JPH1119691A - 水処理装置及びその運用方法 - Google Patents

水処理装置及びその運用方法

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JPH1119691A
JPH1119691A JP9194864A JP19486497A JPH1119691A JP H1119691 A JPH1119691 A JP H1119691A JP 9194864 A JP9194864 A JP 9194864A JP 19486497 A JP19486497 A JP 19486497A JP H1119691 A JPH1119691 A JP H1119691A
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JP
Japan
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water
fiber membrane
hollow fiber
tower
ion exchange
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JP9194864A
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English (en)
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Satoru Tsuda
悟 津田
Toshio Morita
利夫 森田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原水中に含まれる懸濁物質の濃度は一定では
なく、例えば数ppmから数100ppmの範囲で大き
く変動する。そのため、懸濁物質濃度が高い原水を処理
すると濾過塔102は短時間で差圧が上昇して採水時間
が短くなって濾過塔102の洗浄操作の回数が増加す
る。 【解決手段】 本発明の水処理装置の運用方法は、原水
を中空糸膜濾過塔1に間欠的に通水し、原水中の懸濁物
質を中空糸膜フィルタモジュール15により除去して濾
過水を得た後、この濾過水をイオン交換塔2に通水し、
濾過水中の不純物イオンをイオン交換樹脂21により除
去して純水を得る水処理装置の運用方法において、原水
の処理を停止している間に、イオン交換塔2内の流出水
を中空糸膜濾過塔1とイオン交換塔2との間で循環させ
ること特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水処理装置及びそ
の運用方法に関し、更に詳しくは、例えば原子力発電所
の放射性廃液を処理する場合に好適に用いられる中空糸
膜濾過塔を備えた水処理装置及びその運用方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば原子力発電所は、発電プラントで
発生したドレン水等の放射性廃液を水処理装置により処
理して純水を得、この純水を復水器へ補給するなどして
系内の水を外部へ排出せず、系内で繰り返し使用する閉
鎖系になっている。この種の水処理装置は、例えば図6
に示すように、ドレン水等の放射性廃液を集水して原水
として貯留する廃液タンク101と、この廃液タンク1
01内の原水を間欠的に通水して原水中の懸濁物質を除
去して濾過水を得る中空糸膜濾過塔(以下、単に「濾過
塔」と称す。)102と、この濾過塔102から供給さ
れる濾過水を通水して濾過水中の不純物イオンを除去し
て純水を得るイオン交換塔103と、このイオン交換塔
103において得られた純水を一時的に補給水として貯
留する補給水タンク104とを備えている。また、ドレ
ン水等の原水は発電プラントから常時排出されるもので
はないため、この種の水処理装置は、廃液タンク101
内に原水が所定量溜まる毎に稼働し、原水を間欠的に処
理して純水を得るようにしている。尚、図6において、
105は通水管、106は濾過塔102に原水を供給す
る廃液処理ポンプである。
【0003】また、濾過塔102内には例えば図6に示
すように中空糸膜モジュール102Aが複数本装着さ
れ、各中空糸膜モジュール102Aにより原水中の懸濁
物質を除去するようにしている。ところが、水処理を繰
り返し行っていると、各中空糸膜モジュール102A内
の中空糸膜フィルタの表面に懸濁物質が徐々に堆積して
通水抵抗が徐々に大きくなって原水側と一次処理水側と
の差圧が上昇し、中空糸膜モジュール102Aの濾過性
能が低下してしまう。そのため、差圧が所定値に達する
と、濾過塔102内に圧縮空気を供給して各中空糸膜モ
ジュール102Aの洗浄を行い、各中空糸膜モジュール
102A内の中空糸膜フィルタの表面から堆積物を剥離
させて除去し、各中空糸膜モジュール102Aの濾過性
能を回復するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原水中
に含まれる懸濁物質の濃度は一定ではなく、例えば数p
pmから数100ppmの範囲で大きく変動する。その
ため、懸濁物質濃度が高い原水を処理すると濾過塔10
2は短時間で差圧が上昇して採水時間が短くなって濾過
塔102の洗浄操作の回数が増加するという課題があっ
た。所定の採水量を確保するために濾過塔102の濾過
面積を増加したり、通水流速を低減する等の対策もある
が、これらの対策では濾過塔102が必然的に大型化
し、設備コストが高くなるという課題があった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、中空糸膜濾過塔を大型化することなく、そ
の洗浄操作の回数を低減して洗浄時までの採水量を増加
することができる水処理装置及びその運用方法を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、中空糸膜
濾過塔において濾過される懸濁物質について種々検討し
た結果、懸濁物質の中には酸化鉄微粒子等の種々の不溶
性金属酸化物以外に、種々の有機物が含まれていること
に着目し、水処理装置の中空糸膜濾過塔とイオン交換塔
を特定の方法で運用することにより洗浄回数を低減でき
ることを知見した。
【0007】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、本発明の請求項1に記載の水処理装置は、原水の通
水により原水中の懸濁物質を除去して一次処理水を得る
中空糸膜濾過塔と、この中空糸膜濾過塔からの一次処理
水の通水により一次処理水中の不純物イオンを除去して
二次処理水を得るイオン交換塔とを備えた水処理装置に
おいて、上記中空糸膜濾過塔と上記イオン交換塔との間
で二次処理水が循環する循環用配管を設けたことを特徴
とするものである。
【0008】また、本発明の請求項2に記載の水処理装
置の運用方法は、原水を中空糸膜濾過塔に間欠的に通水
し、原水中の懸濁物質を中空糸膜フィルタエレメントに
より除去して一次処理水を得た後、この一次処理水をイ
オン交換塔に通水し、一次処理水中の不純物イオンをイ
オン交換樹脂により除去して二次処理水を得る水処理装
置の運用方法において、上記原水の処理を停止している
間に、上記イオン交換塔の二次処理水を上記中空糸膜濾
過塔と上記イオン交換塔との間で循環させることを特徴
とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に示す実施形態
に基づいて本発明を説明する。尚、各図中、図1は本発
明の水処理装置の一実施形態の要部を示す構成図、図2
は図1に示す中空糸膜濾過塔の構成を示す断面図、図3
は図2に示す中空糸膜濾過塔に用いられる中空糸膜モジ
ュールの構成を示す断面図、図4は図2に示す片端集水
型中空糸膜モジュールに代えて用いられる両端集水型モ
ジュールの構成を示す断面図、図5は図1に示す水処理
装置の運用方法により得られた中空糸膜濾過塔の累積鉄
処理量と通水差圧との関係を、従来の運用方法と比較し
て示すグラフである。
【0010】まず、本発明の運用方法に好適に用いられ
る水処理装置について説明する。本実施形態の水処理装
置は、例えば図1に示すように、廃液タンク(図6参
照)から放射性廃液を原水として通水することにより原
水中の懸濁物質を除去して濾過水を一次処理水として得
る中空糸膜濾過塔(以下、単に「濾過塔」と称す。)1
と、この濾過塔1から流出した濾過水の通水により濾過
水中の不純物イオンを除去して純水を二次処理水として
得るイオン交換塔2と、このイオン交換塔2からの純水
を一時的に貯留する補給水タンク(図6参照)とを備え
ている。補給水タンクで貯留された純水は必要に応じて
復水器へ供給するようにしてある。
【0011】上記濾過塔1の底部には第1通水管3の一
端が接続され、その頂部には第2通水管4の一端が接続
され、第1通水管3から原水が濾過塔1内へ流入し、濾
過塔1内の中空糸膜モジュール15を透過して得られた
濾過水が第2通水管4から流出するようにしてある。ま
た、イオン交換塔2の頂部には第2通水管4の他端が接
続され、その底部には第3通水管5の一端が接続され、
第2通水管4からイオン交換塔2内へ濾過水が流入し、
濾過水がイオン交換塔2のイオン交換樹脂層2Aを通水
する間に得られた純水が第3通水管5から流出するよう
にしてある。尚、図1において3A、4A、5Aはそれ
ぞれ第1、第2、第3通水管3、4、5に配設されたバ
ルブである。
【0012】更に、本実施形態の場合には、濾過塔1の
底部とイオン交換塔2の底部は循環用配管6によって連
結され、この循環用配管6にバルブ6A及び循環ポンプ
7がそれぞれ配設されている。そして、濾過塔1、第2
通水管4、イオン交換塔2及び循環用配管6によって水
の循環路が形成されている。従って、循環ポンプ7が駆
動すると、イオン交換塔2内の純水が循環用配管6を介
してイオン交換塔2から濾過塔1へ流入し、濾過塔1内
の原水が中空糸膜モジュール15によって濾過され、濾
過塔1内の濾過水が第2通水管4を介してイオン交換塔
2内に流入し、これらの水が循環路を循環する間に濾過
処理と脱塩処理が繰り返され、循環水は懸濁物質及び不
純物イオンを含まない純水になると共に、純水が循環す
る間に中空糸膜モジュール内の各中空糸膜フィルタの外
表面に堆積した懸濁物質の内、可溶性物質(有機物、無
機物双方を含む)を純水により徐々に溶解して除去し、
濾過塔1の差圧を徐々に低下させ、これにより中空糸膜
モジュールの濾過性能を改善する。つまり、純水が循環
路内を循環する間に中空糸膜モジュール15の中空糸膜
フィルタを洗浄し、濾過塔1の差圧改善を図ることにな
る。
【0013】次に、濾過塔1について図2、図3を参照
しながら詳述する。この濾過塔1は、図2に示すよう
に、塔本体11と、この塔本体11の上部において下室
12と上室13に区画する仕切板14と、この仕切板1
4から下室12へ垂下する後述の中空糸膜モジュール1
5とを備えている。そして、各中空糸膜モジュール15
は仕切板14に対して例えばハニカム形状等の所定の幾
何学模様を形成して配置されている。
【0014】上記下室12内の底部中央にはバッフルプ
レート16が原水の流入口に対向させて配設され、この
バッフルプレート16によって下室12内へ流入した原
水を分散させるようにしてある。また、このバッフルプ
レート16と中空糸膜モジュール15下端との間には分
配機構17が配設され、この分配機構17によってバッ
フルプレート16からの原水を一旦受け、引き続き各中
空糸膜モジュール15へ分配するようにしてある。即
ち、分配機構17は、全体が偏平なカップ状で下室12
の内径より縮小した外径を有する大きさに形成されてい
る。そして、分配機構17には各中空糸膜モジュール1
5に対向させた分配管18がそれぞれ配設され、各分配
管18及び分配機構17の周囲から各中空糸膜モジュー
ル15側へ原水を分配供給するようにしてある。
【0015】また、塔本体11には中空糸膜モジュール
15を構成する中空糸膜フィルタに付着した懸濁物質を
洗浄する際に用いる空気配管が接続されている。この空
気配管は、上室13の頂部に接続された空気配管19
と、下室12の下部に接続された空気配管20と、下室
12の上部に接続された空気配管21とからなってい
る。各空気配管19、20、21にはバルブ19A、2
0A、21Aがそれぞれ取り付けられている。更に、上
記分配機構17の各分配管18にはそれぞれ孔18Aが
形成され、下室12内へ供給された空気が分配機構17
の下側に溜まって孔18Aを抜け、分配管18を介して
上方の中空糸膜モジュール15の下端へ分配供給するよ
うにしてある。また、塔本体11の下端にはドレン抜き
配管22が接続され、このドレン抜き配管22を介して
懸濁物質を含んだ洗浄廃水を抜き取るようにしてある。
尚、22Aはドレン抜き配管22に取り付けられたバル
ブである。
【0016】次に、上記中空糸膜モジュール15につい
て図3を参照しながら説明する。この中空糸膜モジュー
ル15は、同図に示すように、100〜50000本前
後の中空糸膜フィルタ151と、これらの中空糸膜フィ
ルタ151を束ねて収納する保護筒152とを備えて構
成されている。各中空糸膜フィルタ151は、例えば
0.01〜0.3μの微細孔を有する樹脂薄膜により外径
0.3〜7mm、内径0.2〜5mmの中空糸として形成
されている。また、保護筒152の上端部にはフランジ
部152Aが形成され、このフランジ部152Aで仕切
板14に固定された状態で垂下するようにしてある。ま
た、保護筒152の下端部にはスカート部152Bが形
成され、このスカート部152Bで洗浄操作時に流入し
た空気を捕集するようにしてある。そして、保護筒15
2の上端部で各中空糸膜フィルタ151の上端部を接着
剤等により束ねて接合固定した上部接合部153が形成
され、その下端部で各中空糸膜フィルタ151の下端部
を上端部と同様に接合固定した下部接合部154が形成
されている。上部接合部153では各中空糸膜フィルタ
151は開口し、下部接合部154では各中空糸膜フィ
ルタ151は閉塞し、濾過水が中空糸膜フィルタ151
の上端部開口から流出して上室13内で集水するように
してある。また、下部接合部154には流通孔154A
が形成され、流通孔154Aを介してスカート部152
Bに捕集した空気が中空糸膜モジュール15内へ流入す
るようにしてある。更に、上記保護筒152の上部接合
部153のやや下方と、下部接合部154のやや上方に
はそれぞれ流通孔152C、152Dが形成され、これ
らの流通孔152C、152Dを介して原水が中空糸膜
モジュール15内へ流入するようにしてある。
【0017】上記中空糸膜モジュール15は片端集水型
のものであるが、中空糸膜モジュールとしては各中空糸
膜フィルタの両端から集水する、いわゆる両端集水型モ
ジュールを用いることもできる。両端集水型中空糸膜モ
ジュール15Aは、図4に示すように、中空糸膜フィル
タとして中空糸膜細糸フィルタ151及び中空糸膜太糸
フィルタ151Aの2種類の中空糸膜フィルタを有して
いる。そして、各中空糸膜フィルタ151、151A及
び各中空糸膜太糸フィルタ151Aはいずれも上下両端
部が開口している。特に、それぞれの下端部の開口は下
部接合部154の下側に設けた濾過集水室155に連通
しており、中空糸膜フィルタ151、151Aの濾過水
を濾過集水室155において捕集する構造になってい
る。各中空糸膜フィルタ151、151Aの下部側で濾
過された濾過水は一旦濾過集水室155に導かれ、その
後濾過集水室155から中空糸膜太糸フィルタ151A
の内側を経由して上部接合部153から流出して上室1
3内で集水されるようにしてある。また、各中空糸膜フ
ィルタ151、151Aの上部側で濾過された濾過水は
そのまま各中空糸膜フィルタ151、151Aの内側を
経由して上部接合部153から流出して上室3内で集水
されるようにしてある。尚、ここでいう中空糸膜細糸フ
ィルタ151は片端集水型中空糸膜モジュール15に用
いられた中空糸膜フィルタ151と同様のものである。
【0018】次に、本発明の水処理装置の運用方法の一
実施形態について説明する。廃液タンク(図6参照)内
の原水が所定量に達したら図1、図2に示すバルブ3
A、4A、5A以外は全て閉じた状態で廃液処理ポンプ
106(図6参照)を始動して水処理装置を稼働する
と、廃液タンク内の原水は第1通水管3から下室12内
に流入し、バッフルプレート16において分散され、分
散された原水は分配機構17の分配管18及び分配機構
17の周囲から各中空糸膜モジュール15に分配供給さ
れる。分配供給された原水は保護筒152の流通孔15
2C、152D及び下部結合部154の流通孔154A
を経由して各保護筒152内に流入する。各保護筒15
2内では原水はそれぞれの中空糸膜フィルタ151の外
側から内側へ透過し、その際に原水中に含まれている懸
濁物質が中空糸膜フィルタ151の外面で捕捉、除去さ
れる。各中空糸膜フィルタ151の内側で得られた濾過
水は各中空糸膜フィルタ151内を上昇して各中空糸膜
フィルタ151の上端開口から上室13内で集水され、
引き続き、第2通水管4を介してイオン交換塔2内に流
入する。イオン交換塔2内では濾過水がイオン交換樹脂
層2Aを下降流で通水する間に脱塩処理されて濾過水中
の不純物イオンが除去される。イオン交換塔2内で得ら
れた純水は第2通水管5を経由して補給水タンク(図6
参照)内に貯留される。そして、廃液タンク内の原水の
処理を終了すると、次の原水が溜まるまで水処理装置に
よる水処理を停止し、濾過塔1及びイオン交換塔2内は
満水状態のまま保管する。
【0019】さて、本実施形態の水処理装置の運用方法
では水処理を停止している間に循環ポンプ7を駆動さ
せ、循環路内において水を循環させて濾過塔1の中空糸
膜フィルタ151の外表面に堆積した可溶性物質を溶解
して中空糸膜フィルタ151を洗浄し、濾過塔1の差圧
を改善する。即ち、図1、図2に示すバルブ4A、6A
以外のバルブが全て閉じた状態で循環ポンプ7が駆動す
ると、イオン交換塔2の流出水(純水)が循環用配管6
を介してイオン交換塔2から濾過塔1へ流入し、濾過塔
1によって濾過され、濾過塔1の流出水が第2通水管4
を介してイオン交換塔2内に流入し、循環路内の水が循
環路を循環する間に循環路内の水は濾過処理と脱塩処理
が繰り返し行われ、循環水は懸濁物質及び不純物イオン
を含まない純水になると共に、純水が循環する間に中空
糸膜モジュール内の各中空糸膜フィルタ外表面に堆積し
た可溶性物質を純水により徐々に溶解し、濾過塔1の差
圧が徐々に低下し、中空糸膜モジュールの濾過性能が改
善する。その後、廃液タンク内に原水が溜まった時点で
上記循環を中止して水処理装置を駆動して廃水処理を開
始し、原水から純水を得る。そして、廃水処理と中空糸
膜フィルタ151の循環洗浄を繰り返し、中空糸膜フィ
ルタ151の外表面に酸化鉄微粒子等の不溶性物質が堆
積し、本実施形態の運用方法でも濾過塔1の差圧改善を
図ることができなくなると判断した時点で、洗浄操作に
より濾過塔1を洗浄し、濾過塔1の本格的な差圧回復を
図る。
【0020】濾過塔1の洗浄操作は例えば以下のように
して実施する。まず、第1通水管3及び第2通水管4の
バルブ3A、4Aを閉止して通水を停止する。その後、
下室12内及び上室13内が満水状態のまま空気配管2
0及び空気配管21のバルブ20A、21Aを開放し、
空気配管20から下室12内へ圧縮空気を供給すると、
分配機構17に空気層が形成され、分配管18の孔18
Aから気泡が分配され、気泡が各中空糸膜モジュール1
5のスカート部152B内へ流入する。次いで、これら
の気泡は下部接合部154の流通孔154Aから保護筒
152内へ流入する。この気泡は保護筒152を上昇す
る間に保護筒152内の中空糸膜フィルタ151を振動
させて外表面の堆積物を剥離する。保護筒152内を上
昇した気泡は152Cから保護筒152外へ流出し、空
気配管21を介して濾過塔1外へ流出する。このように
して各中空糸膜モジュール15を十分洗浄した後、バル
ブ21Aを開いたままバルブ20Aを閉じると共にバル
ブ22Aを開き、ドレン抜き管22を介して洗浄廃液を
排出し、洗浄操作を終了する。洗浄廃液を排出する際
に、バルブ21A、20Aを開き、各空気配管21、2
0から圧縮空気を供給し、洗浄廃液の排出を促進しても
良い。また、空気配管19から圧縮空気を上室13内へ
供給し、濾過水を上室13から下室12へ逆流させ、中
空糸膜モジュール15内の各中空糸膜フィルタ151の
残余の堆積物を剥離すればより確実に堆積物を除去する
ことができる。
【0021】以上説明したように本実施形態によれば、
水処理装置の濾過塔1とイオン交換塔2を循環用配管6
で連結し、濾過塔1、第2通水管4、イオン交換塔2及
び循環用配管6によって水の循環路を形成し、原水の処
理を停止している間に、イオン交換塔2の流出水(純
水)を濾過塔1へ供給し、これら両者1、2間で純水を
循環させるようにしたため、水処理装置による水処理を
停止している間に、純水により濾過塔1内の中空糸膜フ
ィルタ151を洗浄し、堆積物の内、可溶性物質を溶解
して中空糸膜フィルタ151の差圧を低減することがで
き、もって濾過塔1の洗浄操作の回数を低減し、採水時
間を延ばして採水量を増やすことができる。
【0022】次に、実施例1に基づいて本発明の水処理
装置の運用方法をより具体的に説明する。 実施例1 本実施例では下記1の濾過塔及び下記2のイオン交換塔
を用い、懸濁物質として酸化鉄微粒子及び水溶性高分子
凝集剤を添加した原水を0.2m/hの流速で、濾過塔
の差圧が約0.5Kg/cm2上昇する時点まで通水し
て濾過塔を洗浄した。この時の酸化鉄微粒子の除去処理
量は10gFe/m2で水溶性高分子凝集剤の除去処理
量は100mg/m2であった。洗浄までの間に、従来
の運用方法の場合には酸化鉄微粒子の処理量が洗浄時の
半分に達した時点(差圧上昇率が洗浄時の約50%の時
点)で一時的に通水を停止し、濾過塔及びイオン交換塔
内の満水状態の水をそのまま保管した。一方、本発明の
運用方法の場合には従来の運用方法の場合と同一条件で
洗浄を行い、洗浄までの間に差圧が洗浄時の差圧の1/
2に達した時点で通水を停止し、通水を停止している間
に濾過塔とイオン交換塔間で両者に溜まった水を両者間
で循環させた。本実施例では図5に示すように従来の運
用方法により所定量の酸化鉄微粒子を除去し、2回の洗
浄操作を行った。その後引き続き本発明の運用方法によ
り所定量の酸化鉄微粒子を除去し、1回の洗浄操作を行
った。従来の運用方法及び本発明の運用方法による差圧
回復傾向をぞれぞれ示したものが図5である。
【0023】1.濾過塔 (1)塔本体の寸法 外径:70mm 内径:50mm (2)中空糸膜モジュール 中空糸膜フィルタ本数:170本 中空糸膜フィルタ内径:0.6mm 中空糸膜フィルタ外径:1.2mm 中空糸膜フィルタ有効長:2000mm 中空糸膜フィルタ膜面積:1.3m2 中空糸膜フィルタ孔径:0.1μm 2.イオン交換塔 (1)イオン交換樹脂層:アンバーライト200C/ア
ンバーライト400T=1/1の混合樹脂層 (2)イオン交換樹脂の充填量:5L
【0024】図5に示す結果によれば、本発明の運用方
法では従来の運用方法と比較して濾過塔の差圧が低下し
ていることが明かであり、上昇差圧が所定値(約0.5
Kg/cm2)に達するまでに本発明の運用方法の場合
には従来の運用方法の場合と比較して1.5倍の酸化鉄
微粒子を除去することができ、採水量が増加し、洗浄回
数を低減できることが判った。
【0025】尚、上記実施形態では放射性廃液を処理す
る場合について説明したが、本発明はそれ以外の原水に
も適用できることは云うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1または請求項2に記載
の発明によれば、中空糸膜濾過塔を大型化することな
く、その洗浄操作の回数を低減し、洗浄時までの採水量
を増加することができる水処理装置及びその運用方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置の一実施形態の要部を示す
構成図である。
【図2】図1に示す中空糸膜濾過塔の構成を示す断面図
である。
【図3】図2に示す中空糸膜濾過塔に用いられる片端集
水型中空糸膜モジュールの構成を示す断面図である。
【図4】図2に示す片端集水型中空糸膜モジュールに代
えて用いられる両端集水型モジュールの構成を示す断面
図である。
【図5】図1に示す水処理装置の運用方法により得られ
た中空糸膜濾過塔の累積鉄処理量と通水差圧との関係
を、従来の運用方法と比較して示すグラフである。
【図6】従来の水処理装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜濾過塔 2 イオン交換塔 6 循環用配管 15 中空糸膜モジュール(中空糸膜フィルタエレメ
ント) 21 イオン交換樹脂

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水の通水により原水中の懸濁物質を除
    去して一次処理水を得る中空糸膜濾過塔と、この中空糸
    膜濾過塔からの一次処理水の通水により一次処理水中の
    不純物イオンを除去して二次処理水を得るイオン交換塔
    とを備えた水処理装置において、上記中空糸膜濾過塔と
    上記イオン交換塔との間で二次処理水が循環する循環用
    配管を設けたことを特徴とする水処理装置。
  2. 【請求項2】 原水を中空糸膜濾過塔に間欠的に通水
    し、原水中の懸濁物質を中空糸膜フィルタエレメントに
    より除去して一次処理水を得た後、この一次処理水をイ
    オン交換塔に通水し、一次処理水中の不純物イオンをイ
    オン交換樹脂により除去して二次処理水を得る水処理装
    置の運用方法において、上記原水の処理を停止している
    間に、上記イオン交換塔の二次処理水を上記中空糸膜濾
    過塔と上記イオン交換塔との間で循環させること特徴と
    する水処理装置の運用方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010119978A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Kotobuki Kakoki Kk 排水処理装置
CN109315339A (zh) * 2018-08-30 2019-02-12 中国水产科学研究院南海水产研究所 一种间歇式工厂化循环水养殖方法

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