生菌製剤に関し、特
に農園芸において抵抗性誘導あるいは交叉防御法に用い
られるフザリウム属菌の生菌体を含む固体製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】土壌あるいは養液栽培液中には多くの伝
染性病原菌が生息しており、植物の生育に多大な影響を
与えている。これら病原菌防除の方法として、病原菌を
熱や薬剤などで直接殺菌するのではなく、病原菌の活性
を低下させたり、感染を阻止することによる生態的防除
方法が注目されている。このうち病原菌の活性低下によ
る防除方法としては、輪作、土壌理化学性の改善や有機
物施用、拮抗微生物の導入等があげられるが、いずれも
活性抵下や菌数減少といった消極的な効果しか得られな
い。
【0003】感染を阻止する方法としては、特定の病原
菌に抵抗性を示す抵抗品種の育成、誘導物質による抵抗
性誘導あるいは異なった病原菌に同時に抵抗性を示す交
叉防御法が知られている。例えば、トマト萎凋病菌(Fu
sarium oxysporum f. sp. lycopersici)によるトマト
萎凋病に対して、フザリウム・オキシスポラム・エフ・
エスピー・ククメリナム(Fusarium oxysporum f. sp.
cucumerinum)の前接種による発病抑制効果が大きいこ
とが報告されている〔山口健一、飯田 格 他:日植病
夏期関東部会講演要旨 1993年〕。
【0004】またカーネーションではフザリウム・ロー
ゼアム“アベナセアム”(Fusarium roseumAvenaceu
m")による立枯病に対して、非病原性のフザリウム・ロ
ーゼアム(Fusarium roseum)が発病抑制効果を有する
との報告がある〔ベイカー、ハンキー、ドッテラー:フ
ァイトバソロジー(BAKER, HANCHEY, DOTTARAR: Phytop
athology)1978年〕。
【0005】さらに、フザリウム・オキシスポラム・エ
フ・エスピー・バテイタス(Fusarium oxysporum f. s
p. batatas)によって起こるサツマイモつる割れ病に対
して、サツマイモ導管部から分離した非病原性フザリウ
ム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)のさし芽切
り口浸漬などの前接種が発病抑制効果が高いと報告され
ている〔小川 奎、駒田 旦:日植病報、50,198
4年〕。
【0006】しかしこれらのフザリウム菌を用いた微生
物防除法は、1)液体培養した生菌をそのまま使用する
ため雑菌が混入して繁殖しやすい、2)フザリウム菌は
振とう培養によって多くの芽胞が形成されるが、静置保
管すると、芽胞は防除活性のない菌糸体に変化する、
3)液状のため搬送が不便で、温度等の影響を受けやす
く、一定の菌数を維持できない等の理由により大量生産
が困難で、流通性に乏しい。
【0007】そこでこれらの点を改善するために、非病
原性フザリウム属菌をはじめとする農業有用微生物の安
定化およびその製剤化の検討が行われている。例えばフ
ザリウム菌に関しては、生菌体をゼオライト系基材に吸
着させ、自然乾燥した製剤(特開昭63−227507
号)、D−ソルビトールを主体とし、これに少量のグル
タミン酸塩を添加した分散媒にフザリウム菌の生菌体を
分散し、真空凍結乾燥させたフザリウム生菌製剤(特開
昭63−227507号)、バーク炭に吸着させた資材
(特開平3−112909号)およびキチン質含有物と
菌を混合した資材(特開平6−24924号)および白
土または炭酸カルシウムに菌を保持させた資材(特開平
8−294385号)が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フザリウム菌
の生菌体をゼオライト系基材に吸着させた製剤は、クレ
ー、タルク等に吸着させたものより菌の生存率が高いと
されているが、室温で保存すると生存菌数が急速に減少
する。またD−ソルビトールを主体とし、これに少量の
グルタミン酸塩を添加した分散媒にフザリウムの生菌体
を分散し、真空凍結乾燥させた製剤は、所定の菌数を維
持するために冷蔵庫中に製剤を保管しなければならな
い。またバーク炭に吸着させた資材およびキチン質含有
物と菌を混合した資材もフザリウム属菌の増殖により高
活性を得ることを目的としており、室温での長期間の保
存性には問題がある。また白土または炭酸カルシウムに
フザリウム菌を保持させる製剤は、室温での長期保存性
はあるものの、製剤を乾燥する際に2〜15℃という低
温で乾燥するため、1〜7日間かかり製剤の完成までに
時間がかかり過ぎるという欠点を有している。
【0009】本発明の課題は、生菌体の生存率が高く、
かつ室温で長期にわたって保存可能であるとともに耐熱
性も高く、流通性に優れるフザリウム属菌生菌製剤を提
供することである。本発明の他の課題は、生菌体の生存
率が高く、かつ室温で長期にわたって保存可能であっ
て、耐熱性も高く流通性に優れるとともに、水に希釈し
て用いる際も、持続可能な高い懸垂性を有し、取り扱い
に優れるフザリウム菌生菌製剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次のフザリウム
属菌生菌製剤である。 (1)フザリウム属菌の生菌体と、層−リボン構造を有
する粘土鉱物とを含むフザリウム属菌生菌製剤。 (2)生菌体が芽胞を含むものである上記(1)記載の
フザリウム属菌生菌製剤。 (3)粘土鉱物がセピオライト、アタパルジャイトまた
はパリゴルスカイトである上記(1)または(2)記載
のフザリウム属菌生菌製剤。 (4)増量剤、結合剤または界面活性剤をさらに含む上
記(1)ないし(3)のいずれかに記載のフザリウム属
菌生菌製剤。
【0011】本発明のフザリウム属菌生菌製剤に用いる
フザリウム属菌は、フザリウム(Fusarium)属に属する
真菌であって、特に抵抗性誘導、あるいは交叉防御法に
適した病原菌に対する防除性能を有するものが好まし
い。
【0012】このようなフザリウム属菌としては、例え
ばフザリウム オキシスポラム(Fusarium oxysporu
m)、フザリウム モニリフォルメ(Fusarium monilifo
rme)、フザリウム ローゼアム(Fusarium roseum)、
フザリウム ソラニ(Fusariumsolani)、その他のフザ
リウム属に属する菌があげられる。
【0013】製剤に用いる菌は生菌体であって、芽胞を
主体とするものが好ましいが、厚膜胞子あるいは菌糸体
が含まれていてもよい。フザリウム菌は液体培地を用い
て振とう培養すると、芽胞を主体とする生菌体が得られ
る。本発明ではこのような芽胞を含む培養物全体をその
まま用いてもよく、また濾過、遠心分離等により培養液
画分を除いた菌体部分を用いてもよい。
【0014】フザリウム属菌の培養に用いる培地として
は特に制限されず、フザリウム属菌を培養できるもので
あれば任意に選択できるが、液体培地が好ましく、例え
ばポテト−デキストロール培地、ポテト−スクロース培
地、駒田培地、ツァペック−ドックス培地などが使用で
きる。これらの培地は所定濃度のものが好ましく、滅菌
後フザリウム菌を接種し、25〜30℃の温度で1〜3
0日間振とう培養することにより芽胞濃度の高い培養物
を得ることができる。
【0015】本発明で用いる層−リボン構造の粘土鉱物
は輝石に似た単鎖が複数本(例えば2〜3本)結合して
四面体リボンを形成している粘土鉱物であり、セピオラ
イト、アタパルジャイト、パリゴルスカイト等が一般的
であるが、これらの変種も含まれる。上記アタパルジャ
イトはパリゴルスカイトと同一の構造の粘土とされてい
る。これらの粘土鉱物は塊状、繊維状、紙状などの形状
で産出し、そのままの形状で用いてもよいが、一般的に
は粉砕して粉粒径0.01〜100μm、好ましくは1
〜50μmの粉末として用いるのが好ましい。
【0016】本発明の生菌製剤はフザリウム属菌の生菌
体と層−リボン構造の粘土鉱物との組成物からなるもの
であり、両成分は単に混合した組成物でもよいが、生菌
体を含む液を粘土鉱物に吸着させて乾燥することによ
り、生菌体を粘土鉱物に固定したものが好ましい。生菌
体を含む液としては、振とう培養による培養物、この培
養物から分離した芽胞を含む生菌体を別の液に分散し
た、分散物などがあげられる。
【0017】組成物中の生菌体の割合は乾重基準で1〜
90重量%、好ましくは2〜80重量%、さらに好まし
くは3〜70重量%、粘土鉱物の割合は乾重基準で10
〜99重量%、好ましくは20〜98重量%、さらに好
ましくは30〜97重量%である。組成物中の菌体濃度
は、組成物中に芽胞10〜1×1010個−芽胞/g−組
成物、好ましくは1×103〜1×109個−芽胞/g−
組成物、さらに好ましくは1×105〜1×108個−芽
胞/g−組成物とするのが好適である。
【0018】本発明の生菌製剤は上記フザリウム属菌の
生菌体および層−リボン構造の粘土鉱物のみからなるも
のでもよいが、適用する剤型に応じてこれらの成分のほ
かに、増量剤、結合剤、界面活性剤等の他の成分を含ん
でいてもよい。これらの添加剤はフザリウム菌に対して
無害であるか、あるいはほとんど影響を及ぼさないもの
が好ましい。例えば本発明の生菌製剤を粉剤、粒剤など
として用いる場合、生菌製剤を希釈して生菌濃度を低く
する方が施用が容易になるので、増量剤を添加すること
ができる。
【0019】増量剤としては水溶性増量剤あるいは非水
溶性増量剤を用いることができ、これらを組合せて用い
ることもできる。水溶性増量剤としては、例えば硫酸ア
ンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫
酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の有機または無機酸塩類;ク
エン酸、コハク酸等の有機酸塩類;ショ糖、ラクトース
等の糖類;尿素などをあげることができる。また非水溶
性増量剤は一般的に鉱物質微粉末が用いられ、例えばク
レー類、炭酸カルシウム、タルク、天然珪藻土、合成珪
藻土、ベントナイト、ホワイトカーボンなどをあげるこ
とができる。これらの増量剤の組成物中の割合は乾重基
準で0〜80重量%、好ましくは5〜60重量%とする
ことができる。
【0020】また本発明の生菌製剤を粒剤または粒状の
水和剤などとするときには結合剤を配合するのが好まし
い。結合剤は農薬粒状組成物に一般的に用いられるもの
で、水溶性のものが好ましい。例えばカルボキシメチル
セルロースナトリウム塩、デキストリン、水溶性デンプ
ン、キサンタンガム、グアシードガム、ショ糖、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどをあげるこ
とができる。これらの結合剤の組成物中の割合は乾重基
準で0〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、
さらに好ましくは0.1〜5重量%とすることができ
る。
【0021】本発明の生菌製剤を水和剤あるいは粒状水
和剤の形態とする場合には、水への分散を良好にするた
めに、界面活性剤を用いることができる。界面活性剤と
しては、例えばポリエチレングリコール高級脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチ
レンアリルフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレ
ート等のノニオン性界面活性剤;アルキルアリールスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン
酸塩、ナフタレンスルホン酸塩およびその縮合物、アル
キル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、アルキ
ルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリール燐酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエ
ーテル燐酸塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニ
オン性界面活性剤などをあげることができる。これらの
界面活性剤は単独で、あるいは2種類以上を混合して用
いることができる。これらの界面活性剤の組成物中の割
合は乾重基準で0〜30重量%、好ましくは0.1〜2
0重量%、さらに好ましくは1〜10重量%とすること
ができる。
【0022】本発明のフザリウム属菌生菌製剤は耐熱性
を有するため、室温以上の温度で乾燥することができ
る。従って、従来のフザリウム属菌生菌製剤に比べ、短
時間で製剤を乾燥することができ、工業的にも有利であ
る。乾燥温度は通常2〜70℃、好ましくは15〜60
℃、さらに好ましくは25〜50℃である。乾燥時間は
0.1時間〜24時間、好ましくは0.2時間〜12時
間、さらに好ましくは0.5時間〜6時間であり、この
ときの製剤の最終水分含量は1〜30重量%、好ましく
は2〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%で
ある。
【0023】本発明のフザリウム属菌生菌製剤は、フザ
リウム属菌の生菌体を層−リボン構造を有する粘土鉱物
と配合することにより製造される。この場合フザリウム
属菌培養物、あるいはそれを遠心分離や濾過することに
より得た芽胞成分の液を、粘土鉱物と均一に混合後、乾
燥して製造するのが好ましい。乾燥の際、粉末が凝集し
て固まる場合は粉砕することができる。増量剤その他の
添加剤は上記の組成物が得られたのち配合してもよい
が、予め粘土鉱物と混合した状態で培養物または分離し
た菌体を含む液と混合して乾燥させるのが好ましい。
【0024】本発明の生菌製剤を水和剤とする場合は、
上記の方法で得たフザリウム属菌を含有する粉末と界面
活性剤を混合して得るか、あるいは予めフザリウム属菌
培養物、あるいはそれを遠心分離や濾過することにより
得た芽胞成分と界面活性剤を混合した液を、粘土鉱物お
よび必要に応じて増量剤を配合した粉末と均一に混合
後、乾燥して製造することができる。乾燥の際、粉末が
凝集して固まる場合は粉砕することができる。
【0025】本発明の生菌剤を粒剤とする場合は、上記
で得た生菌体および粘土鉱物の組成物とを配合し、また
粒状水和剤とする場合は、上記の組成物と界面活性剤、
および必要に応じて結合剤を配合し、攪拌造粒、転動造
粒、流動層造粒、練り押し造粒後乾燥するか、あるいは
予めフザリウム属菌培養物、あるいはそれを遠心分離や
濾過することにより得た芽胞成分と界面活性剤を混合し
た液と粘土鉱物および必要に応じて増量剤、結合剤等を
配合し、同様の方法で造粒後乾燥し製造することができ
る。
【0026】こうして得られた本発明のフザリウム属菌
生菌製剤は、粉剤または粒剤の場合、水に希釈しないで
そのまま、発芽前の種子や塊茎またはさし芽切り口等を
直接処理し、あるいは土壌等に直接施用する。これによ
り接種されたフザリウム属菌が増殖し、病原菌の増殖を
抑制し、発病を防止することができる。水和剤または粒
状水和剤の場合は、上記により得た生菌製剤を水に希釈
して散布するか、あるいは種子等を直接処理して使用す
ることにより、同様の防除効果を得ることができる。
【0027】上記のように調製されたフザリウム属菌生
菌製剤は固体状態であって、室温で製造、乾燥ができ、
また長期間保存し、流通させることが可能であり、保存
流通後においても初期の効能を維持する。また水和剤ま
たは粒状水和剤は使用場面においては、直接または水に
希釈して施用できるなど、取扱が簡便であり、懸垂分散
性に優れているため、一般農薬と同様の簡単な用法で十
分な防除効果が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限される
ものではない。実施例では、東京大学応用微生物研究所
保存菌株で標準菌株であるフザリウムオキシスポラム
Fusarium oxysporum)IAM−5009、農林水産省
生物資源研究所保存菌株フザリウム モニリフォルメ
Fusarium moniliforme)MAF−235463および
非病原性フザリウム スピシーズ(Fusarium sp.)KF
−0270を試験菌として用いた。
【0029】実施例1 ポテト−デキストロース培地(ディフコ社製)300m
lを100mlずつ3本に分注し、滅菌後それぞれにI
AM−5009株、MAF−235463株およびKF
−0270株を接種して、27℃で3日間振盪培養し、
芽胞が主体である菌体を得た。これらをそれぞれ濾過に
よる集菌後、菌体を10mlの水に懸濁し、それぞれに
アタパルジャイト(水分含量約3重量%)を10gずつ
加えてよく混合し、40℃で50分間乾燥し破砕した。
このときの各製剤の水分含量は6重量%±0.5重量%
であった。これらの操作によりフザリウムIAM−50
09株製剤10.9g、MAF−235463株製剤1
0.9gおよびKF−0270株製剤10.8gを得
た。
【0030】実施例2 実施例1と同様にポテト−デキストロース培地で培養
し、芽胞が主体である菌体を得た。集菌後、菌体を10
mlの水に懸濁し、それぞれにセピオライト(水分含量
約3重量%)を10gずつ加えてよく混合し、40℃で
50分間乾燥し破砕した。このときの各製剤の水分含量
は6重量%±0.4重量%であった。これらの操作によ
りフザリウムIAM−5009株製剤10.9g、MA
F−235463株製剤10.8gおよびKF−027
0株製剤10.9gを得た。
【0031】実施例3 実施例1と同様にポテト−デキストロース培地で培養
し、芽胞が主体である菌体を得た。集菌後、菌体を10
mlの水に懸濁し、トキサノンGR−31A(ポリカル
ボン酸高分子界面活性剤:三洋化成工業社製)を1gず
つ加えて混合し、それぞれにアタパルジャイト(水分含
量約3重量%)を8.8g、結合剤としてシペリナート
0.1g、ポリビニルピロリドン0.1gずつ加えてよ
く混合し、40℃で50分間乾燥し破砕した。このとき
の各製剤の水分含量は6重量%±0.6重量%であっ
た。これらの操作により、水懸垂性のあるフザリウムI
AM−5009株製剤11.0g、MAF−23546
3株製剤10.9gおよびKF−0270株製剤11.
1gを得た。
【0032】実施例4 実施例1と同様にポテト−デキストロース培地で培養
し、芽胞が主体である菌体を得た。集菌後、菌体を10
mlの水に懸濁し、トキサノンGR−31A(ポリカル
ボン酸高分子界面活性剤:三洋化成工業社製)を1gず
つ加えて混合し、それぞれにセピオライト(水分含量約
3重量%)を8.8g、結合剤としてシペリナート0.
1g、ポリビニルピロリドン0.1gずつ加えてよく混
合し、40℃で50分間乾燥し破砕した。このときの各
製剤の水分含量は6重量%±0.3重量%であった。こ
れらの操作により、水懸垂性のあるフザリウムIAM−
5009株製剤10.8g、MAF−235463株製
剤10.9gおよびKF−0270株製剤11.0gを
得た。
【0033】比較例1 実施例1と同様にポテト−デキストロース培地で培養
し、芽胞が主体である菌体を得た。集菌後、菌体を10
mlの水に懸濁し、それぞれにゼオライト(水分含量約
3重量%)を10gずつ加えてよく混合し、27℃で1
晩乾燥して破砕した。このときの各製剤の水分含量は8
重量%±0.3重量%前後であった。これらの操作によ
りフザリウムIAM−5009株製剤10.9g、MA
F−235463株製剤10.8gおよびKF−027
0株製剤10.9gを得た。
【0034】比較例2 実施例1と同様にポテト−デキストロース培地で培養
し、芽胞が主体である菌体を得た。集菌後、菌体を10
mlの水に懸濁し、トキサノンGR−31A(ポリカル
ボン酸高分子界面活性剤:三洋化成工業社製)を1gず
つ加えて混合し、それぞれにゼオライト(水分含量約3
重量%)を8.8g、シペリナート0.1g、ポリビニ
ルピロリドン0.1gずつ加えてよく混合し、27℃で
1晩乾燥して破砕した。このときの各製剤の水分含量は
8重量%±0.4重量%前後であった。これらの操作に
より水懸垂性のあるフザリウムIAM−5009株製剤
11.0g、MAF−235463株製剤10.9gお
よびKF−0270株製剤11.1gを得た。
【0035】試験例1 フザリウム生菌粉剤の保存性
(1) 実施例1〜4、比較例1〜2で調製した製剤を室温(温
度20〜35℃)に放置し、製剤調製直後から6ヶ月
間、1ヶ月毎に製剤1g当たりに生存している菌数を希
釈平板法にて調査した。結果を図1ないし図3に示す。
その結果、実施例1〜4のものは比較例1〜2のものに
比べて室温保存にもかかわらず、いずれの製剤も菌の生
存率が高く、また殆ど菌の減少は観察されず、長期保存
性が高いことがわかる。
【0036】試験例2 フザリウム生菌粉剤の保存性
(2) 実施例1〜4、比較例1〜2で調製した製剤を室温(温
度20〜35℃)、50℃および70℃に24時間放置
した後、製剤1g当たりに生存している菌数を希釈平板
法にて調査した。その結果、表1に示した通り、実施例
1〜4の製剤は比較例1〜2のものに比べていずれも高
い耐熱性を有し、保存性が高いことがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】試験例3 フザリウム生菌水和性製剤の懸
垂性 100ml計量用のメスシリンダーに水を100ml入
れ、そこに実施例3〜4、比較例2で調製した製剤を
0.1g懸濁させた。懸濁直後と24時間後にメスシリ
ンダーの中央部から懸濁水を採取し、1ml中に生存し
ているフザリウム菌について希釈平板法にて調査した。
その結果、表2に示した通り、実施例3〜4の製剤は比
較例のものに比べていずれも、高い懸垂性が持続するこ
とがわかる。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明のフザリウム属菌生菌製剤は、フ
ザリウム属菌の生菌体と層−リボン構造を有する粘土鉱
物を含むため、生菌体の生存率が高く、室温での長期保
存性および耐熱性も高く、流通性に優れたフザリウム菌
生菌製剤が得られる。本発明のフザリウム菌生菌製剤
は、界面活性剤等を含むことにより、懸垂性に優れ、簡
単な操作で水で希釈し施用して、優れた防除効果を得る
ことができるフザリウム菌生菌製剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるIAM−5009株の保存性の
試験結果を示すグラフである。
【図2】実施例におけるMAF235463株の保存性
の試験結果を示すグラフである。
【図3】実施例におけるKF−0270株の保存性の試
験結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:77)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フザリウム属菌の生菌体と、層−リボン
    構造を有する粘土鉱物とを含むフザリウム属菌生菌製
    剤。
  2. 【請求項2】 生菌体が芽胞を含むものである請求項1
    記載のフザリウム属菌生菌製剤。
  3. 【請求項3】 粘土鉱物がセピオライト、アタパルジャ
    イトまたはパリゴルスカイトである請求項1または2記
    載のフザリウム属菌生菌製剤。
  4. 【請求項4】 増量剤、結合剤または界面活性剤をさら
    に含む請求項1ないし3のいずれかに記載のフザリウム
    属菌生菌製剤。
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