JPH05234075A - 成膜方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

成膜方法及び磁気記録媒体の製造方法

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JPH05234075A
JPH05234075A JP18458192A JP18458192A JPH05234075A JP H05234075 A JPH05234075 A JP H05234075A JP 18458192 A JP18458192 A JP 18458192A JP 18458192 A JP18458192 A JP 18458192A JP H05234075 A JPH05234075 A JP H05234075A
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JP
Japan
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film
base film
roll
magnetic layer
recording medium
Prior art date
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JP18458192A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sato
研一 佐藤
Kazunobu Chiba
一信 千葉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜スピードを高めて、生産効率の向上を図
る。 【構成】 チャンバー1内で磁性層が形成されたベース
フィルム4を送りロール2から巻取りロール3に向かっ
て順次走行させながら、前記磁性層上に薄膜形成技術に
よって保護膜を成膜する際に、前記ベースフィルム4を
ガイドロール5a〜5fのみにより支持しながら移動走
行させる。なお、上記薄膜形成技術としては、スパッタ
リング法、CVD法等が好適とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層を有するベース
フィルム上に所謂連続巻取り方式により保護膜を形成す
る際に用いて好適な成膜方法及び磁気記録媒体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属あるいはCo−Ni等の合金からな
る磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等のベース
フィルム上に直接被着した、所謂強磁性金属薄膜型の磁
気記録媒体は、保磁力、角形比等に優れ、短波長域にお
ける電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の薄膜
化が可能であるために記録減磁や再生時の厚み損失が著
しく小さいこと、或いは磁性層中に非磁性材料である結
合剤等を混入する必要がないために磁性材料の充填密度
を高くできること等、数々の利点を有している。
【0003】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体にお
いて、一般に磁性層は真空蒸着法により形成されてい
る。この真空蒸着法により磁性層を形成する際には、送
りロールから送り出されたベースフィルムを冷却キャン
の外周面に沿って所定の速度で移動走行させ、このベー
スフィルムを連続的に巻取りロールに巻取りながら該ベ
ースフィルムに対して蒸着を行う、所謂連続巻取り方式
が導入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体を特にデジタルビデオ
テープレコーダ等に用いる場合には、アナログビデオテ
ープレコーダ等に用いる場合に比べて記録・再生時にド
ラムが高速回転されるので、磁気ヘッドとの摺動による
磁気記録媒体の損傷が大きいことが問題となっている。
【0005】そこで、従来より、ベースフィルム上に強
磁性金属薄膜を成膜した後に、この強磁性金属薄膜上に
カーボン膜やSiO2 膜等からなる保護膜を形成し、こ
れにより耐久性を確保しようとしている。
【0006】この保護膜を成膜する方法としては、例え
ばスパッタリング法やCVD法等が使用されており、磁
性層の形成工程と同様に連続巻取り方式が採用されてい
る。例えばスパッタリング法により保護膜を形成する場
合には、図4に示すように、真空室51内に所定の温度
に冷却(又は加熱)された大径のキャン52が配設さ
れ、このキャン52の周囲に複数のターゲット53が配
設される。そして、送りロール54から送り出された磁
気テープ56を上記キャン52の外周面に沿って順次走
行されながら、上記ターゲット53により上記磁気テー
プ56に対してスパッタリングが行われる。更に、この
保護膜が形成された磁気テープ56は、順次巻取りロー
ル55に巻き取られる。
【0007】なお、上記送りロール54とキャン52と
の間にはガイドロール58a,58bが配設され、上記
キャン52と巻取りロール55との間にはガイドロール
59a,59bが配設されている。これにより、上記送
りロール54からキャン52及びこのキャン52から巻
取りロール55に亘って走行する上記磁気テープ56に
所定のテンションをかけ、該磁気テープ56が円滑に走
行するようになされている。また、上記真空室51内
は、該真空室51の上下面の一部に設けられた排気口5
7,57より排気され、所定の真空度に保たれる。
【0008】このような保護膜の成膜に際し、一般にカ
ソード電極への投入電力が一定で且つカソード電極の形
状及び基板との距離が同一である場合には、磁気テープ
の送り速度はターゲットの個数に比例する。従って、生
産効率の向上を図るためには、ターゲットの個数を増や
して成膜スピードを増大させることが有効である。従来
より、ターゲットの個数を増やすためには、上記キャン
の径を大きくするか、或いはキャンの数を増やすことが
必要とされている。しかし、これらの方法では、真空装
置としても非常に大きな構造とすることが要求され、プ
ロセス自体を改善しなければならない。
【0009】また、実際に上記キャンの周囲に配設する
ことのできるターゲットの個数は、このターゲットの大
きさはもとより上記キャンの径によっても制限される。
これは、上記真空室内で上記キャン自体の占める容積が
大きいためであるが、例えばキャンの直径が600mm
の時で、上記ターゲットの個数は7個が限度である。
【0010】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、保護膜を始め薄膜形成技術に
よって得られる薄膜の成膜スピードを高めて、生産効率
の向上を図ることが可能な成膜方法及び磁気記録媒体の
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の成膜方法及び磁
気記録媒体の製造方法は、上述の目的を達成するために
提案されたものである。
【0012】即ち、本発明は、ベースフィルムをチャン
バー内において走行させ、前記ベースフィルム上に薄膜
形成技術によって薄膜を成膜するに際し、前記ベースフ
ィルムをガイドロールのみにより支持し走行させること
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明は、磁性層が形成されたベー
スフィルムをチャンバー内において走行させ、前記磁性
層上に薄膜形成技術によって保護膜を成膜するに際し、
前記ベースフィルムをガイドロールのみにより支持し走
行させることを特徴とするものである。
【0014】上記磁性層は、強磁性金属材料をメッキや
真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)によりベースフィルム上に直
接被着せしめることによって得られる。
【0015】本発明は、上記磁性層の成膜後、この磁性
層上に薄膜形成技術により保護膜を形成する際に用いて
好適とされる。
【0016】この薄膜形成技術においては、上記磁性層
が形成されたベースフィルムを送り出し側から巻取り側
に向けて順次走行させながら、上記磁性層の表面に対し
て成膜を行う、所謂連続巻取り方式が採用される。
【0017】この薄膜形成技術による成膜に際し、上記
ベースフィルムを移動走行させる手段として、従来のよ
うに大径のキャンやベルト等の支持物を使用せず、ガイ
ドロールのみを使用する。これにより、製造装置の小型
化及び装置構造の簡略化が図られ、装置が安価になると
同時に、メンテナンス性が向上する。また、製造装置内
に配されるターゲットの個数が従来のようにキャンの径
によって制限されることがないので、ターゲットの個数
を増やして成膜スピードの向上を図ることができる。
【0018】上記薄膜形成技術としては、スパッタリン
グ法又はCVD法が好適である。また、この他にも真空
蒸着法が使用可能であるが、この場合には、上記ベース
フィルムとして、耐熱性を有するフィルム材料を使用す
ることが必要となる。
【0019】なお、上記保護膜の構成材料としては、通
常使用される保護膜材料が何れも使用可能であり、例え
ばSiO2 、Si3 4 、SiNx 、BN、カーボン、
ZnO2 、Al2 3 、MoS2 、SiO等が挙げられ
る。
【0020】また、本発明は、上述のような磁気記録媒
体の製造方法における保護膜の成膜方法に限らず、薄膜
形成技術によって得られる薄膜の成膜方法において広く
適用可能となる。
【0021】この薄膜形成技術によって得られる薄膜の
構成材料としては、特に限定されるものではない。また
この場合、この薄膜が形成されるベースフィルムとして
は、上記薄膜との組合せにより適宜選定されれば良く、
特に限定されない。
【0022】なお、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
おいて、上記磁性層を構成する強磁性金属材料として
は、通常この種の磁気記録媒体で使用されるものが何れ
も使用可能である。具体的に例示すれば、Fe、Co、
Ni等の磁性金属や、Fe−Co、Co−Ni、Fe−
Co−Ni、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、F
e−Co−Ni−Cr等が挙げられる。
【0023】この磁性層が形成されるベースフィルムと
しては、保護膜を真空蒸着法により成膜する場合を除
き、通常この種の磁気記録媒体において使用されるもの
が何れも使用可能である。具体的に例示するならば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル樹脂や芳香族ポリアミドフ
ィルム、ポリイミド樹脂フィルム等が挙げられる。
【0024】更に、この磁気記録媒体の製造方法におい
ては、必要に応じて、上記ベースフィルム上に下塗り膜
を形成する工程やバックコート層、トップコート層等を
形成する工程等を加えても良い。この場合、下塗り膜、
バックコート層、トップコート層等の成膜条件は、通常
この種の磁気記録媒体の製造方法に適用される方法であ
れば良く、特に限定されない。
【0025】
【作用】通常、磁性層上に保護膜を成膜する際には、磁
性層が成膜されたベースフィルムを送り側から巻取り側
に向かって移動走行させる中途に、所定の温度に冷却
(又は加熱)された大径のキャンを配設し、このキャン
の外周面に沿って上記ベースフィルムを移動走行させな
がら、上記キャンの周囲に配された複数のターゲットに
より上記磁性層に対してスパッタリングを行っている。
【0026】この時、成膜スピードを高くするために
は、ターゲットの個数を増加させることが要求される
が、上記ターゲットの個数は上記キャンの径に応じて制
限されてしまう。
【0027】これに対して、本発明のように、上記キャ
ンを配設せず、上記ベースフィルムをガイドロールのみ
で支持しながら移動走行させると、上述のようにキャン
の径による制約を受けることなくターゲットの個数を増
やすことができる。これにより、成膜スピードが向上す
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明を適用した磁気記録媒体の製造
方法の実施例を具体的に説明する。 実施例1 本実施例は、磁気テープの保護膜の形成工程において、
9つのターゲットが真空室の内壁に沿って略コ字状に配
設されてなる所謂縦型の製造装置を使用した例である。
【0029】この製造装置においては、図1に示すよう
に、内部が真空状態となされた真空室1内の上方側に図
中の反時計回り方向に定速回転する送りロール2と、図
中の時計回り方向に定速回転する巻取りロール3とが設
けられる。これら送りロール2と巻取りロール3は、上
記真空室1の相対向する側面1a,1bの近傍にそれぞ
れ配設され、上記送りロール2から巻取りロール3に磁
性層が形成されたベースフィルム4が順次走行するよう
になされている。
【0030】上記ベースフィルム4が送りロール2から
巻取りロール3に亘って移動走行される中途部には、上
記送りロール2及び巻取りロール3の径よりも小径とな
されたガイドロール5a〜5fが設けられている。
【0031】このうち、ガイドロール5c,5dは、上
記真空室1内の下方側の上記側面1a,1bの近傍に配
設され、上記ベースフィルム4を図中下方に引き出すよ
うになされている。
【0032】また、ガイドロール5a,5bは、上記送
りロール2とガイドロール5cの間に設けられ、ガイド
ロール5e,5fは、上記ガイドロール5dと巻取りロ
ール3の間に設けられる。
【0033】そして、上記ガイドロール5b,5c,5
d,5eは、これらガイドロール5b,5c,5d,5
eによって支持される上記ベースフィルム4が上記真空
室1の上記側面1a、底面及び上記側面1bに沿った略
コ字状を描くようにそれぞれ配設されている。
【0034】従って、上記ベースフィルム4は、上記送
りロール2から順次送り出され、さらに上記ガイドロー
ル5a乃至ガイドロール5fによって支持されながら移
動走行し、上記巻取りロール3に巻き取られていくよう
になされており、上記ガイドロール5a〜5fによって
所定のテンションがかけられ、円滑な移動走行が行える
ようになされている。
【0035】一方、上記真空室1内には、上記ガイドロ
ール5a乃至ガイドロール5fによって支持されながら
移動走行されるベースフィルム4の表面に対して合計9
つ(上記ガイドロール5bからガイドロール5c間、ガ
イドロール5cからガイドロール5d間及びガイドロー
ル5dからガイドロール5e間でそれぞれ3つずつ)の
カソード電極が対向配置され、これらカソード電極上に
カーボンからなるターゲット6(サイズ:幅100mm
×長さ250mm)がそれぞれ固定される。
【0036】従って、このような製造装置においては、
上記ベースフィルム4の周囲に配設された各ターゲット
6からはじき出されたカーボンが上記ベースフィルム4
上の磁性層上に保護膜として被着形成されるようになさ
れている。なお、これらターゲット6の投入電力、該タ
ーゲット6の形状及び上記ベースフィルム4とターゲッ
ト6間の距離等の条件は、適宜選定されることが好まし
い。
【0037】ここで、上記ベースフィルム4の走行速度
を上げて成膜スピードを増大させるためには、上記ター
ゲット6の個数を増やすことが好ましいとされている。
しかし、真空室1内に配設できるターゲット6の個数
は、該ターゲット6自体の大きさの他に、真空室1内に
配設される他の構成部材の占める容積によって制限され
る。
【0038】これに対して、本実施例では、上述のよう
にベースフィルム4を支持するための手段としてガイド
ロール5a〜5fのみが用いられており、上記真空室1
内でこれらの支持部材が占める容積が小さく抑えられて
いるので、その分ターゲット6の個数を増やすことがで
き、成膜スピードの向上に非常に有利である。また、装
置構造が簡略化されているので、装置の価格が低減され
るとともに、メンテナンスが容易であり、且つ装置の小
型化にも対応可能である。
【0039】なお、上記真空室1の上下面の一部には、
排気口7がそれぞれ配設されており、該真空室1内が所
定の真空度となるように排気されている。また、この真
空室1内には、上記ガイドロール5b及びガイドロール
5eの配設された位置を境として上記真空室1の上方側
と下方側を分断するために、仕切り板8が取付けられて
いる。従って、上述のようなスパッタリングは、上記送
りロール2より送り出された上記ベースフィルム4が上
記ガイドロール5bを通過した後、該ベースフィルム4
が上記ガイドロール5eを通過する手前の上記仕切り板
8よりも下方側の領域でのみ行われるようになされてい
る。これにより、上記ベースフィルム4に対してスパッ
タリングがなされる領域以外の領域にスパッタガスが拡
散することが防止され、スパッタリングの効率を向上さ
せることができる。
【0040】そこで、以上のような構成を有する製造装
置を用いて磁性層上に保護膜を成膜し、サンプルテープ
を作製した。なお、上記スパッタリングに際し、真空室
内の真空度は2Paとし、スパッタガスとしてArガス
を使用した。また、ターゲットの投入電力は4kWとし
た。
【0041】実施例2 本実施例では、図2に示すように(以下、図1中に示さ
れる部材と同一部材については同じ番号を付した。)、
上記実施例1において使用した保護膜の製造装置におい
て、上記ガイドロール5cとガイドロール5dの間に、
上記ガイドロール5a〜5eと同じ径の4つのガイドロ
ール5x,5y,5z,5wを配設し、上記ベースフィ
ルム4の走行距離を十分に確保すると同時に、このベー
スフィルム4の表面に対向配置されるターゲット6の個
数を増加させた。
【0042】上記ガイドロール5y,5zは、上記仕切
り板8の近傍に配設され、上記ベースフィルム4を図中
上方に引き上げるようになされている。また、ガイドロ
ール5x,5wは、上記ガイドロール5c,5dを結ぶ
一直線上に配設され、ガイドロール5cとガイドロール
5x、及びガイドロール5wとガイドロール5dにより
支持されるベースフィルム4が上記真空室1の底面と略
並行に走行するようになされている。
【0043】このように、ガイドロールの個数を増やし
て、ベースフィルム4の走行距離を十分に確保すると、
このベースフィルム4の周囲に配設されるターゲット6
の個数をさらに5個(上記ガイドロール5xからガイド
ロール5y間、及びガイドロール5zからガイドロール
5w間でそれぞれ2つ、ガイドロール5yからガイドロ
ール5z間で1つ)増やすことができる。
【0044】そこで、このような構成を有する製造装置
を用いて上記実施例1と同様にしてサンプルテープを作
製した。
【0045】実施例3 本実施例は、磁気テープの保護膜の形成工程において、
9つのターゲットの大部分を一列に並列配置されてなる
所謂横型の製造装置を使用した例である。
【0046】この製造装置においては、図3に示すよう
に、内部が真空状態となされた真空室11内の両端部に
図中の時計回り方向に定速回転する送りロール12と、
図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロール13と
がそれぞれ設けられる。上記真空室11は、その長軸方
向を図中横方向に有しており、且つ両端部が図中縦方向
に若干延在した断面形状とされる。そして、この真空室
11内の縦方向に若干延在した部分に、上記送りロール
12、巻取りロール13が配設された構成とされてお
り、これら送りロール12から巻取りロール13にベー
スフィルム14が順次走行するようになされている。
【0047】このベースフィルム4が送りロール2から
巻取りロール3に亘って移動走行される中途部には、上
記送りロール12及び巻取りロール13の径よりも小径
となされたガイドロール15a〜15eが設けられてい
る。これらガイドロール15a〜15eは、上記真空室
11の横方向の延在部に一直線上に配設される。このう
ち、ガイドロール15aは、上記送りロール12から送
り出されたベースフィルム14を図中下方に引き出すと
同時に、その走行方向を縦方向から横方向に転換させて
いる。
【0048】そして、走行方向が横方向になされた上記
ベースフィルム14は、上記ガイドロール15a〜15
eにより支持され、上記真空室11の底面と略並行に順
次走行される。更に、このベースフィルム14は、上記
ガイドロール15eにより再びその走行方向を横方向か
ら縦方向に転換されて、上記巻取りロール13に巻き取
られる。この時、このベースフィルム14には、上記ガ
イドロール15a〜15eによって所定のテンションが
かけられ、円滑な移動走行が行えるようになされてい
る。
【0049】一方、上記真空室1内には、上記ガイドロ
ール15a乃至ガイドロール15eによって支持されな
がら移動走行されるベースフィルム14の表面に対して
合計9つ(上記送りロール12からガイドロール15a
間、ガイドロール15eから巻取りロール13間にそれ
ぞれ1つずつ、ガイドロール15aからガイドロール1
5e間に7つ)のカソード電極が対向配置され、これら
カソード電極上にカーボンからなるターゲット16(サ
イズ:幅100mm×長さ250mm)がそれぞれ固定
される。
【0050】従って、このような製造装置においては、
上記ベースフィルム14の周囲に配設された各ターゲッ
ト16からはじき出されたカーボンが順次走行される上
記ベースフィルム14上の磁性層上に保護膜として被着
形成されるようになされている。
【0051】このように、上記ベースフィルム14を支
持するための手段としてガイドロール15a〜15eの
みを用いれば、これらガイドロール15a〜15eの配
設位置を変化させることによって上記ベースフィルム1
4の走行方向を自在に変化させることができる。これに
より、このベースフィルム14の走行距離をかせいで該
ベースフィルム14の周囲に配設されるターゲットの個
数を増やしつつ、真空室11の容積が小さくなるように
することができる。従って、製造装置の小型化が可能と
なると同時に、装置形状の選択性が広がる。
【0052】なお、上記真空室11の横方向に延在する
部分の略中央部には、排気口17が配設されており、該
真空室11内が所定の真空度となるように排気されてい
る。そこで、このような構成を有する製造装置を用いて
上記実施例1と同様にしてサンプルテープを作製した。
【0053】ここで、上記実施例1〜3のようにして保
護膜を成膜した際のベースフィルムの送り速度を調べ、
真空室内に配設したターゲットの個数との関係を検討し
た。この結果を下記の表1に示す。なお、比較として、
真空室内にキャンを配設し、該キャンの周囲に7つのタ
ーゲットを配設して、このキャンの外周面に沿って上記
ベースフィルムを走行させながらスパッタリングを行っ
た場合(比較例)の結果についても表1中に併せて記し
た。
【0054】
【表1】
【0055】実施例4 本実施例では、図5に示すように(以下、図1中に示さ
れる部材と同一部材については同じ番号を付した。)、
ガイドロール5aとガイドロール5bの間に上記ベース
フィルム4を走行させ、その上部に7個のスパッタカソ
ード6、下部に9個のスパッタカソード6を設置した。
【0056】上部7カソードにて磁性層表面に保護膜を
形成すると同時に、下部9カソードにてベースのバック
面にも成膜した。通常ビデオテープ等においては、テー
プの走行性を良好に保つ為、コーティング方式により磁
性層と反対側のベース裏面にバックコート層を設ける。
しかしこのプロセスは別工程となるため、製造過程とし
ては1工程多くなる。本実施例のように、1プロセスに
て保護層とバックコート層を設けることにより、製造プ
ロセスを1工程短縮できる。
【0057】実施例5 本実施例では、図5と同様の装置を用い、スパッタカソ
ード6の位置にプラズマCVD装置を導入した。排気系
には図示しないターボポンプを用い、CH4 ガスを原料
とし真空度40Pa,RFパワーは500Wにてカーボ
ン膜を成膜した。
【0058】プラズマCVD装置は、前記スパッタカソ
ード6の位置にプラズマ発生器を配置してなるものであ
る。プラズマ発生器としては、図6に示すように高周波
電源22が接続される対向電極21とガス導入口23と
からなる対向電極型プラズマ発生器であってもよいし、
図7に示すように高周波電源25が接続されるプラズマ
発生管24とガス導入口26とからなる照射型プラズマ
発生器であってもよく、さらには図8に示すようなEC
R対向電極27、マイクロ波動波管28、マグネット2
9、ガス導入口30、31からなるECRプラズマ発生
器や、図9に示すように直流電源33と接続されるトー
チ型電極32とガス導入口34とからなるトーチ型DC
プラズマ発生器であってもよい。
【0059】今回実験したプラズマCVDの条件はスパ
ッタリングに比べ成膜レートが約3倍と高いため、磁性
層側の電極数が7個で比較例と同じでも、同じ成膜厚を
得るためのベース送りスピードは、42m/min.と
高い成膜スピードを実現することができた。さらに、ベ
ースのバック面にも9個のプラズマCVD装置を設置し
ている為、インラインでバックコート層を設けることが
できた。これにより、成膜プロセスの時間短縮ばかりで
なく、実施例4と同様にコーティングによるバックコー
トのプロセスを省略でき、製造工程短縮が可能となっ
た。
【0060】実施例6 本実施例は、磁気テープの保護膜の形成工程において、
22個のプラズマCVD装置がガイドロール5の間に配
設されてなる製造装置である。
【0061】この製造装置においては、図10に示すよ
うに、内部が真空状態となされた真空室1内の上方側に
図中の時計回り方向に定速回転する送りロール2と、図
中の時計回り方向に定速回転する巻取りロール3とが設
けられる。これら送りロール2と巻取りロール3は、上
記真空室1の相対向する側面1a,1bの近傍にそれぞ
れ配設され、上記送りロール2から巻取りロール3に磁
性層が形成されたベースフィルム4が順次走行するよう
になされている。
【0062】上記ベースフィルム4が送りロール2から
巻取りロール3に亘って移動走行される中途部には、上
記送りロール2及び巻取りロール3の径よりも小径とな
されたガイドロール5a〜5zが設けられている。
【0063】また、ガイドロール5aは、上記送りロー
ル2とガイドロール5bの間に設けられ、ガイドロール
5zは、上記ガイドロール5yと巻取りロール3の間に
設けられる。そして、上記ガイドロール5b,5c,5
d,5eは、拡大図(図11)に示す様にこれらガイド
ロール5b,5c,5d,5eによって支持される上記
ベースフィルム4がコの字状を描くようにそれぞれ配設
されている。これを1ユニットとし、ガイドロール5g
から5yまで連続的にコの字状にベースフィルムが走行
するように配設されている。
【0064】従って、上記ベースフィルム4は、上記送
りロール2から順次送り出され、さらに上記ガイドロー
ル5a乃至ガイドロール5zによって支持されながら移
動走行し、上記巻取りロール3に巻き取られていくよう
になされており、上記ガイドロール5a〜5zによって
所定のテンションがかけられ、円滑な移動走行が行える
ようになされている。ここで、ロール2、3の巻外側が
磁性面である。
【0065】一方、上記真空室1内には、上記ガイドロ
ール5a乃至ガイドロール5zによって支持されながら
移動走行されるベースフィルム4の表面に対して合計1
0個のプラズマCVD電極が配置され、またベースフィ
ルムの裏面に対して合計12個のプラズマCVD電極が
配置されている。
【0066】従って、このような製造装置においては、
上記ベースフィルム4の周囲に配設された各プラズマC
VDの電極よりRFが印加され、プラズマ化した原料ガ
スにより磁性層上に保護膜として被着形成されるように
なされている。なお、これらCVDにおける投入電力、
上記ベースフィルム4と電極6間の距離等の条件は、適
宜選定されることが好ましい。今回の実験では、RFパ
ワー500W、原料ガスにCH4 を用い、真空度40P
aにてカーボン膜を成膜を実施した。この製造装置を用
いることにより、著しく高い成膜スピードを実現するこ
とができた。
【0067】また、プラズマCVDにおいては、電極と
ベースフィルムとの間にDCまたはRFよりなるバイア
スをかけることにより、さらに良好な膜質が得られる。
さらに、原料ガスはCH4 に限定されずC2 4 ,C2
2 ,C6 6 等によっても成膜が可能である。保護膜
としては、カーボンに限定されず、Al2 3 ,SiO
2 ,SiNx、SiC,TiC,TiN等も可能であ
る。
【0068】実施例6においてはプラズマCVDにより
成膜したが、このプラズマ発生器6を照射型プラズマC
VD,ECRプラズマCVD,トーチ型DCプラズマC
VD,さらにスパッタカソードにしてスパッタプロセス
にて成膜してもかまわない。
【0069】
【表2】
【0070】表2からも明らかなように、本発明を適用
した場合のように、ベースフィルムを支持する手段とし
てガイドロールのみを使用することにより、真空室内に
配設できるターゲットの個数を増やすことができること
が判った。また、このターゲットの個数とベースフィル
ムの送り速度はほぼ比例しており、本実施例において
は、何れも高い成膜スピードを実現することができた。
【0071】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、磁気記録媒体の保護膜を始め、薄膜形成技術に
より得られる薄膜を成膜する際に、従来のように大径の
キャンやベルト等の支持部材を用いず、ベースフィルム
をガイドロールのみで走行させているので、製造装置内
に配設できるターゲットの個数を増やすことができる。
従って、成膜スピードが向上し、生産性の向上が図られ
る。
【0072】また、本発明では、上記保護膜や薄膜する
際に使用される製造装置の構造が簡略化されるので、装
置の価格を低減させることができるとともに、小型化を
図る上でも都合が良い。更に、このような製造装置にお
いては、メンテナンス性が著しく向上する。さらに、ベ
ースのバック面も同時に成膜することにより、コーティ
ングによるバックコートプロセスを省略することが出来
るため、製造工程の簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法において使用
される保護膜の製造装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造方法において使用
される保護膜の製造装置の他の例を示す模式図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の製造方法において使用
される保護膜の製造装置のさらに他の例を示す模式図で
ある。
【図4】従来の保護膜の成膜工程において使用される製
造装置の構成を示す模式図である。
【図5】本発明の磁気記録媒体の製造方法において使用
される保護膜の製造装置のさらに他の例を示す模式図で
ある。
【図6】対向電極型プラズマ発生器の構成例を示す模式
図である。
【図7】照射型プラズマ発生器の構成例を示す模式図で
ある。
【図8】ECRプラズマ発生器の構成例を示す模式図で
ある。
【図9】トーチ型DCプラズマ発生器の構成例を示す模
式図である。
【図10】本発明の磁気記録媒体の製造方法において使
用される保護膜の製造装置のさらに他の例を示す模式図
である。
【図11】プラズマ発生器近傍を拡大して示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1・・・真空室 2・・・送りロール 3・・・巻取りロール 4・・・ベースフィルム 5a〜5f・・・ガイドロール 6・・・ターゲットまたはCVD電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムをチャンバー内において
    走行させ、前記ベースフィルム上に薄膜形成技術によっ
    て薄膜を成膜するに際し、 前記ベースフィルムをガイドロールのみにより支持し走
    行させることを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 薄膜形成技術がスパッタリング法又はC
    VD法であることを特徴とする請求項1記載の成膜方
    法。
  3. 【請求項3】 CVD法が、キャン対向電極型プラズマ
    CVD法,照射型プラズマCVD法,ECRプラズマC
    VD法,トーチ型DCプラズマCVD法から選ばれる1
    以上の手法であることを特徴とする請求項2記載の成膜
    方法。
  4. 【請求項4】 磁性層が形成されたベースフィルムをチ
    ャンバー内において走行させ、前記磁性層上に薄膜形成
    技術によって保護膜を成膜するに際し、 前記ベースフィルムをガイドロールのみにより支持し走
    行させることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 磁性層表面への保護膜とベースのバック
    面への成膜とを同時に行うことを特徴とする請求項4記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
JP18458192A 1991-12-28 1992-06-19 成膜方法及び磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH05234075A (ja)

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JP35908891 1991-12-28
JP3-359088 1991-12-28

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4314322C2 (de) * 1992-05-02 2000-01-20 Brother Ind Ltd Werkzeugbruch-Erkennungsvorrichtung
JP2008007822A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Jfe Steel Kk Cvd装置

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