JPH111974A - 制振遮音シート - Google Patents

制振遮音シート

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JPH111974A
JPH111974A JP9152597A JP15259797A JPH111974A JP H111974 A JPH111974 A JP H111974A JP 9152597 A JP9152597 A JP 9152597A JP 15259797 A JP15259797 A JP 15259797A JP H111974 A JPH111974 A JP H111974A
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Japan
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layer
vibration
damping
sound
hole
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JP9152597A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Omori
一弘 大森
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた制振遮音効果を有し、且つ高い周波数
領域でも減衰効果が低下せず、しかも厚い床仕上げ材を
用いた場合でも十分な振動減衰作用を発揮する制振遮音
シートを提供する。 【解決手段】 制振層1aと緩衝層1bとが積層された
制振遮音シート1において、該制振層1aが、合成樹脂
を主成分とするバインダー成分及び高比重充填剤から形
成され、該緩衝層1bには、孔径3〜30mmの貫通孔
2が、開口率10〜50%となるように設けられている
ことを特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振遮音シートに
関し、さらに詳しくは、住宅の上層階の木質系床仕上げ
材と床下地材との間に敷いて上層階の振動や音の伝搬を
減衰する制振遮音シートに関する。
【0002】
【従来の技術】木質フローリング床材の使用や多所帯住
宅等が近年増加していることによって、集合住宅及び一
個建住宅において、床騒音を防止しようとする要求が益
々増大している。床騒音を防止するために、近年では上
階の床下と下階の天井との間に、制振遮音シートや遮音
材が用いられている。
【0003】制振遮音シートとして、例えば、特公平4
−65777号公報には、熱可塑性樹脂、ゴム、アスフ
ァルト等の粘結材(バインダー成分)と、砂鉄、スラ
グ、鉄粉等の骨材(フィラー成分)とを混合してシート
状に加工し、その表面に緩衝層として不織布を積層した
制振遮音シートが開示されている。
【0004】しかし、上記従来の制振遮音シートにおい
て、積層される不織布の目付量が、小さくなると緩衝効
果が小さくなり、大きくなるとフローリング材や合板等
の床材と接着する際に、接着剤が不織布に吸収されて硬
化するため、緩衝効果が低下することがあった。また、
目付量の大きい不織布を用いても、500Hz以上の高
い周波数領域での減衰効果が小さいという問題点があっ
た。
【0005】このような問題点を解決するものとして、
特開平8−150682号公報には、制振層である基材
層と緩衝層である独立気泡発泡体とからなる制振遮音シ
ートが開示されている。この制振遮音シートの床衝撃音
に対する効果は、次の様に考えられる。即ち、緩衝層は
床衝撃音による局所的な床仕上げ材のたわみに応じて潰
れることにより、その衝撃力を吸収し、制振層は衝撃に
より発生する振動を制して、階下への振動や音の伝搬を
減衰する。
【0006】しかしながら、床仕上げ材の厚みが厚くな
ると剛性が高まるため、床仕上げ材の局所的なたわみが
起こり難くなり、緩衝層の潰れによる衝撃力吸収効果が
発現され難くなるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た制振遮音効果を有し、且つ高い周波数領域でも減衰効
果が低下せず、しかも厚い床仕上げ材を用いた場合でも
十分な振動減衰作用を発揮する制振遮音シートを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の制振遮音シート
は、制振層と緩衝層とが積層された制振遮音シートにお
いて、該制振層が、合成樹脂又はゴムを主成分とするバ
インダー成分及び高比重充填剤からなり、該緩衝層に
は、孔径3〜30mmの貫通孔が、開口率〔(貫通孔の
総面積/緩衝層の全表面積)×100〕10〜50%と
なるように設けられていることを特徴とする。
【0009】本発明で用いられる制振層は、合成樹脂又
はゴムを主成分とするバインダー成分及び高比重充填剤
からなる。
【0010】上記バインダー成分として用いられる合成
樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、塩化
ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル
系樹脂等が好適に用いられる。これらは単独で用いられ
てもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0011】また、上記バインダー成分として用いられ
るゴムとしては、天然ゴム、SBR(スチレンブタジエ
ンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、CR
(クロロプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IR
(イソプレンゴム)等が挙げられ、加硫処理されていな
いものが好ましい。これらは単独で用いられてもよく、
二種以上が併用されてもよい。
【0012】特に、合成樹脂又はゴムの中でも、制振層
の形成が容易なことから、エマルジョン化したものが好
ましく、例えば、アクリル樹脂系エマルジョン、塩化ビ
ニル系エステル共重合体エマルジョン、SBRエマルジ
ョン、NBRエマルジョン等が好適に使用される。
【0013】上記バインダー成分としてエマルジョンを
用いる場合は、エマルジョンに後述の高比重充填剤を混
合、調整しスラリー状としたものが、原料取扱いや成形
効率の上から好ましい。
【0014】また、上記バインダー成分としてはアスフ
ァルトが用いられてもよい。上記アスファルトとして
は、例えば、天然アスファルト、ストレートアスファル
ト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト
等の石油系アスファルト等が挙げられる。これらは単独
で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。こ
れらの中でも、ストレートアスファルト、ブローンアス
ファルトが特に好ましく、これらは併用されてもよい。
【0015】上記ストレートアスファルトは、主にアス
ファルト基原油の常圧蒸留後に得られる残渣のことであ
り、伸度、粘着力、防水性等が大きく、道路舗装に多く
用いられている。また、ブローンアスファルトは、半ア
スファルト基原油の蒸留残渣に熱い状態で空気を吹き込
み、酸化重合させて得られるものであり、軟化点が高
く、弾性が高い等の特徴がある。
【0016】本発明で用いられる高比重充填剤として
は、例えば、微粉状に粉砕された鉄鉱石;鉄の製鋼、圧
延、表面処理工程で発生する転炉スラグ;圧延スケー
ル;酸洗スケール;BF鋳床スケール;天然の砂鉄等が
挙げられる。
【0017】上記高比重充填剤の比重は4.5〜5.5
が好ましく、粒径は5〜100μmが好ましい。また、
高比重充填剤の形状は、特に限定されず、繊維状、球
状、粒状、フレーク状等のいずれの形状であってもよ
い。
【0018】上記酸化鉄系の高比重充填剤と共に、比重
2〜3の軽金属の炭酸塩又は水酸化物からなる軽金属系
充填剤を併用すると、制振層の曲げ剛性や寸法安定性が
向上し、さらに切断加工時においてカッター刃等の摩耗
を抑えることができる。上記軽金属系充填剤としては、
例えば、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらは単独で
使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。これ
らの中でも、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが好
ましい。また、軽金属系充填剤の粒径は、2〜60μm
が好ましい。
【0019】上記制振層に含まれる充填剤(高比重充填
剤+軽金属系充填剤)の配合量は、65〜99.5重量
%が好ましい。充填剤の割合が、65重量%未満では制
振層の面密度が低下して十分な制振遮音効果が得られな
いことがあり、99.5重量%を超えると、バインダー
成分と充填剤との均一な混合がしにくくなる。
【0020】上記制振層には、改質剤、ゲル化剤、増粘
剤、形状保持助剤等が添加されてもよい。改質剤として
は、石油樹脂、エチレン系共重合体等が用いられる。上
記石油樹脂は、混練時の流動性調整の機能も有し、混練
物全体の流れをよくし、均一に効率よく混練することが
できる。また、炭素数5の炭化水素(以下、C5とい
う)留分を原料にした脂肪族系石油樹脂、炭素数9の炭
化水素(以下、C9という)留分を原料にした芳香族系
石油樹脂、又はC5−C9留分共重合石油樹脂のいずれ
が用いられてもよい。
【0021】上記エチレン系共重合体は、制振層をシー
ト状に成形したときの制振層の柔軟性及び粘りを付与す
る役目を果たし、制振層の割れや欠けを防止する。エチ
レン系共重合体としては、酢酸ビニル含有量25〜50
重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
【0022】上記形状保持助剤としては、制振層の強度
を向上させる目的で繊維状物質を用いることが好まし
い。繊維状物質の使用により、制振遮音シートの運搬や
取扱い時の破損、折れ、形崩れ等を防止することができ
る。繊維状物質としては、天然繊維又は人造繊維のいず
れもが使用可能である。
【0023】上記人造繊維の中でも種類の多い合成繊維
が好ましく、合成繊維としては、例えば、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ尿素系等の
重縮合系合成繊維;アクリル系、ポリオレフィン系、ポ
リスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン
系、ポリフッ化エチレン系、ポリアクリロニトリル系、
ポリビニルアルコール系、ポリシアン化ビニリデン系、
ポリプロピレン系等の高重合系合成繊維等が挙げられ
る。
【0024】さらに、ポリアクリロニトリル系合成繊
維、レーヨン等の人造繊維や石油ピッチを紡糸した繊維
を不活性気体中で熱処理、炭化して得られた炭化繊維;
溶融ガラスを高速で引き伸ばして繊維状としたガラス繊
維も使用可能である。
【0025】上記繊維状物質の形状は、特に限定されな
いが、径が0.01〜0.5mm、長さは1〜50mm
が好ましい。
【0026】上記バインダー成分として無加硫のゴムが
用いられる場合は、ゲル化剤や増粘剤が加工助剤として
用いられてもよい。上記ゲル化剤としてはウレタンプレ
ポリマーが、増粘剤としてはメチルセルロースがそれぞ
れ好適に用いられる。また、粘度調整のためにDOP
(ジオクチルフタレート)等の可塑剤が使用されてもよ
い。
【0027】上記ゲル化剤として使用されるウレタンプ
レポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとの反
応により得られる末端にNCO基を含有するプレポリマ
ーであり、水と反応して架橋体を形成するものである。
【0028】上記ポリオールとしては、例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリ
オキシアルキレンポリオール;ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、ダイマー酸エステ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ブタジエ
ンポリオール、アクリルポリオール、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の加水分解物、クロロプレンポリオール等
が挙げられる。
【0029】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート(C−MDI)、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(X
DI)、イソホロンジイソシアネート、水素添加XD
I、水素添加MDI等が挙げられる。
【0030】上記制振層の製造方法としては、シート状
に成形できる方法であれば特に制限はなく、押出成形、
カレンダー成形、プレス成形、注型成形等の他、塗布積
層する方法、吹付け塗装する方法などが挙げられる。
【0031】上記制振層の形状は、シート状又は板状が
好ましく、その少なくとも片面に凹凸部が設けられてい
てもよい。凹凸部の平面形状は、多角形状、円形状、楕
円状、ストライプ状、格子状等であってもよく、これら
が組み合わされた形状であってもよい。また、凹凸部の
垂直断面形状(凹部の溝部の形状、凸部の山部の形状)
は、多角形状、台形状、円弧体形状等、特に限定されな
い。
【0032】本発明で用いられる緩衝層としては、例え
ば、プラスチック発泡体、緩衝ゴム、目付量の多い不織
布等が挙げられる。プラスチック発泡体としては、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリウレタン等の独立気泡発泡体;ポリ
塩化ビニル、ビニロン、ナイロン、フェノール樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン、ユリア樹脂等
の連続気泡発泡体等が挙げられ、これらは単独で用いら
れてもよく、二種以上が併用されてもよい。緩衝層は床
下地材と床仕上げ材との間に敷設して用いるため、上記
プラスチック発泡体の中でも、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の独立気泡発泡体が好ましく、これらは併用さ
れてもよい。
【0033】上記プラスチック発泡体の発泡倍率は、1
0〜50倍が好ましい。発泡倍率が、10倍未満では硬
すぎるため十分な緩衝効果が得られにくく、50倍を超
えると柔らかくなり過ぎるため床に適用した際に耐圧縮
性が低下することがある。特に、発泡倍率が高くなる
と、6mm程度の薄い床仕上げ材と組み合わせて使用し
たときに、耐圧縮性の低下傾向が大きくなる。
【0034】上記不織布としては、例えば、ナイロン、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合
成繊維製のものが好ましい。不織布の製造方法として
は、スパンボンド法、メルトフロー法、フラッシュ紡糸
法、トウ開繊法、バーストファイバー法などのいずれの
方法が用いられてもよい。
【0035】上記不織布の目付量は、100〜300g
/m2 が好ましい。目付量が、100g/m2 未満で
は、十分な緩衝効果が得られず、300g/m2 を超え
ると高価になり、さらに床に適用した際に耐圧縮性が低
下するため、いわゆる「へたり」現象が起こり易くな
る。
【0036】上記緩衝層には、図1に示すように貫通孔
2が設けられる。貫通孔2の平面形状としては、円形、
楕円形、多角形、不規則形状等、特に限定されないが、
緩衝層1bの生産上及び加工上からは、円形、楕円形、
多角形等の規則的な形状が好ましく、円形、楕円形、六
角形が一般的な形状である。
【0037】上記貫通孔の孔径は3〜30mmに制限さ
れる。孔径が、3mm未満では小さくなり過ぎるため加
工が難しくなり、打ち抜きカスが大量に発生する。ま
た、孔径が、30mmを超えると、孔が大きくなるため
緩衝層の引張強度が低下し、製造ライン上で引張力をか
けたときに伸びが生じたり、切断が起こることがある。
【0038】上記緩衝層の下記式で表される開口率は、
10〜50%に制限される。 開口率(%)=(貫通孔の総面積/緩衝層の全表面積)
×100 開口率が、10%未満では、軽量床衝撃音に対する十分
な改善効果が得られず、50%を超えると緩衝層自身の
強度が低下し、製造ラインで引張力をかけたときに伸び
るため、孔の形状が変形したり、緩衝層の厚みが薄くな
ることがある。
【0039】上記貫通孔の加工方法は、金型により打ち
抜きプレスする方法;成形ロールによる孔開け加工等が
挙げられる。また、貫通孔の配列は、規則的、又はラン
ダム状のいずれであってもよいが、好ましくは格子状又
は千鳥格子状である。隣接する貫通孔のピッチやパター
ンは貫通孔の総面積の設定と密接な関係があり、実験的
に求められる。
【0040】上記制振層又は緩衝層の少なくとも一面に
保護層が設けられてもよい。保護層としては、例えば、
天然繊維、合成繊維、糸状の金属等を織ったり編んだり
して作製されたシート状織物;前記材料の不織布;合成
樹脂をシート状やメッシュ状に成形したもの;金属のシ
ート状物;紙などが挙げられる。上記シート状物には、
スプリット加工やパンチング加工が施されてもよい。
【0041】上記保護層としては、紙、織布、不織布等
が好適に用いられ、不織布の中でも、ポリエステル系、
ナイロン系、レーヨン系等のものが好ましい。
【0042】上記制振層と緩衝層との積層方法、及びこ
れらと保護層との積層方法は、特に限定されないが、接
着剤による接着;加熱による熱融着;制振層を塗布する
ときに同時積層する方法など、適宜選択される。
【0043】上記制振遮音シートは、主として住宅の上
層階の振動や音の伝搬を減衰する目的で、住宅の上層階
の木質系床仕上げ材と床下地材との間に敷いて用いられ
る。この場合、床仕上げ材としては、主として合板の表
面に直接化粧板を貼り合わせたフローリング材が用いら
れ、必要に応じてMDF(ミディアムデンシティファイ
バーボード)を併用したフローリング材が用いられるこ
ともある。上記床仕上げ材は、色、サイズ、厚み等は特
に制限されないが、厚みは6〜20mmが好ましく、床
仕上げ材の裏面には溝加工が施されていてもよい。
【0044】上記床下地材としては、一般に使用されて
いる構造用合板や構造用パネル等が用いられる。構造用
合板は、広葉樹単板又は針葉樹単板が単独もしくは併用
されて積層された積層体である。構造用パネルとして
は、パーティクルボード、ストランドボード、ウェーハ
ーボード等が用いられる。床下地材の材質、サイズ、厚
み等は、特に限定されない。
【0045】
【作用】本発明の制振遮音シートは、制振層と緩衝層と
が積層された積層体からなり、床仕上げ材と床下地材と
の間に敷設して、上層階側に使用されるため、床衝撃時
の衝撃力を緩衝層にて吸収し、衝撃より生じる振動を制
振層によって制振することにより、階下への音や振動の
伝搬を防止することができる。また、緩衝層に貫通孔を
設けることによって、緩衝層中に大きな空気層を有する
空間が形成され、この空気層の吸音制振効果によって振
動減衰作用を発現する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明する。
【0047】(実施例1)砂鉄(比重4.6)からなる
酸化鉄系充填剤750重量部、バインダー成分として無
加硫カルボキシ変性SBRエマルジョン(日本合成ゴム
社製「JSR−0619」、固形分48重量%、比重:
1.0)20重量部、増粘剤としてメチルセルロース
(信越化学社製「メトローズ90SH30000」)
0.5重量部、ゲル化剤として水架橋性ウレタンポリマ
ー3.8重量部及び水100重量部を混合して、制振層
用スラリーを調製した。次いで、上記スラリーを、離型
紙上に敷いたスパンボンドポリエステル不織布層(目付
量:50g/m2)上に、型枠とナイフコーターとを用い
て、厚み4mmとなるように塗工して制振層を形成し
た。
【0048】一方、緩衝層としてシート状のポリエチレ
ン発泡体(発泡倍率30倍、厚さ2mm)を用い、図1
に示すように、孔径20mmの円形の貫通孔2を開口率
25%となるように、プレスによる打ち抜き処理により
設けた後、この緩衝層1bの片面にポリコートしたポリ
エステル不織布を(目付量:30g/m2)を熱ラミネー
トし、不織布付き緩衝層を得た。次いで、上記で得られ
たスラリー上に、不織布付き緩衝層の不織布側が接する
ように載せ、ローラーにより軽く圧着して、図2に示す
ように、緩衝層1b/保護層1d/制振層1a/保護層
1cの順序で積層された積層体を得た。この積層体を5
0℃に保たれた乾燥室内で24時間乾燥して、厚さ6m
mの制振遮音シート1を得た。
【0049】(比較例1)緩衝層として貫通孔の全くな
いシート状のポリエチレン発泡体(発泡倍率30倍、厚
さ2mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て、緩衝層/保護層/制振層/保護層の順序で積層され
た、厚さ6mmの制振遮音シートを得た。
【0050】(比較例2)緩衝層として、シート状のポ
リエチレン発泡体(発泡倍率30倍、厚さ2mm)に、
孔径20mmの円形の貫通孔を開口率5%となるように
設けたこと以外は、実施例1と同様にして、緩衝層/保
護層/制振層/保護層の順序で積層された、厚さ6mm
の制振遮音シートを得た。
【0051】(実施例2)平均粒径13μmのBFスケ
ール(比重5)からなる酸化鉄系充填剤65重量%、粒
径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる軽
金属系充填剤15重量%及びバインダー成分としてブロ
ーンアスファルト20重量%を加熱混練して製膜し、4
mm厚のシート状制振層を得た。緩衝層として、シート
状のポリエチレン発泡体(発泡倍率30倍、厚さ2m
m)を用いた。緩衝層には、孔径10mmの円形の貫通
孔を開口率25%となるように、プレスによる打ち抜き
処理により設けた。また、保護層としてスパンボンドポ
リエステル不織布(目付量30g/m2 )を用い、図2
に示すように、緩衝層1b/保護層1d/制振層1a/
保護層1cの順序で積層された、厚さ6mmの制振遮音
シート1を得た。尚、各層の積層には、溶剤型ゴム系接
着剤を使用した。
【0052】(実施例3)緩衝層として、孔径10mm
の円形の貫通孔を、開口率40%となるように設けた、
シート状のポリエチレン発泡体(発泡倍率30倍、厚さ
2mm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、
緩衝層1b/保護層1d/制振層1a/保護層1cの順
序で積層された、厚さ6mmの制振遮音シート1を得
た。
【0053】(比較例3)緩衝層にシート状のポリエチ
レン発泡体(発泡倍率30倍、厚さ2mm)を使用し、
貫通孔を全く設けなかったこと以外は、実施例2と同様
にして、緩衝層/保護層/制振層/保護層の順序で積層
された、厚さ6mmの制振遮音シートを得た。
【0054】(比較例4)緩衝層として、孔径10mm
の円形の貫通孔を、開口率60%となるように設けた、
シート状のポリエチレン発泡体(発泡倍率30倍、厚さ
2mm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、
緩衝層/保護層/制振層/保護層の順序で積層された、
厚さ6mmの制振遮音シートを得た。
【0055】上記実施例及び比較例で得られた制振遮音
シートを、床下地材である20mm厚のパーティクルボ
ード上に置き敷きし、その上に床仕上げ材である12m
m厚のフローリング材を酢酸ビニルペースト系接着剤
(積水化学社製、商品名「エスダイン床タイル用」)を
用いて接着し、さらに、フローリング材の突き合わせ部
を、長さ40mmのフィニッシュネイルを150mm間
隔で釘打ちして一体化し、三層構造の試験床を作製し
た。この試験床を、ユニット式2バイ4住宅(積水化学
社製「ツーユーホーム」、6畳間)の2階床に施工し、
JIS A1418に準拠した測定方法により、1階に
おける軽量床衝撃音レベルを測定し、その結果を表1及
び2に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】実施例は全て比較例1及び3と比べて、2
50Hz以上の周波数領域で大きな改善効果が認められ
る。比較例2は、実施例と同様緩衝層に貫通孔が設けら
れているが、開口率が低いため殆ど効果が認められな
い。また、比較例4は、実施例と同様に貫通孔が設けら
れており、開口率が60%と大きいため250Hz以上
の周波数領域で改善効果が認められる。しかしながら、
開口率が大きすぎるため生産性が著しく低下し、さらに
緩衝層の強度が低下するという問題が発生するため好ま
しくない。
【0059】
【発明の効果】本発明の制振遮音シートは、上述の通り
であり、優れた制振遮音性を有し、特に高周波数領域で
高い減衰効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる緩衝層の貫通孔を示す模式
斜視図である。
【図2】本発明の制振遮音シートの一例を示す模式断面
図である。
【符号の説明】
1 制振遮音シート 1a 制振層 1b 緩衝層 1c,1d 保護層 2 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 5/43 E04B 5/43 H E04F 15/18 601 E04F 15/18 601B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振層と緩衝層とが積層された制振遮音
    シートにおいて、該制振層が、合成樹脂又はゴムを主成
    分とするバインダー成分及び高比重充填剤から形成さ
    れ、該緩衝層には、孔径3〜30mmの貫通孔が、開口
    率〔(貫通孔の総面積/緩衝層の全表面積)×100〕
    10〜50%となるように設けられていることを特徴と
    する制振遮音シート。
  2. 【請求項2】 前記制振層がアスファルトを主成分とす
    るバインダー成分及び高比重充填剤から形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の制振遮音シート。
  3. 【請求項3】 前記制振層又は緩衝層の少なくとも一面
    に保護層が積層されていることを特徴とする請求項1又
    は2記載の制振遮音シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003520704A (ja) * 2000-01-28 2003-07-08 スタンキューヴィックツ ゲー・エム・ベー・ハー 多層ダンピング・フォイルおよびその生産方法
JP2014012947A (ja) * 2012-07-04 2014-01-23 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 遮音性を有する床材及びそれを用いた床構造

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