JPH11200036A - 薄膜の製造方法、及びこのためのスパッタリング装置 - Google Patents

薄膜の製造方法、及びこのためのスパッタリング装置

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JPH11200036A
JPH11200036A JP696098A JP696098A JPH11200036A JP H11200036 A JPH11200036 A JP H11200036A JP 696098 A JP696098 A JP 696098A JP 696098 A JP696098 A JP 696098A JP H11200036 A JPH11200036 A JP H11200036A
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thin film
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voltage
cathode
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JP696098A
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Hiroshi Tsuji
博司 辻
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DCスパッタリングによる薄膜の製造方法
において、スプラッシュ(薄膜と同一材料の塊状異物)
による微少欠陥の生成が著しく少ないものを提供する。
特には、平面表示装置用アレイ基板の製造方法におい
て、スプラッシュに起因する不良を著しく少なくできる
とともに、プリスパッタリングに要する時間を大幅に低
減することができるものを提供する。 【解決手段】スパッタリング室内におけるアーク放電の
発生について、カソード・アノード電極間の電圧降下を
検出することにより検知して、アーク放電の発生後1マ
イクロ秒以内に、電力供給を遮断し、電力遮断後、5〜
15マイクロ秒の後に電力供給を再開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DCスパッタリン
グにより、基板上に金属等の薄膜を製造する薄膜の製造
方法及びそのための装置に関する。特には、平面表示装
置のアレイ基板の製造工程に用いられる、金属薄膜の製
造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に金属等の薄膜を形成する方法と
して、良質の薄膜を効率よく製造することができるDC
スパッタリングによる方法が広く用いられている。
【0003】DCスパッタリングを行う装置について、
マグネトロン方式のものを(DCマグネトロンスパッタ
リング装置)例にとり、図9の模式図を用いて説明す
る。
【0004】図示の例では、減圧されたスパッタ室10
0中、下方の載置台(サセプター)114には、薄膜が
堆積される基板103が載置され、スパッタ室100の
上方には薄膜材料のソースとなるターゲット板113が
支持板(バッキングプレート)に固着されている。これ
により、基板103と、平板状のターゲット板113と
が上下から向き合うように配される。また、ターゲット
板の背面側には、上方からスパッタマグネット102が
近接して配される。
【0005】DC電源112の負極がケーブル配線11
0、及びバッキングプレートを介してターゲット板11
3に接続され、DC電源112の正極がケーブル配線1
10を介して基板の載置台114及びアース線115に
接続される。また、スパッタ室100は、減圧されて、
アルゴンガス等のスパッタリングガスが導入される。
【0006】DC電源112によりターゲット板113
と基板載置台114との間に数百ボルトの負の電圧が印
加されると、マグネトロン放電によるプラズマが発生し
てスパッタリングガスが正イオン化される。そして、こ
のイオンが加速されてターゲット板113に衝突するこ
とにより、ターゲット原子がスパッタされて(はじき出
されて)基板上に堆積される。
【0007】このようなDCスパッタリングは、例え
ば、平面表示装置のアレイ基板における金属薄膜の成膜
に用いられている。特には、各表示画素毎にスイッチ素
子が配置されたアクティブマトリクス型の液晶表示装置
のアレイ基板の製造においてDCスパッタリングが一般
に用いられている。
【0008】アクティブマトリクス型の液晶表示装置
は、低消費電力、高画質等の優れた性能により、ノート
PC、カーナビゲーション装置、超小型TV等において
広く用いられているものである。
【0009】アクティブマトリクス型液晶表示装置は、
アレイ基板と対向基板との間に配向膜を介して液晶層が
保持されて成っている。アレイ基板は、ガラスや石英等
の透明絶縁基板上に複数本の信号線と走査線とが格子状
に配置され、各交点部分には活性層にアモルファスシリ
コン(以下、a−Si:Hと略称する。)やポリシリコ
ン(以下、p−Siと略称する。)等の半導体薄膜を用
いた薄膜トランジスタ(以下、TFTと略称する。)が
接続されている。そしてTFTのゲート電極は走査線
に、ドレイン電極は信号線にそれぞれ電気的に接続さ
れ、さらにソース電極は画素電極を構成する透明導電材
料、例えばITO(Indium-Tin-Oxide)の層に電気的に接
続される。
【0010】アクティブマトリクス型液晶表示装置のア
レイ基板の製造においては、例えば、走査線及びTFT
のゲート電極を含む第1導電層パターンと、信号線及び
TFTのソース・ドレイン電極を含む第2導電層パター
ンとが、DCスパッタリングによる成膜とこれに続くパ
ターニングにより形成される。
【0011】上記のような平面表示装置のアレイ基板を
製作するための薄膜の製造工程にあっては、大面積(例
えば550mm×650mm)のガラス基板上に堆積さ
れる薄膜の膜厚分布を均一にするために、前後に長い角
棒状のスパッタマグネット102が、スパッタ工程中に
左右に往復運動される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、DCスパッ
タリングによって基板上に一様に堆積されていく薄膜の
層の中には、図10の模式図に示すように、スプラッシ
ュ(スプラッツ)106と呼ばれる同一材料の塊状異物
が形成されることがあり、これが、基板130上に形成
される薄膜131の不良の原因となるので問題となって
いる。
【0013】スプラッシュが、アクティブマトリクス型
液晶表示装置用アレイ基板のゲート電極を形成するため
の金属薄膜形成工程において発生した場合には、スプラ
ッシュの径が通常数μmであるので、ゲート電極を被覆
する酸化膜絶縁膜の膜厚ではこのスプラッシュを被覆で
きず、ゲート電極の上層に形成される信号線の金属層と
接触する。したがって、層間ショートを引き起こし、そ
れだけアレイ基板の製品歩留まりを低下させてしまう。
【0014】また、ドレイン電極を形成するための金属
薄膜形成工程においてスプラッシュが発生した場合に
は、アレイ基板と対向基板とを組み合わせて液晶パネル
を組み立てた際に、対向基板上の共通電極(コモン電
極)との電気的接触(コモンショート)により液晶パネ
ルの歩留まりを低下させてしまう。
【0015】さらに、平面表示装置の高精細化に対応し
てアレイ基板の導電層パターンが微細なパターンである
場合に、同一の導電層内の隣接する配線パターン間にス
プラッシュによるショートが生じる場合もある。例え
ば、ソース電極とドレイン電極との間の狭小な間隙にス
プラッシュが付着した場合にはTFTの不良を引き起こ
す。
【0016】スプラッシュの発生を抑えるためには、一
般には、(1)ターゲット板113表面に付着した汚染物
質やゴミの粒子を除去するためのプリスパッタリング処
理を充分に行う、(2)アーク放電が発生した場合に電源
を遮断するといったことが考えられる。
【0017】しかし、上記(1)のように、プリスパッタ
リング処理の時間をあまり長くとると、それだけスパッ
タリング装置の生産性を損ない生産コストを上昇させる
こととなる。一方、上記(2)のように電源を遮断した場
合にも、必ずしもスプラッシュの発生を充分には抑えら
れなかった。また、電源遮断後、電源供給を再開したと
きにスパッタ電流が不安定となることが多く、このた
め、再びアーク放電が発生して再度スプラッシュの発生
を誘発するといった問題があった。
【0018】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、D
Cスパッタリングによる薄膜の製造方法及びそのための
スパッタリング装置において、微少欠陥をなすスプラッ
シュの生成が著しく少ないものを提供する。特には、平
面表示装置用アレイ基板の製造方法及び装置において、
スプラッシュに起因する不良を著しく少なくできるとと
もに、プリスパッタリングに要する時間を大幅に低減す
ることができるものを提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の、反応室
内に基板を配置し、DCスパッタリングにより薄膜を堆
積する薄膜の製造方法は、カソード・アノード電極間の
電圧降下の検出によりアーク放電の発生を検知する検知
ステップと、前記検知に基づき、前記アーク放電の発生
後1マイクロ秒以内に、前記カソード・アノード電極間
に電圧を印加する電力供給を遮断する電力遮断ステップ
と、前記電力遮断後、5〜15マイクロ秒の後に前記電
力供給を再開してスパッタリングを再び開始する再開始
ステップとを備えたことを特徴とする、薄膜の製造方法
である。
【0020】このような構成により、スプラッシュに起
因する不良を著しく低減することができ、また、プリス
パッタリングに要する時間を大幅に低減することができ
る。
【0021】また、請求項5記載のDCスパッタリング
装置は、内部に基板を保持可能なスパッタリング室と、
前記スパッタリング室内に配置されるカソード及びアノ
ード電極と、前記カソード・アノード電極間にスパッタ
リング用電圧を印加する電力供給手段と、前記スパッタ
リング室内におけるアーク放電の発生を前記カソード・
アノード電極間の電圧降下を検出することにより検知す
る検知手段と、この検知に基づき、前記アーク放電の発
生後1マイクロ秒以内に、前記スパッタリング室内の前
記カソード・アノード電極間に印加される前記スパッタ
リング用電圧を遮断しスパッタリングを停止する電力遮
断手段と、前記遮断後、5〜15マイクロ秒の後に前記
スパッタリング用電圧の印加を再開してスパッタリング
を再び開始する再開手段とを備えたことを特徴とするD
Cスパッタリング装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のDCスパッタリングによ
る薄膜の製造方法について、アクティブマトリクス型液
晶表示装置用アレイ基板の製造に関連した実施例によ
り、図1〜8及び表1〜3を用いて説明する。
【0023】まず、本実施例で用いたマグネトロン方式
のDCスパッタリング装置について、図1〜3を用いて
説明する。
【0024】図1は、DCスパッタリング装置のスパッ
タ室についての極めて模式的な配線接続図である。
【0025】スパッタ室1は、本実施例において、0.
6Paに減圧されており、スパッタガスとしてアルゴン
(Ar)ガスが導入されている。一定の電力を供給する
DC電源12により、カソード電極(陰極)であるター
ゲット板13と、アノード電極(陽極)である基板載置
台14との間に電圧が印加されると、スパッタマグネッ
ト2の作用により、ターゲット板13の表面にマグネト
ロン放電によるプラズマが発生する。プラズマ化により
正イオンとなったアルゴンガスが、電場により加速され
てターゲット板13に衝突し、これによりターゲット原
子がスパッタされて基板3上に薄膜を形成する。本実施
例においては、DC電源12によって、アノード・カソ
ード間に、定常スパッタリング時には約700Vの電圧
が印加されており、DC電源12の正極側がアース線1
5に接続している。
【0026】DC電源12と、スパッタ室の電極13,
14との間には、アーク放電遮断装置11が備えられ
る。
【0027】アーク放電遮断装置11には、アーク放電
が開始する際のアノード・カソード間電圧(スパッタ電
圧)の急激な降下を検知するための電圧計等のサージ電
圧検知装置と、サージ電圧が検知された場合に所定時間
以内に急速に電力供給を遮断する遮断回路と、精密な所
定時間後に電力供給の再開を行う電力供給再開回路とが
備えられる。本発明の方法においては、電圧の異常の発
生すなわちアーク放電の発生から1マイクロ秒以内に電
力供給を遮断し、この後、5〜15マイクロ秒の後に電
力供給を再開するように設定されている。
【0028】図2は、スパッタ室1の基本構造について
模式的に示す縦断面斜視図である。
【0029】図2に示すように、載置台14上のガラス
基板3と対向配置される平板状のターゲット板13とし
て、ガラス基板3と同程度の面積のものが用いられてい
る。図示の例において、スパッタマグネット2として
は、前後に長い角棒状の3個組が、水平に配された梁
(はり)の下面に固着されたものが用いられている。ま
た、図中に矢線で示すように、スパッタマグネット2
が、スパッタ工程中に左右に往復運動される。大面積
(本実施例においては550mm×650mm)のガラ
ス基板3上に堆積される薄膜の膜厚分布を均一にするた
めである。本実施例においては、ターゲット板とスパッ
タマグネットとの間の距離は約55mmに設定されてい
る。
【0030】ここで、ターゲット板13は銅製のバッキ
ングプレート16に溶接されて保持されており、ターゲ
ット板13の周縁部と、その四周の、バッキングプレー
ト16が露出する部分とは、棚状のシールド17により
覆われている。シールド17は、バッキングプレート1
6にイオンが衝突して、形成される薄膜に銅が混入する
のを防止するとともに、ターゲット材料13がバッキン
グプレート16などに堆積して剥離することによるパー
ティクル(ゴミ粒子)の発生を防止するものである。
【0031】スパッタリング室1は、枚葉式に構成され
ている。すなわち、ガラス基板3が1枚ずつセットされ
てこの上に薄膜が堆積される。基板載置台14に対する
ガラス基板3のセット及び取り出しは基板載置台14が
引き下げられた状態で行われる。基板載置台14は、上
下動可能なシリンダー14a上に接続され支持されてい
る。
【0032】図3には、スパッタリング装置及びその付
属装置のレイアウトを模式的な平面図で示す。平面図に
おいて、概略正6角形の中央搬送室43を取り囲むよう
に、略長方形のチャンバーが6つ配置される。6つのチ
ャンバーは、2つのロードロック室41(真空予備
室)、1つの予備加熱室44、及び、3つのスパッタリ
ング室1である。これらチャンバーの出し入れ口は、中
央搬送室43の各側壁と一体に構成されている。
【0033】中央搬送室43及び予備加熱室44がスパ
ッタ室1と同一の真空度に減圧されており、外部との受
け渡しはロードロック室41における減圧または大気ベ
ント(大気圧への復帰)を経て行われる。外部とロード
ロック室41の間のガラス基板3の仕込み及び取り出し
は、複数のガラス基板3がカセットに搭載された状態で
行われる。スパッタリングガスであるアルゴンガスは、
ガスボンベ46からフローコントローラー47を経てス
パッタリング室1に供給される。一方、中央搬送室43
のロボットアーム42により、ガラス基板3が、ロード
ロック室41→予備加熱室44→スパッタリング室1→
ロードロック室41の順に移送される。本実施例では、
ガラス基板3が予備加熱室44にて200℃に加熱され
てスパッタ室1に移送される。
【0034】表1には、以上に説明したDCスパッタリ
ング装置を用いて、550mm×650mmのガラス基
板上に、厚さ300nmのモリブデン−タングステン合
金の薄膜(モリブデン50重量%、以下Mo−W膜と表
記する)を形成した場合、及び、同一厚さのアルミニウ
ムの薄膜(以下、Al膜と表記する)を堆積した場合に
ついて、スプラッシュの数を計測した結果を示す。本実
施例のアーク放電遮断回路を用いない場合についてのこ
れらの比較例と対比して示す。
【0035】
【表1】 表1に示すように、Mo−W膜及びAl膜のいずれの場
合にも、本実施例のアーク放電遮断装置により、スプラ
ッシュの数が著しく減少した。アーク放電以外の理由に
より発生するスプラッシュの数(基板あたり)は、表1
に示す実施例のものと同程度と考えられている。したが
って、実施例においては、アーク放電によるスプラッシ
ュの発生はほぼ完全に防止されたものと推測される。
【0036】図4及び図5のチャートは、それぞれ、M
o−W膜を成膜した場合の上記の実施例及び比較例につ
いての、アーク放電が発生した際のスパッタ電圧及びス
パッタ電流(アノード・カソード間の電流)の経時変化
を示すものである。
【0037】図4に示す、実施例のチャートにおいて
は、アーク放電の発生によるスパッタ電圧絶対値の急激
な減少(図では、負に設定されたカソード電極電位の急
激な上昇として示される)の開始から、1マイクロ秒以
内に電力供給が遮断されて(遅延時間tlag<1μse
c)、スパッタ電流が急低下している。5マイクロ秒の
遮断の後、電力供給が再開されると(遮断時間toff=
5μsec)、再開後、約15マイクロ秒以内にスパッ
タ電流が安定したものになっている。
【0038】図5に示す、比較例のチャートにおいて
は、アーク放電によるスパッタ電流のピークが見られ、
アーク放電終了の100マイクロ秒後にもスパッタ電流
が安定しないことが知られる。
【0039】図6には、Mo−W膜の成膜においてアー
ク放電の遮断時間を15マイクロ秒あまりとした比較例
についての上記と同様のチャートを示す。チャートに示
されるように、電力遮断時間が15マイクロ秒より長く
なった場合には、アーク放電が繰り返し発生したため、
最初のアーク放電の終了から100マイクロ秒後にもス
パッタ電流及びスパッタ電流は全く安定しなかった。
【0040】図には示さないが、電力供給の遮断時間を
4マイクロ秒以下とした場合には、アーク放電が再び発
生する等してスパッタ電流の安定にかなりの時間を要し
た。アーク放電が完全に終息していなかったためと考え
られる。
【0041】一方、電力供給の遮断開始が、アーク放電
の発生から1マイクロ秒後より遅くなった場合には、遅
くなるにつれて、基板あたりのスプラッシュの数が増加
した。これは、アーク放電が本格的に立ち上がって来た
ためと考えられる。電力供給の遮断が遅れると、また、
電力供給再開後のスパッタ電流の安定化にもかなりの時
間を要した。
【0042】本実施例においては、雰囲気ガスとしてア
ルゴンガスを用いたが、クリプトン(Kr)ガスを用い
てもほぼ同様である。
【0043】表2には、本実施例の方法による、プリス
パッタリング処理工程の軽減について示す。
【0044】プリスパッタリング処理とは、ターゲット
板の交換といったスパッタ室の定期メンテナンスの後
に、ターゲット板表面における酸化膜や吸着水といった
汚染層を除去すること、またはターゲット表面の安定化
することを目的とした、予備スパッタリングのことであ
る。
【0045】
【表2】 表2に示すように、本実施例のDCスパッタリング装置
によると、Al膜を上記ガラス基板に成膜する場合に、
径が5μm以上のパーティクルが30個以内となるまで
に要するプリスパッタリング用ガラス基板の枚数が、約
90枚であった。これに対して、アーク放電遮断回路を
備えない比較例においては約200枚を要した。このよ
うなプリスパッタリング用ガラス基板の枚数の減少に対
応して、定期メンテナンス後、製品についての薄膜製造
を開始するまでに要する時間(ダウンタイム)は、比較
例の8時間に対して実施例では3.8時間と大幅に短縮
された。
【0046】このようにスパッタリング工程における運
転効率を大幅に上昇させることができるため、基板あた
りの工程コストを大幅に低減することができる。
【0047】次に、本実施例の方法により表示装置用ア
レイ基板を作成した具体例について、図7〜8及び表3
を用いて説明する。
【0048】図7は、アレイ基板のTFT形成領域の積
層構造を模式的に示す縦断面図であり、図8は、同領域
の周辺についての模式的な平面図である。
【0049】まず、アレイ基板の製造工程の詳細につい
て、第1〜6工程の順に説明する。
【0050】(1)第1工程 プラズマCVDによりSiOx膜を被覆したガラス基板
3を用いる。
【0051】550×650mmのガラス基板3に、上
記に説明した方法により、Mo−W膜を300nmの膜
厚に堆積させる。
【0052】この積層膜上に、フォトリソグラフィを用
いてゲート電極を含む走査線層のパターンを形成する
(第1のパターニング)。この際のエッチングは、ゲー
ト電極を被覆するゲート絶縁膜のカバレッジ(特に段差
面の被覆)が良好となるように、約30度のテーパー形
状を段差面に形成するようにCDE(ケミカルドライエ
ッチング)により行う。
【0053】(2)第2工程 プラズマCVD法により300nm厚の酸化シリコン膜
(SiOx膜)から成るゲート絶縁膜32を堆積した
後、50nm厚のa−Si:Hから成る半導体被膜34
及び200nm厚の窒化シリコン膜から成るチャネル保
護膜35の層を連続的に大気にさらすことなく成膜す
る。
【0054】(3)第3工程 走査線31をマスクとした裏面露光技術により走査線3
1に自己整合的にチャネル保護膜35の層をパターニン
グし、さらにTFT領域に対応するように第2のマスク
パターンを用いて露光し、現像、パターニング(第2の
パターニング)を経て、島状のチャネル保護膜35を作
製する。
【0055】(4)第4工程 良好なオーミックコンタクトが得られるように露出する
半導体被膜34表面をフッ酸(HF)系溶液で処理し、
プラズマCVD法により不純物としてリンを含む30n
m厚のn+a−Si:Hから成る低抵抗半導体膜36の
層を堆積する。
【0056】(5)第5工程 この上に100nm厚のITO膜をスパッターにより堆
積し、第3のマスクパターンを用いて露光、現像、ドラ
イエッチングによるパターニングを経て、画素電極33
を作製する(第3のパターニング)。
【0057】(6)第6工程 この後、上記のスパッタリング装置及び方法により、モ
リブデン(Mo)を主成分とする50μm厚の第1金属
膜と、アルミニウム(Al)を主成分とする350μm
厚の第2金属膜と、Moを主成分とする50μm厚の第
3金属膜とからなる三層構造膜37を堆積する。そし
て、第4のマスクパターンを用いて露光、現像した後、
ソース電極37a及びドレイン電極37bを含むパター
ンを作成する(第4のパターニング)。最後に、配向膜
38が全面に形成される。
【0058】表3には、以上のようにして得られた表示
装置用アレイ基板について不良率を測定した結果を示
す。
【0059】
【表3】 表3に示すように、得られた表示装置用アレイ基板にお
いては、ゲート電極とドレイン電極とが電気的に短絡さ
れる層間ショートによる不良率が1.2%であり、同様
の条件でアーク放電遮断装置を用いずに製造した比較例
のアレイ基板の不良率1.7%に比べて0.5%少ない
ものとなった。
【0060】また、実施例のアレイ基板からシール材塗
布、対向電極基板の貼り合わせ、及び、液晶材料封入の
工程により液晶表示パネルを完成した場合に、コモンシ
ョートによる不良率が1.5%と、比較例のアレイ基板
からの液晶表示パネルにおけるコモンショートによる不
良率2.0%に比べて、同様に0.5%少ないものとな
った。
【0061】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、表
示装置用アレイ基板製造等のための薄膜製造装置及び方
法において、アーク放電によるスプラッシュの発生を防
止でき、これにより、アレイ基板の歩留まりを向上でき
るとともに、スパッタ室のメンテナンス終了から製品製
造再開までに要する時間(ダウンタイム)を大幅に減少
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスパッタリング装置におけるスパッタ
室の基本構成及び基本配線を模式的に示す概念図であ
る。
【図2】スパッタ室の基本構造について模式的に示す縦
断面斜視図である。
【図3】スパッタリング装置及びその付属装置のレイア
ウトを模式的に示す平面図である。
【図4】実施例のスパッタリング装置における、アーク
放電が発生した際のスパッタ電圧及びスパッタ電流(ア
ノード・カソード間の電流)の経時変化を示すチャート
である。
【図5】電力遮断装置を備えない比較例のスパッタリン
グ装置における、アーク放電が発生した際のスパッタ電
圧及びスパッタ電流(アノード・カソード間の電流)の
経時変化を示すチャートである。
【図6】アーク放電の遮断時間を15マイクロ秒あまり
とした比較例における、アーク放電が発生した際のスパ
ッタ電圧及びスパッタ電流(アノード・カソード間の電
流)の経時変化を示すチャートである。
【図7】アレイ基板のTFT形成領域の積層構造を模式
的に示す縦断面図である。
【図8】アレイ基板のTFT形成領域の周辺についての
模式的な平面図である。
【図9】従来のスパッタリング装置におけるスパッタ室
の基本構成及び基本配線を模式的に示す概念図である。
【図10】スプラッシュ(スプラッツ)について説明す
るための概念図である。
【符号の説明】
1 スパッタ室 2 スパッタマグネット 3 基板 11 アーク放電遮断装置 12 DC電源 13 ターゲット板 14 基板載置台 15 アース線 16 バッキングプレート 17 棚状のシールド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応室内に基板を配置し、DCスパッタリ
    ングにより薄膜を堆積する薄膜の製造方法において、 カソード・アノード電極間の電圧降下の検出によりアー
    ク放電の発生を検知する検知ステップと、 前記検知に基づき、前記アーク放電の発生後1マイクロ
    秒以内に、前記カソード・アノード電極間に電圧を印加
    する電力供給を遮断する電力遮断ステップと、 前記電力遮断後、5〜15マイクロ秒の後に前記電力供
    給を再開してスパッタリングを再び開始する再開始ステ
    ップとを備えたことを特徴とする、薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の前記薄膜が導電層パターン
    であり、この導電層パターンを被覆する厚さが1000
    nm未満の絶縁膜を堆積するステップと、この絶縁膜の
    上に他の導電層パターンまたは非絶縁層を積層して堆積
    するステップとを備えたことを特徴とする薄膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の前記薄膜が、モリブデン
    (Mo)とタングステン(W)との合金から成ることを
    特徴とする薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の前記薄膜が、アルミニウム
    (Al)またはアルミニウムを50モル%以上含むアル
    ミニウム合金から成ることを特徴とする薄膜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】内部に基板を保持可能なスパッタリング室
    と、 前記スパッタリング室内に配置されるカソード及びアノ
    ード電極と、 前記カソード・アノード電極間にスパッタリング用電圧
    を印加する電力供給手段と、 前記スパッタリング室内におけるアーク放電の発生を前
    記カソード・アノード電極間の電圧降下を検出すること
    により検知する検知手段と、 この検知に基づき、前記アーク放電の発生後1マイクロ
    秒以内に、前記スパッタリング室内の前記カソード・ア
    ノード電極間に印加される前記スパッタリング用電圧を
    遮断しスパッタリングを停止する電力遮断手段と、 前記遮断後、5〜15マイクロ秒の後に前記スパッタリ
    ング用電圧の印加を再開してスパッタリングを再び開始
    する再開手段とを備えたことを特徴とするDCスパッタ
    リング装置。
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JP2013166970A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Panasonic Corp スパッタリング装置のメンテナンス時期決定方法、メンテナンス方法、スパッタリング装置

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