JPH11200014A - 真空成膜方法、及び真空成膜装置 - Google Patents

真空成膜方法、及び真空成膜装置

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JPH11200014A
JPH11200014A JP444898A JP444898A JPH11200014A JP H11200014 A JPH11200014 A JP H11200014A JP 444898 A JP444898 A JP 444898A JP 444898 A JP444898 A JP 444898A JP H11200014 A JPH11200014 A JP H11200014A
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film
pellets
pellet
crucible
magnetic
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JP444898A
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English (en)
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Katsumi Endo
克巳 遠藤
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Satoshi Nagai
智 永井
Osamu Yoshida
修 吉田
Takeshi Miyamura
猛史 宮村
Toshio Yamazaki
登志夫 山崎
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質で均質な膜を生産性良く形成できる技
術を提供することである。 【解決手段】 容器内の材料を溶融、蒸発させ、この蒸
発した粒子を支持体上に堆積させて膜を形成する真空成
膜方法であって、前記支持体上に粒子が堆積し始めた
後、前記容器内に前記材料のペレットを供給するに際し
て、前記容器内で溶融している溶融量Mと該ペレットの
重量Pとが0.0001≦P/M≦0.02を満足する
ように該ペレットを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質な膜を形成
する技術、特に真空成膜方法及び真空成膜装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ等の磁気記録媒体において
は、高密度記録化の要請から、非磁性支持体上に設けら
れる磁性膜として、バインダ樹脂を用いた塗布型のもの
ではなく、バインダ樹脂を用いない金属薄膜型のものが
提案されている。すなわち、真空蒸着などの乾式メッキ
手段により磁性膜を形成した磁気記録媒体が提案されて
いる。そして、この種の磁気記録媒体は磁性体の充填密
度が高いことから、高密度記録に適したものである。
【0003】金属薄膜型の磁性膜を形成する装置として
は、図7に示す蒸着装置が知られている。図7中、31
は冷却キャンロール、32aは供給側ロール、32bは
巻取側ロール、33は供給側ロール32aから冷却キャ
ンロール31を介して巻取側ロール32bに向けて走行
するベースフィルム、34は遮蔽板、35は磁性金属3
6が充填されたルツボ、37は真空槽、38は電子銃で
ある。そして、真空ポンプを作動させて真空槽37内を
真空排気し、ルツボ35の中の磁性金属36に電子ビー
ムを照射すると、磁性金属36は溶融し、上方に蒸発し
て行く。そして、蒸発した磁性金属粒子は冷却キャンロ
ール31に添接されているベースフィルム33面に付着
・堆積し、磁性膜が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁性金属の
蒸発が進むにつれてルツボ35内の磁性金属36量は少
なくなる。生産性の観点から連続運転が必要であり、従
って磁性金属は徐々に供給されなければならない。しか
し、供給の仕方によっては、蒸発量が急激に低下した
り、突沸が起きたりする。この為、形成される膜の厚さ
が変動したり、膜の平坦性(表面粗さ)に変動が起き、
高品質で均質な膜が得られ難い。
【0005】又、ルツボ35の上方から供給することか
ら、場合によってはルツボ35から蒸発した蒸気流によ
って上方に舞い上げられることがある。この場合にも、
高品質で均質な膜が得られなくなる。従って、本発明が
解決しようとする課題は、高品質で均質な膜を生産性良
く形成できる技術を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記蒸発量の急激な低下
や突沸、更には舞い上がりに対する原因の究明に対する
検討が押し進められた。その結果、蒸発量の急激な低下
は、ルツボ35内の溶融量に対して供給された磁性金属
36のペレットが大き過ぎ、ルツボ35内の温度が急激
に低下した為であるとの知見を得るに至った。
【0007】又、突沸についても、ルツボ35内の磁性
金属の溶融量と供給される磁性金属のペレットの大きさ
との比が関与していることを見出すに至った。このよう
な知見に基づいての検討が更に押し進められて行った結
果、ルツボ内に磁性金属のペレットを供給するに際し
て、ルツボ内で溶融している磁性金属の溶融量Mと一個
当たりのペレットの重量PとがP/M≦0.02を満足
するように供給を制御すれば、蒸発量の急激な低下や突
沸を防ぐことが出来、その結果形成される膜の厚さに大
きな変動がなく、かつ、表面粗さに大きな変動がなく、
高品質で均質な膜が得られることを見出すに至った。
又、P/M≧0.0001を満足することで、ペレット
の舞い上がりを抑えられる。
【0008】この知見に基づいて本発明が達成されたも
のであり、前記の課題は、容器内の材料を溶融、蒸発さ
せ、この蒸発した粒子を支持体上に堆積させて膜を形成
する真空成膜方法であって、前記支持体上に粒子が堆積
し始めた後、前記容器内に前記材料のペレットを供給す
るに際して、前記容器内で溶融している溶融量Mと該ペ
レットの重量Pとが0.0001≦P/M≦0.02を
満足するように該ペレットを供給することを特徴とする
真空成膜方法によって解決される。
【0009】この場合、溶融量M=1kg〜40kg、
ペレットの重量P=1g〜100gであることが好まし
い。尚、上記供給されるペレットは、粒状、特に円柱形
状をしたものであるのが好ましい。すなわち、供給時に
おけるペレットの供給性(供給のし易さ)やペレットの
溶融性(溶融のし易さ)を考慮すると、ペレットの形状
が粒状、特に円柱形状であるのが好ましかった。
【0010】又、前記の課題は、容器内の材料を溶融、
蒸発させ、この蒸発した粒子を支持体上に堆積させて膜
を形成する真空成膜装置であって、前記容器内に前記材
料のペレットを供給する供給手段と、前記容器内で溶融
している溶融量Mと供給されるペレットの重量Pとが
0.0001≦P/M≦0.02を満足するよう前記供
給手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とす
る真空成膜装置によって解決される。
【0011】尚、P/Mの一層好ましい範囲は0.00
02〜0.01であり、Pの一層好ましい範囲は3g〜
80gであり、Mの一層好ましい範囲は1kg〜30k
gであった。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の真空成膜方法は、容器内
の材料を溶融、蒸発させ、この蒸発した粒子を支持体上
に堆積させて膜を形成する真空成膜方法であって、前記
支持体上に粒子が堆積し始めた後、前記容器内に前記材
料のペレットを供給するに際して、前記容器内で溶融し
ている溶融量Mと該ペレットの重量Pとが0.0001
≦P/M≦0.02を満足するように該ペレットを供給
するものである。特に、容器内の材料を溶融、蒸発さ
せ、この蒸発した粒子を支持体上に堆積させて膜を形成
する真空成膜方法であって、前記支持体上に粒子が堆積
し始めた後、前記容器内に前記材料のペレットを供給す
るに際して、前記容器内で溶融している溶融量Mと該ペ
レットの重量Pとが0.0001≦P/M≦0.02
(但し、M=1kg〜40kg、P=1g〜100gが
好ましい。)を満足するように該ペレットを供給するも
のである。尚、P/Mは、特に、0.0002〜0.0
1である。Pは、特に、3g〜80gである。Mは、特
に、1kg〜30kgである。又、ペレットは、粒状、
特に円柱形状をしたものである。
【0013】以下、更に詳しく説明する。〔支持体〕磁
性膜、特に蒸着型の磁性膜がその上に設けられる支持体
としては、当該技術分野における公知の支持体を特に制
限なく用いることが出来る。支持体は、磁性を有するも
のでも、非磁性のものでも良い。具体的には、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスルフォン、芳香族ポリアミド等の公知の樹脂
を使用することが出来る。支持体には、磁性膜を設ける
前に、大気中及び/又は真空中においてその表面に予め
コロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、
防塵処理、ボンバード処理などを行うことも出来る。支
持体の厚さは、好ましくは2〜6μm、特に2〜5μm
である。又、支持体の表面粗さは中心線平均粗さ(R
a)で1〜6nmである。
【0014】〔磁性膜、特に金属薄膜型(蒸着型)の磁
性膜〕磁性膜の形成には、特に、斜め蒸着装置が用いら
れる。例えば、図1に示す如く、真空斜め蒸着装置が用
いられる。図1中、1は冷却キャンロール、2aは供給
側ロール、2bは巻取側ロール、3は支持体、4はガイ
ドローラ、5は磁性金属6が充填されたルツボ、7は電
子銃、8は遮蔽板、9は酸素ガス供給ノズル、10はル
ツボ5内に磁性金属6の円柱形状のペレット6aを供給
する供給手段、11は真空槽である。
【0015】上記真空斜め蒸着装置を用いて支持体3上
に磁性膜を形成する為、先ず、真空槽11内を1×10
-4〜1×10-6Torrに真空排気する。そして、支持
体3を供給側ロール2aから冷却キャンロール1に沿っ
て走行させ、巻取側ロール2bに巻き取って行く。この
時、支持体1の走行速度は5〜200m/min、特に
10〜100m/minに制御されている。又、ガイド
ローラ4,4’に案内された支持体3の冷却キャンロー
ル1に対する巻き付け角度は270°以上である。そし
て、支持体3に作用しているテンションは1.0〜2.
0kg/155mm巾である。又、冷却キャンロール1
は、その表面温度が−50℃〜+50℃、特に−30℃
〜+30℃に制御されている。
【0016】出力が10〜100kwの電子銃7より電
子ビームをルツボ5内の磁性金属6に対して照射し、磁
性金属を溶融、蒸発させ、蒸発した磁性金属粒子を冷却
キャンロール1に沿って走行する支持体3上に蒸着させ
る。この蒸発に際してルツボ5内で溶融している磁性金
属6の溶融量Mは1kg〜40kgに制御される。すな
わち、磁性金属6が供給されなければ、磁性金属6の蒸
発につれてルツボ5内の溶融量Mは減少して行くが、蒸
発量に応じた所定の割合で磁性金属6のペレット6aが
供給手段10(ペレットカートリッジ10aや押し込み
バー10bを具備)により供給される。これによって、
ルツボ5内で溶融している磁性金属6の溶融量Mが、常
に、1kg〜40kgであるように設定されている。こ
こで、溶融量Mを前記のような値としたのは、溶融量M
が小さ過ぎると、供給されるペレット6aの大きさの相
違による影響が大きくなる。逆に、溶融量Mが大きい
と、電子銃7の出力を大きくしなければならず、この点
からの制約がある。従って、溶融量Mは1kg〜40k
gとした。
【0017】供給手段10により供給されるペレット6
aは、ペレット一個当たりの重量Pが1g〜100gで
ある。これは、供給されるペレット6aはルツボ5の上
方から供給されることから、ペレット6aが軽すぎた場
合、ルツボ5からの蒸発流によって上方に舞い上げら
れ、的確に、ルツボ5内に供給できないことが起きる。
逆に、ペレット6aが重すぎた場合、このペレット6a
がルツボ5内に供給された時点で、ルツボ5内の温度が
瞬間的に低下し、蒸発量が低下する。このようなことか
ら、一個当たりのペレット重量Pを1g〜100gとし
た。
【0018】1g〜100gの重量のペレット6aの供
給が、ルツボ5内に溶融している溶融量Mが、常に、1
kg〜40kgであるような供給であれば、ペレット6
aの舞い上がりや蒸発量の低下を防止できる。そして、
更に、P/Mを0.0001〜0.02とした場合に
は、突沸などの問題も認められなかった。
【0019】ペレット6aは、球形のものを排除するも
のではないが、図2に示すような円柱形状が好ましい。
すなわち、円柱形状とした場合、供給手段10による供
給性(供給時におけるペレットの動作性)が良く、か
つ、表面積が球形の場合より大きいので、それだけ溶融
し易い。制御手段(図示せず)は、ルツボ5内溶融金属
の液面位置が一定となるよう供給手段10を制御する。
すなわち、ルツボ5の内側面上部に形成されているテー
パー部分に溶融金属の液面があるようにペレットを供給
する。供給するタイミングは、ルツボの大きさ、ペレッ
トの大きさによって異なるが、本発明では、密度8.8
g/cm3 のCo金属を用いて、体積によって求められ
る溶融量Mとペレット重量Pの比P/Mを0.0001
〜0.02となるよう供給する。
【0020】これによって、常に、所定数のペレット6
aが供給手段10を介してルツボ5に供給され、溶融量
Mが、常に、1kg〜40kgであるように設定され、
しかもこの供給に際して溶融液面からの突沸はなく、か
つ、蒸発量の急激な低下は起きず、更には供給されるペ
レットの舞い上がりも起きず、蒸発が定常状態で進行
し、支持体3上に均質な磁性膜が形成されるようにな
る。
【0021】又、ルツボ5や遮蔽板8の位置を調整し、
蒸発した磁性金属粒子が冷却キャンロール1に沿って走
行する支持体3上に蒸着する時の入射角、すなわち最大
入射角が90°〜80°、最小入射角が60°〜40°
になるよう設定する。磁性金属粒子の蒸発時には、酸素
ガス供給ノズル9より酸素ガスが300〜600scc
mの割合で供給されており、磁性金属粒子の一部が酸化
される。
【0022】そして、蒸発した磁性金属粒子は冷却キャ
ンロール1に沿って走行するベースフィルム3面に付
着、堆積し、磁性膜が形成される。磁性膜を形成する磁
性金属としては、例えば、Fe,Co,Ni等の金属の
他に、Co−Ni系合金、Co−Pt系合金、Co−N
i−Pt系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合
金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Co−B系合金、
Co−Ni−Fe−B系合金、Co−Cr系合金、或い
はこれらにAl等の金属を含有させたもの等が用いられ
る。又、これらの酸化物、窒化物、炭化物なども用いら
れる。
【0023】磁性膜は、一層の金属薄膜から構成されて
いても、二層以上の金属薄膜が積層されたものでも良
い。磁性膜が二層以上の金属薄膜から構成される場合、
各金属薄膜の材質は同一でも、異なっていても良い。本
発明において形成される磁性膜は、その全体の厚さが
0.1〜0.2μmである。
【0024】〔保護膜〕上記のようにして形成された磁
性膜、特に蒸着磁性膜上には保護膜が設けられる。保護
膜は、例えば炭素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ホウ
素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化クロム、酸化アルミ
ニウム等がある。中でも、ダイヤモンド結合及びグラフ
ァイト結合を有する炭素膜が好ましい。特に、ダイヤモ
ンド結合及びグラファイト結合を有するダイヤモンドラ
イクカーボン膜が好ましい。保護膜は、厚さが3〜15
nmである。特に、厚さが5〜10nmである。
【0025】ダイヤモンドライクカーボン膜は、例えば
公知のECR(ElectronCyclotron
Resonance)プラズマCVD(Chemica
lVapor Deposition)装置を用いて形
成できる。〔バック膜〕支持体の面における磁性膜が形
成される面とは反対側の面に、磁気記録媒体の走行性や
耐久性等を向上せしめる為、所謂、バック膜が設けられ
る。バック膜としては、塗布型あるいは金属薄膜型の何
れでも良い。金属薄膜型のバック膜は、一般に、Al,
Cu,Si,Fe,Mo,Mn,Zn等の非磁性の金
属、又はこれらの合金若しくは酸化物、窒化物、炭化物
などを蒸着などのPVD手段で成膜することにより形成
される。バック膜の厚さは、0.1〜0.5μmであ
る。
【0026】〔潤滑剤〕バック膜や保護膜が形成された
後、潤滑剤、特にフッ素系潤滑剤の膜が浸漬あるいは超
音波噴霧などの手段により20〜100nm程度の厚さ
設けられる。フッ素系潤滑剤としては、例えばHOOC-CF2
(O-C2F4)p (OCF2) q -OCF2-COOH ,F-(CF2CF2CF2O)n -C
F2CF2COOH と言ったカルボキシル基変性パーフルオロポ
リエーテル、HOCH2-CF2(O-C2F4) p (OCF2) q -OCF2-CH2
OHと言ったアルコール変性パーフルオロポリエーテル、
又、分子の一方に、又は、一部にアルキル基などの飽和
炭化水素基、あるいは不飽和炭化水素基、若しくは芳香
族炭化水素基、その他の官能基が付いたもの等が挙げら
れる。具体的には、モンテカチーニ社の商品名FOMB
LIN Z DIACやFOMBLIN Z DOL、
ダイキン工業社の商品名デムナムSA等がある。
【0027】以下、具体的実施例を挙げて本発明を説明
する。
【0028】
【実施例1】図1の装置において、ルツボ5として円筒
形状(内径(直径)=20cm、深さ=4cm)のルツ
ボを用いた。このルツボ5に、図2に示す形状(直径=
0.8cm、長さ=0.8cm)で密度が8.8g/c
3 のCo金属からなるペレット6aを、溶融量Mが1
1kgとなるよう充填した。
【0029】支持体3として、厚さ6.2μm、幅60
0mm、表面粗さRaが2.2nmの長尺状ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。このP
ETフィルム3を図1の装置に装着し、40m/min
の走行速度で走行させた。尚、ガイドローラ4,4’の
調整によるPETフィルム3の冷却キャンロール1に対
する巻き付け角度は330°である。
【0030】冷却キャンロール1の半径は1mであり、
冷却キャンロール1は+30℃に冷却されている。真空
槽11内の真空度は1.0×10-6Torr、電子銃7
の出力は60kw、酸素ガス供給ノズル9よりの酸素ガ
ス供給量は400sccm、磁性金属粒子の最大入射角
は90°、最小入射角は60°である。
【0031】上記条件下でCo金属を蒸発させた。この
蒸発時に、供給手段10により供給されるペレット6a
は、溶融量Mが、常に、10.5kg〜11.5kgと
なるよう制御手段で制御している。そして、PETフィ
ルム3上に厚さが0.18μmのCo磁性膜を形成し
た。次に、Co磁性膜が形成されたPETフィルムをE
CRプラズマCVD装置に装填し、磁性膜上に厚さが1
0nmのダイヤモンドライクカーボン膜を形成した。
【0032】又、磁性膜と反対側の面に、カーボンブラ
ックを含有するバインダ樹脂からなる厚さ0.5μmの
バック膜を形成した。そして、潤滑剤(モンテカチーニ
社の商品名FOMBLIN Z DIAC)を厚さが5
0nmとなるように塗布し、潤滑剤の層を形成した。上
記のようにして得た磁気記録媒体の原反を所定幅に裁断
し、磁気テープを得た。
【0033】
【実施例2】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=20cm、深さ=4cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=1cm、長さ=1c
mで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペレッ
トを用い、ペレットの溶融量Mが11kgとなるよう充
填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、10.5
kg〜11.5kgとなるよう供給手段10を制御手段
で制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テープ
を得た。
【0034】
【実施例3】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=20cm、深さ=4cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=1cm、長さ=2c
mで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペレッ
トを用い、ペレットの溶融量Mが11kgとなるよう充
填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、10.5
kg〜11.5kgとなるよう供給手段10を制御手段
で制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テープ
を得た。
【0035】
【実施例4】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=15cm、深さ=4cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=1cm、長さ=2c
mで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペレッ
トを用い、ペレットの溶融量Mが6.2kgとなるよう
充填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、5.8
kg〜6.6kgとなるよう供給手段10を制御手段で
制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テープを
得た。
【0036】
【実施例5】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=10cm、深さ=3cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=1cm、長さ=2c
mで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペレッ
トを用い、ペレットの溶融量Mが2.0kgとなるよう
充填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、1.8
kg〜2.2kgとなるよう供給手段10を制御手段で
制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テープを
得た。
【0037】
【比較例1】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=10cm、深さ=3cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=1.5cm、長さ=
4cmで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペ
レットを用い、ペレットの溶融量Mが2.0kgとなる
よう充填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、
1.8kg〜2.2kgとなるよう供給手段10を制御
手段で制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テ
ープを得た。
【0038】
【比較例2】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=10cm、深さ=3cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=2cm、長さ=4c
mで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペレッ
トを用い、ペレットの溶融量Mが2.0kgとなるよう
充填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、1.8
kg〜2.2kgとなるよう供給手段10を制御手段で
制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テープを
得た。
【0039】
【比較例3】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=10cm、深さ=3cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=3cm、長さ=4c
mで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペレッ
トを用い、ペレットの溶融量Mが2.0kgとなるよう
充填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、1.8
kg〜2.2kgとなるよう供給手段10を制御手段で
制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テープを
得た。
【0040】
【比較例4】実施例1において、ルツボ5として内径
(直径)=10cm、深さ=3cmの円筒形状のルツボ
を用い、ペレット6aとして直径=3.2cm、長さ=
4cmで密度が8.8g/cm3 のCo金属からなるペ
レットを用い、ペレットの溶融量Mが2.0kgとなる
よう充填し、更にペレット6aの溶融量Mが、常に、
1.8kg〜2.2kgとなるよう供給手段10を制御
手段で制御した以外は、実施例1の方法に準じて磁気テ
ープを得た。
【0041】
【特性】上記各例で得た磁気テープについて、ダイヤモ
ンドライクカーボン膜を形成する前の段階において、C
o磁性膜の具合を調べた。その結果を図3,4,5,6
に示す。図3,4は、膜厚の変動具合を示すグラフであ
る。
【0042】これによれば、本発明の条件を満たした実
施例(図3)の場合、PETフィルムの位置によらず、
ほぼ一定の厚さである。これに対して、本発明の条件が
満たされなかった比較例(図4)の場合、PETフィル
ムの位置によって、厚さに凹凸が生じている。これは、
ペレットの供給時に、ルツボ内の温度が急激に低下し、
蒸発量が低下し、均一な厚さの膜が出来なかったことを
示している。
【0043】図5,6は、膜の表面粗さを示すグラフで
ある。これによれば、本発明の条件を満たした実施例
(図5)の場合、PETフィルムの位置によらず、ほぼ
一定の表面粗さとなっている。これに対して、本発明の
条件が満たされなかった比較例(図6)の場合、PET
フィルムの位置によって、表面粗さに大きな変動が生じ
ている。これは、ペレットの供給時に、溶融液に突沸が
発生し、これによって表面粗さが大きく変わり、均一な
表面粗さの膜が出来なかったことを示している。
【0044】
【発明の効果】容器内の材料を溶融、蒸発させ、この蒸
発した粒子を支持体上に堆積させて膜を形成するに際し
て、容器内に材料のペレットを供給する際、容器内で溶
融している溶融量Mとペレットの重量Pとが0.000
1≦P/M≦0.02を満足するように該ペレットを供
給するので、連続して膜を形成できるようになり、しか
もペレットの供給時に蒸発量の急激な低下や突沸が起き
ず、ほぼ一定の厚さでほぼ一定の表面粗さを有する高品
質で均質な膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空斜め蒸着装置の概略図
【図2】ペレット供給装置の概略斜視図
【図3】膜厚の変動具合を示すグラフ(実施例)
【図4】膜厚の変動具合を示すグラフ(比較例)
【図5】膜の表面粗さを示すグラフ(実施例)
【図6】膜の表面粗さを示すグラフ(比較例)
【符号の説明】
1 冷却キャンロール 3 支持体 5 ルツボ 6 磁性金属 6a ペレット 7 電子銃 10 ペレット供給手段 11 真空槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 修 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内 (72)発明者 宮村 猛史 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内 (72)発明者 山崎 登志夫 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の材料を溶融、蒸発させ、この蒸
    発した粒子を支持体上に堆積させて膜を形成する真空成
    膜方法であって、 前記支持体上に粒子が堆積し始めた後、前記容器内に前
    記材料のペレットを供給するに際して、前記容器内で溶
    融している溶融量Mと該ペレットの重量Pとが0.00
    01≦P/M≦0.02を満足するように該ペレットを
    供給することを特徴とする真空成膜方法。
  2. 【請求項2】 溶融量Mが1kg〜40kgであり、ペ
    レットの重量Pが1g〜100gであることを特徴とす
    る請求項1の真空成膜方法。
  3. 【請求項3】 ペレットが粒状のものであることを特徴
    とする請求項1又は請求項2の真空成膜方法。
  4. 【請求項4】 容器内の材料を溶融、蒸発させ、この蒸
    発した粒子を支持体上に堆積させて膜を形成する真空成
    膜装置であって、 前記容器内に前記材料のペレットを供給する供給手段
    と、 前記容器内で溶融している溶融量Mと供給されるペレッ
    トの重量Pとが0.0001≦P/M≦0.02を満足
    するよう前記供給手段を制御する制御手段とを具備する
    ことを特徴とする真空成膜装置。
JP444898A 1998-01-13 1998-01-13 真空成膜方法、及び真空成膜装置 Pending JPH11200014A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007135870A1 (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Ulvac, Inc. 有機蒸着材料用蒸着装置、有機薄膜の製造方法

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