JPH11196636A - 移植機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プランタアームの先端側を小型化してプラン
タアームに作用する慣性力を可及的に小さくし、プラン
タアームの回転運動を円滑にして移植精度等の向上を計
る。 【解決手段】 押出作動アーム２１を付勢するアーム付
勢弾機２３を、押出作動アーム２１の支軸２２よりもプ
ランタアーム１４の基端側に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の移植機
の技術分野に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種移植機においては、苗載
台から掻取った苗を圃場に移植すべく回転運動するプラ
ンタアームの先端側に、掻取った苗を押出すための押出
具を設ける一方、プランタアームの基端側に、押出作動
アームを介して前記押出具を作動させる押出作動カムを
設け、さらに、前記押出作動アームを、プランタアーム
に内装されるアーム付勢弾機でカム押圧方向に付勢する
ものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに従来では、前
記アーム付勢弾機を、比較的大きな収容スペースを必要
とするコイルバネとし、該コイルバネをプランタアーム
の先端側に内装していたため、プランタアームの先端側
が大型化し、その結果、プランタアームに大きな慣性力
が作用して回転運動に悪影響を及ぼす不都合があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、苗載台から掻取った苗を圃場に移
植すべく回転運動するプランタアームの先端側に、掻取
った苗を押出すための押出具を設ける一方、プランタア
ームの基端側に、押出作動アームを介して前記押出具を
作動させる押出作動カムを設け、さらに、前記押出作動
アームを、プランタアームに内装されるアーム付勢弾機
でカム押圧方向に付勢する移植機において、前記アーム
付勢弾機を、押出作動アームの支点位置よりもプランタ
アーム基端側に配置したことを特徴とするものである。
つまり、プランタアームの先端側にアーム付勢弾機の収
容スペースを確保する必要がないため、プランタアーム
の先端側を小型化してプランタアームに作用する慣性力
を可及的に小さくすることができ、その結果、プランタ
アームの回転運動を円滑にして移植精度等の向上を計る
ことができる。また、アーム付勢弾機は板バネであるこ
とを特徴とするものである。つまり、コイルバネに比し
て収容スペースが小さい板バネを採用したため、プラン
タアームの基端側が大型化する不都合がなく、その結
果、プランタアーム全体の小型軽量化を計ることができ
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、１は走行機
体２の後部に昇降リンク機構３を介して連結される植付
作業機であって、該植付作業機１は、昇降リンク機構３
に連結される作業機フレーム４、該作業機フレーム４に
左右往復動自在に支持される苗載台５、該苗載台５の下
端部に沿って配設され、かつ苗掻取口（図示せず）を有
するエプロン６、作業機フレーム４から後方に延出する
複数のプランタケース７、該プランタケース７の下方に
配設されるフロート８等で構成されるが、これらの基本
構成は何れも従来通りである。

【０００６】９は前記プランタケース７の一側面部もし
くは両側面部に設けられるロータリケースであって、該
ロータリケース９の中央部は、プランタケース７の側面
部に突設される筒部７ａに回動自在に外嵌しているが、
ロータリケース９の外ケース９ａには、プランタケース
７から突出する植付駆動軸１０が一体的に連結されてい
るため、植付駆動軸１０の駆動に伴ってロータリケース
９が回転するようになっている。

【０００７】１１は前記ロータリケース９の中央部に内
装される太陽ギヤであって、該太陽ギヤ１１は、植付駆
動軸１０に回動自在に支持されるが、その一側面には、
前記筒部７ａに噛合して太陽ギヤ１１を回止めする噛合
爪１１ａが一体的に形成されている。そして、この太陽
ギヤ１１には、一対の中間ギヤ１２が１８０度位相ずれ
した位置でそれぞれ噛合し、さらに各中間ギヤ１２に
は、それぞれ遊星ギヤ１３が噛合しているため、太陽ギ
ヤ１１を中心として直線状に並ぶギヤ列が構成されてい
る。

【０００８】１４は先端側にプランタビーク１５を備え
るプランタアームであって、該プランタアーム１４の基
端部は、前記遊星ギヤ１３にスプライン結合される筒状
のプランタアーム軸１６に一体的に連結されている。即
ち、前記植付駆動軸１０の駆動に伴ってロータリケース
９が回転すると、中間ギヤ１２が太陽ギヤ１１の周囲を
公転しながら自転すると共に、中間ギヤ１２に噛合する
遊星ギヤ１３が逆回りに自転するため、遊星ギヤ１３に
一体的に結合されるプランタアーム１４は、植付駆動軸
１０を中心として公転しつつ、プランタアーム軸１６を
中心として逆方向に自転し、その結果、プランタアーム
１４の姿勢は、ロータリケース９の回転に拘わらず常に
苗載台５の方向を向くように制御されるようになってい
る。

【０００９】また、前記太陽ギヤ１１、中間ギヤ１２お
よび遊星ギヤ１３は何れも偏芯ギヤ（不等速回転を伝達
するものであれば楕円ギヤや非円形ギヤでも可能）に形
成されている。そして、各偏芯ギヤの角速度設定は、プ
ランタビーク１５が苗載台５から苗を掻取った後、前方
に膨らむ円弧を描きながら土中の植付位置に達し、その
後は直線的に上昇する半月状の静止軌跡（走行停止時の
先端運動軌跡）を描くように設定されるが、一方のプラ
ンタビーク１５が苗載台５から苗を掻取る時、それと略
同時に他方のプランタビーク１５が植付けを実行するよ
うにプランタビーク１５の位置および軌跡が設定されて
いるため、ロータリケース９が一回転する毎に二回の植
付けが実行されるようになっている。

【００１０】１７は前記プランタアーム軸１６内に組込
まれるカム軸であって、該カム軸１７の基端部は、ロー
タリケース９の内ケース９ｂに一体的に固定される一
方、プランタアーム１４内を臨む先端部には、押出作動
カム１８が一体的に設けられている。

【００１１】１９は前記プランタアーム１４の先端部に
上下方向摺動自在（軸方向摺動自在）に組込まれる押出
作動ロッドであって、該押出作動ロッド１９は、プラン
タビーク１５に対して略平行姿勢で配設されるが、プラ
ンタアーム１４から突出するロッド先端部には、プラン
タフォーク（押出具）２０が一体的に固定されている。

【００１２】２１は前記プランタアーム１４内に前後方
向を向いて配設される押出作動アームであって、該押出
作動アーム２１の中間部は、プランタアーム１４の側壁
部に支軸２２を介して上下揺動自在に支持されるが、ア
ーム前端部は、前記押出作動ロッド１９の基端部に係合
される一方、アーム後端部は、前記押出作動カム１８に
上方から接当している。つまり、ロータリケース９の回
転に伴ってプランタアーム１４（プランタビーク１５）
が植付位置に到達すると、押出作動カム１８の大径部が
押出作動アーム２１の後端側を上方に押し、これに連動
するプランタフォーク２０（押出作動ロッド１９）の押
出作動に基づいてプランタビーク１５から苗が押出され
るようになっている。

【００１３】さらに、２３は前記プランタアーム１４に
内装されるアーム付勢弾機であって、該アーム付勢弾機
２３は、押出作動アーム２１をカム押圧方向に付勢する
プランタフォーク戻し弾機として機能するが、本実施形
態のアーム付勢弾機２３は、前記支軸２２よりもプラン
タアーム１４の基端側に配置され、押出作動アーム２１
の後端側を下方に向けて付勢している。即ち、アーム付
勢弾機２３を、プランタアーム１４の基端側に内装する
ようにしたため、プランタアーム２３の先端側に内装し
ていた従来に比してプランタアーム１４の先端側形状を
小型化することが可能になり、その結果、プランタアー
ム１４に作用する慣性力を減少させてプランタアーム１
４の回転運動を可及的に円滑にすることができるように
なっている。

【００１４】また、本実施形態では、プランタアーム１
４の基端側にアーム付勢弾機２３を内装するにあたり、
該アーム付勢弾機２３を板バネで形成すると共に、該板
バネの先端部に形成されるアール部２３ａを、押出作動
アーム２１の後端部に形成されるアール部２１ａに弾圧
状に接当させている。つまり、比較的大きな収容スペー
スを必要とするコイルバネを採用した場合に比してプラ
ンタアーム１４の基端側形状を小型化することができる
ため、アーム付勢弾機２３をプランタアーム１４の基端
側に内装するものでありながら、プランタアーム１４全
体の小型軽量化を計ることができ、しかも、アール部同
志（何れか一方をアール形状にすることも可能）を接当
させるため、アーム付勢弾機２３および押出作動アーム
２１の摩耗を可及的に防止して耐久性の向上を計ること
ができるようになっている。

【００１５】ところで、前記プランタアーム１４は、そ
の上部に部品組込用の開口部を有すると共に、該開口部
を、プランタアーム１４に一体的にボルト固定される蓋
体１４ａで覆蓋しているが、この蓋体１４ａは、プラン
タアーム１４との間でアーム付勢弾機２３の基端部を挟
持すると共に、アーム付勢弾機２３の基端部に折曲形成
される抜止片２３ｂを溝部１４ｂで係止するため、アー
ム付勢弾機２３を専用の固定金具を用いることなく固定
することができ、その結果、部品点数の削減や構造の簡
略化を計ることができる許りでなく、組立作業も容易に
することができるようになっている。

【００１６】叙述の如く構成されたものにおいて、プラ
ンタアーム１４の先端側に、掻取った苗を押出すための
プランタフォーク２０（押出作動ロッド１９）を設ける
一方、プランタアーム１４の基端側に、押出作動アーム
２１を介してプランタフォーク２０を押出作動させる押
出作動カム１８を設け、さらに、前記押出作動アーム２
１を、プランタアーム１４に内装されるアーム付勢弾機
２３でカム押圧方向に付勢するものであるが、前記アー
ム付勢弾機２３は、押出作動アーム２１の支軸２２より
もプランタアーム１４の基端側に配置されているため、
プランタアーム１４の先端側にアーム付勢弾機２３の収
容スペースを確保する必要がない。従って、プランタア
ーム１４の先端側を小型化してプランタアーム１４に作
用する慣性力を可及的に小さくすることができ、その結
果、プランタアーム１４の回転運動を円滑にして移植精
度等の向上を計ることができる。

【００１７】また、前記アーム付勢弾機２３を、コイル
バネに比して収容スペースが小さい板バネにしたため、
プランタアーム１４の基端側が大型化する不都合がな
く、その結果、プランタアーム１４を全体的に小型軽量
化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】乗用田植機の全体側面図である。

【図２】植付作業機の側面図である。

【図３】同上要部側面図である。

【図４】ロータリケースの内部側面図である。

【図５】ロータリケースおよびプランタアームの断面図
である。

【図６】プランタアームの断面図である。

【符号の説明】

１ 植付作業機 ９ ロータリケース １４ プランタアーム １８ 押出作動カム １９ 押出作動ロッド ２０ プランタフォーク ２１ 押出作動アーム ２２ 支軸 ２３ アーム付勢弾機

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗載台から掻取った苗を圃場に移植すべ
   く回転運動するプランタアームの先端側に、掻取った苗
   を押出すための押出具を設ける一方、プランタアームの
   基端側に、押出作動アームを介して前記押出具を作動さ
   せる押出作動カムを設け、さらに、前記押出作動アーム
   を、プランタアームに内装されるアーム付勢弾機でカム
   押圧方向に付勢する移植機において、前記アーム付勢弾
   機を、押出作動アームの支点位置よりもプランタアーム
   基端側に配置したことを特徴とする移植機。
2. 【請求項２】 請求項１において、アーム付勢弾機は板
   バネであることを特徴とする移植機。