JPH11209178A - 複合積層セラミック部品およびその製造方法 - Google Patents

複合積層セラミック部品およびその製造方法

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JPH11209178A
JPH11209178A JP10010211A JP1021198A JPH11209178A JP H11209178 A JPH11209178 A JP H11209178A JP 10010211 A JP10010211 A JP 10010211A JP 1021198 A JP1021198 A JP 1021198A JP H11209178 A JPH11209178 A JP H11209178A
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dielectric constant
constant layer
low dielectric
laminated
ceramic component
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JP10010211A
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English (en)
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Masahiro Hiraga
将浩 平賀
Ryuichi Saito
隆一 斉藤
Hidenori Katsumura
英則 勝村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種積層体を一体焼成することによって得ら
れる複合積層セラミック部品においては、低誘電率層と
高誘電率層の焼成挙動及び熱膨張率の相違により、両者
の界面での剥離あるいは焼成体基板に変形が発生した
り、内部に生じる歪みによりそれぞれの層にクラックが
生じやすいといった問題があった。 【解決手段】 高誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT
1、低誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT2とし、か
つ複合積層セラミック部品の50mm2以下のとき、|
T1−T2|≦140であり、面積が8mm2以下のと
き、|T1−T2|≦60の関係が成り立つ高誘電率材
料及び低誘電率材料を用いたものから構成され、この関
係の成り立つ材料を高誘電率層2,3と低誘電率層1,
4に用いることによって、異種材料の積層界面の剥離、
クラックや外観変形のない複合積層部品を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低誘電率層と高誘電
率層および導体層を積層して一体焼成される複合積層セ
ラミック部品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小型化、多機能化にともな
ってその内部に用いられる電子部品にも軽薄短小化が求
められている。そのために限られた面積のセラミック基
板上に抵抗体や配線パターンなどをより高密度に印刷し
たり、チップ部品をより高密度に集積するといった方法
を採用していた。
【0003】しかしながら、従来の高密度化の方法では
部品の小型化及び部品を実装する基板の小型化には限界
がある。さらに高周波用部品では、配線パターンを緻密
にするとノイズやライン間の容量が発生しやすくなり、
ひいては品質の低下を招くといった問題があった。
【0004】このようなことから、基板内部にコンデン
サや共振器を設けた構成の新しい複合積層セラミック部
品が開発されつつある。その一例として、コンデンサあ
るいは共振器を形成するための高誘電率層を、配線パタ
ーン形成用の低誘電率層で挟み込み、その各積層面に導
体層を設けた構成のものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異種積
層体を一体焼成することによって得られる複合積層セラ
ミック部品においては、低誘電率層と高誘電率層の焼成
挙動及び熱膨張率の相違により、両者の界面での剥離あ
るいは焼成体基板に変形が発生したり、内部に生じる歪
みによりそれぞれの層にクラックが生じやすいといった
問題があった。
【0006】このような低誘電率層と高誘電率層の界面
での剥離およびそれぞれの層におけるクラックを防ぐた
め、例えば特公平−13524号公報に示されるよう
に、各層の間に各層の材料の混合物からなる中間層を設
けることにより、前述の剥離やクラックを防いでいた。
この方法においては、電子部品の機能発現のためには本
来必要のない中間層を形成しなければならないため工数
が増加してコスト面で不利になるとともに小型化を図る
うえでの障害になるものであった。
【0007】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、中間層無しでも界面での剥離や各層でのクラック発
生、さらには変形のない複合積層セラミック部品を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、高誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT1、
低誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT2とし、かつ複
合積層セラミック部品の50mm2以下のとき、|T1
−T2|≦140であり、面積が8mm2以下のとき、
|T1−T2|≦60の関係が成り立つ高誘電率材料及
び低誘電率材料を用いたものから構成される。
【0009】この関係の成り立つ材料を高誘電率層と低
誘電率層に用いることによって、異種材料の積層界面の
剥離、クラックや外観変形のない複合積層部品を得るこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、高誘電率層と低誘電率層の積層面に導体層を形成
し、一体的に積層して焼成された複合積層セラミック部
品であって、高誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT
1、低誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT2とし、複
合積層セラミック部品の面積が50mm2以下のとき、
|T1−T2|≦140の関係が成り立つ高誘電率材料
及び低誘電率材料を用いたことを特徴とする複合積層セ
ラミック部品であって、この関係が成り立つ材料を高誘
電率層と低誘電率層に用いることによって、異種材料の
積層界面の剥離、クラックや外観変形の発生を抑制する
ことができるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項2に記載の発明は、高誘電
率層と低誘電率層の積層面に導体層を形成し、一体的に
積層して焼成された複合積層セラミック部品であって、
高誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT1、低誘電率層
の焼成時の収縮開始温度をT2とし、かつ複合積層セラ
ミック部品の面積が8mm2以下のとき、|T1−T2
|≦60の関係が成り立つ高誘電率材料及び低誘電率材
料を用いたことを特徴とする複合積層セラミック部品で
ある。請求項1記載の関係式|T1−T2|≦140が
成り立つ材料を高誘電率層や低誘電率層に用いても、面
積が8mm2以下になると、異種材料間の剥離や変形が
生じる。しかしながら、関係式|T1−T2|≦60を
満たす材料を用いれば、面積が8mm2以下でも、剥
離、クラック、外観変形を確実に抑止するという作用を
有する。
【0012】本発明の請求項3に記載の発明は、高誘電
率層と低誘電率層の積層面に導体層を形成し、一体的に
積層して焼成された複合積層セラミック部品であって、
前記高誘電率層がBi23,CaO,Nb25を主成分
とする誘電体セラミック材料であり、かつ前記低誘電率
層がSiO2−Al23−La23−MO(MはBa,
Ca,Srから選ばれた少なくとも1種以上)を主成分
とするガラスとセラミック粉末からなることを特徴とす
る請求項1または2記載の複合積層セラミック部品であ
って、高誘電率層と低誘電率層に前記材料系を用いるこ
とにより、関係式|T1−T2|≦140〜60を満た
すことが可能となり、剥離、クラック、外観変形をさら
に確実に抑止するという作用を有する。
【0013】本発明の請求項4に記載の発明は、ガラス
の主成分が、SiO2:40〜55重量%、Al23
0〜20重量%、La23:8〜15重量%、MO:2
9〜40重量%であることを特徴とする請求項3記載の
複合積層セラミック部品であって、低誘電率層に用いら
れるガラス材料の組成を前記範囲にすることにより、関
係式|T1−T2|≦60を確実に満足し、面積8mm
2以下の複合積層セラミック部品であっても、より一層
確実に異種材料間の剥離、クラック、外観変形を抑止す
るという作用を有する。
【0014】本発明の請求項5に記載の発明は、高誘電
率層と低誘電率層の積層面に導体層を形成し、一体的に
積層して焼成された複合積層セラミック部品であって、
前記高誘電率層がBaO,Nd25,TiO2およびガ
ラスを主成分とする誘電体セラミック材料であり、かつ
前記低誘電率層がSiO2−Al23−B23−K2Oを
主成分とするガラスとセラミック粉末からなることを特
徴とする請求項1または2記載の複合積層セラミック部
品であって、高誘電率層と低誘電率層に前記材料系を用
いることにより、関係式|T1−T2|≦140〜60
を満たすことが可能となり、剥離、クラック、外観変形
をさらに確実に抑止するという作用を有する。
【0015】本発明の請求項6に記載の発明は、ガラス
の主成分が、SiO2:60〜80重量%、Al23
1〜5重量%、B23:20〜30重量%、K2O:1
〜5重量%であることを特徴とする請求項5記載の複合
積層セラミック部品であって、低誘電率層に用いられる
ガラス材料の組成を前記範囲にすることにより、関係式
|T1−T2|≦60を確実に満足し、面積8mm2
下の複合積層セラミック部品であっても、より一層確実
に異種材料間の剥離、クラック、外観変形を抑止すると
いう作用を有する。
【0016】本発明の請求項7に記載の発明は、セラミ
ック粉末が少なくともシリカ粉末を含んでいることを特
徴とするものであり、低誘電率層をガラスとシリカ粉末
の混合系にすることにより、低誘電率層の焼成時の収縮
開始点を高温側にシフトさせ、かつ熱膨張率を大きくす
ることができる。その結果マイクロ波誘電体と低誘電率
層との収縮開始点差|T1−T2|≦60をより確実に
満たすことができ、かつマイクロ波誘電体との熱膨張差
も小さくできるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項8に記載の発明は、ガラス
とセラミック粉末の混合重量比率が80:20〜60:
40であることを特徴とする請求項3または5記載の複
合積層セラミック部品であって、この範囲内であれば、
低誘電率層の焼結性が十分であり、なおかつ異種材料界
面の接着強度を大きくするという作用を有する。
【0018】本発明の請求項9に記載の発明は、低誘電
率層を形成するガラスとセラミック粉末の混合粉体の平
均粒子径が1〜3μmであることを特徴とする請求項3
または5記載の複合積層セラミック部品であって、この
粒径以下であれば、低誘電率層の焼結が十分であり、か
つ前記関係式|T1−T2|≦140〜60を満足させ
るよう調整することが可能であるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項10に記載の発明は、高誘
電率グリーンシートと低誘電率グリーンシートの積層面
に導体層を形成する工程と、高誘電率グリーンシートと
低誘電率グリーンシートを積層した後、所定のサイズに
切断し、焼成する工程を有することを特徴とする複合積
層セラミック部品の製造方法であって、この製造方法で
複合積層セラミック部品を製造する場合は、請求項1ま
たは2の関係式を成り立たせる異種の材料を用いること
により、剥離、クラック、外観変形を抑止することがで
きるという作用を有する。
【0020】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて説明する。図1は本発明の一実施の形態における
複合積層セラミック部品を示す断面図であり、この図1
においてはバンドパスフィルタ内蔵の複合積層セラミッ
ク部品を一例として示した。
【0021】図1において、ガラスとセラミック粉末の
混合物を主成分とする低誘電率層4上には、シールド電
極としての導体層8が形成されると共に、マイクロ波誘
電体セラミックスからなる高誘電率層3が設けられてい
る。この高誘電率層3上にはバンドパスフィルタとして
の共振器電極導体層7が形成され、この上に同じく高誘
電率層2が設けられ、この高誘電率層2の上面にはシー
ルド電極としての導体層6が形成されている。
【0022】この導体層6を設けた高誘電率層2上に
は、ガラスとセラミック粉末の混合物を主成分とする低
誘電率層1が設けられ、この低誘電率層1の上面には部
品を実装するためのランド電極及びインダクタンスを構
成する表層電極導体層5が形成されている。この導体層
5の一部には低誘電率層1と高誘電率層2を貫通するよ
うに設けられたスルーホール導体9,10が接続され、
このスルーホール導体9,10はバンドパスフィルタ用
の電極としての導体層7にそれぞれ接続されている。
【0023】これらの構成のものはグリーンシートを用
いて積層したものを一括焼成して形成されている。これ
らの積層体を一括焼成するとき、低誘電率層1,4が流
動軟化し、高誘電率層2,3および導体層5,6,7,
8と結着することにより、界面の剥離あるいは各層に発
生するクラックの発生を抑止し、大きな接着強度を有す
る複合積層セラミック部品を得ることができる。
【0024】ここでは誘電体フィルタ内蔵の複合積層セ
ラミック部品を例にしたが、コンデンサ、インダクタ、
セラミックフィルタなどの各種電子部品を内蔵する複合
積層セラミック部品を構成することができ、低誘電率層
と高誘電率層を交互に積層する構成も可能である。次に
本発明の特徴とする高誘電率層と低誘電率層の材料につ
いて具体的な実施の形態により説明する。
【0025】(実施の形態1)高誘電率層及び低誘電率
層のグリーンシートをそれぞれ下記のように作製した。
高誘電率層の作製に当たっては、特開平5−22582
6号公報記載の誘電率58のBi23−CaO−Nb2
5(以下BCNと略記)系誘電体粉末500gをメチ
ルエチルケトン200g中にジブチルフタレート10
g、ポリビニルブチラール樹脂25gを溶かした溶液中
に加え、ボールミルで24時間混合した。得られたスラ
リーからドクターブレード法により厚さ50μmのBC
N誘電体グリーンシートを作製した。また、同様に、B
aO−Nd25−TiO2とガラス(以下BNTG)を
主成分とする高誘電率層(特願平9−108788号)
も同様の条件で作製した。
【0026】ここでBCN系誘電体またはBNTG材料
を用いたのは、その焼成開始温度が後で述べる低誘電率
層材料の焼成時の収縮開始温度に比較的近いためであ
る。一方、例えばチタン酸バリウムを高誘電率材料とし
て用いた場合は、その焼成温度を1200℃以上で行う
必要があるが、この温度は低誘電率層材料の焼成時の収
縮開始温度よりも高すぎるため、複合積層して焼成した
後、得られる基板は変形やクラックが生じやすいと同時
に、内層及び表層電極として用いられる導電率の高いA
gやCuが溶融してしまうからである。
【0027】低誘電率層のグリーンシートは以下のよう
に作製した。低誘電率層に用いられるガラスはSi
2,H3BO3,Al(OH)3,CaCO3,BaC
3,SrCO3,La23,K2O等の原料を白金また
は白金ロジウム坩堝中で溶融し、冷却後粉砕してガラス
粉末を作製した。得られたガラス粉末500gをメチル
エチルケトン300g中にジブチルフタレート25g、
ポリビニルブチラール樹脂50gを溶かした溶液中に加
え、ボールミルで24時間混合粉砕した。得られたスラ
リーから周知のドクターブレード法により厚さ50μm
のグリーンシートを作製した。
【0028】前述の方法で作製した高誘電率層シートを
積層し、60℃で熱圧着することにより高誘電率層2お
よび(各500μm厚)を作製した。同様に低誘電率層
シートを積層し、60℃で熱圧着することにより低誘電
率層1,4(各200μm厚)を作製した。これらの
1,2層中に導体層間の導通を得るためのビアホール9
および10を形成し、銀ペーストを充填した。その後、
1〜4層上に銀ペーストをスクリーン印刷法により所定
の導体パターンに印刷し、それぞれ導体層5,6,7,
8を形成した。次いで各層1〜4を順次積層し、80℃
で熱圧着した後、所定のサイズに切断した。500℃で
脱バインダーし、その後850℃〜950℃の温度で焼
成し、図1に示す複合積層セラミック部品を形成した。
【0029】以下具体的な実施の形態2〜6について述
べる。 (実施の形態2)低誘電率材料として様々な組成のガラ
スに対し、高誘電率層材料を前記実施の形態1のように
焼成一体化して得られた基板について、低誘電率層と高
誘電率層界面における剥離、および素子のうねりの有無
など外観から判断した。高誘電率層および低誘電率層の
熱膨張率はTMA測定により求めた。
【0030】高誘電率層BCNと(表1)の低誘電率層
材料を積層、個片切断した後、焼成して外観を検査し
た。素子のサイズは、7×7.5mm(面積52.5m
2)、3.2×2.5mm(面積8mm2)の2種で評
価した。低誘電率層の熱膨張率はTMA測定により求め
た。試験に用いた低誘電率層材料としては、(表2)、
NO.9記載のガラセラ(A)、(表2)、従来例に記
載のSiO2(45wt%)−B23(5wt%)−A
23(5wt%)−BaO(25wt%)−CaO
(10wt%)−La23(10wt%)ガラスとフォ
ルステライトをそれぞれ6:4の割合で混合・形成した
ガラセラ(B)と、本発明の(表2)、NO.15ガラ
スとSiO2をそれぞれ6:4の割合で混合・形成した
ガラセラ(C)を用いた。その結果を(表1)に示す。
【0031】
【表1】
【0032】(表1)の結果より、素子面積が50mm
2以下の場合、|T1−T2|が130以下であれば、
良好な複合積層セラミック部品が得られた。また、面積
が8mm2以下の場合は、|T1−T2|が60以下で
あれば良好なものが得られた。
【0033】低誘電率層として用いるガラセラ材は、高
誘電率層として用いるBCNより、早く収縮が起こる。
特に、ガラセラAとBCNとの収縮開始温度差は148
℃あるため、ガラセラの収縮が完了してから、BCNの
収縮が開始する。この時点では、BCNは全く焼結が始
まっていないので、ガラセラのみガラセラの中心部に向
かって収縮し始める。素子中心部のガラセラ部は、収縮
による変化が少ないので、BCNと結着が進むが、素子
端部ではガラセラ部の収縮による変化が大きいので、B
CNとガラセラ界面に大きなストレスがかかり、ガラセ
ラの端部が捲れあがったような剥離が生じたものと考え
られる。
【0034】(実施の形態3)特願平H08−2541
30号の(表2)、NO.22のガラセラは面積50m
2の素子サイズでは良好なものが得られるが、素子サ
イズ8mm2以下では界面の一部剥離が生じる。この原
因は、収縮開始点の温度差が130℃と大きいためであ
るので、この材料をベースにガラスの収縮開始温度の高
温化を図った。その結果を(表2)および(表3)に示
す。評価方法は実施の形態2と同様な方法で行った。
【0035】特願平H08−254130号の(表
2)、NO.22のガラセラは、B23成分を含有して
いるが、この成分を含有するとガラス粉末のゲル化によ
り、グリーンシート化が困難である。しかも、ガラス成
分の中で、B23は融点が低い材料であるので、この成
分を除いた系で高温化を図った。
【0036】
【表2】
【0037】NO.1は、溶融温度が1550℃でも溶
融できなかったので、NO.2のガラスをベースに各種
ガラス成分と収縮開始温度の影響を調べた。セラミック
粉末はSiO2を用い、ガラス60重量%に対してシリ
カ粉末を40重量%加えた。
【0038】NO.2〜NO.11はガラス成分中のS
iO2/Al23/CaO比について検討したものであ
る。NO.5のSiO2が40wt%、素子面積が8m
2のときは、異種材料積層界面で一部剥離が生じた。
しかしながらSiO2を40wt%とし、Al23の成
分量を多くしていくと(NO.6,7)収縮開始温度が
上昇し、素子面積が8mm2でも良好な素子が得られ
る。SiO2を55wt%(NO.4)にすると溶融温
度が1550℃以上となり、Pt−Rh坩堝でガラスを
作製することは困難であるが、NO.11のようにAl
23を0にすればSiO2が55wt%でも良好な素子
が得られる。SiO2が40wt%のとき、Al 23
15〜20wt%(NO.7,8)で良好な素子が得ら
れる。SiO2が55wt%のときは、Al23;0
(NO.11)が好ましい。以上の結果より、SiO2
およびAl23の好ましい組成範囲は、SiO2が40
〜55wt%のとき、Al23は20〜0wt%であ
る。
【0039】NO.12〜NO.15は、CaO/La
23の比の最適化を図ったものである。La23量を増
やしていくと収縮開始温度が高くなる。La23が20
wt%(NO.13)のとき、溶融温度が1550℃以
上になり、5wt%(NO.14)のときは異種材料積
層界面で一部剥離が生じる。以上の結果より、La23
は8〜15wt%の組成範囲が好ましい。
【0040】アルカリ土類の最適組成範囲については、
NO.8(アルカリ土類最小重量)、NO.15(アル
カリ土類最大重量)の結果より、29〜40wt%が好
ましい。
【0041】NO.16〜NO.23はCaO/BaO
/SrO比の最適化を図ったものである。
【0042】
【表3】
【0043】これらの試料の中で、溶融できなかったも
のはNO.19だけである。NO.19を除いた試料
は、いずれも収縮開始温度に差が現れなかった。以上の
結果より、CaO,BaO,SrOの最適組成範囲は、
それぞれ0〜40wt%、0〜27wt%、0〜40w
t%(SrO,CaOは収縮開始温度に及ぼす影響はほ
ぼ同等であるので)である。
【0044】(実施の形態4)高誘電率層BNTGと
(表3)の低誘電率層材料を積層、個片切断した後、焼
成して外観を検査した。素子のサイズは、3.2×2.
5mm(8mm2)で評価した。その他の評価法につい
ては、実施の形態2に準ずる。低誘電率材としては、ガ
ラス60重量%に対してセラミック粉40重量%を加え
た。なお、ここでは、セラミック粉にフォルステライト
を使用した。結果については(表4)に示した。
【0045】
【表4】
【0046】NO.24〜28はSiO2とB23の比
について検討したものである。NO.26については収
縮開始点が低すぎ、NO.28については溶融温度が高
すぎるため、ガラスの作製が困難となる。また、NO.
29からNO.34はSiO 2/B23/K2Oの比につ
いて検討したものである。これについては、K2Oの添
加量を増やすにつれ収縮開始温度が低温側にシフトし、
NO.34においては収縮開始点が低すぎることで、界
面で剥離が生じてしまった。
【0047】一般に、ここで低誘電率層として用いるガ
ラセラ材は、高誘電率層として用いるBNTGより、収
縮の傾きが急であり、しかも早く収縮が起こる。よっ
て、収縮開始温度が違ってくるとガラセラ材が収縮して
後、BNTGの収縮が始まることになる。よって、収縮
開始温度差が60以上である場合には、(表4)に示し
たように、焼成課程において、ガラセラのみガラセラの
中心部に向かって収縮し始め、素子中心部のガラセラ部
は、収縮による変化が少ないので、BNTGと結着が進
むが、素子端部ではガラセラ部の収縮による変化が大き
いので、BCNとガラセラ界面に大きなストレスがかか
り、ガラセラの端部が捲れあがったような剥離が生じた
ものと考えられる。
【0048】よって、上記の結果より、SiO2は70
〜80wt%、B23は20〜30wt%、K2Oは0
〜10wt%が好ましい組成範囲である。なお、K2
のKの代わりにNa,Liを用いてもよいことは言うま
でもない。
【0049】(実施の形態5)次に、ガラスとセラミッ
ク粉末の重量混合比について検討した。ガラスの組成は
実施の形態4のNO.24の組成を使用した。高誘電率
層BNTGと上記組成のガラスを用いた低誘電率層材料
を積層、個片切断した後、焼成して外観を検査した。素
子のサイズは、3.2×2.5mm(8mm2)で評価
した。(表5)に示したように低誘電率材料のセラミッ
ク粉とガラスの比を変えた結果は、セラミック粉:ガラ
ス=50:50においては焼結が不十分であり、セラミ
ック粉:ガラス=10:90ではガラスの量が多すぎた
ためにセッターに試料が融着したり、場合によっては反
りなどの現象が生じていた。よって、セラミック粉:ガ
ラスの比は40:60から20:80のあいだであるこ
とが好ましい。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】また、(表6)のNO.40〜NO.45
は、セラミック粉末としてSiO2を用いたもの、N
O.46,NO.47は、セラミック粉末としてSiO
2とフォルステライトを用いたものである。この時のガ
ラスの組成は(表3)のNO.16の組成を使用した。
評価方法については実施の形態2と同様な方法で行っ
た。
【0053】SiO2粉末は、その添加量を多くすれば
収縮開始温度が高くなると同時に、熱膨張率も大きくな
る。しかしながら、セラミック粉末としてのSiO2
添加量が50wt%を越えると焼結性が悪くなり(N
O.45)、SiO2粉末の添加量が10wt%以下で
は、一体焼成したときに異種材料積層界面に剥離が生じ
るので好ましくない。以上の結果より、SiO2粉末の
最適添加範囲は、ガラス、80〜60wt%に対して2
0〜40wt%の範囲である。また、NO.46、N
O.47の結果よりSiO2粉末の添加量が20wt%
以上であれば、残り0〜20wt%の範囲でフォルステ
ライト等のその他のセラミック粉末も添加可能である。
しかしながら、フォルステライト粉末添加は、収縮開始
温度の高温化には作用しない。
【0054】(実施の形態6)次に、ガラスとセラミッ
ク粉末混合系の平均粒子径と収縮開始温度の関係につい
て検討した。ガラスの組成は実施の形態3のNO.16
の組成を使用し、セラミック粉末はSiO2を使用し
た。評価方法は実施の形態2と同様な方法で行った。
【0055】
【表7】
【0056】(表7)の平均粒径0.5μmでは収縮開
始温度は低くなるので、素子に剥離が生じる。平均粒子
径を大きくすると、収縮開始温度は高くなるが、焼結性
が悪くなり水分などを吸水しやすくなるので好ましくな
い。以上の結果より、最適な平均粒子径は1〜3μmの
範囲である。
【0057】
【発明の効果】以上の結果より、異種積層体を一体焼成
することによって得られる複合積層セラミック部品にお
いて、異種材料積層界面の剥離、クラックや外観変形等
のない複合積層部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合積層セラミック部品の一実施の形
態を示す断面図
【符号の説明】
1,4 低誘電率層 2,3 高誘電率層 5,6,7,8 導体層 9,10 スルーホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 41/90 H01B 3/12 304 H01B 3/12 304 313E 313 319 319 330 330 5/14 Z 5/14 H05K 1/03 630G H05K 1/03 630 C04B 35/00 E

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高誘電率層と低誘電率層の積層面に導体
    層を形成し、一体的に積層して焼成された複合積層セラ
    ミック部品であって、高誘電率層の焼成時の収縮開始温
    度をT1、低誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT2と
    し、かつ複合積層セラミック部品の面積が50mm2
    下のとき、|T1−T2|≦140の関係が成り立つ高
    誘電率材料及び低誘電率材料を用いたことを特徴とする
    複合積層セラミック部品。
  2. 【請求項2】 高誘電率層と低誘電率層の積層面に導体
    層を形成し、一体的に積層して焼成された複合積層セラ
    ミック部品であって、高誘電率層の焼成時の収縮開始温
    度をT1、低誘電率層の焼成時の収縮開始温度をT2と
    し、かつ複合積層セラミック部品の面積が8mm2以下
    のとき、|T1−T2|≦60の関係が成り立つ高誘電
    率材料及び低誘電率材料を用いたことを特徴とする複合
    積層セラミック部品。
  3. 【請求項3】 高誘電率層と低誘電率層の積層面に導体
    層を形成し、一体的に積層して焼成された複合積層セラ
    ミック部品であって、前記高誘電率層がBi23,Ca
    O,Nb25を主成分とする誘電体セラミック材料であ
    り、かつ前記低誘電率層がSiO2−Al23−La2
    3−MO(MはBa,Ca,Srから選ばれた少なくと
    も1種以上)を主成分とするガラスとセラミック粉末か
    らなることを特徴とする請求項1または2記載の複合積
    層セラミック部品。
  4. 【請求項4】 ガラスの主成分が、SiO2:40〜5
    5重量%、Al23:0〜20重量%、La23:8〜
    15重量%、MO:29〜40重量%であることを特徴
    とする請求項3記載の複合積層セラミック部品。
  5. 【請求項5】 高誘電率層と低誘電率層の積層面に導体
    層を形成し、一体的に積層して焼成された複合積層セラ
    ミック部品であって、前記高誘電率層がBaO,Nd2
    5,TiO2およびガラスを主成分とする誘電体セラミ
    ック材料であり、かつ前記低誘電率層がSiO2−Al2
    3−B23−K2Oを主成分とするガラスとセラミック
    粉末からなることを特徴とする請求項1または2記載の
    複合積層セラミック部品。
  6. 【請求項6】 ガラスの主成分が、SiO2:70〜8
    0重量%、B23:20〜30重量%、K2O:0〜1
    0重量%であることを特徴とする請求項5記載の複合積
    層セラミック部品。
  7. 【請求項7】 ガラスとセラミック粉末の混合重量比率
    が80:20〜60:40であることを特徴とする請求
    項3または5記載の複合積層セラミック部品。
  8. 【請求項8】 セラミック粉末が少なくともシリカ粉末
    を含んでいることを特徴とする請求項3または5記載の
    複合積層セラミック部品。
  9. 【請求項9】 低誘電率層を形成するガラスとセラミッ
    ク粉末の混合粉体の平均粒子径が1〜3μmであること
    を特徴とする請求項3または5記載の複合積層セラミッ
    ク部品。
  10. 【請求項10】 高誘電率グリーンシートと低誘電率グ
    リーンシートの積層面に導体層を形成する工程と、高誘
    電率グリーンシートと低誘電率グリーンシートを積層し
    た後、所定のサイズに切断し、焼成する工程を有するこ
    とを特徴とする複合積層セラミック部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6699605B2 (en) 2001-08-21 2004-03-02 Nippon Electric Glass Co., Ltd Glass ceramic laminate becoming relatively high in bending strength after fired
WO2010058697A1 (ja) * 2008-11-19 2010-05-27 株式会社村田製作所 ガラスセラミック組成物およびガラスセラミック基板

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WO2010058697A1 (ja) * 2008-11-19 2010-05-27 株式会社村田製作所 ガラスセラミック組成物およびガラスセラミック基板
US8592041B2 (en) 2008-11-19 2013-11-26 Murata Manufacturing Co., Ltd. Glass ceramic composition and glass ceramic substrate

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