JPH11198669A - ハイブリッド車 - Google Patents

ハイブリッド車

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JPH11198669A
JPH11198669A JP675598A JP675598A JPH11198669A JP H11198669 A JPH11198669 A JP H11198669A JP 675598 A JP675598 A JP 675598A JP 675598 A JP675598 A JP 675598A JP H11198669 A JPH11198669 A JP H11198669A
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    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission

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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的低出力の2つのモータを用いて駆動力の
確保と動力エネルギの回収効率向上を達成するととも
に、駆動輪からの要求駆動力に対してエンジン及びモー
タ制御の最適化を可能とする。 【解決手段】プラネタリギヤユニット3のリングギヤ3
cをエンジン1の出力軸1aにモータ2を介して結合す
るとともに、サンギヤ3aにモータ4を連結し、キャリ
ア3bをCVT5の入力軸5aに結合する。さらに、C
VT5の出力軸5cに、減速歯車列6,デファレンシャ
ル機構7,駆動軸8を介して駆動輪9を連設する。これ
により、比較的低出力の小型の2つのモータ2,4で駆
動力を確保し、またモータ4の分担トルクを低減して効
率の向上を図り、さらに動力エネルギの回収効率を向上
することができ、また、CVT5の変速比を適切に制御
してエンジン1及びモータ2,4を最適に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンとモータ
とを併用するハイブリッド車に関し、より詳しくは比較
的低出力の2つのモータを用いて駆動力の確保と動力エ
ネルギの回収効率を向上するハイブリッド車に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両においては、低公
害、省資源の観点からエンジンとモータとを併用するハ
イブリッド車が開発されており、このハイブリッド車で
は、発電用と動力源用との2つのモータを搭載すること
で動力エネルギの回収効率向上と走行性能の確保とを図
る技術が多く採用されている。
【0003】例えば、特開平9−46821号公報に
は、ディファレンシャルギヤ等の差動分配機構による動
力分配機構を用いてエンジンの動力を発電機とモータ
(駆動用モータ)とに分配し、エンジンの動力の一部で
発電しながらモータを駆動して走行するハイブリッド車
が開示されており、また、特開平9−100853号公
報には、プラネタリギヤによってエンジンの動力を発電
機とモータ(駆動用モータ)とに分配するハイブリッド
車が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た各先行技術においては、低速時の駆動力の大半を駆動
用モータに依存するため、駆動用に大容量の大型のモー
タが必要となるばかりでなく、駆動輪で必要とするトル
クに対する増幅機能を電力に依存するため、バッテリー
容量が十分でない場合にも一定の走行性能を維持するこ
とのできる発電容量をもった発電機が要求されることに
なり、コスト増の要因となる。
【0005】また、車両においてはモータ(発電機)の
回転制御範囲を超えるような出力軸回転数の変化がある
ため、エンジン出力を発電機と駆動用モータとに分配す
るだけでは、駆動輪からの要求駆動力に対し、必ずしも
エンジン及びモータの制御を十分に最適化できるとは限
らない。
【0006】また、ハイブリッド車では、各モータでの
分担トルクは少ない方が、トルク−電力間で必要な変換
効率等の影響を少なくできるため、車両全体のエネルギ
効率を向上させる上で好ましい。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、エネルギ効率に優れ、比較的低出力の2つのモータ
を用いて駆動力の確保と動力エネルギの回収効率向上を
達成するとともに、駆動輪からの要求駆動力に対してエ
ンジン及びモータ制御の最適化を実現することのできる
ハイブリッド車を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
エンジンの出力とモータの出力とを併用して走行駆動源
とするハイブリッド車において、サンギヤと、このサン
ギヤに噛合するピニオンを回転自在に支持するキャリア
と、上記ピニオンに噛合するリングギヤとを有するプラ
ネタリギヤと、上記エンジンの出力軸と上記プラネタリ
ギヤのリングギヤとの間に連結され、駆動源あるいは発
電機として切換え使用可能な第1のモータと、上記プラ
ネタリギヤのサンギヤに連結され、駆動源あるいは発電
機として切換え使用可能な第2のモータと、上記プラネ
タリギヤのキャリアに連結され、複数段あるいは無段階
に切り換え可能な変速比に応じて上記プラネタリギヤと
駆動輪との間で変速及びトルク増幅を行なう動力変換機
構とを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記動力変換機構を、入力軸に軸支される
プライマリプーリと出力軸に軸支されるセカンダリプー
リとの間に駆動ベルトを巻装してなるベルト式無段変速
機とすることを特徴とする。
【0010】すなわち、請求項1記載の発明では、エン
ジンの出力軸とプラネタリギヤのリングギヤとの間に第
1のモータを連結するとともに、プラネタリギヤのサン
ギヤに第2のモータを連結し、プラネタリギヤのキャリ
アに複数段あるいは無段階に変速比を切り換え可能な動
力変換機構を連結してプラネタリギヤと駆動輪との間で
変速及びトルク増幅を行なう。
【0011】第1,第2のモータは、走行条件により、
同時に駆動源あるいは発電機として、または、一方を駆
動源、他方を発電機として使用することができる。
【0012】例えば、エンジン及び第1のモータのいず
れか一方あるいは両方からプラネタリギヤのリングギヤ
に駆動力を供給し、第2のモータからプラネタリギヤの
サンギヤに駆動力を供給する場合、プラネタリギヤで各
駆動力が合成されてキャリアから出力され、動力変換機
構を介して駆動輪に伝達される。
【0013】また、減速時や制動時等には、駆動輪側か
ら動力変換機構を介してプラネタリギヤのキャリアに返
還される駆動力が、リングギヤに連結される第1のモー
タ及びエンジン側と、サンギヤに連結される第2のモー
タ側とに分配され、第1,第2のモータを発電機として
動力エネルギを回収する、あるいは、第2のモータを発
電機とし、第1のモータに電力を供給してエンジン及び
第1のモータで駆動力を発生させることができる。
【0014】この場合、請求項2に記載したように、動
力変換機構としては、入力軸に軸支されるプライマリプ
ーリと出力軸に軸支されるセカンダリプーリとの間に駆
動ベルトを巻装してなるベルト式無段変速機を用い、変
速比を無段階に切り換えて変速及びトルク増幅を行なう
ことが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図6は本発明の実施の一形
態に係わり、図1は駆動系の基本構成を示す説明図、図
2はエンジン及び第1,第2のモータによって走行する
場合のトルク及び電気の流れを示す説明図、図3は第1
のモータを発電機として使用する場合のトルク及び電気
の流れを示す説明図、図4は第1,第2のモータを発電
機として使用する場合のトルク及び電気の流れを示す説
明図、図5は第2のモータを発電機として使用し、第1
のモータで駆動力を発生させる場合のトルク及び電気の
流れを示す説明図、図6は車両後退時のトルク及び電気
の流れを示す説明図である。
【0016】本発明によるハイブリッド車は、エンジン
とモータとを併用するパラレルハイブリッド式の車両で
あり、図1に示すように、エンジン1と、エンジン1の
起動及び発電・動力アシストを担う第1のモータ2(以
下、単にモータ2と呼称)と、エンジン1の出力軸1a
にモータ2を介して連結されるプラネタリギヤユニット
3と、このプラネタリギヤユニット3の機能を制御し、
発進・後進時の駆動力源になるとともに減速エネルギの
回収を担う第2のモータ4(以下、単にモータ4と呼
称)と、変速及びトルク増幅を行なって走行時の動力変
換機能を担う動力変換機構5とを基本構成とする駆動系
を備えている。
【0017】上記プラネタリギヤユニット3は、サンギ
ヤ3a、このサンギヤ3aに噛合するピニオンを回転自
在に支持するキャリア3b、ピニオンと噛合するリング
ギヤ3cを有するシングルピニオン式のプラネタリギヤ
である。また、上記動力変換機構5としては、歯車列を
組み合わせた変速機や流体トルクコンバータを用いた変
速機等を用いることが可能であるが、入力軸5aに軸支
されるプライマリプーリ5bと出力軸5cに軸支される
セカンダリプーリ5dとの間に駆動ベルト5eを巻装し
てなるベルト式無段変速機(CVT)を採用することが
望ましく、本形態においては、以下、上記動力変換機構
5をCVT5として説明する。
【0018】すなわち、本形態におけるハイブリッド車
の駆動系では、エンジン1の出力軸1aとCVT5の入
力軸5aとの間にプラネタリギヤユニット3が配置され
ており、このプラネタリギヤユニット3のリングギヤ3
cがエンジン1の出力軸1aに一方のモータ2を介して
結合されるとともに、キャリア3bがCVT5の入力軸
5aに結合され、サンギヤ3aに他方のモータ4が連結
されている。そして、CVT5の出力軸5cに減速歯車
列6を介してデファレンシャル機構7が連設され、この
デファレンシャル機構7に駆動軸8を介して前輪或いは
後輪の駆動輪9が連設される。
【0019】また、上記エンジン1、2つのモータ2,
4、CVT5は、監視・制御システム10によって集中
制御される。この監視・制御システム10には、アクセ
ルペダルやブレーキペダルの踏み込み操作、ステアリン
グの操舵角等を検出してドライバの運転操作状況を判定
するドライバ意志判定システム11、ブレーキ操作状
態、エンジン1やABS(アンチスキッドブレーキシス
テム)等に対する各種制御量、灯火類やエアコン等の補
機類の作動状態等から車両の制御状況を判定する車両制
御状況判定システム12、車速、登坂や降坂、路面状態
等の現在の車両の走行状態の変化を判定する走行状況判
定システム13等が接続され、エンジン1、2つのモー
タ2,4、CVT5の作動状態やバッテリ14の状態を
監視し、各システムからの情報に基づいて、エンジン1
の制御、インバータ15,16を介してのモータ2,4
の駆動及びバッテリの充電制御、CVT5の変速比や供
給油圧の制御等を行う。
【0020】以上の構成による駆動系では、前述したよ
うに、エンジン1及びモータ2をプラネタリギヤユニッ
ト3のリングギヤ3cへ結合するとともにサンギヤ3a
にモータ4を結合してキャリア3bから出力を得るよう
にし、さらに、キャリア3bからの出力をCVT5によ
って変速及びトルク増幅して駆動輪9に伝達するように
しているため、2つのモータ2,4は発電と駆動力供給
との両方に使用することができ、比較的小出力のモータ
を使用することができる。
【0021】すなわち、リングギヤ3cがエンジン1及
びモータ2のいずれか一方あるいは両方から駆動される
場合、例えば、図2に示すように、エンジン1とモータ
2とによってリングギヤ3cを駆動する場合について考
えると、バッテリ14からインバータ15,16を介し
て電気エネルギがモータ2,4に供給され、モータ2で
駆動力に変換されてエンジン1からの駆動力と合算され
てリングギヤ3cへの入力トルクTrとなり、モータ4
で駆動力に変換されてサンギヤ3aへの入力トルクTs
となるわけであるが、プラネタリギヤの入出力特性か
ら、サンギヤ3aへの入力トルクTs、リングギヤ3c
への入力トルクTr、キャリア3bの出力トルクTc
は、以下の(1)式で示すような関係となる。 Tc=Ts+Tr …(1)
【0022】従って、プラネタリギヤユニット3でサン
ギヤ3aへの入力トルクTsとリングギヤ3cへの入力
トルクTrとが合成されてキャリア3bから出力され、
エンジン1、モータ2,4のそれぞれの出力トルクが小
さい場合であってもキャリア3bから大きなトルクを得
ることができ、CVT5を介して駆動輪9に伝達されて
大きな車両駆動力を得ることができる。尚、図2及び以
下に説明する図3〜図6において、二点鎖線は電気の流
れを模式的に示し、一点鎖線はトルク伝達の流れを模式
的に示す。
【0023】この場合、サンギヤ3aの入力トルクTs
とリングギヤ3cの入力トルクTrとは、それぞれが合
成されてキャリア3bの出力トルクTcとなるためには
互いに反力を受けなくてはならず、各入力トルクTs,
Trの関係は、サンギヤ3aの歯数Zs、リングギヤ3
cの歯数Zrによって表されるギヤ比i(i=Zs/Z
r)を用いて表わされる以下の(2),(3)式に示す
関係から、以下の(4)式を満足しなけらばならない。 Tc・i/(1+i)=Ts …(2) Tc・1/(1+i)=Tr …(3) Ts=i・Tr …(4)
【0024】一般的に、プラネタリギヤの構造上、Zs
<Zrであるためギヤ比iはi<1であり、上記(4)
式から明らかなように、サンギヤ3aへの入力トルクT
sはリングギヤ3cへの入力トルクTrに対してi倍と
なる。
【0025】すなわち、エンジン1,モータ2をリング
ギヤ3cに結合し、モータ4をサンギヤ3aに結合して
構成するためサンギヤ3aへの入力トルクTsは、小さ
い値(i・Tr)で達成できる。
【0026】しかしながら、このサンギヤ3aへの入力
トルクTsはモータ4のみで得られるため、バッテリ1
4からモータ4への電力供給が必要になり、長時間の走
行でバッテリ14の充電量が不足するような事態が予測
される場合には、モータ2を発電機として使用する。
【0027】このように、エンジン1の駆動力の一部で
モータ2を発電機として駆動し、残りの駆動力をリング
ギヤ3cへの入力トルクとしてリングギヤ3cへの入力
トルクを抑えることで、相対的にモータ4の必要電力を
抑えることができ、図3に示すように、モータ2の発電
により得られた電力でバッテリ14に充電された電気を
使用することなくモータ4を駆動することができる。こ
の場合、モータ4を主としてサンギヤ3aの反力分担に
使用し、エンジン1の駆動力のみによる走行が可能であ
る。
【0028】ここで、エンジン1,モータ2をリングギ
ヤ3cに結合し、モータ4をサンギヤ3aに結合して構
成するため、サンギヤ3aへの入力トルクTsは小さな
値に抑制することができ、モータ4の必要な駆動力は比
較的小さいので、駆動力を得るための必要な電気エネル
ギは少なくてすむから、モータ4のトルクと電力の変換
効率、インバータの制御効率等の影響を少なくすること
が可能である。
【0029】このような状況で、バッテリ14への充電
が必要になったときには、モータ4の必要電力に対して
モータ2の発電量が多くなるように制御する。また、主
としてエンジン1の駆動力で走行中に、登坂や急加速等
によってエンジン1の出力に対して負荷が大きくなり、
モータ4のアシスト力を大きくする必要が生じた場合に
は、モータ2の発電量を抑えてリングギヤ3cへのエン
ジン1からの入力トルクを大きくし、同時にモータ4の
駆動力が大きくなるようにバッテリ14から電力を供給
することで、必要な駆動力を確保することができる。
【0030】一方、減速時や制動時等においては、駆動
輪9からCVT5を介してプラネタリギヤユニット3の
キャリア3bに伝達されるトルクTcが、図4に示すよ
うに、モータ2へのリングギヤ3cからのトルクTr
と、モータ4へのサンギヤ3aからのトルクTsとに分
配され、各モータ2,4で電気エネルギに変換されてバ
ッテリ14を充電する。このため、モータ2,4の発電
でブレーキをかけるような状況において、モータ1つ当
たりの発電量と、それによるブレーキ力が小さいにも拘
らず、各モータ2,4の負担を少なくしつつ車両全体と
して大きな発電量とブレーキ力とが得られ、動力エネル
ギの回収効率を大幅に向上することができる。
【0031】この場合においても、バッテリ14に十分
な充電が行われており、バッテリ14への充電が必要な
い場合には、図5に示すように、エンジン1が吸収可能
な駆動力をモータ2に発生させ、そのための発電をモー
タ4で行わせることにより、バッテリ14に充電するこ
となしに十分なエンジンブレーキ力を得ることができ
る。また、バッテリ14への充電が必要になった場合に
は、モータ4の発電量をそのままにしてモータ2への供
給電力を低くするように制御することで、エンジンブレ
ーキ性能を低下させることなくバッテリ14への充電が
可能となる。
【0032】さらに、車両が後退する場合には、一般に
はエンジン回転は前進時と同一方向の回転であることか
ら、エンジン1に直結しているモータ2をエンジン1が
逆回転にならないように回転方向を制御し、モータ4の
駆動力をキャリア3bに出力して後進する。この場合に
は、図6に示すように、バッテリ14の充電量に応じ、
バッテリ14への充電なしの走行からモータ2の発電に
よるバッテリ14への充電を併用しながらの後進が可能
である。
【0033】すなわち、バッテリ14の充電量が十分で
ある場合には、エンジン1の出力を吸収することでモー
タ2を発電機として作動させ、発電した電力をモータ4
へ供給するよう制御する。一方、バッテリ14の充電量
が不足した場合には、エンジン1の出力を上げる等して
モータ4の必要電力に対してモータ2の発電量が多くな
るように制御し、発電した電力でバッテリ14を充電す
る。
【0034】尚、バッテリ14の充電量が十分である場
合、エンジン停止状態でモータ2,4に電力を供給し、
モータ2によってリングギヤ3cを固定するとともにモ
ータ4からキャリア3bに駆動力を供給することで、車
両を後退させることも可能である。
【0035】以上のプラネタリギヤユニット3を介して
のエンジン1及びモータ2,4の回転は、CVT5の使
用によって適切に制御され、エンジン1及びモータ2,
4の出力効率を最適化するとともに、駆動軸で必要とさ
れる駆動力を確保することができる。
【0036】すなわち、プラネタリギヤにおいては、サ
ンギヤ3aの回転数をNs、リングギヤ3cの回転数を
Nr、キャリア3bの回転数をNcとすると、各回転数
は以下の(5)式で示される関係となり、サンギヤ3a
の回転数Ns及びリングギヤ3cの回転数Nrを制御す
ることでキャリア3bの回転数Ncを自由に設定するこ
とができる。尚、Ns=Nrのときには、Nc=Nr=
Nsとなり、全ての入出力回転数が一致する。 (1+i)・Nc=Nr+i・Ns …(5)
【0037】従って、前述したようにプラネタリギヤの
入出力トルクの関係はギヤ比iで決まるため、各ギヤの
トルクの関係を維持した上でモータ2,4の回転数を制
御することにより、出力回転数を制御することも可能で
あるが、モータ2,4のどちらか一方の回転数を一定と
して出力回転数を高くしようとすると、片方のモータの
回転数を必要とする出力回転数よりも高くしなければな
らない。
【0038】例えば、モータ4によって駆動されるサン
ギヤ3aの回転数を一定とし、サンギヤ3aを基準とす
るリングギヤ3c及びキャリア3bの回転数について考
えると、この場合は、サンギヤ3aを固定した場合と同
様であり、上記(5)式においてNs=0とおくことが
できることから、モータ2によって駆動されるリングギ
ヤ3cの回転数(サンギヤ3aに対する回転数差)はキ
ャリア3bの回転数(同じく、サンギヤ3aに対する回
転数差)の(1+i)倍となる。
【0039】また、モータ2によって駆動されるリング
ギヤ3cの回転数を一定とし、リングギヤ3cを基準と
するサンギヤ3a及びキャリア3bの回転数について考
えると、リングギヤ3cを固定した場合と同様であるこ
とから、上記(5)式においてNr=0とおくことがで
き、モータ4によって駆動されるサンギヤ3aの回転数
(リングギヤ3cに対する回転数差)はキャリア3bの
回転数(同じく、リングギヤ3cに対する回転数差)の
(1+i)/i倍となる。
【0040】結局、いずれの場合においても、サンギヤ
3aを駆動するモータ4あるいはリングギヤ3cを駆動
するモータ2のどちらか一方の回転数を一定として出力
回転数(キャリア回転数)を高くしようとすると、モー
タ2,4のいずれか一方が出力回転数(キャリア回転
数)よりも高くなってしまう。
【0041】モータ回転数が高くなることは、効率及び
信頼性の低下を招くことになるため、通常は、プラネタ
リギヤにおける各ギヤの回転差が小さくなるように使用
し、モータ回転数を低く抑えることが望ましいが、車速
が低い場合には、サンギヤ3aあるいはリングギヤ3c
のどちらかの回転数を相対的に高くすることで、他方の
回転を止めたり、また、エンジンを回転させたまま出力
軸回転数を逆転して後進させることが可能であるもの
の、車速が高くなると、出力軸回転数が高くなるため、
2つのモータ2,4の回転数差を小さくしようとして
も、結果的にエンジン1及びモータ2,4の回転数が高
くなってしまう。
【0042】本来、エンジンは、燃焼効率の高い、排気
ガスの清浄化を期待できる回転数域で使用されることが
望ましく、一方、車両においては、モータの回転制御範
囲を超えるような出力軸回転数の変化がある。従って、
駆動輪9からの要求駆動力に対し、プラネタリギヤユニ
ット3の出力軸に配置したCVT5の変速比を適切に制
御することで、プラネタリギヤユニット3への入力トル
クを低く抑えることが可能となり、プラネタリギヤユニ
ット3の出力回転数を適切に制御することができる。
【0043】すなわち、必要な駆動軸の回転数と車両駆
動力の変化に対し、CVT5によってエンジン1とモー
タ2,4の使用条件を最適範囲に抑えることでエンジン
性能を特化し、さらに、燃焼効率の高い、排気ガスエミ
ッションの低い領域でエンジン1を使用する頻度を大幅
に増やすことができ、走行性能を確保しつつ、燃費改
善、低公害化を実現することができるのである。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、エンジンの出力軸とプラネタリギヤのリン
グギヤとの間に駆動源あるいは発電機として切換え使用
可能な第1のモータを連結するとともに、プラネタリギ
ヤのサンギヤに駆動源あるいは発電機として切換え使用
可能な第2のモータを連結し、プラネタリギヤのキャリ
アに複数段あるいは無段階に変速比を切り換え可能な動
力変換機構を連結してプラネタリギヤと駆動輪との間で
変速及びトルク増幅を行なうため、エンジン及び第1の
モータのいずれか一方あるいは両方から供給される駆動
力と第2のモータから供給される駆動力とをプラネタリ
ギヤで合成して出力し、また、駆動輪側から動力変換機
構を介して逆に伝達される駆動力をプラネタリギヤで第
1のモータ及び第2のモータに配分し、第1,第2のモ
ータで動力エネルギを電気エネルギに変換して回収す
る、あるいは、第2のモータで発電し、第1のモータに
電力を供給してエンジン及び第1のモータで制動力を発
生させることができる。
【0045】従って、駆動輪からの要求駆動力に対し、
比較的低出力の小型の2つのモータで駆動力の確保と動
力エネルギの回収効率向上を達成することができ、シス
テムコストの低減、コンパクト化、軽量化を図ることが
できる。また、エンジン,第1のモータをプラネタリギ
ヤのリングギヤに結合し、第2のモータをプラネタリギ
ヤのサンギヤに結合して構成するため、第2のモータの
分担トルクを低減することが可能になり、トルク−電力
間で必要な変換効率等の影響を少なくでき、車両全体の
エネルギ効率を向上させることができる。さらに、プラ
ネタリギヤの出力軸に配置した動力変換機構の変速比を
適切に制御することで、エンジン及び第1,第2のモー
タを最適に制御することが可能となる。
【0046】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の動力変換機構をベルト式無段変速機として変速比
を無段階で変化させて変速及びトルク増幅を行なうた
め、駆動輪からの要求駆動力に対してプラネタリギヤへ
の入出力トルク及び回転数を自由に制御することが可能
となり、エンジン及び第1,第2のモータの制御をより
最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動系の基本構成を示す説明図
【図2】エンジン及び第1,第2のモータによって走行
する場合のトルク及び電気の流れを示す説明図
【図3】第1のモータを発電機として使用する場合のト
ルク及び電気の流れを示す説明図
【図4】第1,第2のモータを発電機として使用する場
合のトルク及び電気の流れを示す説明図
【図5】第2のモータを発電機として使用し、第1のモ
ータで駆動力を発生させる場合のトルク及び電気の流れ
を示す説明図
【図6】車両後進時のトルク及び電気の流れを示す説明
【符号の説明】
1 …エンジン 2 …第1のモータ 3 …プラネタリギヤユニット 3a…サンギヤ 3b…キャリア 3c…リングギヤ 4 …第2のモータ 5 …ベルト式無段変速機(動力変換機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 3/44 F16H 3/44 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力とモータの出力とを併用
    して走行駆動源とするハイブリッド車において、 サンギヤと、このサンギヤに噛合するピニオンを回転自
    在に支持するキャリアと、上記ピニオンに噛合するリン
    グギヤとを有するプラネタリギヤと、 上記エンジンの出力軸と上記プラネタリギヤのリングギ
    ヤとの間に連結され、駆動源あるいは発電機として切換
    え使用可能な第1のモータと、 上記プラネタリギヤのサンギヤに連結され、駆動源ある
    いは発電機として切換え使用可能な第2のモータと、 上記プラネタリギヤのキャリアに連結され、複数段ある
    いは無段階に切り換え可能な変速比に応じて上記プラネ
    タリギヤと駆動輪との間で変速及びトルク増幅を行なう
    動力変換機構とを備えたことを特徴とするハイブリッド
    車。
  2. 【請求項2】 上記動力変換機構を、入力軸に軸支され
    るプライマリプーリと出力軸に軸支されるセカンダリプ
    ーリとの間に駆動ベルトを巻装してなるベルト式無段変
    速機とすることを特徴とする請求項1記載のハイブリッ
    ド車。
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