JPH11207462A - 開先倣い装置 - Google Patents

開先倣い装置

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JPH11207462A
JPH11207462A JP10012325A JP1232598A JPH11207462A JP H11207462 A JPH11207462 A JP H11207462A JP 10012325 A JP10012325 A JP 10012325A JP 1232598 A JP1232598 A JP 1232598A JP H11207462 A JPH11207462 A JP H11207462A
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torch
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木 俊 雄 青
Nobuyuki Maruyama
山 修 志 丸
Mitsuaki Otoguro
黒 盈 昭 乙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ト−チ直近で開先位置を検出し開先倣いを行
なう。ト−チ直近で、開先に対する、ト−チ,ワイヤ又
はア−クの相対位置を同時に検出し開先倣いを行なう。 【解決手段】 y走行台車6,ト−チ駆動器8,7,溶
接中の開先4を撮影するCCDカメラ3,撮影画面上
の、溶融プール像のy先端像を含む教示領域Pj、j=
4,5,6,7,8又は9、の画像デ−タを格納するメ
モリ25c,次々に発生する撮影画面上の、教示領域の
画像と相関が高い画像を含む対応領域と位置を検索する
情報処理手段25〜27、および、検索した位置が教示
領域の位置となる方向にト−チ駆動器を介してト−チ1
をx,z駆動する倣い制御器26,19、を含む開先倣
い装置。更に、ワイヤ下端像,ワイヤ主部像又はト−チ
下端像を含む教示領域P1〜P3の画像デ−タをメモリ
25cに格納し、これらの対応領域も検索して、開先/
ワイヤ間相対位置差を設定値とするようにト−チ1を
x,z駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接対象材の開先
に対して、溶接ト−チ,溶接ワイヤ,溶接ア−クあるい
は他のこれらに相当すものなど、溶接対象材に溶接作用
をするもの(溶接作用手段)、を位置合せする開先倣い
装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、溶
接ト−チによって溶接熱が加えられる領域を2次元撮影
器で撮影し、撮影画像を表わす画像デ−タに基づいて溶
接対象材に対する、溶接作用手段の相対位置を算出し、
この相対位置が設定値になるように溶接ト−チを駆動す
る開先倣い装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の倣い装置の一例が、特開昭62
−33064号公報に開示されている。該公報に開示さ
れた倣い装置は、溶接ト−チ前方の開先にそれを横切る
スリット光を投射するレーザスリット光源、および、溶
接トーチ前方から溶接箇所およびスリット光像を撮影す
るテレビカメラを含む。撮影画面上には、溶接ア−クお
よびスリット光像が現われる。画像処理により、画面上
のスリット光像が切出されてその形状が演算され、開先
位置および形状が把握される。また、画面上のア−ク像
が切出されてその位置が把握される。
【0003】ア−ク光の輝度はきめわて高く、これが直
接にテレビカメラに入ると、画面が真白になって画像認
識が不可能である。ア−ク光像を摘出しうるように光フ
ィルタを通して撮影すると、ア−ク光像の摘出に適した
フィルタを通した場合にはスリット光像が見えない。し
たがって前記特開昭62−33064号公報の倣い装置
は、スリット光像摘出用のものを含む複数の光フィルタ
と、1つの光フィルタを選択的にカメラの対物レンズの
直前に挿入する電動機構を備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フィルタを選択的に撮
影光路に介挿する電動機構が必要であり、付加機構が多
くなり、コスト高になる。のみならず、フィルタの切換
に時間がかかるため、溶接ア−ク位置検出と開先位置検
出の間に時間差を生じ、位置検出周期(サンプリング周
期)を短くできない。
【0005】1つの光フィルタをテレビカメラに固定設
置してスリット光像の摘出を容易にするためには、溶接
箇所よりかなり前方にスリット光像を投射し、溶接ア−
ク光が直接に視野に入らない位置でテレビカメラにてス
リット光像を撮影することにより、撮影画面上のスリッ
ト光像を正確に摘出することは可能である。しかしこの
場合には、別のカメラ又は他の位置検出手段にて溶接ア
−ク光位置,溶接ワイヤ又は溶接ト−チの位置を検出又
は把握する必要があるのみならず、開先が延びるy方向
で、溶接箇所(ア−ク位置)からスリット光像位置まで
の距離LMが長くなり、該距離LMと溶接速度(溶接ト
−チのy方向移動速度)に応じた時間分、スリット光像
を利用して計測した開先位置検出データを保持し、すな
わち開先位置検出デ−タに、溶接ト−チのLM走行時間
相当の遅延を与えてア−ク位置と照合して溶接トーチ位
置を制御する遅延制御が必要となる。
【0006】アーク光からの外乱を少なくし、スリット
光像の識別を向上させるには、距離LMは大きくするこ
とが望ましい。しかし、距離LMが大きくなれば、その
分溶接速度や溶接方向の変動による同期ずれが大きくな
って倣い精度が悪くなり、また、遅延時間経過中に開先
が変形すると、更に倣い精度が悪化する。また、溶接ス
タート位置近くに壁がある場合は、スタート位置から距
離LMの開先計測が不可能なため、アークスタートから
距離LMは倣い制御できない。これらの理由から距離L
Mは小さいことが望ましい。
【0007】したがって、遅延制御の精度と光切断線の
識別が両立できる距離LMがあれば、倣い制御が可能と
なる。しかし、アーク光の強さは、溶接条件,溶接材
料,シールドガス成分などに影響され、スリット光像は
開先表面の反射特性,レーザスリット光の強さ,波長な
どに影響され、テレビカメラの光感度特性,光学フィル
タ特性を選択しても、必ずしも適正な距離LMを設定で
きず、充分な開先倣いの信頼性が得られない場合が多
い。
【0008】特開平7−214323号公報には、溶接
箇所よりかなり前方の開先を、真上から見降ろすように
テレビカメラで撮影して、撮影画面上の開先を摘出して
その位置を演算する開先位置検出が開示されている。開
先の識別に適した状態で撮影した画面上の開先領域(教
示領域)の画像デ−タが教示デ−タとしてメモリに書込
まれ、その後は、テレビカメラの撮影画面上の、教示デ
−タとの相関が高く相関係数が0.6以上の領域が検索
されて、該領域の画面上の位置が、開先位置と把握され
る。この開先位置検出を用いる開先倣い溶接の場合も、
溶接ア−ク光がテレビカメラの撮影視野に入らないよう
に、溶融箇所よりかなり前方を撮影するので、上述の遅
延制御と同様な倣い制御が必要であり、上述の問題を生
ずることになる。
【0009】本発明は、溶接入熱部の開先位置を正確か
つ簡易に検出して信頼性が高い開先倣いを実現すること
を第1の目的とし、溶接入熱部の直近で溶接対象材に対
する溶接作用手段の相対位置を実質上同時に正確に検出
して信頼性が高い開先倣いを実現することを第2の目的
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)開先が延びるy方
向に直交する方向に溶接ト−チ(1)を駆動するト−チ駆
動器(8,7),該溶接ト−チによる溶接中の開先(4)を撮影
する2次元撮影器(3),その撮影画面上の光像を表わす
画像デ−タに基づいて開先(4)の位置を算出する情報処
理手段(27,25,26),算出した位置に対する溶接ト−チの
位置が設定位置となる方向に前記駆動器を介して溶接ト
−チを駆動する倣い制御器(26,19)、を含む開先倣い装
置において、前記情報処理手段(27,25,26)は、前記2次
元撮影器(3)の撮影画面上の、溶融プール像のy方向先
端像領域(Pjに対応する領域;j=4,5,6,7,8又は9)および
その位置を検索し、前記倣い制御器(26,19)は、検索し
た位置に対して溶接ト−チが設定位置となる方向に前記
駆動器を介して溶接ト−チを駆動する、ことを特徴とす
る開先倣い装置。
【0011】(2)前記2次元撮影器(3)は溶接ト−チ
(1)と連動し、前記倣い制御器(26,19)は、前記2次元撮
影器(3)の撮影画面上の、前記情報処理手段(27,25,26)
が検索した位置が該画面上の設定位置(Pj領域の位置)と
なる方向に溶接ト−チ(1)を駆動する、上記(1)の開
先倣い装置。
【0012】(3)開先が延びるy方向に直交する方向
に溶接ト−チ(1)を駆動するト-チ駆動器(8,7),該溶接
ト−チによる溶接中の開先(4)を撮影する2次元撮影器
(3),その撮影画面上の光像を表わす画像デ−タに基づ
いて開先(4)の位置を算出する情報処理手段(27,25,2
6),算出した位置に対する溶接ト−チの位置が設定位置
となる方向に前記駆動器を介して溶接ト−チを駆動する
倣い制御器(26,19)、を含む開先倣い装置において、前
記情報処理手段(27,25,26)は、前記2次元撮影器(3)の
撮影画面上の、溶融プール像のy方向先端像の、一部で
ある第1領域(P4に対応する領域)およびそれより開先を
横切る方向にずれた第2領域(P5に対応する領域)ならび
に各領域の位置を検索し、前記倣い制御器(26,19)は、
それらの位置差に対応してそれが大きいと広く溶接ト−
チの揺動幅を変更する、ことを特徴とする開先倣い装
置。
【0013】(4)前記倣い制御器(26,19)は、第1領
域と第2領域の位置に対して溶接ト-チが設定位置とな
る方向に前記駆動器を介して溶接ト−チを駆動する、上
記(3)の開先倣い装置。
【0014】(5)前記情報処理手段(27,25,26)は、溶
融プール像のy方向先端領域(Pj/P4,P5)の画像デ−タを
書込むための教示メモリ(25c);前記2次元撮影器(3)の
撮影画面の画像デ−タを書込む一時メモリ(25c);およ
び、該一時メモリ(25c)の一画面の画像デ−タの、前記
教示メモリ(25c)の画像デ−タと相関が高い対応領域(Pj
に対応する領域/P4,P5に対応する領域)およびその位置
を検索する検索手段(25a);を含む、上記(1),
(2),(3)又は(4)の開先倣い装置。
【0015】(6)前記2次元撮影器(3)は、溶接ア−
ク光を減光し溶融プ−ルの発光は透過するフィルタ(18)
を装備したCCDカメラである、上記(1),(2),
(3),(4)又は(5)の開先倣い装置。
【0016】(7)開先が延びるy方向に直交する方向
に溶接ト−チ(1)を駆動するト-チ駆動器(8,7),該溶接
ト−チ(1)による溶接中の開先(4)を撮影する2次元撮影
器(3),その撮影画面上の光像を表わす画像デ−タに基
づいて溶接対象(4)に対する溶接作用手段(29/2/1)の位
置を算出する情報処理手段(27,25,28)、および、算出し
た位置が設定位置となる方向に前記駆動器(8,7)を介し
て溶接ト−チ(1)を駆動する倣い制御器(26,19)、を含む
開先倣い装置において、前記情報処理手段(27,25,26)
は、前記2次元撮影器(3)の撮影画面上の、溶融プール
像(35)のy方向先端(35t)に対する溶接作用手段(29/2/
1)の像位置(33,32,31)を算出し、前記倣い制御器(26,1
9)は算出した位置が設定位置となる方向に前記駆動器
(8,7)を介して溶接ト−チ(1)を駆動する、ことを特徴と
する開先倣い装置。
【0017】(8)前記情報処理手段(27,25,26)は、溶
融プール像(35)のy方向先端(35t)を含む第1領域(P4〜
P9)と、溶接作用手段(29/2/1)の像(33,32,31)の少くと
も一部を含む第2領域(P1〜P3)の画像デ−タを書込むた
めの教示メモリ(25c);前記2次元撮影器(3)の撮影画面
の画像デ−タを書込む一時メモリ(25b);該一時メモリ
(25b)の一画面の画像デ−タの、前記教示メモリ(25c)の
第1領域(P4〜P9)および第2領域(P1〜P3)の画像デ−タ
と相関が高い第3領域および第4領域を検索する検索手
段(25a);および、第3領域と第4領域の画面上の位置
差を算出する相対位置演算手段(25a);を含み、前記倣
い制御器(26,19)は、算出された位置差が設定値となる
方向に前記駆動器(8,7)を介して溶接ト−チ(1)を駆動す
る、上記(7)の開先倣い装置。
【0018】(9)前記情報処理手段(27,25,26)は、溶
融プール像(35)のy方向先端(35t)を含む領域をx方向
に分割した第1R領域(P5)および第1L領域(P4)と、溶
接作用手段(29/2/1)の像の少くとも一部を含む第2領域
(P1〜P3)の画像デ−タを書込むための教示メモリ(25
c);前記2次元撮影器(3)の撮影画面の画像デ−タを書
込む一時メモリ(25b);該一時メモリ(25b)の一画面の画
像デ−タの、前記教示メモリ(25c)の第1R領域,第1
L領域および第2領域の画像デ−タと相関が高い第3R
領域,第3Lおよび第4領域を検索する検索手段(25
a);および、第3R領域と第3L領域の中間点と第4領
域との画面上の位置差を算出する相対位置演算手段(25
a);を含み、前記倣い制御器(26,19)は、算出された位
置差が設定値となる方向に前記駆動器(8,7)を介して溶
接ト−チ(1)を駆動する、上記(7)の開先倣い装置。
【0019】(10)前記検索手段(25a)は、第3R領
域と第3L領域のx方向位置差を算出して前記倣い制御
器(26,19)に与え、該倣い制御器(26,19)は該位置差に対
応してそれが増大すると台車(6)の走行速度を低く溶接
ト−チ(1)の揺動幅を広く変更し該位置差が減少すると
走行速度を高く溶接ト−チの揺動幅を狭く変更する、上
記(9)の開先倣い装置。
【0020】(11)溶接作用手段(29/2/1)は、溶接ア
−ク(29),それを発生する溶接ワイヤ(2)、および、溶
接ワイヤを保持する溶接ト−チ(1)、の少くとも一者で
ある、上記(7),(8),(9)又は(10)の開先
倣い装置。
【0021】(12)前記2次元撮影器(3)は、溶接ア
−ク光を減光し溶融プ−ルの発光は透過するフィルタ(1
8)を装備したCCDカメラである、上記(11)の開先
倣い装置。
【0022】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素の記号を、参
考までに付記した。
【0023】
【発明の実施の形態】溶接アーク光は、300〜700
nmで広い輝度分布の波長成分があるが、300〜45
0nmの短波長に強い輝度成分がある。また、溶融プー
ルからの輻射光は約600nm以上の長波長の輝度成分
がある。したがって、約600nm以上の長波長成分を
透過し、約600未満の短波長成分を減光する光学フィ
ルタを用いて撮影すれば、強烈なアーク光は減光でき明
瞭に溶融プールが撮影できる。図7に示すように、具体
的には図17に示す水平すみ肉開先4を、ソリッドワイ
ヤ(溶接ワイヤ)2でガスシールドアーク溶接し、溶接
トーチ1に取り付けたCCDカメラ3に上記の光透過性
能の光学フィルタ18を装着して、約45°斜め前方か
ら撮影したときの、モニタテレビ画像を図8に示す。ま
た、溶接ト−チ1(カメラ3)を、溶接方向Ayとは逆
方向(図7の(b))から見て、2mm左下側にずらし
た画像を図9に、2mm右上側にずらした画像を図10
に示す。2mm右下側にずらした画像を図11に、2m
m左上側にずらした画像を図12に示す。
【0024】モニタテレビ画像の観察から、図8に示す
ように溶融プール35の先端35tは開先34上にある
ことが分かる。したがって、溶融プ−ル35の先端35
tは、溶接ト−チ1(カメラ3)を左下側にずらして得
た画像である図9においては画面の右側に、右上側にず
らして得た画像である図10においては画面の左側に位
置する。右下側にずらして得た画像である図11におい
ては画面の上側に、左上側にずらして得た画像である図
12においては画面の下側に位置する。したがって、、
画面上の溶融プ−ル35の先端35tの位置を検出する
ことにより、テレビカメラの視野(撮影画面枠)に対す
る開先4の位置、すなわち、この例の場合には、溶接ト
ーチ1の位置に対する開先位置が検出でき、画面上の溶
融プ−ル35の先端35tの位置に応じて、溶接トーチ
1位置を修正すれば、開先34に対して、左右と上下の
倣い制御ができる。
【0025】溶接ワイヤ2の像32およびト−チ1の先
端像31は、図8に示すように、溶融プールの像35の
領域に影のように現われる。溶接アーク像33は高輝度
のため、白く現われる。
【0026】図7に示すように、溶接トーチにテレビカ
メラが取り付けられていれば、テレビカメラが溶接ト−
チと連動し、図9,図10に示すように、溶接ト−チ1
(カメラ3)を右,左側にずらしても、画面に対するト
−チ像31,ワイヤ像32およびア−ク像33の位置は
ほとんど変化しない。つまり、溶接トーチ1の左右
(x)と上下(y)の位置修正によってト−チ像31,
ワイヤ像32およびア−ク像33の位置は変化しない。
しかし、カメラ3が走行台車に固定支持され、溶接ト−
チが駆動器を介して走行台車に支持されていれば、溶接
トーチの左右と上下の位置修正に応じて、カメラ3の撮
影画面上のト−チ像31,ワイヤ像32およびア−ク像
33の位置は変化する。しかしいずれにしても、溶融プ
ールの先端像35tの位置(開先位置)と、ト−チ像3
1,ワイヤ像32又はア−ク像33の位置を検出し、両
位置の差をト−チ駆動器の座標軸値の値に変換し、位置
差が設定値となるようにト−チの位置を修正すれば、開
先4に対する溶接ト−チ1の位置を実質上一定に維持し
うる。
【0027】重ねすみ肉開先(図18)をソリッドワイ
ヤでガスシールドアーク溶接し、溶接トーチに取り付け
たテレビカメラで約45°斜め前方から撮影したとき
の、モニタテレビ画像を図13に示す。モニタテレビ画
像の観察から、図13に示すように、溶融プール像35
の先端35tは開先像34と重なる。すなわち、溶融プ
ール35の先端35tは開先34と同一位置である。上
述の水平すみ肉溶接の場合(図7)と同様に、溶融プー
ル像35の先端35tの位置と、ト−チ像31,ワイヤ
像32又はア−ク像33の位置を画面上で算出して、両
位置の差をト−チ駆動器の座標軸値の値に変換し、位置
差を設定値とするように溶接ト−チ1の位置を修正する
ことにより、開先4に対する溶接ト−チ1の位置を実質
上一定に維持しうる。
【0028】具体的には図19に示すV開先を、ソリッ
ドワイヤでガスシールドアーク溶接し、溶接トーチに取
り付けたテレビカメラで前方から約45°の角度で開先
部を撮影したときの、モニタテレビ画像を、図14に示
す。モニタテレビ画像の観察から、図14に示す、溶融
プール像35の先端35tは開先像34と重なる。開先
のルートギャップが大きい場合は、先端35tは幅広に
なる。
【0029】カメラ3のビデオ信号(アナログ画像信
号)のレベルは、ア−ク像33(白)の位置で最高であ
り、次に溶融プ−ル像35のレベルが高く、開先に連な
る面のレベルは低く、ト−チ像31およびワイヤ像32
のレベルは更に低い。溶接ワイヤ2の先端から溶接対象
材(ワ−ク:母材)への溶滴移行中に溶滴によってワ−
クに溶接ワイヤが短絡してアークが消え溶融プールの輻
射光のみの暗い画像となり、溶滴移行が終わるとア−ク
が生長して、アーク炎が長く大きくなってワイヤを包み
全体が明るく、また、ワイヤの陰が薄くなる。溶接中は
これが繰返えされる。また、溶接アークの強さは、溶接
条件,溶接材料,シールドガス成分などによって、溶接
中に大きく変動する場合がある。例えば、CO2ガスシ
ールドアーク溶接やMIG,MAGの低電流溶接では大
きく変動し、MIG,MAGの高電流溶接では変動が少
ない。したがってカメラ3のビデオ信号のレベルは時系
列で動揺し、仮にしきい値を設定しビデオ信号を2値化
しても、開先像34とア−ク像33又はワイヤ像32と
を、安定して摘出することができない場合が多い。
【0030】本発明の第1実施態様では、開先位置を検
出する場合、まず、倣い制御を開始するまでに、溶接中
の開先部をカメラ3で撮影し、溶接状態が適のときに、
撮影画面上の溶融プール像35の先端33tを含む領域
P7(図8),P8(図13),P9(図13),P4
(図14),P5(図14)もしくはP6(図14)の
画像デ−タ(ビデオ信号をA/D変換したデジタルデ−
タ)を、教示デ−タとして教示メモリ(25b)に記憶す
る。
【0031】本発明の第2実施態様では、第1実施態様
と同様に溶融プール像35の先端33tを含む領域(P
4〜P9のいずれか)の画像デ−タを教示デ−タとして
教示メモリ(25b)に記憶するのに加えて、更に、ワイヤ
下端像を含む領域P1(図8,図13,図14),ワイ
ヤ主部像32を含む領域P2(図8,図13,図14)
又はト−チ下端像31を含む領域P3(図8,図13,
図14)の画像デ−タを、教示デ−タとして教示メモリ
(25b)に記憶する。
【0032】その後倣い制御を開始すると、第1実施態
様では、カメラ3の撮影画面(1画面分の画像デ−タ)
の中の、教示デ−タを摘出した領域P7,P8,P9,
P4,P5もしくはP6と同一サイズの、教示デ−タと
相関が高い画像デ−タが含まれる領域(対応領域)を検
索し、その位置を開先位置とし、これがカメラ3の撮影
画面上で設定位置(例えば教示デ−タ摘出領域P7,P
8,P9,P4,P5もしくはP6の位置)に合致する
ように溶接ト−チを駆動する。
【0033】第2実施態様では、カメラ3の撮影画面
(1画面分の画像デ−タ)の中の、教示デ−タを摘出し
た領域P7,P8,P9,P4,P5もしくはP6、な
らびに、P1,P2又はP3と同一サイズの、教示デ−
タと相関が高い画像デ−タが含まれる領域(対応領域)
を検索し、P7,P8,P9,P4,P5もしくはP
6、に対応する領域の画面上の位置を開先位置とし、P
1,P2又はP3に対応する領域の画面上の位置を溶接
ト−チ位置とする。そして、開先位置に対して溶接ト−
チ位置が設定位置となるように溶接ト−チを駆動する。
【0034】対応領域の検索の内容について説明する。
例えば図8に示す領域P7を溶融プ−ル像35の先端領
域と設定し、該領域(教示領域)P7の画像デ−タを教
示デ−タとして教示メモリに格納している場合、倣い制
御を開始すると、カメラ3の撮影画面の中の、教示領域
P7と同一サイズの、その中の画像デ−タが教示デ−タ
に対して最も高い相関を示す対応領域を次のように検索
する。すなわち、領域P7のサイズをm×n(画素数)
とすると、撮影画面の先ず左上を左上コ−ナとするm×
n領域の画像デ−タの、教示デ−タに対する相関係数R
を、次のように算出する。
【0035】
【数1】
【0036】次に画像デ−タ摘出領域(m×n)の左上
コ−ナを画面上の主走査方向Xに1画素分右シフトし
て、シフトした領域(m×n)の画像デ−タの、教示デ
−タに対する相関係数Rを同様に算出する。この相関係
数の算出を、摘出領域(m×n)の右下コ−ナが画面の
右端になるまで繰返す。そして右端まで行なうと、摘出
領域(m×n)の左上コ−ナを副走査方向Yに1画素分
ずらしかつ画面の左端に戻して同様に相関係数Rを算出
する。このようにして、摘出領域(m×n)の右下コ−
ナが画面の右下コ−ナに合致するまで、相関係数R7の
算出を繰返し、これが終わると、算出した相関係数群の
中の最高値R7mを摘出しかつ最高値R7mをもたらし
た摘出領域(対応領域)の画面上の位置P7ca(Xb,
Yb)を摘出して、最高値R7mと位置P7ca(Xb,
Yb)をメモリにセ−ブ(記憶)する。この位置P7ca
(Xb,Yb)を、現在の開先4の位置(カメラ3から
見た位置)と推定する。
【0037】なお、教示領域P7の位置をP7(Xb,
Yb)とすると、この位置P7(Xb,Yb)および対
応領域の位置P7ca(Xb,Yb)は、画面上の位置で
あるのでこれをト−チ駆動系座標値に変換して両位置の
差を算出し、位置差が零になる方向に位置差の絶対値分
ト−チを駆動することにより、開先に対するト−チの相
対位置が、教示デ−タを摘出したときの相対位置と実質
上同一となる。この倣い制御が、教示領域Pj(j=4
〜9の1つ)を用いる第1実施態様の開先倣い制御の一
態様(j=7)である。
【0038】第2実施態様の開先倣い制御では、教示領
域Pjの対応領域の位置に加えて、もう1つの教示領域
P1,P2又はP3、例えばP1、の対応領域の位置も
同様に検索して、教示領域Pjの対応領域の位置に対す
る、もう1つの教示領域P1の対応領域の位置の差(検
出位置差)を算出して、検出位置差が設定値(教示領域
Pj/P1間の位置差)に合致するようにト−チを駆動
する。
【0039】図15に示すように、教示領域(例えばP
7)の各画素の画像デ−タが表わす輝度を横軸に、対応
領域(相関係数が最大の入力パタ−ン)の対応画素の画
像デ−タが表わす輝度を縦軸にとりプロットすれば、教
示領域と対応領域がほぼ同じ明るさの場合は、約45°
の直線Q1の近辺にプロットが分布する。しかし、対応
領域が暗い場合は直線Q2の近辺に分布し、明るい場合
は直線Q3の近辺に分布する。各直線の勾配が、教示領
域の明るさに対する対応領域の明るさの比に対応する。
【0040】ここで重要なことは、図15の直線Q1,
Q2,Q3の近辺に分布した輝度プロットの広がりは相
関係数Rに相当するが、プロット群間でプロットの広が
りには差が少ない。すなわち、相関係数Rは明るさの変
動による影響は少ないことである。
【0041】教示領域P1〜P9を、図8,図13ある
いは図14に示す位置に設定し、上述の相関係数Rの算
出と、最高値の相関係数を得た領域(対応領域)の位置
の摘出により、ワイヤ下端位置,ワイヤ位置,ト−チ位
置および溶接プールの先端位置(開先位置)を知ること
ができる。図16に、図8,図13および図14に示す
教示領域P1〜P9とその中の画像を拡大して示す。
【0042】すみ肉溶接(図17,図8)の場合に溶融
プ−ルの先端を検索するに適した教示領域P7は、輝度
の高い溶融プール像35の先端35tと輝度の低い開先
像34(およびその近辺の鋼板表面)を含む領域であ
る。重ねすみ肉溶接(図18,図13)の場合に溶融プ
−ルの先端を検索するに適した教示領域P8は、輝度の
高い溶融プール像35の先端35tの湾曲部と輝度の低
い開先像(鋼板表面)を含む領域である。教示領域P9
は、教示領域P8の教示デ−タに基づいた溶融プ−ル先
端検索が不成功の場合に、該先端検索に使用する予備領
域である。
【0043】V形開先(図19)の溶接(図14)に適
した教示領域P4,P5は、幅が広い先端35tの幅端
部と開先(およびその近辺の鋼板表面)を含む領域であ
り、P4とP5の幅方向位置差が開先幅に対応するの
で、これらの領域P4,P5の教示デ−タを用いる対応
領域の検索により、開先幅を算出することができる。教
示領域P6は、教示領域P4とP5の教示デ−タに基づ
いた溶融プ−ル先端検索の少くとも一方が不成功の場合
に、該先端検索に使用する予備領域である。この教示領
域P6の教示デ−タを用いる溶融プ−ル先端検索によっ
ては、開先幅を算出することはできない。
【0044】レ形開先(図20)および仕口開先(図2
1)の溶接の場合も、撮影画像は図14に示す、V形開
先(図19)の溶接の場合と類似の画像となる。ただ
し、レ形開先および仕口開先は開先がその中心位置に関
して非対象であるので、溶融プ−ルの先端像は、図14
に示すものと類似ではあるが、開先像34に関して非対
称となる。しかし、V形開先(図19)の溶接の場合と
同様に、教示領域P4,P5に対応する領域の検索によ
り、開先幅を算出することができる。
【0045】教示領域P1は、図8,図13および図1
4に示すように、輝度の高い溶融プール像35を背景と
し輝度の低いワイヤ下端像および高輝度のア−ク像33
を含む領域である。教示領域P2は、輝度の高い溶融プ
ール像35を背景とし輝度の低いワイヤ像32のみを含
む領域である。教示領域P3は、輝度の高い溶融プール
像35を背景として輝度の低いト−チ像31およびワイ
ヤ32を含む領域である。
【0046】すみ肉,重ねすみ肉,V形開先,レ形開
先,仕口開先における左右(x),上下(z)および幅
倣い(ト−チ揺動幅)制御に必要な教示パターンを、表
1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】なお、開先倣いは、開先に対する溶接ア−
ク,ワイヤ又はト−チのx方向位置合せ(左右倣い),
高さ合せ(z方向距離調整:上下倣い)、および、開先
幅変化に対する溶接トーチの揺動幅,溶接速度(台車走
行速度),溶接電流および又は溶接ア−ク電圧の調整
(幅倣い)の少くとも一者が含まれる。本発明の、次に
説明する実施例は、上述の第1実施態様および第2実施
態様を実行しうるものであり、左右倣い,上下倣いおよ
び幅倣いを行なうことができる。
【0049】なお、次に説明する実施例は、撮像器(3)
を用いて検出する溶融プ−ル先端(P4〜P9の少くとも1
つに対応する画像領域)および必要に応じて検出する溶
接ワイヤ下端(P1),溶接ワイヤ主部(P2)あるいは溶接ト
−チ下端(P3)の、撮影画面上の直交2軸X,Y平面上の
位置と、溶接対象材が置かれた直交3軸x,y,z空間
の位置との対応関係を簡易にし、かつ、X,Y平面上の
位置を3軸x,y,z空間の位置に変換する演算を簡易
にするために、直交3軸x,y,z空間のy軸と実質上
平行に走行する台車(6)ならびにそれに搭載されて溶接
ト−チ(1)を支持しx,z軸と実質上平行にト−チ(1)を
駆動するx,z駆動器(8,7)を用いて、これらにより溶
接ト−チ(1)をy軸に沿って駆動しかつ開先(4)に対して
x,z軸方向に位置決めするものである。しかしなが
ら、台車(6)上のx,z駆動器(8,7)を汎用ロボット又は
ロボットア−ムに代えてもよいし、台車(6)およびx,
z駆動器(8,7)を汎用自走ロボットに代えることもでき
る。また、台車(6)を自走ガントリ−とし、又は、天井
レ−ルに装着した吊り下げ型のキャリッジとしてもよ
い。また、y方向は水平に限らず水平面に対して傾斜し
たあるいは直交する方向であってもよく、本発明は下向
き溶接のみならず立向き溶接にも適用しうる。
【0050】更には、開先(4)が延びる方向yには、ト
−チを駆動するのに代えて、溶接対象材を駆動するよう
にしてもよい。すなわち、ト−チを必ずしもy方向に駆
動する必要はない。溶接対象材がy方向に駆動される態
様では、基台が固定の汎用ロボットを本発明で採用する
ト−チ駆動器として用いることができる。ロボットを用
いる場合、開先長(y方向長さ)が短い場合には、ロボ
ットおよび溶接対象材を静止のままロボットにてy方向
にも溶接ト−チを駆動すればよい。ロボットが極座標空
間および又は回転軸周りにト−チを駆動するものであっ
ても、その系での検出位置を、y方向に延びる開先が存
在する3軸x,y,z空間のx,z値および必要に応じ
てy値に変換して、x,y,z空間で溶接ト−チ(1)を
開先(4)に位置合せし必要に応じてy方向にも駆動する
ように溶接ト−チを駆動すればよい。 また、次に説明
する実施例では、溶接ト−チに撮像器を固定して一体連
動としている。この態様では、撮像器から見た開先の溶
融プ−ル先端位置が、溶接ト−チから見た溶融プ−ル先
端位置に対応する。正確に言うと、撮像器から見た開先
の溶融プ−ル先端位置に、撮像器/溶接ト−チ間相対位
置差(固定値)分の補正を加えることによ、溶接ト−チ
から見た溶融プ−ル先端位置が得られる。撮像器の撮影
画面上で溶融プ−ル先端位置が一定位置となるように溶
接ト−チを駆動することにより、溶融プ−ル先端に対す
るト−チ位置が一定となり、溶融プ−ル先端に対して溶
接ト−チを所定位置に維持するためのデ−タ処理および
ト−チ駆動制御を、きわめて簡易に行なうことができ
る。
【0051】しかし、溶接ト−チ支持系とは別の系で撮
像器を支持し、常時撮像器と溶接ト−チの相対位置差を
把握して、該相対位置差分、撮像器の撮影画面上で求め
た溶融プ−ル先端位置に補正を加えることにより、溶融
プ−ル先端位置に対する溶接ト−チの相対位置を求める
ことができる。したがって、必ずしも撮像器を溶接ト−
チと一体連動関係に支持する必要はない。
【0052】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0053】
【実施例】図1に本発明の一実施例の機構概観を示す。
図1の(a)は平面図、(b)は正面図である。溶接ト
−チ1の溶接ワイヤ2(溶接電極)の下端を中心とする
所定領域を撮影する撮像器(CCDカメラ)3から見
て、溶接対象材である右側鋼板WRと左側鋼板WLとの
間に、y方向に延びる開先4があり、この開先4に略平
行に台車レ−ル5が配置されて、このレ−ル5に走行台
車6が載っている。台車6にz駆動器7(図2)が搭載
され、このz駆動器7でx駆動器8(図2)が支持され
ている。このx駆動器8でx方向に延びるト−チ支持軸
9が支持されその先端に、x方向に延びるスライドア−
ム10の後端が挿入され、ト−チ支持軸9に対してx方
向にスライドしうるが、xスライドロック摘子11でト
−チ支持軸9に固定されている。
【0054】スライドア−ム10の先端にはy方向に延
びるスリ−ブがあり、このスリ−ブに、スリ−ブの中心
軸(y軸平行線)を中心に、図1上ではy方向に延びる
回動ア−ム12の後端が回転自在に支持されているが、
y回転ロック摘子13でア−ム10の先端のスリ−ブに
固定されている。回動ア−ム12の先端側は2股に分れ
ており、分岐脚の間にト−チ固定ブロック14が挿入さ
れ、図1上ではx方向に延びるピン15で、回動ア−ム
12に、それに対してピン15を中心に回動自在に支持
されているが、x回転ロック摘子16で回転ア−ム12
に固定されている。ト−チ固定ブロック14に溶接ト−
チ1が固定されている。
【0055】ト−チ固定ブロック14にはカメラ支持ア
−ム17が固着されており、このア−ム17に撮像器
(CCDカメラ)3が固定されている。撮像器3の対物
端に、約600nm未満の短波長光を減光し600nm
以上の長波長光を透過する光フィルタ18が装着されて
おり、この光フィルタ18が、ア−ク光を減光し開先の
溶融プ−ルの発光を透過する。これにより、撮像器3の
撮影画像は、ア−ク光が弱く溶融プ−ルの発光が明瞭な
画像となる。撮像器3の視野中心線は、溶接中の溶接ワ
イヤ2の下端と略交叉し、溶接ト−チ軸(中心軸)に対
して45°傾斜している。
【0056】図1は、溶接ト−チ1を、水平V型開先4
を溶接する姿勢に設定した状態を示し、溶接ト−チ1の
中心軸は垂直軸zに平行であり、撮像器3の視野中心線
は水平ワ−ク(溶接対象材:被溶接材)に対して、すな
わち水平面xyに対して45度の角度をなす。
【0057】すみ肉溶接,重ねすみ肉溶接,レ型開先お
よび仕口開先のときには、溶接ト−チ1の中心軸は、開
先4の中心線(y方向に延びる)に対して例えば90°
(α=0)あるいはその前後に、また水平面xyに対し
て所要の角度β°(例えば45°)に、溶接ト−チ1の
姿勢が設定される。この場合、垂直面yzに対しては
(90−β)°、xz面に対しては平行又はその前後の
角度となる。このようにト−チ姿勢を設定するときに
は、x回転ロック摘子16を緩めて回動ア−ム12に対
してト−チ固定ブロック14をピン15を中心に角度α
まで廻わし、x回転ロック摘子16を締め込む。次に、
y回転ロック摘子13を緩めてア−ム10の先端のスリ
−ブに対して回動ア−ム12を回転可としてそれを角度
βまで廻わし、y回転ロック摘子13を締め込む。次に
xスライドロック摘子11を緩めてア−ム10をト−チ
支持軸9に対してx方向にスライド可として、溶接ト−
チ1の溶接ワイヤ2の先端を開先の真上とするようにア
−ム10のx位置を調整し、xスライドロック摘子11
を締め込む。
【0058】溶接ト−チ1のz位置設定および調整は、
後述の操作盤20(図2)上のz位置調整スイッチを操
作して台車6上のz駆動器7(図2)に上,下駆動指示
を与えて行ない、x位置調整もx位置調整スイッチを操
作してx駆動器8(図2)に左,右駆動指示を与えて行
なう。角度α,βの調整は、上述の角度設定の作業と同
様な作業で行なう。なお、溶接ト−チ1の姿勢(α,
β)をどのように変更しても、溶接ト−チ1に対する撮
像器3の相対位置関係は不変であり、撮像器3の撮影画
面上におけるト−チ像の位置は変わらない。図1に示す
溶接ト−チ1の姿勢は、α=0,β=0のものである。
【0059】図2に、図1に示す溶接装置の倣い制御系
のシステム構成を示す。走行台車6に搭載されたz駆動
器7は、x駆動器8を支持しこれをz方向に昇,降駆動
する駆動機構7a,支持物(x駆動器8)が上リミット
位置にあるか否を検出する位置センサ7b,駆動機構7
aの電気モ−タM1を正,逆転駆動するモ−タドライバ
7c、および、位置センサ7bが上リミット位置を検出
したときこれを表わす電気信号を発生する信号処理回路
7dが備わっており、電気モ−タM1が正回転するとx
駆動器8をz方向で、下方に駆動し、逆回転すると上方
に駆動する。
【0060】x駆動器8には、ト−チ支持軸9を支持し
これをx方向に進,退駆動する駆動機構8a,ト−チ支
持軸9が引込みリミット位置にあるか否を検出する位置
センサ8b,駆動機構8aの電気モ−タM2を正,逆転
駆動するモ−タドライバ8c、および、位置センサ8b
が引込みリミット位置を検出したときこれを表わす電気
信号を発生する信号処理回路8dが備わっており、電気
モ−タM2が正回転するとト−チ支持軸9をx方向で、
鋼板WLに近付く方向に突き出し、逆回転すると鋼板W
Lから離れる方向に引き込む。
【0061】走行台車6には、車輪を回転駆動する駆動
機構6a,車輪の所定小角度回転あたり1パルスの電気
パルスを発生するパルス発生器6b,その電気パルスを
カウントして台車6の所定短距離のy方向走行あたり1
パルスの走行同期パルスPmを発生する信号処理回路6
c、および、操作盤20からの往,復移動指令および速
度指令に応じて駆動機構6aの電気モ−タM3を正,逆
回転駆動するモ−タドライバ6dが備わっており、電気
モ−タM3が正回転すると台車6はy方向に往移動し
(図1上の矢印Ay)、逆回転すると復移動する。
【0062】溶接電源22は、操作盤20からの溶接オ
ン指令および溶接電流指令に応じて溶接ト−チ1の溶接
ワイヤ(溶接電極)2に+電圧を印加して溶接電流を給
電する。母材である鋼板WR,WLは溶接電源22の接
地線に接続されている。
【0063】操作盤20は、溶接条件(溶接電流,溶接
電圧,溶接速度,ワイヤ送給速度)を設定し制御するコ
ントロ−ラを含み、溶接機構と作業者とのインタ−フェ
−スであり、台車6の往,復駆動指令,自動走行スタ−
ト/停止指令,速度指令,z駆動器7およびx駆動器8
の昇降,進退指令,溶接開始/停止指令,溶接電流指
令,ア−ク電圧指令および開先倣い開始/停止指令を作
業者が入力又は設定するための操作スイッチおよび摘
子、ならびに、指令状態表示灯および溶接状態(台車走
行速度,溶接電流値,ア−ク電圧値)表示用のメ−タ等
が備わっている。操作盤20には溶接条件設定ユニット
21が接続されている。
【0064】溶接条件設定ユニット21は、溶接モ−ド
(開先種別:V型,すみ肉,重ねすみ肉,レ型,仕口)
指定デ−タ,撮影画像サンプリング周期,教示領域パタ
−ン指定デ−タ,設定しているト−チ姿勢(α,β),
揺動有/無指定デ−タ,揺動パタ−ンデ−タ,揺動速
度,揺動幅および揺動基点を、作業者との対話形式で、
2次元ディスプレイ上のテ−ブルに入力するものであ
り、登録(設定)キ−入力があると、該テ−ブル(の上
記デ−タ)が、倣いコントロ−ラ26に転送され、コン
トロ−ラ26のマイクロコンピュ−タ26aは、受け取
ったテ−ブル(のデ−タ)を内部メモリに書込み、教示
領域パタ−ン指定デ−タを領域設定&モニタユニット2
8に転送する。
【0065】倣いコントロ−ラ26は、受け取ったテ−
ブルの「揺動有/無」デ−タが「揺動無」を表わすもの
であるときには、このデ−タを揺動コントロ−ラ19に
転送する。揺動コントロ−ラ19のマイクロコンピュ−
タ19aはこれを内部メモリに書込む。テ−ブルの「揺
動有/無」デ−タが「揺動有」であると、倣いコントロ
−ラ26は、溶接モ−ド指定デ−タを参照する。
【0066】溶接モ−ド指定デ−タがV型開先溶接(図
1)を指定するものであるときには、倣いコントロ−ラ
26は、揺動パタ−ン,揺動速度,揺動幅および揺動基
点を水平面xy上のものとして、「揺動有」デ−タと共
に、揺動コントロ−ラ19に転送する。すなわち、揺動
パタ−ンが時系列の振りパタ−ンであると時間軸値およ
び振り値をそのまま時間値およびx軸値として与え、揺
動パタ−ンがy(台車移動量)系列の振りパタ−ンであ
ると、振り値およびy値をそのままx軸値およびy軸値
として与える。揺動速度はx方向の速度として、揺動幅
はx方向の幅として、また揺動基点は開先中心線のx位
置(本実施例では溶融プ−ルの先端のx位置を開先中心
線のx位置と見なす)からのx距離として与える。これ
らが、溶接モ−ドがV型開先溶接のときの揺動パラメ−
タである。
【0067】溶接モ−ドが、溶接ト−チ1の中心軸が水
平xy面に対して90°未満で傾斜したものとなる傾斜
姿勢(例えばα=0°,β=45°)となるすみ肉溶
接,重ねすみ肉溶接,レ型開先溶接又は仕口開先溶接で
あったときには、倣いコントロ−ラ26は、揺動パタ−
ン,揺動速度,揺動幅および揺動基点を、x,y,z成
分にベクトル分解して揺動コントロ−ラ19に転送す
る。すなわち、揺動パタ−ンが時系列の振りパタ−ンで
あると、振り値を角度α,βに基づいてx成分値とz成
分値にベクトル分解してこれらを時間軸値と共に与え
る。揺動パタ−ンがy(台車移動量)系列の振りパタ−
ンであると、振り値を角度α,βに基づいてx成分値と
z成分値にベクトル分解してこれらをy軸値と共に与え
る。揺動速度は角度α,βに基づいてx成分値とz成分
値にベクトル分解して、揺動幅もx成分値とz成分値に
ベクトル分解して、また揺動基点も角度α,βに基づい
てx成分値とz成分値にベクトル分解して、開先中心線
のx,z位置からのx距離,z距離として与える。これ
らが、溶接モ−ドがすみ肉溶接,重ねすみ肉溶接,レ型
開先溶接又は仕口開先溶接のときの揺動パラメ−タであ
る。
【0068】揺動コントロ−ラ19は、操作盤20から
溶接スタ−ト指令を受けると、内部メモリの「揺動有/
無」デ−タを参照して、それが「揺動無」であるときに
は、揺動タイミング信号PtをH(位置検出指示レベ
ル)とし、これを保持して、倣いコントロ−ラ26が与
える倣いずれ修正量デ−タ(x位置修正量および又はz
位置修正量)に対応してx駆動器8,z駆動器7を駆動
する。これにより、溶接ワイヤ2の下端が溶融プ−ルの
先端に対して、所定(教示デ−タを摘出し教示メモリに
書込んだとき)の位置(xおよびz方向)となるよう
に、溶接ト−チ1が、x駆動および又はz駆動される。
「揺動無」のときには、溶接ト−チ1を揺動駆動しな
い。
【0069】「揺動有/無」デ−タが「揺動有」を指示
するものであるときには、揺動コントロ−ラ19は、上
述の揺動パラメ−タに従ってx駆動器8を介して溶接ト
−チ1をx方向のみに揺動駆動し(V型開先溶接のと
き)、又は、溶接ト−チ1をx駆動器8およびz駆動器
7を介してx,z方向に同時に揺動駆動し(すみ肉溶
接,重ねすみ肉溶接,レ型開先溶接又は仕口開先溶接の
とき)、この揺動が揺動基点を中心とする所定狭幅内に
ある間揺動タイミング信号PtをH(位置検出指示レベ
ル)として該狭幅外にある間はL(位置検出不可)と
し、かつ、倣いコントロ−ラ26が与える倣いずれ修正
量デ−タに対応してその分、揺動基点をずらす。これに
より、溶接ワイヤ2の下端が揺動しつつその揺動基点
が、溶融プ−ルの先端に対して、所定(教示パタ−ンを
摘出したとき)の位置(xおよびz方向)となるように
溶接ト−チ1が、x駆動および又はz駆動される。
【0070】ビデオコントロ−ラ23は、定周期で、撮
像器3をリセットして1フレ−ムの撮影を開始しそして
設定されているシャッタ速度対応の露光時間の後に撮像
器3からビデオ信号を読出して分配器24に与える。分
配器24はビデオ信号を画像処理装置27に与え、VT
R(録画装置)および又はモニタTVが接続されている
ときにはそれらにもビデオ信号を与える。
【0071】画像処理装置27は、ビデオ信号に増幅処
理およびデジタル変換処理を施してビデオ信号を画像デ
−タ(多階調デジタルデ−タ)に変換して画像処理装置
27内の多階調フレ−ムメモリに書込み、これを終える
毎にレディ(1フレ−ム分の画像デ−タ読出し可)を位
置検出器25に報知する。
【0072】位置検出器25のマイクロコンピュ−タ2
5aは、溶接条件設定ユニット21に作業者が入力した
画像サンプリング周期で、画像デ−タをメモリ25bに
読込む。すなわち、該画像サンプリング周期で定まる画
像デ−タ読込みタイミングになると、揺動コントロ−ラ
19が与える揺動タイミング信号PtがH(位置検出指
示レベル)かをチェックして、それがL(位置検出不
可)であるとHに立上るのを待って、Hになると、画像
処理装置27の報知信号がビジィからレディに変わるの
を待って、レディに切換わると、画像処理装置27に1
フレ−ム分の画像デ−タの転送を要求し、画像処理装置
27が送って来る画像デ−タをメモリ25bに書込む。
そして、書込んだ画像デ−タに基づいて撮影画面上の溶
融プ−ル像の先端位置と溶接ワイヤ下端像の位置とを検
索し、そして溶融プ−ル像の先端位置に対する溶接ワイ
ヤ下端像の位置の差(位置差)を算出して倣いコントロ
−ラ26に与える。
【0073】画像処理装置27は、位置検出器25から
の画像デ−タ転送要求に応答して1フレ−ム分の画像デ
−タを位置検出器25に転送すると、同じ1フレ−ム分
の画像デ−タを領域設定&モニタユニット28にも転送
する。
【0074】領域設定&モニタユニット28は、転送が
あった1フレ−ム分の画像デ−タを画像メモリに書込
み、2次元ディスプレイ(CRT)に表示する。領域設
定&モニタユニット28には、該画像メモリ,その画像
デ−タを読出してD/A変換して2次元ディスプレイに
与えるコントロ−ラ,表示画面(開先撮影画面)上に領
域を指定(入力)するためのキ−ボ−ドおよびマウス、
ならびに、画像メモリから読出すデ−タを、入力された
領域を表わす領域線図の位置で領域線を表わすものに置
換する画像合成器を含み、コントロ−ラは、倣いコント
ロ−ラ26から教示領域パタ−ン指定デ−タを受けて内
部メモリに書込み、位置検出器25には領域指定デ−タ
を転送する。すなわち、教示領域パタ−ンには、次の表
2に示す5種があり、各パタ−ン内の各教示領域の、撮
像器5の画面上のサイズおよび位置は基準値(固定値)
であり、コントロ−ラは教示領域パタ−ン指定デ−タが
表わす教示領域パタ−ンを、2次元ディスプレイ上の開
先撮影画面上に重ね表示する。
【0075】 表2 教示領域 適用 パタ−ンNo. 含まれる教示領域 推奨モ−ド 備考 1 P1,P2,P3, V型開先溶接 第2実施態様 P4,P5,P6 レ型開先溶接 仕口開先溶接 2 P1,P2,P3, すみ肉溶接 第2実施態様 P7 3 P1,P2,P3, 重ねすみ肉溶接 第2実施態様 P8,P9 4 Pj (モ−ド不問) 第1実施態様 (j=4,5,6,7, 8又は9の1つのみ) 5 P4,P5 V型開先溶接 第1実施態様 レ型開先溶接 仕口開先溶接。
【0076】この2次元ディスプレイに表示された教示
領域パタ−ンの各領域のサイズおよび位置は、キ−ボ−
ドおよびマウスを使用して、作業者が変更および調整を
することができる。また、複数の領域を含むパタ−ンで
は、領域(の表示)を選択的に消去(領域除去)するこ
とができる。作業者が登録(設定)キ−を操作すると、
領域設定&モニタユニット28のコントロ−ラは、教示
領域パタ−ンの表示中の領域を特定するデ−タ(各領域
No.,その表示位置&サイズ,消去された領域はその
領域No.と消去(不存在)を示すデ−タ)を内部メモ
リに書込み、かつ、位置検出器25に、領域指定デ−タ
として、教示領域パタ−ンNo.と共に、転送する。位
置検出器25はこれらのデ−タを内部メモリにセ−ブす
ると共に、位置検出タイミング信号PtがHであると即
座に、LであるとHに立上るのを待ってかつ画像処理装
置27から1フレ−ムの画像デ−タを受け取った後に、
領域デ−タに基づいて各領域の画像デ−タを切出して領
域別に教示メモリ25cに書込む。これら各領域の画像
デ−タが、その後画面上から各領域を切出す領域検索に
おいて参照する教示デ−タとなる。
【0077】このように各領域の画像デ−タ(教示デ−
タ)をメモリ25cに書込むと位置検出器25は、倣い
コントロ−ラ26に教示デ−タを格納したことを表わす
信号を転送する。この信号に応答して倣いコントロ−ラ
26は、揺動コントロ−ラ19に、z駆動器7,x駆動
器8の現在位置デ−タおよび揺動基点デ−タの転送を要
求し、それらを受けると、参照位置レジスタに書込む。
【0078】次に、作業者の操作と、それに対応する図
2に示すシステム各要素の動作概要を説明する。
【0079】1.準備作業 作業者は、開先4と実質上平行となり、しかも開先4と
の距離が実質上基準距離(固定値)となるように、台車
レ−ル5を鋼板WR上に設置し、レ−ル5上に台車6を
載せて、操作盤20のキ−およびスイッチを操作して走
行台車6を溶接開始位置又はその前,後に駆動する。そ
して、待機姿勢設定キ−を押す。
【0080】2.待機姿勢設定 操作盤20が、待機姿勢設定キ−のオンを表わす信号
(待機姿勢指示信号)を揺動コントロ−ラ19に与え、
揺動コントロ−ラ19のコンピュ−タ19aがこの信号
に応答して、z駆動器7およびx駆動器8を待機位置に
設定する。すなわち、z駆動器7の位置センサ7bの上
リミット位置にあるか否かを表わす位置信号を参照し
て、上リミット位置にないと電気モ−タM1を逆回転駆
動し、上リミット位置になるとこの駆動を停止し、z位
置レジスタをクリアする。そして電気モ−タM1を正回
転ステップ駆動して1ステップ駆動毎にz位置レジスタ
のデ−タを1インクレメントし、z位置レジスタのデ−
タが待機位置(上,下リミット位置の中間位置)になる
と、そこでモ−タ駆動を停止する。
【0081】次にx駆動器8の位置センサ8bの引込み
リミット位置にあるか否かを表わす位置信号を参照し
て、引込みリミット位置にないと電気モ−タM2を逆回
転駆動し、引込みリミット位置になるとこの駆動を停止
し、x位置レジスタをクリアする。そして電気モ−タM
2を正回転ステップ駆動して1ステップ駆動毎にx位置
レジスタのデ−タを1インクレメントし、x位置レジス
タのデ−タが待機位置(引込みリミット位置と突出しリ
ミット位置の中間位置)になると、そこでモ−タ駆動を
停止する。
【0082】なお、マイクロコンピュ−タ19aは、そ
の後モ−タM1を駆動するとき、1ステップ正回転駆動
のたびにz位置レジスタのデ−タを1インクレメント
し、1ステップ逆回転駆動のたびにz位置レジスタのデ
−タを1デクレメントする。これにより、z位置レジス
タのデ−タは常時、台車6に対するト−チ支持軸9の高
さ(z位置)を表わす。同様に、モ−タM2を駆動する
とき、1ステップ正回転駆動のたびにx位置レジスタの
デ−タを1インクレメントし、1ステップ逆回転駆動の
たびにx位置レジスタのデ−タを1デクレメントする。
これにより、x位置レジスタのデ−タは常時、台車6に
対するト−チ支持軸9の突出し長(x位置)を表わす。
【0083】3.ト−チ姿勢,位置の設定 作業者は上述の待機姿勢設定が終わると、実行しようと
する溶接モ−ド(V型開先溶接,すみ肉溶接,重ねすみ
肉溶接,レ型開先溶接,仕口溶接)に対応して溶接ト−
チ1の姿勢(角度α,β)を設定する。そして操作盤2
0のキ−およびスイッチを操作して溶接ト−チ1(支持
軸9)をx方向およびz方向に駆動して、溶接ワイヤ2
の先端を開先の基準位置に合わせ、そして、台車yを駆
動して溶接ワイヤ2を溶接開始位置に合わせる。
【0084】4.溶接条件の設定 作業者は、台車走行速度(溶接速度),溶接電流および
溶接ア−ク電圧(ワイヤ突出長)は操作盤20に設定す
る。溶接モ−ド(開先種別:V型,すみ肉,重ねすみ
肉,レ型,仕口),画像サンプリング周期,教示領域パ
タ−ンNo.,設定しているト−チ姿勢(α,β),揺
動有/無、ならびに、揺動有と指定したときは揺動パタ
−ン,揺動速度,揺動幅および揺動基点、を溶接条件設
定ユニット21に入力する。作業者が溶接モ−ド以下を
ユニット21に入力しそして登録キ−を操作すると、ユ
ニット21が、入力デ−タを倣いコントロ−ラ26に転
送する。コントロ−ラ26のマイクロコンピュ−タ26
aは、受け取ったデ−タを内部メモリに書込み、撮影画
像サンプリング周期および教示領域パタ−ンNo.をそ
れぞれ位置検出器25および領域設定&モニタユニット
28に転送する。
【0085】倣いコントロ−ラ26は、「揺動有/無」
デ−タを揺動コントロ−ラ19に転送し、「揺動有」の
ときには更に溶接モ−ドに対応して揺動パラメ−タを生
成してそれも揺動コントロ−ラ19に転送し、揺動コン
トロ−ラ19はこれらを内部メモリにセ−ブする。
【0086】領域設定&モニタユニット28は、受取っ
た教示領域パタ−ンNo.に対応する領域表示パタ−ン
を内部メモリから読出して、ユニット28内の2次元デ
ィスプレイに表示する。この段階で画像処理装置27か
らの画像デ−タを読込んでいるときには、画像デ−タが
表わす画像と領域表示パタ−ンとの重ね画像が2次元デ
ィスプレイに表示される。
【0087】5.溶接の開始 作業者が操作盤20の溶接スタ−トキ−を操作すると、
操作盤20が溶接電源22に溶接電源オンを指示し、溶
接ア−クが発生すると安定時間後に溶接電源22がア−
クオンを操作盤20に報知し、操作盤20がこれに応答
して台車6の走行を開始し、同時に揺動コントロ−ラ1
9に溶接スタ−トを報知する。これに応答して揺動コン
トロ−ラ19は、内部メモリの「揺動有/無」デ−タを
参照してそれが「揺動有」であれば、内部メモリの揺動
パラメ−タに従った揺動制御を開始する。
【0088】溶接がスタ−トすると、画像処理装置27
が与える画像デ−タが、撮像器3の、溶接中の開先部の
画像を表わすものになるので、領域設定&モニタユニッ
ト28の2次元ディスプレイの表示が、該開先部画像に
領域表示パタ−ンを重ねた画像となり、開先部画像上の
溶融プ−ル,溶接ワイヤ,ア−ク,ト−チ等の像に対す
る領域表示パタ−ンの各領域(例えば図8,図13,図
14のP1〜P9)の位置関係を明瞭に視認しうる。
【0089】6.教示デ−タの設定 作業者は、必要ならば操作盤20もしくは溶接条件設定
ユニット21を用いて溶接条件を調整して好ましい溶接
状態とし、そして領域設定&モニタユニット28の2次
元ディスプレイに表示されている領域表示パタ−ンの各
領域の位置およびサイズを、画像認識精度を高くするよ
うに調整する。また、不要な領域は消去する。そして溶
接状態が好ましく、しかも開先部画像に対する領域表示
パタ−ンの各領域(P1〜P9)の分布が適のときに、
領域設定&モニタユニット28の参照値設定キ−を操作
する。領域設定&モニタユニット28はこれに応答し
て、位置検出器25および倣いコントロ−ラ26に、参
照デ−タ摘出指示信号と、教示領域パタ−ンNo.,教
示領域表示パタ−ン上の各領域No,位置およびサイズ
も与える。
【0090】位置検出器25および倣いコントロ−ラ2
6はこの信号を受けると、教示領域パタ−ンNo.等の
デ−タを内部メモリにセ−ブする。そして位置検出器2
5は、揺動コントロ−ラ19が与える揺動タイミング信
号PtがHかをチェックして、それがLであるとHに立
上るのを待って、Hになると、画像処理装置27の報知
信号がビジィからレディに変わるのを待って、レディに
切換わると、画像処理装置27に1フレ−ム分の画像デ
−タの転送を要求し、画像処理装置27が送って来る画
像デ−タをメモリ25bに書込む。そして領域表示パタ
−ンNo.および各領域No,位置およびサイズによっ
て特定される各領域の画像デ−タをメモリ25bから切
出して、各領域No.宛てに、教示メモリ25cに書込
む。このように教示メモリ25cに書込んだ画像デ−タ
が教示デ−タである。
【0091】倣いコントロ−ラ26は、教示領域パタ−
ンNo.,教示領域表示パタ−ン上の各領域No.およ
び位置に基づいて、開先幅基準値および開先/ト−チ間
距離基準値を算出し基準値レジスタに格納する。
【0092】すなわち、まず表示中の教示領域Pi(i
=1〜9)の画面上の位置Pi(X,Y)を、溶接ト−
チ1の座標軸系の、カメラ視野中心線に直交する面上の
位置に変換し、更に溶接ト−チ1のx,y,z座標軸系
のx位置およびz位置に分解して、Pi基準値レジスタ
に書込む。
【0093】そして、領域パタ−ンNo.1(表2)の
場合には、教示領域P5/P4間の画面上のX距離X5
4=X5−X4および中間位置Xc54=(X5+X
4)/2を算出して、これらを溶接ト−チ1の座標軸系
の、カメラ視野中心線に直交する面上の値xz54およ
びxzc54に変換し、これらのxz54,xzc54
を、角度α,βに対応して、溶接ト−チ1の座標軸系の
x軸開先幅値x54およびz軸開先幅値z54,x軸開
先基準位置xc54およびz軸開先基準位置zc54に
分解して、x軸開先幅値x54およびz軸開先幅値z5
4を、P5/P4(開先幅)基準値レジスタに格納す
る。次に、x軸開先基準位置xc54およびz軸開先基
準位置zc54と、P1基準値レジスタ,P2基準値レ
ジスタおよびP3基準値レジスタそれぞれの、x位置お
よびz位置との、それぞれの差xdP54/P1および
zdP54/P1,xdP54/P2およびzdP54
/P2、ならびに、xdP54/P3およびzdP54
/P3、を算出して、P1/(P5+P4)位置差レジ
スタ,P2/(P5+P4)位置差レジスタならびにP
3/(P5+P4)位置差レジスタ、に書込む。
【0094】領域パタ−ンNo.2の場合には、倣いコ
ントロ−ラ26は、教示領域P7の画面上の位置を、溶
接ト−チ1の座標軸系の、カメラ視野中心線に直交する
面上の位置に変換し、更に溶接ト−チ1のx,y,z座
標軸系のx位置およびz位置に分解して、P7基準値レ
ジスタに書込む。そしてP7基準値レジスタのx位置お
よびy位置と、P1基準値レジスタ,P2基準値レジス
タおよびP3基準値レジスタそれぞれの、x位置および
z位置との、それぞれの差xdP7/P1およびzdP
7/P1,xdP7/P2およびzdP7/P2、なら
びに、xdP7/P3およびzdP7/P3、を算出し
て、P1/P7位置差レジスタ,P2/P7位置差レジ
スタならびにP3/P7位置差レジスタ、に書込む。
【0095】また、領域パタ−ンNo.3の場合には、
教示領域P8の画面上の位置を、溶接ト−チ1の座標軸
系の、カメラ視野中心線に直交する面上の位置に変換
し、更に溶接ト−チ1のx,y,z座標軸系のx位置お
よびz位置に分解して、P8基準値レジスタに書込む。
そしてP8基準値レジスタのx位置およびy位置と、P
1基準値レジスタ,P2基準値レジスタおよびP3基準
値レジスタそれぞれの、x位置およびz位置との、それ
ぞれの差xdP8/P1およびzdP8/P1,xdP
8/P2およびzdP8/P2、ならびに、xdP8/
P3およびzdP8/P3、を算出して、P1/P8位
置差レジスタ,P2/P8位置差レジスタならびにP3
/P8位置差レジスタ、に書込む。加えて、教示領域P
9の画面上の位置を、溶接ト−チ1の座標軸系の、カメ
ラ視野中心線に直交する面上の位置に変換し、更に溶接
ト−チ1のx,y,z座標軸系のx位置およびz位置に
分解して、P9基準値レジスタに書込む。そしてP9基
準値レジスタのx位置およびy位置と、P1基準値レジ
スタ,P2基準値レジスタおよびP3基準値レジスタそ
れぞれの、x位置およびz位置との、それぞれの差xd
P9/P1およびzdP9/P1,xdP9/P2およ
びzdP9/P2、ならびに、xdP9/P3およびz
dP9/P3、を算出して、P1/P9位置差レジス
タ,P2/P9位置差レジスタならびにP3/P9位置
差レジスタ、に書込む。
【0096】領域パタ−ンNo.5の場合も、領域パタ
−ンNo.1の場合と同様に、教示領域P5/P4間の
画面上のX距離X54=X5−X4および中間位置Xc
54=(X5+X4)/2を算出して、これらを溶接ト
−チ1の座標軸系の、カメラ視野中心線に直交する面上
の値xz54およびxzc54に変換し、これらのxz
54,xzc54を、角度α,βに対応して、溶接ト−
チ1の座標軸系のx軸開先幅値x54およびz軸開先幅
値z54,x軸開先基準位置xc54およびz軸開先基
準位置zc54に分解して、x軸開先幅値x54および
z軸開先幅値z54を、P5/P4(開先幅)基準値レ
ジスタに格納する。
【0097】7.倣い制御 作業者が操作盤20の倣い指示キ−をオンすると、操作
盤20がこれを表わす信号を位置検出器25および倣い
コントロ−ラ26に与える。位置検出器25は、この信
号に応答して、画像デ−タ読取りを開始し、領域パタ−
ンNo.が、4又は5のときには、所定周期で、撮影画
面上の溶融プ−ル像の先端位置を検索して倣いコントロ
−ラ26に与える。領域パタ−ンNo.が、1,2又は
3のときには、所定周期で、撮影画面上の溶融プ−ル像
の先端位置と溶接ワイヤ下端像の位置とを検索し、そし
て溶融プ−ル像の先端位置に対する溶接ワイヤ下端像の
位置の差(位置差)を算出して加えて、教示領域パタ−
ンNo.が、1又は5(V型開先溶接:図19,レ型開
先溶接:図18、および、仕口開先溶接:図21、のと
きに推奨される領域分布パタ−ン:P1〜P6の分布:
図14)のときには、開先幅に対応する、教示領域P4
とP5の各対応領域間の位置差も算出して倣いコントロ
−ラ26に与える。
【0098】図3,図4および図5に、位置検出器25
のマイクロコンピュ−タ25aの位置検出処理APDの
概要を示す。コンピュ−タ25aは、撮影画像サンプリ
ング周期で定まる画像読取タイミングになると、揺動コ
ントロ−ラ19が与える揺動タイミング信号PtがHか
をチェックして、それがLであるとHに立上るのを待っ
て、Hになると、画像処理装置27の報知信号がビジィ
からレディに変わるのを待って(ステップ1,2,
3)、レディに切換わると、画像処理装置27に1フレ
−ム分の画像デ−タの転送を要求し、画像処理装置27
が送って来る画像デ−タを一時メモリ25bに書込む
(ステップ4a)。以下においてカッコ内には、ステッ
プという語を省略して、ステップNo.数字のみを記
す。
【0099】次にコンピュ−タ25aは、領域パタ−ン
No.が4であるかをチェックして(4b)、領域パタ
−ンNo.4であると、一時メモリ25bの画像デ−タ
群で表わされる一画面上の、教示領域Pj、j=4〜9
のいずれか1つ、の教示デ−タが表わす画像と最も相関
が高い対応領域を検索し、その相関係数Rjmと、画面
上の位置Pj(Xb,Yb)をメモリにセ−ブ(保存,
記憶)する(4c)。この対応領域の検索の内容は、前
記(1)式の直前から直後にかけて説明した対応領域の
検索の内容と同様である。次にコンピュ−タ25aは、
最高相関係数Rjmが0.6以上であるかをチェックし
て(4d)、0.6以上(検索した対応領域が、Pj画
像と同一画像である確信度が高い)であると、開先位置
レジスタRGC(内部メモリの一領域)に教示領域Pj
の対応領域であることを示しかつその対応領域の位置を
示すデ−タPj(Xb,Yb)を書込み(4e)、領域
パタ−ンNo.および開先位置レジスタRGCのデ−タ
を、倣いコントロ−ラ26に転送する(図5の23)。
【0100】領域パタ−ンNo.が4でなかったときに
は、それが5であるかをチェックして(4f)、領域パ
タ−ンNo.5であると、コンピュ−タ25aは、教示
領域P4が領域パタ−ンNo.4に含まれているかをチ
ェックして、含まれているとその対応領域を検索し(4
g)、それに成功すると教示領域P4の対応領域である
ことを示しその対応領域の画面上の位置を示すデ−タP
4(Xb,Yb)を開先左位置レジスタRGLに書込む
(4h,4i)。そして次に、教示領域P5が領域パタ
−ンNo.4に含まれているかをチェックして含まれて
いるとその対応領域を検索し(4L)、それに成功する
と教示領域P5の対応領域であることを示しその対応領
域の画面上の位置を示すデ−タP5(Xb,Yb)を開
先右位置レジスタRGRに書込み(4m,4n)、レジ
スタFWDに開先左右端検出に成功したことを表わす
「1」を書込む(4j)。教示領域P4が領域パタ−ン
No.4に含まれていなかったとき、ならびに教示領域
P4の対応領域検索が不成功のときは、それを示すデ−
タを開先左位置レジスタRGLに書込み、教示領域P5
が領域パタ−ンNo.4に含まれていなかったとき、な
らびに教示領域P5の対応領域検索が不成功のときは、
それを示すデ−タを開先右位置レジスタRGRに書込
む。そしてレジスタFWDをクリアする(4k,4
o)。領域パタ−ンNo.および開先左,右位置レジス
タRGRGL,RGRおよびレジスタFWDのデ−タ
は、倣いコントロ−ラ26に転送する(図5の23)。
【0101】領域パタ−ンNo.が4でも5でもない
と、コンピュ−タ25aは、教示領域P1が領域パタ−
ンに含まれているかをチェックして、含まれていると、
一時メモリ25bの画像デ−タ群で表わされる一画面上
の、教示領域P1の教示デ−タが表わす画像と最も相関
が高い対応領域を検索し、その相関係数R1mと、画面
上の位置P1(Xa,Ya)をメモリにセ−ブ(保存,
記憶)する(5)。
【0102】次にコンピュ−タ25aは、最高相関係数
R1mが0.6以上であるかをチェックして(6)、
0.6以上(検索した対応領域が、P1画像と同一画像
である確信度が高い)であると、ト−チ位置レジスタR
TP(内部メモリの一領域)に教示領域P1であること
を示しかつその対応領域の位置を示すデ−タP1(X
a,Ya)を書込み(7)、教示領域P2およびP3の
対応領域検索は行なわず、開先位置の検出(図5の14
〜22,24〜36)に進む。
【0103】教示領域P1が領域パタ−ンに含まれてい
なかった場合、ならびに、含まれていても、上述のよう
に算出した相関係数R1mが0.6未満(対応領域の検
索失敗)であると、コンピュ−タ25aは、教示領域P
2が領域パタ−ンに含まれているかをチェックして、含
まれていると、教示領域P2の教示デ−タが表わす画像
と最も相関が高い対応領域を上述のP1対応領域の検索
と同様に検索し(8)、これに成功すると(最高相関係
数R2mが0.6以上であると)、教示領域P2の対応
領域であることを示しその対応領域の画面上の位置を示
すデ−タP2(Xa,Ya)をト−チ位置レジスタRT
Pに書込み(9,10)、教示領域P3の対応領域検索
は行なわず、開先位置の検出に進む。
【0104】教示領域P2が領域パタ−ンに含まれてい
なかった場合、ならびに、含まれていても、上述のよう
に算出した相関係数R2mが0.6未満であると、コン
ピュ−タ25aは、教示領域P3が領域パタ−ンに含ま
れているかをチェックして、含まれていると、教示領域
P3の教示デ−タが表わす画像と最も相関が高い対応領
域を上述のP1対応領域の検索と同様に検索し(1
1)、これに成功すると(最高相関係数R3mが0.6
以上であると)、デ−タP3(Xa,Ya)をト−チ位
置レジスタRTPに書込む(12,13)。
【0105】したがって、教示領域P1,P2又はP3
の対応領域の検索に成功すると、ト−チ位置レジスタR
TPのデ−タが最新検出値に更新される。教示領域P
1,P2およびP3の対応領域の検索がいずれも不成功
であったときには、ト−チ位置レジスタRTPは、前の
検索成功時のものに留まる。
【0106】次に図5を参照する。開先位置の検出に進
むとコンピュ−タ25aは、領域パタ−ンが、教示領域
P1〜P3,P8,P9の分布のもの(図13)である
「領域パタ−ンNo.3」か、教示領域P1〜P3,P
7の分布のもの(図8)である「領域パタ−ンNo.
2」か、あるいは、教示領域P1〜P6の分布もの(図
14)である「領域パタ−ンNo.1」かをチエックす
る(14,15)。
【0107】「領域パタ−ンNo.1」であるとコンピ
ュ−タ25aは、教示領域P4が領域パタ−ンに含まれ
ているかをチェックして、含まれていると教示領域P4
の対応領域を検索し(16)、それに成功すると、教示
領域P4の対応領域であることを示しかつその位置を示
すデ−タP4(Xb,Yb)を開先左位置レジスタRG
Lに書込む(17,18)。次に教示領域P5が領域パ
タ−ンに含まれているかをチェックして、含まれている
と教示領域P5の対応領域を検索し(19)、それに成
功すると、教示領域P5の対応領域であることを示しか
つその位置を示すデ−タP5(Xb,Yb)を開先右位
置レジスタRGRに書込み(20,21)、開先左右端
検出に成功したことを表わす「1」をレジスタFWDに
書込む(22)。
【0108】教示領域P4又はP5が領域パタ−ンに含
まれていなかった場合、ならびに、含まれていても少く
とも一方の対応領域検索が不成功のときは、レジスタF
WDをクリアする(24)。
【0109】次に、教示領域P6が領域パタ−ンに含ま
れているかをチェックして、含まれていると教示領域P
6の対応領域を検索し(25)、それに成功すると、教
示領域P6の対応領域であることを示しかつその位置を
示すデ−タP6(Xb,Yb)を開先位置レジスタRG
Cに書込む(26,27)。
【0110】「領域パタ−ンNo.2」であった場合
は、コンピュ−タ25aは、教示領域P7の対応領域を
検索し(28)、それに成功すると、教示領域P7の対
応領域であることを示しかつその位置を示すデ−タP7
(Xb,Yb)を開先位置レジスタRGCに書込む(2
9,30)。
【0111】「領域パタ−ンNo.3」であった場合
は、コンピュ−タ25aは、教示領域P8が領域パタ−
ンに含まれているかをチェックして、含まれていると教
示領域P8の対応領域を検索し(31)、それに成功す
ると教示領域P8の対応領域であることを示しかつその
位置を示すデ−タP8(Xb,Yb)を開先位置レジス
タRGCに書込む(32,33)。教示領域P8が領域
パタ−ンに含まれていなかった場合、ならびに、含まれ
ていてもその対応領域の検索が不成功であると、教示領
域P9が領域パタ−ンに含まれているかをチェックし
て、含まれているとその対応領域を検索し(34)、そ
れに成功すると、教示領域P9の対応領域であることを
示しかつその位置を示すデ−タP9(Xb,Yb)を開
先位置レジスタRGCに書込む(35,36)。
【0112】開先位置検出(14〜22,24〜36)
を終えるとコンピュ−タ25aは、レディ(位置検出デ
−タ発生)を倣いコントロ−ラ26に報知し、これに応
答して倣いコントロ−ラ26がデ−タ転送要求を与える
と、位置検出器25のコンピュ−タ25aは、領域パタ
−ンNo.およびト−チ位置レジスタRTPのデ−タ
と、それが領域パタ−ンNo.1であるときには開先
左,右位置レジスタRGL,RGR,レジスタFWDお
よび開先位置レジスタRGCのデ−タとを、倣いコント
ロ−ラ26に転送し(23)、コントロ−ラ26はこれ
らのデ−タを内部メモリに書込む。領域パタ−ンNo.
2又は3であるときには、コンピュ−タ25aは、領域
パタ−ンNo.およびト−チ位置レジスタRTPのデ−
タと、開先位置レジスタRGCのデ−タを倣いコントロ
−ラ26に転送する(23)。
【0113】そして入力読取(1)に戻り、撮影画像サ
ンプリングの一周期時間が経過するのを待って、経過す
ると信号PdがHかつ画像処理装置27が1フレ−ム画
像レディを報知して来るのを待つ(1〜3)。このレデ
ィが到来すると、上述のステップ4〜36の処理を行な
う。これにより、倣いコントロ−ラ26には略定周期
で、位置検出器25が検出した位置デ−タが転送され
る。
【0114】図6に、倣いコントロ−ラ26の倣い制御
の概要を示す。倣いコントロ−ラ26のマイクロコンピ
ュ−タ26aは、位置検出器25がレディ(位置検出デ
−タ発生)を報知して来るのを待ち(41)、レディが
来ると、位置検出器25にデ−タ転送を要求して、送ら
れて来るデ−タを内部メモリに書込む(42,43)。
次にコンピュ−タ26aは、位置ずれ量を算出する(4
4)。
【0115】すなわち、まず領域パタ−ンNo.デ−タ
をチェックする。そして、それが「領域パタ−ンNo.
4」であると、受信したデ−タに、開先位置レジスタR
GCのデ−タPj(Xb,Yb)があるので、これを溶
接ト−チ1の座標軸系の、カメラ視野中心線に直交する
面上の値に変換し、変換して得た値を、角度α,βに対
応して、溶接ト−チ1の座標軸系のx位置およびz位置
に分解し、これらの位置の、Pi基準値レジスタ群の中
のPjレジスタのx位置およびz位置(前記「6.教示
デ−タの設定」で設定された値)との差dxおよびdz
を算出して出力レジスタに書込む(44)。そして、出
力レジスタのデ−タは、揺動コントロ−ラ19に転送す
る(45)。揺動コントロ−ラ19は、「揺動無」のと
きには、位置差dx,dz分、ト−チ支持軸9を、それ
らの位置差を零とする方向に、x,z駆動する。「揺動
有」のときには、位置差dx,dz分、それらの位置差
を零とする方向に、揺動基点を変更する。
【0116】「領域パタ−ンNo.5」であったときに
は、受信したデ−タに、開先左,右位置レジスタRG
L,RGRおよびレジスタFWDのデ−タがあるので、
レジスタFWDのデ−タが「1」であるかをチェックし
て、「1」であると、撮影画面上の開先幅RGR−RG
Lと、開先中央位置(RGR+RGL)/2を算出す
る。ここでRGRは、開先右位置レジスタのデ−タP5
(Xb,Yb)が示すP5対応領域のX位置,RGLは
開先左位置レジスタのデ−タP4(Xb,Yb)が示す
P4対応領域のX位置である。次にこれらの算出値を溶
接ト−チ1の座標軸系の、カメラ視野中心線に直交する
面上の値に変換し、変換して得た値を、角度α,βに対
応して、溶接ト−チ1の座標軸系のx軸開先幅検出値お
よびz軸開先幅検出値,x軸開先中心位置およびz軸開
先中心位置に分解して、x軸開先幅検出値およびz軸開
先幅検出値の、P5/P4(開先幅)基準値レジスタ
の、x軸開先幅基準値x54およびz軸開先幅基準値z
54に対するずれ量(開先幅偏差)を算出し、出力レジ
スタに書込み、そしてずれ量(開先幅偏差)に対応する
台車走行速度(溶接速度)補正値および「揺動有」のと
きには揺動幅補正値、「揺動無」のときは溶接電流補正
値を算出し、揺動幅補正値は出力レジスタに書込み、台
車走行速度補正値および溶接電流補正値を、溶接条件補
正指令として操作盤20のコントロ−ラに転送する。こ
れらの補正値は、教示デ−タを摘出して教示メモリ25
cに書込んだときの値(参照値)に対する補正量を意味
する。操作盤20のコントロ−ラは、目標速度を、台車
走行速度参照値に補正値を加えた値に変更して、台車6
の走行速度が目標速度に合致するように、フィ−ドバッ
ク速度制御を行なう。また、目標溶接電流を溶接電流参
照値に補正値を加えた値に変更して溶接電源22に与
え、溶接電源22が溶接電流を該目標溶接電流に変更す
る。
【0117】コンピュ−タ26aはまた、Pi基準値レ
ジスタ群の中のP4基準値レジスタおよびP5基準値レ
ジスタのx値の中間値、および、z値の中間値を算出し
て、この中間値に対する、前記開先中央位置(RGR+
RGL)/2のx値およびz値のずれ量(ト−チ位置偏
差)を算出して出力レジスタに書込む(44)。そして
出力レジスタのデ−タを、揺動コントロ−ラ19に転送
する(45)。揺動コントロ−ラ19は、「揺動無」の
ときには、ト−チ位置偏差分、ト−チ支持軸9をx,z
駆動する。「揺動有」のときには、受信したデ−タの中
の、開先幅偏差分揺動幅を変更し、かつ、ト−チ位置偏
差分、揺動基点を変更する。
【0118】「領域パタ−ンNo.5」であっても、受
信したレジスタFWDのデ−タが「0」(P4および又
はP5対応領域の検索が不成功)であった場合には、一
方の対応領域Pj(j=4又は5)の検索に成功してい
ると、これを溶接ト−チ1の座標軸系の、カメラ視野中
心線に直交する面上の値に変換し、変換して得た値を、
角度α,βに対応して、溶接ト−チ1の座標軸系のx位
置およびz位置に分解し、これらの位置の、Pi基準値
レジスタ群の中のPjレジスタのx位置およびz位置と
の差dxおよびdzを算出して出力レジスタに書込む
(44)。そして、出力レジスタのデ−タを、揺動コン
トロ−ラ19に転送する(45)。揺動コントロ−ラ1
9は、「揺動無」のときには、位置差dx,dz分、ト
−チ支持軸9を、それらの位置差を零とする方向に、
x,z駆動する。「揺動有」のときには、位置差dx,
dz分、それらの位置差を零とする方向に、揺動基点を
変更する。
【0119】位置ずれ量の算出(44)に進んだときに
領域パタ−ンNo.デ−タが「領域パタ−ンNo.1」
であった場合は、受信したデ−タに、開先左,右位置レ
ジスタRGL,RGR,レジスタFWDおよび開先位置
レジスタRGCのデ−タがあるので、コンピュ−タ26
aは、レジスタFWDのデ−タが「1」であるかをチェ
ックして、「1」であると、撮影画面上の開先幅RGR
−RGLと、開先中央位置(RGR+RGL)/2を算
出する。ここでRGRは、開先右位置レジスタのデ−タ
P5(Xb,Yb)が示すP5対応領域のX位置,RG
Lは開先左位置レジスタのデ−タP4(Xb,Yb)が
示すP4対応領域のX位置である。次にこれらの算出値
を溶接ト−チ1の座標軸系の、カメラ視野中心線に直交
する面上の値に変換し、変換して得た値を、角度α,β
に対応して、溶接ト−チ1の座標軸系のx軸開先幅検出
値およびz軸開先幅検出値,x軸開先中心位置およびz
軸開先中心位置に分解して、x軸開先幅検出値およびz
軸開先幅検出値の、P5/P4(開先幅)基準値レジス
タの、x軸開先幅基準値x54およびz軸開先幅基準値
z54に対するずれ量(開先幅偏差)を算出し、出力レ
ジスタに書込む。
【0120】次に、受信したト−チ位置レジスタRTP
のデ−タ(P1,P2,P3対応領域のいずれであるか
を示す領域No.デ−タと、対応領域の画面上位置(X
a,Xb)を示す位置デ−タ)を参照して、領域No.
デ−タをi(i=1,2又は3)とすると、対応領域i
の画面上位置(Xa,Xb)を溶接ト−チ1の座標軸系
のx値xiおよびz値ziに変換し、これらと上記x軸
開先中心位置およびz軸開先中心位置とのそれぞれの位
置差xd54/iおよびzd54/iを算出し、これら
の、Pi/(P5+P4)位置差レジスタの位置差xd
P54/Pi,zdP54/Piに対するずれ量(ト−
チ位置偏差)を算出し、出力レジスタに書込む。そして
ずれ量に対応する台車走行速度(溶接速度)補正値およ
び「揺動有」のときには揺動幅補正値、「揺動無」のと
きは溶接電流補正値を算出し、揺動幅補正値は出力レジ
スタに書込み、台車走行速度補正値および溶接電流補正
値を、溶接条件補正指令として操作盤20のコントロ−
ラに転送する。これらの補正値は、教示デ−タを摘出し
て教示メモリ25cに書込んだときの値(参照値)に対
する補正量を意味する。操作盤20のコントロ−ラは、
目標速度を、台車走行速度参照値に補正値を加えた値に
変更して、台車6の走行速度が目標速度に合致するよう
に、フィ−ドバック速度制御を行なう。また、目標溶接
電流を溶接電流参照値に補正値を加えた値に変更して溶
接電源22に与え、溶接電源22が溶接電流を該目標溶
接電流に変更する。
【0121】出力レジスタのデ−タは、揺動コントロ−
ラ19に転送する(45)。揺動コントロ−ラ19は、
「揺動無」のときには、ト−チ位置偏差分、ト−チ支持
軸9をx,z駆動する。「揺動有」のときには、受信し
たデ−タの中の、開先幅偏差(x軸開先幅検出値および
z軸開先幅検出値の、P5/P4(開先幅)基準値レジ
スタの、x軸開先幅基準値x54およびz軸開先幅基準
値z54に対するずれ量)分揺動幅を変更し、かつ、ト
−チ位置偏差分、揺動基点を変更する。
【0122】「領域パタ−ンNo.1」であっても、受
信したレジスタFWDのデ−タが「0」(P4,P5対
応領域の検索が不成功)であったときには、受信した、
開先位置レジスタRGCのデ−タ(教示領域P6の対応
領域の位置)を溶接ト−チ1の座標軸系のx位置x6お
よびz位置z6に変換し、受信したト−チ位置レジスタ
RTPのデ−タを参照して、対応領域i(i=1,2又
は3)の画面上位置を溶接ト−チ1の座標軸系のx値x
iおよびz値ziに変換し、これらと上記x位置x6お
よびz位置z6とのそれぞれの位置差xd6/iおよび
zd6/iを算出し、これらの、Pi/P6位置差レジ
スタの位置差xdP6/Pi,zdP6/Piに対する
ずれ量(ト−チ位置偏差)を算出し、出力レジスタに書
込む。
【0123】そして出力レジスタのデ−タ(ト−チ位置
偏差)を揺動コントロ−ラ19に転送する(45)。こ
の場合、揺動コントロ−ラ19は、ト−チ位置偏差分、
「揺動無」のときにはト−チ位置を、「揺動有」のとき
は揺動基点を、変更する。
【0124】位置ずれ量の算出(44)に進んだときに
領域パタ−ンNo.デ−タが「領域パタ−ンNo.2」
であった場合には、コンピュ−タ26aは、受信した、
開先位置レジスタRGCのデ−タ(教示領域P7の対応
領域の位置)を溶接ト−チ1の座標軸系のx位置x7お
よびz位置z7に変換し、受信したト−チ位置レジスタ
RTPのデ−タを参照して、対応領域i(i=1,2又
は3)の画面上位置を溶接ト−チ1の座標軸系のx値x
iおよびz値ziに変換し、これらと上記x位置x7お
よびz位置z7とのそれぞれの位置差xd7/iおよび
zd7/iを算出し、これらの、Pi/P7位置差レジ
スタの位置差xdP7/Pi,zdP7/Piに対する
ずれ量(ト−チ位置偏差)を算出し、出力レジスタに書
込む。そして出力レジスタのデ−タ(ト−チ位置偏差)
を揺動コントロ−ラ19に転送する(45)。この場
合、揺動コントロ−ラ19は、ト−チ位置偏差分、「揺
動無」のときにはト−チ位置を、「揺動有」のときは揺
動基点を、変更する。
【0125】位置ずれ量の算出(44)に進んだときに
領域パタ−ンNo.デ−タが「領域パタ−ンNo.3」
であった場合には、コンピュ−タ26aは、受信した領
域No.に対応して、それがP8対応領域を示すもので
あると、開先位置レジスタRGCのデ−タ(教示領域P
8の対応領域の位置)を溶接ト−チ1の座標軸系のx位
置x8およびz位置z8に変換し、受信したト−チ位置
レジスタRTPのデ−タを参照して、対応領域i(i=
1,2又は3)の画面上位置を溶接ト−チ1の座標軸系
のx値xiおよびz値ziに変換し、これらと上記x位
置x8およびz位置z8とのそれぞれの位置差xd8/
iおよびzd8/iを算出し、これらの、Pi/P8位
置差レジスタの位置差xdP8/Pi,zdP8/Pi
に対するずれ量(ト−チ位置偏差)を算出し、出力レジ
スタに書込む。そして出力レジスタのデ−タ(ト−チ位
置偏差)を揺動コントロ−ラ19に転送する(45)。
この場合、揺動コントロ−ラ19は、ト−チ位置偏差
分、「揺動無」のときにはト−チ位置を、「揺動有」の
ときは揺動基点を、変更する。
【0126】「領域パタ−ンNo.3」の場合でも、受
信した領域No.がP9対応領域を示すものであると、
開先位置レジスタRGCのデ−タ(教示領域P9の対応
領域の位置)を溶接ト−チ1の座標軸系のx位置x9お
よびz位置z9に変換し、受信したト−チ位置レジスタ
RTPのデ−タを参照して、対応領域i(i=1,2又
は3)の画面上位置を溶接ト−チ1の座標軸系のx値x
iおよびz値ziに変換し、これらと上記x位置x9お
よびz位置z9とのそれぞれの位置差xd9/iおよび
zd9/iを算出し、これらの、Pi/P9位置差レジ
スタの位置差xdP9/Pi,zdP9/Piに対する
ずれ量(ト−チ位置偏差)を算出し、出力レジスタに書
込む。そして出力レジスタのデ−タ(ト−チ位置偏差)
を揺動コントロ−ラ19に転送する(45)。この場
合、揺動コントロ−ラ19は、ト−チ位置偏差分、「揺
動無」のときにはト−チ位置を、「揺動有」のときは揺
動基点を、変更する。
【0127】以上のようにずれ量を算出してそれを揺動
コントロ−ラ19に転送すると倣いコントロ−ラ26の
コンピュ−タ26aは、位置検出器25がまた位置検出
を行なってレディを報知して来るのを待って、すなわ
ち、先に報知して来たレディがビジイ(位置検出処理
中)に変化し、そしてまたレディ(位置検出デ−タ生
成)に変化するのを待つ(46−41)。そしてビジイ
からレディに切換わると、上述の「デ−タ転送要求」
(42)〜「ずれ量の転送」(45)を実行する。
【0128】次に、上述の溶接装置(図1,図2)を用
いた溶接実験の結果を記す。開先倣い制御中、撮像器3
の撮影画像デ−タは、約2秒の周期で、ト−チ揺動駆動
の場合には、ト−チが揺動基点にあるときのタイミング
信号Pt=Hに同期して位置検出器25に読込んだ。し
たがって位置検出器25の位置検出(図3〜図5)の実
行周期ならびに倣いコントロ−ラ26の倣い制御周期も
約2秒である。倣い制御中は撮像器3のビデオ信号をV
TRにて記録した。実験供試材は、次の通りである。
【0129】−溶接対象1− 図17に示す、すみ肉開先4。下鋼板は、y方向長さL
=1000mm,z方向板厚T=15mm。上鋼板のy
方向長さも1000mm。レール5は、開先4に平行な
直線に対して、そのy方向1000mmにつきx方向1
0mm,z方向10mmの割合で傾斜した態様で、下鋼
板上に載置した。
【0130】−溶接対象2− 図18に示す、重ねすみ肉開先4。上,下鋼板共に、y
方向長さL=1000mm,z方向板厚T=3mm。レ
ール5は、開先4に平行な直線に対して、そのy方向1
000mmにつきx方向10mm,z方向10mmの割
合で傾斜した態様で、下鋼板上に載置した。
【0131】−溶接対象3− 図19に示す、V型開先4。左右鋼板WL,WRのy方
向長さL=1000mm,x方向幅W=400mm,z
方向板厚T=15mm,開先角度θ=40°,溶接スタ
ート側ルートギャップG=6mm,溶接エンド側ルート
ギャップG=10mm。レール5は、開先4に平行な直
線に対して、そのy方向1000mmにつきx方向10
mm,z方向10mmの割合で傾斜した態様で、鋼板上
に載置した。
【0132】−溶接対象4− 図20に示す左,右鋼板WL,WR間のレ形開先4。
左,右鋼板WL,WRのy方向長さL=1000mm,
x方向幅W=400mm,z方向板厚T=15mm,左
鋼板WLの開先角度θ=35°,溶接スタート側ルート
ギャップG=6mm,溶接エンド側ルートギャップG=
10mmで、レール5は、開先4に平行な直線に対し
て、そのy方向1000mmにつきx方向10mm,z
方向10mmの割合で傾斜した態様で、鋼板上に載置し
た。
【0133】−溶接対象5− 図21に示す、左,右鋼板WL,WR間の仕口開先4。
左,右鋼板WL,WRのy方向長さL=1000mm,
x方向幅W=400mm,z方向板厚T=15mm,左
鋼板WLの開先角度θ=30°,溶接スタート側ルート
ギャップG=6mm,溶接エンド側ルートギャップG=
10mmで、レール5は、開先4に平行な直線に対し
て、そのy方向1000mmにつきx方向10mm,z
方向10mmの割合で傾斜した態様で、鋼板上に載置し
た。
【0134】溶接は、次の表3に示す条件にて1パス実
施した。
【0135】
【表3】
【0136】溶接状態は、倣い制御中の撮像器3のビデ
オ信号をVTRにて記録したビデオテープを、溶接後に
コマ送りで再生し、モニタTV画面にスケールを当て肉
眼でワイヤ位置と開先位置を計測し位置差をスケ−ルフ
ァクタに従って実距離に換算し、開先中央に対するワイ
ヤ先端の最大左右倣いズレが±1mm以内を左右(x方
向)倣い良好と評価した。また、ト−チ下端とワイヤ先
端距離が実距離に換算し25mm±2mm以内を上下
(z方向)倣い良好と評価した。ワイヤ先端の揺動幅を
実距離に換算して、「G−1」mmから「G−2」mm
を幅倣い良好と評価した。
【0137】評価結果を次の表4に示す。表4上の丸印
が良好を意味する。
【0138】
【表4】
【0139】従来の、ビデオ信号を2値化して、2値デ
−タに基づいて開先位置又はア−ク位置を算出する位置
検出によれば、アーク光の輝度変動が少ないAr−CO
2の高溶接電流ではP4〜P9の領域内の溶融プ−ルの
位置を認識でき、左右倣いおよび上下倣い制御ができ
た。しかし、アーク光の輝度変動が大きなCO2溶接で
は、P4〜P9の領域内の溶融プ−ルの位置認識エラ−
が多く、左右倣いおよび上下倣い制御が不安定であっ
た。上述の本発明の開先倣い装置によれば、領域パタ−
ンNo.4又は5の、開先対応物の像を含む教示領域P
4〜P9の位置(基準値)に対する、検索した対応領域
の位置(検出値)の差に従った左右倣いおよび上下倣い
の精度および信頼性が高く、また、領域パタ−ンNo.
1,2又は3の、ワイヤ下端,ワイヤ主部又はト−チ下
端の像を含む領域(教示領域P1〜P3の対応領域)
と、開先対応物の像を含む領域(教示領域P4〜P9の
対応領域)の摘出と、それらの領域の位置差に従った左
右倣いおよび上下倣いならびに開先幅倣いの精度および
信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の外観を示し、(a)は平
面図、(b)は正面図である。
【図2】 図1に示す実施例の電気系システムを示すブ
ロック図である。
【図3】 図2に示す位置検出器25のコンピュ−タ2
5aの位置検出処理APDの一部を示すフロ−チャ−ト
である。
【図4】 図2に示す位置検出器25のコンピュ−タ2
5aの位置検出処理APDの他の一部を示すフロ−チャ
−トである。
【図5】 図2に示す位置検出器25のコンピュ−タ2
5aの位置検出処理APDの残部を示すフロ−チャ−ト
である。
【図6】 図2に示す倣いコントロ−ラ26の倣い制御
FDCの概要を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 (a)は、図1に示す溶接ト−チ1の、すみ
肉溶接中の溶接対象材に対する姿勢を示す簡略化した斜
視図、(b)は正面図である。
【図8】 図1に示す撮像器3の、すみ肉溶接中の撮影
画面を示す平面図である。
【図9】 図1に示す撮像器3の、すみ肉溶接中の撮影
画面を示す平面図であり、図8に示す画像を撮影してい
るときの位置から溶接ト−チ1が、溶接方向Ayの方向
から見て右側にずれたときの撮影画面を示す。
【図10】 図1に示す撮像器3の、すみ肉溶接中の撮
影画面を示す平面図であり、図8に示す画像を撮影して
いるときの位置から溶接ト−チ1が、溶接方向Ayの方
向から見て左側にずれたときの撮影画面を示す。
【図11】 図1に示す撮像器3の、すみ肉溶接中の撮
影画面を示す平面図であり、図8に示す画像を撮影して
いるときの位置から溶接ト−チ1が、溶接方向Ayの方
向から見て左上側にずれたときの撮影画面を示す。
【図12】 図1に示す撮像器3の、すみ肉溶接中の撮
影画面を示す平面図であり、図8に示す画像を撮影して
いるときの位置から溶接ト−チ1が、溶接方向Ayの方
向から見て右下側にずれたときの撮影画面を示す。
【図13】 図1に示す撮像器3の、重ねすみ肉溶接中
の撮影画面を示す平面図である。
【図14】 図1に示す撮像器3の、V型開先を溶接中
の撮影画面を示す平面図である。
【図15】 図1に示す撮像器3で撮影し図2に示す教
示メモリ25cに書込んでいる、教示領域の各画素の教
示デ−タが表わす輝度(横軸)と、その後撮像器3で撮
影し図2に示す一時メモリ25bに書込んだ、教示領域
に対応する領域の対応画素の画像デ−タが表わす輝度
(縦軸)の分布を示すグラフである。
【図16】 図8,図13および図14に示す教示領域
P1〜P9を示す拡大平面図である。
【図17】 すみ肉溶接対象材を示し、(a)は平面
図、(b)は右側面図である。
【図18】 重ねすみ肉溶接対象材を示し、(a)は平
面図、(b)は右側面図である。
【図19】 V型開先の溶接対象材を示し、(a)は平
面図、(b)は右側面図である。
【図20】 レ型開先の溶接対象材を示し、(a)は平
面図、(b)は右側面図である。
【図21】 仕口開先の溶接対象材を示し、(a)は平
面図、(b)は右側面図である。
【符号の説明】
1:溶接ト−チ 2:溶接ワイヤ 3:撮像器 4:開先 5:レ−ル 6:走行台車 9:ト−チ支持軸 10:スライドア−ム 11:xスライドロック摘子 12:回動ア−ム 13:y回転ロック摘子 14:ト−チ固定ブロッ
ク 15:ピン 16:x回転ロック摘子 17:カメラ支持ア−ム 18:光フィルタ WR:右鋼板 WL:左鋼板 Ay:溶接方向(溶接中の台車走行方向) 31:溶接ト−チの下端像 32:ワイヤ主部の像 33:ア−ク像 34:開先像 35:溶融プ−ル像 35t:溶融プ−ル像の
先端 P1〜P9:教示領域

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開先が延びるy方向に直交する方向に溶接
    ト−チを駆動するト−チ駆動器,該溶接ト−チによる溶
    接中の開先を撮影する2次元撮影器,その撮影画面上の
    光像を表わす画像デ−タに基づいて開先の位置を算出す
    る情報処理手段,算出した位置に対する溶接ト−チの位
    置が設定位置となる方向に前記駆動器を介して溶接ト−
    チを駆動する倣い制御器、を含む開先倣い装置におい
    て、 前記情報処理手段は、前記2次元撮影器の撮影画面上
    の、溶融プール像のy方向先端像領域およびその位置を
    検索し、前記倣い制御器は、検索した位置に対して溶接
    ト−チが設定位置となる方向に前記駆動器を介して溶接
    ト−チを駆動する、ことを特徴とする開先倣い装置。
  2. 【請求項2】前記2次元撮影器は溶接ト−チと連動し、
    前記倣い制御器は、前記2次元撮影器の撮影画面上の、
    前記情報処理手段が検索した位置が該画面上の設定位置
    となる方向に溶接ト−チを駆動する、請求項1記載の開
    先倣い装置。
  3. 【請求項3】開先が延びるy方向に直交する方向に溶接
    ト−チを駆動するト−チ駆動器,該溶接ト−チによる溶
    接中の開先を撮影する2次元撮影器,その撮影画面上の
    光像を表わす画像デ−タに基づいて開先の位置を算出す
    る情報処理手段,算出した位置に対する溶接ト−チの位
    置が設定位置となる方向に前記駆動器を介して溶接ト−
    チを駆動する倣い制御器、を含む開先倣い装置におい
    て、 前記情報処理手段は、前記2次元撮影器の撮影画面上
    の、溶融プール像のy方向先端像の、一部である第1領
    域およびそれより開先を横切る方向にずれた第2領域な
    らびに各領域の位置を検索し、前記倣い制御器は、それ
    らの位置差に対応してそれが大きいと広く溶接ト−チの
    揺動幅を変更する、ことを特徴とする開先倣い装置。
  4. 【請求項4】前記倣い制御器は、第1領域と第2領域の
    位置に対して溶接ト−チが設定位置となる方向に前記駆
    動器を介して溶接ト−チを駆動する、請求項3記載の開
    先倣い装置。
  5. 【請求項5】前記情報処理手段は、溶融プール像のy方
    向先端領域の画像デ−タを書込むための教示メモリ;前
    記2次元撮影器の撮影画面の画像デ−タを書込む一時メ
    モリ;および、該一時メモリの一画面の画像デ−タの、
    前記教示メモリの画像デ−タと相関が高い対応領域およ
    びその位置を検索する検索手段;を含む、請求項1,請
    求項2,請求項3又は請求項4記載の開先倣い装置。
  6. 【請求項6】前記2次元撮影器は、溶接ア−ク光を減光
    し溶融プ−ルの発光は透過するフィルタを装備したCC
    Dカメラである、請求項1,請求項2,請求項3,請求
    項4又は請求項5記載の開先倣い装置。
  7. 【請求項7】開先が延びるy方向に直交する方向に溶接
    ト−チを駆動するト−チ駆動器,該溶接ト−チによる溶
    接中の開先を撮影する2次元撮影器,その撮影画面上の
    光像を表わす画像デ−タに基づいて溶接対象に対する溶
    接作用手段の位置を算出する情報処理手段、および、算
    出した位置が設定位置となる方向に前記駆動器を介して
    溶接ト−チを駆動する倣い制御器、を含む開先倣い装置
    において、 前記情報処理手段は、前記2次元撮影器の撮影画面上
    の、溶融プール像のy方向先端に対する溶接作用手段の
    像位置を算出し、前記倣い制御器は算出した位置が設定
    位置となる方向に前記駆動器を介して溶接ト−チを駆動
    する、ことを特徴とする開先倣い装置。
  8. 【請求項8】前記情報処理手段は、溶融プール像のy方
    向先端を含む第1領域と、溶接作用手段の像の少くとも
    一部を含む第2領域の画像デ−タを書込むための教示メ
    モリ;前記2次元撮影器の撮影画面の画像デ−タを書込
    む一時メモリ;該一時メモリの一画面の画像デ−タの、
    前記教示メモリの第1領域および第2領域の画像デ−タ
    と相関が高い第3領域および第4領域を検索する検索手
    段;および、第3領域と第4領域の画面上の位置差を算
    出する相対位置演算手段;を含み、前記倣い制御器は、
    算出された位置差が設定値となる方向に前記駆動器を介
    して溶接ト−チを駆動する;請求項7記載の開先倣い装
    置。
  9. 【請求項9】前記情報処理手段は、溶融プール像のy方
    向先端を含む領域をx方向に分割した第1R領域および
    第1L領域と、溶接作用手段の像の少くとも一部を含む
    第2領域の画像デ−タを書込むための教示メモリ;前記
    2次元撮影器の撮影画面の画像デ−タを書込む一時メモ
    リ;該一時メモリの一画面の画像デ−タの、前記教示メ
    モリの第1R領域,第1L領域および第2領域の画像デ
    −タと相関が高い第3R領域,第3Lおよび第4領域を
    検索する検索手段;および、第3R領域と第3L領域の
    中間点と第4領域との画面上の位置差を算出する相対位
    置演算手段;を含み、前記倣い制御器は、算出された位
    置差が設定値となる方向に前記駆動器を介して溶接ト−
    チを駆動する;請求項7記載の開先倣い装置。
  10. 【請求項10】前記検索手段は、第3R領域と第3L領
    域のx方向位置差を算出して前記倣い制御器に与え、該
    倣い制御器は該位置差に対応してそれが増大すると台車
    の走行速度を低く溶接ト−チの揺動幅を広く変更し該位
    置差が減少すると走行速度を高く溶接ト−チの揺動幅を
    狭く変更する、請求項9記載の開先倣い装置。
  11. 【請求項11】溶接作用手段は、溶接ア−ク,それを発
    生する溶接ワイヤ、および、溶接ワイヤを保持する溶接
    ト−チ、の少くとも一者である、請求項7,請求項8,
    請求項9又は請求項10記載の開先倣い装置。
  12. 【請求項12】前記2次元撮影器は、溶接ア−ク光を減
    光し溶融プ−ルの発光は透過するフィルタを装備したC
    CDカメラである、請求項11記載の開先倣い装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007181871A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Kawasaki Heavy Ind Ltd 自動アーク溶接システム及び方法
CN112001876A (zh) * 2019-05-08 2020-11-27 株式会社东芝 判定装置、判定系统、焊接系统、判定方法以及存储介质
EP3842173A4 (en) * 2018-08-21 2022-05-18 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) WELDING CONTROL DEVICE, DISPLAY CONTROL DEVICE, WELDING SYSTEM, WELDING CONTROL METHOD AND PROGRAM

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