JPH11197004A - 栗の皮剥き装置 - Google Patents

栗の皮剥き装置

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JPH11197004A
JPH11197004A JP324298A JP324298A JPH11197004A JP H11197004 A JPH11197004 A JP H11197004A JP 324298 A JP324298 A JP 324298A JP 324298 A JP324298 A JP 324298A JP H11197004 A JPH11197004 A JP H11197004A
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chestnut
cylindrical
closing
disk
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Tadashi Negishi
正 根岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の栗の鬼皮を自動的に同時に剥くことが
できる栗の皮剥き装置を提供する。 【解決手段】 回転軸Aを中心に水平な状態で回転可能
な円板体12と、円板体12に、円板体12の周方向と
クロスする方向に沿って配置され、刃先が円板体12の
上面から突出する1または2以上の刃体14と、刃体1
4が回転した際に刃先が描く円環状の回転領域の上方
に、内部に栗が収納された際には栗が下端開口部分から
脱出しない程度に下端が円板体12に接近して立設され
た複数の筒状体16と、円板体12を回転駆動する駆動
部18とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栗の皮を自動的に
剥く栗の皮剥き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】栗の鬼皮は固いため、手だけでは簡単に
剥きにくい。従って、以前から種々の栗の皮剥き装置が
考えられてきた。そして従来の栗の皮剥き装置として
は、例えば実公平2−36427号や特開平7−270
号に開示されるもののように、外形がハサミ(ニッパと
も似ている)形状に形成され、その一対の刃体の内の一
方の刃体を鋸歯状に形成し、一対の刃体間から栗が滑っ
て逃げないようにして固い栗の鬼皮部分に容易に切れ目
を入れることができる構成としている。そして切れ目が
栗に入ったら、その後は手作業で切れ目を広げ、栗の鬼
皮を剥いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の皮剥き装置は、あくまでも作業者が手作業で一個ず
つ栗の皮剥き作業を行うことを前提としており、一つの
栗の皮を剥くのに熟練者であっても時間がかかるため、
例えば栗を栗菓子や栗料理に大量に必要とするような場
合には、多くの作業者を栗の皮剥き作業にあてたり、ま
た作業者の数が少ない場合には多くの時間をかけて栗の
皮を剥く必要があり、作業効率が大変に低く、生産コス
トが高くなるという課題がある。
【0004】従って、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、複数の栗の鬼皮を自動
的に同時に剥くことができる栗の皮剥き装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1の栗の皮剥き装置は、回転軸
を中心に水平な状態で回転可能な円板体と、該円板体
に、円板体の周方向とクロスする方向に沿って配置さ
れ、刃先が円板体の上面から突出する1または2以上の
刃体と、前記刃体が回転した際に前記刃先が描く円環状
の回転領域の上方に、内部に栗が収納された際には該栗
が下端開口部分から脱出しない程度に下端が円板体に接
近して立設された複数の筒状体と、前記円板体を回転駆
動する駆動部とを具備することを特徴とする。これによ
れば、複数設けられた筒状体のそれぞれに入れられた栗
は筒状体の下端に落下した際に筒状体の下方で回転する
円板体に取り付けられた刃体と接触し、この刃体によっ
て鬼皮が剥ぎ取られるため、同時に複数の栗の皮剥きが
行える。前記複数の筒状体は具体的には、前記円板体の
前記回転軸を中心とした同一円周上に並んで配置する
と、各筒状体内に収納された栗への刃先の当たり方が略
均等になり、均一に皮が向けるようになる。
【0006】また、前記各筒状体の前記回転軸に対して
反対側の周面に設けられた開閉扉と、全ての該開閉扉を
同時に開閉する開閉機構とを設けると、皮剥きが行われ
た栗を開閉機構を用いて各筒状体に設けられた開閉扉を
開くことによって同時に筒状体内から取り出すことがで
きる。
【0007】この前記開閉機構は具体的には、前記複数
の筒状体を取り巻くように配置され、前記回転軸を中心
に所定の角度範囲内で水平に回動自在であると共に、前
記各開閉扉に対応した位置に径方向に沿った係合長溝が
形成されたリング状体と、前記各筒状体の開閉扉に突設
され、先端が開閉扉に対応する前記係合長溝内に進入す
る係合突起とを有し、前記リング状体を前記所定角度範
囲内の一方の回転端から他方の回転端に回動する際に、
前記開閉扉を閉位置から開位置に回動させる構成を採用
し得る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る栗の皮剥き装
置の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明
する。まず最初に、図1と図2を用いて栗の皮剥き装置
10の基本的な原理について説明する。基本構成は、回
転軸Aを中心に水平な状態で回転可能な円板体12と、
この円板体12に、円板体12の周方向とクロスする方
向に沿って配置され、刃先が円板体12の上面から突出
するように円板体12に対して斜めに取り付けられた1
または2以上(図1では一例として4つ)の刃体14
と、刃体14が回転した際に刃体14の刃先が描く円環
状の回転領域の上方に、内部に栗が収納された際には栗
が下端開口部分から脱出しない程度に下端が円板体12
に接近して立設された複数の筒状体16と、円板体12
を回転駆動する駆動部18とから成る。円板体12と共
に回転する各刃体14の刃先部分の長さは、上述したよ
うにこの刃先の回転領域の上方に各筒状体16が位置す
ることから、刃先が回転した際には各筒状体16の下方
を通過し、筒状体16の開口部分の全領域をカバーする
長さに設定されている。また、筒状体16の形状や立設
位置や立設角度は、上述した刃先の回転領域の上方の領
域に含まれるのであれば、どのような形状、位置、また
多少傾いて立設されていても良いが、本実施の形態では
一例として筒状体16は円筒に形成され、各々の中心軸
が回転軸Aと平行となり、かつ回転軸Aを中心とした同
一円周上に並んで配置されている。これは各筒状体16
に収納された栗に対する刃体14の刃先の当たり方が均
等になり、それぞれの栗の皮が略同じ時間で剥けるよう
にするためである。
【0009】この基本構成によって、各筒状体16の上
端開口部分から筒状体16内に投入された栗は筒状体1
6の下端開口部分から臨む回転する刃体14に向けて落
下し、刃体14の刃先と当接(接触)した際に皮の一部
が剥ける。栗は回転する刃体14との当接によって回転
しながら筒状体16の内面に跳ね返り、再度刃体14に
向けて落下し、また刃体14の刃先と当接して皮の一部
が剥ける。この動作が所定時間繰り返されると、栗の刃
体14との当接箇所はランダムに変わるため、栗の皮が
略均一に全部剥けるのである。この所定時間は複数の栗
をこの栗の皮剥き装置10を用いて実際に剥くことによ
って経験的に求められる。そして、一般に栗は鬼皮と呼
ばれる最も外側の皮を剥けば良いのであるが、所定時間
を長く設定することによって鬼皮の内側の皮、いわゆる
渋皮も自動的に剥くことも可能である。このように、作
業者は複数の筒状体16に栗を投入し、所定時間経過し
た後に各筒状体16から栗を取り出すだけで、鬼皮、若
しくは鬼皮と渋皮が剥けた栗を得ることができ、従来の
一つずつ皮を剥いていた場合に比較して皮剥き作業の効
率が格段に向上する。
【0010】また、上述したように所定時間経過後に、
作業者が各筒状体16の内部の栗を一つずつ取り出すよ
うにしても良いが、より作業性を向上させるため、各筒
状体16の回転軸Aに対して反対側の周面に開閉扉20
を設け、かつ全ての開閉扉20を同時に開閉する開閉機
構22を設けるようにすると、各筒状体16内では回転
する刃体14と当接することによって栗が飛び跳ねてい
るから開閉扉20を開けるだけで筒状体16内から栗が
自ら飛びだしてくる。よって、各筒状体16の内部から
栗を一つずつ取り出す手間が省け、取り出し作業が短時
間で行える。
【0011】続いて、図1を用いて実際の栗の皮剥き装
置10の構成について説明する。なお、基本構成で説明
した構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略
する。基台24は一例として直方体若しくは立方体の外
形の箱体に形成され、内部には駆動部18を構成する電
動モータ(不図示)が収納されている。そして一例とし
て電動モータの出力軸26が基台24の上面中央部分か
ら垂直に突出し、この出力軸26に円板体12が水平に
取り付けられている。つまり、円板体12の回転軸Aは
出力軸26の軸線と一致している。なお、電動モータの
出力軸26が直接基台24から突出する構成に代えて、
いわゆる電動モータの出力軸とは別体の出力軸26が基
台24に回転自在に取り付けられ、この出力軸26と電
動モータの出力軸との間に、減速機構、歯車、プーリ、
無端ベルト等の種々の伝達機構が配される場合もある。
【0012】刃体14の円板体12への取付方向は、本
実施の形態では一例として略半径方向に沿って放射状に
取り付けられているが、放射線上から円板体12の回転
方向へ、若しくは反回転方向へ若干平行移動した位置に
取り付けるようにしても良いし、また放射方向から若干
傾けて配置するようにしても良い等、種々の変更が可能
である。また、基台24の上面の四隅には第1の支柱2
8が4本立設され、この第1の支柱28には円板体12
と刃体14を覆う筒状の刃カバー30が取り付けられ
る。詳細には刃カバー30の下端に設けられたフランジ
部分30aが第1の支柱28にネジ止めされる。
【0013】そして円板体12の上方には、上述したよ
うに複数の筒状体16が、その下端が回転する刃体14
と干渉しない程度、かつ当該下端と刃体14および円板
体12との間の隙間から栗が脱出しない程度接近して配
置される。詳細には、各筒状体16は刃カバー30の筒
状部分の上端に取り付けられる略円板状の取付台32の
上面に固定されている。そして取付台32の各筒状体1
6の内側領域は筒状体16の内径に合わせて切りかか
れ、筒状体16の上端開口部分から筒状体16内部を見
た場合に円板体12や刃体14が覗くことができる構造
となっている。また、各筒状体16の回転軸Aに対して
反対側の周面には、上述したようにそれぞれ開閉扉20
が回動自在に設けられている。開閉扉20は筒状体16
の外面の一部が半筒状に切りかかれて形成され、筒状体
16の外面に取り付けられたヒンジ34によって、各筒
状体16が並べられた同一円周のさらに外方へ筒状体1
6の中心軸と平行な回動軸を中心に回動することができ
る。
【0014】また、取付台32の中央には、円板体12
の回転軸A上に第2の支柱36が1本立設され、この第
2の支柱36の上端には開閉機構22の一部を成す支持
円板38が固定されている。支持円板38には、筒状体
16の位置に合わせて円形孔38aが4つ開口されてお
り、支持円板38が第2の支柱36に取り付けられた際
には、各筒状体16の上部がこの円形孔38a内に挿入
され、支持円板38の上面から突出する構成となってい
る。そして突出した各筒状体16の上部にはゴムキャッ
プ40が装着されるが、ゴムキャップ40には図1に示
すように一例として十文字状の切り込み40aが設けら
れ、栗をゴムキャップ40から押し込むようにして筒状
体16内部に挿入できると共に、一旦栗が筒状体16内
に収納された後には栗が筒状体16内で刃体14に当接
して飛び跳ねても筒状体16内部から飛びださないよう
になっている。
【0015】また、支持円板38の下方には、複数の筒
状体16を取り巻くように配置され、回転軸Aを中心に
所定の角度範囲内で水平に回動自在であると共に、各開
閉扉20に対応した位置に径方向に沿った係合長溝42
が形成されたリング状体44が取り付けられている。こ
のリング状体44は開閉機構22の一部を成すものであ
る。リング状体44の支持円板38への取付構造は、支
持円板38の下面の外縁付近に柱状突起46が一例とし
て4つ設けられ、各柱状突起46にスペーサ48が装着
された状態でリング状体44に設けられた4つの円弧状
溝50内に各柱状突起46が挿入される。そして、円弧
状溝50から下方に突出した各柱状突起46の下端に抜
け止めリング52が固定される構造である。この構造に
より、リング状体44はスペーサ48の長さ分だけ支持
円板38の下方において、円弧状溝50の長さの範囲内
において第2の支柱36を中心に所定の角度範囲内にお
いて回動自在となる。また、リング状体44と支持円板
38との間にはスプリング54が配され、その両端がそ
れぞれリング状体44と支持円板38に固定され、リン
グ状体44を支持円板38に対して図1の矢印B方向に
常時回転するように付勢する。
【0016】また、各筒状体16の開閉扉20の外面に
はリング状体44方向に向けて突出する係合突起56が
設けられている。本実施の形態では一例として開閉扉2
0の一部が切りかかれて水平方向に起立され、この起立
部分20aにネジ若しくはピンが嵌め込まれて係合突起
56が形成されている。本実施の形態では一例としてネ
ジである。この係合突起56も開閉機構22の一部を構
成するものである。そして、各開閉扉20に設けられた
係合突起56は、その先端がそれぞれの開閉扉20に対
応してリング状体44に設けられた係合長溝42内に進
入している。
【0017】この構成により、リング状体44がスプリ
ング54によって矢印B方向に回動され、所定の角度範
囲の一方の回転端に位置している場合(図1の位置Cの
状態や図3の状態)には係合突起56は係合長溝42の
最も内径側の端部に位置し、開閉扉20は閉位置にあ
る。そして、リング状体44がスプリング54の付勢力
に抗して矢印Bと反対方向へ回動された際には係合突起
56は係合長溝42の内面に当接して押されながら次第
に外方へ移動し、それに伴って全部の開閉扉20は同時
に次第に開く。そしてリング状体44が所定の角度範囲
の他方の回転端に位置した場合には係合突起56も係合
長溝42の外径側の端部に達し、全ての開閉扉20は最
も開いた状態、つまり開位置となる(図1のD部分の状
態や図4の状態)。特に図1のD部分は、リング状体4
4が他方の回転端に位置した状態を部分的に示したもの
であり、D部分に含まれる係合長溝42内に進入する係
合突起56が取り付けられた開閉扉20は開位置にあ
る。
【0018】次に、栗の皮剥き装置10の動作について
図1〜図5を用いて説明する。まず、電動モータを作動
させ、円板体12と共に刃体14を回転させる。この状
態において、ゴムキャップ40の切り込み40a部分か
ら栗58を押し込み、全ての筒状体16内に投入する。
投入された栗は筒状体16内で下方へ落下し、筒状体1
6の下端開口部分を塞ぐように配置されている円板体1
2に取り付けられ、回転する刃体14に当接する。刃体
14は高速に回転しているため、筒状体16の底部まで
落下した栗58は刃体14の刃先に当たり、筒状体16
の内面に跳ね返り、再度刃先に当たり、跳ね返るという
動作を繰り返す。そして、栗58が刃体14の刃先と当
接するたびに栗58の皮が剥ける。この動作を所定の時
間繰り返すと、栗58は筒状体16内において跳ね返り
ながら回転しつつ刃体14の刃先と繰り返し当接するた
め、鬼皮部分がまんべんなく剥けるのである。なお、こ
の鬼皮部分がまんべんなく剥ける時間は、円板体12の
回転数や、円板体12に設ける刃体14の数、さらには
円板体12から突出する刃体14の刃先部分の角度を一
定にした状態で栗58を何個か剥くことによって経験的
に見いだすことができる。なお、さらに渋皮を剥く場合
には、さらに所定の時間だけ栗を取り出す時間を遅らせ
るようにすると良い。
【0019】続いて、栗の投入から所定の時間が経過し
たら、リング状体44をスプリング54の付勢力に抗し
て矢印Bと反対方向へ所定の角度範囲の他方の回転端に
位置するまで回動する。本実施の形態ではリング状体4
4には回動レバー60が取り付けられているため、この
回動レバー60を持ってリング状体44を回動させる。
上述したようにリング状体44を他方の回転端にまで回
動させると、開閉扉20に設けられた係合突起56が係
合長溝42内を外方へ移動し、係合長溝42の外径側の
端部に達して、全ての開閉扉20が開位置となる。これ
により、全ての筒状体16の内部空間で飛び跳ねていた
栗58が開いた状態の開閉扉20から筒状体16の外部
に飛び出すので、全筒状体16内部から鬼皮、若しくは
鬼皮と渋皮の両方が剥けた栗を同時に排出できるのであ
る。
【0020】なお、開閉扉20を開けた際には上述した
ように筒状体16から栗が勢い良く飛びだしてくる。ま
た、刃体14によって栗から剥ぎ取られた皮くずは円板
体12の下方へ刃カバー30の筒状部分内部を飛散しつ
つ落下する。従って、皮が剥けた栗や皮くずが栗の皮剥
き装置10の周囲に散らばらないようにするために、皮
剥き装置10全体を逆カップ状のビニールカバーで覆う
ようにすると良い。なお、この際には筒状体16の上端
に取り付けられたゴムキャップ40部分にアクセスでき
るように、ビニールカバーの上部に開口部を設け、ゴム
キャップ40を露出させておく。また、ビニールカバー
の下端は少なくとも円板体12の刃カバー30よりも下
方まで延びる形状とする。
【0021】上述した実施の形態では、筒状体16の数
は一例として4つにしたが、2つ、3つ、5つ、・・・
等、複数個であればいくつ設けるようにしても良い。ま
た、筒状体16の大きさは、筒状体16に栗が1つ投入
可能であり、投入された栗が上述したように刃体14と
当接した後に筒状体16内で飛び跳ねながら回転して再
度刃体14と当接できるだけの広さの空間領域があれ
ば、どのような内径のものであっても良い。また、筒状
体16の外形も一例として円筒としたが、多角形の筒状
体としても良い。なお、栗を2つ以上投入しても各栗が
筒状体16内でまんべんなく刃体14と当接できるので
あれば、筒状体16内に複数個の栗を投入するようにし
て使用しても良いが、一般的にはどうしてもバラツキが
生ずるため、筒状体16には1つの栗のみを投入するよ
うにした方が皮剥きの品質が向上する。
【0022】また、上述したように各筒状体16間で栗
の皮の剥け具合にバラツキが生じないようにするため
に、各筒状体16を円板体12の回転軸を中心とした同
一円周上に配置し、筒状体16の底部を通過し、栗58
と接触する刃体14の刃先の領域が同じになるように、
また栗に当たる際の刃先の速度も略同じになるようにし
ているのであるが、刃先の回転領域内で他の筒状体16
よりも大径な円周上にさらに筒状体16を配置し、外形
が大きな栗はこの筒状体16に投入して皮を剥くように
しても良い。これは回転軸Aから遠い程、栗に当たる際
の刃先の速度が速くなり、これにより大きな衝撃力が栗
に加わって刃先と当接した際に剥ける皮の量が増え、他
の栗よりも大きな栗でも他の栗と略同じ時間で剥けるよ
うになるからである。また、上述した実施の形態では、
各筒状体16に設ける開閉扉20は、筒状体16の中心
軸と平行な回転軸を中心に回動する構成であったが、開
閉扉20の上辺にヒンジを設けて跳ね上がるように開く
構成としても良い。また、開閉機構22は一例として、
リング状体44や、係合長溝42や、開閉扉20に設け
た係合突起56等で構成したが、この構成に限定される
ことなく、各開閉扉20に開閉扉20に常時閉じる方向
の付勢力を与える、例えば捩じりコイルバネを取り付
け、リング状体44と各開閉扉20とはケーブルで連結
する構成としても良い等、種々の機構を採用することが
できる。
【0023】以上、本発明の好適な実施の形態について
種々述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定
されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多
くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る栗の皮剥き装置によれば、
複数設けられた筒状体のそれぞれに入れられた栗は筒状
体の下端に落下した際に筒状体の下方で回転する円板体
に取り付けられた刃体と接触し、この刃体によって鬼皮
が剥ぎ取られるため、同時に複数の栗の皮剥きが行え、
栗の皮剥き作業の効率が格段に向上する。また、各筒状
体に開閉扉を設け、また開閉扉を同時に開閉する開閉機
構を設けると、皮剥きが行われた栗を開閉機構を用いて
各筒状体に設けられた開閉扉を開くことによって同時に
筒状体内から取り出すことができるので、一層の作業効
率の向上が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る栗の皮剥き装置の一の実施の形態
の構成を示す組み立て斜視図である。
【図2】図1の栗の皮剥き装置の正面図であり、左側の
筒状体の開閉扉のみが開いた状態にある正面図である。
【図3】図1のリング状体がスプリングによって矢印B
方向に回動され、所定の角度範囲の一方の回転端に位置
している状態の説明図であり、開閉扉は閉じた状態にあ
る。
【図4】図1のリング状体がスプリングの付勢力に抗し
て矢印Bと反対方向に回動され、所定の角度範囲の他方
の回転端に位置している状態の説明図であり、開閉扉は
開いた状態にある。
【図5】筒状体内において栗の皮が剥かれる状態を説明
するための説明図である。
【符号の説明】
10 栗の皮剥き装置 12 円板体 14 刃体 16 筒状体 18 駆動部 A 回転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を中心に水平な状態で回転可能な
    円板体と、 該円板体に、円板体の周方向とクロスする方向に沿って
    配置され、刃先が円板体の上面から突出する1または2
    以上の刃体と、 前記刃体が回転した際に前記刃先が描く円環状の回転領
    域の上方に、内部に栗が収納された際には該栗が下端開
    口部分から脱出しない程度に下端が円板体に接近して立
    設された複数の筒状体と、 前記円板体を回転駆動する駆動部とを具備することを特
    徴とする栗の皮剥き装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の筒状体は、前記円板体の前記
    回転軸を中心とした同一円周上に並んで配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の栗の皮剥き装置。
  3. 【請求項3】 前記各筒状体の前記回転軸に対して反対
    側の周面に設けられた開閉扉と、 全ての該開閉扉を同時に開閉する開閉機構とを具備する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の栗の皮剥き装
    置。
  4. 【請求項4】 前記開閉機構は、 前記複数の筒状体を取り巻くように配置され、前記回転
    軸を中心に所定の角度範囲内で水平に回動自在であると
    共に、前記各開閉扉に対応した位置に径方向に沿った係
    合長溝が形成されたリング状体と、 前記各筒状体の開閉扉に突設され、先端が開閉扉に対応
    する前記係合長溝内に進入する係合突起とを有し、 前記リング状体が前記所定角度範囲内の一方の回転端か
    ら他方の回転端に回動する際に、前記開閉扉を閉位置か
    ら開位置に回動させることを特徴とする請求項3記載の
    栗の皮剥き装置。
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