JPH11201704A - ガイド付き寸法測定器を使用した測定方法 - Google Patents

ガイド付き寸法測定器を使用した測定方法

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JPH11201704A
JPH11201704A JP321298A JP321298A JPH11201704A JP H11201704 A JPH11201704 A JP H11201704A JP 321298 A JP321298 A JP 321298A JP 321298 A JP321298 A JP 321298A JP H11201704 A JPH11201704 A JP H11201704A
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measuring device
guide
dimension measuring
measuring
axis
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JP321298A
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Hiroshi Horikawa
宏 堀川
Yuji Kaneda
雄司 兼田
Hideki Machitori
秀樹 待鳥
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイド部材の位置が可変のガイド付き寸法測
定器を使用した新しい測定方法を実現。 【解決手段】 1組の測定用アーム52a,52b の一端に測
子51a,51b を設けて直径を検出する寸法測定器であっ
て、寸法測定器の軸に対して弾性で変位可能で、力を加
えない時の開閉位置が可変である複数のガイド部材41a-
41d から構成されるガイド手段と、寸法測定器を軸に垂
直な方向に変位に保持するフローティング手段71とを備
えるガイド付き寸法測定器を使用した直径の測定方法で
あって、ガイド部材の開閉位置を円筒面に接触しない状
態にする工程と、円筒面の中心軸上に寸法測定器の軸を
相対移動する工程111 と、軸方向に相対移動する工程11
2 と、複数のガイド部材を所定位置まで開閉する工程11
3 と、複数のガイド部材を所定量戻す工程115 と、出力
を読み取る工程116 とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穴の内径を測定す
るボアゲージなどで、測定器の穴に対する位置決め誤差
がある場合にも自動芯出しが可能なように、周辺部が同
心円状に開閉するガイドを有するガイド付き寸法測定器
を使用した測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】円柱の直径や円筒穴の直径を測定するに
は、2個の測子を有し、それぞれの測子の変位を検出す
る検出器を有する寸法測定器を使用する。被測定物(ワ
ーク)の測定部分に接触する測子は、例えば、支点で回
転可能に支持された測定用アームの一方の先端付近に設
けられ、他端の変位が電気マイクロメータやリニアセン
サ等の検出器で測定される。2本の測定用アームは、2
個の測子が同一平面内を変位するように配置されてお
り、直径を測定する場合には、2個の測子を直径に相当
する部分に接触させ、その時の検出器の出力の和が直径
に相当する。得られる検出結果は相対値なので、通常は
直径が精密に測定されているマスタワークを測定し、そ
の時の検出結果とマスタワークの直径を対応させて較正
するキャリブレーションと呼ばれる処理をあらかじめ行
った上で測定を行う。
【0003】直径を測定する場合、2個の測子が接触す
るワークの位置が、円柱又は円筒穴の中心を通る直線上
にあることが必要であり、この直線からずれると検出さ
れる直径値が徐々に減少する。加工ラインなどで円柱又
は円筒穴の直径を自動測定する場合、ワーク又は寸法測
定器の一方又は両方を、寸法測定器の中心軸が円柱又は
円筒穴の中心軸に一致するように相対移動させた上で、
中心軸方向に相対移動させて2個の測子を測定部分に接
触させて測定値を得る。従って、中心軸の一致具合は、
移動機構の移動精度やワークを保持する時の誤差などに
より決定され、中心軸を精密に一致させるには、精密で
高精度の移動機構やワークの保持機構を使用する必要が
ある。しかし、精密で高精度の移動機構やワークの保持
機構は高価であるという問題があった。
【0004】寸法測定器の中心軸が円柱又は円筒穴の中
心軸とずれている場合、寸法測定器を円柱又は円筒穴の
軸方向に相対移動させて測子を測定面に接触させる場
合、測子が円柱又は円筒穴の軸に垂直な面に当たって、
測子が損傷するという問題があった。また、測子が測定
部分に接触しなければ当然測定は行えない。更に、上記
のように、中心軸がずれている場合には、直径を正確に
測定できないという問題もある。そこで、たとえ寸法測
定器の中心軸と円柱又は円筒穴の中心軸がずれていて
も、測子を損傷することなしに、測子を測定面に接触で
きるようにすると共に、2個の測子が自動的に円柱又は
円筒穴の中心を通る直線上に位置する自動芯出し機構を
有する寸法測定器が考えられた。
【0005】図1は、自動芯出し機構を有する寸法測定
器の従来例の構造を示す図であり、円筒穴の内径測定用
寸法測定器である。第1の測定用アーム22aは、支点
23aで回転可能に支持されており、一方の先端部には
測子21aが設けられており、他方の先端部24aの変
位をリニアセンサなどの変位検出器26aで検出する。
ここでは、変位検出器26aの変位部材25aが他方の
先端部24aに接触しており、測子21aの接触位置が
変位すると他方の先端部24aが変位するので、それに
応じて変位部材25aが変位するので、変位検出器26
aが変位量を検出する。支点23aはベース27に固定
されており、測定用アーム22aは一方がベース27に
固定されたばね28で測子21aが外側に広がるように
付勢されている。図示は省略してあるが、第2の測定用
アーム22bについても同様の機構が設けられており、
一方の先端部に設けられた測子21bの変位が検出でき
るようになっている。なお、第1及び第2の測定用アー
ム22a、22bに関係する上記の機構は、寸法測定器
の中心を通る軸に対して、ほぼ対称に設けられており、
測子21aと21bは、この軸で分けられる同じ平面内
の両側の部分を変位するようになっている。ここでは、
この仮想の軸をアーム軸と呼ぶこととする。
【0006】参照番号11は、円筒状のガイド部材で測
子21aと21bが通る穴を有し、その先端はテーパ状
になっている。この従来の寸法測定器は、測定する穴の
直径に合わせて作られており、異なる直径であればガイ
ド部材や測定用アームの形状が異なり、異なる直径を測
定する場合には別の寸法測定器を用意する必要がある。
【0007】図2は、図1の自動芯出し機構を有する寸
法測定器を実際に使用する場合の様子を説明する図であ
る。実際に使用する場合には、図2に示すように、図1
の寸法測定器のベース27を、フローティング機構31
を介してヘッドベース32に取り付ける。通常は、図1
の寸法測定器、フローティング機構31及びヘッドベー
ス32を合わせたものを測定ヘッドと呼んでいる。フロ
ーティング機構31は、寸法測定器にアーム軸に垂直な
横方向の力が加えられた場合に、寸法測定器を横ずれさ
せるものである。
【0008】図2の(1)に示すように、測定ヘッドを
ヘッドベース32を保持して内径を測定する穴2の上に
移動し、測子21aと21bが穴2の内壁に接触するよ
うに、測定ヘッドを降下させる。この時、寸法測定器の
アーム軸が穴2の軸とずれているとすると、図示のよう
にガイド部材11a〜11dの先端のテーパ部分が穴2
のエッジに当る。そのまま測定ヘッドを降下させると、
ガイド部材11a〜11dのうち、テーパ部分が穴2の
エッジに当たっているものは穴2に沿うように変位す
る。この時、変位するガイド部材に対応する測定用アー
ムは、ガイド部材に測子の半球状の部分がエッジに当た
るように変位されるので、エッジで損傷することなし
に、穴の内部に導入される。これが、測子を損傷するこ
となしに、測子を測定面に接触できるようにするという
ガイドの第1の機能である。
【0009】更に、このガイド部材を変位させる力はベ
ース27に働き、フローティング機構31がベース27
をアーム軸が穴2の軸に一致する方向に横ズレさせる。
この状態が図2の(2)であり、たとえ軸がずれていて
も自動的に軸を一致させるので、自動芯出し機構と呼ば
れる。アーム軸が穴2の軸に一致した状態であれば、測
子21aと21bは、穴2の直径部分に接触するので、
正確に直径を測定することができる。これが2個の測子
を自動的に円柱又は円筒穴の中心を通る直線上に位置さ
せるというガイドの第2の機能である。
【0010】なお、図1に示したガイド付き寸法測定器
の場合も、マスタを測定してキャリブレーションを行う
が、上記のように、この測定器は測定する穴の直径に合
わせて作られており、対応する1つの直径のマスタを測
定してキャリブレーションすればよい。なお、図1及び
図2では、穴の直径を測定する場合の自動芯出し機構に
ついて説明したが、円柱の直径を測定する場合も同様で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】加工された部品の直径
を自動測定する測定ラインでは、各種の部品に対応でき
ることが望ましく、しかも自動的に対応できることが望
ましい。そのため、直径を測定する場合には、各種の異
なる直径を測定できることが望ましい。しかし、上記の
ように、図1及び図2で説明した自動芯出し機構を有す
る従来の寸法測定器は、測定する穴の直径に合わせて作
る必要があり、複数の異なる直径を測定する場合には何
種類もの寸法測定器を用意する必要があり、測定に要す
るコストが増加するという問題があった。そこで、本発
明の発明者らによってガイド部材の位置を測定する円筒
面を直径に合わせて変えられるようにしたガイド付き寸
法測定器が考えられた。
【0012】ガイド部材の位置が可変のガイド付き寸法
測定器は、これまでにないものであり、その機能を利用
して新しい測定方法が可能になる。本発明は、ガイド部
材の位置が可変のガイド付き寸法測定器を使用した新し
い測定方法を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のガイド付き寸法
測定器を使用した測定方法では、上記目的を実現するた
め、ガイド部材の開閉位置を、ガイド部材が測定する円
筒面と軸方向に同じ位置にあっても円筒面に接触しない
状態、すなわち、円筒穴を測定する場合にはガイド部材
を円筒穴の直径より十分に閉じた状態に、円柱を測定す
る場合にはガイド部材を円柱の直径より十分に開いた状
態にした後、測定部分の位置まで移動し、その後ガイド
部材を移動させて測子が測定面に接触する状態にして測
定を行う。
【0014】従来は、ガイドの位置は固定であり、測子
が円筒面の測定部分に接触するように変位させる時に
は、ガイド部材が円筒面の他の部分やエッジに接触しな
がら相対移動させた。そのため、その途中で円筒面やエ
ッジを損傷するという問題があった。これに対して、本
発明によれば、ガイド部材が(及び測子も)円筒面の他
の部分やエッジに接触しないような状態で測定する位置
まで移動し、その後ガイド部材を移動して測子を測定面
に接触させて測定することが可能である。
【0015】また、上記の方法で、ガイド部材を移動す
る時にガイド部材が円筒面に接触してから更に移動する
ことにより反力が働いて、フローティング手段により測
定器の軸が円筒面に軸に一致する方向に測定器が変位す
る。1組の測子では1つの方向の直径だけしか測定でき
ない。そこで、フローティング手段を含む測定器全体を
回転させる回転手段を設けて任意の方向の直径を測定で
きるようにすることが考えられる。この場合、ガイド部
材が円筒面の他の部分やエッジに接触しながら回転する
とそれらの部分を損傷する恐れがある。そこで、回転さ
せる時には、ガイド部材を若干移動してガイド部材が円
筒面及びエッジに接触しないか、接触しても接触圧が小
さい状態で回転するようにすることが望ましい。
【0016】本発明の上記の態様では、ガイド部材が円
筒面の他の部分やエッジに接触しないような状態で測定
する位置まで移動した後ガイド部材を移動させて測子を
接触させたが、従来例と同様に、寸法測定器を円筒面に
対して相対移動して測子を測定部分に接触させることも
可能である。この場合には、ガイド部材を円筒面の測定
部分の直径に応じて開閉した後、寸法測定器を円筒面に
対して相対移動させる。これにより、ガイド部材が円筒
面やエッジに接触しながら移動して、接触の反力に応じ
てフローティング手段により測定器の軸が円筒面に軸に
一致する方向に変位する。
【0017】前述のように、従来の自動芯出し機構を有
するガイド付き寸法測定器は、測定する直径に応じて作
られており、測定範囲は非常に狭かった。そのため、キ
ャリブレーションは、測定する直径に応じた1個のマス
タを測定するだけでよかった。これに対して、本発明の
ガイド付き寸法測定器は広い測定範囲を有するため、測
定範囲内の異なる直径を有する複数のマスタを測定し、
複数の測定値から較正曲線を算出して、読み取った寸法
測定器の出力を較正曲線に基づいて補正することが望ま
しい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明する
が、まず本発明の実施例で使用するガイド付き寸法測定
器について説明する。図3は、本発明の第1実施例のガ
イド付き寸法測定器で、自動芯出し機構を有する内径測
定用寸法測定器の構造を示す図である。この測定器は長
いので上下に分けて記載しているが、上側の右側の部分
が下側の左側の部分につながる。
【0019】第1の測定用アーム52aは、支点53a
で回転可能に支持されており、一方の先端部には測子5
1aが設けられており、他方の先端部54aの変位をリ
ニアセンサなどの変位検出器56aで検出する。ここで
は、変位検出器56aの変位部材55aが他方の先端部
54aに接触しており、測子51aの接触位置が変位す
ると他方の先端部54aが変位するので、それに応じた
変位部材55aの変位を変位検出器56aが検出する。
支点53aは図示していないベースに固定されており、
測定用アーム52aは一方が後述するガイド部材41a
に固定されたばね58aで測子51aが外側に広がるよ
うに付勢されている。第2の測定用アーム52bについ
ても同様の機構が設けられており、一方の先端部に設け
られた測子51bの変位が検出できるようになってい
る。なお、第1及び第2の測定用アーム52a、52b
に関係する上記の機構は、寸法測定器の中心を通る仮想
のアーム軸に対して、ほぼ対称に設けられており、測子
51aと51bは、この軸で分けられる同じ平面内の両
側の部分を変位するようになっている。
【0020】ガイド部材41a〜41dは、ガイド手段
を構成する部材で、円筒に割り溝を入れて4分割した形
状をしており、支点で回転可能に支持されている。な
お、ガイド部材のうち対向するガイド部材41aと41
bは、測定用アーム52aと52bと同じ支点で回転可
能に支持されている。すなわち、ガイド部材41aは支
点53aで支持されている。従って、ガイド部材41a
と41bは、測定用アーム52aと52bと同じ方向に
変位可能であり、測子51aと51bが通る穴を有し、
ガイド部材41a〜41dの先端はテーパ状になってい
る。
【0021】ガイド部材41aにはピン43aが設けら
れており、一端をベースに設けたばね42aにより付勢
されているので、ピン43aがガイド開閉テーパ駒62
のテーパ部分に押し当てられる。ガイド開閉テーパ駒6
2は、送りねじ61に係合されており、送りねじ61が
回転すると回り止め63により回転せずに送りねじ61
の軸方向に移動する。送りねじ61は、トルクリミッタ
67と軸受けユニット64を介してパルスモータ69で
回転駆動される。ガイド開閉テーパ駒62の移動に応じ
てピン43aと接触する高さ位置が変化し、これに応じ
てガイド部材41aの回転位置が変化する。他のガイド
部材41b〜41dも同様の機構を有し、ガイド開閉テ
ーパ駒62の移動に応じてガイド部材41b〜41dの
回転位置が変化する。ガイド部材41a〜41dの回転
位置が変化すると、これらのガイド部材41a〜41d
の先端部のなす円の直径が変化する。パルスモータ69
は、外部からの信号に応じて制御可能であり、測定する
直径を変化させる場合には、パルスモータ69を所定パ
ルス数駆動して、ガイド部材を所望の位置まで開閉す
る。なお、参照番号68は、パルスモータ69で発生さ
れる熱が測定部に影響するのを防止するための熱隔壁で
ある。
【0022】図示のように、測定用アーム52aは、一
端がガイド部材41aに係合されたばね58aで、測子
51aが外側に広がるように付勢されている。従って、
ガイド部材41aの回転位置が変化すると、測定用アー
ム52aも同じように外側に広がる。参照番号71は、
従来例で説明したフローティング部である。また、参照
番号72は、フローティング部71を測定器の長軸を中
心として、回転させるヘッド回転部である。ヘッド回転
部72によりフローティング部71を回転させることに
より、測定用アーム52aと52b及び測子51aと5
1bも回転するので、ある方向の直径を測定した後、9
0°回転して直径を測定したり、測子51aと51bを
回転しながら連続して直径を測定するといったことが可
能である。
【0023】また、45はケースであり、46は防塵用
のカバーである。図4は、第1実施例の寸法測定器で、
大きな直径の穴の内径を測定するため、ガイド部材41
a〜41dを開いた状態を示す。図示のように、ガイド
開閉テーパ駒62が左側に移動してピンとの接触位置が
高くなり、ガイド部材41a〜41dの先端が広がる。
測定用アーム52a〜52dはばね58aなどでガイド
部材41a〜41dから付勢されているので、ガイド部
材41a〜41dに追従して広がる。測定する場合は、
穴の直径に応じてガイド部材41a〜41dの広がり量
を設定し、図4のような状態で穴に挿入する。他は、従
来と同じである。穴に挿入した状態では、図4の状態か
ら、測子51aと51bが測定面に接触した分だけ変化
するが、変化量は小さい。従って、その状態でのばね5
8aの長さは図示の通りであり、図3の状態から変化し
ていない。従って、ばね58aにより生じる、測子51
aと51bが測定面に接触する測定圧はほぼ一定であ
る。
【0024】次に、上記のような寸法測定器を使用した
測定方法について説明する。図5は、測定に先立って行
うキャリブレーションを説明する図である。ステップ1
01では、ガイド部材41a〜41d及び測定用アーム
52aと52bを閉じた状態で、測定ヘッドをキャリブ
レーションマスタの位置に移動する。図6はキャリブレ
ーションマスタ5とそこに移動した測定ヘッド40の様
子を示す図である。図示のように、キャリブレーション
マスタ5は、3種類の異なる直径部分6、7、8で構成
される穴を有する。ここでは、直径部分6、7、8をそ
れぞれマスタ1、2、3と呼ぶ。測定ヘッド40は、移
動用アーム3に取り付けられて、測定ヘッド40のアー
ム軸がキャリブレーションマスタ5の穴の軸と略一致す
るように移動される。この移動用アーム3は、測定対象
の穴を測定する場合にも使用される。
【0025】ステップ102では、測定ヘッド40をマ
スタ1の測定深さ位置まで移動させ、ステップ103で
ガイド部材41a〜41dをマスタ1の直径に対応した
量だけ開く。これにより、ステップ104で、ガイド部
材41a〜41dがマスタ1の内壁に当たる反力に応じ
てフローティング部71により測定ヘッド40のアーム
軸がマスタ1の中心軸上に調芯される。この時、測定用
アーム52aと52bもガイド部材41a〜41dと一
緒に広がり、測子51aと51bがマスタ1の内壁に接
触する。
【0026】ステップ105では、ガイド部材41a〜
41dを所定の若干量、例えば数10μm程度閉じる。
これは、測定用アーム52aと52b及び測子51aと
51bがガイド部材41a〜41dに接触せず、測子5
1aと51bがマスタ1の内壁に接触するようにするた
めである。ステップ106では、検出器56a及び第2
の測定用アームの検出器の出力を読み取って、その和を
基準値1として記憶する。
【0027】ステップ107では、マスタの個数分、す
なわち、マスタ2と3について、上記の走査を行ってマ
スタ2と3の直径を基準値2と3として記憶する。な
お、ここでは直径の小さいマスタから同軸の大きな直径
のマスタの順に測定を行っており、1つのマスタでの測
定が終了した後、次のマスタを測定する時には、ガイド
部材41a〜41dはそのままの状態を維持したまま次
のマスタを測定する深さ位置に移動すればよい。
【0028】ステップ108では、マスタ1、2、3の
検出値(基準値)から較正曲線を算出するキャリブレー
ション計算を行う。図7は、較正曲線の例であり、図示
のような理想的なカーブに対して、測定した基準値から
実際の較正曲線を求める。なお、ここでは理想的な状態
では測定ヘッドの出力する指示値は直径に対してリニア
に変化し、測定した基準値から実際の較正曲線を求める
場合も直線に近似する例を示したが、リニアな変化に限
られるものではない。
【0029】ステップ109では、キャリブレーション
マスタ5から測定ヘッド40を後退させてキャリブレー
ションを終了する。キャリブレーションは、測定ヘッド
の使用を開始する前には必ず行う必要があり、それ以後
も、使用状況に応じて定期的に行うことが望ましい。最
初のキャリブレーション以降の定期的に行うキャリブレ
ーションについては、一部のマスタについてのみ、例え
ば、中間の直径のマスタについて測定を行い、この測定
で得られた直径値と、最初のキャリブレーションで得た
直径値との差を算出し、最初のキャリブレーションで得
られた較正カーブに、この差分を加算して較正カーブと
してもよい。
【0030】図8は、上記のキャリブレーションを終了
した後、円筒穴の直径を測定する処理を示したフローチ
ャートである。ステップ111では、ガイド部材41a
〜41d及び測定用アーム52aと52bを閉じた状態
で、測定ヘッド40のアーム軸が円筒穴の軸と略一致す
るように移動される。ステップ112では、測定ヘッド
40を穴の所定深さ位置まで移動させ、ステップ113
でガイド部材41a〜41dを穴の直径に対応した量だ
け開く。これにより、ステップ114で、ガイド部材4
1a〜41dが穴の内壁に当たる反力に応じてフローテ
ィング部71により測定ヘッド40のアーム軸が穴の中
心軸上に調芯される。この時、測定用アーム52aと5
2bもガイド部材41a〜41dと一緒に広がり、測子
51aと51bが穴の内壁に接触する。
【0031】ステップ115では、ガイド部材41a〜
41dを所定の若干量、例えば数10μm程度閉じる。
これは、測定用アーム52aと52b及び測子51aと
51bがガイド部材41a〜41dに接触せず、測子5
1aと51bが穴の内壁に接触するようにすると共に、
ステップ117の時に円筒面を損傷しないようにするた
めである。
【0032】ステップ116では、検出器56a及び第
2の測定用アームの検出器の出力、すなわち測定ヘッド
の出力する指示値を読み取って記憶する。この測定した
指示値を、上記の較正カーブに基づいて補正して直径値
を算出する。ステップ117では、ヘッド回転部72に
より、測定ヘッド40を90°回転する。この回転中
に、所定のサンプリング周期で検出器の出力を読み取っ
て記憶する。90°回転した時点で、ステップ118
で、指示値を読み取る。この測定した指示値を、上記の
較正カーブに基づいて補正して直径値を算出する。ステ
ップ119では、測定ヘッドを穴から後退させて、次の
穴を測定する処理に移る。以上の処理で、90°異なる
方向の直径が測定される。
【0033】ステップ117で測定ヘッド40を90°
回転する間にサンプリングした値は、例えば、次のよう
な解析に使用する。測子を円筒面に接触させて寸法測定
器を回転した場合、寸法測定器のアーム軸が円筒面の軸
に一致しており、円筒面が真円であれば、直径値は変化
しない。しかし、円筒面が歪んでいると真円の時から直
径値がずれる。このずれ具合を解析すれば、円筒面の歪
み具合が分かる。
【0034】上記の実施例では、ガイド部材は穴の内部
に挿入された後開かれて測子が円筒面に接触したが、測
定ヘッドを穴に挿入するだけで測定することも可能であ
る。図9は、そのような測定処理を示すフローチャート
である。ステップ121では、測定する穴に合わせて、
ガイド部材を開く。この時、図5で説明したキャリブレ
ーションにより求められた較正曲線に基づいて穴の加工
精度から指示値の範囲を予測し、それに応じてガイド部
材の開き具合、すなわち、ガイド開閉テーパ駒62の移
動量を設定する。
【0035】ステップ122から125は、従来例と同
じであり、ステップ122で測定ヘッドを穴の位置に移
動して、ステプ123で測定ヘッドを穴に挿入した後、
ステップ124で指示値を読み取り、ステップ125で
測定ヘッドを穴から退避させる。ステップ124の後、
測定ヘッドを回転させて異なる方向の直径を測定するこ
ともできるが、その場合には回転する前にガイド部材を
若干戻すことが望ましい。
【0036】以上、図3のガイド付き寸法測定器を使用
した穴径の測定を例として説明したが、図10に示すよ
うなガイド付き寸法測定器を使用することも可能であ
る。図10は、図3の回転機構の代わりに平行移動機構
を使用してガイドを平行移動させることにより、ガイド
部材の位置を変える測定器である。測定用アーム92a
を支持する支点93aとガイド部材81aは移動部材8
6に固定されており、移動部材86はアクチュエータ8
4を駆動することにより移動機構85上をアーム軸と垂
直な方向に平行移動するので、支点93aとガイド部材
81aはアーム軸に垂直な方向に移動可能に構成されて
いる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自動芯出し機構を有する1個の寸法測定器で広範囲の直
径に対応可能になるため、測定する直径毎に測定器を用
意する必要がなく、測定に要するコストを低減できる。
更に、ワーク表面に傷をつけないように、測定すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動芯出し機構を有するガイド付き寸法測定器
の従来例の構造を示す図である。
【図2】自動芯出し機構を有するガイド付き寸法測定器
の従来例の使用方法を説明する図である。
【図3】本発明で使用するガイド位置が可変の自動芯出
し機構を有するガイド付き寸法測定器の構成を示す図で
ある。
【図4】実施例で使用する寸法測定器のガイド部材を広
げた状態を示す図である。
【図5】実施例におけるキャリブレーションを示すフロ
ーチャートである。
【図6】実施例におけるキャリブレーションの様子を示
す図である。
【図7】実施例におけるキャリブレーションによる較正
曲線の求め方を示す図である。
【図8】実施例における測定処理を示すフローチャート
である。
【図9】他の測定処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明で使用するガイド位置が可変の自動芯
出し機構を有するガイド付き寸法測定器の他の構成を示
す図である。
【符号の説明】
11、41a〜41d…ガイド部材 21a、21b、51a、51b…測子 22a〜22b、52a〜52b…測定用アーム 23a、53a…支点 26a、56a…検出器 28、58a、98a…付勢手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支点で回転可能に支持された1組の測定
    用アームの一端に測子を設け、他端の変位を検出するこ
    とにより前記1組の測子の接触位置間の距離である直径
    を検出する寸法測定器であって、該寸法測定器の軸に対
    して変位可能で、力を加えない時の開閉位置が可変であ
    る複数のガイド部材から構成されるガイド手段と、前記
    寸法測定器を前記軸に垂直な方向に変位可能に保持する
    フローティング手段とを備えるガイド付き寸法測定器を
    使用した直径の測定方法であって、 前記ガイド部材の開閉位置を、該ガイド部材が測定する
    円筒面と軸方向に同じ位置にあっても前記円筒面に接触
    しない状態にする工程と、 前記測定する円筒面の中心軸上に前記寸法測定器の前記
    軸がほぼ位置するように相対移動する工程と、 前記寸法測定器を、前記測子が前記測定する円筒面の測
    定部分と軸方向に同じ位置になるように相対移動する工
    程と、 前記複数のガイド部材を所定位置まで開閉し、該複数の
    ガイド部材を前記測定する円筒面に接触させる工程と、 前記複数のガイド部材を所定量戻して前記測子のみが前
    記測定する円筒面の測定部分に接触する状態にする工程
    と、 前記寸法測定器の出力を読み取る工程とを備えることを
    特徴とするガイド付き寸法測定器を使用した測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガイド付き寸法測定器
    を使用した測定方法であって、 前記複数のガイド部材を前記測定する円筒面に接触させ
    る工程の後、前記複数のガイド部材を所定量戻す工程を
    備え、該工程の終了後前記寸法測定器の出力を読み取る
    ガイド付き寸法測定器を使用した測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のガイド付き寸法
    測定器を使用した測定方法であって、 前記ガイド付き寸法測定器は、前記フローティング手段
    を前記軸に対して垂直な平面内で回転させる回転手段を
    備え、 前記寸法測定器の出力を読み取る工程後、前記回転手段
    により前記フローティング手段、前記ガイド手段及び前
    記寸法測定器を所定量回転させた後、回転した位置で前
    記寸法測定器の出力を読み取るガイド付き寸法測定器を
    使用した測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    ガイド付き寸法測定器を使用した測定方法であって、 測定の開始前に、複数の異なる既知の直径を有するマス
    タを測定した時の測定値を記憶し、複数の測定値から較
    正曲線を算出する工程を備え、 読み取った前記寸法測定器の出力を、前記較正曲線に基
    づいて補正するガイド付き寸法測定器を使用した測定方
    法。
  5. 【請求項5】 支点で回転可能に支持された1組の測定
    用アームの一端に測子を設け、他端の変位を検出するこ
    とにより前記1組の測子の接触位置間の距離である直径
    を検出する寸法測定器であって、該寸法測定器の軸に対
    して変位可能で、力を加えない時の開閉位置が可変であ
    る複数のガイド部材から構成されるガイド手段と、前記
    寸法測定器を前記軸に垂直な方向に変位に保持するフロ
    ーティング手段とを備えるガイド付き寸法測定器を使用
    した直径の測定方法であって、 円筒状の被測定物の測定部分の直径に応じて、前記複数
    のガイド部材を開閉する工程と、 前記測定する円筒面の中心軸上に前記寸法測定器の前記
    軸がほぼ位置するように相対移動する工程と、 前記測子が前記測定対象の円筒面の測定部分に、前記寸
    法測定器を前記円筒面に対して軸方向に相対移動する工
    程と、 前記寸法測定器の出力を読み取る工程とを備えることを
    特徴とするガイド付き寸法測定器を使用した測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のガイド付き寸法測定器
    を使用した測定方法であって、 測定の開始前に、複数の異なる既知の直径を有するマス
    タを測定した時の測定値を記憶し、複数の測定値から較
    正曲線を算出する工程を備え、 読み取った前記寸法測定器の出力を、前記較正曲線に基
    づいて補正するガイド付き寸法測定器を使用した測定方
    法。
  7. 【請求項7】 支点で回転可能に支持された1組の測定
    用アームの一端に測子を設け、他端の変位を検出するこ
    とにより前記1組の測子の接触位置間の距離である直径
    を検出する寸法測定器であって、該寸法測定器の軸に対
    して変位可能で、力を加えない時の開閉位置が可変であ
    る複数のガイド部材から構成されるガイド手段と、前記
    寸法測定器を前記軸に垂直な方向に変位に保持するフロ
    ーティング手段を備えるガイド付き寸法測定器を使用し
    た直径の測定方法であって、 測定の開始前に、複数の異なる既知の直径を有するマス
    タを測定した時の測定値を記憶し、複数の測定値から較
    正曲線を算出する工程と、 測定対象の円筒面の測定部分の直径を測定する工程と、 読み取った前記寸法測定器の出力を、前記較正曲線に基
    づいて補正する工程とを備えることを特徴とするガイド
    付き寸法測定器を使用した測定方法。
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