JP3873806B2 - 3次元カムのカムプロフィール判定装置及びカムプロフィール判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元カムプロフィール判定装置及び3次元カムプロフィール判定方法、特に、測定対象である3次元カムのカムプロフィールと設計値に基づくカムプロフィールとの一致性を容易に判定することのできる判定装置および判定方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から機械装置の駆動伝達部品の一つとしてカムが使用されている。カムは、円板型や円筒型等が一般的であり、断面を楕円形状やなす型形状にしたり、回転軸を偏心させる等により、回転軸中心からカムフォロアが当接するカム面までの距離を変化させて、所定のタイミングで、所定量カムフォロアを駆動することができるものである。
【0003】
また、カム面が回転軸方向に対して連続的に変化する3次元形状を呈する、いわゆる3次元カムが例えば、特開平11−210427号公報に記載されている。このカムは、カム面がカシャフトの軸方向に対して傾いており、カム面上の所定位置がカムフォロアに当接するように可変制御することにより、実質的にカムプロフィールの異なるカムを用いた場合と同等の効果を得ることが可能になる。つまり、前述した円板カムや円筒カム(2次元カム)等は、回転軸中心からカム面までの距離が、回転軸に沿う方向において均一であるため個体毎に単一のプロフィールしか有していないが、3次元カムは、単体で、回転軸に沿う方向に複数のプロフィールを有することが可能になる。この3次元カムは、例えば、内燃機関の吸気バルブや排気バルブの開閉特性を制御するカムとして用いることができる。
【0004】
2次元カムおよび3次元カムのいずれの場合においても、カム面のカムプロフィールがカム駆動機構の精度に大きく影響を及ぼすので、設計時及び製造時、またその後の使用時において、設計通りのカムプロフィールになっているか否かを確認するためのカムプロフィールの測定は大変重要である。このカムプロフィールを測定するプロフィール測定器(カムテスター)は、例えば、カムの回転軸に垂直な方向に進退自在な測定子を有し、当該測定子をカム面に押し当て、カムを回転軸を中心に回転させることによって、カムプロフィールに応じて測定子を進退値を取得して、カムプロフィールの測定を行うことができる。
【0005】
ところで、通常、円板カムや円筒カム等の2次元カムはカム本体であるカムピースと回転軸であるカムシャフトとを一体で形成するので、形成時のカムシャフトの芯出しさえ十分にできていれば、カムプロフィール形成の基準となるカムピースの端面はカムシャフトの中心軸に対して直角にすることが容易である。つまり、プロフィール測定器の測定子の進退方向と端面とを平行にすることが容易であり、前記端面と平行な断面におけるカムプロフィールの測定を行うことができる。通常、カムは設計値として、端面と平行な断面におけるカムプロフィールが既知となっているので、測定値と設計値との比較を行うことにより検査対象のカムのカムプロフィールと設計値のカムプロフィールの比較が容易であると共に、正確に行うことができるで、良好な比較判定を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、3次元カムの場合、カム面を回転軸方向に対して連続的に変化させながら加工する必要があるため、カムシャフトと一体に形成することが困難であり、カムピース単体で加工しなければならない。そして、加工したカムのプロフィール測定を行う場合、図5に示すように、外形加工が完了した3次元カムのカムピース100をアーバー102等の治具にセットし、そのアーバー102の両端を支持ヘッド104a,104bで支持し、アーバー102ごと回転させて、前述した円板カム等と同様に、カムプロフィール測定用の測定子106を用いて測定していた。
【0007】
この場合、測定子106によりカムピース100の所定位置のプロフィールを測定するために、カムピース100の基準面である端面100aがアーバー102の中心軸102a(支持ヘッド104a,104bの中心軸)に対して正確に垂直状態、つまり、端面100aと測定子106の進退方向とが同じ方向になるように固定する必要がある。しかし、カムピース100に開けられた穴にアーバー102等の棒状部材を通して支持する場合、完全な垂直状態を得ることは大変困難であった。その結果、アーバー102に対して、カムピース100が斜めに取り付けられた状態でプロフィール測定が行われることになる。つまり、傾いた状態で、カムピース100を回転させてプロフィール測定を行うと、図5(a),(b)から明らかなように、カムピース100は測定子106の進退方向と直交する方向、つまり、カムピース100の回転軸方向に振れる。その結果、測定子106は、カムピース100の端面100aに対して、斜めの断面Aに沿ったプロフィール測定をしてしまうことになる。カムプロフィールの設計値は、端面100aと平行な断面におけるものしか存在しないため、測定値との比較対象が無く、折角測定したカムプロフィールが全く意味のないものになってしまう。結果的に、カムプロフィールの正確な比較評価(設計値との一致性評価)ができないという問題がある。また、カムピース100のアーバー102に対する固定状態、つまり傾き状態もカムピース100の固定作業毎に変化してしまうので、比較評価の信頼性も低かった。図5(a),(b)に示すように、アーバー102の支持面をテーパー面としても斜め支持の問題は解決できないのが現状である。なお、図5(a),(b)は、斜め取り付け状態を説明するために誇張表現している。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、容易な構成により3次元カムのカムプロフィールと設計値に基づくカムプロフィールとの比較判定を高精度に行うことのできる3次元カムプロフィール判定装置及び3次元カムプロフィール測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明は、カムフォロアが当接するカム面を有し、当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムのカムプロフィールと設計値との一致性判断を行うカムプロフィール判定装置において、判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル取得部と、支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の傾き姿勢を検出する傾き検出部と、検出した端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くように3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正部と、3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正した3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィールの一致性判定を行う判定部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上記のような目的を達成するために、本発明は、カムフォロアが当接するカム面を有し、当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムのカムプロフィールと設計値との一致性判断を行うカムプロフィール判定方法において、判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル取得ステップと、支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の傾き姿勢を検出する傾き検出ステップと、検出した端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くように3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正ステップと、3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正した3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィールの一致性判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、3次元カムの端面の傾き姿勢とは、任意の基準に対する傾き方向および傾き量を含むものとする。
【0012】
この構成によれば、実際に測定された3次元カムの傾き姿勢に対応するように設計値に基づく3次元モデルを傾けた後に、両者のカムプロフィールの比較を行うので、測定時の3次元カムの姿勢が任意に変化してしまう場合でも設計値に対するカムプロフィールの比較を行うことができる。
【0013】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記モデル取得部は、判定対象の3次元カムの少なくとも2断面のカムプロフィールの同一位相データを直線で結び3次元モデルを形成することを特徴とする。
【0014】
3次元カムの場合、複数のカムプロフィールを有している。すなわち、3次元カムである以上、少なくとも2種類のカムプロフィールを有しているので、CADデータ等から取得した設計値において、同一位相の部分を直線で結ぶことにより容易に3次元モデルを取得することができる。なお、使用する断面数が多いほどより実物に近い正確な3次元カムの形状にすることがでる。
【0015】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記傾き検出部は、回転自在に支持された3次元カムの端面上で相互に離反した少なくとも3点に対して前記支持軸の中心軸方向の進退量を検出することにより3次元カムの端面の傾き姿勢を検出することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、少なくとも任意の空間で3点を取得すれば、任意の基準に対する平面を決定することができるので、測定時の3次元カムの傾き姿勢を容易に特定することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0018】
図1には、本実施形態の3次元カムプロフィール判定装置10の概念構成図が示されている。この3次元カムプロフィール判定装置(以下、単に判定装置という)10は、3次元カムの本体であるカムピース12を保持するアーバー14を両端から支持するヘッドストック16と、当該ヘッドストック16と対向する位置に配置されたテールストック18とを有している。このヘッドストック16及びテールストック18は判定装置10のベースとなる水平な定盤20等の上に当該定盤20の水平面に対して垂直になるように立設されている。従って、ヘッドストック16の支持ヘッド16aとテールストック18の支持ヘッド18aとによって規定される支持軸(回転軸)は定盤20と正確に平行に設定される。なお、本実施形態においては、支持ヘッド16a,18aで支持するアーバー14を回転駆動するために、モータやギアで構成される駆動機構(不図示)が例えばテールストック18内部に配置されている。前記駆動機構の回転制御量や実際の回転量等は、後述する測定や演算を行う時に活用する。
【0019】
また、判定装置10は、カムピース12の端面12a、つまり、カムピース12を実際に使用する場合に取り付けるカムシャフト(不図示)が貫通する面に当接可能な測定子22aを有する端面測定器22を有している。この端面測定器22は、例えば、テールストック18の一部に固定され、テールストック18の垂直面に対して、直角方向、つまり図1において水平方向に測定子22aが進退動作するようになっている。そして、端面測定器22は、測定基準位置からの測定子22aの進退量を検出できるようになっている。なお、端面測定時以外の動作時に他の構成部品との干渉を防ぐために、非使用時に、端面測定器22は、図示の位置から退避できるように退避機構を備えていることが好ましい。
【0020】
また、ヘッドストック16とテールストック18との間の上方位置には、カムピース12のカム面12bと当接しカムプロフィールを測定するための進退動作する測定子24aを有するプロフィール測定器24が図示しないアーム等により任意の方向に移動自在及び測定位置で固定可能に配置されている。
【0021】
また、例えば、ヘッドストック16の上には、測定結果や演算結果、判定結果等各種情報を提供するディスプレイ26が配置されている。さらに、判定装置10の下部には、前述したテールストック18内の駆動機構や端面測定器22、プロフィール測定器24の制御および後述する各種演算を行う制御部28が配置されている。なお、この制御部28は、図1に示すように、外部制御部30(例えば、パーソナルコンピュータ)として構成してもよい。また、外部制御部30を用いることにより、例えば、周知のカムプロフィールテスタに外部制御部30を接続して、後述する比較判定処理等を追加機能として持たせることも可能である。
【0022】
本実施形態の特徴的事項は、アーバー14等で支持された3次元カム(カムピース12)の支持姿勢に関わらず、そのカムプロフィールを設計値と比較して一致性判定を行うことができるところである。具体的には、設計値に基づく3次元モデルを取得し、実際に測定されるカムピース12の傾き姿勢に対応するように前記3次元モデルを傾けた後に、両者のカムプロフィールの比較を行う。前述したように、アーバー14のカムピース12の支持面がテーパ形状を有している場合でも、カムピース12をアーバー14の中心軸に対して垂直に保持することは困難であり、図1に示すように傾いてしまう(本実施形態において、傾き状態を明確に示すために、図全体を誇張表現している)。カムピース12が傾いた状態でカムプロフィールの測定を行うと、図5でも示したように斜めの断面Aに沿った測定になり、設計値には存在しないプロフィール測定になってしまう。そこで、本実施形態においては、測定結果に対応するように比較基準となる設計値データ側を補正している。
【0023】
上述のような機能を実現するために、本実施形態の制御部28は、プロフィール測定器24で測定したデータに基づき、カムプロフィール(傾いた状態の測定なので、設計値に対応したカムプロフィールとは限らない)を認識するプロフィール認識部32、アーバー14により回転自在に支持されたカムピース12の端面12aの傾き姿勢を検出する傾き検出部34、CADデータ等外部のシステムより取得可能な3次元カムのカムプロフィールに基づき3次元モデルを取得するモデル取得部36、検出した端面12aの傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が前記3次元カムの端面12aと同じ姿勢で傾くように取得した3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正部38と、測定対象のカムピース12に合わせて傾き補正した3次元モデルと実際に測定したカムピース12とを比較し、両者のカムプロフィールの一致性判定を行う判定部40等を含んでいる。
【0024】
なお、プロフィール認識部32には、測定対象のカムピース12の頂点位置(カムピース12を回転駆動させたときにリフト量が最大となる位置)を計算する頂点位置計算部32aを含んでいる。通常、カムピース12を設計する場合、基準の位置(位相角0°の位置)を定め、「基準の位置からa方向にb°回転した位置のリフト量がcである。」として設計を行う。通常この基準位置として頂点位置を用いる。すなわち、カムピースに対する比較を行う場合には、頂点位置を比較基準点とすると両者の比較が容易になる。なお、前述したように、アーバー14に固定されるカムピース12は任意に傾く。この場合、極端な傾き(垂直面に対して数10°以上の傾き)が存在する場合を除き、測定したリフト量が最大となる位置が現実の頂点位置に一致しているので、傾いたカムピース12の測定に基づく頂点位置を比較を行う場合の角度基準として使用しても実用上問題ない。
【0025】
以下、図1の構成および図2のフローチャートを用いて、本実施形態の判定装置10の動作について説明する。
【0026】
判定装置10の制御部28に含まれるモデル取得部36は、判定対象となるカムピース12の3次元モデルを取得するために、CAD等の外部システムから設計値を取得する(S100)。この場合、外部システムにおいて、3次元モデルがすでに存在する場合、その3次元モデルをそのまま取得する。一方、CADデータとして、断面プロフィールのみ存在する場合、例えば、図3(a)〜(c)に示すような複数(例えば3断面)の断面プロフィールa,b,cが存在する場合、モデル取得部36は内部の3次元モデル作成部36aで3次元モデルの作成(取得)を行う(S101)。各断面プロフィールa,b,cは前述したように例えば頂点位置Ta,Tb,Tcを基準に設計されているので、図3(d)に示すように、同一位相データを直線Pで結ぶ(例えば、頂点位置を0°として0.1°毎に結ぶ)ことにより、2次元データを3次元化した3次元モデルMを作成することができる。この場合、カムピース12は3次元カムである以上、設計値として断面プロフィールは少なくとも2断面以上有しているので、仮想的な3次元モデルMは容易に作成することができる。なお、カムプロフィールの認識や頂点位置の計算に必要なカムピース12の回転角度情報は、例えば、テールストック18の支持ヘッド18a等に設けられた角度検出センサやアーバー14を回転駆動するモータの駆動信号等から、またはアーバー14やカムピース12の回転量を直接検出することにより容易に取得することができる。図1の例では、支持ヘッド18aに設けた角度検出センサを使用する例を示している。なお、使用する断面プロフェールの数が増加することにより、より現実に近い正確な3次元モデルMを作成することができることはいうまでもない。
【0027】
続いて、制御部28は、判定装置10の支持ヘッド16a,18aに回転自在に支持されたアーバー14に固定されたカムピース12のカムプロフィールをプロフィール測定器24を用いて測定する(S102)。この場合、アーバー14は正確に定盤20に平行であるがカムピース12は必ずしもアーバー14の軸に対して直角に固定されているとは限らないので、プロフィール認識部32の認識するカムプロフィールは設計値に対応するものではない。
【0028】
また、このとき制御部28は、端面測定器22を動作させ、プロフィール測定器24によるカムプロフィール測定と同時に、端面12aに対する測定を行い、傾き検出部34によりカムピース12の傾き検出を行う(S103)。すなわち、傾き検出部34は、端面測定器22によってカムピース12の端面12a上で相互に離反した少なくとも3点において測定を行う。つまり、アーバー14の中心軸方向に進退する測定子22aから進退量を検出することにより、その3点を含む任意の1平面を特定する。ただし、カムピース12の回転角度により、3点で特定した平面は傾き方向が変化するので、前記頂点位置計算部32aが算出したカムピース12の頂点位置を最上点とした時の姿勢をカムピース12の傾き姿勢とする。頂点位置を本実施形態の判定装置10の基準位置とすることにより、端面測定器22が検出した3点により判定装置10にセットされたカムピース12の姿勢(傾き方向および傾き量)を一義的に決定することができる。
【0029】
また、傾き検出部34は、端面測定器22が測定した3点に基づいて特定したカムピース12の端面12aとアーバー14の中心軸(回転軸)14aとの交点Oを求め、プロフィール測定器24で測定した断面Aまでの距離OAを算出する(S104)。この時、断面Aの位置は、プロフィール測定器24の絶対位置として、制御部28は認識することができるので、距離OAは容易に計算することができる。
【0030】
続いて、モデル姿勢補正部38は、傾き検出部34が検出した傾き姿勢を取得すると共に、モデル取得部36が先に取得した設計値に基づく3次元モデルM(傾きゼロの正立モデル)を取得する。そして、当該3次元モデルMの端面が実測したカムピース12の端面12aと同じ姿勢で傾くように3次元モデルM全体の姿勢を傾き補正する(S105)。この状態で、判定装置10上では、実際に測定したカムピース12と設計値に基づく3次元モデルMとが同じ姿勢で認識される。
【0031】
判定部40は、モデル姿勢補正部38で傾き補正した3次元モデルMと傾き検出部34で算出した距離OAに基づき、図4に示すように、傾いた3次元モデルM上に、実際のカムピース12上で測定された断面Aに対応する断面A1を設定し、断面A1上の断面プロフィールを算出する(S106)。この断面プロフィールが、傾いた状態で測定されたカムピース12のカムプロフィールに対応するカムプロフィールとなる。
【0032】
判定部40は、さらに、プロフィール認識部32から実際に測定したカムピース12の断面Aに関するカムプロフィール(実測値)を取得し、断面A1上のカムプロフィールと比較する(S107)。そして、比較の結果、両者の一致性が予め設定された許容値以内か否かの合否判定を行う(S108)。なお、この一致性判定は、プロフィール認識部32が認識している位相毎(例えば、0.1°毎)の比較でもよいし、プロフィール認識部32が認識可能な測定値に基づくカムプロフィール全体の形状と、傾き補正をかけた3次元モデルMのカムプロフィール全体の形状との比較でもよい。判定部40は、判定結果をディスプレイ26等に表示する。もちろん、判定処理過程において取得したり検出した中間的情報を併せて表示するようにしてもよい。
【0033】
このように、本実施形態の判定装置10を用いれば、カムピース12の判定装置10の対するセッティング精度に影響されることなく、判定対象のカムピース12が設計値通りの形状になっているか否かの判定を容易に行うことができる。例えば、カムピース12の製造ライン等で品質検査を行う必要がある場合、ワークとして、複数のカムピース12を順次判定装置10へセッティングし、個別にカムプロフィールの一致性の判定を行う場合でも、カムピースの12のセッティング及び比較判定を容易に行い、安定的に正確な比較判定を行うことができるとともに、判定のための作業効率を向上しつつ、作業毎の判定誤差を排除することができる。また、図1でも示したように、既存のカムプロフィールテスタに外部制御部30(例えばパーソナルコンピュータ)を接続し必要な情報を取得し処理する構成を取ることも可能なので、設備の大がかりな改造や設備コストの上昇を抑制しつつ、上述したような正確かつ信頼性のある比較判定を容易に行うことができる。
【0034】
なお、図1に示す判定装置10の構成は、一例であり、判定装置にセットされたカムピースの傾き姿勢を検出し、設計値に基づく3次元モデルM側の姿勢を検出した傾き姿勢に応じて補正して、両者の比較を行う構成であれば、各データの測定手段や検出手段およびデータの処理演算方法は任意であり、適宜変更することが可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、実際に測定された3次元カムの傾き姿勢に対応するように設計値に基づく3次元モデルを傾けた後に、両者のカムプロフィールの比較を行うので、測定時の3次元カムの姿勢が任意に変化してしまう場合でも設計値に対するカムプロフィールの一致性判定を容易な構成で高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置の概念構成を説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置における3次元モデルの作成を説明する説明図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置における3次元モデルを傾き補正した場合の比較基準となる断面の取得を説明する説明図である。
【図5】 従来の3次元カムプロフィール判定装置の測定状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 3次元カムプロフィール判定装置(判定装置)、12 カムピース、12a 端面、12b カム面、14 アーバー、16 ヘッドストック、16a,18a 支持ヘッド、18 テールストック、20 定盤、22 端面測定器、22a,24a 測定子、24 プロフィール測定器、26 ディスプレイ、28 制御部、30 外部制御部、32 プロフィール認識部、32a 頂点位置計算部、34 傾き検出部、36 モデル取得部、36a 3次元モデル作成部、38 モデル姿勢補正部、40 判定部。
Claims (4)
- カムフォロアが当接するカム面を有し、当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムのカムプロフィールと設計値との一致性判断を行うカムプロフィール判定装置において、
判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル取得部と、
支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の傾き姿勢を検出する傾き検出部と、
検出した端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くように3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正部と、
3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正した3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィールの一致性判定を行う判定部と、
を含むことを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記モデル取得部は、判定対象の3次元カムの少なくとも2断面のカムプロフィールの同一位相データを直線で結び3次元モデルを形成することを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定装置。 - 請求項1または請求項2記載の装置において、
前記傾き検出部は、回転自在に支持された3次元カムの端面上で相互に離反した少なくとも3点に対して前記支持軸の中心軸方向の進退量を検出することにより3次元カムの端面の傾き姿勢を検出することを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定装置。 - カムフォロアが当接するカム面を有し、当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムのカムプロフィールと設計値との一致性判断を行うカムプロフィール判定方法において、
判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル取得ステップと、
支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の傾き姿勢を検出する傾き検出ステップと、
検出した端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くように3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正ステップと、
3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正した3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィールの一致性判定を行う判定ステップと、
を含むことを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定方法。
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