JP2703657B2 - 熱間圧延方法 - Google Patents

熱間圧延方法

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱間で加工用薄鋼板を安定して製造する熱
間圧延方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、深絞り用薄鋼板の低コスト化を目的に、熱間圧
延工程で冷延鋼板なみの深絞り性を有する熱延鋼板の開
発が検討されている。しかしながら、それら深絞り用熱
延鋼板の開発には強潤滑圧延が必須であるため、現状の
ホットストリップミルではストリップのスリップが発生
する等の操業上の困難さがあった。
一方、圧延機の入側で素材を接続して継ぎ目無しに圧
延するエンドレス圧延が提案されている。この方法によ
れば、ストリップに常時張力を付与した圧延が可能であ
るため、強潤滑圧延が可能となり、深絞り用熱延鋼板が
生産できる。
しかしながらこのようなエンドレス圧延を行っても、
コイラが所定の大きさになった時、コイラの前方でスト
リップが切断され、後続するストリップが次のコイラに
よって巻取りが開始されるまではホットストリップミル
最終段の出側に対し張力を付与することができない。そ
のため、その間は強潤滑圧延が不可能となり、大量の不
良製品を生産せざるを得ない状況になる。
ホットストリップミル最終圧延機出側近傍に張力付与
装置を設置した技術は開示されている。たとえば特開昭
60−44106号公報では、最終圧延機の出側近傍に張力付
与装置を設置し、圧延機の出側ストリップに常時張力を
付与する技術が開示されている。しかしこの従来技術
は、最終圧延機と張力付与装置との距離が長いため、や
はりストリップの長手方向に均一に強潤滑圧延を行うこ
とは不可能であり、コイル先後端部に無潤滑圧延部が混
在する不良製品を製造せざるを得ない。さらに強潤滑圧
延時のストリップのスリップ防止及び操業性については
何ら示唆されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明では、上述の問題点を解決するもので、最終圧
延機の出側直近にピンチロールを配置することにより、
最終圧延機出側ストリップの張力を常時一定に保ち、強
潤滑圧延による深絞り用熱延鋼板を製造する熱間圧延方
法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、スリップの長手
方向に均一に強潤滑圧延が実施できる熱間圧延方法を見
出した。
本発明は上述の問題を解決するもので、高温の素材を
タンデムに配置した複数台の圧延機で減厚圧延するにあ
たり、 最終圧延機の出側直近にピンチロールを配置し、ピン
チロールの圧延機出側ストリップの噛込みと同時に最終
圧延機の強潤滑化を行なうことを特徴とする熱間圧延方
法である。
本発明において出側直近とは、最終圧延機ロール中心
から10m以内を云う。
本発明は高温の素材を接続してエンドレス圧延を実施
する場合にも適用することができる。
〔作用〕
以下、本発明の作用を詳細に説明する。
(1) ピンチロール 最終圧延機出側直近のピンチロールは本発明において
最も重要であり、ピンチロールの制御により、圧延機出
側ストリップの張力を常時一定に保持することが可能と
なる。ピンチロールと最終圧延機との距離は直近とす
る。ピンチロールと最終圧延機との距離を直近とするこ
とにより、ストリップ剪断時の張力変動を少なくするこ
とが可能となる。この距離は10m以内が適し、5m以内が
好適である。10m以上となると、ストリップの先頭部に
不良部が発生する。また最終圧延機のハウジング内にピ
ンチロールを組み入れる方法も効果的である。
ピンチロール径及びその構造は本発明においてさほど
重要ではない。なお最終圧延機出側ストリップの張力は
1kgf/mm2以上が適し、3kgf/mm2以上が好適である。
なお強潤滑圧延時においては、ピンチロールを潤滑と
同期させることが必要である。すなわちピンチロールに
圧延機出側ストリップが噛み込まれた時点に強潤滑を施
すことにより、スリップ等のトラブルを防ぎ、かつスリ
ップの長手方向にほぼ均一に強潤滑圧延を実施でき、深
絞り性に優れた熱延鋼板の製造も可能となる。
さらにエンドレス熱間圧延時においても、ストリップ
を剪断する際の張力変動もなくなり、均一なコイラ形状
が得られる。
(2) 強潤滑圧延 強潤滑圧延は本発明においては重要であり、深絞り用
熱延鋼板の開発には必須である。なお本発明における強
潤滑圧延とは、少なくとも最終スタンドを摩擦係数:0.2
5以下で圧延することを意味する。
潤滑剤は通常の油潤滑及び固体潤滑剤、ならびにグリ
ースをベースとしたグリース潤滑剤等が適する。
(3) 圧延機 本発明を使用する圧延機の構造、スタンド数、スタン
ド間距離及びロール径は通常のものでよい。圧延荷重の
低減及び鋼板の断面形状の改善には小径ロールが適す
る。
(4) シートバー接合 エンドレス圧延を行う時には、圧延機入側においてシ
ートバーを接続する必要がある。シートバーの接続には
誘導加熱方式等が好適である。
(5) エンドレス圧延を行う時には、ストリップをコ
イラによって連続的に巻取ることが必要である。コイラ
の巻取り方法並びに切断方法は通常の方法で行う。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面に基いて説明する。第1図は本
発明を好適に実施できる熱間圧延装置の第1実施例の側
面図、第2図は第1図の平面図、第3図は第1図の最終
圧延機の側面図である。
1はホットストリップミル、2はピンチロール、3は
潤滑設備である。粗圧延機にて製造された板厚10〜30mm
のシートバーは、熱間圧延設備にて強潤滑圧延される。
この時、ピンチロール2により圧延機出側のストリップ
の張力が常時一定に保たれる。圧延機出側のストリップ
の張力は3〜10kgf/mm2に制御可能である。なお第3図
に示されているように、ピンチロール2は最終圧延機に
直近に位置するよう最終圧延機のハウジング10内に組み
込まれている。従って、最終圧延機とピンチロール2と
の距離は極めて短く、強潤滑圧延時のコイル先後端部の
非定常部は極めて短い。
第4図は熱間圧延装置の第2実施例の側面図、第5図
は第4図の平面図である。4はシートバー接合機、5は
ホットストリップミル、6はピンチロール、7は潤滑設
備、8は剪断機、9はコイラである。粗圧延機にて製造
された板厚10〜30mmのシートバーは、シートバー接続機
にて接続され、連続的に熱間圧延設備にて強潤滑圧延さ
れる。この時、ピンチロール6により圧延機出側ストリ
ップの張力が常時一定に保たれる。圧延機出側のストリ
ップの張力は3〜10kgf/mm2に制御可能である。圧延さ
れたストリップは剪断機8により連続的に剪断された
後、コイラ9により巻取られる。本実施例ではピンチロ
ール6による出側ストリップの張力制御により、ストリ
ップ剪断時さらには強潤滑圧延時の非定常部が大幅に低
減し、スリップの長手方向に均一な材質が得られる。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によればスリ
ップの長手方向に均一に強潤滑圧延を行う事が可能とな
り、コイル先後端部の非定常部が大幅に低減でき、省エ
ネルギー、省資源及び高生産性が図られるばかりでな
く、強潤滑圧延による深絞り用熱延鋼板の製造も可能と
なり、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を好適に実施できる熱間圧延機の第1実
施例の側面図、第2図は第1図の平面図、第3図は第1
図の最終圧延機の詳細側面図である。第4図は本発明を
好適に実施できる熱間圧延設備の第2実施例の正面図、
第5図は第4図の平面図である。 1……熱間圧延機、2……ピンチロール 3……潤滑設備、4……シートバー接合機 5……熱間圧延機、6……ピンチロール 7……潤滑設備、8……剪断機 9……コイラ、10……ハウジング
フロントページの続き (72)発明者 阿部 英夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温の素材をタンデムに配置した複数台の
    圧延機で減厚圧延するにあたり、 最終圧延機の出側直近にピンチロールを配置し、該ピン
    チロールの該圧延機出側ストリップの噛込みと同時に最
    終圧延機の強潤滑化を行なうことを特徴とする熱間圧延
    方法。
  2. 【請求項2】高温の素材を接続してエンドレス圧延する
    請求項1記載の熱間圧延方法。
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