JPH11207107A - 長繊維束用支持具及び長繊維束を用いたろ過塔 - Google Patents

長繊維束用支持具及び長繊維束を用いたろ過塔

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JPH11207107A
JPH11207107A JP10021586A JP2158698A JPH11207107A JP H11207107 A JPH11207107 A JP H11207107A JP 10021586 A JP10021586 A JP 10021586A JP 2158698 A JP2158698 A JP 2158698A JP H11207107 A JPH11207107 A JP H11207107A
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JP
Japan
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fiber bundle
long fiber
support
perforated plate
long filament
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JP10021586A
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Masahiro Kuwata
政博 桑田
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Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで簡易に製作できると共に、長繊維
束の取り付け、取り外し、及び多孔板への取り付け、取
り外しを容易にすることができ、しかも、逆洗性能を向
上させることができる長繊維束用支持具を提供する。 【解決手段】 塔本体2内において、長繊維束5を保持
する長繊維束用支持具1として、多孔板3に形成した孔
部3aの直径以下の幅のくびれ部と、該くびれ部を挟ん
で一方側に形成される長繊維束5を挿通するための環状
部と、他方側に形成される抜け止め部とを備えるように
屈曲形成された棒状部材からなるものを用いる。長繊維
束5は、環状部に挿通すると共に、環状部の上方部位を
紐部材4により結束して配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上工水、水道水、
下水、河川水、湖沼水、凝集沈殿上澄水、工業用水、各
種排水等の原液中の懸濁物を除去するための長繊維束を
用いたろ過塔において、該長繊維束を支持する際に用い
られる長繊維束用支持具に関する。また、本発明は、こ
の長繊維束用支持具により支持された長繊維束を用いた
ろ過塔に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のろ過塔は、例えば、特開昭63
−315110号公報等において開示されているが、そ
こで用いられる長繊維束は、塔本体内に横設された多孔
板の孔部に、二つ折りにして、折り曲げ部(下端部)を
束ねるリングにより固定されている。かかるろ過塔は、
通常、太さが約10μm〜約80μmのアクリル繊維、
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の非燃単繊維の集
合体である長さ約0.4m〜約3.0mの長繊維束を塔
本体内に密に配設して直立させているので、他のろ過材
と比較して圧力損失をそれほど大きくさせずに高流速で
ろ過できるという利点がある。また、逆洗の際には、多
孔板の孔部と長繊維束の下端部との隙間から流入する逆
洗流体によって、上端部が自由端となっている長繊維束
が吹き流しのようになって振動するため、懸濁物が効果
的に除去されるという利点も有している。しかしなが
ら、従来のろ過塔では、長繊維束の下端部が束ねられて
かなり密集しているため、当該下端部に限っては十分な
振動を確保することができず、当該下端部付近では、逆
洗効果が十分に得られないという問題を有していた。
【0003】そこで、本出願人は、この問題を解消する
ため、特開平2−149305号公報において次のよう
な構造のろ過塔を提案した。すなわち、図6に示すよう
に、側胴部周囲に多数の穴101aを有する上部蓋状体
101と、側胴部にスリット102aを有する上下端が
開口した下部筒状体102とが連通してなる支持体10
0を、塔本体内に横設した多孔板103の各孔部103
aに、上部蓋状体101を多孔板103の上方に臨ま
せ、下部筒状体102を多孔板103の下方に臨ませる
ように取り付け、さらに前記上部蓋状体101の側胴部
周囲に長繊維束104の下端部104aを締め付けバン
ド105により固定したことを特徴とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成によれ
ば、逆洗の際の圧縮空気(逆洗空気)又は逆洗水は、支
持体100を構成する下部筒状体102の下端開口部1
02b又は側胴部に形成したスリット102aから該下
部筒状体102内に流入し、長繊維束104の下端部1
04aが固定されている上部蓋状体101の穴101a
から噴出する。従って、密集している長繊維束104の
下端部104aに対し、直接的ないしは優先的に逆洗流
体が供給されるため、このような支持体100を用いず
に長繊維束104をリングだけで保持する構造のものと
比較すれば、はるかに当該下端部104aを効果的に逆
洗することができる。
【0005】しかしながら、かかる支持体100は、構
造が複雑であると共に、金型を用いて製作する必要があ
るため、金型の製作費用が嵩むほか、金型の保管管理に
手間がかかる。また、この支持体100を多孔板103
の孔部103aに取り付ける際には、T字ボルト106
を取り付けた後、下部筒状体102を取り付け、さらに
T字ボルト106にナット107を螺合した上で上部筒
状体101を取り付けるため手間がかかる。同様に、取
り外す際にも手間がかかる。さらに、上部蓋状体101
の側胴部周囲に長繊維束104の下端部104aをバラ
ンスよく取り付けるにも手間がかかる。
【0006】また、このろ過塔を用いてろ過した場合、
図7(a)に示したように、ろ過時(原液通水時)に
は、原液が図の矢印のように流れるため、原液に含まれ
る濁質は、図のA部、すなわち長繊維束104の下端部
104aに主として捕捉される。逆洗時は、図7(b)
に示したように、逆洗流体が矢印で示したように上部蓋
状体101の穴101aから噴出するため、図のA部を
通過するのであるが、それでも、固定バンド105に近
い部分ほど長繊維束104の振動は不十分で、懸濁物が
除去されにくい。もちろん、図6に示したろ過塔は、上
記したように、長繊維束を二つ折りにした折り曲げ部
(下端部)をリングにより束ねただけのさらに従来のろ
過塔と比較すれば、逆洗時の懸濁物の除去はかなり優れ
ている。しかしながら、逆洗性能に関しては常により高
くすることが望まれている。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、低コストで簡易に製作できると共に、長繊維束の取
り付け、取り外し、及び多孔板への取り付け、取り外し
を容易にすることができ、しかも、逆洗性能を向上させ
ることができる長繊維束用支持具を提供することを課題
とする。また、本発明は、この長繊維束用支持具を利用
することにより、逆洗時の懸濁物の除去を従来のものよ
りもさらに効果的に行うことができる長繊維束を用いた
ろ過塔を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、請求項1記載の本発明の長繊維束用支持具は、上端
部から下端部に向かって通水される原液の懸濁物を捕捉
する長繊維束を、上端部が自由端となるように、塔本体
内に横設された多孔板に下端部を支持させるために用い
られる長繊維束用支持具であって、多孔板に形成した孔
部の直径以下の幅のくびれ部と、該くびれ部を挟んで一
方側に形成される長繊維束を挿通するための環状部と、
該くびれ部を挟んで他方側に形成される多孔板の孔部か
らの抜けを防止する抜け止め部とを備えるように屈曲形
成された棒状部材からなり、該環状部が多孔板の上方に
突出するよう配設されるものであることを特徴とする。
請求項2記載の本発明の長繊維束用支持具は、請求項1
記載の長繊維束用支持具であって、前記環状部、くびれ
部及び抜け止め部を合わせた全体形状が平面略Ω字状で
あることを特徴とする。請求項3記載の本発明の長繊維
束用支持具は、請求項1又は2記載の長繊維束用支持具
であって、前記くびれ部の長さが多孔板の厚さよりも長
く形成され、多孔板の孔部に挿通配設した際、原液の下
向流又は逆洗流体の上向流により上下動可能であること
を特徴とする。請求項4記載の本発明の長繊維束を用い
たろ過塔は、上端部から下端部に向かって通水される原
液の懸濁物を捕捉する長繊維束が、上端部を自由端と
し、塔本体内に横設された多孔板に長繊維束用支持具に
より下端部が支持されて配設される長繊維束を用いたろ
過塔において、前記長繊維束用支持具が、多孔板に形成
した孔部の直径以下の幅のくびれ部と、該くびれ部を挟
んで一方側に形成される長繊維束を挿通するための環状
部と、該くびれ部を挟んで他方側に形成される多孔板の
孔部からの抜けを防止する抜け止め部とを備えるように
屈曲形成された棒状部材からなり、その環状部が多孔板
の上方に突出するよう配設され、長繊維束が、該長繊維
束用支持具の環状部に挿通されると共に、該長繊維束の
長さ方向の両端部が塔本体内において上端部となるよう
に配置され、かつ、該長繊維束のうち環状部の上方部位
が結束されていることを特徴とする。請求項5記載の本
発明の長繊維束を用いたろ過塔は、請求項4記載の長繊
維束を用いたろ過塔であって、前記長繊維束用支持具と
して、環状部、くびれ部及び抜け止め部を合わせた全体
形状が平面略Ω字状のものを用いたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明の長繊維束を用いたろ過塔は、請
求項4又は5記載の長繊維束用支持具であって、前記長
繊維束用支持具として、くびれ部の長さが多孔板の厚さ
よりも長く形成されているものを用い、該長繊維束用支
持具が、多孔板の孔部に挿通配設した際、原液の下向流
又は逆洗流体の上向流により上下動可能であることを特
徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の長繊維束用支持具
を図面に示した実施の形態に基づき説明する。図1に示
したように、本実施の形態にかかる長繊維束用支持具1
は、棒状部材、例えば、ステンレス等からなる金属棒を
屈曲加工して所定の形状に成形される。具体的には、く
びれ部11、環状部12、及び抜け止め部13を有する
形状に成形される。
【0010】くびれ部11は、金属棒を屈曲させること
により略平行な位置関係で対向する2つの直線部11
a,11bから構成されると共に、その幅、すなわち直
線部11a,11bの外辺間の間隔D1が、塔本体2内
に横設される後述する多孔板3に形成された孔部3aの
直径以下に形成されている。孔部3aの直径以下とする
ことにより、該孔部3aに挿入して取り付けた後、逆洗
する際、この支持具1が揺動しやすくなる。また、くび
れ部11の長さL1は、多孔板3の厚みよりも長く形成
されている。多孔板3の厚みとほぼ同じ長さであっても
よいが、本実施の形態のように、多孔板3の厚みよりも
長くすることで、後述のように、逆洗流体の上向流によ
り、抜け止め部13が多孔板3の下面に当接するまで移
動するため、長繊維束の下端部の逆洗がより効果的に行
われる。
【0011】環状部12は、支持具1のくびれ部11を
挟んだ一方側に形成される。但し、本実施の形態のよう
に、支持具1を1本の棒状部材を適宜部位で屈曲させて
形成した場合には、くびれ部11側が開口するが、ここ
でいう「環状部」にはこのように一部が開口しているも
のも含む意味である。もちろん、支持具1は、2本以上
の棒状部材を屈曲して溶接などにより一体化させて形成
することも可能であり、その場合には、環状部の形状
は、全周が閉鎖された通常の環状体に形成することもで
きる。また、本実施の形態では、図1に示したように、
該環状部12を平面略円形ないしは楕円形に形成してい
るが、平面略三角形や略四角形等の角形に形成すること
も可能である。但し、加工の容易さから本実施の形態の
ように平面略円形ないしは楕円形に形成することが好ま
しい。また、環状部12は、その外径(最大幅D2)
が、多孔板3の孔部3aの直径よりも大きな径で形成さ
れ、孔部3aを通過して抜け落ちないようになってい
る。
【0012】抜け止め部13は、くびれ部11を挟んだ
他方側に形成される。この抜け止め部13は、逆洗の
際、逆洗流体に押圧されて多孔板3の孔部3aを通過し
て多孔板3の上方に抜けてしまうことを防止するために
形成される部位であり、くびれ部11を構成する直線部
11a,11bの各端部付近を外方へ屈曲させ、この屈
曲させた部位のうち最も外側に位置する部位間の距離
が、多孔板3の孔部3aの直径よりも大きくなるように
形成される。抜け止め部13はかかる条件を満たせばど
のような形状であってもよい。本実施の形態では、図1
に示したように、直線部11a,11bの各端部付近を
外方へ1度だけ折り曲げた直線状に形成し、最も外側に
位置する部位である外端部13a,13b間の距離D3
を孔部3aの直径よりも大きくなるようにしている。こ
の結果、本実施の形態の支持具1は、全体形状が、平面
からみて略Ω字状に形成されている。
【0013】上記した長繊維束用支持具1は、図2に示
したように、塔本体2内に設けられた多孔板3の孔部3
aに対し、その上方から、抜け止め部13を外側から内
方へ押圧して抜け止め部13の外端部13a,13b間
の距離を孔部3aの直径以下まで縮めて挿入する。抜け
止め部13が孔部3aを通過したならば、押圧力を解除
する。長繊維束用支持具1は上記のように金属等の棒状
部材からなるため、その弾性力により復帰し、外端部1
3a,13b間の距離が孔部3aの直径よりも大きくな
り、多孔板3の上方への抜けはなくなる。なお、棒状部
材として、弾性復帰力の小さい材料を用いた場合には、
孔部3aへの挿通後、抜け止め部13の外端部13a,
13bが離間する方向へ押し広げればよい。なお、図
1,図2では、便宜上、多孔板3に長繊維束用支持具1
のみを取り付けたところを示したが、実際には、後述の
ように、長繊維束用支持具1の環状部12に長繊維束5
を挿通して二つ折りになるようにし、二つ折りの根本の
部分を外側から紐部材4やリング状のもので結束して長
繊維束5を予め長繊維束用支持具1に取り付けてから、
該長繊維束用支持具1を多孔板3に取り付けるようにす
る。
【0014】次に、上記長繊維束用支持具1が配設され
るろ過塔の一実施の形態を説明する。まず、ろ過塔を構
成する塔本体2は、図3に示すように、上壁部2dに原
液供給管20を接続するための接続口2aが設けられて
いると共に、底壁部2eにはろ過水流出管21用の接続
口2bと逆洗空気供給管22用の接続口2cが設けられ
ている。原液供給管20は、図4に示すように、原液供
給源に接続されていることはもとより、その中途には、
必要に応じて凝集剤を供給するための凝集剤供給管23
が接続されている。なお、凝集剤供給管23は凝集剤貯
槽24に対し凝集剤供給ポンプ25を介して接続されて
いる。また、ろ過水流出管21には逆洗水供給管26が
接続され、この逆洗水供給管26には逆洗水供給ポンプ
27が介在配設されている。また、逆洗空気供給管22
にはブロワ28が接続されている。なお、図4に示した
塔本体2に対する配管は、あくまで一例であり、これに
限定されるものではない。
【0015】多孔板3は、略円盤状に形成され、塔本体
2の底壁部2e寄りの所定位置に、固定配設される。こ
の多孔板3には、長繊維束により懸濁物が除去された原
液が通過すると共に、逆洗流体が通過する孔部3aが複
数形成されており、上記のように、この孔部3aに長繊
維束用支持具1が挿入配設される。
【0016】長繊維束5は、図5に示したように、長繊
維束用支持具1の環状部12に挿通され、いわば二つ折
りになるようにして長繊維束5の両端部が塔本体2内に
おいて上方位置で自由端となるように保持される。従っ
て、長繊維束5の両端部が上端部となり、二つ折りの根
本の部分が下端部となる。また、環状部12の上方部位
であって、できるだけ環状部12に接近した位置におい
て、長繊維束5を外側から縛るように紐部材4又はリン
グ状のもので結束される。なお、このように紐部材4や
リング状のものを採用すると結束作業が容易であるが、
結束手段はこれらに限られるものではなく、例えば、当
該部位を接着剤などで固めてしまう結束手段を採用する
ことも可能である。
【0017】長繊維束5としては、比較的高流速の原液
を下向流で通液しても、その初期においては下方部がや
や屈曲して高さが若干縮み、通液の続行により下方部の
屈曲部が増加し、次第に高さが減少していくが、それで
も、水平状に折れ曲がらず、ほぼ直立しているような腰
の強さと充填量が必要である。このような条件を満たす
長繊維束5としては、太さ80μm以下、通常35μm
前後のアクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維等の合成繊維、あるいは、綿、羊毛等の天然繊維等の
非撚単繊維の集合体を用いることが好ましい。但し、通
液中、水平状に折れ曲がらず、塔本体2内でほぼ直立す
るようなものであれば、撚糸の集合体であってもよい。
【0018】長繊維束5は、集合密度が大きくなるに従
いより微細な懸濁物を除去でき、ろ過水の水質も向上す
るが、集合密度が大きいほど圧力損失が大きくなる。従
って、原液の懸濁物の質あるいは量を考慮して集合密度
を決定するとよい。例えば、長さが1,000〜3,0
00mmの非撚単繊維からなる集合体を用いた場合には
ろ過断面積1m2 当たり50〜200kg(乾燥重量)
の集合体となるような充填密度とすると好ましい。
【0019】次に、図4及び図5に基づき、本実施の形
態にかかるろ過塔1の作用を説明する。まず、ろ過時
は、原液供給管20に介在配設された弁30とろ過水流
出管21に介在配設された弁31を開放し、原液供給管
20から塔本体2内へ原液を供給する。原液は図5
(a)の矢印で示したように下向流で供給されるため、
長繊維束用支持具1は環状部12の下縁部が多孔板3の
上面に押しつけられた状態となる。また、長繊維束5
は、環状部12の上側において紐部材4により結束され
ているため、非通液時にこの結束部位よりも上方に位置
する部位が、通液により外側に向かって広がり、かつ多
孔板3に向かって下方に撓む。このため、原液は、この
撓んだ部分(図中B部)を通過しようとし、懸濁物は主
としてこのB部で捕捉されることになる。なお、ろ過
中、必要に応じて凝集剤供給ポンプ25を起動し、凝集
剤貯槽24から凝集剤を供給したり、これと共に、ある
いはこれに代えてpH調整剤を供給したりすることがで
きる。
【0020】ろ過により、長繊維束5に懸濁物が付着し
て圧力損失が増加してきた場合には、逆洗を行う。逆洗
工程では、上記弁30及び弁31を閉じ、逆洗水供給管
26に介在配設された弁32及び逆洗水流出管29に介
在配設された弁33を開放し、逆洗ポンプ27を起動す
る。逆洗水は、逆洗水供給管26を経て塔本体2の下部
から流入し、上向流となって、図5(b)の矢印で示し
たように、多孔板3の孔部3aの隙間を抜け、懸濁物の
付着に伴ってやや撓んだ長繊維束5を下方から押圧す
る。このため、図5(b)に示すように、長繊維束5の
うち、紐部材4により結束されている部位よりも上方部
位が上方に引き上げられるように伸びる。その結果、長
繊維束5と孔部3aとの間に大きな隙間が形成されるこ
とになり、大量の逆洗水が流入し、長繊維束5に詰まっ
ていた懸濁物が効果的に除去される。特に、通液時に撓
んだ部分B部も逆洗時には伸びるため、懸濁物が多く捕
捉されているB部の洗浄も効果的に行われる。しかも、
本実施の形態では、くびれ部11の長さが、多孔板3の
厚みよりも長い。従って、上記のように長繊維束5が引
き上げられることに伴って、長繊維束用支持具1も抜け
止め部13が多孔板3の下面に当接するまで上昇する。
このため、逆洗時の長繊維束5と孔部3aとの間に生じ
る隙間は、くびれ部11の長さが多孔板3の厚みとほぼ
同じ場合と比較してさらに大きくなり、また、長繊維束
用支持具1自体が揺動しやすくなるため、より効果的な
逆洗がなされる。なお、除去された懸濁物を含んだ逆洗
水は、逆洗水流出管29を通じて排出される。
【0021】ここで、上記した説明では、逆洗水により
逆洗する場合について説明しているが、逆洗工程中、必
要に応じて、逆洗空気供給管22に介在配設された弁3
4を開放すると共にブロワ28を起動し、逆洗空気を供
給するようにしてもよいことはもちろんである。
【0022】(実施例)内径200mm、高さ2000
mmの塔本体の底部寄りに、直径37.5mmの孔部が
3個形成された厚さ28mmの多孔板が配設されている
ろ過塔を用い、この多孔板の孔部に、図1に示した長繊
維束用支持具1を取り付けた。長繊維束用支持具1は、
直径3mmの金属棒を屈曲形成したものであり、くびれ
部11の幅D1が30mm、長さL1が58mm、環状
部12の最大幅D2が52mm、抜け止め部13の外端
部13a,13b間の距離D3が48mmであった。そ
して、環状部12に長繊維束を挿通し、その直ぐ上側で
紐部材により結束した。このろ過塔に、原液を流量2m
3/h、流速64m/hで通水し、逆洗を6時間に1回
の頻度で行い、通水工程と逆洗工程を5回繰り返した。
なお、逆洗工程では、まず、逆洗空気を供給し、次に逆
洗水を供給することにより行った。逆洗空気は、流量3
1m3/h、流速1000m/hで30秒間供給し、逆
洗水は、流量3.1m3/h、流速100m/hで27
0秒間供給した。
【0023】(比較例)実施例における長繊維束用支持
具1に代えて、図6に示した従来の支持体を用いて長繊
維束を配設し、実施例と全く同様の条件で通水及び逆洗
を行った。実施例と比較例の処理水質を表1に示す。
【0024】 表1から明らかなように、本発明の長繊維束用支持具1
を用いた実施例は、従来の支持体を用いた比較例の場合
と同じ高い処理水質を示すと共に、僅かではあるが、実
施例の場合の方がさらに高い処理水質を示した。
【0025】また、実施例と比較例の装置をさらに4ヶ
月間運転し、当初の通水差圧と4ヶ月後の通水差圧とを
比較した。その結果、実施例では、いずれも0.008
MPaと全く変化がなく、逆洗が非常に効果的に行われ
たことがわかった。一方、比較例では、当初の通水差圧
0.008MPaに対して4ヶ月後は0.012MPa
と上昇していた。
【0026】
【発明の効果】本発明の長繊維束用支持具によれば、棒
状部材を所定形状に屈曲形成しただけであるため、低コ
ストで簡易に製作できると共に、長繊維束の取り付け、
取り外し、及び多孔板への取り付け、取り外しを容易に
行うことができる。
【0027】また、この長繊維束用支持具を利用した本
発明のろ過塔によれば、長繊維束と多孔板の孔部との隙
間を大きくすることができると共に、長繊維束の下端部
に懸濁物が除去されないまま堆積することがほとんどな
く、逆洗性能が従来のものよりもさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる長繊維束用支持具の一の実施の
形態を示す平面図である。
【図2】上記実施の形態にかかる長繊維束用支持具の多
孔板への取り付け方法を説明するための図である。
【図3】本発明にかかるろ過塔の一の実施の形態を示す
断面図である。
【図4】上記実施の形態にかかるろ過塔への配管例を示
す構成図である。
【図5】上記実施の形態にかかるろ過塔に用いた長繊維
束用支持具の通水時及び逆洗時における作用を説明する
ための図である。
【図6】従来のろ過塔に用いられる長繊維束の支持体を
示す要部断面図である。
【図7】従来のろ過塔における長繊維束への懸濁物の付
着作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 長繊維束用支持具 11 くびれ部 12 環状部 13 抜け止め部 2 塔本体 3 多孔板 4 紐部材 5 長繊維束
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 29/38 520A 540

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部から下端部に向かって通水される
    原液の懸濁物を捕捉する長繊維束を、上端部が自由端と
    なるように、塔本体内に横設された多孔板に下端部を支
    持させるために用いられる長繊維束用支持具であって、 多孔板に形成した孔部の直径以下の幅のくびれ部と、該
    くびれ部を挟んで一方側に形成される長繊維束を挿通す
    るための環状部と、該くびれ部を挟んで他方側に形成さ
    れる多孔板の孔部からの抜けを防止する抜け止め部とを
    備えるように屈曲形成された棒状部材からなり、該環状
    部が多孔板の上方に突出するよう配設されるものである
    ことを特徴とする長繊維束用支持具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の長繊維束用支持具であっ
    て、前記環状部、くびれ部及び抜け止め部を合わせた全
    体形状が平面略Ω字状であることを特徴とする長繊維束
    用支持具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の長繊維束用支持具
    であって、前記くびれ部の長さが多孔板の厚さよりも長
    く形成され、多孔板の孔部に挿通配設した際、原液の下
    向流又は逆洗流体の上向流により上下動可能であること
    を特徴とする長繊維束用支持具。
  4. 【請求項4】 上端部から下端部に向かって通水される
    原液の懸濁物を捕捉する長繊維束が、上端部を自由端と
    し、塔本体内に横設された多孔板に長繊維束用支持具に
    より下端部が支持されて配設される長繊維束を用いたろ
    過塔において、 前記長繊維束用支持具が、多孔板に形成した孔部の直径
    以下の幅のくびれ部と、該くびれ部を挟んで一方側に形
    成される長繊維束を挿通するための環状部と、該くびれ
    部を挟んで他方側に形成される多孔板の孔部からの抜け
    を防止する抜け止め部とを備えるように屈曲形成された
    棒状部材からなり、その環状部が多孔板の上方に突出す
    るよう配設され、長繊維束が、該長繊維束用支持具の環
    状部に挿通されると共に、該長繊維束の長さ方向の両端
    部が塔本体内において上端部となるように配置され、か
    つ、該長繊維束のうち環状部の上方部位が結束されてい
    ることを特徴とする長繊維束を用いたろ過塔。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の長繊維束を用いたろ過塔
    であって、前記長繊維束用支持具として、環状部、くび
    れ部及び抜け止め部を合わせた全体形状が平面略Ω字状
    のものを用いたことを特徴とする長繊維束を用いたろ過
    塔。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の長繊維束用支持具
    であって、前記長繊維束用支持具として、くびれ部の長
    さが多孔板の厚さよりも長く形成されているものを用
    い、該長繊維束用支持具が、多孔板の孔部に挿通配設し
    た際、原液の下向流又は逆洗流体の上向流により上下動
    可能であることを特徴とする長繊維束を用いたろ過塔。
JP10021586A 1998-01-20 1998-01-20 長繊維束用支持具及び長繊維束を用いたろ過塔 Pending JPH11207107A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115702A (ja) * 2009-12-02 2011-06-16 Japan Organo Co Ltd 長繊維ろ過装置の逆洗方法及び長繊維ろ過装置
WO2011099656A1 (ko) * 2010-02-10 2011-08-18 (주)피지티 하향류식 고속 정밀 여과장치
JP2014079692A (ja) * 2012-10-16 2014-05-08 Japan Organo Co Ltd 長繊維ろ過装置の逆洗方法
CN115518425A (zh) * 2022-10-10 2022-12-27 鲁西工业装备有限公司 一种纤维束过滤内芯制作用装置及其使用方法

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