JPH11199538A - 光学活性脂環式ケトンの製造法 - Google Patents

光学活性脂環式ケトンの製造法

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JPH11199538A
JPH11199538A JP519698A JP519698A JPH11199538A JP H11199538 A JPH11199538 A JP H11199538A JP 519698 A JP519698 A JP 519698A JP 519698 A JP519698 A JP 519698A JP H11199538 A JPH11199538 A JP H11199538A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/30Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with halogen containing compounds, e.g. hypohalogenation

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光学活性脂環式アルコールを次亜ハロゲン酸塩
で酸化し、保存安定性の高い光学活性脂環式ケトンを得
る。 【解決手段】対応する光学活性脂環式アルコールを酸性
条件下、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロ
ゲン酸アルカリ土類金属塩と反応させて一般式IIの光学
活性脂環式ケトンを製造するに際し、必要に応じて塩基
性にする工程を経て単離・濃縮した後、蒸留時にエポキ
シ基を有する化合物共存下、或いはヒンダードアミン共
存下で蒸留精製する。 (Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアル
コキシル基を表す。また、nは0〜3を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や農薬の原料
として重要な光学活性脂環式ケトンの製造法に関するも
のであり、更に詳しくは光学活性脂環式アルコールを酸
性水溶液中にて次亜ハロゲン酸塩水溶液と反応させて光
学活性脂環式ケトンに変換した後、必要に応じて塩基性
にする工程を経てから単離し、エポキシ基を有する化合
物共存下、或いはヒンダードアミン共存下で蒸留精製す
る事により、高純度で、しかも保存安定性が高い光学活
性脂環式ケトンを得る方法である。
【0002】
【従来の技術】従来から光学活性脂環式アルコールを次
亜ハロゲン酸塩で酸化して光学活性脂環式ケトンを得る
方法は種々知られている。例えば光学活性2ーアルコキ
シシクロヘキサノールをケトン類の共存下、酸性条件に
て次亜ハロゲン酸、或いは次亜ハロゲン酸の発生源で酸
化させて光学活性2ーアルコキシシクロアルカノンを得
る方法(GB 2283971)等が知られている。しかしなが
ら、前記方法で製造した光学活性2−アルコキシシクロ
アルカノンは蒸留精製品を30℃ 程度の室温中で保管
すると化学純度が低下し、且つラセミ化する等、保存安
定性に問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は光学活性脂環
式アルコールを酸性条件下で次亜ハロゲン酸アルカリ塩
と反応させて光学活性脂環式ケトンを製造するに際し、
保存安定性の高い光学活性脂環式ケトンの製造法を提供
する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光学活性脂
環式ケトンの製造法を鋭意検討した結果、驚くべき事に
光学活性脂環式アルコールを次亜ハロゲン酸塩と酸性水
溶液中で反応させて光学活性ケトンに変換した後、エポ
キシ基を有する化合物共存下、或いはヒンダードアミン
共存下で蒸留精製する事により、高純度で、しかも保存
安定性が高い光学活性脂環式ケトンを製造できる事を見
出した。ここで、反応液をpH7.1〜10の塩基性に
する工程を経てから単離し、次いでエポキシ基を有する
化合物共存下、或いはヒンダードアミン共存下で蒸留精
製すると、更に保存安定性が高まることを見出し、本発
明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は光学活性脂環式アルコ
ールを次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロゲ
ン酸アルカリ土類金属塩と酸性水溶液中で反応させて光
学活性脂環式ケトンを製造するに際し、反応終了後に必
要に応じて反応液をpH7.1〜10の塩基性にする工
程を経てから単離し、次いでエポキシ基を有する化合物
共存下、或いはヒンダードアミン共存下で蒸留精製する
事により、高純度で、しかも保存安定性が高い、光学活
性脂環式ケトンを製造する方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】原料に使用する光学活性脂環式ア
ルコールとは、光学活性2ーメチルシクロヘキサノー
ル、光学活性3ーメチルシクロオクタノール等の光学活
性アルキル置換シクロアルカノール類、光学活性2ーメ
トキシシクロヘキサノール等の光学活性アルコキシシク
ロアルカノール類である。
【0007】もう一方の原料である次亜ハロゲン酸アル
カリ金属塩または次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩と
は次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜
塩素酸カリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜塩素酸カル
シウム、または次亜臭素酸カルシウムなどが挙げられる
が、好ましくは次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナト
リウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸カリウムであ
り、特に好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。次亜
塩素酸ナトリウムは市販されている水溶液を使用すれば
良い。何れの濃度でも使用できるが、通常市販されてい
る5〜14%水溶液が好ましく使用できる。5%以下の
希薄水溶液では反応液濃度が低くなるために、製造コス
トが増加するので好ましくない。また、次亜ハロゲン酸
塩水溶液中に食塩等の無機塩が含有されていても反応に
支障はないが、遊離のアルカリ、例えば水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウムの混入量は1%未満が好ましい。遊
離アルカリが多い場合には事前に遊離アルカリを中和す
るか、或いは酸化反応液に加える鉱酸量を増加する必要
がある。
【0008】次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩の使用量は
有効塩素量から求めるが、反応系の組成、脂環式アルコ
ールの種類、反応温度等により影響される。通常は原料
の脂環式アルコールの0.5〜2当量程度であり、好ま
しくは1〜1.3当量である。2当量より多いと原料費
が高くなるばかりでなく、過剰の次亜ハロゲン酸により
副反応が生じたり、反応の後処理工程で次亜ハロゲン酸
の分解操作をしなくてはならず、有利とは云えない。
尚、本発明の方法で反応が良好に進行している場合に
は、次亜ハロゲン酸使用量は1〜1.15当量である。
【0009】添加する鉱酸は、硫酸水溶液、塩酸水溶
液、燐酸水溶液が好ましい。使用量は原料の脂環式アル
コールの0.1〜3当量であり、好ましくは0.2〜2
当量である。
【0010】反応に際して有機化合物を添加しても良
い。例えばメタノール等の1級アルコール類、エーテル
類、ケトン類、ハロゲン化アルキル、アセトニトリル等
のアルキルニトリル類、酢酸等のアルキルカルボン酸類
である。
【0011】反応様式は、光学活性脂環式アルコール、
鉱酸水溶液、必要に応じて有機化合物を添加する場合に
はこれらを一括して仕込み、攪拌しながら次亜ハロゲン
酸アルカリ金属塩、或いは次亜ハロゲン酸アルカリ土類
金属塩の水溶液を滴下すればよい。また、鉱酸水溶液の
初期仕込み濃度が高い場合や、添加する有機化合物量が
少ない場合には、脂環式アルコールや鉱酸水溶液を反応
途中で逐次添加して反応する事もできる。
【0012】反応温度は反応液中で生成する次亜ハロゲ
ン酸の安定性から0〜40℃、好ましくは15〜30℃
である。0℃より低いと酸化反応が遅くなり、40℃
より高いと次亜ハロゲン酸が分解する。特に、ラセミ化
反応を抑制する為にも30℃以下で反応させる事が好ま
しい。添加された次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩、或い
は次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩は鉱酸と接触して
即座に次亜ハロゲン酸となり、次いで脂環式アルコール
と接触すると瞬時に反応する。従って、反応時間は実質
的には次亜ハロゲン酸アルカリ水溶液の添加時間であ
り、熟成時間は30分程度で十分である。
【0013】反応が終了した事を確認した後、単離操作
を実施する。
【0014】過剰の次亜ハロゲン酸が残存する場合に
は、必要に応じてヨウ化カリウム澱粉試験紙が青紫色に
変色しなくなるまで亜硫酸水素アルカリ金属塩、或いは
亜硫酸アルカリ金属塩を添加する。ここで、亜硫酸水素
アルカリ金属塩とは、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水
素カリウム、亜硫酸水素リチウム等である。また、亜硫
酸アルカリ金属塩とは亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム等である。添加する亜硫酸水素アル
カリ金属塩、或いは亜硫酸アルカリ金属塩は水溶液とし
て使用してもよいし、粉末状態で添加することも可能で
ある。使用量は系中に残存している次亜ハロゲン酸量に
よって決まるが、目視でヨウ化カリウム澱粉試験紙が青
紫色に変色しなくなる量である。
【0015】かくして得られた反応液から抽出で光学活
性脂環式ケトンを単離する。抽出溶媒は水と分液し、光
学活性脂環式ケトンを抽出する能力があり、且つ反応し
ない物質であれば何れも使用できる。例えば、ジエチル
エーテル等のエーテル類、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、シクロヘキサンやトルエン等の炭化水素類、
クロロホルムやジクロロエタン等のハロゲン化アルキル
類等が使用できる。抽出する際の反応液はアルカリ性か
ら酸性のいずれでもよいが、中性か酸性条件が好まし
い。これは、目的物である脂環式ケトンの種類にもよる
が、有機溶媒への分配が一般に酸性サイドの方が大きい
事と、有機層へ不純物の持ち込み量が少なくなる場合が
多い事による。
【0016】光学活性脂環式ケトンを含む抽出液は飽和
食塩水で洗浄した後、必要があれば硫酸マグネシウム等
の脱水剤で脱水処理をしてから溶媒を濃縮しする。次い
で、エポキシ基を有する化合物共存下、或いはヒンダー
ドアミン共存下で減圧蒸留する。
【0017】本発明で使用するエポキシ基を有する化合
物とは、目的とする光学活性脂環式ケトンと蒸留で分離
する必要があるので、光学活性脂環式ケトンより沸点が
高い化合物、好ましくは常圧の沸点が光学活性脂環式ケ
トンより30℃以上高い化合物が好ましい。例えば、エ
ピクロルヒドリンとフェノール、或いはビスフェノール
Aとの反応物などで、単一化合物でなくとも混合物でも
かまわない。また、分子中に複数のエポキシ基が存在し
てもよい。添加量は光学活性脂環式ケトンに対して0.
001〜0.2重量倍、好ましくは0.001〜0.1
重量倍である。
【0018】本発明で使用するヒンダードアミンとは、
樹脂の光安定剤として知られている化合物(HALS)
であり、例えばビス(2、2、6、6−テトラメチル−
4−ピペリジニル)セバケート(商品名チヌビン770
チバガイギー社)等がある。添加量は光学活性脂環式
ケトンに対して0.001〜0.2重量倍、好ましくは
0.001〜0.1重量倍である。
【0019】前記したように、酸化反応液から抽出等で
単離した光学活性脂環式ケトンを前記に従ってエポキシ
基を有する化合物、或いはヒンダードアミンの共存下で
蒸留精製すると安定な光学活性脂環式ケトンが得られる
が、酸化反応液を塩基性にする工程を経た後に前記操作
をすると、更に光学活性脂環式ケトンの安定性が向上す
る。すなわち、光学活性脂環式ケトンを含む反応液をp
H7.1〜10、好ましくはpH7.5〜9に調整した
後に0〜40℃ にて0.01〜5時間反応させて塩基
に不安定な不純物を分解する。ここで加える塩基は水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のア
ルカリ金属水酸化物類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩類、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類が好まし
い。pHを10以上にすると光学活性脂環式ケトンの種
類によってラセミ化を併発する事があるので好ましくな
い。反応温度が40℃より高いと、ラセミ化のおそれが
あり、0℃未満では効果が発揮できないことがあるので
好ましくない。また、反応時間は脂環式ケトンの種類に
もよるが、通常は0.01〜5時間が好ましく、さらに
好ましくは0.01〜3時間である。かくして得られた
反応液から抽出で光学活性脂環式ケトンを単離・濃縮
し、エポキシ基を有する化合物、或いはヒンダードアミ
ン共存下で減圧蒸留する事で、安定な光学活性脂環式ケ
トンを得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
光学活性脂環式ケトンの化学純度はThermon3000を液層
としたGC分析で、光学純度はキラルカラムを使用した
GC分析で、それぞれ求めた。
【0021】実施例1 温度計、滴下ロート、コンデンサー、攪拌機を装着した
500mlの4つ口フラスコに、光学純度99.8%e
eの(S)ー2ーメトキシシクロヘキサノール13.0g
(0.1モル)、ジクロロメタン7g、10%硫酸水溶
液30g(30ミリモル)を仕込み。20〜25℃にて
攪拌した。有効塩素12.1%の次亜塩素酸ナトリウム水
溶液60gを約1時間で添加し、更に30分間攪拌を継
続した。反応液をGCで分析し、(S)−2−メトキシ
シクロヘキサノールのピークが消滅したのを確認した
後、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム2gを添加し
た。ヨウ化カリウム澱粉試験紙が青紫色に変色しない事
を確認した後、ジクロロメタン200gで2回抽出し
た。ジクロロメタン層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した
後、濃縮した。濃縮液に、ビスフェノ−ルAタイプのエ
ポキシ化合物(東都化成(株)社製、商品名:YDー1
28)0.6g添加してから70℃で1時間攪拌した
後、減圧蒸留して(S)ー2ーメトキシシクロヘキサノ
ン11.5g(90ミリモル)を得た。化学純度は9
9.1%であり、光学純度は99.7%eeであった。
得られた(S)−2−メトキシシクロヘキサノン1gを
硝子アンプルに仕込み、アルゴン置換してから密封して
60℃で60時間加熱した。室温まで冷却し、アンプル
を開封して(S)−2−メトキシシクロヘキサノンを分
析した結果、化学純度は99.0%であり、光学純度は
99.0%であった。
【0022】実施例2 実施例1のビスフェノ−ルAタイプのエポキシ化合物
(東都化成(株)社製、商品名:YDー128)の代わ
りにフェニルグリシジルエ−テル化合物(三光化学
(株)社製、OPP−G)0.2gを加えた以外は、実
施例1と同様にして(S)−2−メトキシシクロヘキサ
ノン11.5g(90ミリモル)を得た。化学純度は9
9.2%であり、光学純度は99.6%eeであった。
得られた(S)−2−メトキシシクロヘキサノン1gを
硝子アンプルに仕込み、アルゴン置換してから密封して
70℃、60時間加熱した。室温まで冷却し、アンプル
を開封して(S)−2−メトキシシクロヘキサノンを分
析した結果、化学純度は99.0%であり、光学純度は
99.1%eeであった。
【0023】実施例3 実施例1のビスフェノ−ルAタイプのエポキシ化合物
(東都化成(株)社製、商品名:YDー128)の代わ
りにビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケート(チバガイギー(株)社製、チヌビ
ン770)0.3gを加えた以外は、実施例1と同様に
して(S)−2−メトキシシクロヘキサノン11.0g
(86ミリモル)を得た。化学純度は99.2%であ
り、光学純度は99.5%eeであった。得られた
(S)−2−メトキシシクロヘキサノン1gを硝子アン
プルに仕込み、アルゴン置換してから密封して80℃、
15時間加熱した。室温まで冷却し、アンプルを開封し
て(S)−2−メトキシシクロヘキサノンを分析した結
果、化学純度は99.0%であり、光学純度は99.0
%eeであった。
【0024】実施例4 温度計、滴下ロート、コンデンサー、攪拌機を装着した
500mlの4つ口フラスコに、光学純度99.8%e
eの(S)ー2ーメトキシシクロヘキサノール13.0g
(0.1モル)、ジクロロエタン7g、10%硫酸水溶
液30g(30ミリモル)を仕込み。20〜25℃にて
攪拌した。有効塩素12.1%の次亜塩素酸ナトリウム水
溶液60gを約1時間で添加し、更に30分間攪拌を継
続した。反応液をGCで分析し、(S)−2−メトキシ
シクロヘキサノールのピークが消滅したのを確認した
後、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム2gを添加し
た。ヨウ化カリウム澱粉試験紙が青紫色に変色しない事
を確認した後、炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH
7.5〜9に調整し、20〜25℃ にて1時間攪拌し
た。再度10%硫酸でpHを2以下に調整した後、20
〜25℃ にて2時間攪拌してからトルエン100gで
3回抽出した。トルエン層を合わせ、飽和食塩水で洗浄
した後、濃縮した。濃縮液にビスフェノ−ルAタイプの
エポキシ化合物(東都化成(株)社製、商品名:YDー
128)0.2g添加してから70℃で1時間攪拌した
後、減圧蒸留して(S)ー2ーメトキシシクロヘキサノ
ン11.5g(90ミリモル)を得た。化学純度は9
9.1%であり、光学純度は99.7%eeであった。
得られた(S)−2−メトキシシクロヘキサノン1gを
硝子アンプルに仕込み、アルゴン置換してから密封して
80℃、15時間加熱した。室温まで冷却し、アンプル
を開封して(S)−2−メトキシシクロヘキサノンを分
析した結果、化学純度は99.1%であり、光学純度は
99.3%eeであった。
【0025】比較例1 実施例1と同様にして、濃縮液にエポキシ化合物を添加
せずに減圧蒸留して(S)ー2ーメトキシシクロヘキサ
ノン11.5g(90ミリモル)を得た。化学純度は9
9.1%であり、光学純度は99.0%eeであった。
得られた(S)−2−メトキシシクロヘキサノン1gを
硝子アンプルに仕込み、アルゴン置換してから密封して
60℃で60時間加熱した。室温まで冷却し、アンプル
を開封して(S)−2−メトキシシクロヘキサノンを分
析した結果、化学純度は99.0%であったが、光学純
度は77.8%eeであった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性脂環式アルコ
ールを酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩で酸化して光学活
性脂環式ケトンを製造するに際し、蒸留時にエポキシ基
を有する化合物共存下、或いはヒンダードアミン共存下
で蒸留精製する事で、高純度で、しかも保存安定性が高
い光学活性脂環式ケトンが得られる。更に、塩基性にす
る工程を経て単離した後、蒸留時にエポキシ基を有する
化合物共存下、或いはヒンダードアミン共存下で蒸留精
製する事で、更に保存安定性が高い光学活性脂環式ケト
ンが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 45/86 C07C 45/86 49/403 49/403 J A 49/413 49/413 49/517 49/517 // C07M 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (ここで、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜
    8のアルコキシル基を表し、置換基の結合位置は水酸基
    の結合位置と異なる炭素原子である。また、nは0〜3
    を表す)で示される光学活性脂環式アルコールを酸性水
    溶液中で次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロ
    ゲン酸アルカリ土類金属塩と反応させて、下記一般式
    (II) 【化2】 (ここで、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜
    8のアルコキシル基を表す。また、nは0〜3を表す)
    で示される光学活性脂環式ケトンの製造法に於いて、エ
    ポキシ基を含有する化合物またはヒンダードアミンの存
    在下で蒸留精製する事を特徴とする下記一般式(II) 【化3】 (ここで、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜
    8のアルコキシル基を表す。また、nは0〜3を表す)
    で示される安定な光学活性脂環式ケトンの製造法。
  2. 【請求項2】光学活性脂環式アルコールが下記一般式
    (III) 【化4】 (ここで、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜
    8のアルコキシル基を表し、置換基の結合位置は2位あ
    るいは3位である。)で示されるシクロヘキサノール誘
    導体であり、光学活性脂環式ケトンが下記一般式(I
    V) 【化5】 (ここで、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜
    8のアルコキシル基を表し、置換基の結合位置は2位あ
    るいは3位である。)で示されるシクロヘキサノン誘導
    体である事を特徴とする請求項1記載の安定な光学活性
    脂環式ケトンの製造法。
  3. 【請求項3】光学活性脂環式アルコールが光学活性2ー
    メトキシシクロヘキサノールであり、光学活性脂環式ケ
    トンが光学活性2−メトキシシクロヘキサノンであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の安定な光学活性
    脂環式ケトンの製造法。
  4. 【請求項4】エポキシ基を有する化合物の沸点が、常圧
    にて脂環式ケトンの沸点以上である事を特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項記載の安定な光学活性脂環式ケ
    トンの製造法。
  5. 【請求項5】ヒンダードアミンがビス(2、2、6、6
    −テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである事
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の安定な
    光学活性脂環式ケトンの製造法。
  6. 【請求項6】酸化反応終了後に反応液を塩基性にする工
    程を含む事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記
    載の安定な光学活性脂環式ケトンの製造法。
  7. 【請求項7】塩基性にする工程において、反応液のpH
    が7.1〜10であることを特徴とする請求項6に記載
    の安定な光学活性脂環式ケトンの製造法。
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