JPH11203910A - 表示ランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視認性の向上が図れる表示ランプを提供す
る。 【解決手段】 この表示ランプ３１は、信号機の信号ラ
ンプや車両のストップランプなどに用いられるものであ
り、カバープレート１７の内面側に、高分子分散型液晶
層を挟み込んでなる外来光遮断部材３３が装着されてい
る。この外来光遮断部材３３は、反射板１５に入射する
外来光２３を遮断するためのものであり、制御部４７に
よって、光源１３が点灯中は透明状態とされ、光源１３
が消灯中は外来光２３の遮断のために不透明状態とされ
るようになっており、光源１３の消灯中に、外来光２３
が反射板１５に反射されて表示ランプ３１が点灯してい
るものと誤認されるのを防止できるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、道路交通整理や列
車の運行整理等に用いられる信号機の信号ランプや、車
両のストップランプなどに用いられる表示ランプに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来の表示ランプの構成を示す
断面図である。この表示ランプ１は、道路交通整理や列
車の運行整理等に用いられる信号機の信号ランプ３（図
６参照）や、車両のストップランプ５（図７参照）等の
車両用灯具などに用いられるものである。

【０００３】この表示ランプ１は、大略的に、凹状の光
源収容部１１内に、白熱ランプ等の所定の光源１３と、
光源１３の後方側に備えられる反射板１５とを設置し、
反射板１５および光源１３の前面側である光源収容部１
１の開口部にカバープレート１７を装着して構成されて
いる。

【０００４】反射板１５は、光源１３から光源１３の後
方に照射された照射光２１を無駄なく信号表示に用いる
ために備えられるもであり、光源１３から後方に照射さ
れた照射光２１を前方に反射するようになっている。こ
こで、反射板１５は、その反射面１５ａが凹面形状とな
っている凹面鏡である。

【０００５】カバープレート１７は、主に、光源１３お
よび反射板１５を保護するため、および光源１３の照射
光２１の色を所定の信号色（ここでは、青（緑）、赤、
黄）に変化させるために設けられたものであり、所定の
信号色に着色された透光性を有する部材により形成され
ている。

【０００６】そして、この種の表示ランプ１では、光源
１３を点灯（または消灯）させることによって、所定の
信号表示を行うようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表示ランプ１では、図５に示されるように、太陽光等の
外来光２３がカバープレート１７を介して光源収容部１
１内に入射すると、その入射した外来光２３が反射板１
５によって前方へ反射されてカバープレート１７を介し
て再び外部に出射するため、光源１３が消灯していると
きでも、あたかも表示ランプ１が点灯しているかのよう
に見えることがあり、表示ランプ１の視認性が低下し、
表示ランプ１の誤認を招くという問題がある。

【０００８】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、視認
性の向上が図れる表示ランプを提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段は、光源と、前記光源の後方に備えられ、
前記光源から後方に照射された照射光を前方に向けて反
射する反射板とを備え、前記光源を点灯または消灯させ
ることにより、所定の信号表示を行う表示ランプであっ
て、前記前方から前記反射板の反射面に入射する外来光
を遮るようにして配設され、互いに対向する面に透明電
極層が形成された２枚の透明基板により挟み込まれた所
定の液晶層を有しており、前記両透明電極層によって前
記液晶層に印加される印加電圧の変化に伴って入射光の
透過率を調節可能な外来光遮断部材と、前記光源の点灯
または消灯に応じて前記外来光遮断部材の前記両電極層
間への印加電圧を制御することにより、前記光源が点灯
されているときには、前記外来光遮断部材を入射光を透
過させる透明状態とする一方、前記光源が消灯されてい
るときには、前記外来光遮断部材を入射光を遮断する不
透明状態とする制御部と、を備えることを特徴とする。

【００１０】好ましくは、前記液晶層は、前記両透明電
極層によって印加される印加電圧の変化に伴って入射光
の散乱状態が変化する高分子分散型液晶層であるのがよ
い。

【００１１】また、好ましくは、前記外来光遮断部材
は、前記反射板および前記光源の前面側に設けられる透
光性を有するカバープレートに装着されるのがよい。

【００１２】さらに、好ましくは、前記外来光遮断部材
は、前記反射板の前記反射面上に装着されるのがよい。

【００１３】また、好ましくは、前記表示ランプは、所
定の信号機の信号ランプであるのがよい。

【００１４】さらに、前記表示ランプは、ストップラン
プ、車幅灯、フォグランプ、ヘッドライト、ウインカー
などの車両用灯具であるのがよい。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施形態に係る
表示ランプ３１の構成を示す断面図である。本実施形態
に係る表示ランプ３１は、カバープレート１７の内面側
に外来光遮断部材３３を設けた点を除いて図５に示され
る従来の表示ランプ１と実質的に同一であり、対応する
部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。この
表示ランプ３１も、図６に示される信号機の信号ランプ
３や、図７に示される車両のストップランプ５などに用
いられるようになっている。

【００１６】外来光遮断部材３３は、図２に示すよう
に、互いに対向する面にＩＴＯ膜等の透明電極層４１
ａ，４３ａが形成された透明樹脂等によって形成される
２枚のシート状の透明基板４１，４３と、その両透明基
板４１，４３間に挟み込まれた高分子分散型液晶層４５
とを備えて構成されている。

【００１７】高分子分散型液晶層４５は、所定の高分子
と液晶との複合膜（複合物）からなっており、ＮＣＡＰ
（ｎｅｍａｔｉｃ ｃｕｒｖｉｌｉｎｅａｒ ａｌｉｇ
ｎｅｄ ｐｈａｓｅ）型やＰＮ（ｐｏｌｙｍｅｒ ｎｅ
ｔｗｏｒｋ）型の液晶が使用されている。

【００１８】この高分子分散型液晶層４５では、電圧無
印加時には、液晶層４５中の液晶がランダムな方向を向
き、高分子と液晶との屈折率に差異が生じ、入射光が散
乱されて透過率が大きく低下するため、白濁外観を呈す
る不透明状態となるようになっている。電圧印加時に
は、液晶が電界方向に配列し、高分子と液晶との屈折率
が一致し、入射光が散乱されずに透過するため、透明状
態となるようになっている。

【００１９】このように構成される外来光遮断部材３３
は、適度な可撓性を有するシート状の部材であり、図１
に示されるように、カバープレート１７の内面側に、カ
バープレート１７の全面を覆うように、すなわち反射板
１５の反射面１５ａに入射する外来光２３を遮るよう
に、接着剤による接着等の方法により貼り付けられて装
着されている。

【００２０】外来光遮断部材３３の両透明電極層４１
ａ，４３ａは、所定の接続ラインを通じて制御部４７に
接続されている。

【００２１】制御部４７は、光源１３の点灯または消灯
に応じて外来光遮断部材３３の両透明電極層４１ａ，４
３ａ間への印加電圧を制御することにより、光源１３が
点灯されているときには、外来光遮断部材３３を入射光
を透過させる透明状態とする一方、光源１３が消灯され
ているときには、外来光遮断部材３３を入射光を効果的
に遮断する不透明状態とするようになっている。ここで
は、光源１３の制御も制御部４７によって行われるよう
になっている。

【００２２】以上のように、本実施形態によれば、前方
から反射板１５の反射面１５ａに入射する外来光２３を
遮るようにして外来光遮断部材３３が配設され、その外
来光遮断部材３３が、図１に示されるように光源１３が
消灯しているときには、外部から入射する外来光２３を
遮断すべく不透明状態とされる一方、図３に示されるよ
うに光源１３が点灯しているときには、光源１３の照射
光２１を前方に透過させるべく透明状態にされるように
なっているので、光源１３が消灯されているときに太陽
光等の外来光２３が反射板１５に反射されることにより
生じる表示ランプ３１の誤認を防止することができ、表
示ランプ３１の視認性を向上させることができる。

【００２３】また、液晶層４５に高分子分散型液晶層を
用いることによって、偏光板を使用することなく外来光
遮断部材３３を構成することができるので、透明状態に
おいて、外来光遮断部材３３を介して光源１３の照射光
２１をロスさせることなく前方側に透過させることがで
きるという利点がある。

【００２４】さらに、信号機の信号ランプ３は、太陽光
等の反射により視認性が低下しやすいのであるが、本実
施形態に係る表示ランプ３１を信号ランプ３に適用する
ことによって、信号ランプ３の視認性の向上が図れる。

【００２５】また、車両のストップランプ５は、太陽光
や車両のヘッドライト等の反射により視認性が低下しや
すいのであるが、本実施形態に係る表示ランプ３１をス
トップランプ５に適用することによって、ストップラン
プ５の視認性の向上が図れる。

【００２６】なお、本実施形態では、外来光遮断部材３
３をカバープレート１７に装着したが、反射板１５に入
射する外来光２３を遮断できる位置であればいずれの位
置に設置してもよく、例えば、図４に示されるように、
反射板１５の反射面１５ａ上に、反射面１５ａの全面を
覆うようにして、接着材等により貼り付けて装着するよ
うにしてもよい。

【００２７】また、本実施形態では、外来光遮断部材３
３をカバープレート１７の内面側に貼り付けて装着した
が、カバープレート１７が複数のプレート部材を重ね合
わせて構成される場合には、そのプレート部材の間に外
来光遮断部材３３を挟み込んで装着するようにしてもよ
い。

【００２８】さらに、本実施形態では、液晶層４５に高
分子分散型液晶を用いたが、両透明基板４１，４３の外
面側に所定の偏光板を配設し、これに伴って、液晶層４
５に印加電圧の変化に伴って入射光の偏光方向を変化さ
せるＴＮ（ｔｗｉｓｔｅｄｎｅｍａｔｉｃ）型またはＳ
ＴＮ（ｓｕｐｅｒ ｔｗｉｓｔｅｄ ｎｅｍａｔｉｃ）
型の液晶層を用いてもよい。

【００２９】また、本実施形態では、表示ランプ３１を
ストップランプ５に適用した場合について説明したが、
表示ランプ３１を車幅灯、フォグランプ、ヘッドライ
ト、ウインカーなどの他の車両用灯具に適用してもよ
い。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、請求項１ないし６記載の
発明によれば、前方から反射板の反射面に入射する外来
光を遮るようにして外来光遮断部材が配設され、その外
来光遮断部材が、光源が消灯しているときには外部から
入射する外来光を遮断すべく不透明状態とされる一方、
光源が点灯しているときには光源の照射光を前方に透過
させるべく透明状態にされるようになっているので、光
源が消灯されているときに太陽光等の外来光が反射板に
反射されることにより生じる表示ランプの誤認を防止す
ることができ、表示ランプの視認性を向上させることが
できる。

【００３１】請求項２記載の発明によれば、液晶層に高
分子分散型液晶層を用いることによって、偏光板を使用
することなく外来光遮断部材を構成することができるの
で、透明状態において、外来光遮断部材を介して光源の
照射光をロスさせることなく前方側に透過させることが
できるという利点がある。

【００３２】請求項５記載の発明によれば、信号機の信
号ランプは、太陽光等の反射により点灯しているか否か
の視認性が低下しやすいのであるが、本発明を信号ラン
プに適用することによって、信号ランプの視認性の向上
が図れる。

【００３３】請求項６記載の発明によれば、ストップラ
ンプ、車幅灯、フォグランプ、ヘッドライト、ウインカ
ーなどの車両用灯具は、太陽光や車両のヘッドライト等
の反射により点灯しているか否かの視認性が低下しやす
いのであるが、本発明を車両用灯具に適用することによ
って、車両用灯具の視認性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る表示ランプの構成を
示す断面図である。

【図２】図１の表示ランプに備えられる外来光遮断部材
の構成を示す断面図である。

【図３】本発明の一実施形態に係る表示ランプの構成を
示す断面図である。

【図４】図１の表示ランプの変形例の断面図である。

【図５】従来の表示ランプの構成を示す断面図である。

【図６】図１の表示ランプが適用される信号機の正面図
である。

【図７】図１の表示ランプが適用される車両のストップ
ランプを示す図である。

【符号の説明】

３ 信号ランプ ５ ストップランプ １３ 光源 １５ 反射板 １７ カバープレート ２１ 照射光 ２３ 外来光 ３１ 表示ランプ ３３ 外来光遮断部材 ４１，４３ 透明基板 ４１ａ，４３ａ 透明電極層 ４５ 高分子分散型液晶層 ４７ 制御部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源と、前記光源の後方に備えられ、前
   記光源から後方に照射された照射光を前方に向けて反射
   する反射板とを備え、前記光源を点灯または消灯させる
   ことにより、所定の信号表示を行う表示ランプであっ
   て、 前記前方から前記反射板の反射面に入射する外来光を遮
   るようにして配設され、互いに対向する面に透明電極層
   が形成された２枚の透明基板により挟み込まれた所定の
   液晶層を有しており、前記両透明電極層によって前記液
   晶層に印加される印加電圧の変化に伴って入射光の透過
   率を調節可能な外来光遮断部材と、 前記光源の点灯または消灯に応じて前記外来光遮断部材
   の前記両電極層間への印加電圧を制御することにより、
   前記光源が点灯されているときには、前記外来光遮断部
   材を入射光を透過させる透明状態とする一方、前記光源
   が消灯されているときには、前記外来光遮断部材を入射
   光を遮断する不透明状態とする制御部と、を備えること
   を特徴とする表示ランプ。
2. 【請求項２】 前記液晶層は、前記両透明電極層によっ
   て印加される印加電圧の変化に伴って入射光の散乱状態
   が変化する高分子分散型液晶層であることを特徴とする
   請求項１記載の表示ランプ。
3. 【請求項３】 前記外来光遮断部材は、前記反射板およ
   び前記光源の前面側に設けられる透光性を有するカバー
   プレートに装着されることを特徴とする請求項１または
   ２記載の表示ランプ。
4. 【請求項４】 前記外来光遮断部材は、前記反射板の前
   記反射面上に装着されることを特徴とする請求項１また
   は２記載の表示ランプ。
5. 【請求項５】 前記表示ランプは、所定の信号機の信号
   ランプであることを特徴とする請求項１ないし４のいず
   れかに記載の表示ランプ。
6. 【請求項６】 前記表示ランプは、ストップランプ、車
   幅灯、フォグランプ、ヘッドライト、ウインカーなどの
   車両用灯具であることを特徴とする請求項１ないし４の
   いずれかに記載の表示ランプ。