JP3956872B2 - 3次元カムのプロフィール判定装置及び3次元カムのプロフィール判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元カムプロフィール判定装置及び3次元カムプロフィール判定方法、特に、3次元カム単体でカムプロフィールの測定を行う場合に、3次元カムがカムシャフトに挿入され、実際にカムとして動作する時のカムプロフィールの良否判定を行うことのできる3次元カムのカムプロフィール判定装置及び判定方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から機械装置の駆動伝達部品の一つとしてカムが使用されている。カムは、円板型や円筒型等が一般的であり、断面を楕円形状やなす型形状にしたり、回転軸を偏心させる等により、回転軸中心からカムフォロアが当接するカム面までの距離を変化させて、所定のタイミングで、所定量カムフォロアを駆動することができるものである。
【0003】
また、カム面が回転軸方向に対して連続的に変化する3次元形状を呈する、いわゆる3次元カムがある(例えば、特許文献1参照)。このカムは、カム面がカムシャフトの軸方向に対して傾いており、カム面上の所定位置がカムフォロアに当接するように可変制御することにより、実質的にカムプロフィールの異なるカムを用いた場合と同等の効果を得ることが可能になる。つまり、前述した円板カムや円筒カム(2次元カム)等は、回転軸中心からカム面までの距離が、回転軸に沿う方向において均一であるため個体毎に単一のプロフィールしか有していないが、3次元カムは、単体で、回転軸に沿う方向に複数のプロフィールを有することが可能になる。この3次元カムは、例えば、内燃機関の吸気バルブや排気バルブの開閉特性を制御するカムとして用いることができる。
【0004】
2次元カムおよび3次元カムのいずれの場合においても、カム面のカムプロフィールがカム駆動機構の精度に大きく影響を及ぼすので、設計時及び製造時、またその後の使用時において、設計通りのカムプロフィールになっているか否かを確認するためのカムプロフィールの測定は大変重要である。このカムプロフィールを測定するプロフィール測定器(カムテスター)は、例えば、カムの回転軸に垂直な方向に進退自在な測定子を有し、当該測定子をカム面に押し当て、カムを回転軸を中心に回転させることによって、カムプロフィールに応じた進退値を取得して、カムプロフィールの測定を行うことができる。
【0005】
ところで、通常、円板カムや円筒カム等の2次元カムはカム本体であるカムピースと回転軸であるカムシャフトとを一体で形成するので、形成時のカムシャフトの芯出しさえ十分にできていれば、カムプロフィール形成の基準となるカムピースの端面はカムシャフトの中心軸に対して直角にすることが容易である。つまり、プロフィール測定器の測定子の進退方向と端面とを平行にすることが容易であり、前記端面と平行な断面におけるカムプロフィールの測定を行うことができる。通常、カムは設計値として、端面と平行な断面におけるカムプロフィールが既知となっているので、測定値と設計値との比較を行うことにより検査対象のカムのカムプロフィールと設計値のカムプロフィールの比較が容易であると共に、正確に行うことができるので、良好な比較判定を行うことができる。また、その判定結果が、カムシャフトと一体の状態で測定されるので、現実にカムを使用する時のカムプロフィールも保証することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−210427号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、3次元カムの場合、カム面を回転軸方向に対して連続的に変化させながら加工する必要があるため、カムシャフトと一体に形成することが困難であり、カムピース単体で加工しなければならない。そして、カムピースの加工完了後、当該カムピースに形成された穴にカムシャフトを圧入することになる。この場合、図6(a),(b)下段に示すようなカムピース100の端面(穴100aが形成された面)100bに図7に示すような押込み治具102を当て、カムシャフト(不図示)に押圧することにより、カムシャフトの所定位置までカムピースを押し込んでいる。ところが、押込み治具102を当接させるカムピースの端面は、平面出し加工を行ったとしても、図8に示すように、真の平面に対し凹凸(任意のうねり高さのうねり)を含んでいる。押込み治具102は、例えば平板上に複数の押圧点(例えば120°間隔の3点)を有するものであり、この押圧点102aとカムピース100のうねり位置との関係によって、カムシャフトに対し水平に移動する押込み治具102にカムピース100が傾いて当たり、カムピース100をカムシャフトに斜めに押し込んでしまう。例えば、図6(a),(b)に示すように、うねった端面を有するカムピース100に押込み治具102(押圧点102aは3点のうち2点のみ図示)が当接し押し込み動作を行う場合、カムピース100はカムシャフトに圧入されるので、斜めに押されれば、その状態のまま斜めに固定されてしまう。また、通常、カムピース100をカムシャフトに押し込む場合、その位相合わせは正確に行われず、任意の位相で押し込まれるので、図6(a),(b)に示すように、押圧点102aとうねりの接触関係に応じて、カムシャフトに対するカムピース100の傾き状態が任意に変化する。なお、図6(a),(b)は、うねりによる傾きを明確に説明するために、誇張表現されている。
【0008】
カムピース100単体の状態でそのカムプロフィールが設計値を満たしているか否かを判定する場合に用いるカムプロフィール測定断面は、測定端面Sから所定距離離れた位置、つまり、図6(a),(b)において、線分Pに沿うものである。ところが、現実のカムシャフトに挿入されたカムピース100は、押込み治具102で規定される押込み基準面Rに平行で、かつ測定端面Sから所定距離離れた位置、つまり、組付け時カムプロフィール測定断面Qとなる。その結果、カムピース100単体で測定したカムプロフィールとカムシャフトに挿入した状態で測定したカムプロフィールとが全く異なる結果になってしまうという問題がある。
【0009】
3次元カムにおいて、重要となるのは、カムシャフトに挿入した状態のカムプロフィールであるため、単体時にカムプロフィールを測定して、設計許容範囲以内であると保証しても、その結果をカムシャフト挿入時に有効活用できないという問題が生じていた。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、単体のカムピースのカムプロフィールの良否を判定する場合に、当該カムピースがカムシャフトに挿入された状態においても、そのカムプロフィールが所望の設計許容値を満たすか否かを判定することのできる3次元カムプロフィール判定装置及び3次元カムプロフィール測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明は、カムフォロアが当接するカム面を有し当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムを、カムシャフトに挿入した時のカムプロフィールが所定のカムプロフィールを有するか否かを判定するカムプロフィール判定装置であって、判定対象の3次元カムをカムシャフトに挿入する時に押圧する押圧端面のうねり状態を、判定時に3次元カムを単体で回転自在に支持する支持軸に支持した状態で検出するうねり検出部と、前記支持軸により回転自在に支持された3次元カムのカムプロフィールを認識するカムプロフィール認識部と、前記うねり状態に基づき、カムシャフト挿入時の3次元カムの傾きを予測し、この予測された傾きをカムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させるうねり傾き反映部と、うねりによる傾きが反映されたカムプロフィールと他方のカムプロフィールとの一致性に基づいて、カムシャフト挿入時の3次元カムのカムプロフィールの良否判定を行う判定部と、を含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、うねり検出部は、例えば、3次元カムの端面に対して進退自在な検出子を有するセンサであり、検出子の進退状態に応じて端面の凹凸の情報を取得可能なものである。同様に、カムプロフィール測定部も例えば、3次元カムのカム面に対して進退自在な検出子を有するセンサであり、検出子の進退状態に応じてカム面の形状の情報を取得するものである。また、うねり傾き反映部がうねりに基づく傾きをカムプロフィールの測定に反映される場合、例えば、判定対象の3次元カムをうねり傾き量に応じて傾かせた状態でカムプロフィールの測定を行い設計値から得られるカムプロフィールとの比較を行う。また、傾き反映部がうねりに基づく傾きを設計値から得られるカムプロフィールに反映させる場合、うねり量に基づいて傾いた時の設計値を取得し、実際に測定されたカムプロフィールとの比較を行う。
【0013】
この構成によれば、3次元カムの挿入押圧面にうねりが存在する場合でも、カムシャフト挿入前の3次元カムに対して行ったカムプロフィールの判定をカムシャフト挿入後の3次元カムに対して有効に活用し、実際に測定されたカムプロフィールに基づいて、3次元カムをカムシャフトに挿入した時のカムプロフィールの良否判定を行うことができる。
【0014】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記うねり傾き反映部は、3次元カムが回転する時の所定角度毎のうねり状態に基づく傾きを予測し、その傾きを、カムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させることを特徴とする。
【0015】
ここで、所定角度とは、3次元カムの回転角の間であれば、任意であり、例えば、1°毎、5°毎、10°毎、90°毎等である。角度間隔を細かくすれば、3次元カムをカムシャフトに挿入した状態を詳細に予測することができるが、その反面、演算付加が増大する。従って、角度間隔を適宜選択することにより、角度間隔を判定精度と演算負荷のバランスを取りながら効率的なカムプロフィールの良否判定を行うことができる。
【0016】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記うねり傾き反映部は、3次元カムをカムシャフトに挿入する時の組み付け位相誤差範囲に対応した角度におけるうねり状態に基づく傾きを予測し、その傾きを、カムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、組み付け位相誤差範囲、例えば、カムシャフトに定められた頂点位置に対し、3次元カムの頂点位置(例えば、最大リフト量の位置)が0°〜45°の範囲で挿入できる場合には、対応部分(0°〜45°)の範囲に対して、うねりに基づく傾きを反映させ判定する。この結果、判定効率の向上を行うことができる。
【0018】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、さらに、判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル取得部を含み、前記うねり傾き反映部は、予測された傾きを前記3次元モデルに反映させることを特徴とする。
【0019】
この時、取得した3次元モデルは、うねりにより発生する傾き分だけ傾き補正される。その結果、うねりによる傾きが考慮された状態の3次元モデルと実際に測定されたカムプロフィールとが比較される。そして、傾いた3次元モデルのカムプロフィールの許容範囲を実際に測定された3次元カムのカムプロフィールが満たしていれば、測定対象の3次元カムはうねりにより傾いたとしても設計値に基づくカムプロフィールを満たすと仮定することができる。
【0020】
この構成によれば、うねりによるカムプロフィールの変化を設計値に容易に反映させることができるので、実際に測定されたカムプロフィールに基づいて、3次元カムをカムシャフトに挿入した時のカムプロフィールの良否判定を行うことができる。
【0021】
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記うねり傾き反映部は、予測された傾きに基づき、3次元カムの支持姿勢を修正することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、現実にカムシャフトに挿入された3次元カムの姿勢をカムプロフィールの測定時に再現することができるので、うねりによるカムプロフィールの変化を測定に容易に反映させることができるので、実際に測定されたカムプロフィールに基づいて、3次元カムをカムシャフトに挿入した時のカムプロフィールの良否判定を行うことができる。
【0023】
上記のような目的を達成するために、本発明は、カムフォロアが当接するカム面を有し当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムを、カムシャフトに挿入した時のカムプロフィールが所定のカムプロフィールを有するか否かを判定するカムプロフィール判定方法であって、判定対象の3次元カムをカムシャフトに挿入する時に押圧する押圧端面のうねり状態を、判定時に3次元カムを単体で回転自在に支持する支持軸に支持した状態で検出するうねり検出ステップと、前記うねり状態に基づき、カムシャフト挿入時の3次元カムの傾きを予測し、この予測された傾きをカムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させるうねり傾き反映ステップと、うねりによる傾きが反映されたカムプロフィールと他方のカムプロフィールとの一致性に基づいて、カムシャフト挿入時の3次元カムのカムプロフィールの良否判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、カムシャフト挿入前の3次元カムに対して行ったカムプロフィールの判定をカムシャフト挿入後の3次元カムに対して有効に活用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0026】
図1には、本実施形態の3次元カムプロフィール判定装置(以下、単に判定装置という)10の概念構成図が示されている。なお、3次元カム(カムピース)12の場合、カムプロフィールの測定時の姿勢によって、測定断面が変化してしまい、得られるカムプロフィールも大きく変化する。そこで、図1の判定装置10は、カムピース12が判定装置10にセットされた時に、そのセット姿勢に基づき、その傾きをキャンセルする機能を有している。つまり、図1に示すように、カムピース12の支持が判定装置10の垂直面に対して傾いていても、その傾きを考慮し、カムピース12の支持姿勢に関わらず、測定したカムプロフィールを設計値と比較して、カムプロフィールの一致性判定を行うことができる。
【0027】
判定装置10は、カムピース12を保持するアーバー14を両端から支持するヘッドストック16と、当該ヘッドストック16と対向する位置に配置されたテールストック18とを有している。このヘッドストック16及びテールストック18は判定装置10のベースとなる水平な定盤20等の上に当該定盤20の水平面に対して垂直になるように立設されている。従って、ヘッドストック16の支持ヘッド16aとテールストック18の支持ヘッド18aとによって規定される支持軸(回転軸)は定盤20と正確に平行に設定される。なお、本実施形態においては、支持ヘッド16a,18aで支持するアーバー14を回転駆動するために、モータやギアで構成される駆動機構(不図示)が例えばテールストック18内部に配置されている。前記駆動機構の回転制御量や実際の回転量等は、後述する測定や演算を行う時に活用する。
【0028】
また、判定装置10は、カムピース12の端面12a、つまり、カムピース12を実際に使用する場合に取り付けるカムシャフト(不図示)が貫通する面に当接可能な測定子22aを有する傾き検出器22を有している。この傾き検出器22は、例えば、テールストック18の一部に固定され、テールストック18の垂直面に対して、直角方向、つまり図1において水平方向に測定子22aが進退動作するようになっている。そして、傾き検出器22は、測定基準位置からの測定子22aの進退量を検出できるようになっている。なお、傾き検出時以外の動作時に他の構成部品との干渉を防ぐために、非使用時に、傾き検出器22は、図示の位置から退避できるように退避機構を備えていることが好ましい。
【0029】
また、ヘッドストック16とテールストック18との間の上方位置には、カムピース12のカム面12bと当接しカムプロフィールを測定するための進退動作可能な測定子24aを有するプロフィール測定器24が図示しないアーム等により任意の方向に移動自在及び測定位置で固定可能に配置されている。
【0030】
また、例えば、ヘッドストック16の上には、測定結果や演算結果、判定結果等各種情報を提供するディスプレイ26が配置されている。さらに、判定装置10の下部には、前述したテールストック18内の駆動機構や傾き検出器22、プロフィール測定器24等の制御および後述する各種演算を行う制御部28が配置されている。なお、この制御部28は、図1に示すように、外部制御部30(例えば、パーソナルコンピュータ)として構成してもよい。また、外部制御部30を用いることにより、例えば、周知のカムプロフィールテスタに外部制御部30を接続して、後述する比較判定処理等を追加機能として持たせることも可能である。
【0031】
本実施形態の特徴的事項は、カムピース12をカムシャフトに挿入する時に押圧する押圧端面のうねり状態を検出し、このうねり状態に基づきカムピース12をカムシャフト挿入した時の傾きを予測し、予測された傾きをカムプロフィールの判定に反映させることにより、カムピース12をカムシャフトに挿入した時のうねりによる影響を含め、カムピース12のカムプロフィールの良否判定を行うところである。
【0032】
このうねりによる影響を考慮するため、本実施形態では、図1に示すように、カムピース12の挿入押圧面12cと当接し、その面のうねり状態を検出する進退動作可能な測定子32aを有するうねり検出器32が図示しないアーム等により任意の方向に移動自在及び測定位置で固定可能に配置されている。
【0033】
なお、本実施形態において、カムピース12がアーバー14に傾いて固定されている場合は、例えば、設計値に基づくカムピース12の3次元モデルを取得し、実際のカムピース12の傾き姿勢に対応するように前記3次元モデルを傾けることによって、傾いた状態のカムピース12に対応するカムプロフィールを算出し、実際に測定したカムピース12のカムプロフィールとの比較を可能にしている。その上で、更にうねりによる傾きを考慮することにより、カムピース12がカムシャフトに挿入された時のカムプロフィールの良否を判断できるようにしている。
【0034】
上述のような機能を実現するために、本実施形態の制御部28(図1下段に内部構成ブロックを図示)は、プロフィール測定器24で測定したデータに基づき、カムプロフィール(傾いた状態の測定なので、設計値に対応したカムプロフィールとは限らない)を認識するプロフィール認識部34を含んでいる。また、アーバー14により回転自在に支持されたカムピース12の端面12aの傾き姿勢(支持傾き)を傾き検出器22からのデータに基づいて検出する支持傾き検出部36、うねり検出器32で測定したデータに基づき、カムピース12の挿入押圧面12cのうねり状態を検出するうねり検出部38、うねり検出部38で検出されたうねりを判定処理に反映させるうねり傾き反映部40を含んでいる。さらに、CADデータ等外部のシステムより取得可能なカムピース12のカムプロフィールに基づき3次元モデルを取得するモデル取得部42と、検出した端面12aの傾き姿勢に基づいて、取得した3次元モデルの端面が前記カムピース12の端面12aと同じ姿勢で傾くように3次元モデル全体の姿勢を傾き補正するモデル姿勢補正部44と、カムピース12がカムシャフトに挿入された時に設計値に基づくカムプロフィールの許容範囲以内にあり所望の機能を果たすか否かを判定する判定部46等を含んでいる。
【0035】
なお、図1の構成においては、うねり傾き反映部40は、うねりによる影響をモデル姿勢補正部44に反映させている例を示している。つまり、うねりによる影響が設計値から得られるカムプロフィール(3次元モデル)に反映される例を示している。
【0036】
プロフィール認識部34には、測定対象のカムピース12の頂点位置(カムピース12を回転駆動させたときにリフト量が最大となる位置)を計算する頂点位置計算部34aを含んでいる。通常、カムピース12を設計する場合、基準の位置(位相角0°の位置)を定め、「基準の位置からa方向にb°回転した位置のリフト量がcである。」として設計を行う。通常この基準位置として頂点位置を用いる。すなわち、カムピース12に対する比較を行う場合には、頂点位置を比較基準点とすると両者の比較が容易になる。なお、前述したように、アーバー14に固定されるカムピース12は任意に傾く。この場合、極端な傾き(垂直面に対して数10°以上の傾き)が存在する場合を除き、測定したリフト量が最大となる位置が現実の頂点位置に一致しているので、傾いたカムピース12の測定に基づく頂点位置の比較を行う場合の角度基準として使用しても実用上問題ない。
【0037】
以下、図1の構成および図2のフローチャートを用いて、本実施形態の判定装置10の動作について説明する。
【0038】
まず、判定対象のカムピース12を図1に示すようにアーバー14で軸支した上、判定装置10にセットする(S100)。この時点で、カムピース12はアーバー14に対し傾いていないことが望ましいが、前述したように、判定装置10は軸支時の傾きを考慮する機能を有しているので、傾いていてもよい。続いて、判定装置10の制御部28に含まれるモデル取得部42は、判定対象となるカムピース12の3次元モデルを取得するために、CAD等の外部システムから設計値を取得する(S101)。この場合、外部システムにおいて、3次元モデルがすでに存在する場合、その3次元モデルをそのまま取得する。一方、CADデータとして、断面プロフィールのみ存在する場合、例えば、図3(a)〜(c)に示すような複数(例えば3断面)の断面プロフィールa,b,cが存在する場合、モデル取得部42は内部の3次元モデル作成部42aで3次元モデルの作成を行う(S102)。各断面プロフィールa,b,cは前述したように例えば頂点位置Ta,Tb,Tcを基準に設計されているので、図3(d)に示すように、同一位相データを直線Pで結ぶ(例えば、頂点位置を0°として0.1°毎に結ぶ)ことにより、2次元データを3次元化した3次元モデルMを作成することができる。この場合、カムピース12は3次元カムである以上、設計値として断面プロフィールは少なくとも2断面以上有しているので、仮想的な3次元モデルMは容易に作成することができる。なお、カムプロフィールの認識や頂点位置の計算に必要なカムピース12の回転角度情報は、例えば、テールストック18の支持ヘッド18a等に設けられた角度検出センサやアーバー14を回転駆動するモータの駆動信号等から、またはアーバー14やカムピース12の回転量を直接検出することにより容易に取得することができる。図1の例では、支持ヘッド18aに設けた角度検出センサを使用する例を示している。なお、使用する断面プロフィールの数が増加することにより、より現実に近い正確な3次元モデルMを作成することができることはいうまでもない。
【0039】
続いて、制御部28は、判定装置10の支持ヘッド16a,18aに回転自在に支持されたアーバー14に固定されたカムピース12のカムプロフィールをプロフィール測定器24を用いて実測する(S103)。この場合、アーバー14は正確に定盤20に平行であるがカムピース12は必ずしもアーバー14の軸に対して直角に固定されているとは限らないので、プロフィール認識部34の認識するカムプロフィールは設計値に対応するものではない。なお、この時、頂点位置計算部34aによりカムピース12の頂点位置も検出する(S104)。
【0040】
判定装置10のうねり検出部38は、カムプロフィールを実測するためにカムピース12を回転させる時に、同時に、うねり検出器32を動作させ、カムピース12の挿入押圧面12cのうねり状態を実測する(S105)。また、支持傾き検出部36は、傾き検出器22を動作させ、端面12aに対する支持傾きの測定を行う(S106)。
【0041】
この時、うねり検出器32の測定子32aは、カムピース12をカムシャフトに挿入する時に押込み治具102が現実の当接する挿入押圧面12cの位置(カムピース12に開けられたカムシャフト挿入用の穴中心から所定半径位置)に接触し、カムピース12の回転に伴い、例えば、360°回転分のうねりデータを回転角度に対応付けて取得する。一方、支持傾き検出部36では、傾き検出器22によってカムピース12の端面12a上で相互に離反した少なくとも3点において測定を行う。つまり、アーバー14の中心軸方向に進退する測定子22aから進退量を検出することにより、その3点を含む任意の1平面を特定する。ただし、カムピース12の回転角度により、3点で特定した平面は傾き方向が変化するので、前記頂点位置計算部34aが算出したカムピース12の頂点位置を最上点とした時の姿勢をカムピース12の傾き姿勢とする。頂点位置を本実施形態の判定装置10の基準位置とすることにより、傾き検出器22が検出した3点により判定装置10にセットされたカムピース12の姿勢(傾き方向および傾き量)を一義的に決定することができる。
【0042】
また、支持傾き検出部36は、傾き検出器22が測定した3点に基づいて特定したカムピース12の端面12aとアーバー14の中心軸(回転軸)14aとの交点Oを求め、プロフィール測定器24で測定した断面Aまでの距離OAを算出する(S107)。この時、断面Aの位置は、プロフィール測定器24の絶対位置として、制御部28は認識することができるので、距離OAは容易に計算することができる。
【0043】
続いて、モデル姿勢補正部44は、支持傾き検出部36が検出した傾き姿勢を取得すると共に、モデル取得部42が先に取得した設計値に基づく3次元モデルM(傾きゼロの正立モデル)を取得する。そして、当該3次元モデルMの端面が実測したカムピース12の端面12aと同じ姿勢で傾くように3次元モデルM全体の姿勢を傾き補正する(S108)。この状態で、判定装置10上では、実際に測定したカムピース12と設計値に基づく3次元モデルMとが同じ姿勢で認識されることとなる。
【0044】
一方、うねり傾き反映部40では、プロフィール認識部34が算出しているカムピース12の頂点位置と、うねり検出部38が検出しているカムピース12の回転角度毎のうねり状態とに基づき、カムピース12をカムシャフトに挿入したときのうねりに起因するカムピース12の傾き角度θを頂点位置(組み付け位相角度0°)から所定角度毎、例えば10°毎に求める(S109)。
【0045】
前述したように、カムピース12をカムシャフトに挿入する場合、押込み治具102の押圧点102a(例えば、頂点位置にある押圧点102a)が接触する挿入押圧面12cのうねり状態に応じて、カムピース12の押込み姿勢が変化し、カムピース12をカムシャフトと一体的に回転させた時のカムプロフィールが変化してしまう(図6参照)。従って、うねり傾き反映部40では、カムピース12をカムシャフトに挿入する場合に、頂点位置にある押圧点102aとカムピース12の頂点位置が一致している場合(カムシャフトにカムピース12を挿入する時の相対的な回転角度0°)のうねりに基づく傾きθ=θ0、押圧点102aに対し、カムピース12が相対的に10°回転した時のうねりに基づく傾きθ=θ10、20°回転した時のうねりに基づく傾きθ=θ20・・・θ=θ350を算出する。なお、この時の傾き算出方法は、例えば、支持傾き検出部36が行っている3点を用いて1平面を特定し、垂直面との傾きを算出するものと同様に、例えば、頂点位置にある押圧点102aとカムピース12の頂点位置が一致している場合(カムシャフトにカムピース12を挿入する時の相対的な回転角度0°)の時の3つの押圧点102aのうねり量を用いて1平面を算出し、傾きを得ることができる。
【0046】
各角度における傾き角度θの算出が完了したら、うねり傾き反映部40は、まず、算出した傾きθ=θ0を抽出し(S110)、モデル姿勢補正部44にその傾き量を提供し、うねりに基づく傾きθ=θ0をキャンセルする方向に3次元モデルを再度傾き補正する(S111)。この補正が行われることにより、3次元モデルMはθ=θ0傾いた状態のカムプロフィールを提供できるようになる。
【0047】
続いて、判定部46は、モデル姿勢補正部44で傾き補正した3次元モデルMと支持傾き検出部36で算出した距離OAに基づき、図4に示すように、再度傾き補正を行った3次元モデルM上に、実際のカムピース12上で測定された断面Aに対応する断面A1を設定し、断面A1上の断面プロフィールを算出する(S112)。
【0048】
判定部46は、プロフィール認識部34から実際に測定したカムピース12の断面Aに関するカムプロフィール(実測値)を取得し、断面A1上のカムプロフィールと比較する(S113)。そして、比較の結果、両者の一致性が予め設定された許容値以内か否かの合否判定を行う(S114)。もし、両者カムプロフィールのずれが許容値を超えるものである場合、判定部46は、当該カムピース12をシャフトに取り付け傾いた場合、設計値で規定される所望のカムプロフィールを得ることができないとして、『NG』判定を行い(S115)、その判定結果をディスプレイ26等に表示し、一連の処理を終了する。この時、判定処理過程において取得したり検出した中間的情報を併せて表示するようにしてもよい。
【0049】
一方、ステップ(S114)で両者カムプロフィールの比較の結果、許容値以内であると判定された場合、判定部46は、ステップ(S109)で算出した角度について全て比較を行ったか否か確認する(S116)。もし、全角度に対し判定を行っていない場合、次の角度、例えば、θ=θ10を抽出し(S117)、ステップ(S111)に移行し、ステップ(S108)で傾き補正した3次元モデルMをうねりに基づく傾きθ=θ10により再度傾き補正するステップ(S111)以降処理を行う。
【0050】
そして、判定部46は、ステップ(S116)において、全ての角度に関し、判定を終了した場合、つまり、いずれの傾きθにおいても両者のカムプロフィールの比較結果が許容値以内であると判定された場合、当該カムピース12は挿入押圧面(押圧端面)12cにうねりを有し、カムシャフトに対し斜めに挿入(圧入)される可能性はあるが、カムシャフト挿入後は、設計値に基づく所望のカムプロフィールの許容範囲に収まると判断し、『OK』判定を行い(S118)、その判定結果をディスプレイ26等に表示し、一連の処理を終了する。この場合も判定処理過程において取得したり検出した中間的情報を併せて表示するようにしてもよい。
【0051】
このように、本実施形態においては、カムピース12の挿入押圧面12cのうねりに基づく傾きを設計値から得られるカムプロフィール(3次元モデル)に反映することにより、カムシャフト挿入前の3次元カムに対して行ったカムプロフィールの判定をカムシャフト挿入後の3次元カムに対して有効に活用することができる。
【0052】
なお、上述の説明においては、ステップ(S109)において、カムシャフト挿入時に予測されるカムピース12の傾きを10°毎に算出したが、この角度間隔は、任意であり、例えば、1°毎、5°毎、30°毎、90°毎等、任意に選択可能である。角度間隔を細かくすれば、カムピース12をカムシャフトに挿入した状態を詳細に予測することが可能となり、判定精度を向上することができる。しかし、その反面、演算付加が増大する。従って、角度間隔を適宜選択し、判定精度と演算負荷のバランスを取りながら効率的なカムプロフィールの良否判定を行うことが望ましい。
【0053】
また、カムピース12をカムシャフトに挿入する時の組み付け位相誤差範囲がカムシャフトに定められた頂点位置に対し、カムピース12の頂点位置を基準に例えば0°〜45°の範囲であるとすることができる場合、ステップ(S109)において、カムシャフト挿入時の予測を例えば0°〜45°の範囲に対して、うねりの基づく傾きを算出して反映させればよく、演算付加の軽減を行いつつ、判定効率の向上を行うことができる。
【0054】
なお、図1に示す判定装置10の構成は、一例であり、判定装置にセットされたカムピースの傾き姿勢やうねりに基づく傾きを検出し、設計値に基づく3次元モデルM側の姿勢を検出した傾き姿勢に応じて補正して、両者の比較を行う構成であれば、各データの測定手段や検出手段およびデータの処理演算方法は任意であり、適宜変更することが可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0055】
ところで、図1の構成においては、カムピース12の支持傾きに基づく補正や挿入押圧面12cのうねりに基づく傾きを、設計値から得られる3次元モデルに反映させる例を説明したが、例えば、図5(a),(b)に示すように、ヘッドストック16の支持ヘッド16aを垂直方向に移動させることにより、3次元モデルを用いることなく傾き補正を行うことができる。例えば、カムピース12の支持傾きαは、図5(a)に示すように、傾き検出器22が測定した最大値と最小値との差γと、傾き検出器22の測定子22aからアーバー14の中心軸14aまでの距離rに基づき求めることができる。すなわち、支持傾きα=tan-1(γ/2r)で算出することができる。そして、 図5(b)に示すような支持傾きαをキャンセルする支持ヘッド16aの移動量βは、アーバー14の長さをXとした場合、β=Xsinαで求めることができる。つまり、支持ヘッド16aを移動させることにより、支持傾きをキャンセルすることができる。
【0056】
なお、図5(b)に示すように、支持ヘッド16aを所定方向に移動することにより、カムピース12の端面12aは、基準面Mに対して平行になるが、支持ヘッド16aの移動調整によりアーバー14が傾くと、移動量βに応じて、支持ヘッド16aと支持ヘッド18aとの間の必要距離は減少する。そのため、支持ヘッド16aはこの減少量を補うために、例えば付勢構造等を備え、減少した支持間距離(現実には、傾きαが小さいため、極僅かな距離しか減少しない)をキャンセルするようにすることが望ましい。
【0057】
ところで、支持ヘッド16aを上述のように調整移動し、カムプロフィール測定のために回転させると、端面12aと基準面Mとの平行が維持される代わりに、支持ヘッド18aによる支持点を中心に支持ヘッド16aの支持点が半径βでピボット回転することになる。つまり、カムピース12は、紙面上下方向に揺動する。この揺動は、直接プロフィール測定器24の検出に影響を及ぼすので、プロフィール測定において、この揺動を考慮した補正を行う必要がある。前述したように、支持ヘッド16aの支持点は、半径βでピボット回転を行うのみなので、移動量β(半径β)及び、プロフィール測定器24の測定子24aの測定位置(例えば、支持ヘッド18aの支持点からの距離)等に基づき、カムピース12(すなわちアーバー14)の回転位置に応じたカムピース12の揺動量、すなわち、プロフィールの補正値を周知の方法により容易に算出することができる。この状態で、判定装置10上におけるカムピース12の支持傾きによる測定カムプロフィールへの影響は排除される。
【0058】
続いて、図2のフローチャートにおいて、ステップ(S109)で得られる挿入押圧面12cのうねりに基づく傾きも同様に、支持ヘッド16aを垂直方向に移動させる移動量を算出し、支持ヘッド16aの高さ調整を行うことにより、各角度毎にアーバー14に支持されたカムピース12に反映させることができる。つまり、カムピース12がカムシャフトに斜めに挿入された時の状態を判定装置10上で再現することができる。その結果、判定装置10は、カムピース12がカムシャフトに対しある挿入状態(例えば、組みつけ位相角度0°の時)に、傾きθ=θ0だけ傾いた状態のカムプロフィールを測定することが可能となる。なお、この場合も、支持ヘッド16aの移動に伴う偏心による揺動に関する補正は必要になる。
【0059】
そして、この測定されたカムプロフィールと設計値から得られるカムプロフィール(傾きのないカムピース12のカムプロフィール)とを比較することにより、カムピース12がうねりにより傾いてカムシャフトに挿入された場合に得られるカムプロフィールが設計値に基づくカムプロフィールの許容範囲に入っているか否かを判定することができる。同様にして、傾きθ=θ10,θ20,θ30,・・・θ350について、カムピース12を傾けて測定したカムプロフィールと、設計値から得られるカムプロフィールとの比較を行うことにより、上述した実施形態と同様に、挿入押圧面12cのうねりが原因でカムシャフトに斜めに挿入されたときに、所望のカムプロフィールが得られない『NG』品と、挿入押圧面12cのうねりが存在しカムシャフトに挿入されたときでも、所望のカムプロフィールが得られる『OK』品との判別を、カムピース12の単体状態で検出することができる。
【0060】
なお、この場合も、カムシャフト挿入時の予測されるカムピース12の傾きを例えば、1°毎、5°毎、30°毎、90°毎等、任意に選択可能である。
【0061】
また、3次元モデルを利用したときと同様に、カムピース12をカムシャフトに挿入する時の組み付け位相誤差範囲が特定できる場合には、その誤差範囲内(例えば0°〜45°)で、カムシャフト挿入時の傾き予測を行い、それぞれ判定に反映させればよい。
【0062】
なお、上述した各例において、カムピース12をアーバー14に支持する時に支持傾きが存在しない場合には、それぞれ、支持傾きをキャンセルする処理が省略されるのみで、各例と同様な処理により同様な結果を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、3次元カムの挿入押圧面にうねりが存在する場合でも、カムシャフト挿入前の3次元カムに対して行ったカムプロフィールの判定をカムシャフト挿入後の3次元カムに対して有効に活用し、実際に測定されたカムプロフィールに基づいて、3次元カムをカムシャフトに挿入した時のカムプロフィールの良否判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置の概念構成を説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置における3次元モデルの作成を説明する説明図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置における3次元モデルを傾き補正した場合の比較基準となる断面の取得を説明する説明図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る3次元カムプロフィール判定装置において、支持傾きを考慮するための他の方法を説明する説明図である。
【図6】 カムピースをカムシャフトに挿入する場合に挿入押圧面のうねりにより斜め挿入されてしまうことを説明する説明図である。
【図7】 カムピースをカムシャフトに挿入する場合に挿入押圧面を押圧する押込み治具の形状を説明する説明図である。
【図8】 カムピースをカムシャフトに挿入する場合使用する挿入押圧面のうねり状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 判定装置、12 カムピース、12a 端面、12b カム面、12c挿入押圧面、14 アーバー、14a 中心軸、16 ヘッドストック、16a 支持ヘッド、18 テールストック、18a 支持ヘッド、20 定盤、22 傾き検出器、22a 測定子、24 プロフィール測定器、24a 測定子、26 ディスプレイ、28 制御部、30 外部制御部、32 うねり検出器、32a 測定子、34 プロフィール認識部、34a 頂点位置計算部、36支持傾き検出部、38 うねり検出部、40 うねり傾き反映部、42 モデル取得部、42a 3次元モデル作成部、44 モデル姿勢補正部、46 判定部。
Claims (6)
- カムフォロアが当接するカム面を有し当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムを、カムシャフトに挿入した時のカムプロフィールが所定のカムプロフィールを有するか否かを判定するカムプロフィール判定装置であって、
判定対象の3次元カムをカムシャフトに挿入する時に押圧する押圧端面のうねり状態を、判定時に3次元カムを単体で回転自在に支持する支持軸に支持した状態で検出するうねり検出部と、
前記支持軸により回転自在に支持された3次元カムのカムプロフィールを認識するカムプロフィール認識部と、
前記うねり状態に基づき、カムシャフト挿入時の3次元カムの傾きを予測し、この予測された傾きをカムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させるうねり傾き反映部と、
うねりによる傾きが反映されたカムプロフィールと他方のカムプロフィールとの一致性に基づいて、カムシャフト挿入時の3次元カムのカムプロフィールの良否判定を行う判定部と、
を含むことを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定装置。 - 請求項1記載の判定装置において、
前記うねり傾き反映部は、3次元カムが回転する時の所定角度毎のうねり状態に基づく傾きを予測し、その傾きを、カムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させることを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定装置。 - 請求項2記載の判定装置において、
前記うねり傾き反映部は、3次元カムをカムシャフトに挿入する時の組み付け位相誤差範囲に対応した角度におけるうねり状態に基づく傾きを予測し、その傾きを、カムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させることを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の判定装置において、
さらに、判定対象の3次元カムの設計値に基づく3次元モデルを取得するモデル取得部を含み、
前記うねり傾き反映部は、予測された傾きを前記3次元モデルに反映させることを特徴とするカムプロフィール判定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の判定装置において、
前記うねり傾き反映部は、予測された傾きに基づき、3次元カムの支持姿勢を修正することを特徴とするカムプロフィール判定装置。 - カムフォロアが当接するカム面を有し当該カム面のカムプロフィールがカムの端面を基準にカムの回転軸方向に対して連続的に変化する3次元カムを、カムシャフトに挿入した時のカムプロフィールが所定のカムプロフィールを有するか否かを判定するカムプロフィール判定方法であって、
判定対象の3次元カムをカムシャフトに挿入する時に押圧する押圧端面のうねり状態を、判定時に3次元カムを単体で回転自在に支持する支持軸に支持した状態で検出するうねり検出ステップと、
前記うねり状態に基づき、カムシャフト挿入時の3次元カムの傾きを予測し、この予測された傾きをカムプロフィールの測定または設計値から得られるカムプロフィールのいずれか一方に反映させるうねり傾き反映ステップと、
うねりによる傾きが反映されたカムプロフィールと他方のカムプロフィールとの一致性に基づいて、カムシャフト挿入時の3次元カムのカムプロフィールの良否判定を行う判定ステップと、
を含むことを特徴とする3次元カムのカムプロフィール判定方法。
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