JPH11207401A - 冷間タンデム圧延設備および圧延方法 - Google Patents

冷間タンデム圧延設備および圧延方法

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JPH11207401A
JPH11207401A JP1034498A JP1034498A JPH11207401A JP H11207401 A JPH11207401 A JP H11207401A JP 1034498 A JP1034498 A JP 1034498A JP 1034498 A JP1034498 A JP 1034498A JP H11207401 A JPH11207401 A JP H11207401A
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JP
Japan
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coil
speed
cold tandem
rolling
rolling mill
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Withdrawn
Application number
JP1034498A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Shiraishi
利幸 白石
Shigeru Ogawa
茂 小川
Yoshihisa Takahama
義久 高濱
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続化された冷間タンデム圧延機において、
高生産性の実現と高品質のストリップの製造を可能とす
る圧延設備およびその方法を提供する。 【解決手段】 溶接機によって連続化されたコイルが冷
間タンデム圧延機の入側に供給され、該コイルを連続的
に冷間圧延する冷間タンデム圧延機において、該冷間タ
ンデム圧延機の後方に、該冷間タンデム圧延機の出側張
力を制御するためのブライドルロールもしくはピンチロ
ール、連続化され圧延されたコイルを蓄えるためのルー
パー、連続化され圧延されたコイルを切断するための切
断機、コイルを巻き取るための巻き取り機を順に配置し
た。また、この冷間タンデム圧延設備において、コイル
の巻き取りを切り替えるために減速する該冷間タンデム
圧延機の圧延速度を500m/min 以上とすることが望ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続化された冷間
タンデム圧延機において、高生産性の実現と高品質のス
トリップの製造を可能とする圧延設備およびその方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】生産性の向上および製造コストの低減を
目的に、バッチ式でコイルを圧延してきた冷間タンデム
圧延機は連続化されるようになった。この連続化は、酸
洗されたコイルを圧延機入り側で連続化する方法や、例
えば特開平7−164008号公報に開示されているよ
うに酸洗設備と冷間タンデム圧延機とを連続化する方法
や、特開昭59−86603号公報に開示されているよ
うに冷間タンデム圧延機と焼鈍設備を連続化する方法等
がある。
【0003】このような連続された冷間タンデム圧延機
では、バッチ式に比べ通板・尻抜けの非定常部が無くな
るので、品質等が向上する。しかしながら、圧延速度2
000m/min 程度で圧延していても、圧延機出側にコイ
ルの巻き取り機が有る場合、コイルの切断切り替えをす
るために冷間タンデム圧延機の圧延速度を300m/min
程度まで減速する必要がある。
【0004】従って、現状の連続化された冷間タンデム
圧延機ではコイル切り替えのために冷間タンデム圧延機
の減速を余儀なくさせられている。加減速の際、ロール
バイトに導入される圧延潤滑油の油量が変化するため摩
擦係数が変化する。摩擦係数が変化すると圧延荷重が変
化しロールの撓みとロールギャップが変化する。ロール
の撓みが変化しロールギャップが変化すると板形状と板
厚および張力が変化する。従って、加減速の際、品質が
悪化しその部分は板厚の精度外れ(オフゲージ)や形状
不良および板破断等が生じる。このような品質が悪化し
た部分は切り捨てる必要がありるので歩留まりが低下す
る、また、板破断が発生するとワークロールの組み替え
やコイルの切断および再通板が必要となるので生産性が
極端に低下していた。
【0005】このように従来の連続化された冷間タンデ
ム圧延機では、上述したようにコイル切り替えのための
冷間タンデム圧延機の減速とそれに伴う摩擦係数変化に
よる品質悪化および板破断によって、歩留まり及び生産
性が低下するという問題があった。このような対策の一
つとしては板厚制御や形状制御や張力制御等の自動制御
によって上記問題を解決する方法があるが、加減速時の
摩擦係数変化を根本的に無くすという方法ではない。加
減速時の摩擦係数変化を無くす方法として、圧延速度に
応じてエマルションの供給量や粒径および濃度等を制御
する方法もあるが、その効果は充分なレベルに達してい
ない。また、このような方法でたとえ加減速時の摩擦係
数変化を制御できたとしても、コイル切り替え時のため
の減速は余儀なくされ、生産性は向上しないという問題
が残る。
【0006】このような問題を解決するための別の方法
として、例えば特公昭58−74205号公報に開示さ
れているように冷間タンデム圧延機を加減速することな
く一定の速度を保持して圧延する方法があるけれども、
この一定の速度はコイルを切り替えるための最高速度に
規制されるため、高生産性は望めない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の連続化された冷
間タンデム圧延方法では、上述したように歩留まり及び
生産性が低下するという問題がある。その理由は、巻き
取りコイル切り替え時の冷間タンデム圧延機の減速とそ
の際生じる摩擦係数の変化にある。このような連続化さ
れた冷間タンデム圧延で歩留まり及び生産性を上げたい
という要望がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来法の問題点を解決するためおよび上述した要望に応
えるものであり、その要旨とするところは、(1)溶接
機によって連続化されたコイルが冷間タンデム圧延機の
入側に供給され、該コイルを連続的に冷間圧延する冷間
タンデム圧延機において、該冷間タンデム圧延機の出側
に、該冷間タンデム圧延機の出側張力を制御するための
ブライドルロールもしくはピンチロール、連続化され圧
延されたコイルを蓄えるためのルーパー、連続化され圧
延されたコイルを切断するための切断機、コイルを巻き
取るための巻き取り機を順に配置したことを特徴とする
冷間タンデム圧延設備であり、(2)前記(1)におけ
る冷間タンデム圧延設備による圧延方法において、コイ
ルの巻き取りを切り替えるために減速した時の該冷間タ
ンデム圧延機の圧延速度を500m/min 以上とする、こ
とを特徴とする圧延方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は従来の技術を発明を説明す
るための概略図であり、図1の(a)は従来の冷間タン
デム圧延設備の概要を、図1の(b)従来の冷間タンデ
ム圧延機の最終スタンドの圧延速度の経時変化をそれぞ
れ示す。
【0010】図1の(a)において、冷間タンデム圧延
機は4スタンドの4段圧延機1a、1b、1c、1dか
ら構成されている。この冷間タンデム圧延機には熱延コ
イルを酸洗し溶接機によって連続化されたコイル7aが
供給されている。このコイルがトリマーによってトリム
されているか否かまたは加熱されているか否かは問題で
はない。この連続化されたコイルは冷間タンデム圧延機
によって冷間圧延され、所望とする板厚のコイル7bに
圧延されている。冷間タンデム圧延機の出側には連続し
たコイルを所望する重量もしくは長さで切断するための
コイル切断機4が設置されている。このコイル切断機は
シャータイプのものでも良いし、回転ドラムタイプのも
のでも良い。このコイル切断機の出側には巻き取り機5
が設置されコイル6が巻き取られている。ここでは、2
つの巻き取り機があり、交互にコイルが巻き取られ、コ
イル6′の送り出しが行われている。また、この巻き取
り機5によって最終スタンドの出側の張力は制御されて
いる。従って、コイル切断時に生じる張力変動は防止す
ることはできない。このため、短時間ではあるがコイル
切断時に、張力変動によりオフゲージが発生していた。
【0011】図1の(b)において、コイル7bを切断
するために冷間タンデム圧延機の圧延速度はコイル切り
替え速度まで減速されている。この速度は約300m/mi
n 以下であった。コイル7bが切断され別の巻き取り機
により巻き取り始められると同時に、冷間タンデム圧延
機はそのコイルで圧延可能な最高圧延速度(ヒートスク
ラッチやミル負荷によって決定される)まで加速度αで
加速される。その後、そのコイルで圧延可能な最高圧延
速度でしばらく保持された後、コイル切り替えが必要と
なるので、再び冷間タンデム圧延機の圧延速度はコイル
切り替え速度まで加速度βで減速されている。コイル毎
にこのようなことが繰り返し行われており、生産量は図
1の(b)を積分することによって表される。
【0012】図2は本発明の技術を説明するための概略
図であり、図2の(a)は本発明の冷間タンデム圧延設
備の概要を、図2の(b)は本発明の冷間タンデム圧延
機の最終スタンドの圧延速度の経時変化をそれぞれ示
す。
【0013】図2の(a)において、冷間タンデム圧延
機は4スタンドの4段圧延機1a、1b、1c、1dか
ら構成されている。この冷間タンデム圧延機には熱延コ
イルを酸洗し溶接機によって連続化されたコイル7aが
供給されている。このコイルがトリマーによってトリム
されているか否かまたは加熱されているか否かは問題で
はない。この連続化されたコイルは冷間タンデム圧延機
によって冷間圧延され、所望とする板厚のコイル7bに
圧延されている。冷間タンデム圧延機の出側には最終ス
タンドの出側の張力を制御するための張力付加装置が設
置されている。この張力付加装置はブライドルロールで
も良いしピンチロールでも良い。ここではブライドルロ
ール2を示している。また、このブライドルロール2は
通常の冷間タンデム圧延機において、コイル切断時に生
じる張力変動も防止する役目も担っている。このブライ
ドルロール2の出側には圧延されたコイル7bを蓄える
ためのルーパ−3が設置されている。ルーパー3の出側
には連続したコイルを所望する重量もしくは長さで切断
するためのコイル切断機4が設置されている。このコイ
ル切断機はシャータイプのものでも良いし、回転ドラム
タイプのものでも良い。このコイル切断機の出側には巻
き取り機5が設置されコイル6が巻き取られている。
【0014】図2の(b)において、コイル7bを切断
するために冷間タンデム圧延機の圧延速度は先に示した
コイル切り替え速度以上の速度(ここでは最低操業圧延
速度Vmill-minと呼ぶ)まで減速されている。この際、
コイル切断をするために巻き取り機の速度、即ち先に示
したコイル切り替え速度までルーパー速度(ここでは最
低操業ルーパー速度Vlooper-min(≦300m/min )と
呼ぶ)は減速されている。従って、この時、冷間タンデ
ム圧延機によって圧延されたコイル7bは、ルーパ−3
に少なくともVmill-min−Vlooper-minの速度差で(V
mill-min>Vlooper-min)コイル切り替えに必要な時間
(T1 )を乗じた長さが[(Vmill-min−Vlooper-mi
n)×T1 ]蓄えられることになる。従って、ルーパの
最低必要な長さは上記の式を基に設計すればよい。当然
のことながら、最低操業圧延速度Vmill-minが大きいほ
どルーパはより長い距離必要である。
【0015】コイル7bが切断され別の巻き取り機によ
り巻き取り始められると同時に、冷間タンデム圧延機は
そのコイルで圧延可能な最高圧延速度(Vmill-max)ま
で加速度αで加速される。その後、そのコイルで圧延可
能な最高圧延速度でしばらく(時間T2 )保持される。
この際、ルーパー3に蓄えられている圧延されたコイル
7bを次のコイル切り替えのために必要な長さ程度払い
出す必要がある。従って、この時のルーパー出側速度
(Vlooper-max)および巻き取り機の巻き取り速度は、
冷間タンデム圧延機のそのコイルで圧延可能な最高圧延
速度(Vmill-max)より早い速度であることは言うまで
もない。この時のルーパー出側速度は時間T2 (素材コ
イルの長さと圧延スケジュールからもしくは巻き取り速
度と巻き取られるコイルの板厚・板幅から計算可能)内
に先に述べた長さ[(Vmill-min−Vlooper-min)×T
1 ]を払い出せば良いので、Vlooper-max≧Vmill-max
+[(Vmill-min−Vlooper-min)×T1 ]/T2 で計
算すれば良い。
【0016】このように定常状態でしばらく圧延された
後、コイル切り替えが必要となるので、再び冷間タンデ
ム圧延機の圧延速度はコイル切り替え速度まで加速度β
で減速されている。コイル毎にこのようなことが繰り返
し行われており、生産量は図2の(b)を積分すること
によって表される。
【0017】従って、生産量は図1の(b)と図2の
(b)の積分値を比較することによって容易に判断する
ことができ、本発明によって生産量は増大することが容
易に理解できる。また、冷間タンデム圧延機の最低操業
圧延速度Vmill-minが大きいほど生産量は増大するこ
と、ルーパ−もより長い距離必要であることが分かる。
【0018】図3は摩擦係数に及ぼす圧下率および入り
側板厚と圧延速度の影響を調べた結果である。なお、摩
擦係数は先進率と圧延荷重の実験値と計算値が一致する
ように計算によって求めた。図3より明らかなように、
低速圧延領域から圧延速度500m/min 未満までは、摩
擦係数は冷間タンデム圧延機の圧延速度が増加するにつ
れて急激に減少し、その後摩擦係数は圧延速度に関係な
くほぼ一定となる。
【0019】同様な実験を、圧延潤滑油の濃度やエマル
ション平均粒径および油種、鋼種を変化させて調査した
結果、摩擦係数のレベルは異なるものの図3と同様の傾
向があることを確認した。従って、前述した冷間タンデ
ム圧延機の最低操業圧延速度Vmill-minを500m/min
以上にすることによって、摩擦係数に及ぼす圧延速度の
影響は無くなるので、荷重変動に伴う板厚精度外れや板
形状の悪化や張力変動を無くすことができる。
【0020】
【実施例】本発明の実施に用いた冷間タンデム圧延機は
図2の(a)と同じである。また、従来技術の比較のた
めに用いた冷間タンデム圧延機は図1の(a)と同じで
ある。いずれの圧延機も4スタンドの4段圧延機で、ワ
ークロール径は全てφ560mmである。潤滑はリサーキ
ュレーション方式であり、牛脂系の圧延潤滑油を5%濃
度、温度60℃で各スタンドの入側からロールバイトに
めがけて供給されている。各スタンドの供給量は、上下
併せて約2000l/min 程度で充分な量である。
【0021】先ず、従来技術の実施例から説明する。こ
の冷間タンデム圧延機は4スタンドの4段圧延機から構
成されている。この冷間タンデム圧延機には熱延コイル
を酸洗し溶接機によって連続化されたコイルが供給され
ている。この連続化されたコイルは冷間タンデム圧延機
によって冷間圧延され、所望とする板厚に圧延されてい
る。冷間タンデム圧延機の出側には連続したコイルを所
望する重量もしくは長さで切断するためのコイル切断機
が設置されている。コイル切断機の出側には巻き取り機
が設置されコイルが巻き取られている。ここでは、2つ
の巻き取り機があり、交互にコイルが巻き取られてい
る。また、この巻き取り機によって最終スタンドの出側
の張力は制御されている。この設備のコイル切り替えの
最高速度は200m/min であり、コイル切り替えに必要
な時間は約60秒である。また、圧延速度1500m/mi
n から圧延速度200m/min までの減速に要する時間は
約10秒、圧延速度200m/min から圧延速度1500
m/min までの加速に要する時間は約40秒である。最終
スタンドの圧延条件を表1に示す。ここでは同じスケジ
ュールで同じ材質・板幅のコイルが連続的に圧延されて
いる。
【0022】
【表1】
【0023】図4は従来の圧延機における1コイル内の
圧延速度と張力変動と板厚変動を示す。図4中で、板厚
精度(%)はストリップ中央位置における製品板厚(目
標値)から冷間タンデム圧延機出側板厚(実績値)との
差を%で表した値であり、張力変動は冷間タンデム圧延
機出側張力(実績値)を初期設定値で除した値である。
【0024】従来の技術では、加減速およびコイル切り
替え以外の定常圧延状態では、板厚および張力は良好で
あるが、それ以外は良好ではない。これを簡単に説明す
ると、減速時には、摩擦係数が増大し圧延荷重が増大し
それによりミルが伸びるので板厚が増大する。板厚が増
大すると最終スタンド入側と最終スタンド出側における
コイルの速度バランスがくずれるので張力は増大する。
張力が増大すると圧延荷重が減少しミルが縮むので板厚
が減少する。このような現象が繰り返し生じるため、図
4に示すような板厚および張力変動が生じるのである。
図4より明らかなように張力は減速時には増大する傾向
があり、これが大きいと板破断を引き起こすことにな
る。
【0025】また、コイル切り替え時に一時的に張力及
び板厚が乱れている。これは、コイル切り替え時にコイ
ルが切断され、その際一瞬無張力になる。その後、巻き
取り機にコイルが巻き取られ始めて定常になるまで張力
は乱れる。その際、張力変動により圧延荷重も変動する
ので板厚が乱れる。加速時には基本的に減速時と逆の現
象が生じ、板厚および張力変動が生じる。なお、加速率
については他の板厚および張力等の自動制御上の点から
減速率よりも小さくしてある。このように、従来の圧延
機では加減速時およびコイル切り替え時に板厚および張
力変動が生じ、オフゲージや板破断が生じていた。
【0026】次に、本発明の実施例を説明する。この冷
間タンデム圧延機は4スタンドの4段圧延機から構成さ
れている。この冷間タンデム圧延機には熱延コイルを酸
洗し溶接機によって連続化されたコイルが供給されてい
る。この連続化されたコイルは冷間タンデム圧延機によ
って冷間圧延され、所望とする板厚のコイルに圧延され
ている。冷間タンデム圧延機の出側には、最終スタンド
の出側の張力を制御するための張力付加装置が設置され
ている。本発明の実施例ではこの張力付加装置はブライ
ドルロールである。また、このブライドルロールは通常
のタンデム圧延機において、コイル切断時に生じる張力
変動も防止する役目も担っている。このブライドルロー
ルの出側には、圧延されたコイルを蓄えるためのルーパ
−が設置されている。ルーパーの出側には連続したコイ
ルを所望する重量もしくは長さで切断するためのコイル
切断機が設置されている。この実施例では切断機は回転
ドラムタイプのものである。このコイル切断機の出側に
は巻き取り機が設置されコイルが巻き取られている。
【0027】本発明の実施例では、コイル切断するため
に冷間タンデム圧延機の圧延速度(最低操業圧延速度)
1000m/min まで減速されている。この際、コイル切
断をするために巻き取り機の速度、即ち200m/min ま
でルーパー出側速度(最低操業ルーパー速度)は減速さ
れている。従って、この時、冷間タンデム圧延機によっ
て圧延されたコイルは、ルーパに少なくとも800m/mi
n の速度差でコイル切り替えに必要な時間(T1 :60
秒)を乗じた長さ800m蓄えられる。本発明の実施例
では、この設備のルーパの長さは1500mである。
【0028】図5は本発明の冷間タンデム圧延設備にお
ける1コイル内の冷間タンデム圧延機の圧延速度と張力
変動と板厚変動を示す。コイルが切断され別の巻き取り
機により巻き取り始められると同時に、冷間タンデム圧
延機はそのコイルで圧延可能な最高圧延速度(1500
m/min )まで時間10秒で加速される。その後、そのコ
イルで圧延可能な最高圧延速度でしばらく保持される。
この際、ルーパに蓄えられている圧延されたコイル7を
次のコイル切り替えのために必要な長さ程度払い出す必
要がある。従って、本発明の実施例ではこの時のルーパ
ー出側速度は1550m/min であり、ル−パーに蓄えら
れているコイルの長さが400m程度までになった場
合、ルーパー出側速度は1500m/min まで減速され
る。このように冷間タンデム圧延機において、定常状態
でしばらく圧延された後、コイル切り替えが必要となる
ので、再びタンデム圧延機の圧延速度は1000m/min
まで時間10秒で減速されている。コイル毎にこのよう
なことが繰り返し行われている。最終スタンドの圧延条
件は表1と同じである。従来と同じように同じスケジュ
ールで同じ材質・板幅のコイルが連続的に圧延されてい
る。
【0029】本発明の実施例では、冷間タンデム圧延機
の圧延速度(最低操業圧延速度)は1000m/min であ
り、1500m/min から1000m/min までの減速およ
び1000m/min から1500m/min までの加速時の摩
擦係数変化はほとんど無い。従って、荷重変化はほとん
ど無いので板厚および張力の変化は定常状態と同じレベ
ルにある。また、加減速時の板破断の危険性も小さい。
さらに、コイル切り替え時においてコイルが切断されて
も、冷間タンデム圧延機出側張力に及ぼすその影響は無
い。なぜなら冷間タンデム圧延機出側のブライドルロー
ルによって、その影響は除去されるからである。
【0030】このように、本発明で冷間タンデム圧延機
のコイルの巻き取りを切り替えるために減速する冷間タ
ンデム圧延機の圧延速度を500m/min 以上にすること
によって、加減速時およびコイル切り替え時に板厚およ
び張力・形状変動が生じることが無くなった。また、本
発明により、従来に比べ、加速率を減速率と同様に高め
ることもできた。
【0031】さて、生産性の比較であるが、両者とも冷
間タンデム圧延機の最高圧延速度は同じであるので、生
産性は定常状態から次の定常状態までの平均圧延速度V
M で判断することができる。従来では1500m/min か
ら200m/min まで減速に10秒 200m/min でコイル切り替えに60秒 200m/min から1500m/min まで加速に40秒 従って合計110秒で、平均すると、従来の技術では4
95m/min 、製品距離907mとなる。本発明では、1
500m/min から1000m/min まで減速に10秒 1000m/min でコイル切り替えに60秒 1000m/min から1500m/min まで加速に10秒 従って、合計80秒で、平均すると、本発明では106
3m/min 、製品距離1417mとなる。
【0032】また、従来は定常状態から定常状態まで1
10秒かかっていたが本発明では80秒である。従っ
て、本発明の110秒の製品距離を算出すると、本発明
では、1500m/min から1000m/min まで減速に1
0秒 1000m/min でコイル切り替えに60秒 1000m/min から1500m/min まで加速に10秒 1500m/min で定常状態30秒 従って、110秒間を平均すると、本発明では1182
m/min 、その間、製品距離2167mとなる。
【0033】以上のことから、コイルを切り替える毎に
本発明では従来よりも約1260m余分に製造すること
ができるので、生産性が増加することが確認された。
【0034】
【発明の効果】このように本発明により冷間タンデム圧
延機の生産性を向上することができた。また、最低操業
圧延速度を500m/min 以上にすることによって張力お
よび板厚と形状変動の無い冷間タンデム圧延を可能とす
ることができ、オフゲージや板破断の発生を防ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術を発明を説明するための概略図であ
り、(a)は従来の冷間タンデム圧延設備の概要を、
(b)従来の冷間タンデム圧延機の最終スタンドの圧延
速度の経時変化をそれぞれ示す図。
【図2】本発明の技術を発明を説明するための概略図で
あり、(a)は本発明の冷間タンデム圧延設備の概要
を、(b)は本発明の冷間タンデム圧延機の最終スタン
ドの圧延速度の経時変化をそれぞれ示す図。
【図3】摩擦係数に及ぼす圧下率および入り側板厚と圧
延速度の影響を示す図。
【図4】従来の圧延機における1コイル内の圧延速度と
張力変動と板厚変動を示す図。
【図5】本発明の冷間タンデム圧延設備における1コイ
ル内の冷間タンデム圧延機の圧延速度と張力変動と板厚
変動を示す図。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d 4段圧延機 2 張力付加装置でブライドルロールの例 3 圧延されたコイルを蓄えるためのルーパ− 4 連続したコイルを所望する重量もしくは長さで切
断するためのコイル切断機 5 巻き取り機 6 コイル 6′ 巻き取り終わったコイル 7a 熱延コイルを酸洗し溶接機によって連続化された
コイル 7b 冷間タンデム圧延機によって冷間圧延され、所望
とする板厚圧延されたコイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接機によって連続化されたコイルが冷
    間タンデム圧延機の入側に供給され、該コイルを連続的
    に冷間圧延する冷間タンデム圧延機において、該冷間タ
    ンデム圧延機の出側に、該冷間タンデム圧延機の出側張
    力を制御するためのブライドルロールもしくはピンチロ
    ール、連続化され圧延されたコイルを蓄えるためのルー
    パー、連続化され圧延されたコイルを切断するための切
    断機、コイルを巻き取るための巻き取り機を順に配置し
    たことを特徴とする冷間タンデム圧延設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷間タンデム圧延設備に
    よる圧延方法において、コイルの巻き取りを切り替える
    ために減速した時の該冷間タンデム圧延機の圧延速度を
    500m/min 以上とすることを特徴とする圧延方法。
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