JPH11206811A - 吸収性物品の表面材 - Google Patents

吸収性物品の表面材

Info

Publication number
JPH11206811A
JPH11206811A JP10032113A JP3211398A JPH11206811A JP H11206811 A JPH11206811 A JP H11206811A JP 10032113 A JP10032113 A JP 10032113A JP 3211398 A JP3211398 A JP 3211398A JP H11206811 A JPH11206811 A JP H11206811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface material
component
ethylene
absorbent article
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10032113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3895032B2 (ja
Inventor
Masahiro Kishine
真佐寛 岸根
Takeshi Harada
武 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP03211398A priority Critical patent/JP3895032B2/ja
Publication of JPH11206811A publication Critical patent/JPH11206811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3895032B2 publication Critical patent/JP3895032B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】肌触り、柔軟性、液透過性、液残り防止性、隠
蔽性のバランスに優れるとともに、汎用設備を使用して
製造可能な開孔フィルムの提供。 【解決手段】吸収性物品の内部に配設される液吸収体の
表面を覆い、液透過用の開孔を有する開孔フィルムから
なる表面材であって、前記開孔フィルムが、相分離によ
り形成された海島構造を有し、透過型電子顕微鏡で観察
した断面像を画像処理することにより計算される海島構
造の島部分の平均面積が0.5〜10000μm2 の範
囲にある構造を有する吸収性物品の表面材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛生用ナプキン、
おむつ等の吸収性物品の表面材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、衛生用ナプキン、おむつ等の吸
収性物品は、血液、尿等の体液を吸収する吸収体と、該
吸収体の表面を覆うとともに、直接、肌に接触する表面
材と、上記吸収体の裏面を覆い液漏れを防ぐ裏面材と
を、主要構成材として構成されている。この吸収性物品
の表面材は、血液、尿等の液を速やかに吸収体に移行さ
せて該吸収体に吸収させるために、液透過性を有するこ
とが要望されるのは勿論のこと、一度吸収体に吸収され
た液を肌側に戻さない液戻り防止性、本質的に皮膚に液
を残さないドライ性、また、吸収体中に拡散した血液等
の色を隠蔽する隠蔽性等を有することが要望される。
【0003】従来、上記要望に応える表面材として、例
えば、直鎖状低密度ポリエチレンをベースに低密度ポリ
エチレンをブレンドした樹脂を用いて、キャスト法によ
り成形してなるフィルムを、開孔パターンを有する多孔
板上に載置し高温空気を吹きつけることにより開孔成形
してなる開孔フィルムが知られている。例えば、特公昭
57−17081号公報には、この種の吸収性物品の表
面材について記載され、特開昭55−146738号公
報には、その製造方法について詳細に記載されている。
【0004】ところで、前記の従来の開孔フィルムを用
いた表面材は、不織布を用いた表面材と比較して、液戻
り防止性および隠蔽性には優れているが、肌との接触面
積が大きいため、不織布と比較すると肌触りの点で劣っ
ている。そのため、肌触りに優れた開孔フィルムが望ま
れている。この要望に応えるために、例えば、開孔パタ
ーンを有するドラムのリブ部上に、高さ10〜100μ
m程度の凹凸をエンボス加工用に形成するか、または第
一の小孔径の開孔パターンを有するドラムと第二の大孔
径の開孔パターンを有するドラムを併用して、高圧温水
により開孔成形し、小孔径第一開孔と可視的大孔径第二
開孔とを有する成形構造を持った開孔フィルムを製造す
る方法が提案されている(特許第2609085号公
報、特許第2609086号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は、多くの設備費用がかかり、工業的に開孔フィルムを
製造する方法としては、経済性の面で問題がある。そこ
で、従来、表面材として用いられている開孔フィルムよ
りも、肌触り、柔軟性、液透過性、液戻り防止性および
隠蔽性のバランスに優れた開孔フィルムを、汎用の開孔
パターンを有する単一ドラムを使用するだけで、製造で
きれば、その工業的価値は極めて大きい。
【0006】そこで本発明の目的は、肌触り、柔軟性、
液透過性、液戻り防止性、隠蔽性のバランスに優れると
ともに、開孔パターンを有する汎用の単一ドラムで製造
可能な開孔フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは、鋭意検討の結果、使用する成分の相
分離により島状部分を有する海島構造を形成し、しかも
その島状部分の平均断面積が特定の範囲にある構造を有
する開孔フィルムからなる表面材が、柔軟性、液透過
性、液戻り防止性および隠蔽性に優れるとともに、表面
における肌との接触面積が低減され、肌触りに優れるこ
とを見出し、本発明に至った。また、熱可塑性樹脂から
なる成分(1)と、該成分(1)と混合して相分離し海
島構造を形成する成分(2)とを含む樹脂混合物が、前
記目的を達成するための海島構造を有する表面材の素材
として、好適であることをも見出した。
【0008】すなわち、本発明は、吸収性物品の内部に
配設される液吸収体の表面を覆い、液透過用の開孔を有
する開孔フィルムからなる表面材であって、前記開孔フ
ィルムが、相分離により形成された海島構造を有し、透
過型電子顕微鏡で観察した断面像を画像処理することに
より計算される海島構造の島部分の平均面積が0.5〜
10000μm2 の範囲にある構造を有する吸収性物品
の表面材を提供するものである。
【0009】以下、本発明の吸収性物品の表面材(以
下、「本発明の表面材」という)について詳細に説明す
る。
【0010】本発明の表面材は、吸収性物品の表面を覆
い、液透過用の開孔を有する開孔フィルムからなる表面
材である。この開孔フィルムは、開孔フィルムを構成す
る少なくとも2種以上の成分が相分離して、海に相当す
るマトリックスを構成する部分と、該マトリックス中に
島状または層状に分布するサブミクロンオーダー以上の
サイズを有する他の成分からなる部分とによる海島構造
を有するものである。この海島構造は、例えば、図1に
示す透過型電子顕微鏡写真(3000倍)において、黒
色部分で示される海部分と、白色部分で示されるサブミ
クロンオーダー以上のサイズの島部分を有する構造であ
り、表面付近のみに偏って存在するものではなく、断面
全体に均一に存在するものである。例えば、後記の成分
(1)からなる海部分の中に、成分(2)からなる島部
分がサブミクロンオーダー以上のサイズで、島状もしく
は層状に分離していて、透過型電子顕微鏡等により認知
できる構造をいう。本発明の表面材を構成する開孔フィ
ルムは、このような透過型電子顕微鏡によって撮影され
る海島構造の断面像を画像処理することにより計算され
る島成分の平均面積が0.5〜10000μm2 、好ま
しくは1.0〜3000μm2 の範囲にあるものであ
る。この範囲の海島構造を形成することにより、肌触り
および外観が共に優れた開孔フィルムとすることができ
る。
【0011】この開孔フィルムは、開孔径が0.1〜2
mm、好ましくは0.2〜1.5mm、さらに好ましく
は0.3〜1.0mmであることが望ましい。この開孔
径は、走査型電子顕微鏡による開孔部の観察から求める
ことができる。また、この開孔フィルムの開孔率は、1
0〜50%、好ましくは15〜40%の範囲である。こ
の開孔率は、表面材の光学顕微鏡写真を撮影し、画像処
理を行って開口部の面積%を算出できる。
【0012】この開孔フィルムの液透過性は、市販のナ
プキンの表面材を取り除いたものの上にフィルムを置
き、その上に青色に着色した生理食塩水5mlを滴下し
たとき、生理食塩水が吸収される時間を測定することで
評価することができる。良好な液透過性(10秒以内で
吸収)を有する開孔フィルムを得るためには、開孔率が
10%以上、好ましくは15%以上であるものが望まし
い。
【0013】また、この開孔フィルムの引張試験におけ
る5%伸び時の荷重は、実用上、10〜200g/25
mm、特に30〜150g/25mmの範囲であること
が好ましい。本発明において、引張試験における5%伸
び時の荷重は、ASTM D638に準じて引張試験を
行うことによって求めることができる。さらに、この開
孔フィルムの摩擦テスターによる平均摩擦係数(MI
U)は、優れた肌触り感を有するフィルムを得るため
に、0.1〜0.3、好ましくは0.1〜0.25、さ
らに好ましくは0.1〜0.2であることが望ましく、
また、摩擦係数の変動(MMD)は0.001〜0.0
3、好ましくは0.001〜0.025、さらに好まし
くは0.001〜0.02であることが望ましい。
【0014】さらに、この開孔フィルムの厚さは、特に
制限されないが、液透過性と液戻り防止性を考慮する
と、100〜1000μm、好ましくは200〜900
μmであり、さらに好ましくは300〜800μmであ
ることが望ましい。この厚さの測定は、荷重3g/cm
2 で厚さ測定機によって測定される値である。また、開
孔前のフィルムとしては、柔軟性の点で、通常、厚さが
5〜50μm、好ましくは10〜40μmであるものが
用いられる。さらにまた、開孔前のフィルムとしては、
目付が5〜50g/m2 、好ましくは10〜30g/m
2 であるものが用いられる。
【0015】本発明の表面材を構成する開孔フィルム
は、熱可塑性樹脂(A)からなる成分(1)と、該熱可
塑性樹脂(A)と相分離して海島構造を形成する熱可塑
性樹脂(B)および/または充填剤(C)からなる成分
(2)とを含む樹脂混合物を主成分とするものである。
【0016】成分(1)の主成分である熱可塑性樹脂
(A)としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチ
レンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとカ
ルボン酸またはカルボン酸エステル含有化合物との共重
合体、エチレンと芳香族有機化合物および/または脂肪
族有機化合物との共重合体等のエチレン系重合体、ポリ
プロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチル−1−ペ
ンテン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンサルフェート等のエンジニ
アリングプラスチックなどが挙げられる。これらは1種
単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。これら
の中でも、経済性の点で、エチレン系重合体、ポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、ポリアミド、ポリエステル等
が好ましく、柔軟性の点で、エチレン系重合体が特に好
ましい。
【0017】本発明において、エチレン系重合体とし
て、エチレン・α−オレフィン共重合体(D)、高圧法
低密度ポリエチレン(E)、およびエチレンとカルボン
酸またはカルボン酸エステル含有化合物との共重合体
(F)から選ばれる少なくとも1種を用いると、柔軟性
に優れる開孔フィルムを得ることができる点で、好まし
い。
【0018】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
(D)は、(D−1)エチレンと、炭素数3〜20のα
−オレフィンとのランダム共重合体である。炭素数3〜
20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1
−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセ
ン、1−エイコセン等が挙げられる。このエチレン・α
−オレフィン共重合体は、エチレンと、前記α−オレフ
ィンから選ばれる1種または2種以上の組み合わせを含
むものである。
【0019】このエチレン・α−オレフィン共重合体
(D)は、エチレンから導かれる構成単位を55〜9
9.9モル%、炭素数3〜20のα−オレフィンから導
かれる構成単位を0.1〜45モル%の割合で含むもの
が好ましく、さらにエチレンから導かれる構成単位を6
5〜99.5モル%、α−オレフィンから導かれる構成
単位を0.5〜35モル%の割合で含むものが好まし
く、特に、エチレンから導かれる構成単位を70〜99
モル%、α−オレフィンから導かれる構成単位を1〜3
0モル%の割合で含むものが好ましい。このエチレン・
α−オレフィン共重合体(D)におけるエチレンから導
かれる構造単位と、前記α−オレフィンから導かれる構
造単位の含有割合は、通常、10mmφの試料管中で約
200mgの共重合体を、ヘキサクロロブタジエン/重
水素化ベンゼン:4/1の混合溶液約2.5mlに均一
に溶解させて調製した試料を、測定温度120℃、測定
周波数125.65MHz、スペクトル幅1500H
z、パルス繰り返し時間5.5sec、およびパルス幅
7.5μsecの測定条件下で、13C−NMRスペクト
ルを測定してエチレンに帰属されるスペクトルと、α−
オレフィンに帰属されるスペクトルとから求めることが
できる。エチレンおよびα−オレフィンに帰属するスペ
クトルの同定は、例えば、JAMES C.RADALL, JMS-REV.MA
CROL.CHEM.PHYS.,C29(2&3),201(1989)を参考に求めるこ
とができる。
【0020】また、このエチレン・α−オレフィン共重
合体(D)は、(D−2)密度(d)が0.850〜
0.950g/cm3 、好ましくは0.860〜0.9
40g/cm3 、より好ましくは0.870〜0.93
0g/cm3 の範囲にあるものである。密度(d)は、
190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレ
ート(MFR)測定時に得られるストランドを、120
℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷した
後、密度勾配管で測定して得られる数値である。
【0021】さらに、このエチレン・α−オレフィン共
重合体(D)の(D−3)190℃における2.16k
g荷重でのメルトフローレート(MFR)は、0.5〜
100g/10分、好ましくは1.0〜50g/10
分、より好ましくは2.0〜40g/10分の範囲にあ
ることが望ましい。
【0022】前記高圧法低密度ポリエチレン(E)は、
いわゆる高圧ラジカル重合により製造される長鎖分岐を
有する分岐の多いポリエチレンであり、密度が0.91
5〜0.930g/cm3 、好ましくは0.918〜
0.927g/cm3 、より好ましくは0.920〜
0.925g/cm3 のポリエチレンである。この高圧
法低密度ポリエチレン(D)は、190℃、2.16k
g荷重におけるMFRが0.5〜100g/10分、好
ましくは1.0〜50g/10分、より好ましくは2.
0〜40g/10分の範囲にあることが望ましい。
【0023】また、この高圧法低密度ポリエチレン
(E)は、長鎖分岐の度合いを表すスウェル比、すなわ
ち毛細式流れ特性試験機を用い、190℃の条件下で内
径(Di)2.0mm、長さ15mmのノズルより押出
速度10mm/分で押出したストランドの径(Ds)
と、ノズル内径Diとの比(Ds/Di)が1.3以上
であるものが望ましい。
【0024】さらに、高圧法低密度ポリエチレン(E)
は、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレンと、5
0モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好まし
くは20モル%以下の他のα−オレフィン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル等の重合性単量体との共重合体
であってもよい。
【0025】前記エチレンとカルボン酸またはカルボン
酸エステル含有モノマーとの共重合体(F)としては、
例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メ
タクリル酸共重合体等が例示される。この共重合体
(F)は、良好な成形性を示す点で、エチレンから導か
れる構造単位の含有量が、95〜70重量%であるもの
が好ましい。
【0026】本発明の表面材を構成する開孔フィルムの
成分である樹脂混合物の成分(2)は、熱可塑性樹脂
(B)および/または充填剤(C)を含むものである。
【0027】熱可塑性樹脂(B)は、前記成分(1)の
熱可塑性樹脂(A)と相分離して海島構造を形成するも
のであれば、特に制限されない。相分離は、相溶性パラ
メータが大きく異なるもの同士の組み合わせにおいても
生じるし、また、相溶性パラメータの近似しているもの
同士でも、分子量の相違により相分離を生じるものもあ
る。例えば、直鎖状低密度ポリエチレンと超高分子量ポ
リエチレンとの組み合わせの場合にも相分離を生じる。
この熱可塑性樹脂(B)としては、例えば、ポリプロピ
レン、ポリブテン−1、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ン、エチレン・α−オレフィン共重合体のポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリ
フェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチッ
ク、SEBS、SEPS、MBS等のスチレン系エラス
トマーなどがあるが、経済性の点で、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエス
テル、スチレン系エラストマー等が好ましく、特に、ポ
リプロピレン、ポリブテン−1、ポリアミド等が好まし
い。
【0028】また、この熱可塑性樹脂(B)の190
℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(M
FR2)は、成分(1)の190℃、2.16kg荷重
におけるメルトフローレート(MFR1)との比(MF
R1/MFR2)が、1.0以上であるのが好ましく、
島成分が層状ではなく、楕円形もしくは球状に分散し、
肌触りに優れるフィルムを得ることができる点で、さら
に3.0以上であることが好ましい。
【0029】また、成分(2)として用いられる充填剤
(C)は、無機充填剤および有機充填剤のいずれのもの
でもよい。無機充填剤としては、例えば、タルク、マイ
カ、炭酸カルシウム、火山灰等が挙げられる。有機充填
剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)架橋粒子、超高分子量ポリエチレン(HDPE)
の微粉末、ポリカーボネート等の各種エンジニアリング
プラスチックの微粉末等が挙げられる。ここで、微粉末
とは、一次粒子径が0.5〜100μmの範囲のもので
ある。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても
用いられる。これらの中でも、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)の架橋粒子が、肌触りのよいフィルムを
得ることができる点で、好ましい。
【0030】樹脂混合物における成分(1)/成分
(2)の含有割合は、成分(1)中に成分(2)が島成
分として分散できる点で、重量比で成分(1)/成分
(2)の比が99.9/0.1〜20/80であるのが
好ましく、さらに好ましくは99.5/0.5〜50/
50、特に好ましくは99.0/1.0〜60/40で
ある。
【0031】本発明の表面材を構成する開孔フィルムに
は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、
耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老
化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に
応じて配合されていてもよい。この場合、特に、樹脂1
00重量部に対してスリップ剤を0.01〜1重量部、
好ましくは0.05〜0.5重量部、チタンホワイトを
0.5〜15重量部、好ましくは1.0〜10重量部を
配合すれば、肌ざわり、隠蔽性の点で良好なものが得ら
れる。
【0032】本発明の表面材の製造は、前記成分
(1)、成分(2)および必要に応じて配合される添加
剤を含む樹脂混合物をフィルムに成形した後、このフィ
ルムに開孔成形を施すことによって行うことができる。
樹脂混合物をフィルムに成形する方法は、キャスト法、
ラミネート法、インフレーションフィルム成形法等のい
ずれの方法でもよく、特に制限されない。また、樹脂混
合物は、フィルム成形の前に予め2軸押出機等によって
溶融混練しておいてもよい。さらに、フィルムを開孔成
形する方法も、高温空気によって開孔を穿孔する方法、
高圧温水によって開孔を穿孔する方法、加熱された針に
よって開孔を穿孔する方法、レーザーによって開孔を穿
孔する方法等のいずれの方法でもよく、特に制限されな
い。この本発明の表面剤の製造方法の具体例として、例
えば、前記成分(1)、成分(2)および必要に応じて
配合される前記の各種配合剤等を含む樹脂混合物を、キ
ャスト法によって厚さ30μm程度のフィルムに成形
し、さらに、開孔率45%のパンチングメタル(孔径1
mm、厚さ0.6mm、表面エンボスパターン加工品)
をフィルムに当接して、高温空気を吹きつけることによ
り開孔成形を行う等の方法が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明をより具体的に説明する。また、以下の実施例お
よび比較例における開孔率、引張特性、触感、島成分面
積および表面摩擦の測定は、下記の方法にしたがって行
った。 (1)開孔率 表面材の表面の顕微鏡写真を撮影し、画像処理を行って
開孔部の面積%を算出した。 (2)引張特性 ASTM D638に準じて測定した。 (3)触感 B列5番の紙加工寸法に切断した開孔フィルム試料の表
面を、手で触れ、さらっと感の有無を判定し、下記の基
準で評価した。 ◎ 非常にさらっと感がある。 ○ さらっと感がある。 △ ややべたつき感がある。 × べたつき感がある。 (4)表面摩擦 23℃で摩擦感テスター(カトーテック(株)製、KE
S−SE型)によって測定した。 (5)島成分平均面積の測定 開孔フィルムの断面において、島成分が20個以上入る
範囲で透過型電子顕微鏡写真を撮影し、画像処理装置
(旭化成(株)製、IP−1000)を用いて、得られ
た電子顕微鏡写真の画像処理を行って平均面積を測定し
た。図1の図面代用写真に示すように、灰色に見える海
成分(LLDPE)中に、白く見える島成分(PP)と
黒く見える島成分(チタンホワイト)が存在する場合
は、より面積の大きい白く見える島成分(PP)の面積
を測定した。また、図2のように、黒く見える島成分
(チタンホワイト)のみが存在する場合は、その島成分
の面積を測定した。
【0034】(実施例1〜14、比較例1〜2)表1に
示す成分(1)と、成分(2)の内、表2に示す熱可塑
性樹脂(B)、および表3に示す充填剤(C)、さらに
表4に示すTiO2 を、表4に示す組成で、混合して樹
脂混合物を調製した。次に、図3に示すように、この樹
脂混合物を、ホッパー1から押出機2(65mmφ、L
/D:30)に供給して230℃で溶融混練した。溶融
物をT−ダイ3(リップ幅:250mm)から成形速度
12m/minで押出し、キャストフィルム4を得た。
このキャストフィルム4を、開孔率45%のパンチング
メタル(孔径1mm、厚さ0.6mm、表面エンボスパ
ターン加工品または無加工品)を円柱状に成形したドラ
ム5に供給し、ドラム5内の真空度を2000〜250
0mmAqとして、ドラム5の表面にキヤストフィルム
を押し当てた。このとき、ブロアー6によって吹きつけ
口7から360℃のヒーターからの高温空気を流量60
3 /hで吹きつけることにより開孔成形を行い、開孔
フィルム8を製造した。得られた開孔フィルムの目付、
開孔率、島部分の面積率、MFR1/MFR2、引張特
性および表面摩擦係数を測定した。結果を表5に示す。
【0035】 注)T−LLDPE:Ti系触媒を使用して製造されたエチレン・4−メチル −1−ペンテン共重合体 M−LLDPE:メタロセン触媒を使用して製造されたエチレン・1−ヘ キセン共重合体 HPLD :高圧法低密度ポリエチレン
【0036】 注)PP−1,2:プロピレン単独重合体(プロピレンのホモ重合体) PB−1,2:ブテン−1単独重合体(ブテン−1のホモ重合体)
【0037】 注)*1 PMMA−1〜3:架橋されたPMMAからなる有機充填剤 *2 HDPE−1 :超高分子量ポリエチレンからなる有機充填剤 *3:火山灰から調製されるもの *4 日本触媒(株)製 *5 日本触媒(株)製 *6 日本触媒(株)製 *7 三井化学(株)製 *8 三機加工建設(株)製
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の表面材は、透過型電子顕微鏡写
真で認められる海島構造を有する開孔フィルムで構成さ
れ、その海島構造の分散部分(島部分)が開孔フィルム
表面に頭出しすることにより、肌との接触面積を低減で
き、肌触り、柔軟性、液透過性、液戻り防止性、隠蔽性
のバランスに優れたものである。また、本発明の表面材
は、汎用設備を使用して十分に製造可能なものであるた
め、工業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 開孔フィルムの海島構造の例を示す透過型電
子顕微鏡による図面代用写真。
【図2】 開孔フィルムの海島構造の別の例を示す透過
型電子顕微鏡による図面代用写真。
【図3】 本発明の吸収性物品の表面材を製造する装置
の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 押出機 3 T−ダイ 4 キャストフィルム 5 ドラム 6 ブロアー 7 吹きつけ口 8 開孔フィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸収性物品の内部に配設される液吸収体の
    表面を覆い、液透過用の開孔を有する開孔フィルムから
    なる表面材であって、前記開孔フィルムが、相分離によ
    り形成された海島構造を有し、透過型電子顕微鏡で観察
    した断面像を画像処理することにより計算される海島構
    造の島部分の平均面積が0.5〜10000μm2 の範
    囲にある構造を有する吸収性物品の表面材。
  2. 【請求項2】前記開孔フィルムが、熱可塑性樹脂(A)
    からなる成分(1)と、該熱可塑性樹脂(A)と相分離
    して海島構造を形成する熱可塑性樹脂(B)および/ま
    たは充填剤(C)を含む成分(2)とを、成分(1)/
    成分(2)の重量比が99.9/0.1〜20/80の
    割合で含む樹脂混合物を主成分とするものである請求項
    1に記載の吸収性物品の表面材。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂(A)が、 (D−1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン
    との共重合体であって、 (D−2)密度(d)が0.850〜0.950g/c
    3 の範囲であり、 (D−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルト
    フローレート(MFR)が0.5〜100g/10分の
    範囲であるエチレン・α−オレフィン共重合体(D)、 (E−1)密度(d)が0.905〜0.935g/c
    3 の範囲であり、 (E−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルト
    フローレート(MFR)が0.5〜100g/10分の
    範囲である高圧法低密度ポリエチレン(E)、および
    (F−1)エチレンとカルボン酸またはカルボン酸エス
    テル含有モノマーとの共重合体(F)からなる群から選
    ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体である請求項
    2に記載の吸収性物品の表面材。
  4. 【請求項4】前記成分(1)が、エチレン・α−オレフ
    ィン共重合体(D)100〜50重量部と、高圧法低密
    度ポリエチレン(E)0〜50重量部とを含むエチレン
    系重合体混合物である請求項2に記載の吸収性物品の表
    面材。
  5. 【請求項5】前記成分(2)が、熱可塑性樹脂(A)と
    相分離により海島構造を形成し得る熱可塑性樹脂(B)
    であり、かつ前記成分(1)の190℃、2.16kg
    荷重におけるメルトフローレート(MFR1)と前記成
    分(2)の190℃、2.16kg荷重におけるメルト
    フローレート(MFR2)の比(MFR1/MFR2)
    が、1.0以上である請求項2に記載の吸収性物品の表
    面材。
  6. 【請求項6】前記成分(2)が、ポリプロピレン、ポリ
    ブテン−1、高密度ポリエチレンおよびポリアミドから
    選ばれる少なくとも1種である請求項2または5に記載
    の吸収性物品の表面材。
  7. 【請求項7】前記成分(2)が、有機充填剤および無機
    充填剤から選ばれる少なくとも1種であり、一次粒子径
    が0.5〜100μmの範囲にあるものである請求項2
    に記載の吸収性物品の表面材。
JP03211398A 1998-01-29 1998-01-29 吸収性物品の表面材 Expired - Lifetime JP3895032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03211398A JP3895032B2 (ja) 1998-01-29 1998-01-29 吸収性物品の表面材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03211398A JP3895032B2 (ja) 1998-01-29 1998-01-29 吸収性物品の表面材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11206811A true JPH11206811A (ja) 1999-08-03
JP3895032B2 JP3895032B2 (ja) 2007-03-22

Family

ID=12349859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03211398A Expired - Lifetime JP3895032B2 (ja) 1998-01-29 1998-01-29 吸収性物品の表面材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3895032B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005296673A (ja) * 2005-06-17 2005-10-27 Uni Charm Corp 吸収性物品用の透液性フィルム、前記透液性フィルムを用いた吸収性物品、および前記透液性フィルムの製造方法
JP2006233364A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Kao Corp 不織布
JP2006233365A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Kao Corp 不織布の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233364A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Kao Corp 不織布
JP2006233365A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Kao Corp 不織布の製造方法
JP4683957B2 (ja) * 2005-02-25 2011-05-18 花王株式会社 不織布
JP4683959B2 (ja) * 2005-02-25 2011-05-18 花王株式会社 不織布の製造方法
JP2005296673A (ja) * 2005-06-17 2005-10-27 Uni Charm Corp 吸収性物品用の透液性フィルム、前記透液性フィルムを用いた吸収性物品、および前記透液性フィルムの製造方法
JP4693515B2 (ja) * 2005-06-17 2011-06-01 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品用の透液性フィルム、前記透液性フィルムを用いた吸収性物品、および前記透液性フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3895032B2 (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6348258B1 (en) Breathable film having organic filler
US5015521A (en) Porous film
KR870001966B1 (ko) 다공성 필름 및 그의 제조방법
JP2005525247A (ja) 破断可能なスキン層をもった通気性の多層フィルム
JPH09506656A (ja) 通気性のクロス状フィルム/不織布複合材料
JPWO2006057369A1 (ja) ポリプロピレンの不織布およびその用途
CN107107431B (zh) 双轴拉伸的多孔膜
JP2003508570A (ja) 通気性フィルム及び製造方法
US20040170852A1 (en) Multilayer breathable microporous film with reinforced impermeability to liquids and production method
JPWO2014088065A1 (ja) 透湿性フィルムおよびその製造方法
JP2002316359A (ja) 多孔フィルム・不織布複合シート及びその製造方法
WO2015093451A1 (ja) フィルタ
JP6933408B1 (ja) 無機物質粉末充填樹脂組成物及び成形品
JP6350222B2 (ja) 透湿性フィルムおよび透湿性フィルム積層体
JPH11206811A (ja) 吸収性物品の表面材
JP2005325194A (ja) オレフィン系樹脂組成物およびフィルム
JP2001341218A (ja) 吸収性物品の表面材
JP6063709B2 (ja) 積層型多孔性フィルムおよびそれを用いた包装体用蓋材
JP4540858B2 (ja) 多孔性フィルム及びその製造方法
JP7049728B1 (ja) 不織布
JP2004331944A (ja) 多孔性フィルム及びその製造方法
JP2003039612A (ja) 不織布積層体
JP2004107500A (ja) 吸収性物品の表面材
JP2001151917A (ja) 多孔性フィルム及びその製造方法
JPH11239587A (ja) 吸収性物品用トップシート材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131222

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term