JPH11197108A - 視機能検査装置 - Google Patents

視機能検査装置

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JPH11197108A
JPH11197108A JP10004754A JP475498A JPH11197108A JP H11197108 A JPH11197108 A JP H11197108A JP 10004754 A JP10004754 A JP 10004754A JP 475498 A JP475498 A JP 475498A JP H11197108 A JPH11197108 A JP H11197108A
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JP
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optotype
image
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eye
visual function
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JP10004754A
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Inventor
Masaaki Tamura
正明 田村
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視機能検査装置の小型化を図る。 【解決手段】 視標を表示する液晶パネル30と、外景
像を被検眼6に導く外景像光路を形成する外景像光学系
25と、液晶パネル30からの視表像1を外景像光路中
に導いて、被検者5に視標像1と共に外景像2を見せる
視標像光学系20とをそれぞれ有している左右鏡体11
L,11Rを備えている。被検者5は、視標像1の周り
に外景像2を見ることになるので、機械近視を防ぐこと
ができる上に、視標を虚像1として見ることになる。こ
のため、光学系20,25の一部を構成するハーフミラ
ー23と被検眼6との間の距離、さらには液晶パネル3
と被検眼6との距離を短くすることができる上に、各光
学系20,25を構成する光学素子や液晶パネル30を
小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視力検査の際に被
検者に視標を提示する視機能検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼位を検査する装置としては、例
えば、特開昭60−171032号公報に記載されてい
るものがある。
【0003】この眼位検査装置は、左右それぞれの眼に
視標を提示する二つの液晶パネルと、これを囲む筐体と
を備えている。この筐体の奥には、二つの液晶パネルが
並んで配置されている。また、筐体の二つの液晶パネル
と対向する面には、被検者が覗き込むための左右の窓が
形成されている。この装置を用いて眼位を検査する際に
は、被検者に鏡筒の左右の窓から内部を覗かせて、その
内部で左右の液晶パネルに映し出される各種視標の見え
具合を聞き、この見え具合から眼位量を求めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、眼位検
査では、ある程度離れた位置から視標を被検者に見せる
必要があるため、以上の従来技術では、視標が表示され
る液晶パネルと被検眼とをある程度以上離さなければな
らない。また、被検者は、筐体の窓から真っ暗な筐体内
部を覗き込み真っ暗な背景中に視標を見ることになり、
機械近視の影響を受けてしまう者もいるために、この観
点からも、視標が表示される液晶パネルと被検眼とをあ
る程度離さなければならない。このため、従来技術で
は、筐体内の液晶パネルと筐体の窓との間の距離を大き
くとる必要があり、装置が大型化してしまうと言う問題
点がある。
【0005】また、前述したように、筐体の窓から真っ
暗な筐体内部を覗き込み、そこに見映し出されている視
標を見る、つまり、暗い背景の中の視標を見るので、眼
の調節作用が働いて、正確な検査を行いにくいという問
題点もある。
【0006】本発明は、以上のような従来技術の問題点
に着目してなされたもので、小型で、精密な検査を行う
ことができる視機能検査装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の視機能検査装置は、左右の鏡体を備え、該左右の鏡体
は、それぞれ、前記視標を表示する視標表示手段と、外
景像を被検眼に導く外景像光路を形成する外景像光学系
と、前記視標表示手段からの視標像が入射する収束光学
素子と、前記外景像光路中に位置し、該収束光学素子か
らの視表像を該外景像光路を介して被検眼に導く反射光
学素子とを含み、該被検眼に外景像と共に視標像を見せ
る視標像光学系と、前記収束光学素子の光軸方向に関し
て、該収束光学素子の焦点位置を含めて、前記視標表示
手段を移動させて、該視標表示手段により表示される視
標像の提示距離を変える視標移動手段と、を有し、さら
に、前記視標表示手段に対して、表示面内における視標
の表示位置及び表示する視標の種類を変えさせる視標表
示制御手段と、被検者の両眼による各視標像の見え具合
が、前記視標表示制御手段による前記視標表示手段の表
示面内の視標表示位置の移動で、正視の人の両眼による
各視標像の見え具合と同じになるまでの左右の視標像の
ズレ量と、前記視標提示距離とから眼位量を求める眼位
量演算手段と、を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0008】ここで、前記視機能検査装置は、前記眼位
量演算手段によって求められた前記眼位量を少なくとも
出力する出力手段を備えていることが好ましい。この出
力手段は、表示装置、印刷装置、音声発生装置のいずれ
であってもよい。
【0009】また、前記視機能検査装置は、前記左右の
鏡体の相対的位置関係を変えて、該左右の鏡体の眼幅距
離を変える鏡体移動機構を備えていることが好ましい。
この場合、前記提示距離の変化に応じて、被検者に合っ
た前記眼幅距離を求め、前記鏡体移動機構に対して、左
右の鏡体の眼幅距離が求めた該眼幅距離になるよう指示
する眼幅距離指示手段を備えていることが好ましい。
【0010】また、前記外景像光学系は、前記外景像光
路中の前記視標像の領域における前記外景像を遮光する
遮光手段を備えていることが好ましい。この場合、前記
遮光手段は、前記外景像光路の前記外景像の全ても遮光
できるものであることが好ましい。
【0011】また、前記左右の鏡体は、それぞれ、被検
眼を観察する観察手段を有していることが望ましい。さ
らに、前記左右の鏡体は、それぞれ、眼屈折力異常を矯
正する矯正手段、または該矯正手段を装着する装着手段
を有していることが望ましい。
【0012】また、前記視機能検査装置は、被検者の頭
部に装着するための頭部装着部を備え、いわゆるヘッド
マウント型のものであってもよい。
【0013】前記視機能検査装置がこのようなヘッドマ
ウント型である場合、前記被検者の頭部の位置及び向き
を検出する頭部位置検出手段を備え、前記視標表示制御
手段は、前記頭部位置検出手段による検出結果に応じ
て、前記視標表示手段で表示される視標の表示状態を変
えるものであってもよい。この場合、前記頭部位置検出
手段は、前記被検者が空間内の特定の位置から特定の方
向を向いているかを検出するものであり、前記視標表示
制御手段は、前記頭部位置検出手段により、前記被検者
が空間内の特定の位置から特定の方向を向いていると検
出されると、前記視標表示手段に前記視標を表示させる
ものであってもよい。また、前記頭部位置検出手段は、
前記被検者の頭部の位置変化量、および該被検者の頭部
の向き変化量を検出するものであり、前記視標表示制御
手段は、前記被検者の頭部の位置および頭部の向きが変
わったとしても、前記外景像に対する前記視標像の相対
位置が変わらぬよう、前記位置変化量および前記向き変
化量に基づいて、前記外景像光路中における前記視標像
の位置を制御するものであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る視機能検査装
置の各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0015】まず、本発明に係る第1の実施形態として
の視機能検査装置について、図1〜図6を用いて説明す
る。
【0016】この実施形態における視機能検査装置は、
図3に示すように、ヘッドマウント型で、被検者5の頭
部に装着される装置本体10と、検者からの指示を赤外
線等の無線で装置本体10に伝える操作盤40とを備え
ている。装置本体10には、被検者5の耳に掛けるため
の耳掛け部19が形成されている。この実施形態の装置
本体10は、図1に示すように、左眼用鏡体11Lと、
右眼用鏡体11Rと、左右鏡体11L,11Rの連結体
12とを備えている。
【0017】左右鏡体11L,11Rは、それぞれ、視
標等を表示する液晶パネル30と、この液晶パネル30
の表示を制御する表示制御回路31と、液晶パネル30
と向い合う位置に配置されている凸レンズ21と、凸レ
ンズ21に対する遠近方向に液晶パネル30を移動させ
るパネル移動機構32と、凸レンズ21を中心として液
晶パネル30と反対側に配置されている第1のハーフミ
ラー22及び第2のハーフミラー23と、第2のハーフ
ミラー23を中心として被検眼6と反対側に配置されて
いる液晶シャッタ26と、この液晶シャッタ26の動作
を制御するシャッタ駆動回路33と、被検眼6を観察す
るための観察光学素子38及び観察用撮像素子39と、
各種検眼レンズ29が取り付けられる検眼レンズ取付部
28と、を備えている。
【0018】検眼レンズ取付部28に取り付けられた検
眼レンズ29と、第2のハーフミラー23と、液晶シャ
ッタ26とは、被検眼6側からこの順序で同一直線上に
配置されている。液晶シャッタ26と第2のハーフミラ
ー23とは、外景像光学系25を構成し、外景像2を被
検眼6に導く外景像光路を形成する。凸レンズ21の光
軸上には、液晶パネル30、第1のハーフミラー22、
第2のハーフミラー23が配置されている。凸レンズ2
1と第1のハーフミラー22と第2のハーフミラー23
とは、視標像光学系20を構成し、液晶パネル30から
の視標像1を被検眼6に導く視標像光路を形成してい
る。したがって、第2のハーフミラー23は、外景像光
学系25と視標像光学系20との共有光学素子を成して
いる。第1のハーフミラー22を基点として、凸レンズ
21の光軸に対して垂直な方向には、観察光学素子38
及び観察用撮像素子39が設けられている。
【0019】以上の構成により、液晶パネル30からの
視標像1は、凸レンズ21、第1のハーフミラー22を
通過し、第2のハーフミラー23で反射されて、被検眼
6に至る。但し、検眼レンズ取付部28に検眼レンズ2
9が取り付けられている際には、第2のハーフミラー2
3を通過した視標像1は、検眼レンズ28を通過した後
に被検眼6に至る。外景像2は、液晶シャッタ26の非
遮光領域、第2のハーフミラー23を通って、さらに、
検眼レンズ29が装着されている場合には検眼レンズ2
9を通って、被検眼6に至る。
【0020】液晶パネル30は、前述したように、収束
光学素子の一種である凸レンズ21の光軸上に配置され
ている。また、液晶パネル30は、パネル移動機構32
により、凸レンズ21の焦点の位置から凸レンズ21に
近づく方向に移動させられる。したがって、液晶パネル
30からの視標像は、液晶パネル30が凸レンズ21の
焦点に位置している際には、この凸レンズ21により平
行光と成って被検眼6に至り、被検者5には、無限遠の
距離に位置している視標像1として映る。また、液晶パ
ネル30を凸レンズ21に近づけると、液晶パネル30
からの視標像1は、この凸レンズ21により拡大されて
から被検眼6に至り、被検者には、ある有限距離に位置
している視標像として映る。すなわち、この実施形態で
は、被検者5に対して、視標を無限遠から任意の有限遠
の距離に位置している視標像1として見せることができ
る。
【0021】連結体12は、左右鏡体11L,11Rの
それぞれの外景像光路が平行になるよう、左右鏡体11
L,11Rを連結するものである。この連結体12は、
左右鏡体11L,11Rを相対的に外景像光路に対して
平行な方向と垂直な方向に移動させる左右鏡体移動機構
14と、この左右鏡体移動機構14、左右鏡体11L,
11Rの表示制御回路31,31、左右鏡体11L,1
1Rのパネル移動機構32,32、左右鏡体11L,1
1Rのシャッタ駆動回路33,33をそれぞれ制御する
主制御回路13と、被検者5の頭部の位置変化量及び向
き変化量を検出して主制御回路13にこれらの値を送る
三次元位置センサ16と、操作盤40からの無線信号を
受信して主制御回路13に送ると共に主制御回路13か
らの信号を操作盤40に送る操作信号受送信器15とを
有している。
【0022】操作盤40は、図2に示すように、視標切
換キー群41と、その他の操作キー群51と、液晶パネ
ル60と、装置本体10との受送信器との間で無線信号
の受送信を行うための受送信器69と、を有している。
【0023】視標切換キー群41は、通常の視力値を検
査するための視力値視標キー41a〜41c、乱視を検
査するための乱視視標キー42a〜42b、眼位等を検
査するための眼位検査視標キー42a〜42f、立体像
の見え具合を検査するための立体視標キー43a,43
b、時刻表や新聞等の多数の極小文字や極小数字で構成
される文字列の像を示す文字列指標キー44a,44b
がある。これらのキーに対応した視標は、装置本体10
の表示制御回路31中のメモリ内に予め記憶されてい
る。
【0024】その他の操作キー群51としては、左右鏡
体11L,11Rのうち操作する側の鏡筒、言い換える
と被検者5の左右眼6R,6Lのうち検査する側の眼を
指示する眼選択キー51a〜51c、液晶シャッタ26
による遮光状態を指示する遮光状態選択キー52a〜5
2c、被検者5の頭部の位置や向きの変化量の検出を指
示する検出選択キー53、左右鏡体11L,11Rの間
隔、言い換えると眼幅を変えるPD調節キー54a,5
4b、被検者5が見る映像を後述する初期状態に戻すリ
セットキー55、視標虚像の提示距離を調節する視標距
離切換キー56a,56b、視標像を上下左右に移動さ
せる視標移動キー57a〜57dがある。
【0025】視標切換キー群41を構成する複数のキー
と眼選択キー51a〜51cと遮光状態選択キー52a
〜52cの側には、LED等のランプ49が設けられて
おり、これらのキーが押されると、点灯して、いずれの
キーが現在押されているのか検者に分かるようになって
いる。
【0026】操作盤40の液晶パネル60には、左右の
鏡体11L,11Rの光路に対する左右の被検眼の位
置、左右両眼のPD値や、水平方向及び垂直方向の眼位
量、遮光状態、視標像の提示距離等が表示される。な
お、左右の鏡体11L,11Rの光路に対する左右の被
検眼の位置は、左右の鏡体11L,11Rの光軸と共
に、観察用撮像素子39、39で撮影された左右の被検
眼6L,6Rが光軸を基準位置として表示される。ま
た、水平方向の眼位量のうち、内側(被検者の鼻側)へ
の眼位量に関しては「BI」の文字の後に表示され、外
側(被検者の鼻側と反対側)への眼位量に関しては「B
O」の文字の後に表示される。さらに、垂直方向の眼位
量のうち、下側への眼位量に関しては「BD」の文字の
後に、上側の眼位量に関しては「BU」の文字の後に表
示される。
【0027】なお、この実施形態において、視標表示手
段は、装置本体10の液晶パネル30を有して構成さ
れ、収束光学素子は凸レンズ21で構成され、反射光学
素子は第2のハーフミラー23で構成され、視標移動手
段はパネル移動機構32を有して構成されている。ま
た、頭部位置検出手段は三次元位置センサ16で構成さ
れ、視標像制御手段は主制御回路13と表示制御回路3
1とを有して構成され、眼位量演算手段及び眼幅距離指
示手段は主制御回路13を有して構成され、出力手段は
操作盤40の液晶パネル60を有して構成され、遮光手
段は液晶シャッタ26を有して構成されている。
【0028】次に、この実施形態における視機能検査装
置の使用態様及び作用について説明する。まず、図3に
示すように、装置本体10の耳掛け部19を被検者5の
耳に掛けさせ、装置本体10を被検者5の頭部に装着さ
せる。
【0029】そして、検者が、例えば、操作盤40上の
両眼選択キー51aを押した後、視力値視標キー41b
を押し、続いて部分遮光キー52bを押したとする。す
ると、左右鏡体11L,11Rの液晶パネル30,30
には、押した視力値視標キー41bに対応した視力値視
標が表示される。この視力値視標像1は、前述したよう
に、凸レンズ21と第1のハーフミラー22とを通過
し、第2のハーフミラー23で反射されて、被検眼6に
至る。このとき、液晶パネル30は、凸レンズ21の焦
点に位置しているので、被検者は、無限遠の距離に位置
している視力値視標像1を見ることになる。また、視力
値視標は、液晶パネル30の中央に表示されるので、被
検者5は、図4(a)に示すように、視野の中央に視力
値視標を見ることになる。外景像2は、液晶シャッタ2
6と第2のハーフミラー23とを通過して、被検眼6に
至る。液晶シャッタ26は、部分遮光キー52bが押さ
れたことで、視力値視標像1の領域に相当する領域のみ
遮光され、この領域内の外景像は被検眼6に至らない。
このため、視力値視標像中に外景像2が重ならず、被検
者5は、視力値視標像を明確に見ることができる。ま
た、被検者5は、図4(a)に示すように、この明確な
視力値視標像1の周りに、液晶シャッタ26の非遮光領
域及び第2のハーフミラー23を通った外景像2も見
る。
【0030】この状態で、検者は、観察用撮像素子3
9,39で撮られた被検眼6L,6Rを操作盤40の液
晶パネル60で見て、左右鏡体11L,11R内の光軸
の中央に、左右の瞳がそれぞれ位置するように、操作盤
40上のPD調節キー54a,54bを押して、左右鏡
体移動機構14を駆動させ、左右鏡体11L,11Rの
間隔、つまり眼幅を調節する。
【0031】この状態で、リセットキー55を長めに押
すと、この状態が初期状態として主制御回路13のメモ
リ内に記憶される。また、いくつかの検査をしてから、
このリセットキー55を短めに押すと、初期状態に戻
る。つまり、当初、リセットキー55を長めに押した際
の視力値視標像等の視表像が、視野の中央にその際の視
標提示の距離で映し出され、しかも、眼幅もその際の眼
幅になる。
【0032】また、以上の初期状態において、視標距離
切換キー56a,56bを押すと、パネル移動機構32
が駆動して、液晶パネル30が凸レンズ21に対して遠
近方向に移動し、被検者5は、無限遠から任意の有限位
置の視力値視標像等の視標像1を見ることができる。こ
の時、視標の提示距離は、等間隔で変わるのではなく、
例えば、∞→10m→9m→・・・・→1m→90cm
→80cm→・・・・→50cm→45cm→40cm
→・・・というように、検査に必要される距離間隔で切
り換わって行く。但し、この視標距離の設定位置は、断
続的であるが、液晶パネル30の移動は連続的に行われ
るので、被検者5は、視標の提示距離が突然変わったよ
うに見えることはない。
【0033】被検者5にとって、視標虚像1が比較的遠
方に見えている状態から近づいてくると、視標虚像1が
次第に大きく見えるようになる。このため、検者が操作
盤40を用いて視標虚像の遠近操作を行うと、この信号
が主制御回路13を介してパネル移動機構32に送られ
ると共に、主制御回路13を介して液晶シャッタ駆動回
路33にも送られ、視標虚像1の大きさに合わせて、液
晶シャッタ26の遮光領域が大きくなったり小さくなっ
たりする。また、視標像1の提示距離が変わると、被検
眼6が輻輳(内斜)し、眼幅も変わるので、検者が操作
盤40を用いて視力値視標虚像の遠近操作を行うと、主
制御回路13で、視力値視標虚像の提示距離に応じた眼
幅が演算され、この値に基づいて左右鏡体移動機構14
が駆動し、眼幅が自動調節される。
【0034】ここで、眼幅自動調節について、図5を用
いて簡単に説明する。仮に、図5(a)に示すように、
無限遠の視標を見ているときの左右の眼幅をそれぞれP
DL,PDRとし、眼6L,6Rの旋回中心から各鏡体
11L,11Rの基準位置迄の距離をAとする。無限遠
の視標を見せたから、有限距離の視標を見せると、前述
したように、被検眼6が輻輳するので、左右の鏡体11
L,11RをそれぞれdL,dRだけ内側に寄せる必要
が生じる。この時の左右鏡体11L,11Rの移動距離
PDL,PDRは、次式で求められる。
【0035】dL=A・X/PDL dR=A・X/PDR そこで、主制御回路13は、操作盤40の操作で設定さ
れた視標像の距離Xと以上の式とを用いて、左右鏡体1
1L,11Rの移動距離PDL,PDRを求め、この値
だけ左右鏡体11L,11Rが移動するよう左右鏡体移
動機構14に指示を与える。
【0036】また、検出選択キー53を押すと、その時
からの被検者5の頭部の位置変化量及び頭部の向き変化
量が三次元位置センサ16で検出される。なお、この三
次元位置センサ16は、ジャイロ等である。三次元位置
センサ16で検出された変化量は、主制御回路13を介
して表示制御回路31及びシャッタ駆動回路33に送ら
れ、表示制御回路31により、液晶パネル30内の視標
の表示位置が変化させられると共に、シャッタ駆動回路
33により、視標像の位置変化に伴う液晶シャッタ26
内の遮光領域も変化させられる。具体的には、例えば、
被検者5の頭部の初期位置及び初期向きにおいて、図4
(a)に示すように、被検者5は、視標像と共に、この
周りに外景像を見たとする。すなわち、被検者5は、視
野の中央に視標像1を見て、その周りに外景像2とし
て、検査室内の壁、右側に時計及び机を見たとする。そ
して、被検者5が、例えば、初期の頭部向きから右側に
僅かに向きを変え、視野を右側にズラしたとする。この
場合、被検者5は、図4(c)に示すように、視野の右
側に見えていた時計及び机が視野の中央に見えるように
なる。また、液晶パネル30内の視標の表示位置を変え
なければ、装置本体10が被検者5の頭部に装着され、
頭部の向き変化と一体的に視標像の位置も変わるので、
視野の中央に視標像が見えることになる。これに対し
て、この実施形態では、被検者5が、初期の頭部の向き
から右側に僅かに向きを変え、視野を右側にズラしたと
すると、図4(b)に示すように、外景像2は同図
(c)と同じであるものの、液晶パネル30内の視標の
表示位置が変化して、視野内において視標像1が左側へ
移動し、外景像2との相対位置が変化しない。すなわ
ち、図3に示すように、被検者5の頭部の位置や向きが
変化しても、検査室内の壁に視標があたかも固定されて
いるように見える。なお、このとき、視野内における視
標像1の移動に伴って、液晶シャッタ26の遮光領域も
移動する。また、被検者5が、例えば、検者を見るため
に、さらに右側を向いたとすると、被検者5の視野から
視標像は消える。また、初期状態において、視標が見え
ていた方向の検査室内壁に対して、被検者5が遠ざかっ
たとすると、その分だけ視標像1の提示距離が遠くに変
化する。すなわち、この実施形態では、被検者5の初期
の頭部位置及び頭部向きの変化による視野の変化を打ち
消す方向に、視標像を移動させて、外景像と視標像との
相対位置を変化させないようにしている。
【0037】一般的に、被検者5は、検査中、視標像1
を視野の中央に捕らえようとするので、例えば、前述し
た図4(a)の視界状態から、被検者5が頭部の向きを
変えて図4(b)の視界状態に変化すると、被検者5
は、再び、図4(a)のように視標像が視野の中央に来
るように、頭部の向きを変える。このため、視標が一定
の背景内にあたかも固定されているように見えるので、
安定した検査を行うことができると共に、被検者5に安
心感を与えることができる。特に、図4(c)に示すよ
うに、視野の中央近傍に机等の厚みのあるものが存在す
ると、被検者5が虚像の意図した提示距離を誤って認識
してしまい、検査精度に悪影響を及ぼすことが予想され
るので、初期状態での視野の中央近傍での外景像が図4
(a)に示すように壁にしておくと、この壁に視標が常
に固定されて見えることにより、以上のような悪影響を
回避することができる。
【0038】なお、以上と同様の構成をとれば、被検者
5が水平方向を向いていれば遠方用視標のみが選択さ
れ、被検者5が下方向を向いていれば、新聞や小説等の
近方用視標のみが選択されるようにすることも可能であ
る。
【0039】眼位検査を行う場合には、検者が操作盤4
0の眼位検査視標キー43a,43b及び眼選択キー5
1b,51cを押して、図6(a)に示すような左右で
異なる視標像1R,1Lを被検者5に見せる。正視の被
検者5がこれらの視標を両眼でそれぞれ見ると、図6
(b)に示すように、両視標1R,1Lが中央で交差し
ているように見える。一方、斜位のある被検者5がこれ
らの視標1R,1Lを両眼でそれぞれ見ると、図6
(c)に示すように、両視標1R,1Lが中央で交差し
ているようには見えない。そこで、検者は、被検者5に
対して視標がどのように見えるか尋ね、もし、両視標1
L,1Rが中央で交差しているように見えなければ、操
作盤40の視標移動キー57a〜57d及び眼選択キー
52b,52cを押して、液晶パネル内における眼位視
標の表示位置を変えて、眼位視標像を上下左右に動かし
て、図6(b)に示すように、両視標1R,1Lが中央
で交差して見える位置を探す。そして、両視標1R,1
Lが中央で交差して見えるまでの両視標1R,1Lの移
動量、言い換えるとズレ量Zを、この時の提示距離Yで
割って、眼位量(=Z/Y)を算出する。この眼位量の
演算は、主制御回路13で行われ、その結果が、装置本
体10の信号受送信器15から操作盤40に送られて、
操作盤40の液晶パネル60に表示される。さらに、そ
の時の提示距離Yも、操作盤40の液晶パネル60に同
時に表示される。また、この実施形態では、ズレ量Zは
表示されないが、これも同時に表示するようにしてもよ
い。
【0040】なお、眼位量の単位としては、一般的に、
プリズムディオプトリーと呼ばれる単位が用いられてお
り、1プリズムディオプトリーとは、提示距離1mの視
標が1cmズレていることをいう。
【0041】この眼位検査の際には、検者は、観察ビデ
オカメラ39,39で撮られた被検眼6L,6Rを操作
盤40の液晶パネル60で見て、被検者が眼をすぼめて
いないか等を観察しておくことが重要である。また、こ
の眼位検査の際には、片眼を断続遮蔽しながら検査を行
うことが好ましい。断続遮蔽する眼を眼選択キー51
b,51cで選択の上、断続遮光キー52cを押すと、
選択した眼側の液晶シャッタ26が断続的に全遮光と部
分遮光とを繰り返すと共に、同周期で液晶パネル30が
断続的に視標の消灯と点灯とを繰り返す。この結果、被
検者5には、両眼で眼位視標像とその周りに外景像とが
見えている状態と、片眼だけでこれらを見ている状態と
が繰り返される。このため、眼位検査を行う際の運動性
融像、つまり、同一の視標をしばらく見ていると、両視
標が中央で交差して見えるように自然に調節してしまう
機能、を除去することができる。
【0042】また、操作盤40の液晶パネル60での被
検眼の表示機能、及び光路の遮光機能を利用することに
より、カバーテストと呼ばれる眼位検査も簡単に行うこ
とができる。
【0043】また、操作盤40の全遮光キー52aを操
作すると、液晶シャッタ26は全遮光状態になり、被検
者5には、外景像が至らなくなり、視標虚像のみが見る
ことになる。
【0044】以上のように、この実施形態では、液晶パ
ネル30に表示された視標を収束光学素子の一種である
凸レンズ21で拡大して、任意の距離に存在しているよ
うに、視標虚像として被検者に提供しているので、眼位
検査で必要とされる視標と被検眼との距離を装置内部に
確保する必要がない。また、従来技術のように、鏡体を
覗き込んだ状態で、視標像と共にこの周りに真っ暗な背
景を見ることはなく、被検者5には、視標像1の周りに
外景像2が見えるので、被検者5が機械近視の影響を受
けることはほとんどない。このため、第2のハーフミラ
ー23と被検眼6との間隔を数cm程度までを近づけるこ
とができる。さらに、第2のハーフミラー23と被検眼
6との間隔を数cm程度までを近づけることができること
から、各ハーフミラー23,22、凸レンズ21、液晶
パネル30等を小さくすることができると共に、全体の
光路長も短くでき、装置全体の小型化を図ることもでき
る。
【0045】さらに、前述したように、視標像の周りに
外景像が見えるので、従来技術のように、筐体の窓から
真っ暗な筐体内部を覗き込み、そこに見映し出されてい
る視標を見る、つまり、暗い背景の中の視標を見ること
による眼の調節作用が働くことがなく、正確な検査を行
うことができる。さらに、前述したように、断続遮光キ
ー52cを押した状態で眼位検査を行うと、その際の運
動性融像を除去することができ、より正確な検査を行う
ことができる。
【0046】また、この実施形態では、左右の眼用にそ
れぞれ光学系を有し、しかもそれぞれに液晶パネル30
があるので、以上のように、左右の眼に異なる視標を見
せることができ、眼位検査の他に、立体視検査等も行う
ことができる。
【0047】また、この実施形態では、視標表示手段と
して液晶パネル30を用いたので、例えば、ボールが近
づいてくるような動画を見せることもできる。なお、こ
の実施形態では、液晶パネル30を用いたが、動画を見
せないのであれば、複数の視標フィルムが設けられてい
るターレット板等を用いて各種視標を見せるようにする
ことも可能である。但し、この場合、液晶パネル30の
ように、パネル内で視標の表示位置を変えることができ
ないので、ターレット板を上下左右に移動させる機構が
必要になる。
【0048】また、この実施形態の装置本体10には、
検眼レンズ取付部28が設けられているので、眼鏡の装
用試験も行うことができる。この装用試験では、操作盤
40の文字列視標キー44a,44bを押して、被検者
5に新聞等を見せることができる。この際、外景像を全
遮光して、被検者5の視野いっぱいに新聞等の視標像を
見せることが好ましい。
【0049】次に、本発明に係る第2の実施形態として
の視機能検査装置について、図7を用いて説明する。
【0050】この実施形態における視機能検査装置も、
第1の実施形態と同様に、ヘッドマウント型で、被検者
5の頭部に装着される装置本体10aと、検者からの指
示を無線で装置本体10に伝える操作盤40とを備えて
いる。この実施形態の装置本体10aも、また、第1の
実施形態と同様に、液晶パネル30と表示制御回路31
とパネル移動機構32とハーフミラー23aと液晶シャ
ッタ26とシャッタ駆動回路33と主制御回路13と操
作信号受送信器15と三次元位置センサ16と検眼レン
ズ取付部28と、を備えている。さらに、この実施形態
の装置本体10aは、第1の実施形態における凸レンズ
21の換わりに、同じ収束光学素子の一種である凹面ハ
ーフミラー21aも備えている。
【0051】なお、この実施形態においても、第1の実
施形態と同様に、左右鏡体と左右鏡体移動機構とを有
し、左右鏡体にはそれぞれ各種光学系等が設けられてい
るが、図7では一方の鏡体のみを装置本体として示し、
他方の鏡体及び左右鏡体移動機構を省略して描いてい
る。また、以下に述べる第3及び第4の実施形態におい
ても、左右鏡体と左右鏡体移動機構とを有しいるが、該
当図面においては、一つの鏡体及び左右鏡体移動機構を
省略して描いている。
【0052】凹面ハーフミラー21aの光軸上には、検
眼レンズ取付部28、ハーフミラー23a、液晶シャッ
タ26が配置されている。これらは、被検眼6側から、
検眼レンズ取付部28、ハーフミラー23a、凹面ハー
フミラー21a、液晶シャッタ26の順で、配置され
て、外景像光学系25aを構成し、外景像光路を形成し
ている。液晶パネル30は、凹面ハーフミラー21aの
光軸に対して垂直な方向で、液晶パネル30からの視標
像がハーフミラー23aで反射されて被検眼6に導ける
位置に配置されている。視標像光学系20aは、ハーフ
ミラー23aと凹面ハーブミラー21aとで構成されて
いる。したがって、視標像光学系20aは、外景像光学
系25aの一部を構成している。
【0053】以上のように、この実施形態は、第1の実
施形態に対して光学系が異なる以外、基本構成は第1の
実施形態と同じである。
【0054】以上の構成により、液晶パネル30からの
視標像は、ハーフミラー23aで反射され、凹面ハーフ
ミラー21aに向い、そこで反射されて、再びハーフミ
ラー23aに至り、これを通過して、被検眼6に至る。
但し、検眼レンズ取付部28に検眼レンズ29が取り付
けられている際には、ハーフミラー23aを通過した視
標像は、検眼レンズ29を通過した後に被検眼6に至
る。外景像は、液晶シャッタ26の非遮光領、凹面ハー
フミラー21a、ハーフミラー23aを通って、さら
に、検眼レンズ29が装着されている場合には検眼レン
ズ29を通って、被検眼6に至る。この実施形態におい
ても、液晶シャッタ26の領域のうち、視標像の領域に
相当する領域のみ遮光され、この領域内の外景像は被検
眼6に至らないので、被検者5は、明確な視標像の周り
に、外景像が見る。
【0055】したがって、この実施形態においても、第
1の実施形態と同様に、被検者に視標像を見せているの
で、液晶パネル30と被検眼6との間隔を短くすること
ができると共に、機械近視の影響を受けることがないの
で、ハーフミラー23aと被検眼6との間隔を近づける
ことができる。このため、装置内の全光路長を短くする
ことができると共に、ハーフミラー23a、凹面ハーフ
ミラー21a、液晶パネル30等を小さくすることがで
き、装置全体の小型化を図ることもできる。
【0056】また、前述したように、この実施形態にお
ける光学系以外の基本構成は、第1の実施形態と同じな
ので、この実施形態においても、正確な眼位検査を行う
ことができる、被検者5の頭部が移動しても視標が壁等
にあたかも固定されているように見える、視標として動
画を提示できる、装用試験を行うことができる等、の効
果を得ることができる。
【0057】次に、本発明に係る第3の実施形態として
の視機能検査装置について、図8を用いて説明する。
【0058】この実施形態における視機能検査装置も、
以上の実施形態と同様に、ヘッドマウント型で、被検者
5の頭部に装着される装置本体10bと、検者からの指
示を無線で装置本体10bに伝える操作盤40とを備え
ている。この実施形態における視機能検査装置は、さら
に、検査室内の壁等に固定されて位置信号を出力する位
置信号発信器18も備えている。装置本体10bは、第
1の実施形態と同様に、液晶パネル30と表示制御回路
31とパネル移動機構32とハーフミラー23bと液晶
シャッタ26とシャッタ駆動回路33と操作信号受送信
器15とを備えている。また、この実施形態の装置本体
10bは、位置信号発信器18からの位置信号を受信す
る位置信号受信器17と、第1の実施形態における凸レ
ンズ21の換わりに、同じ収束光学素子の一種である凹
面鏡21bと、を備えている。
【0059】凹面鏡21bの光軸上には、凹面鏡側から
順に、ハーフミラー23b、液晶パネル30が配置され
ている。凹面鏡21bの光軸に対して垂直な方向で、ハ
ーフミラー23bを中心として被検眼6と反対側には、
液晶シャッタ26が配置されている。この実施形態にお
いて、外景像光学系25bは、液晶シャッタ26とハー
フミラー23bとを有して構成され、外景像光路を形成
している。また、視標像光学系20bは、ハーフミラー
23bと凹面鏡21bとを有して構成され、視標像光路
を形成している。
【0060】以上の構成により、液晶パネル30からの
視標像は、ハーフミラー23bを通って、凹面鏡21b
で反射され、再びハーフミラー23bに至り、そこで、
被検眼6の方向に向けられる。外景像は、液晶シャッタ
26の非遮光領域及びハーフミラー23bを通って被検
眼6に至る。この実施形態においても、液晶シャッタ2
6の領域のうち、視標像の領域に相当する領域のみ遮光
され、この領域内の外景像は被検眼6に至らないので、
被検者5は、明確な視標像の周りに、外景像が見る。
【0061】したがって、この実施形態においても、第
1の実施形態と同様に、被検者に視標虚像を見せている
ので、液晶パネル30と被検眼6との間隔を短くするこ
とができると共に、機械近視の影響を受けることがない
ので、ハーフミラー23bと被検眼6との間隔を近づけ
ることができる。このため、装置内の全光路長を短くす
ることができると共に、ハーフミラー23b、凹面鏡2
1b、液晶パネル30等を小さくすることができ、装置
全体の小型化を図ることもできる。
【0062】また、この実施形態では、検査室内の壁等
に固定されている位置信号発信器18からの位置信号を
位置信号受信器が受信したときに、液晶パネル30に視
標が表示され、この視標像が被検眼6に至ると共に、液
晶シャッタ26の領域のうち視標像の領域に相当する領
域のみ遮光され、被検者5は、視標像の周りに外景像を
見ることになる。また、検査室内の壁等に固定されてい
る位置信号発信器18からの位置信号を位置信号受信器
が受信できないときは、液晶パネル30が消灯されると
共に、液晶シャッタ26が全開放状態になり、被検者5
は、外景像のみを見ることになる。すなわち、この実施
形態では、位置信号発信器18が取り付けられている壁
等の方向を被検者5が見ているときに、被検者5は、視
標像と共にこの周り外景像が見え、被検者5が検者に呼
ばれるなどして頭の向きを変えると、被検者5は、外景
像のみが見える。このため、被検者5は特定の外景像の
ときのみ視標像を見ることになるので、以上の実施形態
と同様に、安定した検査を行うことができると共に、被
検者5は装置本体10を頭部に装着した状態であって
も、検査していないときには外景像のみが見えるため、
検者の方向を向いて話すときなど、検者を見ながら話す
ことができ、被検者5に安心感を与えることができる上
に行動の自由度も高めることができる。
【0063】なお、この実施形態において、頭部位置検
出手段は、位置検出信号発信器18と位置検出信号受信
器17とを有して構成されている。
【0064】次に、本発明に係る第4の実施形態として
の視機能検査装置について、図9を用いて説明する。
【0065】この実施形態における視機能検査装置は、
以上の実施形態とは異なり、机上等への設置型であり、
机上等の上に設置される装置本体10cと、操作盤40
cとを備えている。
【0066】装置本体10cは、第1の実施形態と同様
に、液晶パネル30と表示制御回路31とパネル移動機
構32と液晶シャッタ26とシャッタ駆動回路33と主
制御回路13とを備えている。また、この実施形態で
は、液晶パネル30と向い合う位置に配置されている凹
面鏡(収束光学素子)21cと、凹面鏡21cと液晶パ
ネル30との間に配置されている第1のハーフミラー2
2cと、外景像を取り込んで被検者5の被検眼6に向わ
せると共に第1のハーフミラー22からの視標像を被検
眼6に向わせる第2のハーフミラー23cと、被検者5
の頭部の位置を固定するための額当て19b及び顎当て
19aと、を備えている。
【0067】この実施形態において、外景像光学系25
cは、液晶シャッタ26と第2のハーフミラー23cと
を有して構成され、外景像光路を形成している。また、
視標像光学系20は、第1のハーフミラー22cと凹面
鏡21cと第2のハーフミラー23cとを有して構成さ
れ、視標像光路を形成している。
【0068】以上の構成により、液晶パネル30から視
標像は、第1のハーフミラー22cを透過し、凹面鏡2
1cで反射され、再び、第1のハーフミラー22cに至
り、そこで、反射して第2のハーフミラー23cに向
い、この第2のハーフミラー23cで被検眼6の方向に
向けられる。また、外景像は、液晶シャッタ26の非遮
光領域及び第2のハーフミラー23cを経て、被検眼6
に至る。この実施形態においても、液晶シャッタ26の
領域のうち、視標像の領域に相当する領域のみ遮光さ
れ、この領域内の外景像は被検眼6に至らないので、被
検者5は、明確な視標像の周りに、外景像が見る。
【0069】したがって、この実施形態においても、第
1の実施形態と同様に、被検者に視標虚像を見せている
ので、液晶パネル30と被検眼6との間隔を短くするこ
とができると共に、機械近視の影響を受けることがない
ので、第2のハーフミラー23cと被検眼6との間隔を
近づけることができる。このため、装置内の全光路長を
短くすることができると共に、各ハーフミラー22c,
23c、凹面鏡21c、液晶パネル30等を小さくする
ことができ、装置全体の小型化を図ることもできる。
【0070】なお、この実施形態では、被検者5の額及
び顎が、装置本体10の額当て19b及び顎当て19a
に当てられた状態で検査することことになり、検査中、
被検者5の頭部が移動しないので頭部位置検出手段を有
していない。
【0071】また、この実施形態では、装置本体10c
が机上等に置かれるものであるため、装置本体が第1〜
第3の実施形態のように被検者5の頭部の移動に伴って
移動することがないので、装置本体10cの移動性を考
慮する必要があまりなく、装置本体10cと操作盤40
cとは信号線で接続されている。
【0072】また、第1〜第3の実施形態は、いずれ
も、ヘッドマウント型であるが、この実施形態のよう
に、机上等への設置型にしてもよい。この場合、前述し
たように、頭部位置検出手段は、不要になる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、被検者に視標虚像を見
せているので、視標表示手段と被検眼との間隔を短くす
ることができると共に、機械近視の影響を受けることが
ないので、装置の光学系と被検眼との間隔を近づけるこ
とができる。このため、装置内の全光路長を短くするこ
とができると共に、装置内の各種光学系や視標表示手段
を小さくすることができ、装置全体の小型化を図ること
もできる。
【0074】また、被検者は、視標像の周りに外景像が
見ることになるので、機械近視の影響を受けない等、被
検眼の各種調整力を働かせないで検査することができる
ので、正確な検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である視機能検査装置
の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である視機能検査装置
の操作盤の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態である視機能検査装置
の装着状態を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態である視機能検査装置
を用いての検査中における外景像と視標像との相対位置
関係を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における眼幅調節を説
明するための説明図である。
【図6】眼位検査手法を説明するための説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態である視機能検査装置
の構成を示す説明図である。
【図8】本発明の第3の実施形態である視機能検査装置
の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の第の実施形態である視機能検査装置の
構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1…視標像、2…外景像、5…被検者、6…被検眼、1
0,10a,10b,10c…装置本体、11L…左鏡
体、11R…右鏡体、12…連結体、13…主制御回
路、14…左右鏡体移動機構、15…操作信号受送信
器、16…三次元位置センサ、17…位置信号受信器、
18…位置信号発信器、19a…顎当て、19b…額当
て、20,20a,20b,20c…視標像光学系、2
1…凸レンズ、21a…凹面ハーフミラー、21b,2
1c…凹面鏡、22,22c…第1のハーフミラー、2
3,23c…第2のハーフミラー、23a,23b…ハ
ーフミラー、25,25a,25b,25c…外景像光
学系、26…液晶シャッタ、28…検眼レンズ取付部、
29…検眼レンズ、30…液晶パネル、31…表示制御
回路、32…パネル移動機構、33…シャッタ駆動回
路、40,40c…操作盤。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検者に視標を見せて、該被検者の眼位を
    少なくとも検査する視機能検査装置において、 左右の鏡体を備え、該左右の鏡体は、それぞれ、 前記視標を表示する視標表示手段と、 外景像を被検眼に導く外景像光路を形成する外景像光学
    系と、 前記視標表示手段からの視標像が入射する収束光学素子
    と、前記外景像光路中に位置し、該収束光学素子からの
    視表像を該外景像光路を介して被検眼に導く反射光学素
    子とを含み、該被検眼に外景像と共に視標像を見せる視
    標像光学系と、 前記収束光学素子の光軸方向に関して、該収束光学素子
    の焦点位置を含めて、前記視標表示手段を移動させて、
    該視標表示手段により表示される視標像の提示距離を変
    える視標移動手段と、 を有し、 さらに、前記視標表示手段に対して、表示面内における
    視標の表示位置及び表示する視標の種類を変えさせる視
    標表示制御手段と、 被検者の両眼による各視標像の見え具合が、前記視標表
    示制御手段による前記視標表示手段の表示面内の視標表
    示位置の移動で、正視の人の両眼による各視標像の見え
    具合と同じになるまでの左右の視標像のズレ量と、前記
    視標提示距離とから眼位量を求める眼位量演算手段と、 を備えていることを特徴とする視機能検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の視機能検査装置におい
    て、 前記眼位量演算手段によって求められた前記眼位量を少
    なくとも出力する出力手段を備えていることを特徴とす
    る視機能検査装置。
  3. 【請求項3】請求項1及び2のいずれか一項に記載の視
    機能検査装置において、 前記左右の鏡体の相対的位置関係を変えて、該左右の鏡
    体の眼幅距離を変える鏡体移動機構を備えていることを
    特徴とする視機能検査装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の視機能検査装置におい
    て、 前記提示距離の変化に応じて、被検者に合った前記眼幅
    距離を求め、前記鏡体移動機構に対して、左右の鏡体の
    眼幅距離が求めた該眼幅距離になるよう指示する眼幅距
    離指示手段を備えていることを特徴とする視機能検査装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の視
    機能検査装置において、 前記外景像光学系は、前記外景像光路中の前記視標像の
    領域における前記外景像を遮光する遮光手段を備えてい
    ることを特徴とする視機能検査装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の視機能検査装置において、 前記遮光手段は、前記外景像光路の前記外景像の全てを
    遮光できることを特徴とする視機能検査装置。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれか一項に記載の視
    機能検査装置において、 前記左右の鏡体は、それぞれ、被検眼を観察する観察手
    段を有していることを特徴とする視機能検査装置。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれか一項に記載の視
    機能検査装置において、 前記左右の鏡体は、それぞれ、眼屈折力異常を矯正する
    矯正手段、または該矯正手段を装着できる装着手段を有
    していることを特徴とする視機能検査装置。
  9. 【請求項9】請求項1から8のいずれか一項に記載の視
    機能検査装置において、 被検者の頭部に装着するための頭部装着部を備えている
    ことを特徴とする視機能検査装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の視機能検査装置におい
    て、 前記被検者の頭部の位置及び向きを検出する頭部位置検
    出手段を備え、 前記視標表示制御手段は、前記頭部位置検出手段による
    検出結果に応じて、前記視標表示手段で表示される視標
    の表示状態を変えることを特徴とする視機能検査装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の視機能検査装置にお
    いて、 前記頭部位置検出手段は、前記被検者が空間内の特定の
    位置から特定の方向を向いているかを検出するものであ
    り、 前記視標表示制御手段は、前記頭部位置検出手段によ
    り、前記被検者が空間内の特定の位置から特定の方向を
    向いていると検出されると、前記視標表示手段に前記視
    標を表示させることを特徴とする視機能検査装置。
  12. 【請求項12】請求項10に記載の視機能検査装置にお
    いて、 前記頭部位置検出手段は、前記被検者の頭部の位置変化
    量、および該被検者の頭部の向き変化量を検出するもの
    であり、 前記視標表示制御手段は、前記被検者の頭部の位置およ
    び頭部の向きが変わったとしても、前記外景像に対する
    前記視標像の相対位置が変わらぬよう、前記位置変化量
    および前記向き変化量に基づいて、前記外景像光路中に
    おける前記視標像の位置を制御することを特徴とする視
    機能検査装置。
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