JPH11204376A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法

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Publication number
JPH11204376A
JPH11204376A JP10007268A JP726898A JPH11204376A JP H11204376 A JPH11204376 A JP H11204376A JP 10007268 A JP10007268 A JP 10007268A JP 726898 A JP726898 A JP 726898A JP H11204376 A JPH11204376 A JP H11204376A
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JP
Japan
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anode
anode lead
layer
solid electrolytic
outer case
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Application number
JP10007268A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Shimada
博司 島田
Yoichi Harada
洋一 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP10007268A priority Critical patent/JPH11204376A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく大容量が収納でき、かつ抵抗特性の
安定性が優れた固体電解コンデンサを提供することを目
的とする。 【解決手段】 一端部が表出する陽極導出線12を埋設
した陽極体の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰
極層16を設けたコンデンサ素子11と、この外周側面
を覆うように設置された外装ケース18と、コンデンサ
素子11の陰極層16と外部陰極端子19を接続する第
1の導電体接続層17と、外装ケース18に嵌合され第
1の導電体接続層17により電気的に接続される外部陰
極端子19と、外装ケース18の隙間と陽極体の陽極導
出面を埋める絶縁体層13と、陽極導出線12に接続さ
れる金属導電体15と、金属導電体15と外部陽極端子
20を接続する第2の導電体接続層14と、外装ケース
18に嵌合され第2の導電体接続層14により電気的に
接続される外部陽極端子20からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に利用
される固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の固体電解コンデンサにつ
いては、図19を用いて説明する。図19は上記従来の
固体電解コンデンサの構成を示す断面図であり、図19
において、1はコンデンサ素子を示し、このコンデンサ
素子1は弁作用金属粉末を所望の形状に成形して焼結し
た多孔質の陽極体の一端より弁作用金属からなる陽極導
出線2を導出し、かつこの陽極導出線2の一部と前記多
孔質の陽極体の表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を
形成し、そしてこの誘電体酸化皮膜の表面に固体電解質
層を形成し、さらにその表面に陰極層3を形成すること
により構成されている。なお、前記陰極層3は、浸漬法
によりカーボン層、銀塗料層を順次積層形成することに
より構成されているものである。
【0003】4は陽極導出線2に装着した絶縁板であ
る。5は陽極端子であり、この陽極端子5は一端部が前
記陽極導出線2に溶接により接続され、そして他端部は
後述する外装樹脂の成形後、外装樹脂の側面および底面
に沿って折り曲げられる。6は陰極端子であり、この陰
極端子6は一端部が前記コンデンサ素子1の陰極層3に
導電性接着剤7により接続され、そして他端部は後述す
る外装樹脂の成形後、外装樹脂の側面および底面に沿っ
て折り曲げられている。8はコンデンサ素子1全体をモ
ールド成形により被覆するエポキシ樹脂からなる外装樹
脂である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の固体電解コンデンサでは、前記陽極導出線2、陽極端
子5、陰極端子6、外装樹脂8などの各部品が製品の全
容積に占める比率が大きくなっているもので、この比率
を下げることは構造上かなり困難な課題の一つであっ
た。
【0005】本発明はこのような従来の課題を解決する
もので、効率よく大容量のコンデンサ素子を収納して小
形化を図り、かつ抵抗特性の安定性も極めて優れた固体
電解コンデンサを提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の固体電解コンデンサは、一端部が表出するよ
うにして陽極導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極
体の表面に、誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極層が
形成されたコンデンサ素子と、一端に外部陰極端子が嵌
合されて前記コンデンサ素子の外周側面を覆うように設
けられた筒状の外装ケースと、前記コンデンサ素子の陰
極層と外装ケースに嵌合された外部陰極端子とを接続す
る第1の導電体接続層と、前記外装ケースの隙間と陽極
体の陽極導出面とを埋めるように設けられた絶縁体層
と、コンデンサ素子から表出した陽極導出線に接続され
た金属導電体と、前記外装ケースの他端に嵌合されて第
2の導電体接続層を介して前記金属導電体と電気的に接
続された外部陽極端子からなるもので、この構成によれ
ば、効率よく大容量のコンデンサ素子が収納でき、かつ
抵抗特性の安定性も極めて優れている固体電解コンデン
サを得ることができるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、一端部が表出するようにして陽極導出線を埋設した
弁作用金属からなる陽極体の表面に、誘電体酸化皮膜、
固体電解質層、陰極層が形成されたコンデンサ素子と、
一端に外部陰極端子が嵌合されて前記コンデンサ素子の
外周側面を覆うように設けられた筒状の外装ケースと、
前記コンデンサ素子の陰極層と外装ケースに嵌合された
外部陰極端子とを接続する第1の導電体接続層と、前記
外装ケースの隙間と陽極体の陽極導出面とを埋めるよう
に設けられた絶縁体層と、コンデンサ素子から表出した
陽極導出線に接続された金属導電体と、前記外装ケース
の他端に嵌合されて第2の導電体接続層を介して前記金
属導電体と電気的に接続された外部陽極端子からなるも
ので、この構成によれば、効率よく大容量のコンデンサ
素子が収納でき、かつ抵抗特性の安定性も極めて優れて
いる固体電解コンデンサを得ることができるものであ
る。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、固体電解質層を導電性高分子により構
成したもので、この構成によれば、導電性高分子の電導
度が高いため、抵抗特性が良好でかつ安定性が極めて優
れている固体電解コンデンサを容易に得ることができる
ものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、外装ケースとして内面に金属
メッキ層よりなる導電体層を形成した絶縁性樹脂で構成
したもので、この構成によれば、外装ケースの内面に形
成した金属メッキ層よりなる導電体層によって外装の気
密性が高められるため、抵抗特性の安定性がことのほか
優れている固体電解コンデンサを容易に得ることができ
るものである。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一つに記載の発明において、外装ケースの外周
側面の一部に極性判別用の凸部を形成したもので、この
構成によれば、形状による確実な極性判別が容易である
ため、自動装着等の極性判別に有利な固体電解コンデン
サを容易に得ることができるものである。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一つに記載の発明において、陽極導出線に接続
された金属導電体が陽極導出面とほぼ平行になるように
陽極導出線を折り曲げたもので、この構成によれば、コ
ンデンサ素子の陽極導出線と外部陽極端子は至近距離で
接続されることになり、従来のような外部陽極端子の引
き回しによる無駄スペースも大幅に削減することができ
るため、効率よく大容量のコンデンサ素子が収納でき、
かつ抵抗特性の安定性も極めて優れている固体電解コン
デンサを容易に得ることができるものである。
【0012】請求項6に記載の発明は、陽極導出線の一
端部が表出するようにして陽極導出線を埋設した弁作用
金属からなる陽極体を複数個所定の間隔で連結し、この
陽極体の表面に、誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極
層を積層形成してコンデンサ素子を作製し、次に複数個
が連結して一体成形された外装ケースの一方の開口部に
外部陰極端子を嵌合し、この外装ケース内に第1の導電
体接続層となる導電性接着剤を注入した後上記コンデン
サ素子を挿入して硬化し、続いて外装ケースの隙間と陽
極体の陽極導出面とを埋めるように絶縁体層を形成した
後、前記陽極導出線に金属導電体を接続し、続いて第2
の導電体接続層となる導電性接着剤を注入した外部陽極
端子を、前記外装ケースの他方の開口部に嵌合して硬化
することにより金属導電体と外部陽極端子を接続して、
所定の間隔で連結された複数個の固体電解コンデンサを
作製した後、複数個の固体電解コンデンサを連結した外
装ケースの連結部分を分断して個片化するようにしたも
ので、この製造方法によれば、コンデンサ素子の陽極導
出線と外部陽極端子は至近距離で接続され、かつ接続の
仲介をする金属導電体が精度良く効率的に接続されるた
め生産性に優れ、また従来のような外部陽極端子および
外部陰極端子の引き回しによる無駄スペースも大幅に削
減することができるため、効率よく大容量のコンデンサ
素子が収納でき、かつ抵抗特性の安定性も極めて優れて
いる固体電解コンデンサを容易に得ることができるもの
である。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、所定の間隔で連結された複数個のコン
デンサ素子の各陽極導出線を連結状態で接続する帯状の
金属導電体を用いて各陽極導出線に金属導電体を接続し
た後、この金属導電体を個々に分断してから次の工程を
行うようにしたもので、この製造方法によれば、個々の
固体電解コンデンサに対して精度よく金属導電体を接続
することができるため、精度の良い固体電解コンデンサ
を生産性よく製造することができるものである。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項6または
7に記載の発明において、個片に分断する前の連結状態
の複数個の固体電解コンデンサの外装ケースの連結方向
の面に、定格等の表示を行う表示工程を設けるようにし
たもので、この製造方法によれば、外装ケースの表面へ
の印刷表示が容易になり、かつ特性の良好な固体電解コ
ンデンサを容易に製造することができるものである。
【0015】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基
づいて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態によ
る固体電解コンデンサであるタンタル固体電解コンデン
サを一部切欠斜視図で示したものであり、図1におい
て、11はコンデンサ素子であり、このコンデンサ素子
11は、タンタル線からなる陽極導出線12の一端部が
表出するように陽極導出線12を埋設した弁作用金属で
あるタンタル金属粉末を所望の形状(1.2×3.4×
5.8)に成形して焼結することにより得られた多孔質
の陽極体の表面に陽極酸化により20Vの誘電体酸化皮
膜を形成し、さらにこの表面にポリピロールからなる導
電性高分子の固体電解質層およびカーボン、銀塗料など
の導電体からなる陰極層16を順次形成して構成してい
る。
【0016】18は一方の開口部に外部陰極端子19を
嵌合したエポキシ樹脂からなる外装ケースであり、この
エポキシ樹脂の外装ケース18に第1の導電体接続層1
7となる導電性銀接着剤を注入した後に上記コンデンサ
素子11を挿入して硬化し、前記エポキシ樹脂の外装ケ
ース18の隙間と陽極体の陽極導出面を埋める絶縁体層
13を形成した後に金属導電体15を陽極導出線12に
接続し、この陽極導出線12を絶縁体層13の面に沿う
ようにしてほぼ直角に折り曲げ、さらに外部陽極端子2
0を第2の導電体接続層14となる導電性接着剤を介し
て前記金属導電体15に物理的、電気的に結合する。な
お、上記第2の導電体接続層14となる導電性銀接着剤
は、金属導電体15を覆うように注入され、その後外部
陽極端子20を嵌合した後に硬化されるものである。
【0017】図2,図3はコンデンサ素子11の製造方
法を説明するための製造工程図であり、まず図2に示す
ように、タンタル線からなる陽極導出線12の一端部が
表出するように陽極導出線12を埋設した弁作用金属で
あるタンタル金属粉末を所望の形状に成形して焼結する
ことにより得られた多孔質の陽極体の陽極導出線12
を、板あるいは帯状の金属に一定間隔で連続的に複数個
整列して接続した後、陽極体の表面に誘電体酸化皮膜を
形成する。続いて図3に示すように、この表面に固体電
解質層およびカーボン、銀塗料などの導電体よりなる陰
極層16を順次形成してコンデンサ素子11を完成す
る。
【0018】図4〜図11は上記図2,図3で説明した
ように製造された複数個のコンデンサ素子11を用いて
一括処理にて外装を行い、その後個片化してタンタル固
体電解コンデンサを製造する製造方法を説明するための
製造工程図であり、まず図4に示すように複数個が一体
的に樹脂成形され、一方の開口部に外部陰極端子19が
嵌合されたそれぞれの外装ケース18に第1の導電体接
続層17となる導電性接着剤を所定量充填した後、一定
間隔で複数個が連続的に整列されたコンデンサ素子11
を外装ケース18内に挿入し、コンデンサ素子11の陰
極層16と外装ケース18に嵌合された外部陰極端子1
9とを接続する。
【0019】次に、図5に示すように、コンデンサ素子
11の陽極導出面と外装ケース18の隙間に隙間を充填
する液状樹脂を注入して硬化することにより絶縁体層1
3を形成する。次に図6〜図8に示すように、絶縁体層
13に近接して陽極導出線12に金属導電体15を接続
した後、この金属導電体15を分断し、さらに板あるい
は帯状の金属に一定間隔で連続的に複数個が整列して接
続された陽極導出線12を金属導電体15がコンデンサ
素子11側に残るように切断する。
【0020】次に図9〜図11に示すように、陽極導出
線12を絶縁体層13の面に沿うように折り曲げた後、
第2の導電体接続層14を介して金属導電体15と外部
陽極端子20が電気的に接続するように外部陽極端子2
0を嵌合した後、このようにして形成された複数個のタ
ンタル固体電解コンデンサ間に位置してそれぞれを連結
している部分を分断(図中に示す分断部21)して個片
化することにより完成するものである。
【0021】また図12は複数個が一体的に樹脂成形さ
れ、一方の開口部に外部陰極端子19が嵌合された外装
ケース18を示す斜視図、図13はコンデンサ素子11
を覆うように充填された導電性接着剤によりコンデンサ
素子11と外部陰極端子19が接続された状態を示す斜
視図、図14はコンデンサ素子11の陽極導出面と外装
ケース18との隙間に絶縁体層13を形成し、陽極導出
線12に金属導電体15を接続した状態を示す斜視図、
図15は陽極導出線12を切断後、この陽極導出線12
を絶縁体層13の面に沿わせて折り曲げた状態を示す斜
視図、図16は第2の導電体接続層14を介して金属導
電体15と外部陽極端子20が接続するように外装ケー
ス18に外部陽極端子20を嵌合した状態を示す斜視
図、図17は複数個のタンタル固体電解コンデンサ間に
位置する部分を一次切断して複数個のタンタル固体電解
コンデンサを複数列に整列した状態を示す斜視図であ
り、この後上記一次切断と交差する方向に二次切断する
ことにより個片化するものである。
【0022】(実施の形態2)以下、本発明の第2の実
施の形態について説明する。
【0023】本実施の形態による固体電解コンデンサ
は、上記第1の実施の形態による導電性高分子からなる
固体電解質を二酸化マンガンからなる固体電解質に代え
た構成にしたものであり、これ以外は第1の実施の形態
と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0024】(比較例1)図18は比較例として作製し
た導電性高分子固体電解質を用いたタンタル固体電解コ
ンデンサを示した断面図であり、図18において、1は
コンデンサ素子を示し、このコンデンサ素子1は、タン
タル線からなる陽極導出線2の一端部が表出するように
陽極導出線2を埋設するとともに弁作用金属であるタン
タル金属粉末を所望の形状に成形した後に焼結して得ら
れた多孔質の陽極体の表面および陽極導出線2の一部に
陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成し、さらにこの表
面にポリピロールからなる導電性高分子固体電解質層を
形成し、その後、カーボン層および銀塗料層からなる陰
極層3を順次積層形成することにより構成している。
【0025】4は陽極導出線2に装着した絶縁板、5は
陽極端子であり、この陽極端子5は一端部が前記陽極導
出線2の一端部に溶接により接続され、そして他端部は
後述する外装樹脂の成形後、外装樹脂の側面および底面
に沿って折り曲げられている。6は陰極端子で、この陰
極端子6は一端部が前記コンデンサ素子1の陰極層3に
導電性接着剤7により接続され、そして他端部は後述す
る外装樹脂の成形後、外装樹脂の側面および底面に沿っ
て折り曲げられている。8は前記陽極端子5の一部およ
び陰極端子6の一部が外部に表出するようにして前記コ
ンデンサ素子1、導電性接着剤7、陽極導出線2、陽極
端子5の一部および陰極端子6の一部を被覆する外装樹
脂で、この外装樹脂8はエポキシ樹脂でモールド成形す
ることにより構成されている。
【0026】(比較例2)比較例2として上記比較例1
における導電性高分子からなる固体電解質を二酸化マン
ガンからなる固体電解質に代え、これ以外は比較例1と
同様に構成した。
【0027】このように本発明の実施の形態1,2なら
びに比較例1,2により作製したタンタル固体電解コン
デンサについて、これらに240℃、5秒間のリフロー
はんだ耐熱試験を施した後、125℃酸素雰囲気中で高
温無負荷試験に供した結果を(表1)に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(表1)から明らかなように、本発明の実
施の形態1における導電性高分子固体電解質を用いたタ
ンタル固体電解コンデンサは、比較例1に比較してその
収納容積が極めて大きく小形化されているにもかかわら
ず、リフローはんだ耐熱試験を施した後でもコンデンサ
素子11の内部への大気中酸素の侵入が抑止され、12
5℃酸素雰囲気中の高温無負荷試験での抵抗特性の変化
も極めて少なく、これにより抵抗特定の安定性が優れて
いるコンデンサを得ることができるものである。
【0030】一方、図18に示した比較例1の導電性高
分子固体電解質を用いたタンタル固体電解コンデンサ
は、125℃酸素雰囲気中の高温無負荷試験に供した場
合、図18に示した陽極導出線2、陽極端子5、陰極端
子6と、外装樹脂8との間に生じているわずかな隙間よ
り大気中の酸素がコンデンサ素子1の内部に徐々に侵入
し、これにより、導電性高分子からなる固体電解質層が
酸素劣化を引き起こすため、抵抗特性が著しく損なわれ
ているものである。
【0031】また、本発明の実施の形態1,2ならびに
比較例1,2のタンタル固体電解コンデンサについて、
これらに240℃、5秒間のリフローはんだ耐熱試験を
施した後、85℃で相対湿度90〜95%の高温無負荷
試験に供した結果を(表2)に示す。
【0032】
【表2】
【0033】(表2)から明らかなように、本発明の実
施の形態2におけるタンタル固体電解コンデンサは、比
較例2に比較してその収納容積が極めて大きく小形化さ
れているにもかかわらず、リフローはんだ耐熱試験を施
した後でもコンデンサ素子11の内部への雰囲気中の水
蒸気の浸入が抑止され、85℃水蒸気雰囲気中の無負荷
試験での抵抗特性の変化も極めて少なく、これにより抵
抗特性の安定性が優れているコンデンサを得ることがで
きるものである。一方、図18に示した比較例2のタン
タル固体電解コンデンサは、85℃水蒸気雰囲気中の無
負荷試験に供した場合、図18に示した陽極導出線2、
陽極端子5、陰極端子6と、外装樹脂8との間に生じて
いるわずかな隙間より雰囲気中の水蒸気がコンデンサ素
子1の内部に徐々に浸入し、これにより、固体電解質層
および/あるいは固体電解質と陰極の界面が劣化を引き
起こすため、抵抗特性が著しく損なわれているものであ
る。
【0034】なお、上記本発明の実施の形態1,2にお
いては、コンデンサ素子11を構成する陽極体として、
弁作用金属であるタンタル金属粉末を所望の形状に成形
して焼結したものを用いたものについて説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、アルミニウム、
チタンのようなその他の弁作用金属を用いて、陽極体を
構成してもよく、また固体電解質層を二酸化マンガン、
ポリピロールなどの導電性高分子で構成したものについ
て説明したが、これも同様に有機半導体、ポリチオフェ
ン、ポリアニリンなどを用いてもよいことは言うまでも
ないものである。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の固体電解コンデン
サは、一端部が表出するようにして陽極導出線を埋設し
た弁作用金属からなる陽極体の表面に、誘電体酸化皮
膜、固体電解質層、陰極層が形成されたコンデンサ素子
と、一端に外部陰極端子が嵌合されて前記コンデンサ素
子の外周側面を覆うように設けられた筒状の外装ケース
と、前記コンデンサ素子の陰極層と外装ケースに嵌合さ
れた外部陰極端子とを接続する第1の導電体接続層と、
前記外装ケースの隙間と陽極体の陽極導出面とを埋める
ように設けられた絶縁体層と、コンデンサ素子から表出
した陽極導出線に接続された金属導電体と、前記外装ケ
ースの他端に嵌合されて第2の導電体接続層を介して前
記金属導電体と電気的に接続された外部陽極端子からな
るもので、この構成とすることにより、従来のような外
部陽極端子および外部陰極端子の引き回しによる無駄ス
ペースも大幅に削減することができるため、効率よく大
容量のコンデンサ素子が収納でき、かつ抵抗特性の安定
性も極めて優れた固体電解コンデンサを容易に得ること
ができるものである。またプロセスの一部を変更および
/あるいは改善することにより、極めて容易に製品の寸
法精度や生産性を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるタンタル固体電
解コンデンサの一部切欠断面斜視図
【図2】同コンデンサ素子の製造方法を示す製造工程図
【図3】同コンデンサ素子の製造方法を示す製造工程図
【図4】同タンタル固体電解コンデンサの製造方法を示
す製造工程図
【図5】同製造工程図
【図6】同製造工程図
【図7】同製造工程図
【図8】同製造工程図
【図9】同製造工程図
【図10】同製造工程図
【図11】同製造工程図
【図12】同一方の開口部に外部陰極端子が嵌合された
複数個の外装ケースを示す斜視図
【図13】同導電性接着剤によりコンデンサ素子の陰極
と外部陰極端子が接続された状態を示す斜視図
【図14】同陽極導出線に金属導電体を接続した状態を
示す斜視図
【図15】同陽極導出線を切断後、折り曲げて絶縁体層
の面に沿わせた状態を示す斜視図
【図16】同外装ケースに外装陽極端子が嵌合された状
態を示す斜視図
【図17】同一次切断により複数個のタンタル固体電解
コンデンサが複数列に整列した状態を示す斜視図
【図18】比較例としてのタンタル固体電解コンデンサ
を示す断面図
【図19】従来のタンタル固体電解コンデンサを示す断
面図
【符号の説明】
11 コンデンサ素子 12 陽極導出線 13 絶縁体層 14 第2の導電体接続層 15 金属導電体 16 陰極層 17 第1の導電体接続層 18 外装ケース 19 外部陰極端子 20 外部陽極端子 21 分断部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部が表出するようにして陽極導出線
    を埋設した弁作用金属からなる陽極体の表面に、誘電体
    酸化皮膜、固体電解質層、陰極層が形成されたコンデン
    サ素子と、一端に外部陰極端子が嵌合されて前記コンデ
    ンサ素子の外周側面を覆うように設けられた筒状の外装
    ケースと、前記コンデンサ素子の陰極層と外装ケースに
    嵌合された外部陰極端子とを接続する第1の導電体接続
    層と、前記外装ケースの隙間と陽極体の陽極導出面とを
    埋めるように設けられた絶縁体層と、コンデンサ素子か
    ら表出した陽極導出線に接続された金属導電体と、前記
    外装ケースの他端に嵌合されて第2の導電体接続層を介
    して前記金属導電体と電気的に接続された外部陽極端子
    からなる固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 固体電解質層を導電性高分子により構成
    した請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 外装ケースとして、内面に金属メッキ層
    よりなる導電体層を形成した絶縁性樹脂で構成した請求
    項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 外装ケースの外周側面の一部に極性判別
    用の凸部を形成した請求項1〜3のいずれか一つに記載
    の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陽極導出線に接続された金属導電体が陽
    極導出面とほぼ平行になるように陽極導出線を折り曲げ
    た請求項1〜4のいずれか一つに記載の固体電解コンデ
    ンサ。
  6. 【請求項6】 陽極導出線の一端部が表出するようにし
    て陽極導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体を複
    数個所定の間隔で連結し、この陽極体の表面に、誘電体
    酸化皮膜、固体電解質層、陰極層を積層形成してコンデ
    ンサ素子を作製し、次に複数個が連結して一体成形され
    た外装ケースの一方の開口部に外部陰極端子を嵌合し、
    この外装ケース内に第1の導電体接続層となる導電性接
    着剤を注入した後上記コンデンサ素子を挿入して硬化
    し、続いて外装ケースの隙間と陽極体の陽極導出面とを
    埋めるように絶縁体層を形成した後、前記陽極導出線に
    金属導電体を接続し、続いて第2の導電体接続層となる
    導電性接着剤を注入した外部陽極端子を、前記外装ケー
    スの他方の開口部に嵌合して硬化することにより金属導
    電体と外部陽極端子を接続して、所定の間隔で連結され
    た複数個の固体電解コンデンサを作製した後、複数個の
    固体電解コンデンサを連結した外装ケースの連結部分を
    分断して個片化するようにした固体電解コンデンサの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 所定の間隔で連結された複数個のコンデ
    ンサ素子の各陽極導出線を連結状態で接続する帯状の金
    属導電体を用いて各陽極導出線に金属導電体を接続した
    後、この金属導電体を個々に分断してから次の工程を行
    うようにした請求項6に記載の固体電解コンデンサの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 個片に分断する前の連結状態の複数個の
    固体電解コンデンサの外装ケースの連結方向の面に、定
    格等の表示を行う表示工程を設けた請求項6または7に
    記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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