JPH11202552A - 電子写真用トナーの製造方法および電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法および電子写真用トナー

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JPH11202552A
JPH11202552A JP763198A JP763198A JPH11202552A JP H11202552 A JPH11202552 A JP H11202552A JP 763198 A JP763198 A JP 763198A JP 763198 A JP763198 A JP 763198A JP H11202552 A JPH11202552 A JP H11202552A
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JP
Japan
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kneading
resin
toner
binder resin
temperature
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Application number
JP763198A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakazawa
博 中沢
Shuichi Taniguchi
秀一 谷口
Michio Take
道男 武
Masaki Hashimoto
雅樹 橋本
Jun Igarashi
潤 五十嵐
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結着樹脂の融着による製造性の低下を回避し、
かつ、帯電性能、定着性能、色等のトナーの基本性能に
悪影響を与えず、小粒径トナーでも高生産性を維持でき
る電子写真用トナーの製造方法を提供する。 【解決手段】結着樹脂、着色剤、および重量平均分子量
5000以下の石油樹脂を溶融混練してトナーを製造す
る。その際、送りスクリュー部と少なくとも2か所のニ
ーディング部とを有し、かつ(1) 最初のニーディング部
の混練温度が、結着樹脂の溶融温度に対し−20℃〜+
80℃の範囲になるように設定された溶融混練部と、
(2) 2番目以降のニーディング部の混練温度が、結着樹
脂の溶融温度に対して−100℃〜+10℃の範囲にな
るように設定された溶融混練部とを有し、(3) 排出直後
の混練物温度が、上記石油樹脂の溶融温度に対して−3
0℃〜+40℃の範囲になるように設定されたスクリュ
ー押出機を用いて溶融混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナーお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用トナー(以下、「トナー」と
略す)は、結着樹脂、着色剤、更に必要に応じ、離型
剤、帯電制御剤とを混合、溶融混練し、冷却固化後、粉
砕分級して得られる。更に流動性付与剤、帯電制御剤、
クリーニング助剤等をトナー表面に付着・固着させる混
合工程、更に混合工程等で発生した粗大物を篩分して除
去する工程を設けている。
【0003】近年では、高画質化を目的としたトナーの
小粒径化が進められ、また低温定着性を確保するため、
結着樹脂としてポリエステル系樹脂が使用されることが
多くなってきた。こうした背景から、もともと時間を要
する工程であった微粉砕工程が、さらに長時間を要し生
産性を低下させる原因となっている。そこで、粉砕能力
を向上させるために粉砕機の改良が広く行われている
が、粉砕機のスケールアップや高エネルギー消費等、生
産性を上げる代わりに製造コストが増加することになり
やすく、材料側からの粉砕性の改良を考えなければなら
ない状況にある。これらの解決策として、結着樹脂の構
成モノマーを変更したり、軟化点やガラス転移点を低下
させる等の方法は、トナーの粉砕性を向上させるが、粉
砕機または分級機の内部や、それらを接続する配管内に
付着しやすく、ひどい場合は融着して製造条件に影響を
与えることになる。またトナーとしての帯電特性や定着
特性にも少なからず影響があり、粉砕性が改善された反
面、前記特性を犠牲にするものも多い。別の方法とし
て、粉砕性を改善する材料の添加が考えられ、例えば特
開平4−257868公報には、芳香族石油樹脂を使用
して粉砕性と定着性能を両立させる技術が、また、特開
平8−278658公報には水素添加石油樹脂を使用し
て粉砕性と熱保存性を両立させる技術が開示されてい
る。しかしながら、これらの技術では、粉砕性の改良は
できるものの、トナーの帯電性を悪化させるという問題
が生じる。
【0004】このような粉砕性が改善されたトナーにお
いては、着色剤、粉砕助剤、更に必要に応じて離型剤、
帯電制御剤等の成分が結着樹脂中に均一に、しかも細か
く分散していることが不可欠である。各構成成分が、結
着樹脂中に偏在している分散不良、或いは均一に分散し
ているが分散単位が大きい状態が生じると、溶融混練後
の工程、つまり粉砕工程で、着色剤、粉砕助剤、更に必
要に応じ添加した離型剤、帯電制御剤の偏在した部分或
いは分散単位が大きい部分でトナーが粉砕されるため、
表面への露出または遊離を起こした状態で微粉化される
ことになる。その結果、成分構成の不均一なトナーが作
製され、トナーの粉体流動性の著しい低下、帯電量分布
のブロード化を招く。また分散が顕著に悪い場合には、
単一成分のみの粒子、または組成偏在の粒子がトナーに
混在することになる。
【0005】例えば、その粒子成分が離型剤である場合
には、帯電性が著しく異なるばかりでなく、複写機内部
で転写されないため、クリーニングブレードにより擦ら
れて感光体上にフィルミング化したり、現像ロールと帯
電ブレード間で擦られて現像ロール上に繊維状になり
“筋”の原因になることがある。また、粒子成分が着色
剤である場合には、カラートナーでは色調が得られず、
さらに着色剤が磁性粉である場合には、磁性粉の凝集体
および磁性粉偏在部分から、いわゆる遊離磁性粉が生
じ、複写機内において感光体表面に傷を与えたり、現像
剤担持体上に保持されたまま蓄積され、徐々に濃度ムラ
を起こす等の問題を招く恐れがある。
【0006】また粉砕助剤の分散単位が大きいというこ
とは、粉砕され易い部分と、粉砕されにくい部分を有す
ることになるため、所望とする粒径に至るまで粉砕され
ない粒子が存在するばかりでなく、異常に過粉砕された
粒子も存在することになり、粉砕品の粒度分布がブロー
ドなトナーとなる。現在、コピーやプリンター等全ての
機器において、高画質化、高信頼性、高速化が主に求め
られており、その結果、トナーに対する要求の一つとし
て、小粒径はもとより、狭粒度分布化が求められてい
る。トナーに小粒径かつ狭粒度分布化が要求された場
合、粉砕助剤は不可欠のものとなるが、粉砕助剤の分散
単位が不均一である場合には、粉砕品の粒度分布がブロ
ードとなり、分級機の負荷が大きくなるばかりでなく、
要求される狭粒度分布のトナーを得ることができない。
更に粉砕助剤の分散が悪い場合には、粒度分布の広いト
ナーができるばかりでなく、粉砕工程の能力が分散によ
り不安定になり、製造プロセスにおいては、安定生産性
に関し重大な問題となる。
【0007】ところで、これら、着色剤、粉砕助剤の分
散性は溶融混練工程においてほぼ決定される。一般的な
混練装置としては、1または2以上の回転軸(スクリュ
ー、ロータ、ロール等)を有するものが使用されるが、
連続生産性、耐摩耗性等の点からスクリュー押出機が主
に使用されている。通常、トナーの製造に用いられるス
クリュー押出機は、図4に示される構造を有している。
主に原材料を搬送する送りスクリューと主に混練を行う
ニーディングディスクを組み合わされた2本のスクリュ
ー1が通っており、その周囲をバレル3が囲っている。
バレルはヒーターや水、油等で加熱冷却が行われ、また
スクリュー1は水等で冷却が行えるようになっている。
【0008】トナー原材料は、フィード口2から供給さ
れ、送りスクリューによりニーディング部へと送られ
る。この時送りスクリュー部のバレル3を加熱してお
き、通過する間に原材料を溶融状態に変化させる。そし
て溶融した原材料は、ニーディング部において、充満さ
れ剪断力を受けることにより混練され、その後、混練物
は排出口4から排出される。
【0009】混練温度を十分高くすると、着色剤は完全
溶融の状態にある結着樹脂によって十分に濡らされ、分
散されることが可能となるが、この状態において、粉砕
助剤はもともと結着樹脂との相溶性があまり良好ではな
いこと、混練時に粘度が非常に低くなっているため、混
練機の剪断がかかりにくいこと等の点から、分散させる
ことが難しい。したがって、これらの粉砕助剤は、分散
単位が大きい状態のまま、或いは一旦は均一微細に分散
されたとしても、低粘度状態のため再凝集した状態で排
出されることになる。また、この場合と逆に、混練温度
を低くすると、粉砕助剤は、混練機の剪断を十分に受け
るが、結着樹脂との相溶性(濡れ性)が悪く、結果とし
て、凝集体のまま、或いは結着樹脂中に偏在した状態で
混練機から排出されることになる。
【0010】これら粉砕助剤の分散単位が大きくなるこ
とを防ぐ方法が特開平2−97969公報、特開平6−
118713公報に開示されているが、これらはいずれ
も混練作用が終了した後に冷却するものであり、混練時
の分散単位が大きく不均一なものである場合には効果が
ないものである。また特開平4−194869公報に
は、混練温度における樹脂粘度とポリオレフィン粘度の
比を規定することにより、樹脂中にポリオレフィンを均
一に分散させることを意図した技術が開示されている
が、ポリオレフィン分散単位として10μm以上のもの
に着目している点で、小粒径トナーに関するものではな
い。
【0011】以上のように、溶融混練工程において、小
粒径トナーにおいて不可欠な粉砕助剤を結着樹脂中に均
一に分散させる技術は未だ存在しておらず、小粒径トナ
ーを効率よく、かつ、トナー特性に影響のない様に生産
することは、依然として難しい状況にある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決することを目的とするものであり、結着樹脂のレ
オロジーを変化させないことで設備への融着による製造
性の低下を回避し、かつ、帯電性能、定着性能、色等の
トナーの基本性能に悪影響を与えず、小粒径トナーにお
いても十分な高生産性を維持することを可能にする電子
写真用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用トナ
ーの製造方法は、少なくとも結着樹脂、着色剤、および
2種以上のモノマーの共重合体または重縮合体よりなる
重量平均分子量(Mw)5000以下の樹脂(以下、
「粉砕助剤」という。)を溶融混練し、粉砕するもので
あって、溶融混練工程において、送りスクリュー部と少
なくとも2か所のニーディング部とを有し、かつ、
(1)最初のニーディング部の混練温度が、結着樹脂の
溶融温度に対し−20℃〜+80℃の範囲になるように
設定された溶融混練部と、(2)2番目以降のニーディ
ング部の混練温度が、結着樹脂の溶融温度に対して−1
00℃〜+10℃の範囲になるように設定された溶融混
練部とを有し、(3)排出口の混練物温度が、上記重量
平均分子量(Mw)5000以下の樹脂の溶融温度に対
して−30℃〜+40℃の範囲になるように設定された
スクリュー押出機を用いて溶融混練することを特徴とす
る。
【0014】ここで上記(1)の溶融混練部とは、フィ
ード口と最初のニーディング部(ニーディングゾーン)
が始まる位置との中間地点から最初のニーディング部が
終る位置までのことであり、上記(2)の溶融混練部と
は、最初のニーディング部が終わる位置から排出部に至
るまでの部分である。本発明においては、ニーディング
部を少なくとも2つ以上設けているため、(2)の溶融
混練部には、1つ以上のニーディング部が存在し、更に
送りスクリュー部は2個所以上存在することになる。
【0015】これを図面によって説明する。図1は、本
発明に用いるスクリュー押出機の一例についてスクリュ
ーの状態を説明する図であって、図中1はスクリュー、
2はフィード口、3はバレル、4は排出口、5は液体添
加口である。全長Lのスクリュー1は、送りスクリュー
部Sa、Sb、Scとニーディング部Na、Nbとを有
している。また、M1は上記(1)の溶融混練部を意味
し、M2は上記(2)の溶融混練部を意味する。最初の
ニーディング部の混練温度は、A部のバレルの温度を所
定の温度(t1℃)に設定することによって設定され、
2番目以降のニーディング部の混練温度は、B部のバレ
ルの温度を所定の温度(t2℃)に設定することによっ
て設定される。図3は、本発明に用いるスクリュー押出
機の他の一例についてスクリューの状態を説明する図で
あって、この場合、溶融混練部M2に2つのニーディン
グ部Nb、Ncが存在している。なお、図2は、比較例
において使用した従来のスクリュー押出機を示すもので
あって、1つのニーディング部Nbが存在している。な
お、これらの図における他の符号は、上記図1における
ものと同意義を有する。
【0016】トナー原材料は、フィード口2から供給さ
れ、送りスクリュー部Saによりニーディング部Naへ
と送られる。この時送りスクリュー部のバレル(A部)
を加熱して、トナー原材料を溶融状態へと変化させ、ニ
ーディング部Naに送り込む。この際の混練温度を結着
樹脂の溶融温度に対し−20℃〜+80℃の範囲にする
ことが必要である。ニーディング部の混練温度は、バレ
ルの温度を調整することによって設定することができ
る。これにより結着樹脂は、ニーディング部で完全溶融
状態となり、剪断を受けて、着色剤、および粉砕助剤は
均一にしかも微細に分散されることになる。混練温度
が、結着樹脂の溶融温度に対して−20℃未満の場合
は、ニーディング部で高剪断を受けたとしても完全溶融
まで至らず、着色剤、粉砕助剤が相互に濡れにくい状態
となるため、分散が不十分になる。一方、結着樹脂の溶
融温度に対して+80℃を超える高い温度の場合は、結
着樹脂の粘度が低くなりすぎるため混練剪断力がかかり
にくく、着色剤や粉砕助剤の分散が進まないこと、また
次段階における混練物温度の調整の際に、所望とする温
度まで下げる操作が必要となり、不経済であり、かつ供
給能力が高い場合は下げることすら難しくなること等の
問題が生じる。
【0017】二番目の溶融混練部M2におけるニーディ
ング部Nbの混練温度は、結着樹脂の溶融温度に対して
−100℃〜+20℃の範囲に設定することが必要であ
る。ニーディング部の混練温度は、バレルの温度を調整
することによって設定することができる。混練温度が、
結着樹脂の溶融温度に対して、−100℃未満の場合、
ブライン等の特殊冷却設備が必要になるばかりでなく、
押出機内で溶融物とバレルの温度差がありすぎ、混練物
がスクリュー部に巻き付く為に分散において逆の効果、
すなわち混練物の冷却効果がなくなり、所望の混練温度
にすることができないという現象が現れる。一方、結着
樹脂の溶融温度に対して、+20℃を超える温度の場合
は、(1)の溶融混練部分で高い温度となった樹脂の温
度を十分冷やすことができず、すなわち、粘度が低くな
りすぎるため混練剪断力がかかりにくく、着色剤や粉砕
助剤の分散が進まない。
【0018】ニーディング部の長さは、全スクリュー長
をLとすると、剪断力を与えて分散させるという点か
ら、少なくとも0.05L以上あることが必要である。
しかしながら、極端に長くすると次段階で使用する部分
が短くなるため、それぞれ0.15L以下の範囲に設定
することが望ましい。ニーディング部のニーディングデ
ィスクとしては、送り能力を有するもの、戻し能力を有
するもの、中立のもの等が挙げられるが、これらを数種
組み合わせて使用することもできる。また、ニーディン
グ部の前にベント口を設け、トナー原材料中のエアを抜
いて充満率を高めることも可能である。これによってニ
ーディング部でより効果的に剪断を受けやすくなる。こ
れらの作用により、ニーディング部を通過したトナー原
材料の混練物は、着色剤および粉砕助剤が均一に細かく
分散した状態になる。
【0019】次に混練物の排出口での温度が、粉砕助剤
の溶融温度に対して−30℃〜+40℃の範囲になるよ
うに調整を行う。この温度範囲に調整し、設定すること
によって、押出機の与える剪断力が効果的に加わり、混
練物中の粉砕助剤の分散単位を細かくし、かつ維持する
ことが可能になる。粉砕助剤の溶融温度に対して+40
℃より高い温度にした場合には、剪断がかかりにくいた
め、分散単位が細かくなりにくく、仮に細かくなったと
してもその状態を維持することが難しい。一方、溶融温
度より30℃を超えて低くなると、分散単位は細かくで
きるものの、溶融物の粘度が高くなりすぎ、押出機の負
荷が増えるとともに、排出性が悪化、すなわち生産性が
極端に悪化するため好ましくない。
【0020】なお、上述した溶融温度は、温度−見かけ
粘度曲線上で、溶融粘度が1×104 Pa・sのときの
温度を指す。溶融粘度は以下のように求められる。◎溶
融粘度の測定フローテスターCFT−500F型(島津
製作所製)を用いて、温度−見かけ粘度曲線を得た。 昇温速度 3.0℃/分 開始温度 80.0℃ 到達温度 150.0℃ 測定間隔 3.0秒 予熱時間 300.0秒 シリンダ圧力 10.0kgf/cm2 ダイ穴径 1.0mm ダイ長さ 1.0mm
【0021】混練物の排出口での温度を粉砕助剤の溶融
温度に対して−30℃〜+40℃の範囲になるように調
整する方法としては、押出機のバレルの冷却或いは加熱
温度設定の変更、スクリューの冷却、更にバレルに取り
付けたノズル(液体添加口)を介して水、エタノール、
メタノール等の液体を混練物に注入添加し、その蒸発潜
熱を利用して冷却する等の方法があげられ、これらを単
独あるいは組み合わせて用いることができる。中でも、
液体の注入添加による冷却は、混練物から直接熱を奪え
るため特に効果的であり、複数のバレルがあることか
ら、注入する位置、注入箇所を任意に選ぶことも可能で
ある。注入位置としては、上記(2)の溶融混練部分に
おけるニーディング部までの場所で行うとその効果はよ
り一層現れるので好ましい。
【0022】この部分のスクリュー構成としては、剪断
速度γ(sec-1)が、2100<γ<18000の範
囲にあれば、送りスクリューにおける撹拌のみでも十分
に粉砕助剤を分散することが可能である。 γ=πDN/60h ここで、π=円周率、D=スクリュー径(mm)、N=
スクリュー回転数(r.p.m.)、h=スクリューと
バレルとのクリアランス(mm)
【0023】粉砕助剤をより細かく分散させたい場合、
また必要に応じて帯電制御剤および離型剤を添加する場
合等のように、より高分散が求められる場合において、
上記の(2)の溶融混練部分に全スクリュー長Lに対し
て、0.05L〜0.15Lの範囲で更にニーディング
部を設けることも可能である。0.15Lより長くなる
と、剪断により発熱する混練物の温度を抑えるための冷
却が必要となり、不経済になるので好ましくない。ニー
ディングディスクとしては、上記と同様に、送り能力を
有するもの、戻し能力を有するもの、中立のもの等挙げ
られるが、これらを数種組み合わせて使用することがで
きる。
【0024】上述した如く、混練温度および混練物温度
を調整することにより、混練物中の粉砕助剤は細かく分
散され、しかも分散単位が大きくなることなく押出し機
の排出口から吐出される。既に均一微細に分散されてい
た着色剤等の他成分は、その分散状態が損なわれること
なく後半部を通過することができ、それにより粉砕助剤
の分散と着色剤等の分散の両立した混練物を得ることが
できる。
【0025】本発明に使用される粉砕助剤は、2種以上
のモノマーの共重合体または重縮合体よりなる重量平均
分子量(Mw)5000以下の樹脂であって、粉砕能力
を上げることができるものであれば如何なる樹脂でもよ
いが、一般に芳香族系モノマー、脂肪族系モノマーから
選ばれる2種類以上のモノマーの共重合体または重縮合
体よりなる重量平均分子量(Mw)5000以下(好ま
しくは3000以下)の樹脂が好ましく使用される。単
一モノマーの重合によって得られた重合体も粉砕性を上
げるという目的からは使用可能であるが、粉砕能力を上
げるために、2種類以上のモノマーの共重合体または重
縮合体よりなる樹脂に対してより多くの量を必要とし、
その結果、粉砕性を上げるためにトナーの定着特性に悪
影響を与える。更に高分散させる為に混練時間を極端に
必要とし、すなわち、混練の供給速度を極端に落とさな
ければならず(原因は不明)、生産性も劣るものとな
る。具体的な粉砕助剤となる樹脂としては、芳香族系石
油樹脂、脂肪族系石油樹脂、スチレン系樹脂、クマロン
樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添ロジンエステル系
樹脂、C9系石油樹脂、C5系石油樹脂、C5/C9系
石油樹脂、テルペン系樹脂、水添芳香族系石油樹脂、ピ
ネン樹脂、インデン系樹脂、部分水添芳香族石油樹脂、
芳香族系モノマーと脂肪族系モノマーとの共重合樹脂、
芳香族系モノマーとインデン系モノマーとの共重合樹
脂、インデン系モノマーと脂肪族系モノマーとの共重合
樹脂等、モノマーを数種組み合わせた共重合樹脂および
重縮合樹脂があげられる。
【0026】これらの樹脂のうち、モノマーの一つがス
チレン系モノマーである場合に、内部分散が優れ、かつ
粉砕助剤としての能力、粉砕粒度分布、トナー特性への
悪影響がないので好ましい。特にスチレン系モノマーと
インデン系モノマーとの共重合体を使用したときにその
効果が絶大となる。より具体的には、下記一般式(I)
で示されるスチレン系モノマーと下記一般式(II)で示
されるインデン系モノマーとの共重合体であって、
(I)/(II)のモル比が30/70〜80/20であ
り、かつ軟化点Tmが100〜170℃のものがあげら
れる。
【0027】
【化1】 (式中R1 、R2 、R3 およびR4 は同一でも異なって
もよく、水素原子または炭素数4以下のアルキル基を表
し、R5 、R6 およびR7 は同一でも異なってもよく、
水素原子または炭素数6以下のアルキル基を表す。) 上記一般式(I)において、R1 、R2 、R3 およびR
4 が炭素数4以下のアルキル基である場合の例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等があ
げられる。上記一般式(I)で示されるスチレン系モノ
マーの具体例としては、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン等があげら
れ、なかでも、イソプロペニルトルエンが特に好まし
い。また、上記一般式(II)において、R5 、R6 およ
びR7 が炭素数6以下のアルキル基である場合の例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基等があげられる。上記一般式(I
I)で示されるインデン系モノマーの具体例としては、
インデン、メチルインデン、エチルインデン等があげら
れ、これらのなかでも、インデンが特に好ましい。この
場合、純度の高いピュアモノマーを使用すると、樹脂の
着色や、加熱時の臭気を低く押さえることができるので
より好ましい。
【0028】また、その他の好ましいスチレン系共重合
樹脂としては、上記一般式(I)で示されるスチレン系
モノマーと他の脂肪族系モノマーまたは芳香族系モノマ
ーとの共重合樹脂があげられ、他の脂肪族系および芳香
族系モノマーとしては、例えば、プロピレン、ピペリレ
ン等のC3留分ないしC9留分があげられる。
【0029】本発明に使用する上記共重合樹脂の製法に
ついては、特開平6−184249公報に詳記されてお
り、その他の例として、脂肪族炭化水素−芳香族炭化水
素共重合石油樹脂の製法については特開平8−3334
25公報に、芳香族炭化水素単一重合石油樹脂の製法に
ついては、特開昭49−118729公報、特開昭49
−118945公報、特公昭54−34033公報に記
載の方法を挙げることができる。
【0030】本発明に使用する粉砕助剤である上記樹脂
は、低分子量(低溶融粘度)で高い軟化点を有し、さら
に各種樹脂、エラストマー、ワックスとの相溶解性のバ
ランスが良いという特徴を有しており、結着樹脂と溶融
ブレンドすることにより熱保存性と粉砕性を両立するこ
とが可能であり、トナーの帯電特性にも影響を与えるこ
とがない。本発明に使用される粉砕助剤の使用量として
は、トナー結着樹脂100重量部に対して0.5〜15
重量部である。より好ましくは1〜10重量部である。
0.5重量部以下の場合には、粉砕性に効果がみられ
ず、15重量部以上の場合には、トナーが過粉砕されや
すくなり、分級プロセスでの負荷が大きくなるばかりで
なく、現像機の中でトナーの粒子径が大きく変化してし
まう。また、一般に粉砕助剤である上記樹脂は、結着樹
脂より高価であることが多く、価格の面からもその使用
量は必要最低限にするのが好ましい。
【0031】また、本発明に使用される上記樹脂の溶融
温度(環球式軟化点)は、80〜170℃が好ましく、
より好ましくは100〜160℃である。さらには、1
30〜160℃である。溶融温度が170℃以上の場合
には、低温定着性を悪化させる懸念がある。
【0032】本発明に使用する結着樹脂としては、トナ
ー用として従来から使われているもの(熱可塑性樹脂)
ならば如何なるものでも使用できる。具体的には、スチ
レン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸
ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカル
ボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル
類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、それら単
独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に
代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−
アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸
アルキル共重合体、スチレン−アクリルニトリル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を
あげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変
性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができ
る。以上のような結着樹脂として、溶融温度が80℃〜
150℃の範囲となるような構造・分子量の結着樹脂が
好ましい。特に、スチレン−アクリル系樹脂およびポリ
エステル系樹脂が好ましい。
【0033】特に本発明においては、結着樹脂として、
数平均分子量Mn=2500〜5500、重量平均分子
量Mw=7000〜30000、軟化点が95〜120
℃、ガラス転移点が60〜75℃を有し、クロロホルム
不溶分を含有しないポリエステル樹脂を使用し、また粉
砕助剤として上述したスチレン系モノマーとインデン系
モノマーの共重合体を使用した場合に、粉砕後の粒度分
布が特にシャープになり高画質を実現でき、かつ、定着
・帯電等のトナー特性に全く影響を与えない等、顕著な
効果が生じるので好ましい。
【0034】上記ポリエステル樹脂は、多価ヒドロキシ
成分と多価カルボン酸とから製造されるが、多価ヒドロ
キシ成分としては、例えば、2価のアルコール成分とし
て、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水
素添加ビスフェノールA等を用いることができる。ま
た、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、
ソルビトール、1,4ソルビタン、トリメチロールプロ
パン等を用いることができる。
【0035】また、上記多価ヒドロキシ成分と縮合させ
る2価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデ
セニルコハク酸、n−オクチルコハク酸およびこれらの
酸の低級アルキルエステルをあげることができる。
【0036】結着樹脂のより好ましいものとしては、2
価のヒドロキシ成分であるポリオキシエチレン(2.
2)−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリ
オキシプロピレン(2.2)−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、3価以上の多価アルコール成分およ
び2価のカルボン酸を構成成分とするものがあげられ
る。
【0037】本発明に使用するポリエステル樹脂は、ク
ロロホルム不溶分を含有しないことが好ましい。その様
なポリエステル樹脂を製造する際には、その分子量が適
切な範囲となった時点で反応を終了する等の方法によっ
て、生成するポリエステル樹脂の分子量が高くならない
ようにして作製する必要がある。
【0038】トナー粒子の着色剤としては、カーボンブ
ラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイル
ブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュ
ポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルー
クロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリー
ンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、
C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメ
ント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド1
22、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピ
グメント・イエロー97、C.I.ピグメント・ブルー
15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代
表的なものとして例示することができる。また、顔料の
水性ペーストおよび結着樹脂を樹脂の軟化点以上の温度
で常圧にて混練しフラッシング処理を施したフラッシン
グ処理生成物、あるいは同じ着色剤の乾燥顔料と結着樹
脂とを加熱溶融して、高剪断力を付与しながら、例え
ば、加熱型2本または3本ロール等の手段により、混合
することによって作製した高濃度顔料ペレットを用いて
もよく、色材分散の観点からは後者の方がより好まし
い。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対し
0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲
である。着色剤の含有量が0.5重量%より少なくなる
と着色力が弱くなり充分な効果が発揮できない。また、
15重量%より多くなると透明性が悪化する。
【0039】磁性トナーを得る場合には、上記着色剤の
一部または全部を磁性体に置き換えればよい。磁性体と
しては、従来から一般的に使われている公知の磁性体で
あれば如何なるものでも使用することができる。例え
ば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属およびこれらの合
金、Fe3 4 、γ−Fe2 3 、コバルト添加酸化鉄
等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェラ
イト等の各種フェライトにより形成されるものが使用さ
れる。これらの磁性体の平均粒径は、一般に0.05〜
0.5μmの範囲が適当である。また、帯電性、分散性
を付与させるためにシランカップリング剤またはチタン
カップリング材等で表面処理を施したものも使用可能で
あるが、本発明では表面未処理の磁性粉の場合に効果が
大きい。
【0040】本発明において、トナーには、耐オフセッ
ト性を完全なものにするために離型剤を添加することが
できる。離型剤としては、炭素数8以上のパラフィン、
ポリオレフィン等が好ましく、例えば、パラフィンワッ
クス、パラフィンラテックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレ
ン等があげられ、これらは単独あるいは併用して使用す
ることができる。軟化点の好ましい範囲は110℃〜1
50℃である。本発明で、離型剤を2種以上使用する場
合は、最も軟化点の低い離型剤に対して温度の調整/設
定を行うことが好ましい。使用する量は1〜15重量
%、好ましくは3〜10重量%であり、1重量%より低
い場合は、効果が発揮されず、また、15重量%より高
い場合は、極端に流動性が悪化すると共に帯電分布が非
常に広いものになってしまう。なお、軟化点の測定は、
JIS K−2207の軟化点試験方法(環球法)によ
る。
【0041】また、トナーに耐久性、流動性あるいはク
リーニング性を向上させることを目的として、必要に応
じて、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機
微粉末、脂肪酸またはその誘導体、および金属塩等の有
機微粉末、フッ素系樹脂、ポリエチレン微粒子、アクリ
ル系樹脂微粉末等の樹脂微粉末等の樹脂微粒子を外添剤
として添加することができる。また必要に応じて加える
ことのできる帯電制御剤としては、フッ素系界面活性
剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含
金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体
の如き高分子酸、四級アンモニウム塩、ニグロシン等の
アジン系染料等があげられる。本発明によって作製され
るトナーは、一成分系トナーとしても、また二成分系ト
ナーとしても使用することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1〜3 結着樹脂:ポリエステル樹脂 87重量% (テレフタル酸/ビスフェノールAのエチレンオキサイド 付加物/シクロヘキサンジメタノール=50/25/25) Mw=15000、Mn=4300、Tg=66℃、 溶融温度Tm=110℃) 粉砕助剤:イソプロペニルトルエン・インデン共重合体 8重量% (重合比50:50) Mw=2040、Mn=1190、溶融温度Tm=145℃ 着色剤:C.I.ピグメント・レッド122 5重量% 上記組成物を75Lヘンシェルミキサー(三井三池社
製)で混合撹拌し、混練材料とした。次いでこの混合物
を図1に示すスクリュー構成を有するスクリュー押出機
で、下記表1に示す条件にて混練した。得られた混練物
を水冷タイプの冷却コンベアにて圧延冷却した後、流動
層型粉砕機(AFG400、アルピネ社製)にて粉砕
し、慣性式分級機(EJ30、日鉄鉱業社製)にて分級
し、体積平均粒径約7μmのトナーを得た。このトナー
粒子に外添剤として、トナー重量に対して平均粒径40
nmのヘキサメチルジシラザンで処理したシリカ0.5
重量%、メタチタン酸をイソブチルトリメトキシシラン
50重量%で処理後、焼成して得られたチタン化合物
(平均粒径30nm)0.7重量%を加え、75Lヘン
シェルミキサーにて10分間混合し、その後風力篩分機
(ハイボルター300、新東京機械社製)にて篩分して
トナー1〜3を作製した。
【0043】なお、粒度(粒径)の測定は、コールター
エレクトロニクス社のコールターマルチサイザーIIによ
って行った。粒度分布の評価は、D50(vol)、≦4
μm量、下GSD(POP D50/D16)、上GSD
(VOL D84/D16)等で実施した。GSDに関して
は、数値の小さい方がよいことを示す。
【0044】比較例1〜6 実施例1と同様のトナー組成物を用いて、図1または図
2で示されるスクリュー押出機を用い、表1に示す混練
条件にて混練し、実施例1と同様の条件で処理を行い、
トナー4〜9を作製した。 比較例7 粉砕助剤を添加する代わりに結着樹脂を95重量部用い
た以外は、実施例1と全く同様の方法でトナー10を得
た。 比較例8 結着樹脂をポリエステル樹脂(テレフタル酸/ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物/ビスフェノール
Aのプロピレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメ
タノール=50/20/10/20、Mw=1300
0、Mn=4300、Tg=64℃、溶融温度Tm=1
04℃)87重量%に変更した以外は、比較例7と全く
同様の方法でトナー11を得た。
【0045】実施例4および5 結着樹脂をポリエステル樹脂(テレフタル酸/ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサン
ジメタノール=50/25/25、Mw=21000、
Mn=4900、Tg=69℃、溶融温度Tm=120
℃)、粉砕助剤をイソプロペニルトルエンを主成分とす
るプロピレンおよびピペリレンとの共重合樹脂(重合比
98:1:1、Tm=125、Tg=65℃、Mw=1
950、Mn=1150)、着色剤をフタロシアニンブ
ルー(C.I.ピグメント・ブルー15:3)に変更
し、表1に示す混練条件で混練した以外は、実施例1と
全く同様の方法でトナー12および13を得た。
【0046】比較例9および10 実施例2と同様のトナー組成を用いて、図1または図2
で示されるスクリュー押出機を用い、表1に示す混練条
件にて混練し、実施例1と同様の条件で処理を行い、ト
ナー14および15を作製した。 比較例11 粉砕助剤を添加する代わりに結着樹脂を95重量部に変
更した以外は、実施例4と全く同様の方法でトナー16
を得た。
【0047】実施例6 粉砕助剤をイソプロペニルトルエン・インデン共重合樹
脂(Tm=161、Tg=85℃、Mw=2270、M
n=1470)、着色剤をカーボンブラック(R33
0、キャボット社製)、結着樹脂をスチレン/ブチルメ
タクリレート共重合体(重合比70:30、Mw=13
0000、Tm=135℃、Tg=60℃)に変更し、
図3に示すスクリュー構成を有するスクリュー押出機を
用い、表1に示す混練条件で混練した以外は、実施例1
と全く同様の方法で、体積平均粒径8μmのトナー17
を得た。
【0048】比較例12および13 実施例6と同様のトナー組成物を用いて、図3で示され
るスクリュー押出機を用い、表1に示す混練条件にて混
練し、実施例1と同様の方法で処理を行い、体積平均粒
径8μmトナー18および19を作製した。 比較例14 粉砕助剤を添加する代わりに結着樹脂を95重量部に変
更した以外は、実施例6と全く同様の方法でトナー20
を得た。
【0049】
【表1】 なお、表1中、A部バレル設定温度が最初のニーディン
グ部の混練温度に該当し、B部バレル設定温度が2番目
またはそれ以後のニーディング部の混練温度に該当す
る。
【0050】上記のトナー1〜20について、各種の評
価を行った。その結果を下記表2に示す。 (粉砕助剤の分散径)作製したトナー(粉砕助剤を分散
させたもののみ)に対して、粉砕助剤の分散径を測定し
た。測定は次のようにして行った。混練後の圧延・冷却
スラブをミクロトー厶の如きカッターで0.15μm程
度の厚さに切り、透過型電子顕微鏡で4500倍の写真
を撮り、60μm×45μmの視野中の直径(円相当
径)を画像解析装置にて測定した。粉砕助剤の平均分散
径は次の基準で表した。 ○:0.5μm未満、△:0.5以上ないし1.5μm
未満、×:1.5μm以上
【0051】(粉砕条件および粉砕結果) 1)粉砕能力は、AFG400の目標粒度(D50)を得
る能力とした。 ○:40kg/Hr以上、△:30以上ないし40kg
/Hr未満、×:30kg/Hr以下2)粒度分布 粉砕後の粒度分布を、コールターエレクトロニクス社の
コールターマルチサイザーIIにて測定し(D50(vo
l)、≦4μm量、下GSD(POP D50/D16)、
上GSD(VOL D84/D16))の値で評価した。 ○:1.27未満、△:1.27以上〜1.32未満、
×:1.32以上 3)粉砕安定性 粉砕後の粒度安定性(n=50、D50/2σn-1 )を、
n=50の平均粒径/2σで評価した。 ○:2%未満、△:2%以上〜3%未満、×:3%以上 (分級に関する評価) 1)分級得率 同じ粒径を得る為の分級得率の評価基準は次の通りであ
る。 ○:70%以上、△:50以上〜70%未満、×:50
%未満 2)分級エッジの融着量 慣性式分級機:EJ30のエッジ上の融着量を、Fエッ
ジについて、100kgの粉砕品を流した後の重量で評
価した。 ○:100mg未満、△:100mg以上〜500mg
未満、×:500mg以上 (篩分後中粉量)篩分(45μm目開き)後の≧20μ
mのトナー重量(100g中)を測定した。篩分後トナ
ー100g中の中粉存在量の評価基準は次の通りであ
る。 ○:100ppm未満、△:100ppm以上〜500
ppm未満、×:500ppm以上 (総合評価) ◎:非常に良好、○:良好、×:悪い。
【0052】
【表2】 更に、平均粒径50μmのフェライトコアに0.05重
量%にあたる弗化ビニリデンと1.25重量%にあたる
メチルメタクリレートとトリフロロエチレンとの共重合
体(重合比80/20)樹脂をニーダー装置を用いコー
ティンク゛し、キャリアを得た。このキャリアとトナー
1〜20を100重量部:6重量部の割合で2リッター
のVブレンダーで混合し、現像剤1〜20を得た。
【0053】得られた現像剤1〜20を用い、複写機
(A−Color635、富士ゼロックス社製)によ
り、35℃、85%の環境にて10万枚の維持性テスト
を実施した。10万枚後のコピー画質(濃度維持性およ
び背景カブリ)および感光体付着物の状況および現像剤
の帯電劣化の程度を測定した。その結果を表3に示す。
【0054】(濃度維持性および背景かぶり)100枚
測定中の最小光学濃度および背景カブリを次の基準で評
価した。 濃度維持性 ○:1.2以上、△:0.8以上〜1.2
未満、×:0.8以下 背景カブリ ○:なし、△:画質上問題なし、×:画質
上問題あり (帯電量低下)帯電劣化程度は、初期の帯電量を1とし
た時の割合で評価した。 ○:0.7以上、△:0.3以上〜0.7未満、×:
0.3未満 (感光体付着)感光体表面について、2万枚印刷後の状
態を観察し、付着物の度合いを評価した。評価基準は次
の通りである。 ○:付着物なし、△:付着が若干見られるが画質劣化な
し、×:画質に影響あり (総合評価) ◎:非常に良好、○:良好、×:悪い。
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】本発明は、上記のように、粉砕助剤とし
て2種以上のモノマーの共重合体または重縮合体よりな
る重量平均分子量5000以下の樹脂を使用し、特定溶
融混練条件の下で溶融混練を行うので、小粒径トナーの
作製においても、結着樹脂を割れやすいものに変更する
ことなく、設備への融着を発生させることなく粉砕する
ことができ、且つ定着性へ影響を与えないトナーを作製
することができる。したがって、従来粉砕性を高めるた
めに結着樹脂を変更し、そのために設備への融着が激し
くなり、安定生産ができなかったという問題点が解決さ
れる。また、溶融混練工程において、粉砕助剤を結着樹
脂内に均一かつ微細に分散させることができるため、粉
砕後の粒度分布がシャープであり、かつ、粉砕工程が安
定する。その結果、分級プロセスに負荷をかけることな
く、狭粒度分布のトナーを得ることができる。また、粉
砕助剤の分散が良好になされているため、色特性、帯電
特性、画像の濃度維持性に全く影響を与えないトナーを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いるスクリュー押出機の一例であ
って、スクリューの状態を説明するための模式図であ
る。
【図2】 従来の製造方法に用いたスクリュー押出機の
一例であって、スクリューの状態を説明するための模式
図である。
【図3】 本発明に用いるスクリュー押出機の別の一例
であって、スクリューの状態を説明するための模式図で
ある。
【図4】 本発明および従来技術において使用するスク
リュー押出機の概略構成図である。
【符号の説明】
1…スクリュー、2…フィード口、3…バレル、4…排
出口、5…液体添加口、。Sa,Sb,Sc…送りスク
リュー部、Na,Nb…ニーディング部、M1,M2…
溶融混練部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 雅樹 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 五十嵐 潤 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、および2
    種以上のモノマーの共重合体または重縮合体よりなる重
    量平均分子量5000以下の樹脂を溶融混練し、粉砕し
    て電子写真用トナーを製造するに際し、溶融混練工程に
    おいて、送りスクリュー部と少なくとも2か所のニーデ
    ィング部とを有し、かつ、(1)最初のニーディング部
    の混練温度が、結着樹脂の溶融温度に対し−20℃〜+
    80℃の範囲になるように設定された溶融混練部と、
    (2)2番目以降のニーディング部の混練温度が、結着
    樹脂の溶融温度に対して−100℃〜+10℃の範囲に
    なるように設定された溶融混練部とを有し、(3)排出
    口の混練物温度が、上記重量平均分子量5000以下の
    樹脂の溶融温度に対して−30℃〜+40℃の範囲にな
    るように設定されたスクリュー押出機を用いて溶融混練
    することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記樹脂の重量平均分子量が3000以
    下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用ト
    ナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記樹脂が石油樹脂である請求項1また
    は請求項2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかによ
    って得られた電子写真用トナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003015348A (ja) * 2001-07-03 2003-01-17 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2006047879A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Kao Corp トナーの製造方法
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