JP2003322519A - 3次元カムのカムプロフィール判定装置及びカムプロフィール判定方法 - Google Patents

3次元カムのカムプロフィール判定装置及びカムプロフィール判定方法

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JP2003322519A
JP2003322519A JP2002131211A JP2002131211A JP2003322519A JP 2003322519 A JP2003322519 A JP 2003322519A JP 2002131211 A JP2002131211 A JP 2002131211A JP 2002131211 A JP2002131211 A JP 2002131211A JP 2003322519 A JP2003322519 A JP 2003322519A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易な構成により3次元カムのカムプロフィ
ールと設計値に基づくカムプロフィールとの一致性判定
を高精度に行うことのできる3次元カムプロフィール判
定装置及び3次元カムプロフィール判定方法を提供す
る。 【解決手段】 制御部28のモデル取得部36は、CA
Dデータ等から設計値に基づき、判定対象のカムピース
12の3次元モデルを取得する。また、傾き検出部34
は、端面測定器22によりアーバー14にセットされた
カムピース12の傾き姿勢を検出する。モデル姿勢補正
部38は、傾き姿勢と同じ姿勢になるように取得した3
次元モデルの姿勢を補正する。そして、判定部40は、
プロフィール測定器24を介してプロフィール認識部3
2が認識した傾いた状態のカムピース12のカムプロフ
ィールと、傾き補正した3次元モデルのカムプロフィー
ルの一致性比較を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元カムプロフ
ィール判定装置及び3次元カムプロフィール判定方法、
特に、測定対象である3次元カムのカムプロフィールと
設計値に基づくカムプロフィールとの一致性を容易に判
定することのできる判定装置および判定方法の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から機械装置の駆動伝達部品の一つ
としてカムが使用されている。カムは、円板型や円筒型
等が一般的であり、断面を楕円形状やなす型形状にした
り、回転軸を偏心させる等により、回転軸中心からカム
フォロアが当接するカム面までの距離を変化させて、所
定のタイミングで、所定量カムフォロアを駆動すること
ができるものである。
【0003】また、カム面が回転軸方向に対して連続的
に変化する3次元形状を呈する、いわゆる3次元カムが
例えば、特開平11−210427号公報に記載されて
いる。このカムは、カム面がカシャフトの軸方向に対し
て傾いており、カム面上の所定位置がカムフォロアに当
接するように可変制御することにより、実質的にカムプ
ロフィールの異なるカムを用いた場合と同等の効果を得
ることが可能になる。つまり、前述した円板カムや円筒
カム(2次元カム)等は、回転軸中心からカム面までの
距離が、回転軸に沿う方向において均一であるため個体
毎に単一のプロフィールしか有していないが、3次元カ
ムは、単体で、回転軸に沿う方向に複数のプロフィール
を有することが可能になる。この3次元カムは、例え
ば、内燃機関の吸気バルブや排気バルブの開閉特性を制
御するカムとして用いることができる。
【0004】2次元カムおよび3次元カムのいずれの場
合においても、カム面のカムプロフィールがカム駆動機
構の精度に大きく影響を及ぼすので、設計時及び製造
時、またその後の使用時において、設計通りのカムプロ
フィールになっているか否かを確認するためのカムプロ
フィールの測定は大変重要である。このカムプロフィー
ルを測定するプロフィール測定器(カムテスター)は、
例えば、カムの回転軸に垂直な方向に進退自在な測定子
を有し、当該測定子をカム面に押し当て、カムを回転軸
を中心に回転させることによって、カムプロフィールに
応じて測定子を進退値を取得して、カムプロフィールの
測定を行うことができる。
【0005】ところで、通常、円板カムや円筒カム等の
2次元カムはカム本体であるカムピースと回転軸である
カムシャフトとを一体で形成するので、形成時のカムシ
ャフトの芯出しさえ十分にできていれば、カムプロフィ
ール形成の基準となるカムピースの端面はカムシャフト
の中心軸に対して直角にすることが容易である。つま
り、プロフィール測定器の測定子の進退方向と端面とを
平行にすることが容易であり、前記端面と平行な断面に
おけるカムプロフィールの測定を行うことができる。通
常、カムは設計値として、端面と平行な断面におけるカ
ムプロフィールが既知となっているので、測定値と設計
値との比較を行うことにより検査対象のカムのカムプロ
フィールと設計値のカムプロフィールの比較が容易であ
ると共に、正確に行うことができるで、良好な比較判定
を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、3次元カムの場
合、カム面を回転軸方向に対して連続的に変化させなが
ら加工する必要があるため、カムシャフトと一体に形成
することが困難であり、カムピース単体で加工しなけれ
ばならない。そして、加工したカムのプロフィール測定
を行う場合、図5に示すように、外形加工が完了した3
次元カムのカムピース100をアーバー102等の治具
にセットし、そのアーバー102の両端を支持ヘッド1
04a,104bで支持し、アーバー102ごと回転さ
せて、前述した円板カム等と同様に、カムプロフィール
測定用の測定子106を用いて測定していた。
【0007】この場合、測定子106によりカムピース
100の所定位置のプロフィールを測定するために、カ
ムピース100の基準面である端面100aがアーバー
102の中心軸102a(支持ヘッド104a,104
bの中心軸)に対して正確に垂直状態、つまり、端面1
00aと測定子106の進退方向とが同じ方向になるよ
うに固定する必要がある。しかし、カムピース100に
開けられた穴にアーバー102等の棒状部材を通して支
持する場合、完全な垂直状態を得ることは大変困難であ
った。その結果、アーバー102に対して、カムピース
100が斜めに取り付けられた状態でプロフィール測定
が行われることになる。つまり、傾いた状態で、カムピ
ース100を回転させてプロフィール測定を行うと、図
5(a),(b)から明らかなように、カムピース10
0は測定子106の進退方向と直交する方向、つまり、
カムピース100の回転軸方向に振れる。その結果、測
定子106は、カムピース100の端面100aに対し
て、斜めの断面Aに沿ったプロフィール測定をしてしま
うことになる。カムプロフィールの設計値は、端面10
0aと平行な断面におけるものしか存在しないため、測
定値との比較対象が無く、折角測定したカムプロフィー
ルが全く意味のないものになってしまう。結果的に、カ
ムプロフィールの正確な比較評価(設計値との一致性評
価)ができないという問題がある。また、カムピース1
00のアーバー102に対する固定状態、つまり傾き状
態もカムピース100の固定作業毎に変化してしまうの
で、比較評価の信頼性も低かった。図5(a),(b)
に示すように、アーバー102の支持面をテーパー面と
しても斜め支持の問題は解決できないのが現状である。
なお、図5(a),(b)は、斜め取り付け状態を説明
するために誇張表現している。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、容易な構成により3次元カムのカムプロフィール
と設計値に基づくカムプロフィールとの比較判定を高精
度に行うことのできる3次元カムプロフィール判定装置
及び3次元カムプロフィール測定方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明は、カムフォロアが当接するカム面
を有し、当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を
基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次
元カムのカムプロフィールと設計値との一致性判断を行
うカムプロフィール判定装置において、判定対象の3次
元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル
取得部と、支持軸により回転自在に支持された3次元カ
ムの端面の傾き姿勢を検出する傾き検出部と、検出した
端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端
面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くように3次
元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正部
と、3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正
した3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィール
の一致性判定を行う判定部と、を含むことを特徴とす
る。
【0010】上記のような目的を達成するために、本発
明は、カムフォロアが当接するカム面を有し、当該カム
面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転
軸方向に対して連続的に変化する3次元カムのカムプロ
フィールと設計値との一致性判断を行うカムプロフィー
ル判定方法において、判定対象の3次元カムの設計値に
基づく3次元モデルを取得するモデル取得ステップと、
支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の
傾き姿勢を検出する傾き検出ステップと、検出した端面
の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が
前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くように3次元モ
デル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正ステップ
と、3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正
した3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィール
の一致性判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴
とする。
【0011】ここで、3次元カムの端面の傾き姿勢と
は、任意の基準に対する傾き方向および傾き量を含むも
のとする。
【0012】この構成によれば、実際に測定された3次
元カムの傾き姿勢に対応するように設計値に基づく3次
元モデルを傾けた後に、両者のカムプロフィールの比較
を行うので、測定時の3次元カムの姿勢が任意に変化し
てしまう場合でも設計値に対するカムプロフィールの比
較を行うことができる。
【0013】上記のような目的を達成するために、本発
明は、上記構成において、前記モデル取得部は、判定対
象の3次元カムの少なくとも2断面のカムプロフィール
の同一位相データを直線で結び3次元モデルを形成する
ことを特徴とする。
【0014】3次元カムの場合、複数のカムプロフィー
ルを有している。すなわち、3次元カムである以上、少
なくとも2種類のカムプロフィールを有しているので、
CADデータ等から取得した設計値において、同一位相
の部分を直線で結ぶことにより容易に3次元モデルを取
得することができる。なお、使用する断面数が多いほど
より実物に近い正確な3次元カムの形状にすることがで
る。
【0015】上記のような目的を達成するために、本発
明は、上記構成において、前記傾き検出部は、回転自在
に支持された3次元カムの端面上で相互に離反した少な
くとも3点に対して前記支持軸の中心軸方向の進退量を
検出することにより3次元カムの端面の傾き姿勢を検出
することを特徴とする。
【0016】この構成によれば、少なくとも任意の空間
で3点を取得すれば、任意の基準に対する平面を決定す
ることができるので、測定時の3次元カムの傾き姿勢を
容易に特定することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0018】図1には、本実施形態の3次元カムプロフ
ィール判定装置10の概念構成図が示されている。この
3次元カムプロフィール判定装置(以下、単に判定装置
という)10は、3次元カムの本体であるカムピース1
2を保持するアーバー14を両端から支持するヘッドス
トック16と、当該ヘッドストック16と対向する位置
に配置されたテールストック18とを有している。この
ヘッドストック16及びテールストック18は判定装置
10のベースとなる水平な定盤20等の上に当該定盤2
0の水平面に対して垂直になるように立設されている。
従って、ヘッドストック16の支持ヘッド16aとテー
ルストック18の支持ヘッド18aとによって規定され
る支持軸(回転軸)は定盤20と正確に平行に設定され
る。なお、本実施形態においては、支持ヘッド16a,
18aで支持するアーバー14を回転駆動するために、
モータやギアで構成される駆動機構(不図示)が例えば
テールストック18内部に配置されている。前記駆動機
構の回転制御量や実際の回転量等は、後述する測定や演
算を行う時に活用する。
【0019】また、判定装置10は、カムピース12の
端面12a、つまり、カムピース12を実際に使用する
場合に取り付けるカムシャフト(不図示)が貫通する面
に当接可能な測定子22aを有する端面測定器22を有
している。この端面測定器22は、例えば、テールスト
ック18の一部に固定され、テールストック18の垂直
面に対して、直角方向、つまり図1において水平方向に
測定子22aが進退動作するようになっている。そし
て、端面測定器22は、測定基準位置からの測定子22
aの進退量を検出できるようになっている。なお、端面
測定時以外の動作時に他の構成部品との干渉を防ぐため
に、非使用時に、端面測定器22は、図示の位置から退
避できるように退避機構を備えていることが好ましい。
【0020】また、ヘッドストック16とテールストッ
ク18との間の上方位置には、カムピース12のカム面
12bと当接しカムプロフィールを測定するための進退
動作する測定子24aを有するプロフィール測定器24
が図示しないアーム等により任意の方向に移動自在及び
測定位置で固定可能に配置されている。
【0021】また、例えば、ヘッドストック16の上に
は、測定結果や演算結果、判定結果等各種情報を提供す
るディスプレイ26が配置されている。さらに、判定装
置10の下部には、前述したテールストック18内の駆
動機構や端面測定器22、プロフィール測定器24の制
御および後述する各種演算を行う制御部28が配置され
ている。なお、この制御部28は、図1に示すように、
外部制御部30(例えば、パーソナルコンピュータ)と
して構成してもよい。また、外部制御部30を用いるこ
とにより、例えば、周知のカムプロフィールテスタに外
部制御部30を接続して、後述する比較判定処理等を追
加機能として持たせることも可能である。
【0022】本実施形態の特徴的事項は、アーバー14
等で支持された3次元カム(カムピース12)の支持姿
勢に関わらず、そのカムプロフィールを設計値と比較し
て一致性判定を行うことができるところである。具体的
には、設計値に基づく3次元モデルを取得し、実際に測
定されるカムピース12の傾き姿勢に対応するように前
記3次元モデルを傾けた後に、両者のカムプロフィール
の比較を行う。前述したように、アーバー14のカムピ
ース12の支持面がテーパ形状を有している場合でも、
カムピース12をアーバー14の中心軸に対して垂直に
保持することは困難であり、図1に示すように傾いてし
まう(本実施形態において、傾き状態を明確に示すため
に、図全体を誇張表現している)。カムピース12が傾
いた状態でカムプロフィールの測定を行うと、図5でも
示したように斜めの断面Aに沿った測定になり、設計値
には存在しないプロフィール測定になってしまう。そこ
で、本実施形態においては、測定結果に対応するように
比較基準となる設計値データ側を補正している。
【0023】上述のような機能を実現するために、本実
施形態の制御部28は、プロフィール測定器24で測定
したデータに基づき、カムプロフィール(傾いた状態の
測定なので、設計値に対応したカムプロフィールとは限
らない)を認識するプロフィール認識部32、アーバー
14により回転自在に支持されたカムピース12の端面
12aの傾き姿勢を検出する傾き検出部34、CADデ
ータ等外部のシステムより取得可能な3次元カムのカム
プロフィールに基づき3次元モデルを取得するモデル取
得部36、検出した端面12aの傾き姿勢に基づいて、
取得した3次元モデルの端面が前記3次元カムの端面1
2aと同じ姿勢で傾くように取得した3次元モデル全体
の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正部38と、測定対
象のカムピース12に合わせて傾き補正した3次元モデ
ルと実際に測定したカムピース12とを比較し、両者の
カムプロフィールの一致性判定を行う判定部40等を含
んでいる。
【0024】なお、プロフィール認識部32には、測定
対象のカムピース12の頂点位置(カムピース12を回
転駆動させたときにリフト量が最大となる位置)を計算
する頂点位置計算部32aを含んでいる。通常、カムピ
ース12を設計する場合、基準の位置(位相角0°の位
置)を定め、「基準の位置からa方向にb°回転した位
置のリフト量がcである。」として設計を行う。通常こ
の基準位置として頂点位置を用いる。すなわち、カムピ
ースに対する比較を行う場合には、頂点位置を比較基準
点とすると両者の比較が容易になる。なお、前述したよ
うに、アーバー14に固定されるカムピース12は任意
に傾く。この場合、極端な傾き(垂直面に対して数10
°以上の傾き)が存在する場合を除き、測定したリフト
量が最大となる位置が現実の頂点位置に一致しているの
で、傾いたカムピース12の測定に基づく頂点位置を比
較を行う場合の角度基準として使用しても実用上問題な
い。
【0025】以下、図1の構成および図2のフローチャ
ートを用いて、本実施形態の判定装置10の動作につい
て説明する。
【0026】判定装置10の制御部28に含まれるモデ
ル取得部36は、判定対象となるカムピース12の3次
元モデルを取得するために、CAD等の外部システムか
ら設計値を取得する(S100)。この場合、外部シス
テムにおいて、3次元モデルがすでに存在する場合、そ
の3次元モデルをそのまま取得する。一方、CADデー
タとして、断面プロフィールのみ存在する場合、例え
ば、図3(a)〜(c)に示すような複数(例えば3断
面)の断面プロフィールa,b,cが存在する場合、モ
デル取得部36は内部の3次元モデル作成部36aで3
次元モデルの作成(取得)を行う(S101)。各断面
プロフィールa,b,cは前述したように例えば頂点位
置Ta,Tb,Tcを基準に設計されているので、図3
(d)に示すように、同一位相データを直線Pで結ぶ
(例えば、頂点位置を0°として0.1°毎に結ぶ)こ
とにより、2次元データを3次元化した3次元モデルM
を作成することができる。この場合、カムピース12は
3次元カムである以上、設計値として断面プロフィール
は少なくとも2断面以上有しているので、仮想的な3次
元モデルMは容易に作成することができる。なお、カム
プロフィールの認識や頂点位置の計算に必要なカムピー
ス12の回転角度情報は、例えば、テールストック18
の支持ヘッド18a等に設けられた角度検出センサやア
ーバー14を回転駆動するモータの駆動信号等から、ま
たはアーバー14やカムピース12の回転量を直接検出
することにより容易に取得することができる。図1の例
では、支持ヘッド18aに設けた角度検出センサを使用
する例を示している。なお、使用する断面プロフェール
の数が増加することにより、より現実に近い正確な3次
元モデルMを作成することができることはいうまでもな
い。
【0027】続いて、制御部28は、判定装置10の支
持ヘッド16a,18aに回転自在に支持されたアーバ
ー14に固定されたカムピース12のカムプロフィール
をプロフィール測定器24を用いて測定する(S10
2)。この場合、アーバー14は正確に定盤20に平行
であるがカムピース12は必ずしもアーバー14の軸に
対して直角に固定されているとは限らないので、プロフ
ィール認識部32の認識するカムプロフィールは設計値
に対応するものではない。
【0028】また、このとき制御部28は、端面測定器
22を動作させ、プロフィール測定器24によるカムプ
ロフィール測定と同時に、端面12aに対する測定を行
い、傾き検出部34によりカムピース12の傾き検出を
行う(S103)。すなわち、傾き検出部34は、端面
測定器22によってカムピース12の端面12a上で相
互に離反した少なくとも3点において測定を行う。つま
り、アーバー14の中心軸方向に進退する測定子22a
から進退量を検出することにより、その3点を含む任意
の1平面を特定する。ただし、カムピース12の回転角
度により、3点で特定した平面は傾き方向が変化するの
で、前記頂点位置計算部32aが算出したカムピース1
2の頂点位置を最上点とした時の姿勢をカムピース12
の傾き姿勢とする。頂点位置を本実施形態の判定装置1
0の基準位置とすることにより、端面測定器22が検出
した3点により判定装置10にセットされたカムピース
12の姿勢(傾き方向および傾き量)を一義的に決定す
ることができる。
【0029】また、傾き検出部34は、端面測定器22
が測定した3点に基づいて特定したカムピース12の端
面12aとアーバー14の中心軸(回転軸)14aとの
交点Oを求め、プロフィール測定器24で測定した断面
Aまでの距離OAを算出する(S104)。この時、断
面Aの位置は、プロフィール測定器24の絶対位置とし
て、制御部28は認識することができるので、距離OA
は容易に計算することができる。
【0030】続いて、モデル姿勢補正部38は、傾き検
出部34が検出した傾き姿勢を取得すると共に、モデル
取得部36が先に取得した設計値に基づく3次元モデル
M(傾きゼロの正立モデル)を取得する。そして、当該
3次元モデルMの端面が実測したカムピース12の端面
12aと同じ姿勢で傾くように3次元モデルM全体の姿
勢を傾き補正する(S105)。この状態で、判定装置
10上では、実際に測定したカムピース12と設計値に
基づく3次元モデルMとが同じ姿勢で認識される。
【0031】判定部40は、モデル姿勢補正部38で傾
き補正した3次元モデルMと傾き検出部34で算出した
距離OAに基づき、図4に示すように、傾いた3次元モ
デルM上に、実際のカムピース12上で測定された断面
Aに対応する断面A1を設定し、断面A1上の断面プロフ
ィールを算出する(S106)。この断面プロフィール
が、傾いた状態で測定されたカムピース12のカムプロ
フィールに対応するカムプロフィールとなる。
【0032】判定部40は、さらに、プロフィール認識
部32から実際に測定したカムピース12の断面Aに関
するカムプロフィール(実測値)を取得し、断面A1上
のカムプロフィールと比較する(S107)。そして、
比較の結果、両者の一致性が予め設定された許容値以内
か否かの合否判定を行う(S108)。なお、この一致
性判定は、プロフィール認識部32が認識している位相
毎(例えば、0.1°毎)の比較でもよいし、プロフィ
ール認識部32が認識可能な測定値に基づくカムプロフ
ィール全体の形状と、傾き補正をかけた3次元モデルM
のカムプロフィール全体の形状との比較でもよい。判定
部40は、判定結果をディスプレイ26等に表示する。
もちろん、判定処理過程において取得したり検出した中
間的情報を併せて表示するようにしてもよい。
【0033】このように、本実施形態の判定装置10を
用いれば、カムピース12の判定装置10の対するセッ
ティング精度に影響されることなく、判定対象のカムピ
ース12が設計値通りの形状になっているか否かの判定
を容易に行うことができる。例えば、カムピース12の
製造ライン等で品質検査を行う必要がある場合、ワーク
として、複数のカムピース12を順次判定装置10へセ
ッティングし、個別にカムプロフィールの一致性の判定
を行う場合でも、カムピースの12のセッティング及び
比較判定を容易に行い、安定的に正確な比較判定を行う
ことができるとともに、判定のための作業効率を向上し
つつ、作業毎の判定誤差を排除することができる。ま
た、図1でも示したように、既存のカムプロフィールテ
スタに外部制御部30(例えばパーソナルコンピュー
タ)を接続し必要な情報を取得し処理する構成を取るこ
とも可能なので、設備の大がかりな改造や設備コストの
上昇を抑制しつつ、上述したような正確かつ信頼性のあ
る比較判定を容易に行うことができる。
【0034】なお、図1に示す判定装置10の構成は、
一例であり、判定装置にセットされたカムピースの傾き
姿勢を検出し、設計値に基づく3次元モデルM側の姿勢
を検出した傾き姿勢に応じて補正して、両者の比較を行
う構成であれば、各データの測定手段や検出手段および
データの処理演算方法は任意であり、適宜変更すること
が可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることがで
きる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、実際に測定された3次
元カムの傾き姿勢に対応するように設計値に基づく3次
元モデルを傾けた後に、両者のカムプロフィールの比較
を行うので、測定時の3次元カムの姿勢が任意に変化し
てしまう場合でも設計値に対するカムプロフィールの一
致性判定を容易な構成で高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィ
ール判定装置の概念構成を説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィ
ール判定装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィ
ール判定装置における3次元モデルの作成を説明する説
明図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィ
ール判定装置における3次元モデルを傾き補正した場合
の比較基準となる断面の取得を説明する説明図である。
【図5】 従来の3次元カムプロフィール判定装置の測
定状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 3次元カムプロフィール判定装置(判定装置)、
12 カムピース、12a 端面、12b カム面、1
4 アーバー、16 ヘッドストック、16a,18a
支持ヘッド、18 テールストック、20 定盤、2
2 端面測定器、22a,24a 測定子、24 プロ
フィール測定器、26 ディスプレイ、28 制御部、
30 外部制御部、32 プロフィール認識部、32a
頂点位置計算部、34 傾き検出部、36 モデル取
得部、36a 3次元モデル作成部、38 モデル姿勢
補正部、40 判定部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムフォロアが当接するカム面を有し、
    当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカ
    ムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムの
    カムプロフィールと設計値との一致性判断を行うカムプ
    ロフィール判定装置において、 判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを
    取得するモデル取得部と、 支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の
    傾き姿勢を検出する傾き検出部と、 検出した端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モ
    デルの端面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くよ
    うに3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢
    補正部と、 3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正した
    3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィールの一
    致性判定を行う判定部と、 を含むことを特徴とする3次元カムのカムプロフィール
    判定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記モデル取得部は、判定対象の3次元カムの少なくと
    も2断面のカムプロフィールの同一位相データを直線で
    結び3次元モデルを形成することを特徴とする3次元カ
    ムのカムプロフィール判定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の装置にお
    いて、 前記傾き検出部は、回転自在に支持された3次元カムの
    端面上で相互に離反した少なくとも3点に対して前記支
    持軸の中心軸方向の進退量を検出することにより3次元
    カムの端面の傾き姿勢を検出することを特徴とする3次
    元カムのカムプロフィール判定装置。
  4. 【請求項4】 カムフォロアが当接するカム面を有し、
    当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカ
    ムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムの
    カムプロフィールと設計値との一致性判断を行うカムプ
    ロフィール判定方法において、 判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを
    取得するモデル取得ステップと、 支持軸により回転自在に支持された3次元カムの端面の
    傾き姿勢を検出する傾き検出ステップと、 検出した端面の傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モ
    デルの端面が前記3次元カムの端面と同じ姿勢で傾くよ
    うに3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢
    補正ステップと、 3次元カムと、当該3次元カムに合わせて傾き補正した
    3次元モデルとを比較し、両者のカムプロフィールの一
    致性判定を行う判定ステップと、 を含むことを特徴とする3次元カムのカムプロフィール
    判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005181131A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Toyota Motor Corp 測定物の形状データ取得方法、及びそれを用いた測定物の形状データとcadデータとの位置合わせ方法
CN100410625C (zh) * 2006-06-02 2008-08-13 江苏万工科技集团有限公司 开口凸轮的轮廓曲线测量装置
CN105180880A (zh) * 2015-11-04 2015-12-23 吴江万工机电设备有限公司 一种共轭凸轮理论廓线测试装置
CN109622395A (zh) * 2019-01-11 2019-04-16 适新科技(苏州)有限公司 一种零件三维轮廓检测系统

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