JPH11199724A - 難燃性の樹脂組成物 - Google Patents

難燃性の樹脂組成物

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JPH11199724A
JPH11199724A JP1198198A JP1198198A JPH11199724A JP H11199724 A JPH11199724 A JP H11199724A JP 1198198 A JP1198198 A JP 1198198A JP 1198198 A JP1198198 A JP 1198198A JP H11199724 A JPH11199724 A JP H11199724A
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JP1198198A
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Takashi Iwamoto
隆志 岩元
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックスがポリプロピレン系樹脂、分散
相がポリフェニレンエーテル系樹脂、混和剤がαオレフ
ィンと芳香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコ
ポリマーからなり、難燃性に優れた樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂のマトリックス中
に、特定構造の難燃剤とポリフェニレンエーテル系樹脂
を分散させ、これらの相乗効果により、難燃性に優れた
樹脂組成物を与える。ここで、難燃剤の一部として用い
る環状含窒素化合物は1,3,5−トリアジン誘導体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐油性、耐薬品性、
耐熱性に優れ、電気・電子分野、自動車分野、その他の
各種工業材料分野で利用できる難燃性樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は、優れた
難燃性、耐熱性、寸法安定性、非吸水性および電気特性
に優れたエンジニアリングプラスチックとして知られて
いるが、溶融流動性が悪く成形加工性に劣り、かつ、耐
溶剤性、耐衝撃性に劣る欠点がある。一方、ポリオレフ
ィン樹脂は、低比重で安価なプラスチックであり、耐薬
品性、耐溶剤性、成形加工性などに優れるため自動車部
品や電気・電子機器部品および家庭用電気製品などの各
種分野に使用されている。そこで、この両樹脂を混ぜ合
わせ、互いの短所を補い、長所を引き出すことにより、
成形性、耐熱性、難燃性に優れた樹脂組成物が得られる
ことが予測され、利用分野の広い優れた樹脂材料が期待
できる。
【0003】このため、このポリオレフィン/ポリフェ
ニレンエーテル系ポリマーアロイに関して数多くの提案
がなされている。例えば、米国特許第3361851号
明細書では、ポリフェニレンエーテルをポリオレフィン
とブレンドすることにより、耐溶剤性、耐衝撃性を改良
する提案がなされ、米国特許第3994856号明細書
には、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニレンエ
ーテルおよびスチレン系樹脂を水添ブロック共重合体と
ブレンドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良に関
する記載があり、米国特許第4145377号明細書に
は、ポリフェニレンエーテルまたはポリフェニレンエー
テルおよびスチレン系樹脂をポリオレフィン/水添ブロ
ック共重合体=20〜80重量部/80〜20重量部か
らなる予備混合物および水添ブロック共重合体とブレン
ドすることによる耐衝撃性、耐溶剤性の改良に関する記
載があり、さらに米国特許第4166055号明細書お
よび米国特許第4239673号明細書には、ポリフェ
ニレンエーテルを水添ブロック共重合体およびポリオレ
フィンとブレンドすることによる耐衝撃性の改良が記載
されている。
【0004】そして、米国特許第4383082号明細
書およびヨーロッパ公開特許第115712号明細書で
はポリフェニレンエーテルをポリオレフィンおよび水添
ブロック共重合体とブレンドすることにより耐衝撃性を
改良するという記載がなされている。また、特開昭63
−113058号公報、特開昭63−225642号公
報、米国特許第4863997号明細書および特開平3
−72512号公報、特開平4−183748号公報、
特開平5−320471号公報には、ポリオレフィン樹
脂とポリフェニレンエーテル樹脂からなる樹脂組成物の
改質に特定の水添ブロック共重合体を配合し、耐薬品
性、加工性に優れた樹脂組成物が提案されている。
【0005】また、本出願人は、特開平2−22556
3号公報、特開平3−185058号公報、特開平5−
70679号公報、特開平5−295184号公報、特
開平6−9828号公報、特開平6−16924号公
報、特開平6−57130号公報、特開平6−1362
02号公報ではポリフェニレンエーテルとポリオレフィ
ンおよび特定の水添ブロック共重合体からなる相溶性、
剛性と耐熱性に優れ、耐溶剤性に優れた樹脂組成物を提
案した。
【0006】また、特開平4−28739号公報、特開
平4−28740号公報ではポリフェニレンエーテルと
ポリオレフィンおよび水添ブロック共重合体またはゴム
状重合体からなる、機械的物性、特に衝撃強度と剛性の
バランスに優れた樹脂組成物の製造方法が提案されてい
る。また、特開平7−166026号公報ではポリフェ
ニレンエーテル系樹脂とポリオレフィン系の相溶性が良
好で、優れた機械特性、特に耐衝撃性を有する樹脂組成
物の製造方法が提案されている。
【0007】さらに、特開平7−53859号公報には
ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリオレフィン系樹脂
のブレンド物にハロゲン含有有機燐酸エステル化合物と
アンチモン化合物をさらに加えた難燃性樹脂組成物が提
案されており、同様に特開平7−216145号公報に
於いては、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリオレフ
ィン系樹脂のブレンド物に有機燐酸エステル化合物、ポ
リ燐酸アンモニウムと環状含窒素化合物をさらに加えた
難燃性樹脂組成物が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この上記した先行技術
で得られるポリマーアロイ組成物は、概ね、耐熱性、機
械的強度、加工性に関して、ポリフェニレンエーテル樹
脂とポリオレフィン樹脂の各々の特徴を活かした改良さ
れた樹脂組成物を提供している。しかしながらこのポリ
マーアロイ組成物は、ポリフェニレンエーテルが本来有
する優れた難燃性ポテンシャルは全く見受けられず、多
量の難燃剤を必要とするため機械的強度を著しく損なう
という欠点があった。
【0009】本発明は、マトリックスがポリプロピレン
系樹脂、分散相がポリフェニレンエーテル系樹脂、混和
剤がα−オレフィンと芳香族モノビニリデン化合物との
疑似ランダムコポリマーからなる樹脂組成物の難燃性を
改良し、難燃性、耐油性、耐薬品性、耐熱性および機械
的強度に優れた難燃性樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するため、マトリックスがポリプロピレン系樹
脂、分散相がポリフェニレンエーテル系樹脂、およびこ
れらの両樹脂成分の混和剤としてのα−オレフィンと芳
香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマー
から成る樹脂組成物の難燃性に関して鋭意検討を重ねた
結果、有機リン酸エステル化合物と特定構造の1,3,
5−トリアジン誘導体を含む樹脂組成物がポリフェニレ
ンエーテル系樹脂と相俟って難燃性に優れ、さらに機械
的性質に優れた樹脂組成物をもたらすことを見出した。
【0011】すなわち、本発明は、(a)ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂:55〜5重量%、(b)ポリプロピ
レン系樹脂:45〜95重量%、上記(a)、(b)成
分の合計100重量部に対して、(c)α−オレフィン
と芳香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリ
マー:1〜30重量部、(d)有機リン酸エステル化合
物:4〜40重量部、(e)下記の一般式(I)で表さ
れる化学構造を有する1,3,5−トリアジン誘導体:
2〜20重量部、を含むことを特徴とする難燃性の樹脂
組成物、である。
【0012】
【化2】 (式中、Xはモルホリノ基またはピペリジノ基であり、
Yはピペラジンから誘導される2価の基であり、nは1
以上の数である。)
【0013】本発明で(a)成分のポリフェニレンエー
テル(以下、単に「PPE」と略記)は、本発明の樹脂
組成物に耐熱性および難燃性を付与するうえで必須な成
分であり、該PPEは、結合単位:
【化3】 (ここで、R1,R2,R3,およびR4はそれぞれ、
水素、ハロゲン、炭素数1〜7の第一級または第二級低
級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノア
ルキル基、炭化水素オキシ基または少なくとも2個の炭
素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭
化水素オキシ基からなる群から選択される基であり、互
いに同一でも異なっていてもよい)からなり、還元粘度
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃で測定)
が、0.15〜2.0の範囲、より好ましくは0.20
〜1.0の範囲にあるホモ重合体および/または共重合
体である。
【0014】このPPEの具体的な例としては、例え
ば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さら
に2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例
えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル
−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフ
ェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でも、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、
2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。
【0015】かかるPPEの製造方法は公知の方法で得
られるものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、米国特許第3306874号明細書記載のHayに
よる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用
い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合することに
より容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306
875号、同第3257357号および同第32573
58号の明細書、特公昭52−17880号および特開
昭50−51197号および同63−152628号等
の公報に記載された方法で容易に製造できる。
【0016】また、本発明で用いるPPEは、上記した
PPEのほかに、該PPEとスチレン系モノマーおよび
/もしくはα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶
液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応
させることによって得られる公知の変性(該スチレン系
モノマーおよび/もしくはα,β−不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは
付加)PPEであってもよく、さらに上記したPPEと
該変性PPEの任意の割合の混合物であってもかまわな
い。また、本発明で用いるPPEは上記したPPEのほ
かに、これらPPE100重量部に対してポリスチレン
またはハイインパクトポリスチレンを400重量部を超
えない範囲で加えたものも好適に用いることができる。
【0017】次に本発明で用いる(b)成分として用い
るポリプロピレン系樹脂は、結晶性プロピレンホモポリ
マーおよび重合の第一工程で得られる結晶性プロピレン
ホモポリマー部分と重合の第二工程以降でプロピレン、
エチレンおよび/または少なくとも1つの他のα−オレ
フィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重
合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体
部分を有する結晶性プロピレン−エチレンブロック共重
合体であり、さらにこれら結晶性プロピレンホモポリマ
ーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の混
合物であってもかまわない。
【0018】かかるポリプロピレン系樹脂は、通常、三
塩化チタン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担
持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム
化合物の存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重
合圧力3〜100気圧の範囲で重合して得られる。その
際、重合体の分子量を調製するために水素等の連鎖移動
剤を添加することも可能であり、また重合方法としてバ
ッチ式、連続式いずれの方法でも可能で、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶
液重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無
溶媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での
気相重合方法などが適用できる。
【0019】また、さらには、上記した重合触媒の他に
得られるポリプロピレンのアイソタクティシティおよび
重合活性を高めるため、第三成分として電子供与性化合
物を内部ドナー成分または外部ドナー成分として用いる
ことができる。これらの電子供与性化合物としては公知
のものが使用でき、例えば、ε−カプロラクトン、メタ
クリル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルな
どのエステル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸
トリブチルなどの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホス
ホリックトリアミドなどのリン酸誘導体などや、アルコ
キシエステル化合物、芳香族モノカルボン酸エステルお
よび/または芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族
炭化水素系アルコキシシラン、各種エーテル化合物、各
種アルコール類および/または各種フェノール類などが
挙げられる。
【0020】本発明で供するポリプロピレン系樹脂は上
記した方法で得られるものであれば、いかなる結晶性や
融点を有するものでも単独でも併用でも用いることがで
きる。また、このポリプロピレン系樹脂のメルトフロー
レート(MFR)(230℃、荷重2.16kg)は、
0.01〜300g/10分であり、好ましくは0.1
〜100g/10分、より好ましくは0.3〜50g/
10分の範囲である。また、これらの範囲のMFRであ
れば、単独でも、併用しても用いることができる。
【0021】次に本発明で(c)成分として用いるα−
オレフィンと芳香族モノビニリデン化合物との疑似ラン
ダムコポリマーは、脂肪族α−オレフィン及び芳香族モ
ノビニリデン化合物からなる実質的にランダムなインタ
ー重合体である。脂肪族α−オレフィンは、2〜18個
の炭素原子を有する脂肪族及びシクロ脂肪族α−オレフ
ィン、そして好ましくは2〜8個の炭素原子を有するα
−オレフィンを含む。最も好ましくは、脂肪族α−オレ
フィンは、エチレンまたはプロピレン、好ましくはエチ
レン、そして任意に3〜8個の炭素原子を有する1種以
上のα−オレフィンとの混合物、例えば、エチレン及び
プロピレン、またはエチレン及びオクテン、またはエチ
レン及びプロピレン及びオクテンからなる。
【0022】芳香族モノビニリデン化合物は、以下の式
により表される化合物である。
【化4】 (ただし、R1は水素及び3個以下の炭素を含むアルキ
ル基からなる置換基群から選ばれ、そしてArはフェニ
ル基、またはハロゲン、C1〜4のアルキル及びC1〜
4のハロアルキルからなる群から選ばれる1〜5個の置
換基により置換されているフェニル基である。)
【0023】好適な例としては、スチレン及びその低級
アルキル−またはハロゲン−置換誘導体を含む。好まし
い例としては、スチレン、α−メチルスチレン、スチレ
ンの低級アルキル−またはフェニル置換誘導体、例え
ば、オルト−、メタ−及びパラ−メチルスチレン、また
はこれらの混合物、並びに環ハロゲン化スチレンを含
む。より好ましい芳香族モノビニリデン化合物は、スチ
レンである。本発明で有用な(c)は、好ましくは脂肪
族α−オレフィン及び芳香族モノビニリデン化合物から
なる疑似(pseudo)ランダム鎖状または実質的に
鎖状、より好ましくは鎖状のインター重合体である。こ
れらの疑似ランダム鎖状インター重合体は、1990年
7月3日に出願された米国特許出願第545403号
(ヨーロッパ特許公開第0416815号に対応)に記
述されている。
【0024】(c)中に配合される芳香族モノビニリデ
ン化合物そして好ましくは疑似ランダム鎖状インター重
合体から由来する単位の含量は、好ましくは少なくとも
1.0モル%、さらに好ましくは1.5〜55モル%、
非常に好ましくは3.0〜50モル%、そして最も好ま
しくは、15.0〜47モル%の範囲である。好ましく
は、例えば13000より大きい重量平均分子量(M
w)を有するような高い分子量インター重合体成分
(c)が使用される。また、これら重合体は、好ましく
は125より低い、さらに好ましくは0.01〜10
0、よりさらに好ましくは0.01〜25、そして最も
好ましくは0.05〜8のメルトインデックス(AST
M−D1235 Procedure A.条件Eで測
定)を有する。
【0025】以下に記述するように、実質的にランダム
なインター重合体成分(c)を調製している間、ある量
のアタクチック芳香族モノビニリデン化合物ホモ重合体
が、高濃度での芳香族モノビニリデン化合物のホモ重合
により、生成される。一般的に、重合温度が高くなれば
なるほど、生成するホモ重合体の量は増大する。芳香族
モノビニリデン化合物ホモ重合体の存在は、一般的に、
本発明の目的にとり、有害ではなく、許容できるもので
ある。芳香族モノビニリデン化合物ホモ重合体は、所望
により、好適な抽出剤例えば、アセトンまたはクロロホ
ルムによる抽出により、成分(c)から分離できる。本
発明の目的のためには、成分(c)において、成分
(c)の重量に基づいて、20重量%以下、さらに好ま
しくは15重量%より少ない芳香族モノビニリデン化合
物ホモ重合体が存在する。
【0026】実質的にランダムなインター重合体は、そ
れらの相溶化機能が実質的に影響されないならば、当業
者に周知の代表的なグラフト化、水素化、官能化または
他の反応によって変性できる。重合体は、確立された技
術に従って、容易にスルホン化または塩素化されて官能
化された誘導体をもたらすことができる。疑似ランダム
インター重合体は、、1990年7月3日に出願された
米国特許出願第545403号(ヨーロッパ特許公開第
0416815号に対応)に記述されているような方法
で製造できる。これらの重合反応において、より好まし
い操作条件は、大気圧から3000気圧までの圧力及び
30〜200℃の温度である。
【0027】疑似ランダムインター重合体を製造するた
めの好適な触媒及び方法の例は、1990年7月3日に
出願された米国特許出願第545403号(ヨーロッパ
特許公開第0416815号)、1990年7月3日に
出願された米国特許出願第547718号(ヨーロッパ
特許公開第468651号)、1991年5月20日に
出願された米国特許出願第702475号(ヨーロッパ
特許公開第514828号)、1992年5月1日に出
願された米国特許出願第876268号(ヨーロッパ特
許公開第520732号)、1993年1月21日に出
願された米国特許出願第8003号、1993年3月1
9日に出願された米国特許出願第34434号、199
3年6月24日に出願された米国特許出願第82197
号、並びに米国特許第5055436、505747
5、5096867、5064802、5132380
及び5189192号の各明細書に開示されており、こ
れらの特許及び出願の全ては、本明細書の参考として引
用する。
【0028】ところで、このα−オレフィンと芳香族モ
ノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマーは、芳
香族モノビニリデン化合物の含有割合を変えることによ
り硬質樹脂状から軟質エラストマー状まで広範囲に変化
することが知られている。また、ポリオレフィンとポリ
フェニレンエーテルは本来相溶性がなく、単純に混ぜた
だけでは層剥離が著しく実用に耐えないため、ポリオレ
フィンとポリフェニレンエーテルをポリマーアロイ化す
る混和剤として、新規なα−オレフィンと芳香族モノビ
ニリデン化合物との疑似ランダムコポリマーが有用であ
ることを見いだした。
【0029】つぎに本発明で(d)成分として用いる有
機リン酸エステル化合物は、例えば、下記一般式:
【化5】 〔式中、R1、R2、R3及びR4は各々水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
置換アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アリール基
またはアルキル置換アリール基を表し、それぞれ同一で
あっても異なっていてもよい。Xはアリーレン基を表
す。nは0〜5の整数である。(異なるn値を有する縮
合物の組成物では、nはそれらの平均値を表す)〕で示
されるリン酸エステルおよびまたはその縮合物である。
n=0はリン酸エステル単量体を示す。
【0030】代表的なリン酸エステル単量体としては、
例えば、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフ
ォスフェート、トリキシレニルフォスフェート等を挙げ
ることができる。縮合物としては、通常nは1〜5の値
を取り得るが、好ましくは平均値で1〜3である。ま
た、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも一つが
アリール基であることが好ましく、特に好ましくはR
1、R2、R3及びR4のすべてがアリール基である。
好ましいアリール基としてはフェニル、キシレニル、ク
レジルまたはこれらのハロゲン化誘導体が挙げられる。
また、好ましいXのアリーレン基としては、レゾルシノ
ール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビフェノー
ルまたはこれらのハロゲン化誘導体からそれぞれ2個の
水酸基が脱離した残基を挙げることができる。
【0031】代表的な縮合型のリン酸エステル化合物と
しては、レゾルシノール・ビスフェニルホスフェート化
合物、ビスフェノールA−ポリフェニルホスフェート化
合物、ビスフェノールA−ポリクレジルホスフェート化
合物などが挙げられる。つぎに本発明で(e)成分とし
て用いる1,3,5−トリアジン誘導体とは、非ハロゲ
ン系難燃剤であって、1位、3位および5位の位置で窒
素原子を含む六員環複素化合物の誘導体である。このよ
うな1,3,5−トリアジン誘導体成分は、下記の一般
式(I):
【0032】
【化6】 (式中、Xはモルホリノ基またはピペリジノ基、Yはピ
ペラジンから誘導される2価の基、nは1以上、好まし
くは2〜50であって通常は約11である)で表され
る。
【0033】このような1,3,5−トリアジン誘導体
成分の好適具体例としては、置換基Xがモルホリノ基で
ある2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5
−トリアジンのオリゴマーまたはポリマー、および置換
基Xがピペリジノ基である2−ピペラジニレン−4−ピ
ペリジノ−1,3,5−トリアジンのオリゴマーまたは
ポリマー等を挙げることができる。具体的には、2−ピ
ペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジ
ンのポリマーは、以下の方法で製造することができる。
【0034】すなわち、等モルの2,6−ジハロ−4−
モルホリノ−1,3,5−トリアジン(例として、2,
6−ジクロロ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジ
ンや2,6−ジブロモ−4−モルホリノ−1,3,5−
トリアジン)とピペラジンとを、有機塩基(例えば、ト
リエチルアミンまたはトリブチルアミン等)または無機
塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまた
は炭酸ナトリウム等)の共存下、例えばキシレン等の不
活性溶媒中で、好ましくはこの種の不活性溶媒の沸点以
下の温度に加熱して反応させる。反応終了後に、反応混
合物を濾過して固形物を分離し、分離された固形物を沸
騰水で洗浄し、その際反応で生成する副生物の塩を該沸
騰水に溶解させて除去した後に、残存する固形物を乾燥
する。
【0035】ここで得られるポリ(2−ピペラジニレン
−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン)の性状は
以下の通りである。 ・溶解性:水および有機溶剤に不溶。 ・融点:なし(分解温度310℃付近)。 ・嵩密度:0.3g/cc ・構造式:下記の一般式(II)に示す。
【0036】
【化7】 (式中、nは11である)
【0037】このようにして得られた1,3,5−トリ
アジン誘導体成分を、本発明の樹脂組成物に配合した場
合、高温または炎との接触などによる熱分解に際して
も、非引火性ガス(水、二酸化炭素、窒素など)と炭素
質残渣のみを生じ、腐食性ガス、ハロゲン系ガスや有毒
性ガスの発生を殆ど伴わない利点を有する。また、1,
3,5−トリアジン誘導体は、上記した有機リン酸エス
テル化合物およびポリフェニレンエーテル系樹脂との相
乗効果によって、本発明の樹脂組成物に優れた難燃性を
付与する。
【0038】本発明の難燃性樹脂組成物は、上記した
(a)〜(e)成分より構成され、かかる成分の割合
は、(a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂が55
〜5重量%、(b)成分のポリプロピレン系樹脂が45
〜95重量%、(c)成分のα−オレフィンと芳香族モ
ノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマーが
(a)成分+(b)成分の合計量100重量部に対して
1〜30重量部であり、(d)成分の有機リン酸エステ
ル化合物が(a)成分+(b)成分の合計量100重量
部に対して4〜40重量部であり、(e)成分の1,
3,5−トリアジン誘導体が(a)成分+(b)成分の
合計量100重量部に対して2〜20重量部である。
【0039】本発明において、(a)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂の配合量は55〜5重量%、好ましくは5
5〜15重量%である。かかる配合量が55重量%を超
える場合には、得られる樹脂組成物の耐熱性は極度に優
れるものの、成形加工性、耐溶剤性が劣り好ましくな
い。また、5重量%未満では成形加工性、耐溶剤性に優
れるものの、耐熱性が劣り耐熱材料として利用できな
い。本発明において、(b)ポリプロピレン系樹脂の配
合量は、45〜95重量%であり、好ましくは45〜8
5重量%である。かかる配合量が45重量%未満では、
得られる樹脂組成物の耐熱性は優れるものの、成形加工
性、耐溶剤性が劣り好ましくない。また、95重量%を
超える場合は成形加工性、耐溶剤性は良好なものの、耐
熱性が劣り耐熱性材料として利用できない。
【0040】本発明において、(c)α−オレフィンと
芳香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマ
ーの配合量は、上記(a)、(b)成分の合計100重
量部に対して1〜30重量部である。かかる配合量が1
重量部未満では本発明の樹脂組成物の混和剤としての効
果(ポリプロピレン系樹脂中にポリフェニレンエーテル
系樹脂を微細に乳化分散させる)が見られず好ましくな
い。また、かかる配合量が30重量部を超える場合は、
(a)、(b)成分が示す作用効果の耐熱性、耐溶剤
性、剛性および機械的強度の低下が顕著であり好ましく
ない。また、本発明において(d)、(e)成分の配合
量は、上記した各々の範囲で用い、これらの下限値に満
たない場合は難燃性改良効果が見られず好ましくなく、
またこれらの上限値を超える場合は難燃性に優れるもの
の、機械的物性が顕著に悪化し好ましくない。
【0041】本発明では、上記の成分の他に、本発明の
特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附
加的成分、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、酸化防
止剤、金属不活性化剤、難燃剤(無機系リン化合物、シ
リコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウムなど)、難燃効果を示すフッ素系ポリマー、可塑
剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆
油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、
三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、
ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、無機または有機
の充填材や強化材(ガラス繊維、カーボン繊維、ポリア
クリロニトリル繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カ
ーボンブラック、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、チタン酸カリウム、ワラストナイト、導電
性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色
剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0042】本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法は、
上記した各成分を用いて、 (a)〜(e)成分を一括して溶融混練する方法、 (a)成分と(c)成分の溶融混練状態下に(b)
成分、(d)成分および(e)成分を追加添加し溶融混
練する方法、 (a)成分を溶融混練した状態下に、(b)成分、
(c)成分、(d)成分および(e)成分を追加添加し
溶融混練する方法や (a)成分と(b)成分の一部を溶融混練した状態
下に、(b)成分の残部と(c)成分、(d)成分およ
び(e)成分を追加添加し溶融混練する方法、 など種々の方法で製造することができる。
【0043】これらの方法として例えば、単軸押出機、
二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラスト
グラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法
が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方
法が最も好ましい。その際の溶融混練温度は特に限定さ
れるものではないが、通常200〜350℃の中から好
適な樹脂組成物が得られる条件を任意に選ぶことができ
る。このようにして得られる本発明のポリマー組成物
は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押
出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形で
きる。これら各種部品としては、例えば自動車部品が挙
げられ、具体的には、バンパー、フェンダー、ドアーパ
ネル、各種モール、エンブレム、エンジンフード、ホイ
ールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパーツ
等の外装品や、インストゥルメントパネル、コンソール
ボックス、トリム等の内装部品等に適している。さら
に、電気機器の内外装部品としても好適に使用でき、具
体的には各種コンピューターおよびその周辺機器、その
他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤ
ー等のシャーシー、キャビネット、二次電池用電槽材料
および冷蔵庫等の部品用途に適している。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、実施例などによって本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例な
どにより何ら限定されるものではない。(a)成分のPPE (a):2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元
粘度0.41のポリフェニレンエーテル(b)成分の高結晶ポリプロピレン (b):ホモ−ポリプロピレン 融点=162℃、MFR=0.4 ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)はAS
TM−D1238に準拠し、230℃、2.16Kgの
荷重で測定した。(c)成分のα−オレフィと芳香族モノビニリデン化
合物との疑似ランダムコポリマー <cー1:(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジク
ロライドの製造>
【0045】(a)(クロロ)(ジメチル)(テトラメ
チルシクロペンタジ−2,4−エニル)シラン −40℃に冷却したTHF150ml中の21.5g
(167mmol)のジメチルジクロロシラン溶液に、
THF80ml中の8.00g(55.6mmol)の
ナトリウム1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエナイドを徐々に加えた。反応混合物を室温に加温
し、一夜攪拌した。溶媒を除去し、残渣をペンタンで抽
出して濾過した。ペンタンを減圧下で除去して生成物を
明黄色油として得た。収量は10.50g(83.0
%)であった。生成物のNMRの分析結果は次の通りで
ある。 1H NMR(C6D6)δ2.89(s,1H)、
1.91(s,6H)、1.71(s,6H)、0.1
4(s,6H); 13C NMR(C6D6)δ137.8,131.
5,56.6,14.6,11.4,0.81。
【0046】(b)(第3級ブチルアミノ)(ジメチ
ル)(テトラメチルシクロペンタジ−2,4−エニル)
シラン 20mlTHF中の11.07g(151mmol)の
t−ブチルアミンの溶液を、300mlTHF中の1
3.00g(60.5mmol)の(クロロ)(ジメチ
ル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランの溶
液に、5分かけて加えた。直ちに沈殿が生成した。スラ
リを3日間攪拌し、ついで溶媒を除去し、残渣をペンタ
ンで抽出して濾過した。収量は14.8g(97.2
%)であった。生成物のNMRの分析結果は次の通りで
ある。 MS:251 1H NMR(C6D6)δ2.76(s,1H)、
2.01(s,6H)、1.84(s,6H)、1.0
9(s,9H)、0.10(s,6H); 13C NMR(C6D6)δ135.4,133.
2,57.0,49.3,33.8,15.0,11.
2,1.30。
【0047】(c)ジリチウム(第3級ブチルアミド)
(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シ
ラン 100mlエーテル中の3.000g(11.98mm
ol)の(第3級ブチルアミド)(ジメチル)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランの溶液に混合C6
アルカン溶媒中の2.6M(23.95mmol)ブチ
ルリチウム溶液9.21mlを徐々に加えた。この反応
混合物を一夜攪拌し次いで濾過した。固体をエーテルで
数回洗浄し、次いで減圧下で乾燥して生成物を白色粉末
として得た。収量は3.134g(99.8%)であっ
た。
【0048】(d)(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド 0.721g(11.98mmol)のTiCl4 を3
0mlの凍結(−196℃)THFに加えた。混合物を
−78℃に加温した(乾燥氷浴)。生成黄色溶液に、3
0mlTHF中の1.000g(3.80mmol)の
ジリチウム(第3級ブチルアミド)(ジメチル)(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)シランの溶液を加え
た。一夜攪拌しながら溶液を室温に加温した。生成する
非常に暗色の溶液から溶媒を除去した。残渣をペンタン
で抽出して濾過した。凍結器中での冷却により淡黄緑色
結晶固体から非常に可溶性の暗い赤褐色物質を分離し
た。固体を濾過し、ペンタンから再結晶させてオリーブ
色緑色生成物を得た。収量は0.143g(10.2
%)であった。生成物のNMRの分析結果は次の通りで
ある。 1H NMR(C6D6)δ2.00(s,6H)、
1.99(s,6H)、1.42(s,9H)、0.4
3(s,6H); 13C NMR(C6D6)δ140.6,137.
9,104.0,62.1,32.7,16.1,1
3.0,5.40。
【0049】<cー2:(c)成分のエチレン−スチレ
ン疑似ランダムコポリマー(ES1と略記する)の調製
トルエン中メチルアルミノキサン(MAO)の10%
溶液1.65mlを45mlのトルエンと50mlのス
チレンとの溶液とステンレス性ショットタンクの中で混
合することによってスチレン/エチレン混合物の重合を
行った。(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチ
ル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロ
ライドの0.010M溶液250μlを第2ショットタ
ンク中のトルエン25mlに加えた。両方のショットタ
ンクを密封しグローブボックスから除き、そして600
mlのステンレス鋼圧力容器に取り付けた。この圧力容
器を真空にし、アルゴンでパージした。
【0050】スチレン/トルエン/MAO溶液を圧力容
器に加え、攪拌しながら620kPa(90psig)
のエチレンのもとで89℃に加温した。この時点で触媒
溶液を加え、圧力を1271kPa(185psig)
に増大させ1240〜1275kpa(180〜185
psig)の間に調節した。発熱反応により温度は95
℃に上昇した。温度を90℃に下げ、次いで反応の残余
の間90〜92℃に調節した。1.0時間後にエチレン
の供給を停止した。反応物を大気圧に排気し、30℃に
冷却し、この時点でメタノールを加えた。生成物を集
め、メタノールで洗浄し、そして残存溶媒を減圧下に1
20℃で除去した。9.02gの物質が得られた。この
物質の13C−NMR分析はこの物質がポリスチレンに
起因するピークのないスチレン(モル基準で15.2
%、重量基準で40重量%)とエチレンとのランダムコ
ポリマーであることを示した。このポリマーを(ES
1)とした。
【0051】<cー3:(c)成分のエチレン−スチレ
ン疑似ランダムコポリマー(ES2と略記する)の調製
基本的には上記製造例の重合法に従った。ただし反応
温度は90℃であった。150mlの混合アルカン溶
媒、500mlのスチレン及び8mlの15%MAOト
ルエン溶液(1000Al/Ti)を充填した。反応器
を1240kPa(180psig)のエチレンで飽和
させ、20μモルの[(C5 Me4 )SiMe2 (N−
フェニル)]TiCl2 を加えて重合を始めた。エチレ
ンを1240kPa(180psig)の要求量で与え
た。60分後に溶液反応器からの少量の酸化防止剤を含
む溶液に排出させた。ポリマーを真空中で乾燥した。ポ
リマー収量は26.6gであった。メルトインデックス
(I2 )=26.6、13CNMR分析はポリマーが4
6モル%(76重量%)のスチレンを持つことを示し、
エチレンとのランダムコポリマーであることを示した。
このポリマーを(ES2)とした。
【0052】(d)成分の有機リン酸エステル化合物 (d1):トリフェニルフォスフェート(TPP:大八
化学工業社製) (d2):芳香族縮合リン酸エステル(CR−741:
大八化学工業社製)(e)成分の1,3,5−トリアジン誘導体 シアヌル酸クロライド、モルホリンおよびピペラジンを
用いて、2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,
3,5−トリアジンのポリマー(n=11、分子量約2
770)を合成した。(f)他の環状含窒素化合物 本発明で用いる(e)成分と異なる構造で、イソシアヌ
ル酸の誘導体であるトリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート(融点134℃:四国化成工業社製)を
(f)成分として用いた。
【0053】
【実施例1〜7および比較例1〜4】(a)成分として
ポリフェニレンエーテル、(b)成分としてポリプロピ
レン、(c)成分として混和剤であるα−オレフィンと
芳香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマ
ー、(d)成分として有機リン酸エステル化合物および
(e)成分として1,3,5−トリアジン誘導体を表1
に示した組成で配合し、樹脂流れ方向に対し上流に第1
供給口及び下流に第2供給口を有し、第2供給口の上流
及び第2供給口とダイとの間に真空ベント口を設けた二
軸押出機ZSK−40(WERNER&PFLEIDE
RER社製)を用いて前段バレル設定温度290〜31
0℃、後段バレル設定温度250〜290℃、スクリュ
ー回転数295rpm、吐出量60kg/時間の条件に
て溶融混練しペレットとして得た。なお、ここで、
(a)成分のポリフェニレンエーテルおよび(d)成分
の有機リン酸エステル化合物は、押出機の第1供給口よ
り供給し、(b)成分および(e)成分は押出機の第2
供給口より供給し、(c)成分のα−オレフィンと芳香
族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマーは
押出機の第1供給口より供給した。
【0054】上記の製造条件で得たペレットを用いて2
40〜280℃に設定したスクリューインライン型射出
成形機に供給し、金型温度60℃の条件で曲げ弾性率測
定試験用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピ
ースおよび熱変形温度測定用テストピースを射出成形し
た。これらのテストピースを用いて曲げ弾性率(AST
M−D−790:23℃)、アイゾット(ノッチ付き)
衝撃強度(ASTM−D−256:23℃)および熱変
形温度(ASTM−D−648)を測定した。また、燃
焼試験としてUL94規格に準拠して、試験片厚さ1/
16インチのサンプルを用いて燃焼試験を実施した。こ
れらの結果を併せて表1に載せた。
【0055】これらの結果より、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂/ポリプロピレン系樹脂/α−オレフィンと芳
香族モノビニリデン化合物との疑似ランダムコポリマー
から構成される樹脂組成物の難燃化において、下記のこ
とが明確になった。 本系樹脂組成物の難燃剤として有機リン酸エステル
化合物/環状含窒素化合物の併用系の中でも、環状含窒
素化合物として1,3,5−トリアジン誘導体化合物が
顕著に難燃性効果がある。 本系のポリプロピレン系樹脂をマトリックスとする
樹脂組成物は有機リン酸エステル化合物/1,3,5−
トリアジン誘導体化合物の難燃剤の他にポリフェニレン
エーテル系樹脂を併用することによりさらに難燃効果が
発揮される。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の難燃の樹脂組成物は、ポリプロ
ピレン系樹脂をマトリックスとしポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を分散相とする樹脂組成物であり、分散相のポ
リフェニレンエーテル系樹脂と難燃剤の有機リン酸エス
テル化合物/1,3,5−トリアジン誘導体化合物を複
合併用することにより、難燃性が著しく改良される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:3492)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂:
    55〜5重量%、(b)ポリプロピレン系樹脂:45〜
    95重量%、上記(a)、(b)成分の合計100重量
    部に対して、(c)α−オレフィンと芳香族モノビニリ
    デン化合物との疑似ランダムコポリマー:1〜30重量
    部、(d)有機リン酸エステル化合物:4〜40重量
    部、(e)下記の一般式(I)で表される化学構造を有
    する1,3,5−トリアジン誘導体:2〜20重量部、
    を含むことを特徴とする難燃性の樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xはモルホリノ基またはピペリジノ基であり、
    Yはピペラジンから誘導される2価の基であり、nは1
    以上の数である。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009128444A1 (ja) 2008-04-15 2009-10-22 電気化学工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物
CN114276602A (zh) * 2021-12-29 2022-04-05 苏州希普拉斯新材料有限公司 无卤高阻燃聚烯烃材料及其制备方法

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