JPH11207508A - スローアウェイチップおよび該スローアウェイチップを装着したスローアウェイ式穴明け工具 - Google Patents

スローアウェイチップおよび該スローアウェイチップを装着したスローアウェイ式穴明け工具

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JPH11207508A
JPH11207508A JP992898A JP992898A JPH11207508A JP H11207508 A JPH11207508 A JP H11207508A JP 992898 A JP992898 A JP 992898A JP 992898 A JP992898 A JP 992898A JP H11207508 A JPH11207508 A JP H11207508A
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tool
tip
chip
cutting
throw
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JP992898A
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Koyo Saeki
幸洋 佐伯
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Yasuhiko Kawade
保彦 川出
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工穴の底部に凹部を形成することなく、良
好な切屑処理性能を得ることが可能なスローアウェイチ
ップおよびスローアウェイ式穴明け工具を提供する。 【解決手段】 多角形平板状のチップ本体2のすくい面
とされる上面3と逃げ面とされる側面4…との交差稜線
部に切刃5…が形成され、この切刃5上に、チップ本体
2の厚さ方向に段違いとなる段差部5e,5fを形成し
た一対のスローアウェイチップ1,1を、軸線O回りに
回転される工具本体11の先端部に、上面3を工具回転
方向Tに向けるとともに切刃5を工具先端側に突出させ
て、工具外周側と工具内周側とに偏って配置するととも
に、互いの切刃5の軸線O回りの回転軌跡をオーバーラ
ップさせ、かつ切刃5上の段差部5e,5fの位置を軸
線Oに対する径方向に互いにずらして配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スローアウェイ式
ドリル等に装着されるスローアウェイチップ(以下、チ
ップと称する。)、および該チップを装着したスローア
ウェイ式穴明け工具(以下、穴明け工具と称する。)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の穴明け工具による穴明け加工に
おいては、その切刃による切削部位が閉塞された加工穴
の底部となることから、切削の際に生成される切屑が詰
まりを生じると、切削抵抗の著しい増大を招いたり、加
工穴の仕上面が傷つけられてしまったりするおそれが生
じるため、かかる穴明け加工に用いられる穴明け工具に
は特に優れた切屑の処理性能が要求される。そして、こ
のような要求に応える穴明け工具として、例えば特開平
9−150304号公報に記載されたようなものが提案
されている。
【0003】この公報に記載された穴明け工具は、工具
本体の先端部に一対の多角形平板状のチップが工具内周
側と外周側とに偏って配置されたものであって、このチ
ップの上面辺稜部には一対の主切刃とこれに連続する一
対の切刃とがチップ中心軸について点対称に形成されて
いて、これらの切刃には、上記主切刃に連続するコーナ
ーR部とこれに相反対向きとなるコーナーR部とを有す
る突出部が形成されており、工具内周側に配置されるチ
ップは一の上記主切刃を工具先端側に突出させる一方、
工具外周側のチップは上記突出部を外周側に位置させて
一の上記切刃を工具先端側に突出させ、かつ互いの主切
刃および切刃の回転軌跡をオーバーラップさせて着脱自
在に装着されている。従って、このような穴明け工具に
よれば、外周側のチップの切刃により生成される切屑が
上記突出部によって予め分断されて排出されるので、良
好な切屑処理性能を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に記載された従来の穴明け工具では、工具外周側のチ
ップの切刃において上記突出部が工具先端側に突出する
ように配置されるため、この切刃によって形成される加
工穴の底部の外周には、上記突出部によって段が付けら
れて環状の凹部が形成されることが避けられない。この
ため、加工穴が貫通穴である場合は別にしても、加工穴
が止まり穴である場合には上記凹部を見込んだ深さまで
工具本体を送り込まなければならず、加工穴底部と被加
工物の外面との間に十分な肉厚が残されていないと加工
穴がこの外面に突き抜けてしまうおそれがあるととも
に、穴加工時に生じた細かな切粉がこの凹部に滞留して
しまうおそれもある。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、上記従来の穴明け工具のように加工穴の底部
に凹部を形成することなく、良好な切屑処理性能を得る
ことが可能なチップおよび該チップを装着した穴明け工
具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明のチップは、多
角形平板状のチップ本体のすくい面とされる上面と逃げ
面とされる側面との交差稜線部に切刃が形成されてなる
チップにおいて、上記切刃上に、上記チップ本体の厚さ
方向に段違いとなる段差部を形成したことを特徴とす
る。また、本発明の穴明け工具は、このような構成のチ
ップを装着した穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
れる工具本体の先端部に、一対の上記チップを、上記上
面を工具回転方向に向けるとともに上記切刃を工具先端
側に突出させて着脱自在に取り付けてなり、これらのチ
ップを、工具外周側と工具内周側とに偏って配置すると
ともに、互いの上記切刃の上記軸線回りの回転軌跡をオ
ーバーラップさせ、かつ該切刃上の上記段差部の位置を
上記軸線に対する径方向に互いにずらして配置したこと
を特徴とする。
【0007】しかるに、上記構成のチップによれば、そ
の切刃により生成される切屑は、該切刃上に形成された
上記段差部を境にして予め分断された状態で生成される
こととなる。そして、この切刃の段差部は、チップ本体
の厚さ方向に段違いとなるように形成されているので、
このようなチップを装着した上記穴明け工具において
は、上記切刃は工具本体の回転方向に段違いとなること
となり、従って、従来の穴明け工具のように工具先端側
に突出する突出部を切刃に形成するのに対し、加工穴の
底部に段付きの凹部が形成されるのを避けつつ、優れた
切屑処理性能を得ることができる。
【0008】ここで、上記チップにおいて、上記切刃上
に形成される段差部のチップ本体の厚さ方向の大きさが
小さすぎると、この段差部による切屑の分断効果が十分
に奏功されなくなるおそれが生じるので、上記段差部の
大きさは0.3mm以上とされるのが望ましい。また、一
層確実な切屑の分断を図るには、上記上面に対向する方
向から見て上記切刃を曲折するように形成し、上記段差
部を、この切刃が曲折する曲折部に位置するように配置
するのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明のチッ
プの第1の実施形態を示すものである。本実施形態のチ
ップ1は、そのチップ本体2が超硬合金等の硬質材料か
ら概略菱形平板状に形成されてなるものであり、その上
面3がすくい面とされるとともに4つの側面4…が逃げ
面とされ、これら上面3と側面4…との交差稜線部にそ
れぞれ切刃5が形成されている。なお、本実施形態のチ
ップ1は、この逃げ面とされる側面4…に切刃5に対す
る逃げ角が予め付されたポジティブチップとされてお
り、しかもこの逃げ角が、チップ本体2の上面3から下
面6側に向けて一段大きくなるように形成されている。
また、このチップ本体2の上面3の中央から下面6にか
けては、このチップ本体2を後述する穴明け工具の工具
本体に装着するためのクランプネジが挿通される取付穴
7が、チップ本体2の厚さ方向(以下、チップ厚さ方向
と称する。)に形成されており、当該チップ本体2は、
この取付穴7の中心軸Xに関して軸対称となるように形
成されている。
【0010】さらに、このチップ本体2の側面4…は、
上記中心軸Xを中心とした該チップ本体2の周回り方向
に鈍角に一段折れ曲がるように形成されていて、これに
伴い上記上面3との交差稜線部に形成される切刃5も、
上面3に対向する方向から見て図1に示すように曲折部
Pを介し鈍角をなして凸状に一段曲折するように形成さ
れており、従ってこのチップ本体2の上面3は、該上面
3に対向する方向から見た平面視に図1に示すように、
厳密には八角形状に形成されることとなる。なお、この
上面3の一対のコーナ部C,Cにそれぞれ交差する一対
の切刃5,5のうちの一方の切刃5は、上記平面視に曲
折部Pを介して鈍角に交差する一対の切刃部5a,5b
のうち上記コーナ部Cに交差する切刃部5aが反対側の
切刃部5bよりも短く形成されていて、上記工具本体に
装着した際に工具外周側に配置される外周側切刃5Aと
されており、逆に他方の切刃5は、上記コーナ部Cに交
差する切刃部5cが反対側の切刃部5dよりも長く形成
されていて、工具本体に装着された際に工具内周側に配
置される内周側切刃5Bとされている。
【0011】そして、このチップ本体2の上面3には、
その上記コーナ部C,C側の部分に、チップ厚さ方向に
一段隆起して凸となる段部8がそれぞれ形成されてお
り、この段部8の取付穴7側を向いてチップ厚さ方向に
隆起する壁面8aは、上記平面視に上記曲折部P,Pに
おいてチップ本体2の側面4,4に交差するように形成
されている。従って、これにより各コーナ部Cに交差す
る上記切刃5,5は、その上記切刃部5a,5cと切刃
部5b,5dとが、上記曲折部P,Pにおいて上記壁面
8aが側面4,4に交差して形成される段差部5e,5
fを介し、チップ厚さ方向に段違いとなるように形成さ
れることとなる。
【0012】なお、本実施形態ではこの段差部5e,5
fのチップ厚さ方向の大きさHは、0.3mm以上とされ
ている。また、段部8の上記壁面8aは、上記平面視に
おいて上記曲折部P,Pの間で鈍角に凸曲折するように
形成されている。さらに、チップ本体2の上面3のう
ち、上記段部8の上に形成される部分には、断面円弧状
をなすチップブレーカ溝9が切刃5,5の上記切刃部5
a,5cに沿って形成されている一方、上記段部8,8
の間の部分はチップ厚さ方向に垂直な平坦面とされてい
る。
【0013】次に、図5ないし図8は、上記実施形態の
チップ1を装着した本発明の穴明け工具の一実施形態を
示すものである。この実施形態の穴明け工具において、
その工具本体11は概略多段円柱状に形成されており、
その先端部の外周には、後端側に向かうに従いこの工具
本体11の中心軸線O回りに工具回転方向Tの後方側に
捩れる一対の切屑排出溝12,12が軸線Oに対して対
称に形成されていて、これらの切屑排出溝12,12の
先端の工具回転方向Tを向く壁面に形成された一対のチ
ップ取付座13A,13Bに、同形同大の一対の上記実
施形態のチップ1,1が、そのすくい面とされる上面3
を工具回転方向Tに向けるとともに一の切刃5を工具先
端側に突出させ、上記取付穴7に挿通されたクランプネ
ジ14を工具本体11にねじ込むことにより、着脱自在
に装着されている。
【0014】ここで、上記一対のチップ取付座13A,
13Bのうち、一方のチップ取付座13Aは上記軸線O
に対して工具外周側に偏って形成されていて、この一方
のチップ取付座13Aに装着されるチップ1は、上記外
周側切刃5Aを工具先端側に突出させた外周側チップ1
Aとされている。逆に、他方のチップ取付座13Bは軸
線Oに対して工具内周側に偏って形成され、この他方の
チップ取付座13Bに装着されるチップ1は、上記内周
側切刃5Bを工具先端側に突出させた内周側チップ1B
とされている。また、これらのチップ1A,1Bは、そ
の工具先端側に突出する上記内外周側切刃5A,5Bの
うち該切刃5A,5B上に形成される上記曲折部P,P
を、互いの軸線O方向の位置を一致させて最も工具先端
側に突出させ、該曲折部P,Pに連なる上記切刃部5
a,5bおよび切刃部5c,5dをそれぞれ曲折部P,
Pから離間するに従い工具後端側に延びるように配置さ
せている。
【0015】さらに、上記外周側チップ1Aは、その工
具先端側に突出する外周側切刃5Aに連なる上記コーナ
部Cが工具本体11の先端部の外周に突出して最も工具
外周側に位置するように取り付けられている一方、上記
内周側チップ1Bは、その工具先端側に突出する内周側
切刃5Bに連なる上記コーナ部Cが上記軸線Oを越えて
オーバーセンターとなるように取り付けられている。そ
して、これら内外周側チップ1A,1Bの内外周側切刃
5A,5Bは、上記軸線O回りの回転軌跡において、外
周側切刃5Aの上記切刃部5bと内周側切刃5Bの上記
切刃部5dとが交差して、互いにオーバーラップするよ
うに配置されている。
【0016】しかるに、このように構成された穴明け工
具では、工具本体11をその軸線O回りに上記工具回転
方向Tに回転しつつ該軸線O方向に工具先端側に送り出
すことにより、上記内外周側チップ1A,1Bの工具先
端側に突出する内外周側切刃5A,5Bによって被加工
物に加工穴を形成して行くのであるが、その際、上記チ
ップ1においてはその切刃5上にチップ厚さ方向に段違
いとなる段差部5e,5fが形成されており、このよう
なチップ1,1を工具本体11に装着した状態で、上記
内外周側チップ1A,1Bの内外周側切刃5A,5B
は、その切刃部5a,5cと切刃部5b,5dとが上記
段差部5e,5fを介して工具回転方向Tに段違いとな
るように配置される。従って、このような切刃5によっ
て生成される切屑Qは、内外周側切刃5A,5Bごとに
上記段差部5e,5fを境にして予め細く分断されて生
成されることになり、これにより円滑な切屑処理を図る
ことが可能となる。
【0017】しかも、このように、上記実施形態のチッ
プ1では段差部5e,5fによって切刃5がチップ厚さ
方向に段違いとなるように形成されており、これによっ
て該チップを装着した上記実施形態の穴明け工具ではそ
の内外周側切刃5A,5Bが工具回転方向Tに段違いと
なるので、従来のように工具先端側に突出する突出部に
よって切刃が軸線方向に段違いとなることはなく、従っ
て加工穴の底部にかかる突出部による凹部が形成される
こともない。このため、上記チップ1および該チップ1
を装着した上記穴明け工具によれば、加工穴が止まり穴
の場合に、この加工穴の底部と被加工物の外面との間の
肉厚が小さくなりすぎてこの部分の強度が損なわれてし
まうようなことはなく、また上記凹部などに加工の際に
生じた細かな切粉が滞留してその後の部品の組付け等に
支障を来すような事態をも防止することができる。
【0018】ここで、上記実施形態のチップ1では、上
記段差部5e,5fのチップ厚さ方向の大きさHを0.
3mm以上としているが、これはこの段差部5e,5fの
大きさHが小さすぎると、工具本体11に装着した際の
上記切刃部5a,5cと切刃部5b,5dとの工具回転
方向Tの段差も小さくなりすぎ、図8に示すように切屑
Qを確実に分断することが困難となるおそれが生じるか
らである。このため、上記段差部5e,5fの大きさH
は、本実施形態のように0.5mm以上に設定されるのが
望ましい。なお、この段差部5e,5fの大きさHの上
限値は、当該穴明け工具による加工穴の内径等にもよる
が、これが大きすぎるとチップ本体2の上面3に形成さ
れる上記段部8が高くなりすぎ、この段部8に形成され
る切刃部5a,5cに作用する切削負荷によってチップ
1の安定性が損なわれるおそれがあるとともに、特に上
記実施形態の穴明け工具などにおいては、内周側チップ
5Bの工具外周側に位置するコーナ部C側の段部8が加
工穴の内周に干渉するおそれが生じる。このため、この
段差部5e,5fの大きさHは、チップ本体2の厚さの
1/2以下とされるのが望ましい。
【0019】また、本実施形態のチップ1では、すくい
面とされる上面3に対向する方向から見て、上記切刃5
A,5Bが上記曲折部Pにおいて切刃部5a,5cと切
刃部5b,5dとに折れ曲がるように曲折して形成され
るとともに、上記段差部5e,5fはこの曲折部P上に
位置するように形成されている。従って、切刃部5a,
5cと切刃部5b,5dとにより生成された切屑Qは、
これら曲折した切刃部5a,5cと切刃部5b,5dと
にそれぞれ直交するように互いに異なる方向に流れ出て
幅方向に引き裂かれて行くので、かかる構成を採ること
により一層確実な切屑Qの分断を図ることが可能とな
る。しかも、切刃部5a,5cと切刃部5b,5dとに
よって生成された切屑Qは、段部8によって段違いとさ
れた上記上面3上をそれぞれ流れて行くので、これらの
切屑Qが干渉して絡まり合ったりすることも防ぐことが
でき、さらに円滑な切屑処理を促すことができる。
【0020】一方、本実施形態のチップ1ではチップ本
体2の上面3のコーナ部C,C側にチップ厚さ方向に一
段隆起する段部8が形成されており、かかるチップ1を
装着した上記実施形態の穴明け工具では、特に上記内周
側チップ1Bにおいて、この段部8上に位置するコーナ
部Cが工具本体11の軸線Oを越えてオーバーセンター
となるように配置されている。しかるに、このような穴
明け工具にあって工具本体11先端の回転中心となる上
記軸線Oの近傍では、回転速度が小さくなるために大き
な切削負荷が作用することが知られているが、上記構成
の穴明け工具では、そのような大きな負荷が作用する軸
線Oの近傍に、段部8によって大きな肉厚が確保された
チップ本体2のコーナ部Cが配置されることとなるの
で、かかる負荷によってチップ本体2に損傷が生じたり
するような事態を未然に防止できるという効果も得るこ
とができる。
【0021】さらにまた、上記実施形態のチップ1で
は、上記段部8の壁面8aが上面3に対向する方向から
の平面視において上記曲折部P,Pの間で鈍角をなして
凸状に折れ曲がるように形成されており、これにより、
上記曲折部P,Pにおいて段差部5e,5fに交差する
当該壁面8aと切刃部5a,5cに連なるチップ本体2
の側面4,4との交差角を、曲折部P,P間を平坦面で
結んだ場合よりも大きくすることができる。従って、上
記実施形態のチップ1によれば、この段部8の壁面8a
とチップ本体2の側面4,4との交差部、すなわち段部
8の上記コーナ部C以外の角部の強度を十分に確保する
ことが可能であり、かかる交差部に欠損が生じたりする
のを防止することができる。これは、特に本実施形態の
チップ1のように上記段差部5e,5fが切刃5の切刃
部5a,5cと切刃部5b,5dとの曲折部P,Pに位
置させられ、しかも上記実施形態の穴明け工具のように
この曲折部P,Pが工具最先端に位置させられて被加工
物に最初に食いつく際に衝撃的負荷を受けるような場合
に有効である。
【0022】なお、上記実施形態のチップ1では、上述
のようにそのチップ本体2の上面3のコーナ部C,C側
に、チップ厚さ方向に一段隆起するような段部8,8が
形成され、この段部8によって切刃5が、そのコーナ部
C側の切刃部5a,5cが段差部5e,5fを介してコ
ーナ部Cと反対側の切刃部5b,5dに対しチップ厚さ
方向に一段凸となるような段違い状に形成されている
が、これとは逆に、図9および図10に示す本発明の第
2の実施形態のチップ21のように、そのチップ本体2
2の上面23のコーナ部C,C側にチップ厚さ方向に一
段陥没する凹部24,24を形成し、この凹部24の壁
面24aをチップ本体22の側面25に交差するように
形成することにより、上記上面23と側面25との交差
稜線部に形成される切刃26を、コーナ部C側の切刃部
26a,26cが段差部26e,26fを介してコーナ
部Cと反対側の切刃部26b,26dに対しチップ厚さ
方向に一段凹むような段違い状に形成するようにしても
よい。ただし、これら図9および図10に示す第2の実
施形態のチップ21において、上記以外の第1の実施形
態のチップ1と共通する部分には同一の符号を配して説
明を省略する。
【0023】しかるに、このような第2の実施形態のチ
ップ21でも、切刃26が段差部26e,26fを介し
てチップ厚さ方向に段違い状に形成されるので、第1の
実施形態のチップ1と同様に切屑は予め分断されて生成
されることとなり、円滑かつ確実な切屑処理を図ること
ができる。また、この第2の実施形態のチップ21で
は、切刃26のコーナ部C側の切刃部26a,26cの
内側に、上記凹部24の壁面24aがチップ厚さ方向に
屹立するように形成され、この壁面24aに衝突するこ
とにより切屑が折り曲げられて分断されるというブレー
カ効果も期待できるので、切屑処理性の一層の向上を図
ることができる。
【0024】また、上述した実施形態では、第1の実施
形態のチップ1を穴明け工具に装着した場合について説
明しているが、第2の実施形態のチップ21も含めた本
発明のチップは、中ぐりバイト等の他の穴加工工具や、
あるいはスローアウェイ式バイトのような他の種のスロ
ーアウェイ式切削工具に適用することも可能である。例
えば、上記第2の実施形態のチップ21を、そのコーナ
部Cを切り込み方向に突き出して工具本体に装着したス
ローアウェイ式バイトによれば、切屑の確実な分断を図
ることができるのは勿論、被加工物の鋳肌や黒皮切削を
行なう場合などには、上記切刃部26b(または切刃部
26d)によって被加工物の外周の鋳肌や黒皮の切削を
行うことができ、かかる切刃部26b(または切刃部2
6d)では、コーナ部C側の切刃部26a(または切刃
部26c)に対してチップ厚さ方向に相対的に一段凸と
なってチップ厚さ方向のチップ本体22の肉厚が大きく
確保されるので、硬質な鋳肌や黒皮の切削に対してもチ
ップ本体22が損傷するのを防止することが可能とな
る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチップに
よれば、切刃が段差部を介してチップ厚さ方向に段違い
に形成されているので、切屑を予め分断された状態で生
成することができ、従ってかかるチップを装着した本発
明の穴明け工具によれば、加工穴の底部に環状の凹部が
形成されるのを防ぎつつ、切屑の円滑かつ確実な処理を
図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のスローアウェイチ
ップ1を示す平面図である。
【図2】 図1に示す実施形態のスローアウェイチップ
1の矢線L方向視の側面図である。
【図3】 図1に示す実施形態のスローアウェイチップ
1の矢線M方向視の側面図である。
【図4】 図1に示す実施形態のスローアウェイチップ
1の矢線N方向視の側面図である。
【図5】 図1に示す実施形態のスローアウェイチップ
1を装着した本発明のスローアウェイ式穴明け工具の一
実施形態を示す平面図である。
【図6】 図5に示す実施形態のスローアウェイ式穴明
け工具の先端部の拡大平面図である。
【図7】 図5に示す実施形態のスローアウェイ式穴明
け工具を工具先端側から見た拡大正面図である。
【図8】 図5に示す実施形態のスローアウェイ式穴明
け工具の軸線O回りのスローアウェイチップ1,1の回
転軌跡を示す図である。
【図9】 本発明の第2の実施形態のスローアウェイチ
ップ21を示す平面図である。
【図10】 図9に示す実施形態のスローアウェイチッ
プ21の矢線L方向視の側面図である。
【符号の説明】
1,21 スローアウェイチップ 1A 外周側スローアウェイチップ 1B 内周側スローアウェイチップ 2,22 チップ本体 3,23 チップ本体2,22の上面 4,25 チップ本体2,22の側面 5,26 切刃 5A 外周側切刃 5B 内周側切刃 5a〜5d,26a〜26d 切刃部 5e,5f,26e,26f 段差部 8 段部 8a 段部8の壁面 11 工具本体 24 凹部 24a 凹部24の壁面 O 工具本体11の中心軸線 T 工具回転方向 C コーナ部 P 曲折部 H チップ本体2,22の厚さ方向の段差部5e,5
f,26e,26fの大きさ
フロントページの続き (72)発明者 川出 保彦 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多角形平板状のチップ本体のすくい面と
    される上面と逃げ面とされる側面との交差稜線部に切刃
    が形成されてなるスローアウェイチップにおいて、上記
    切刃上には、上記チップ本体の厚さ方向に段違いとなる
    段差部が形成されていることを特徴とするスローアウェ
    イチップ。
  2. 【請求項2】 上記切刃上に形成される段差部の上記チ
    ップ本体の厚さ方向の大きさが0.3mm以上とされてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチ
    ップ。
  3. 【請求項3】 上記上面に対向する方向から見て上記切
    刃は曲折するように形成されており、上記段差部は、こ
    の切刃が曲折する曲折部に位置していることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のスローアウェイチッ
    プ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のスローアウェイチップを装着したスローアウェイ式
    穴明け工具であって、軸線回りに回転される工具本体の
    先端部に、一対の上記スローアウェイチップが、上記上
    面を工具回転方向に向けるとともに上記切刃を工具先端
    側に突出させて着脱自在に取り付けられてなり、これら
    のスローアウェイチップは、工具外周側と工具内周側と
    に偏って配置されるとともに、互いの上記切刃の上記軸
    線回りの回転軌跡をオーバーラップさせ、かつ該切刃上
    の上記段差部の位置を上記軸線に対する径方向に互いに
    ずらして配置されていることを特徴とするスローアウェ
    イ式穴明け工具。
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