JPH1119735A - パンチプレスのダイ挿入治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイ支持部材内にダイを水平に保持してダイ
をダイホルダに容易に挿入できるようにする。 【解決手段】 ダイＤを装着せしめる装着孔１１Ｈを有
した治具本体１１と、この治具本体１１の外周部に沿っ
て形成された円弧状のガイド溝１３と、このガイド溝１
３にそれぞれ相対向して摺動可能に設けられた１対のバ
ンド１５Ａ，１５Ｂと、この１対のバンドの一端に設け
られた把手部１７Ａ，１７Ｂと、この各把手部の間に設
けられ各把手部を離反する方向に付勢した付勢手段２１
と、前記１対のバンドの他端に設けられたドグ部材１９
Ａ，１９Ｂと、前記各ガイド溝における前記１対のバン
ドの他端側に設けられ前記ドグ部材の作動により前記装
着孔に装着されたダイＤをクランプ，アンクランプせし
めるクランプ装置２３と、で構成されていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パンチプレスに
おけるダイ支持部材にダイを挿入するためのパンチプレ
スのダイ挿入治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図１０に示されているように、パ
ンチプレスとしての例えばタレットパンチプレス１０１
には回転自在な上部タレット１０３と下部タレット１０
５とが相対向して設けられている。そして、この下部タ
レット１０５にはダイホルダ１０７が設けられている。
このダイホルダ１０７に作業者がダイＤを手に持って図
６において右側から挿入した後、ダイスペーサ１０９を
ダイホルダ１０７に取付けてダイＤをセットしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のタレットパンチプレスに１０１において、ダイＤの
交換でホルダ１０７にダイＤをセットするとき、上部タ
レット１０３と下部タレット１０５との隙間が狭いた
め、図１１に示されているように、ダイＤを図１１にお
いて矢印で示した如く右側から押し込むとき、ダイホル
ダ１０７の装着穴１０７Ｈの中でダイＤが２点鎖線で示
したように傾くことがある。このときには上部タレット
１０３の装着孔に上方から棒１１１を挿入し、この棒１
１１でダイＤをむりやり叩いているので、装着穴１０７
の内面であるＡ，Ｂ部にバリや打こんなどの傷が付い
て、ダイＤがダイホルダ１０７に入らなくなったり、あ
るいは取り出すときも非常に大変である。

【０００４】この発明の目的は、ダイ支持部材内にダイ
を水平に保持してダイをダイホルダに容易に挿入できる
ようにしたパンチプレスのダイ挿入治具を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１によるこの発明のパンチプレスのダイ挿入治
具は、ダイを装着せしめる装着孔を有した治具本体と、
この治具本体の外周部に沿って形成された円弧状のガイ
ド溝と、このガイド溝にそれぞれ相対向して摺動可能に
設けられた１対のバンドと、この１対のバンドの一端に
設けられた把手部と、この各把手部の間に設けられ各把
手部を離反する方向に付勢した付勢手段と、前記１対の
他端に設けられたドグ部材と、前記各ガイド溝における
前記１対のバンドの他端側に設けられ前記ドグ部材の作
動により前記装着孔に装着されたダイをクランプ，アン
クランプせしめるクランプ装置と、で構成されているこ
とを特徴とするものである。

【０００６】したがって、治具本体に有した装着孔にダ
イを装着する場合には、作業者が手でもって一対のバン
ドの一端に設けられた把手部を持ち付勢手段の付勢力に
抗して一対のバンドを互いに接近するようにガイド溝内
を移動させると、一対のバンドの他端に設けられたドグ
部材によってクランプ装置が作動してダイが治具本体に
対してアンクランプされる。アンクランプの状態でダイ
を治具本体の装着孔に装着せしめた後、一対のバンドの
一端に設けられた把手部を作業者が離すと、一対のバン
ドが離反する方向にガイド溝内を移動され、前記ドグ部
材の作動によってクランプ装置が作動してダイが治具本
体に対してクランプされる。

【０００７】この状態で、ダイをクランプした治具本体
をダイホルダの上方へもっていて、上述のようでダイを
治具本体からアンクランプせしめることによってダイが
ダイホルダに容易に挿入される。

【０００８】請求項２によるこの発明のパンチプレスの
ダイ挿入，取出し装置は、請求項１のパンチプレスのダ
イ挿入，取出し装置において、前記クランプ装置が、前
記ドグ部材の作動により前記治具本体の径方向へ摺動す
るカムフォロワーをクランプシリンダの一端に設けると
共に、前記装着孔に装着されたダイをクランプ，アンク
ランプせしめるストッパ部材をクランプシリンダの他端
に設けてなることを特徴とするものである。

【０００９】したがって、ドグ部材が治具本体の外周に
沿って形成されたガイド溝で摺動されてクランプシリン
ダの一端に設けられたカムフォロワーに乗ることでクラ
ンプシリンダの他端に設けられたストッパ部材が外方へ
引っ張られる。而して、ストッパ部材が治具本体に装着
されたダイから離れてアンクランプされる。また、前記
ドグ部材がカムフォロワーから外れることにより、スト
ッパ部材が内側へ戻されるので、治具本体に装着された
ダイを押圧しクランプされる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基いて詳細に説明する。

【００１１】図６を参照するに、パンチプレスとしての
例えばタレットパンチプレス１には上下に相対向して回
転自在な上下部タレット３，５が設けられている。この
下部タレット５には図８に示されているようなダイホル
ダ７が設けられている。このダイホルダ７の装着孔７Ｈ
にダイＤが装着される。

【００１２】このダイＤをクランプしたり、アンクラン
プするダイ挿入治具９が設けられている。より詳細には
図１および図７を併せて参照するに、ダイ挿入治具９
は、平面からみて短形部１１Ａと半円弧部１１Ｂとを有
する治具本体１１を備えており、しかもこの短形部１１
Ａと半円弧部１１Ｂとは段差部１１Ｃを有している。

【００１３】前記治具本体１１の半円弧部１１Ｂの円周
部には図５に示されているように、円弧状のＴ字状のガ
イド溝１３が形成されている。このＴ字状のガイド溝１
３には円弧状の一対のバンド１５Ａ，１５Ｂが摺動可能
に設けられている。この一対のバンド１５Ａ，１５Ｂの
一端には把手部１７Ａ，１７Ｂが設けられていると共に
一対のバンド１５Ａ，１５Ｂの他端には２又状のドグ部
材１９Ａ，１９Ｂが設けられている。前記把手部１７Ａ
と１７Ｂとの間には付勢手段としてスプリング２１が把
手部１７Ａ，１７Ｂがそれぞれ外方へ付勢すべく介在さ
れている。

【００１４】前記一対のバンド１５Ａ，１５Ｂの他端側
における治具本体１１の半円弧部１１Ｂ内には、クラン
プ装置２３が設けられている。このクランプ装置２３は
図２，図３および図４を参照するに、シリンダ本体２５
を備えており、このシリンダ本体２５内には径方向へ延
伸したピストンロッド２７が装着されている。このピス
トンロッド２７の図２，図３において下端にはカムフォ
ロワー２９Ａ，２９Ｂが設けられていると共に上端には
ウレタン等摩擦係数の大きい材質からなるストッパ部材
３１が設けられている。前記シリンダ本体２５内の底部
とピストンロッド２７に一体化されたピストン３３との
間には上下方向へ付勢されたスプリング３５が介在され
ている。

【００１５】上記構成により、下部タレット５の外側で
ダイ挿入治具９の治具本体１１におけ装着孔１１Ｈに図
１，図９に示されているように、ダイＤを装着せしめ
る。その際、バンド１５Ａ，１５Ｂの一端に設けられて
いる把手部１７Ａ，１７Ｂをもってバンド１５Ａ，１５
Ｂをそれぞれ図１に矢印で示したごとく互いに接近する
ようにスプリング２１の付勢力に抗して移動せしめる
と、ドグ部材１９Ａ，１９Ｂがカムフォロワー２９Ａ，
２９Ｂに乗ってストッパ部材３１がスプリング３５の付
勢力に抗してダイＤの外径より引っ込められてアンクラ
ンプ状態となる。この状態でダイＤを治具本体１１の装
着孔１１Ｈに装着せしめた後、バンド１５Ａ，１５Ｂの
把手部１７Ａ，１７Ｂを離すと、バンド１５Ａ，１５Ｂ
が元の位置へ戻ると共にスプリング３５の付勢力でスト
ッパ部材３５が図２において上方へ移動して治具本体１
１の装着孔１１Ｈに装着されているダイＤを２ケ所で保
持してクランプされる。

【００１６】この状態で治具本体１１を持って図６に示
されているように上部タレット３と下部タレット５との
間に形成される隙間より水平に移動せしめて図８に示さ
れているように、ダイホルダ７の上面７Ａ，７Ｂをガイ
ドにして図７に示した治具本体１１の面１１Ｃ，１１Ｄ
に当接せしめて治具本体１１をのせてダイＤをダイホル
ダ７の装着孔７Ｈに押し込む。次いで、バンド１５Ａ，
１５Ｂの把手部１７Ａ，１７Ｂを図１に示した矢印方向
へ互いに接近する方向に移動せしめることによって、ダ
イＤが治具本体１１の装着孔１１Ｈから外れてダイホル
ダ７の装着孔７Ｈに装着されることになる。

【００１７】すなわち、より詳細には図８に示されてい
るように、下部タレット５内のダイホルダ７の面７Ｃに
図７に示したダイＤの面Ｄ_c を合わせて位置決めしてか
らバント１５Ａ，１５Ｂの把手部１７Ａ，１７Ｂを握っ
てストッパ部材３５を解除すると、ダイＤは水平に下に
落ちて、ダイホルダ７の装着孔７Ｈの面７Ｄにならって
水平に入るのである。

【００１８】したがって、下部タレット５内のダイホル
ダ７にダイ挿入治具９でもってダイＤを容易に挿入する
ことができる。

【００１９】なお、この発明は、前述した実施の形態に
限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその
他の態様で実施し得るものである。

【００２０】

【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明よ
り理解されるように、請求項１の発明によれば、治具本
体に有した装着孔にダイを装着する場合には、作業者が
手でもって一対のバンドの一端に設けられた把手部を持
ち付勢手段の付勢力に抗して一対のバンドを互いに接近
するようにガイド溝内を移動させると、一対のバンドの
他端に設けられたドグ部材によってクランプ装置が作動
してダイが治具本体に対してアンクランプされる。アン
クランプの状態でダイを治具本体の装着孔に装着せしめ
た後、一対のバンドの一端に設けられた把手部を作業者
が離すと、一対のバンドが離反する方向にガイド溝内を
移動され、前記ドグ部材の作動によってクランプ装置が
作動してダイが治具本体に対してクランプされる。

【００２１】この状態で、ダイをクランプした治具本体
をダイホルダの上方へもっていって、上述の要領でダイ
を治具本体からアンクランプせしめることによってダイ
をダイホルダに良に挿入せしめることができる。

【００２２】請求項２の発明によれば、ドグ部材が治具
本体の外周に沿って形成されたガイド溝で摺動されてク
ランプシリンダの一端に設けられたカムフォロワーに乗
ることでクランプシリンダの他端に設けられたストッパ
部材が外方へ引っ張られる。而して、ストッパ部材を治
具本体に装着されたダイから離れて容易にアンクランプ
せしめることができる。また、前記ドグ部材がカムフォ
ロワーから外れることにより、ストッパ部材が内側へ戻
されるので、治具本体に装着されたダイを押圧し容易に
クランプせしめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のパンチプレスのダイ挿入治具の主要
部を示し、図６におけるI −I線に沿った矢視図であ
る。

【図２】図１におけるII矢視部の拡大図である。

【図３】図２におけるIII 矢視図である。

【図４】図２におけるIV矢視図である。

【図５】図１におけるV −V 線に沿った断面図である。

【図６】図１におけるVI-VI 線に沿った断面図である。

【図７】ダイを装着したパンチプレスのダイ挿入治具の
正面図である。

【図８】ダイホルダの斜視図である。

【図９】パンチプレスのダイ挿入治具でダイをダイホル
ダに装着した状態の説明図である。

【図１０】従来の下部タレットに設けられたダイホルダ
にダイを装着した状態の説明図である。

【図１１】従来の下部タレットに設けられたダイホルダ
にダイを装着した状態の説明図である。

【符号の説明】

１ タレットパンチプレス（パンチプレス） ３ 上部タレット ５ 下部タレット ７ ダイホルダ ９ ダイ挿入治具 １３ ガイド溝 １５Ａ，１５Ｂ バンド １７Ａ，１７Ｂ 把手部 １９Ａ，１９Ｂ ドグ部材 ２１ スプリング（付勢手段） ２３ クランプ装置 ２９Ａ，２９Ｂ カムフォロワー ３１ ストッパ部材 ３３ ピストン ３５ スプリング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダイを装着せしめる装着孔を有した治具
   本体と、この治具本体の外周部に沿って形成された円弧
   状のガイド溝と、このガイド溝にそれぞれ相対向して摺
   動可能に設けられた１対のバンドと、この１対のバンド
   の一端に設けられた把手部と、この各把手部の間に設け
   られ各把手部を離反する方向に付勢した付勢手段と、前
   記１対のバンドの他端に設けられたドグ部材と、前記各
   ガイド溝における前記１対のバンドの他端側に設けられ
   前記ドグ部材の作動により前記装着孔に装着されたダイ
   をクランプ，アンクランプせしめるクランプ装置と、で
   構成されていることを特徴とするパンチプレスのダイ挿
   入治具。
2. 【請求項２】 前記クランプ装置が、前記ドグ部材の作
   動により前記治具本体の径方向へ摺動するカムフォロワ
   ーをクランプシリンダの一端に設けると共に、前記装着
   孔に装着されたダイをクランプ，アンクランプせしめる
   ストッパ部材をクランプシリンダの他端に設けてなるこ
   とを特徴とする請求項１記載のパンチプレスのダイ挿入
   治具。