JPH11196560A - 平面型モータ、ステージ装置、及び露光装置 - Google Patents

平面型モータ、ステージ装置、及び露光装置

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JPH11196560A
JPH11196560A JP9368304A JP36830497A JPH11196560A JP H11196560 A JPH11196560 A JP H11196560A JP 9368304 A JP9368304 A JP 9368304A JP 36830497 A JP36830497 A JP 36830497A JP H11196560 A JPH11196560 A JP H11196560A
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armature
flat
force
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Keiichi Tanaka
慶一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御性、推力線形性、及び位置決め性良く、
かつ大きな推力で高速に対象物を移動させる。 【解決手段】 正方形状の磁極面を有する永久磁石54
N、54Sを配列して平板状発磁体52を構成するとと
もに、永久磁石54N、54Sの磁極面の一辺の半分の
長さを一辺とする正方形にほぼ内接する電流経路を有す
る2つの電機子コイル(64a及び64b:65a及び
65b)から成りるコイル対64、65を配列して、平
板状発磁体52の磁極面とほぼ平行な平板状コイル群6
1を構成する。そして、駆動制御装置(19,20,2
1)によって、各電機子コイルに供給する電流の電流値
及び電流方向の少なくとも一方を制御する。これによ
り、前記平板状発磁体52を、磁極面と平行な面内を平
板状コイル群61に対して相対移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面型モータ、ス
テージ装置、及び露光装置に係り、より詳細には可動子
と固定子を有し、その可動子を非接触で2次元駆動する
平面型モータ、該平面型モータの可動子が一体的に取り
付けられた移動体を含むステージ装置、及び該ステージ
装置を備えた露光装置の関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された
パターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布された
ウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「感応
基板又はウエハ」という)上に転写する露光装置が用い
られている。この種の装置としては、感応基板としての
ウエハが搭載されたウエハステージを所定量X、Y2次
元方向に移動させて所定の露光位置へ位置決めするステ
ッピング動作と、その位置決め状態でレチクルのパター
ンを投影光学系を介して感応基板上のショット領域に転
写する露光動作とを繰り返す静止露光型(ステップ・ア
ンド・リピート方式ともいう)の縮小投影型露光装置
(いわゆる「ステッパ」)や、このステッパを改良し、
レチクル上の所定のスリット状領域を照明光で照明しな
がら、レチクルとウエハとを投影光学系に対して所定の
走査方向に同期移動させ、レチクル上のパターンを投影
光学系を介してウエハ上に逐次転写するステップ・アン
ド・スキャン方式の走査型露光装置が実用化されてい
る。
【0003】いずれのタイプの露光装置でも、ウエハを
高精度に露光位置に位置決めする必要があるため、ウエ
ハはウエハホルダ上に真空吸着等によって保持され、こ
のウエハホルダがステージ装置を構成するウエハテーブ
ル(移動体)上に固定される。従来、かかるテーブル
は、テーブルと機械的に接触した駆動装置によって、機
械的な案内面に沿って駆動され移動可能となっていた。
したがって、XY平面上で該テーブルを移動するため、
ステージ装置は、テーブルをX方向に駆動するXステー
ジと、該テーブルをXステージと一体的にY方向へ駆動
するYステージとを備えていた。
【0004】これに対して最近、ウエハをより高速に、
機械的な案内面の精度等に影響されず高精度に位置決め
するとともに、かつ機械的な摩擦を回避して長寿命とす
るために、ウエハが載置された平板状の移動体を支持部
材上に浮上支持し非接触で駆動することにより、ウエハ
を位置決めするステージ装置の開発が進められている。
かかるステージ装置の実現にあたり、その鍵となる技術
は、可動子を固定子から浮上させ、XY平面内の所定方
向(回転方向を含む)に駆動して可動子を移動させる平
面型モータの技術である。こうした平面型モータの駆動
方式には、可変磁気抵抗駆動方式及びローレンツ電磁力
駆動方式がある。
【0005】可変磁気抵抗駆動方式の平面型モータとし
ては、現状では、ソイヤモータのように可変磁気抵抗駆
動方式のリニアパルスモータを2軸分結合させた構造が
主流である。この可変磁気抵抗駆動方式のリニアパルス
モータは、通常、凸凹状の歯部が長手方向に沿って等間
隔に形成された板状の磁性体によって構成された固定子
と、該固定子の凸凹状の歯部と対向し、この凸凹状歯部
とは異なる配列の凸凹部を有する複数の電機子コイルが
永久磁石を介して連結された可動子とを備える。そし
て、各時点における固定子との可動子との間の磁気抵抗
を最小にしようとして発生する力を利用して、可動子を
駆動する。すなわち、各電機子コイルに供給されるパル
ス電流の電流値及び位相を調整・制御することにより可
動子をステップ状に歩進動作させる。
【0006】かかるソイヤモータ型はリニアパルスモー
タを移動平面上に2軸分連結した構成であり、平面移動
できる可動子の各軸方向駆動部が分離しているので、可
動子が重くなる。かかる不都合を改善するため、例えば
特公昭60−22583号公報に開示されているよう
な、1つの駆動部にて平面移動可能な発展型の平面型モ
ータも提案されている。
【0007】また、ローレンツ電磁力駆動方式の平面型
モータは、互いに直交する方向の電流Iと磁束密度Bと
において、フレミングの左手の法則によって決定される
方向に発生する、 F=I×B×L ここで、F:電流経路に発生する力 L:電流経路の長さ で表されるローレンツ電磁力Fを利用して駆動力を得る
平面型モータである。従来のローレンツ電磁力駆動方式
の平面型モータとしては、例えば米国特許(USP)第
5196745号公報に開示されているような平面型モ
ータの技術が提案されている。この平面型モータでは、
可動子(又は固定子)上にX軸方向駆動用の磁石を極性
が交互となるようにX軸方向に配列するとともに、Y軸
方向駆動用の磁石を極性が交互となるように、X軸方向
駆動用の磁石の配列と交差させることなくY軸方向に配
列している。また、固定子(又は可動子)上に、X軸方
向駆動用の多相コイルをX軸方向に配列するとともに、
Y軸方向駆動用の多相コイルをX軸駆動用コイルと交差
させることなく配列している。そして、X軸方向駆動用
の磁石と対向しているX軸方向駆動用の多層コイルに電
流を流してローレンツ電磁力を発生させることによりX
軸方向の推力を発生させ、また、Y軸方向駆動用の磁石
と対向しているY軸方向駆動用の多層コイルに電流を流
してローレンツ電磁力を発生させることによりY軸方向
の推力を発生させている。
【0008】また、固定子と可動子とを非接触とするた
めの機構としては、可変磁気抵抗駆動方式の平面型モー
タでは、空気浮上方式が主に採用されており、ローレン
ツ電磁力駆動方式では、空気浮上方式又は磁気浮上方式
が主に採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の平面型モータは
上記のように構成されているので、以下のような不都合
があった。
【0010】すなわち、従来の可変磁気抵抗式の平面型
モータでは、強磁性体間あるいは強磁性体と永久磁石と
の間の磁気的吸引力反発力により高推力を得るものであ
るが、電流無励磁状態での推力むら即ち推力コギングを
低減することが本質的に困難であった。また、電流励磁
による発生推力は可動位置により変化するため定推力を
得るためには高次な電流パターンが必要とされていた。
これは位置決め安定性のみならず制御安定性をも低下さ
せる原因となっていた。
【0011】また、可変磁気抵抗式モータは強磁性体に
電機子コイルを巻くいわゆる有鉄心コイルを構成してお
り電機子コイルインダクタンスが大きいため、応答性に
優れておらず、改善のため高い電圧源を必要とし、効率
的とはいえなかった。
【0012】さらに、有鉄心コイルでは励磁電流による
鉄心の磁気飽和が生じるため、高電流域までの推力線形
性が得られにくく、制御系設計が複雑となる不都合もあ
った。
【0013】一方、従来のローレンツ電磁力式の平面型
モータでは、制御性、推力線形性、位置決め性に優れて
いるものの、磁石やコイルの配列の制限により駆動に寄
与する磁石及びコイルの数を多くできないので、発生推
力を大きくすることが困難である。したがって、ウエハ
ホルダや基板テーブルのようなある程度の重量物を搭載
した可動子を高速に移動させることが困難であった。
【0014】本発明は、かかる事情の下になされたもの
であり、その第1の目的は、制御性、推力線形性、及び
位置決め性に優れ、かつ大きな推力を発生することがで
きる平面型モータを提供することにある。
【0015】また、本発明の第2の目的は、搭載した対
象物を高速に移動可能であり、かつ高精度で位置決めで
きるステージ装置を提供することにある。
【0016】また、本発明の第3の目的は、基板の高速
移動及び高精度位置決めによって、スループットを向上
して高精度の露光を行うことができる露光装置を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、矩形状の磁極面を有する少なくとも1つの永久磁石
(54N、54S)を含む平板状発磁体(52)と;前
記永久磁石(54N、54S)の第1の磁極面の一辺の
半分の長さを一辺とする矩形にほぼ内接する電流経路を
有する第1電機子コイル(64a)と、前記第1電機子
コイル(64a)に並べて配置され、前記第1電機子コ
イル(64a)とほぼ同形状を有する第2電機子コイル
(64b)とから成る第1コイル対(64)を少なくと
も1つ含み、前記第1の磁極面に対向して配設された第
1平板状コイル群(61)と;前記電機子コイル(64
a、64b)の各々を流れる電流値及び電流方向の少な
くとも一方を制御する駆動制御装置(19,20)とを
備え、前記平板状発磁体(52)は、前記磁極面と平行
な面内を前記第1平板状コイル群(61)に対して相対
移動する平面型モータである。
【0018】本請求項1の平面型モータでは、平板状発
磁体が発生した磁束と駆動制御装置が第1平板状コイル
群に供給した電流との相互作用によって第1及び第2電
機子コイルで発生したローレンツ電磁力によってモータ
駆動を行う。すなわち、可動子が第1平板状コイル群を
備える場合には、電機子コイルで発生したロレーンツ力
が可動子を駆動する推力となり、一方可動子が平板状発
磁体を備える場合には、このローレンツ電磁力の反力が
可動子を駆動する推力となる。
【0019】かかるローレンツ電磁力は各電機子コイル
の電流経路の各所で発生するが、コイルの電流経路とし
て通常の形状、例えば、円形状や矩形状の各電機子コイ
ルの電流経路では、対向する位置を流れる電流同士はそ
れらの値は同一であり、電流方向は互いに逆方向とな
る。しかしながら、平板状発磁体を構成する永久磁石が
発生した磁束の第1平板状コイル群における磁束密度を
考えると、永久磁石の第1の磁極面の中心に対向する位
置における磁束密度が最も高く、第1の磁極面の周辺に
対向する位置ほど磁束密度が小さくなる。したがって、
各電機子コイルの電流経路において互いに対向する位置
で発生するローレンツ電磁力について、第1の磁極面の
中心に対向する位置により近い位置のローレンツ電磁力
の方が大きくなり、第1の磁極面の中心に対向する位置
により近い位置で発生したローレンツ電磁力の方向の力
が各電機子コイルに作用する力となる。こうした、対向
する電流経路の位置についての力の電流経路全てに関す
る合力が各電機子コイルについて働く力となり、モータ
駆動力の源となる。
【0020】かかる電機子コイルに働く力を効率よく発
生させるとともに、平板状発磁体の前記磁極面と平行な
面内における第1平板状コイル群に対する相対移動の間
においても電機子コイルに働く力を安定して発生させ、
かつ、電機子コイルの配列性をよくするために、本請求
項1の平面型モータでは、前記第1の磁極面を矩形状と
し、かつ、各電機子コイルの電流経路の形状をこの第1
の磁極面の一辺の半分の長さを一辺とする矩形にほぼ内
接する形状としている。
【0021】そして、電機子コイルを2つを1組の第1
のコイル対として、この第1のコイル対を平面的に配列
し、各第1のコイル対を構成する各電機子コイルに供給
する電流値及び電流方向を駆動制御装置が制御すること
により推力を制御している。
【0022】したがって、請求項1の平面型モータによ
れば、平板状発磁体で配列される各永久磁石及び第1平
板状コイル群で配列される第1コイル対には専用の駆動
方向は存在しないので、広範囲及び高密度に永久磁石及
び第1コイル対を配列することが可能である。そして、
駆動制御装置によって第1平板状コイル群を構成する各
電機子コイルに流れる電流値及び電流方向を調整するこ
とにより、駆動に寄与する永久磁石及び電機子コイルの
数を多くできるので、制御性、推力線形性、及び位置決
め性に優れたローレンツ電磁力方式の長所を生かしつ
つ、大きな推力を発生することができる。
【0023】請求項2に記載の発明は、請求項1の平面
型モータにおいて、前記平板状発磁体(52)は、マト
リクス状に配列され、隣接する磁極の極性が異なる複数
の永久磁石(54N、54S)を備えることを特徴とす
る。
【0024】これによれば、電機子コイルの配列平面に
おいて、磁束方向がこの配列平面に垂直であり、前記第
1の磁極面の大きさを半周期であるとともに磁極面の境
界点における磁束密度が零であり、変化が急峻な磁束密
度の空間分布を得ることができる。したがって、各電機
子コイルに供給される電流値及び電流方向を調整するこ
とにより、駆動に寄与する永久磁石及び電機子コイルの
数を多くできるとともに、各電機子コイルに働く力を大
きくできるので、ローレンツ電磁力方式の長所を生かし
つつ、大きな推力を発生することができる。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1の平面
型モータにおいて、前記平板状発磁体(52)は、前記
第1の磁極面と反対側の第2の磁極面側で、前記複数の
永久磁石(54N、54S)を支持する第1磁性体部材
(53)を更に備えることを特徴とする。
【0026】これによれば、平板状発磁体の第1磁極面
(すなわち、第1平板状コイル群との対向面)と反対側
の第2の磁極面側での磁気回路が第1磁性体部材を介し
て構成されるので、安定した磁気回路が構成できるとと
もに、磁束を第1磁性体部材の中に閉じ込めることがで
きるので、第2の磁極面側に配設される部材に対する平
板状発磁体に起因する磁気の影響を防止できる。
【0027】請求項4に記載の発明は、請求項1の平面
型モータにおいて、前記第1電機子コイル(64a)の
電流経路はほぼ正方形であるとともに、前記第2電機子
コイル(64b)の電流経路はほぼ正方形であることを
特徴とする。
【0028】請求項1の平面型モータは、前述のよう
に、各電機子コイルのそれぞれにおいて対向する位置に
おける磁束密度の相違を利用して推力を得ている。各電
機子コイルの電流経路が、第1の磁極面の一辺の半分の
長さを一辺とする正方形にほぼ内接する形状である場合
には、各対向位置間における磁束密度の相違を大きくす
るには、電流経路を正方形とすることが有利である。請
求項4の平面型モータでは、これを考慮して、各電機子
コイルの電流経路の形状をほぼ正方形とするので、大き
な推力を発生することができる。
【0029】請求項5に記載の発明は、請求項1の平面
型モータにおいて、前記第2電機子コイル(64b)
は、前記第1電機子コイル(64a)の電流経路が内接
する矩形の対角線方向の1つである所定方向に配置され
ることを特徴とする。
【0030】これによれば、第1電機子コイルに働くロ
ーレンツ電磁力と第2電機子コイルに働くローレンツ電
磁力とは互いに方向がほぼ平行となる。すなわち、第1
電機子コイルと第2電機子コイルの電流経路とを互いに
逆回りに設定すると双方のローレンツ電磁力の方向は互
いにほぼ同一方向となり、また、双方の電流経路の回り
互いに同一とすると双方のローレンツ電磁力の方向は互
いにほぼ逆方向となる。
【0031】したがって、請求項5の平面型モータによ
れば、第1電機子コイルの電流経路と第2電機子コイル
の電流経路とを互いに逆回りとして、第1電機子コイル
と第2電機子コイルとから成る第1コイル対に供給する
電流を一体的に制御することにより推力を増大すること
ができる。
【0032】請求項6に記載の発明は、請求項5の平面
型モータにおいて、前記第1平板状コイル群(61)
は、前記所定方向に沿って配列された複数の前記第1コ
イル対(64)を備えることを特徴とする。
【0033】請求項5の平面型モータでは、第1電機子
コイルの電流経路の中心点と第2電機子コイルの電流経
路の中心点とが、それぞれ前記永久磁石の第1の磁極面
の1つの対角線上の点にほぼ対向していると、第1コイ
ル対に電流が供給された場合、第1電機子コイルに働く
力と第2電機子コイルに働く力との合力の方向は、所定
方向、すなわち第1電機子コイルに対する第2電機子コ
イルの配列方向に平行となる。したがって、請求項6の
平面型モータでは、これを考慮して、この所定方向に第
1コイル対を配列しているので、所定方向に関して平板
状発磁体と第1平板状コイル群とを安定して相対移動さ
せることができる。
【0034】請求項7に記載の発明は、請求項5の平面
型モータにおいて、前記第1コイル対(64)を構成す
る前記第1電機子コイル(64a)及び前記第2電機子
コイル(64b)とほぼ同形状で該第1、第2電機子コ
イル(64a、64b))に異なる側でそれぞれ隣接
し、前記第1の磁極面に対向して配置された第3電機子
コイル(65a)と第4電機子コイル(65b)とから
成る第2コイル対(65)を更に備え、前記第1コイル
対(64)と前記第2コイル対(65)とによって、前
記第1の磁極面とほぼ重なる外形を有し、前記第1平板
状コイル群(61)を構成する第1コイルユニット(6
3)が形成されていることを特徴とする。
【0035】これによれば、第1コイル対で発生するロ
ーレンツ電磁力の合力の方向と第2コイル対で発生する
ローレンツ電磁力の合力の方向とは互いに交差する。し
たがって、第1コイル対に供給する電流値と第2コイル
対に供給する電流値とを調節することにより、任意の方
向への推力を発生することができる。
【0036】請求項8に記載の発明は、請求項7の平面
型モータにおいて、前記第1平板状コイル群(61)
は、マトリクス状に配列された複数の前記第1コイルユ
ニット(63)を備えることを特徴とする。
【0037】これによれば、任意の方向への推力を発生
できる第1コイルユニットがマトリクス状に配列されて
いるので、平板状発磁体と第1平板状コイル群との相対
移動を任意の直線方向及び任意の回転方向について、広
い範囲にわたって、大きな推力で高速に実行することが
できる。
【0038】請求項9に記載の発明は、請求項5の平面
型モータにおいて、前記第1平板状コイル群(61)に
ついて前記平板状発磁体(52)側とは反対側に、前記
第1平板状コイル群(61)とほぼ平行に配設され、前
記永久磁石(54N、54S)の第1の磁極面の一辺の
半分の長さを一辺とする矩形にほぼ内接する電流経路を
有する第5電機子コイル(84a)と、該第5電機子コ
イル(84a)と前記所定方向に並べて配置され、前記
第5電機子コイル(84a)とほぼ同形状を有する第6
電機子コイル(84b)とから成る第3コイル対(8
4)を少なくとも1つ含む第2平板状コイル群(81)
を更に備え、前記第1平板状コイル群(61)と前記第
2平板状コイル群(81)とは、各電機子コイルに流れ
る電流の位相を同じにした際に、前記第1平板状コイル
群(61)に発生する力の位相と前記第2平板状コイル
群(81)に発生する力の位相とがずれるように配置さ
れることを特徴とする。
【0039】前述した請求項5の平面型モータの場合に
は、例えば、第1コイル対に供給する電流の値と方向を
変化させずに前記平板状発磁体と第1平板状コイル群と
を相対移動させると、この相対移動に伴って第1コイル
対に働く力の大きさが変化する。すなわち、ある方向の
推力でその相対移動をさせていると、ある時点で推力が
零となったり、推力の方向が逆となったりする。こうし
た推力の変化は、その相対移動の方向に関する電機子コ
イルの大きさをほぼ1/2周期とする周期で起こる。推
力の方向が逆になることに対しては第1コイル対に供給
する電流の方向を逆にすることで、その相対移動の方向
への推力を維持することが可能であるが、推力の変化を
抑制するには複雑な供給電流値の制御が必要となる。
【0040】請求項9の平面型モータでは、このことを
考慮して、第1平板状コイル群における第1コイル対の
配列とずらして、第1コイル対と同等の第3コイル対を
第2平板状コイル群において配列している。この結果、
第1コイル対と第3コイル対とに流れる電流を同相とし
た場合に第1平板状コイル群に発生する力と、第2平板
状コイル群に発生する力の位相が異なることになる。し
たがって、簡単な電流値制御でも、平板状発磁体と第1
平板状コイル群との相互作用力による推力の変化を、平
板状発磁体と第2平板状コイル群との相互作用力によっ
て補うことができるので、全体として安定した推力を発
生することができる。なお、第1コイル対と第3コイル
対との配列のずれは、第1平板状コイル群における第1
コイル対の配列の1/4周期とすることが望ましい。
【0041】請求項10に記載の発明は、請求項9の平
面型モータにおいて、前記第3コイル対(83)を構成
する前記第5電機子コイル(84a)及び前記第6電機
子コイル(84b)とほぼ同形状で該第5、第6電機子
コイル(84a、84b)に異なる側でそれぞれ隣接
し、前記第1平板状コイル群(61)に対向して配置さ
れた第7電機子コイル(85a)と第8電機子コイル
(85b)とから成る第4コイル対(85)を更に備
え、前記第3コイル対(84)と前記第4コイル対(8
5)とによって、前記第1の磁極面とほぼ重なる外形を
有し、前記第2平板状コイル群(81)を構成する第2
コイルユニット(83)が形成されていることを特徴と
する。
【0042】これによれば、第3コイル対で発生するロ
ーレンツ電磁力の合力の方向と第4コイル対で発生する
ローレンツ電磁力の合力の方向とは互い交差する。した
がって、第3コイル対に供給する電流値と第4コイル対
に供給する電流値とを調節することにより、任意の方向
への推力を発生することができる。そして、任意の方向
への推力について、平板状発磁体と第1平板状コイル群
との相互作用力による推力の変化を、平板状発磁体と第
2平板状コイル群との相互作用力によって補うことがで
きるので、全体として安定した推力を発生することがで
きる。
【0043】請求項11に記載の発明は、請求項10の
平面型モータにおいて、前記第2平板状コイル群(8
1)は、マトリクス状に配列された複数の前記第2コイ
ルユニット(83)を備えることを特徴とする。
【0044】これによれば、任意の方向への推力を発生
できる第2コイルユニットがマトリクス状に配列されて
いるので、平板状発磁体と第2平板状コイル群との相対
移動を任意の直線方向及び任意の回転方向について、平
板状発磁体と第1平板状コイル群との相互作用力による
推力の変化を、平板状発磁体と第2平板状コイル群との
相互作用力によって補うことができるので、広い範囲に
わたって、安定した大きな推力を発生することができ
る。
【0045】請求項12に記載の発明は、請求項10の
平面型モータにおいて、前記駆動制御装置(19,2
0)は、選択された前記第1コイル対(64)には第1
駆動信号を供給し、選択された前記第2コイル対(6
5)には第2駆動信号し、選択された第3コイル対(8
4)には、前記第1駆動信号とは位相の異なる第3駆動
信号を供給し、選択された第4コイル対(85)には、
前記第2駆動信号とは位相の異なる第4駆動信号を供給
することを特徴とする。
【0046】上述した請求項10の平面型モータの場合
は、前述のように、第1コイル対と第3コイル対とは、
ずれて配列され、また、第2コイル対と第4イル対と
は、ずれて配列されている。請求項12の平面型モータ
では、これを考慮して、第1駆動信号と第3駆動信号と
の位相をずらし、かつ、第2駆動信号と第4駆動信号と
の位相をずらしているので、平板状発磁体と第1平板状
コイル群との相互作用力による推力の変化を、平板状発
磁体と第2平板状コイル群との相互作用力によって効果
的に補うことができる。
【0047】請求項13に記載の発明は、請求項1の平
面型モータにおいて、前記電機子コイル(64a,64
b)を前記平板状発磁体側とは反対側で支持する第2磁
性体部材(62)を更に備えることを特徴とする。
【0048】これによれば、電機子コイルの平板状発磁
体側とは反対側での磁気回路が第2磁性体部材を介して
構成されるので、安定した磁気回路が構成できるととも
に、磁束を第2磁性体部材の中に閉じ込めることができ
る。したがって、電機子コイルの平板状発磁体側とは反
対側に配設される部材に対する磁気の影響を防止でき
る。
【0049】請求項14に記載の発明は、請求項1の平
面型モータにおいて、前記平板状発磁体(52)と前記
第1平板状コイル群(61)との間に配置され、非磁性
体から成る平板状部材(68)を更に備えるとともに、
前記平板状発磁体(52)は、前記第1磁極面側に複数
の空気吹出し口を有することを特徴とする。
【0050】これによれば、複数の空気吹出し口から吹
き出された空気が平板状部材に吹き付けられることによ
り、平板状発磁体と平板状部材とが非接触となり、この
非接触状態が維持される。また、平板状部材は非磁性体
なので、平板状磁性体が発生する磁束に影響を与えるこ
とがない。したがって、平面型モータとしての推力を維
持しつつ、平板状発磁体と平板状部材(ひいては、第1
平板状コイル群)との非接触状態を簡易に達成できるの
で、小さな推力で高速の相対移動を簡易に行うことが可
能となる。
【0051】請求項15に記載の発明は、請求項1の平
面型モータにおいて、前記電機子コイル(64a,64
b)を冷却する冷却装置(75,76,79)を更に備
える。
【0052】請求項1の平面型モータでは、電機子モー
タに電流を供給すると電機子モータが発熱する。この発
熱により周囲温度が上昇することになるが、こうした温
度上昇により周囲部材は熱膨張することになる。こうし
た熱膨張は、この平面型モータにより駆動対象物体を精
度よく駆動制御しようとする際の精度低下要因となる。
【0053】請求項15の平面型モータでは、これを考
慮して、冷却装置によって発熱体である電機子コイルを
冷却することとしているので、駆動対象物体を精度よく
駆動することができる。
【0054】請求項15の平面型モータにおいて、冷却
装置の構成には様々考えられるが、請求項16に記載の
発明のように、前記電機子コイル(64a、64b)が
その一方の面に配置された第2磁性体部材(62)と、
前記電機子コイル(64a、64b)の前記第2磁性体
部材(62)と反対側に配置された、非磁性体から成る
平板状部材(68)との間の空間(66)に冷媒を供給
する冷媒供給装置を備えて冷却装置を構成することが可
能である。ここで、請求項17に記載の発明のように、
各電機子コイル(64a、64b)を樹脂剤(67)に
よって第2磁性体部材(62)に固定することが可能で
ある。これによれば、冷媒の流れる経路をなめらかな形
状とでき、冷媒の流れをスムーズなものとできるので、
効率的な冷却を行うことができる。
【0055】また、請求項18に記載の発明のように、
前記電機子コイルと該電機子コイルを前記平板状発磁体
側とは反対側で支持する第2磁性体部材との間に配設さ
れた複数のペルチェ素子を備えて冷却装置を構成するこ
とも可能である。
【0056】なお、請求項16及び請求項17の平面型
モータにおける冷却方式と請求項18の平面型モータに
おける冷却方式を併せて採用することも可能であり、こ
の場合には冷却効率が向上する。
【0057】請求項19に記載の発明は、請求項1〜1
8のいずれかに記載の平面型モータと;前記平板状発生
磁体(52)及び前記第1平板状コイル群(61)の一
方と一体的に移動する移動体とを備えるステージ装置で
ある。
【0058】これによれば、請求項1〜18のいずれか
に記載の平面型モータで、移動体を駆動するので、優れ
た制御性、推力線形性、及び位置決め性を有するととも
に、大きな推力で高速に移動体を移動できる。
【0059】請求項20に記載の発明は、第1物体に形
成されたパターンを第2物体に転写する露光装置におい
て、請求項19に記載のステージ装置を、前記第1物体
及び前記第2物体の少なくとも一方の位置決めをする位
置決め装置として具備することを特徴とする。
【0060】これによれば、請求項19に記載のステー
ジ装置でウエハ等を精度よく高速に位置決めするので、
スループットを向上しつつ高い露光精度で露光すること
ができる。
【0061】請求項21に記載の発明は、少なくとも1
つの磁石(54N,54S)を含む平板状発磁体(5
2)と;前記磁石(54N,54S)の磁極面に対向し
て配置され、前記磁石(54N,54S)の磁極面の面
積内に入る一対の電機子コイル(64a,64b)で構
成されるコイル対(64)と;前記コイル対(64)の
各々に流れる電流値及び電流方向の少なくとも一方を制
御する駆動制御装置(19,20)とを備え、前記コイ
ル対(64)の各々の電機子コイル(64a,64b)
に流れる電流値及び電流方向の少なくとも一方を制御す
ることによって前記コイル対(64)と前記磁石(54
N,54S)との間に発生するローレンツ電磁力の合力
により、平板状発磁体(52)は、前記磁極面と平行な
面内を前記コイル対(64)に対して相対移動すること
を特徴とする。
【0062】本請求項21の平面型モータでは、平板状
発磁体が発生した磁束と駆動制御装置がコイル対に供給
した電流との相互作用によって各コイルで発生したロー
レンツ電磁力によってモータ駆動を行う。すなわち、可
動子がコイル対を備える場合には、電機子コイルで発生
したロレーンツ力が可動子を駆動する推力となり、一方
可動子が平板状発磁体を備える場合には、このローレン
ツ電磁力の反力が可動子を駆動する推力となる。そし
て、一対の電機子コイルをコイル対として、このコイル
対を構成する各電機子コイルに供給する電流値及び電流
方向を駆動制御装置が制御することにより推力を制御し
ている。
【0063】したがって、請求項21の平面型モータに
よれば、平板状発磁体で配列される各永久磁石及びコイ
ル対には専用の駆動方向は存在しないので、広範囲及び
高密度に永久磁石及びコイル対を配列することが可能で
ある。そして、駆動制御装置によってコイル対を構成す
る各電機子コイルに流れる電流値及び電流方向を調整す
ることにより、駆動に寄与する永久磁石及び電機子コイ
ルの数を多くできるので、制御性、推力線形性、及び位
置決め性に優れたローレンツ電磁力方式の長所を生かし
つつ、大きな推力を発生することができる。
【0064】請求項21の平面型モータにおいて前記コ
イル対の構成は様々考えられるが、請求項22に記載の
発明のように、前記磁石の前記磁極面が矩形状であり、
前記コイル対(64)は前記磁石(54N,54S)の
磁極面の一辺の半分の長さを一辺とする矩形の一対の電
機子コイル(64a,64b)であり、該各電機子コイ
ル(64a,64b)の各辺に発生するローレンツ電磁
力の合力により、平板状発磁体(52)は前記コイル対
(64)に対して相対移動することとすることが可能で
ある。
【0065】上述した請求項21の平面型モータでは、
ローレンツ電磁力は各電機子コイルの電流経路の各所で
発生するが、コイルの電流経路として通常の形状、例え
ば、円形状や矩形状の各電機子コイルの電流経路では、
対向する位置を流れる電流同士はそれらの値は同一であ
り、電流方向は互いに逆方向となる。しかしながら、平
板状発磁体を構成する磁石が発生した磁束のコイル対の
位置における磁束密度を考えると、磁石の磁極面の中心
に対向する位置における磁束密度が最も高く、該磁極面
の周辺に対向する位置ほど磁束密度が小さくなる。した
がって、各電機子コイルの電流経路において互いに対向
する位置で発生するローレンツ電磁力について、磁石の
磁極面の中心に対向する位置により近い位置のローレン
ツ電磁力の方が大きくなり、磁極面の中心に対向する位
置により近い位置で発生したローレンツ電磁力の方向の
力が各電機子コイルに作用する力となる。こうした、対
向する電流経路の位置についての力の電流経路全てに関
する合力が各電機子コイルについて働く力となり、モー
タ駆動力の源となる。
【0066】請求項22の平面型モータでは、これを考
慮して、前記第1の磁極面を矩形状とし、かつ、各電機
子コイルの電流経路の形状をこの磁極面の一辺の半分の
長さを一辺とする矩形状として、各電機子コイルに働く
力を効率よく発生させるとともに、平板状発磁体の前記
磁極面と平行な面内におけるコイル対に対する相対移動
の間においても電機子コイルに働く力を安定して発生さ
せ、かつ、電機子コイルの配列性をよくしている。
【0067】また、請求項21の平面型モータにおいて
前記磁石の構成は様々考えられるが、請求項23に記載
の発明のように、前記平板状発磁体を構成する前記少な
くとも1つの磁石は、永久磁石又は電磁石、あるいは永
久磁石及び電磁石の任意の組み合わせとすることができ
る。
【0068】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の全体
的な構成が概略的な構成が示されている。なお、この露
光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン
露光方式の投影露光装置である。
【0069】この露光装置100は、光源1及び照明光
学系(2、3、5〜7)を含む照明系、マスクとしての
レチクルRを保持するマスクステージとしてのレチクル
ステージRST、投影光学系PL、感応基板としてのウ
エハWをXY平面内でXY2次元方向に駆動するステー
ジ装置、及びこれらの制御系等を備えている。
【0070】前記照明系は、光源1、コリメータレン
ズ、フライアイレンズ等(いずれも図示せず)からなる
照度均一化光学系2、リレーレンズ3、レチクルブライ
ンド5、リレーレンズ6及び折り曲げミラー7(この
内、照度均一化光学系2、リレーレンズ3、6及び折り
曲げミラー7によって照明光学系が構成される)等を含
んで構成されている。
【0071】ここで、この照明系の構成各部についてそ
の作用とともに説明すると、光源1で発生した露光光と
しての照明光ILは不図示のシャッターを通過した後、
照度均一化光学系2により照度分布がほぼ均一な光束に
変換される。照明光ILとしては、例えばKrFエキシ
マレーザ光、ArFエキシマレーザ光、あるいはF2
キシマレーザ光等のエキシマレーザ光、銅蒸気レーザや
YAGレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプから
の紫外域の輝線(g線、i線等)等が用いられる。
【0072】照度均一化光学系2から射出された光束
は、リレーレンズ3を介して、レチクルブラインド5に
達する。このレチクルブラインド5は、2枚の可動ブレ
ード45A、45Bを有する可動ブラインド(以下、こ
の可動ブラインドを適宜「可動ブラインド45A、45
B」と呼ぶ)と、この可動ブラインド45A、45Bの
近傍に配置された開口形状が固定された固定ブラインド
46とから構成される。可動ブラインド45A、45B
の配置面はレチクルRのパターン面と共役となってい
る。固定ブラインド46は、例えば4個のナイフエッジ
により矩形の開口を囲んだ視野絞りであり、その矩形開
口の上下方向の幅が可動ブラインド45A、45Bによ
って規定されるようになっており、これによりレチクル
Rを照明するスリット状の照明領域IAR(図6参照)
の幅を所望の大きさに設定できるようになっている。可
動ブラインド45A、45Bは、可動ブラインド駆動機
構43A、43Bによって開閉方向に駆動されるように
なっており、この駆動機構43A、43Bの動作が不図
示のメモリに格納されたプロセスプログラムと呼ばれる
ファイル内のマスキング情報に応じて主制御装置20に
よって制御されるようになっている。
【0073】レチクルブラインド5を通過した光束は、
リレーレンズ6を通過して折り曲げミラー7に至り、こ
こで鉛直下方に折り曲げられて回路パターン等が描かれ
たレチクルRの照明領域IAR部分(図6参照)を照明
する。
【0074】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチク
ルステージRSTは、レチクルRの位置決めのため、照
明光学系の光軸IX(後述する投影光学系PLの光軸A
Xに一致)に垂直な平面内で2次元的に(X軸方向及び
これに直交するY軸方向及びXY平面に直交するZ軸回
りの回転方向に)微少駆動可能に構成されている。
【0075】また、このレチクルステージRSTは、不
図示のレチクルベース上をリニアモータ等で構成された
レチクル駆動部(図示省略)により、所定の走査方向
(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で移
動可能となっている。このレチクルステージRSTは、
レチクルRの全面が少なくとも照明光学系の光軸IXを
横切ることができるだけの移動ストロークを有してい
る。
【0076】レチクルステージRST上にはレチクルレ
ーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16か
らのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されてお
り、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置
はレチクル干渉計16によって、例えば0.5〜1nm
程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レ
チクルステージRST上には走査方向(Y軸方向)に直
交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方向)
に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レチク
ル干渉計16は走査方向に1軸、非走査方向には2軸設
けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡1
5、レチクル干渉計16として示されている。
【0077】レチクル干渉計16からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系19及びこれを介
して主制御装置20に送られ、ステージ制御系19では
主制御装置20からの指示に応じてレチクルステージR
STの位置情報に基づいてレチクル駆動部(図示省略)
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0078】なお、不図示のレチクルアライメント系に
より所定の基準位置にレチクルRが精度良く位置決めさ
れるように、レチクルステージRSTの初期位置が決定
されるため、移動鏡15の位置をレチクル干渉計16で
測定するだけでレチクルRの位置を十分高精度に測定し
たことになる。
【0079】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックな光学配置となるよ
うに光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚
のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されてい
る。この投影光学系PLは所定の投影倍率、例えば1/
5(あるいは1/4)を有する縮小光学系である。この
ため、照明光学系からの照明光ILによってレチクルR
の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通
過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してレチ
クルRの回路パターンの縮小像が表面にフォトレジスト
が塗布されたウエハW上に形成される。
【0080】前記ステージ装置は、ベース21と、この
ベースの上面の上方に数μm程度のクリアランスを介し
て不図示のエアベアリングによって浮上支持された基板
ステージ18と、この基板ステージ18をXY面内で2
次元駆動する駆動装置50とを備えている。ここで、上
記エアベアリングに空気ポンプ59から空気(エアー)
が供給されている。
【0081】前記基板ステージ18上には、ウエハホル
ダ25が固定され、このウエハホルダ25によってウエ
ハWが例えば真空吸着によって保持されている。
【0082】また、基板テーブル18上にはウエハレー
ザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からの
レーザビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に
配置された前記ウエ干渉計31により、基板テーブル1
8のXY面内での位置が例えば0.5〜1nm程度の分
解能で常時検出されている。
【0083】ここで、実際には、図2に示されるよう
に、基板テーブル18上には走査方向であるY軸方向に
直交する反射面を有する移動鏡27Yと非走査方向であ
るX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡27Yとが
設けられ、ウエハ干渉計31は走査方向に1軸、非走査
方向には2軸設けられているが、図1ではこれらが代表
的に移動鏡27、ウエハ干渉計31として示されてい
る。基板テーブル18の位置情報(又は速度情報)はス
テージ制御系19及びこれを介して主制御装置20に送
られ、ステージ制御系19では主制御装置20からの指
示に応じて前記位置情報(又は速度情報)に基づいて駆
動装置50を制御する。
【0084】また、基板テーブル18上には、不図示の
オフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心から
投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベースライ
ン計測等のための各種基準マークが形成された基準マー
ク板FMが固定されている。
【0085】前記駆動装置50としては、本実施形態で
は、ベース21上面に埋め込まれた固定子60と、基板
ステージの底面(ベース対向面)に固定された可動子5
1とから成る平面型モータが使用されている。以下の説
明においては、この駆動装置50を、便宜上、平面型モ
ータ50と呼ぶものとする。以下、この平面型モータ5
0の構成各部について、その周辺の部材を含めて詳細に
説明する。
【0086】前記可動子51は、図2のステージ装置周
辺の概略斜視図に示されるように、基板ステージ18の
底面に一体的に貼り付けられた強磁性体材料から成る平
板状の強磁性体部材53と、この強磁性体部材53の底
面(ベース対向面)に固定された平板状発磁体52とか
ら構成されている。
【0087】図3には、この可動子51の構成が示され
ている。なお、この図3では可動子51の構成の理解を
容易にするため、及び図示の都合上、紙面下方向を+Z
方向としており、図1及び図2とは上下を逆にして可動
子51の構成が示されている。可動子51は、平板状発
磁体52と強磁性体材料から成る平板状の強磁性体部材
53とを備えることは前述の通りである。この平板状発
磁体52は、図3に示されるように、固定子60に対向
する側(図3の紙面上側)の磁極面がN極であり、この
磁極面の一辺がほぼ2Lの長さの正方形である複数の永
久磁石54Nと、固定子60に対向する側の磁極面がS
極であり、この磁極面の一辺がほぼ2Lの長さの正方形
である複数の永久磁石54Sとから成る(以下、永久磁
石54N及び永久磁石54Sを総称して、「永久磁石5
4」とも呼ぶ)。永久磁石54Nと永久磁石54Sとは
同一の磁力の磁石であり、強磁性体部材53上で交互に
マトリクス状に配列されいる。
【0088】また、この可動子51を構成する永久磁石
54相互間には空気吹出し口の役目を兼ねる微少隙間が
形成されており、これらの隙間を介して基板テーブル1
8の上部に接続された空気チューブを介して前記空気ポ
ンプから供給される加圧空気がベース21の上面に向か
って吹き出され、ベース21の上面と平板状発磁体52
との間の空気層の静圧(いわゆる隙間内圧力)により可
動子を含む基板ステージ18が、前記の如く浮上支持さ
れている(図1、図2参照)。
【0089】図4には、前述した平面型モータ50の固
定子60を含むベース21の一部破断した概略断面図が
示されている。この図4に示されるように、ベース21
は、断面が長方形の枠部材69と、この枠部材の高さ方
向の中央部やや下方に架設された強磁性体材料から成る
平板状の強磁性体部材62と、枠部材の上部開口を閉塞
する状態で一体的に取り付けられたセラミック等の非磁
性体材料から成る平板状部材68とを備えている。
【0090】前記強磁性体部材62の上面に、ペルチェ
素子をそれぞれ介して複数のコイルユニット63が配置
されている。これらの複数のコイルユニット63によっ
て平板状コイル群61が構成され、この平板状コイル群
61と前記強磁性体部材62とによって、前述した平面
型モータ50の固定子60が構成されている。なお、平
板状コイル群61を構成するコイルユニット63の配置
等については後述する。前記ペルチェ素子75には、図
1に示される冷却制御機79から冷却用電流が供給され
る。また、強磁性体部材62のコイルユニット63配列
面の反対側の面上には、放熱のためのフィン部材76が
配設されている。
【0091】前記平板状部材68と枠部材69と強磁性
体部材62とで囲まれる閉空間66は、ここでは、平板
状コイル群61を冷却するための冷却液(冷媒)の通路
とされている。すなわち、この閉空間66のY方向一側
には、流入口71が設けられ、Y方向の他側には流出口
(排出口)72が設けられている。そして、図1に示さ
れる冷媒供給装置としての冷却制御機79から冷却液
(例えば、水又はフロリナート(商品名))が流入口7
1を介して該閉空間66に送り込まれ、該空間内部を通
過するときに平板状コイル群61との間で熱交換を行
い、平板状コイル群61で発生した熱を吸収して高温と
なった冷却液が流出口72を介して外部に排出されるよ
うになっている。この場合、流出口72を介して排出さ
れた冷却液は液通路を介して前記冷却制御機79に戻さ
れ、ここで再び冷却されて前記閉空間66に送り込まれ
るようになっている。但し、必ずしもこのような冷却液
の循環経路を構成することなく、熱吸収後の冷却液を外
部に排出するようにしても良い。なお、本実施形態で
は、冷却制御機79、ペルチェ素子75、及びフィン部
材76とから冷却装置が構成されている。
【0092】図5には、前述した平板状コイル群61の
構成が示されている。平板状コイル群61は、図5
(A)に示されるように、マトリクス状に配列された複
数のコイルユニット63から構成されている。このコイ
ルユニット63は、図5(B)に示されるように、4つ
の電機子コイル64a、64b、65a、及び65bか
ら成る。そして、図5(C)に示されるように、電機子
コイル64aと電機子コイル64bとからコイル対64
が構成され、それぞれの電機子コイルの電流経路は逆回
りに設定されている。このコイル対64に供給される駆
動電流は、ステージ制御系19によってその電流値及び
電流方向が制御されるようになっている。また、図5
(D)に示されるように、電機子コイル65aと電機子
コイル65bとからコイル対65が構成され、それぞれ
の電機子コイルの電流経路は逆回りに設定されている。
このコイル対65に供給される駆動電流もステージ制御
系19によって電流値及び電流方向が制御される。
【0093】本実施形態の走査型露光装置100におい
ては、図6に示されるように、レチクルRの走査方向
(Y軸方向)に対して垂直な方向に長手方向を有する長
方形(スリット状)の照明領域IARでレチクルRが照
明され、レチクルRは露光時に−Y方向に速度VR で走
査(スキャン)される。照明領域IAR(中心は光軸A
Xとほぼ一致)は投影光学系PLを介してウエハW上に
投影され、照明領域IARに共役なスリット状の投影領
域、すなわち露光領域IAが形成される。ウエハWはレ
チクルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハWは速度
R の方向とは反対方向(+Y方向)にレチクルRに同
期して速度VW で走査され、ウエハW上のショット領域
SAの全面が露光可能となっている。走査速度の比VW
/VR は正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じたもの
になっており、レチクルRのパターン領域PAのパター
ンがウエハW上のショット領域SA上に正確に縮小転写
される。照明領域IARの長手方向の幅は、レチクルR
上のパターン領域PAよりも広く、遮光領域STの最大
幅よりも狭くなるように設定され、走査(スキャン)す
ることによりパターン領域PA全面が照明されるように
なっている。
【0094】以下、本実施形態におけるウエハWの移動
時の各部の作用について説明する。まず、本実施形態に
おけるウエハWの移動、すなわち、平面型モータ50に
おける可動子51の移動の原理の概要を、図7〜図13
を参照して説明する。
【0095】図7には、平板状発磁体52が発生する磁
力線の概要が示されている。なお、図7(A)において
は、磁力線が実線矢印で示されている。図7(A)に示
されるように、平板状発磁体52を構成する永久磁石5
4Nは−Z方向(紙面下向き)の磁力線を発生し、ま
た、永久磁石54Sは+Z方向(紙面上向き)の磁力線
を発生する。そして、強磁性体部材53及び強磁性体部
材62と共に磁気回路を構成する。なお、以下の説明で
は、永久磁石54Nと永久磁石54Sとは同一の磁力の
永久磁石であるとする。
【0096】このとき、強磁性体部材62付近、すなわ
ち平板状コイル群61が配設されるZ位置の磁束密度B
は、図7(B)に示されるような分布となる。すなわ
ち、永久磁石54の磁極面の中心点に応じた位置で磁束
密度Bの絶対値が最大となり、この点から磁極面の周辺
部に応じた位置へ行くほど磁束密度Bの絶対値は小さく
なり、永久磁石54Nと永久磁石54Sとの境界面に応
じた位置で磁束密度Bは零となる。また、磁束密度Bの
分布は、磁極面の中心点に応じた位置を中心として、±
Y方向について対称となっている。図7(B)では、磁
力線の方向が+Z方向の場合に磁束密度Bの値を正と
し、磁力線の方向が−Z方向の場合に磁束密度Bの値を
負としている。また、図7ではY方向に関する磁束密度
Bの分布が示されているが、X方向に関する磁束密度B
の分布も図7(B)の分布と同様となる。
【0097】図8及び図9には、図7(B)に示された
分布の磁束密度Bの環境中における1つのコイル対64
に働く力が示されている。なお、図8では、永久磁石5
4a、54bの最小配列単位である2×2のマトリクス
状配列に対する1つのコイル対64の場合を想定してい
る。なお、以下の説明では、この2×2のマトリクスの
中心を原点OとしたXY座標系を用いていており、ま
た、電機子コイル64a及び電機子コイル64bの電流
経路はX方向又はY方向のいずれかに平行となるように
している。
【0098】まず、図8(A)のように、コイル対64
が紙面右下の永久磁石54Nの磁極面にのみ対向、すな
わちコイル対64の中心座標が(L、−L)であり、電
機子コイル64a及び電機子コイル64bの電流経路は
X方向又はY方向のいずれかに平行である場合を考え
る。また、電機子コイル64aには紙面左回り(反時計
回り)で電流値Iの電流が流れ、したがって電機子コイ
ル64bには紙面右回り(時計回り)で電流値Iの電流
が流れている場合を考える。
【0099】このとき、コイル対64に働く力は図8
(B)に示すようになる。すなわち、電機子コイル64
aに働く力の内、X成分はY軸方向に沿って流れる電流
に関して発生するローレンツ電磁力Fa1、Fa3である
が、ローレンツ電磁力Fa3を発生させる電流経路は永久
磁石54Nと永久磁石54Sとの境界部近傍なので、ロ
ーレンツ電磁力Fa3は非常に小さく(ほぼ零に)なる。
一方、電機子コイル64aに働く力の内、Y成分はX軸
方向に沿って流れる電流に関して発生するローレンツ電
磁力Fa2、Fa4であるが、ローレンツ電磁力Fa2を発生
させる電流経路は永久磁石54Nと永久磁石54Sとの
境界部近傍なので、ローレンツ電磁力Fa4は非常に小さ
く(ほぼ零に)なる。したがって、電機子コイル64a
に働く力は、ローレンツ電磁力Fa1とローレンツ電磁力
a4の合力であり、そのX成分が−X方向のローレンツ
電磁力Fa1となり、Y成分が+Y方向のローレンツ電磁
力Fa4となる。ところで、前述した永久磁石54が発生
する磁束密度Bの分布のXY対称性から、ローレンツ電
磁力Fa1とローレンツ電磁力Fa4とではそれぞれの大き
さが同じである。したがって、電機子コイル64aに働
く力の方向は紙面左上45°方向となる。
【0100】また、電機子コイル64bに働く力は、電
機子コイル64aの場合と同様に考えることができ、大
きさが互いに同一である、−X方向のローレンツ電磁力
b3と+Y方向のローレンツ電磁力Fb2の合力となる。
すなわち、電機子コイル64bに働く力の方向も紙面左
上45°方向となる。したがって、コイル対64に働く
力Fは電機子コイル64aに働く力と電機子コイル64
bに働く力との合力なので、その方向は紙面左上45°
方向の方向となる。この結果、永久磁石54Nを含む可
動子51は、紙面右下45°方向に駆動される。
【0101】なお、コイル対64が紙面左下の永久磁石
54Sの磁極面にのみ対向する場合には、永久磁石54
Nの場合と比べて磁力線の方向が逆となるので、図8
(B)に示された力と反対向きの力が働くことになる。
また、図8(A)の状態においてコイル対64の電流方
向を逆にした場合も、図8(B)に示された力と反対向
きの力が働くことになる。
【0102】図8(B)に示された力による駆動の結
果、永久磁石54とコイル対64との位置関係が図8
(C)に示されるようになる。なお、図8(C)では、
コイル対64の中心位置座標が(u,−u)(L/2<
u<L)とする。
【0103】このとき、コイル対64に働く力は図8
(D)のようになる。すなわち、電機子コイル64aに
働く力の内、X成分はY軸方向に沿って流れる電流に関
して発生するローレンツ電磁力Fa1N 、Fa1S
a3N 、Fa3S である。ここで、電機子コイル64aの
同一の辺に発生するローレンツ電磁力Fa1N とローレン
ツ電磁力Fa1S との合力Fa1を考えると、前述した磁束
密度Bの分布の対称性及びそれぞれのローレンツ電磁力
を生じさせる電流経路の長さを考慮すると、−X方向の
ローレンツ電磁力Fa1N の大きさの方が+X方向のロー
レンツ電磁力Fa1S の大きさよりも大きくなる。したが
って、合力Fa1は−X方向の力となる。これと同様にし
て、ローレンツ電磁力Fa3N とローレンツ電磁力Fa3S
との合力Fa3も−X方向の力となる。また、電機子コイ
ル64aに働く力の内、Y方向の成分はX軸方向に沿っ
て流れる電流に関して発生するローレンツ電磁力
a2N 、Fa2S 、Fa4N 、Fa4S に関しては、前述した
磁束密度Bの分布の対称性及びそれぞれのローレンツ電
磁力を生じさせる電流経路の長さを考慮すると、ローレ
ンツ電磁力Fa2N とローレンツ電磁力Fa2S との合力F
a2は+Y方向の力であり、また、ローレンツ電磁力F
a4N とローレンツ電磁力Fa4S との合力Fa4は+Y方向
の力である。ところで、やはり磁束密度Bの分布の対称
性及びそれぞれのローレンツ電磁力が生じる電流経路の
長さを考慮すると、合力Fa1と合力Fa4との大きさは同
一であり、かつ、合力Fa2と合力Fa3との大きさは同一
である。したがって、電機子コイル64aに働く力は図
8(B)の場合と比べて小さくなるが、その方向は、紙
面左上45°方向となる。
【0104】また、電機子コイル64bに働く力につい
ては、X成分はY軸方向に沿って流れる電流に関して発
生するローレンツ電磁力Fb1(+X方向の力)、F
b3(−X方向の力)である。ここで、ローレンツ電磁力
b3を発生させる電流経路の方がローレンツ電磁力Fb1
を発生させる電流経路よりも永久磁石54Nの中心点に
対応する位置(座標(L、−L))に近いので、ローレ
ンツ電磁力Fb3の大きさの方がローレンツ電磁力Fb1
の大きさよりも大きくなる。したがって、電機子コイル
64bに働く力のX成分であるローレンツ電磁力Fb3
ローレンツ電磁力Fb1との合力は−X方向の力となる。
一方、電機子コイル64bに働く力の内、Y方向の成分
はX軸方向に沿って流れる電流に関して発生するローレ
ンツ電磁力Fb2(+Y方向の力)、Fb4(−Y方向の
力)であるが、ローレンツ電磁力Fb2を発生させる電流
経路の方がローレンツ電磁力Fb4を発生させる電流経路
よりも永久磁石54Nの中心点に対応する位置(座標
(L、−L))に近いので、ローレンツ電磁力Fb2の大
きさの方がローレンツ電磁力Fb4の大きさよりも大きく
なる。したがって、電機子コイル64bに働く力のY成
分であるローレンツ電磁力Fb2とローレンツ電磁力Fb4
との合力は+Y方向の力となる。ところで、前述した磁
束密度Bの分布の対称性より、電機子コイル64bに働
く力のX成分とY成分との大きさは互いに同一であるの
で、電機子コイル64bに働く力は図8(B)の場合と
比べて小さくなるが、その方向は紙面左上45°の方向
となる。
【0105】したがって、コイル対64に働く力Fは電
機子コイル64aに働く力と電機子コイル64bに働く
力との合力なので、その大きさは図8(B)の場合と比
べて小さくなるが、その方向は紙面左上45°方向であ
る。この結果、永久磁石64Nを含む可動子51は、紙
面右下45°方向に駆動される。なお、コイル対64に
供給される電流の電流値及び電流方向が変化しなけれ
ば、図8(C)において、コイル対64の中心座標
(u,−u)が座標(L/2,−L/2)に近づくほど
コイル対64に働く力は小さくなる。
【0106】こうして可動子51が紙面右下45°方向
に連続的に駆動され、コイル対64の中心位置座標が
(L/2,−L/2)となる。
【0107】このとき、コイル対64に働く力は図8
(D)のように零となる。すなわち、電機子コイル64
aに働く力の内、X成分はY軸方向に沿って流れる電流
に関して発生するローレンツ電磁力Fa1N 、Fa1S 、F
a3N 、Fa3S である。ここで、前述した磁束密度Bの分
布の対称性及びそれぞれのローレンツ電磁力を生じさせ
る電流経路の長さを考慮すると、電機子コイル64aの
同一の辺に発生するローレンツ電磁力Fa1N とローレン
ツ電磁力Fa1S とは力の向きが互い逆方向であり、か
つ、それぞれの力の大きさが同一である。すなわち、ロ
ーレンツ電磁力Fa1 N とローレンツ電磁力Fa1S との合
力Fa1は零となる。これと同様にして、ローレンツ電磁
力Fa3N とローレンツ電磁力Fa3S との合力Fa3も零と
なる。したがって、電機子コイル64aに働く力のX成
分は零となる。また、電機子コイル64aに働く力の
内、Y成分はX軸方向に沿って流れる電流に関して発生
するローレンツ電磁力Fa2N 、Fa2S 、Fa4N 、Fa4S
に関しても、前述した磁束密度Bの分布の対称性及びそ
れぞれのローレンツ電磁力を生じさせる電流経路の長さ
を考慮すると、ローレンツ電磁力Fa2N とローレンツ電
磁力Fa2S との合力Fa2は零であり、また、ローレンツ
電磁力Fa4N とローレンツ電磁力Fa4S との合力Fa2
零となる。したがって、電機子コイル64aに働く力は
零となる。
【0108】また、電機子コイル64bに働く力につい
ては、X成分はY軸方向に沿って流れる電流に関して発
生するローレンツ電磁力Fb1(+X方向の力)、F
b3(−X方向の力)であるが、磁束密度Bの対称性を考
慮すると、これらの力は大きさが同一、かつ方向が互い
に逆方向なので、これらの力の合力は零となる。これと
同様にして、電機子コイル64bに働く力のY成分であ
るローレンツ電磁力Fb2とローレンツ電磁力Fb4との合
力も零となる。したがって、電機子コイル64bに働く
力は零となる。
【0109】したがって、コイル対64に働く力は零と
なる。こうして、コイル対の中心位置が座標(L/2,
−L/2)の場合にコイル対64に働く力が零となるの
は、もっぱら磁束密度Bの分布の対称性によるものであ
り、コイル対64に供給される電流の電流値や電流方向
を変化させても変わらない。
【0110】次に、永久磁石54とコイル対64との位
置関係が図9(C)に示されるような位置関係、すなわ
ち、コイル対64の中心位置座標が(u,−u)(0<
u<L/2)となった場合を考える。
【0111】このとき、コイル対64に働く力は図9
(D)に示す通りとなる。すなわち、電機子コイル64
aに働く力の内、X成分はY軸方向に沿って流れる電流
に関して発生するローレンツ電磁力Fa1N 、Fa1S 、F
a3N 、Fa3S である。ここで、電機子コイル64aの同
一の辺に発生するローレンツ電磁力Fa1N とローレンツ
電磁力Fa1S との合力Fa1を考えると、前述した磁束密
度Bの分布の対称性及びそれぞれのローレンツ電磁力を
生じさせる電流経路の長さを考慮すると、図8(D)の
場合とは反対に、−X方向のローレンツ電磁力Fa1N
大きさの方が+X方向のローレンツ電磁力Fa1S の大き
さよりも小さくなる。したがって、合力Fa1は+X方向
の力となる。これと同様にして、ローレンツ電磁力F
a3N とローレンツ電磁力Fa3S との合力Fa3も+X方向
の力となる。また、電機子コイル64aに働く力の内、
Y成分はX軸方向に沿って流れる電流に関して発生する
ローレンツ電磁力Fa2N 、Fa2S 、Fa4N 、Fa4S に関
しては、前述した磁束密度Bの分布の対称性及びそれぞ
れのローレンツ電磁力が生じる電流経路の長さを考慮す
ると、図8(D)の場合と反対に、ローレンツ電磁力F
a2N とローレンツ電磁力Fa2S との合力Fa2は−Y方向
の力であり、また、ローレンツ電磁力Fa4N とローレン
ツ電磁力Fa4S との合力Fa4も−Y方向の力である。と
ころで、やはり磁束密度Bの分布の対称性及びそれぞれ
のローレンツ電磁力を生じさせる電流経路の長さを考慮
すると、図8(D)の場合と同様に、合力Fa1と合力F
a4との大きさは同一であり、かつ、合力Fa2と合力Fa3
との大きさは同一である。したがって、電機子コイル6
4aに働く力の方向は、紙面右下45°方向となる。
【0112】また、電機子コイル64bに働く力につい
ては、X成分はY軸方向に沿って流れる電流に関して発
生するローレンツ電磁力Fb1(+X方向の力)、F
b3(−X方向の力)である。ここで、ローレンツ電磁力
b3を発生させる電流経路の方がローレンツ電磁力Fb1
が発生する電流経路よりも永久磁石54Nの中心点に対
応する位置(座標(L/2、−L/2))から遠いの
で、ローレンツ電磁力Fb3の大きさの方がローレンツ電
磁力Fb1の大きさよりも小さくなる。したがって、図8
(D)の場合とは反対に、電機子コイル64bに働く力
のX成分であるローレンツ電磁力Fb3とローレンツ電磁
力Fb1との合力は+X方向の力となる。一方、電機子コ
イル64bに働く力の内、Y成分はX軸方向に沿って流
れる電流に関して発生するローレンツ電磁力Fb2(+Y
方向の力)、Fb4(−Y方向の力)であるが、ローレン
ツ電磁力Fb2を発生させる電流経路の方がローレンツ電
磁力Fb4が発生する電流経路よりも永久磁石54Nの中
心点に対応する位置(座標(L/2、−L/2))から
遠いので、ローレンツ電磁力Fb2の大きさの方がローレ
ンツ電磁力Fb4の大きさよりも小さくなる。したがっ
て、図8(D)とは反対に、電機子コイル64bに働く
力のY成分であるローレンツ電磁力Fb2とローレンツ電
磁力Fb4との合力は−Y方向の力となる。ところで、前
述した磁束密度Bの分布の対称性より、電機子コイル6
4bに働く力のX成分とY成分との大きさは互いに同一
であるので、その方向は紙面右下45°方向となる。
【0113】したがって、コイル対64に働く力Fは電
機子コイル64aに働く力と電機子コイル64bに働く
力との合力なので、図8(D)の場合と反対に、その方
向は紙面右下45°方向である。この結果、永久磁石6
4Nを含む可動子51は、紙面左上45°方向に駆動さ
れる。なお、コイル対64に供給される電流の電流値及
び電流方向が変化しなければ、図9(C)において、コ
イル対64の中心座標(u,−u)が座標(L/2,−
L/2)から遠ざかるほどコイル対64に働く力は大き
くなる。
【0114】以上のようにして、コイル対64の中心位
置座標(u,−u)の値uを変化させながらコイル対6
4に働く力を求めると、この力の方向は必ず紙面左上4
5°方向又はこの方向の逆方向である紙面右下45°方
向であることが判る。すなわち、あるときにコイル対6
4の中心位置座標(u,−u)であり、電機子コイル6
4a及び電機子コイル64bの電流経路がX方向又はY
方向のいずれかに平行である場合には、コイル対64の
中心位置座標(u,−u)やコイル対64に供給される
電流の電流値によってその大きさは異なるが、電機子コ
イル64aと電機子コイル64bとの配列方向(すなわ
ち、紙面左上45°方向又は紙面右下45°方向に可動
子51を駆動することができる。
【0115】図10には、以上のような場合において、
コイル対64に供給される電流の電流値と電流方向を一
定としたとき(図10(A)参照)のコイル対64の中
心位置座標(u,−u)によるコイル対64に働く力F
の変化の様子が示されている(図10(B)参照)。な
お、図10(A)では、図8及び図9において、電機子
コイル64aの電流が左回りの場合に電流値Iを正とし
ている。また、図10(B)では、図8及び図9におい
て、力Fの方向が紙面左上45°方向の場合に力Fの大
きさを正とし、力Fの方向が紙面右下45°方向の場合
に力Fの大きさを負としている。
【0116】図10(B)に示されるように、この場合
には、コイル対64に供給される電流の電流値と電流方
向を一定としたときには、周期的(周期=2L)で力F
の大きさが変化しており、周期の半分の区間(例えば、
L/2<u<3L/2の区間)では力Fが正となり、周
期の他の半分の区間(例えば、−L/2<u<L/2の
区間)では力が負となる。
【0117】したがって、コイル対64に供給される電
流の電流値と電流方向を一定としたときには、一方向に
継続的に可動子51を継続的に駆動し続けることはでき
ないが、電流方向を値uに応じて変化させることによ
り、一方向に継続的に可動子51を駆動し続けることを
実現することができる。例えば、図11には、コイル対
64に正の力Fを継続的に働かせる電流制御の一例が示
されている。すなわち、図11(A)に示されるよう
に、周期の半分の区間(例えば、L/2<u<3L/2
の区間)では電流値Iを正とし、周期の他の半分の区間
(例えば、−L/2<u<L/2の区間)では電流値I
を負(すなわち、図8及び図9において、電機子コイル
64aの電流が右回り)とする。したがって、コイル6
4に働く力Fは、図11(B)に示されるように、負の
力となることはなく周期的(周期=L)な正の力Fとな
る。この結果、図8及び図9における紙面右下45°方
向に継続的に可動子51を駆動し続けることができる。
【0118】また、図12には、コイル対64に、図8
及び図9における紙面右下45°方向の力を継続的に働
かせる電流制御の一例が示されている。すなわち、図1
2(A)に示されるように、周期の半分の区間(例え
ば、L/2<u<3L/2の区間)では電流値Iを負と
し、周期の他の半分の区間(例えば、−L/2<u<L
/2の区間)では電流値Iを正とする。したがって、コ
イル64に働く力Fは、図12(B)に示されるよう
に、正の力となることはなく周期的(周期=L)な負の
力となる。この結果、図8及び図9における紙面左上4
5°方向に継続的に可動子51を駆動し続けることがで
きる。
【0119】したがって、コイル対64を電機子コイル
64aと電機子コイル64bとの配列方向に配列し、コ
イル対64に供給する電流を制御することにより、この
方向に沿って可動子51を自在に駆動することができ
る。
【0120】なお、図11及び図12では、コイル対6
4に供給する電流に関して、電流値Iの絶対値を一定と
して、電流方向のみをコイル対64と永久磁石54との
位置関係に応じて変化させたが、力Fの大きさは電流値
Iにより制御することができるので、電流値Iの絶対値
もコイル対64と永久磁石54との位置関係に応じて変
化させることにより、コイル対64に働く力(すなわ
ち、コイル対64に起因する可動子51の推力)を均一
化することができる。例えば、電流値Iが正又は負の各
区間のそれぞれの中央部における電流値Iの絶対値に比
べて、各区間の周辺部へ行くほど電流値の絶対値を大き
くすることにより、コイル対64に働く力Fの均一化を
図ることができる。
【0121】なお、以上のことは、コイル対64の中心
位置が座標(u,u)の場合にも、コイル対64に働く
力Fの方向を除いて同様である。
【0122】以上では、コイル対64の中心位置が永久
磁石54の磁極面の対角線上の点に応じた位置にあり、
電機子コイル64a及び電機子コイル64bの電流経路
がX方向又はY方向のいずれかに平行である場合につい
て説明したが、コイル対64の中心位置が永久磁石54
の磁極面の対角線上の点に応じた位置にない場合、また
は、電機子コイル64a及び電機子コイル64bの電流
経路はX方向又はY方向のいずれにも平行でない場合に
も、図8及び図9と同様にして、コイル対64に働く力
を求めることにより、コイル対64と永久磁石54との
相対位置関係に応じて、コイル対64に働く力及びその
反力である可動子51に付与される推力を求めることが
できる。
【0123】また、以上ではコイル対64について説明
したが、図5(D)に示されるコイル対65についても
同様のことがいえる。例えば、コイル対64の中心位置
が永久磁石54の磁極面の対角線上の点に応じた位置
(すなわち、コイル対65の中心位置が座標(u,±
u))であり、電機子コイル65a及び電機子コイル6
5bの電流経路がX方向又はY方向のいずれかに平行で
ある場合には、コイル対65に働く力の方向が、図8及
び図9において紙面右上45°方向又は紙面左下45°
方向であることを除いて、コイル対65の場合と同様で
ある。また、コイル対65の中心位置が永久磁石54の
磁極面の対角線上の点に応じた位置にない場合、また
は、電機子コイル65a及び電機子コイル65bの電流
経路はX方向又はY方向のいずれにも平行でない場合に
も、コイル対64の場合と同様に、コイル対65と永久
磁石54との相対位置関係に応じて、コイル対65に働
く力及びその反力である可動子51に付与される推力を
求めることができる。
【0124】次に、コイル対64とコイル対65とから
成るコイルユニット63(図5(B)参照)による可動
子51の駆動について説明する。
【0125】コイル対64及びコイル対65のいずれか
一方のみに電流が供給されているときには、電流が供給
されているコイル対のみによる駆動となり、前述のコイ
ル対64による駆動態様又はコイル対65による駆動態
様の通りとなる。コイル対64及びコイル対65の双方
に電流が供給されている場合には、コイルユニット63
に働く力は、コイル対64に働く力とコイル対65に働
く力との合力となる。ところで、コイルユニット63を
構成するコイル対64とコイル対65とでは電機子コイ
ルの配列方向が互いに直交しているので、コイル対64
に働く力とコイル対64に働く力とは互いに交差する方
向となる。したがって、コイルユニット63と永久磁石
54との位置関係に応じて、コイル対64及びコイル対
65に供給する電流それぞれの電流値及び電流方向を制
御することにより、コイルユニット63に働く力の大き
さ及び方向を任意に制御することができる。
【0126】図13には、典型的な例として、コイルユ
ニット63が永久磁石54Nに完全に対向し、コイル対
64に供給する電流の電流値とコイル対65に供給する
電流の電流値とを同一とした場合における、コイル対6
4及びコイル対65の電流方向によるコイルユニット6
3に働く力の方向が示されている。なお、力Fの説明図
である図13(B)、(D)、(F)、(H)では、電
流経路の各辺に発生するローレンツ電磁力が実線矢印で
示されて、また、これらのローレンツ電磁力の合力、す
なわちコイルユニット63に働く力が太線矢印で示され
ている。
【0127】図13(A)に示されるように、電機子コ
イル64aの電流経路が左回りであり、電機子コイル6
5aの電流経路が左回りである場合には、図13(B)
に示されるように、±X方向の力は互いに相殺されて、
+Y方向の力の成分のみが残る。したがって、コイルユ
ニット63に働く力の方向は+Y方向となる。また、図
13(C)に示されるように、電機子コイル64aの電
流経路が左回りであり、電機子コイル65aの電流経路
が右回りである場合には、図13(D)に示されるよう
に、±Y方向の力は互いに相殺されて、−X方向の力の
成分のみが残り、コイルユニット63に働く力の方向は
−X方向となる。また、図13(E)に示されるよう
に、電機子コイル64aの電流経路が右回りであり、電
機子コイル65aの電流経路が左回りである場合には、
図13(F)に示されるように、±Y方向の力は互いに
相殺されて、+X方向の力の成分のみが残り、コイルユ
ニット63に働く力の方向は+X方向となる。さらに、
また、図13(G)に示されるように、電機子コイル6
4aの電流経路が右回りであり、電機子コイル65aの
電流経路が右回りである場合には、図13(H)に示さ
れるように、±X方向の力は互いに相殺されて、−Y方
向の力の成分のみが残り、コイルユニット63に働く力
の方向は−Y方向となる。
【0128】図13では、コイル対64に供給する電流
の電流値とコイル対65に供給する電流の電流値とを同
一としたが、これらの電流値を変化させることにより、
所望の方向で所望の大きさの力をコイルユニット63に
働かせることができる。
【0129】また、図13では、コイルユニット63を
永久磁石54Nに完全に対向させたが、コイルユニット
63と永久磁石54との任意の位置関係の場合に、コイ
ル対64及びコイル対65に供給する電流の電流値及び
電流方向を制御することにより、所望の方向へ所望の大
きさの力をコイルユニット63に働かせることができ
る。すなわち、可動子51を所望の方向へ所望の大きさ
の力で駆動することができる。
【0130】なお、可動子51を所望の方向へ移動又は
所望の位置に停止させるときには、可動子51の平板状
発磁体52に対向するコイルユニット63の内、電流を
供給するものとして選択されたコイルユニット63(例
えば、全てのコイルユニット63)の全てについて、そ
れぞれが可動子に付与する力が同一となるように、選択
された各コイルユニット63へ供給する電流の電流値及
び電流方向を制御すればよい。また、可動子51を回転
させるときには、可動子51の平板状発磁体52に対向
するコイルユニット63の内、電流を供給するものとし
て選択されたコイルユニット63(例えば、可動子51
の周辺部分に対向するコイルユニット63)の位置に応
じて、異なる方向の力を付与するように、選択された各
コイルユニット63へ供給する電流の電流値及び電流方
向を制御すればよい。
【0131】したがって、本実施形態の平面型モータ5
0によれば、平板状発磁体52と前記平板状コイル群6
1との位置関係に応じて、電流を供給するコイルユニッ
ト63を選択し、選択されたコイルユニット63に供給
する電流の電流値及び電流方向を制御することにより、
XY平面内において所望の方向(回転方向を含む)及び
所望の推力で、可動子51を駆動することができる。
【0132】なお、平板状発磁体52を構成する各永久
磁石54及び平板状コイル群61を構成するコイルユニ
ット63には専用の駆動方向は存在しないので、双方と
も稠密に永久磁石54及びコイルユニット63を配列す
ることが可能であり、かつ、駆動に寄与する永久磁石5
4及び電機子コイルの数を多くできるので、可動子51
に対して大きな推力を付与することができる。また、平
板状コイル群61を構成するコイルユニット63へ供給
する電流の電流値及び電流方向を調整することにより、
制御性、推力線形性、及び位置決め性に優れた可動子5
1の駆動ができる。
【0133】本第1の実施形態に係るステージ装置で
は、前述の如く、ウエハWをウエハホルダ25を介して
保持する基板ステージ18に可動子51が取り付けられ
ているので、主制御装置20ではステージ制御系19を
介して上記のようにして可動子51を駆動制御すること
により、これと一体的に基板ステージ18及びウエハW
をXY面内で自在に移動させることができる。これを更
に詳述すると、所望の方向に所望の推力で可動子、すな
わち基板ステージ18を移動させるにあたって、主制御
装置20では、ステージ制御系19を介してウエハ干渉
計31の計測値(位置情報又は速度情報)をモニタし
て、その時点の可動子51と固定子とのXY面内での相
対位置関係を求める。そして、主制御装置20ではこの
求めた相対位置関係と基板ステージを駆動すべき目標位
置に応じて各コイルユニット63に供給すべき電流値及
び電流方向を演算により決定し、ステージ制御系19に
指令を与える。これにより、ステージ制御系19では、
指令に応じて各コイルユニット63に与える電流値び電
流方向を制御する。この際、主制御装置20では目標位
置に対する距離に応じて基板ステージ18の速度をも制
御する。
【0134】ここで、主制御装置20は、移動の各時点
ごとに、ウエハ干渉計31から通知された位置情報(又
は速度情報)に基づいて、各コイルユニット63に供給
する電流の電流値及び電流方向を求めることも可能であ
るが、制御応答が十分に早くできない場合には、移動を
開始させるときにその後のある期間においてウエハWが
所望の軌跡及び所望の速度となるような、各コイルユニ
ット63に供給する電流の電流値及び電流方向を時系列
で求めることも可能である。こうした場合には、主制御
装置20は、移動の各時点ごとに、ウエハ干渉計31か
ら通知された位置情報(又は速度情報)に基づいて所望
の軌跡からのずれを求め、その後において各コイルユニ
ット63へ供給する電流の電流値及び電流方向を修正す
るとともに、修正した期間以後の所定期間に関する各コ
イルユニット63に供給する電流の電流値及び電流方向
を時系列で求める。そして、ステージ制御系19は、修
正された情報に基づいて各コイルユニット63に対する
電流制御を行う。
【0135】次に、前述のステージ装置を含む露光装置
100における露光動作の流れについて簡単に説明す
る。
【0136】まず、レチクルローダにより、転写したい
パターンが形成されたレチクルRがレチクルステージR
STにロードされる。同様に、ウエハローダにより、露
光したいウエハWが基板テーブル18にロードされる。
【0137】このとき、基板ステージ18は、所定のウ
エハローディングポジションにて、ベース状に浮上支持
されており、かつそのローディングポジションに所定時
間停止状態を維持するように主制御装置20によりウエ
ハ干渉計の計測値に基づいてステージ制御系19を介し
てサーボ制御されている。従って、このローディングポ
ジションでの待期時には、平面型50の固定子60を構
成するコイルユニット63に電流が供給されており、こ
のコイルユニット63における発熱による温度上昇を防
止すべく、主制御装置20では冷却機79、ペルチェ素
子75を用いてコイルユニット63の冷却を前述のよう
にして行っている。
【0138】次に、主制御装置20により、不図示のレ
チクル顕微鏡、基板テーブル18上の基準マーク板F
M、不図示のアラインメント検出系を用いてレチクルア
ラインメント、ベースライン計測等の準備作業が所定の
手順に従って行われた後、アラインメント検出系を用い
てEGA(エンハンスト・グローバル・アラインメン
ト)等のアラインメント計測が実行される。こうした動
作において、ウエハWの移動が必要な場合には、前述し
たように、主制御装置20がステージ制御系19を介し
てステージ装置内の各コイルユニット63の電流を制御
し、可動子51を移動させることによりウエハWを移動
させる。こうしたのアライメント計測の終了後、以下の
ようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作
が行われる。
【0139】この露光動作にあたって、まず、ウエハW
のXY位置が、ウエハW上の最初のショット領域(ファ
ースト・ショット)の露光のための走査開始位置となる
ように、基板テーブル18が移動される。この移動は、
主制御装置20によりステージ制御系19を介して、平
面型モータ50を構成する各コイルユニット63の電流
を前述のように制御することにより行われる。同時に、
レチクルRのXY位置が、走査開始位置となるように、
レチクルステージ18が移動される。この移動は、主制
御装置20によりステージ制御系19及び不図示のレチ
クル駆動部等を介して行われる。
【0140】そして、ステージ制御系19が、レチクル
干渉計16によって計測されたレチクルRのXY位置情
報、ウエハ干渉計31によって計測されたウエハWのX
Y位置情報に基づき、不図示のレチクル駆動部及び平面
型モータ50を介してレチクルRとウエハWとを同期移
動させる。この同期移動とともに走査露光が行われる。
【0141】以上のように制御されながら行われる走査
露光により、一つのショット領域に対するレチクルパタ
ーンの転写が終了すると、基板テーブル18が1ショッ
ト領域分だけステッピングされて、次のショット領域に
対する走査露光が行われる。
【0142】このようにして、ステッピングと走査露光
とが順次繰り返され、ウエハW上に必要なショット数の
パターンが転写される。したがって、本実施形態の露光
装置100によれば、平面型モータ50を備えたステー
ジ装置によりウエハWを精度よく高速に位置決めするの
で、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光する
ことができる。
【0143】本実施形態において、平板状コイル群61
の各電機子コイル及び各ペルチェ素子75の強磁性体部
材62への固定あたっては、例えば図14に示されるよ
うに、樹脂接着剤67を使用して、冷却液の流路を滑ら
かに整形してもよい。このようにすれば、冷却液の流れ
をスムーズなものとできるので、効率的な冷却を行うこ
とができる。
【0144】あるいは、図15に示されるように、ベー
ス21内部に設けられた強磁性体部材62の上下の閉空
間の内、下側の閉空間の一端に流入口71を設け、上側
の閉空間の他端に排出口72を設けるとともに、各電機
子コイルの中空部を介して前記両閉空間が連通するよう
に、ペルチェ素子75、強磁性体部材62、及びフィン
部材76に上下方向の貫通孔を設けてもよい。かかる場
合には、流入口71を介して下側の閉空間に流入した冷
却液は、フィン部材76との間で熱交換を行うとともに
前記各貫通孔及び各電機子コイルの内部空間を通って上
側の閉空間に流入し、最終的に排出口72から外部に排
出される。この場合、図15からも明らかなように、冷
却液の流れにより電機子コイルの内面側まで効率よく冷
却され、更にフィン部材までも冷却することができるの
で、冷却効率が一層向上する。
【0145】《第2の実施形態》以下、本発明の第2の
実施形態を図16〜図20に基づいて説明する。なお、
以下の説明にあたって、同等の要素には同一符号を付
し、重複する説明を省略する。本実施形態は、第1の実
施形態と比べて、平面型モータの固定子が2つの平板状
コイル群を備える点に特徴を有している。以下、この特
徴点について説明する。
【0146】図16には、本実施形態における平面型モ
ータの固定子80を含むベース21の概略断面図が示さ
れている。固定子80は、図16に示されるように、前
記平板状コイル群61と、この平板状コイル群61の紙
面下側に配設され、複数のコイルユニット83から成る
平板状コイル群81と、各コイルユニット63、83を
可動子51側とは反対側で支持する、強磁性体材料から
成る平板状の前記強磁性体部材62とを備える。ここ
で、各コイルユニット83と強磁性体部材62との間に
は各コイルユニット63、83を冷却するためのペルチ
ェ素子75が配設され、また、強磁性体部材62のコイ
ルユニット63、83配列面の反対側の面上には、放熱
のためのフィン部材76が配設されている。
【0147】図17には、平板状コイル群81の構成が
示されている。平板状コイル群81は、平板状コイル群
61と同様に、図17(A)に示されるように、マトリ
クス状に配列された複数のコイルユニット83から構成
されている。このコイルユニット83は、図17(B)
に示されるように、4つの電機子コイル84a、84
b、85a、及び85bから成る。そして、図17
(C)に示されるように、電機子コイル84aと電機子
コイル84bとから、コイル対64と等価なコイル対8
4が構成され、それぞれの電機子コイルの電流経路は逆
回りに設定されている。このコイル対84に供給される
電流は、ステージ制御系19によってその電流値及び電
流方向が制御される。また、図17(D)に示されるよ
うに、電機子コイル85aと電機子コイル85bとか
ら、コイル対65と等価なコイル対85が構成され、そ
れぞれの電機子コイルの電流経路は逆回りに設定されて
いる。このコイル対85に供給される電流も、ステージ
制御系19によってその電流値及び電流方向が制御され
る。
【0148】図18には、平板状コイル群61と平板状
コイル群81とのXY平面における位置関係が示されて
いる。図18に示されるように、平板状コイル群81に
おけるコイルユニット83の配列は、平板状コイル群6
1におけるコイルユニット63の配列に対して、X方向
及びY方向の配列位相がそれぞれ90°(すなわち、位
置がL/2)だけずれている。
【0149】前述の図7(B)に示された分布の磁束密
度Bの環境中において、コイルユニット83に働く力
は、前述のコイルユニット63の場合と同様であるが、
永久磁石54との位置関係による力の大きさの変化の位
相が異なる。この力の変化の位相の相違を、前述のコイ
ル対64に働く力とコイル対84に働く力とを例にとっ
て説明する。
【0150】図19には、コイル対64に働く力とコイ
ル対84に働く力の変化の相違が示されている。ここ
で、コイル対64に流れる電流I1 及び働く力F1 を実
線で示し、コイル対84に流れる電流I2 及び働く力F
2 を点線で示している。なお、図19には、前述の図1
0の場合と同様に、コイル対64に供給される電流及び
コイル対84供給される電流のそれぞれの電流値と電流
方向を一定とした(図19(A)参照)、コイル対64
及びコイル対84のそれぞれの中心位置座標(u,−
u)におけるコイル対64及びコイル対84に働く力F
の変化の様子が示されている(図19(B)参照)。な
お、図19(A)では、電機子コイル64aの電流が左
回りの場合にその電流値I1 を正とし、電機子コイル8
4aの電流が左回りの場合にその電流値I2 を正として
いる。また、図19(B)では、図10(B)の場合と
同様に、力F1 、F2 の正負を表している。
【0151】図19(B)に示されるように、コイル対
64に供給される電流の電流値と電流方向を一定とした
ときには、周期的(周期=2L)で力F1 の大きさが変
化しており、周期の半分の区間(例えば、L/2<u<
3L/2の区間)では力F1が正となり、周期の他の半
分の区間(例えば、−L/2<u<L/2の区間)では
力F1 が負となる。一方、コイル対84に供給される電
流の電流値と電流方向を一定としたときには、周期的
(周期=2L)で力F2 の大きさが変化しており、周期
の半分の区間(例えば、0<u<Lの区間)では力F2
が正となり、周期の他の半分の区間(例えば、−L<u
<0の区間)では力F2 が負となる。すなわち、コイル
対64に働く力とコイル対83に働く力とで、永久磁石
54との位置関係による力の大きさの変化の位相が90
°だけ異なっている。
【0152】したがって、電流I1 、I2 の電流方向を
値uに応じて変化させて、同時に供給することにより、
安定した推力で可動子51を駆動し続けることを実現す
ることができる。例えば、図20には、コイル対64及
びコイル対84に働く力の合力として、(−1,1)方
向の力を継続的かつ安定的に働かせる電流制御の一例が
示されている。すなわち、図20(A)に示されるよう
に、コイル対64については、周期の半分の区間(例え
ば、L/2<u<3L/2の区間)では電流値I1 を正
とし、周期の他の半分の区間(例えば、−L/2<u<
L/2の区間)では電流値I1 を負とする。この場合、
コイル対84については、コイル対64に比べ位相が9
0°だけずれた状態とする。すなわち、周期の半分の区
間(例えば、0<u<Lの区間)では電流値I2 を正と
し、周期の他の半分の区間(例えば、−L<u<0の区
間)では電流値I2 を負とする。この結果、コイル64
に働く力F1 とコイル84に働く力F2 との合力F
3 は、図20(B)に示されるように、力F3 の大きさ
が零となることなく常に正の力となるとともに、前述の
図11に示したコイル対64単独の場合と比べて飛躍的
に安定な力となる。したがって、所定方向に安定した推
力で継続的に可動子51を駆動し続けることができる。
【0153】なお、図20では、コイル対64及びコイ
ル対84に供給する電流に関して、電流値I1 、I2
絶対値を一定として、電流方向のみを永久磁石54との
位置関係に応じて変化させたが、力F1 、F2 の大きさ
は電流値I1 、I2 によって制御できるので、電流値I
1 、I2 の絶対値も永久磁石54との位置関係に応じて
変化させすことにより、合力F3 (すなわち、可動子5
1の推力)を更に均一化することができる。
【0154】以上のコイル対64とコイル対84との力
の位相関係は、そのままコイルユニット63とコイルユ
ニット83との力の位相関係として成立する。したがっ
て、本実施形態によれば、第1の実施形態の場合におけ
る可動子51への印加推力が零となる場合を解消できる
ので、非常に安定した推力で可動子51(ひいてはウエ
ハW)を駆動することができる。
【0155】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、変形が可能である。例えば、上記の実施形
態では、可動子に永久磁石を配列し、固定子に電機子コ
イルを配列したが、可動子に電機子コイルを配列し、固
定子に永久磁石を配列することも可能である。また、上
記の実施形態では、永久磁石を稠密に配列するとともに
電機子コイルを稠密に配列したが、図21に示されるよ
うに、永久磁石間や電機子コイル間に少々の隙間を設け
ても、同様の効果を奏することができる。
【0156】また、上記の実施形態では、可動子の固定
子からの浮上にエアガイド機構を用いたが磁気浮上機構
を採用することも可能である。さらに、平板状発磁体に
おいて、任意の永久磁石に代えてその永久磁石と同様な
方向に磁力線を発生する電磁石を使用することも可能で
ある。
【0157】また、本発明は、紫外線を光源にする縮小
投影露光装置、波長10nm前後の軟X線を光源にする
縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にするX線露
光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによる露光
装置などあらゆるウエハ露光装置、液晶露光装置等に適
応できる。また、ステップ・アンド・リピート機、ステ
ップ・アンド・スキャン機、ステップ・アンド・スティ
ッチング機を問わない。但し、ウエハ等の周囲環境を真
空とする必要のある、波長10nm前後の軟X線を光源
にする縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にする
X線露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによ
る露光装置などで本発明を採用する場合には、可動子の
固定子からの浮上機構にエアガイド機構を用いることは
できず、磁気浮上機構等を採用することが必要となる。
【0158】また、上記の実施形態では、コイル対を構
成する2つの電機子コイルを一括で電流駆動制御した
が、各電機子コイルごとに電流駆動制御することも可能
である。さらに、複数の同種のコイル対をブロック単位
に電流駆動制御することも可能である。
【0159】さらに、上記実施形態では電機子コイルの
冷却用に冷却液を使用したが、冷媒となる流体であれば
気体冷媒を使用することが可能である。
【0160】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1〜
請求項18に係る平面型モータによれば、平板状発磁体
で配列される各永久磁石には専用の駆動方向は存在しな
いので、広範囲の領域かつ高密度に永久磁石を配列する
ことが可能であり、かつ、駆動制御装置によって平板状
コイル群を構成する各電機子コイルに流れる電流値及び
電流方向を調整することにより、駆動に寄与する永久磁
石及び電機子コイルの数を多くできるので、制御性、推
力線形性、及び位置決め性に優れたローレンツ電磁力方
式の長所を生かしつつ、大きな推力を発生することがで
きる。
【0161】また、請求項19に係るステージ装置によ
れば、本発明の平面型モータで移動体を駆動するので、
優れた制御性、推力線形性、及び位置決め性を有すると
ともに、大きな推力で高速に移動体を移動できる。
【0162】また、請求項20に係る露光装置によれ
ば、本発明のステージ装置でウエハ等を精度よく高速に
位置決めするので、スループットを向上しつつ高い露光
精度で露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の露光装置の概略構成を示す図
である。
【図2】図1の露光装置のステージ装置周辺の構成を示
す斜視図である。
【図3】可動子51の構成を示す図である。
【図4】ベース21の構成を示す図である。
【図5】コイルユニット63の構成を示す図である(A
〜D)。
【図6】図1の露光装置の走査露光の原理を説明するた
めの図である。
【図7】平面型モータ50における磁力線の概要を説明
するための図である(A、B)。
【図8】コイル対64に働く力を説明するための図であ
る(A〜D)。
【図9】コイル対64に働く力を説明するための図であ
る(A〜D)。
【図10】コイル対64に働く力を説明するための図で
ある(A、B)。
【図11】コイル対64に働く力を説明するための図で
ある(A、B)。
【図12】コイル対64に働く力を説明するための図で
ある(A、B)。
【図13】コイルユニット63に働く力を説明するため
の図である(A〜H)。
【図14】ベース21の変形例の構成を示す図である。
【図15】電機子コイルの冷却方法の変形例の構成を示
す図である。
【図16】第2の実施形態の固定子80の構成を示す図
である。
【図17】コイルユニット83の構成を示す図である
(A〜D)。
【図18】コイルユニット63とコイルユニット83と
の位置関係を示すための図である。
【図19】コイル対64及びコイル対84に働く力を説
明するための図である(A、B)。
【図20】コイル対64及びコイル対84に働く力の合
力を説明するための図である(A、B)。
【図21】永久磁石及び電機子コイルの配列の変形を説
明するための図である。
【符号の説明】
19 ステージ制御系(駆動制御装置の一部) 20 主制御装置(駆動制御装置の一部) 21 ベース 50 平面型モータ 51 可動子 52 平板状発磁体 53 強磁性体部材(第1磁性体部材) 54 永久磁石 60 固定子 61 平板状コイル群 62 強磁性体部材(第2磁性体部材) 63 コイルユニット(第1コイルユニット) 64 コイル対(第1コイル対) 64a 電機子コイル(第1電機子コイル) 64b 電機子コイル(第2電機子コイル) 65 コイル対(第2コイル対) 65a 電機子コイル(第3電機子コイル) 65b 電機子コイル(第4電機子コイル) 68 平板状部材 75 ペルチェ素子(冷却装置の一部) 76 フィン部材(冷却装置の一部) 79 冷却制御機(冷媒供給装置、冷却装置の一
部) 80 固定子 83 コイルユニット(第2コイルユニット) 84 コイル対(第3コイル対) 84a 電機子コイル(第5電機子コイル) 84b 電機子コイル(第6電機子コイル) 85 コイル対(第4コイル対) 85a 電機子コイル(第7電機子コイル) 85b 電機子コイル(第8電機子コイル) W ウエハ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形状の磁極面を有する少なくとも1つ
    の永久磁石を含む平板状発磁体と;前記永久磁石の第1
    の磁極面の一辺の半分の長さを一辺とする矩形にほぼ内
    接する電流経路を有する第1電機子コイルと、前記第1
    電機子コイルに並べて配置され、前記第1電機子コイル
    とほぼ同形状を有する第2電機子コイルとから成る第1
    コイル対を少なくとも1つ含み、前記第1の磁極面に対
    向して配設された第1平板状コイル群と;前記電機子コ
    イルの各々に流れる電流値及び電流方向の少なくとも一
    方を制御する駆動制御装置とを備え、 前記平板状発磁体は、前記磁極面と平行な面内を前記第
    1平板状コイル群に対して相対移動する平面型モータ。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石は正方形状であり、前記平
    板状発磁体はマトリクス状に配列され、隣接する磁極の
    極性が異なる複数の永久磁石を備えることを特徴とする
    請求項1に記載の平面型モータ。
  3. 【請求項3】 前記平板状発磁体は、前記第1の磁極面
    と反対側の第2の磁極面側で、前記複数の永久磁石を支
    持する第1磁性体部材を更に備えることを特徴とする請
    求項1に記載の平面型モータ。
  4. 【請求項4】 前記第1電機子コイルの電流経路はほぼ
    正方形であるとともに、前記第2電機子コイルの電流経
    路はほぼ正方形であることを特徴とする請求項1に記載
    の平面型モータ。
  5. 【請求項5】 前記第2電機子コイルは、前記第1電機
    子コイルの電流経路が内接する矩形の対角線方向の1つ
    である所定方向に配置されることを特徴とする請求項1
    に記載の平面型モータ。
  6. 【請求項6】 前記第1平板状コイル群は、前記所定方
    向に沿って配列された複数の前記第1コイル対を備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の平面型モータ。
  7. 【請求項7】 前記第1コイル対を構成する前記第1電
    機子コイル及び前記第2電機子コイルとほぼ同形状で該
    第1、第2電機子コイルに異なる側でそれぞれ隣接し、
    前記第1の磁極面に対向して配置された第3電機子コイ
    ルと第4電機子コイルとから成る第2コイル対を更に備
    え、 前記第1コイル対と前記第2コイル対とによって、前記
    第1の磁極面とほぼ重なる外形を有し、前記第1平板状
    コイル群を構成する第1コイルユニットが形成されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の平面型モータ。
  8. 【請求項8】 前記第1平板状コイル群は、マトリクス
    状に配列された複数の前記第1コイルユニットを備える
    ことを特徴とする請求項7記載の平面型モータ。
  9. 【請求項9】 前記第1平板状コイル群について前記平
    板状発磁体側とは反対側に、前記第1平板状コイル群と
    ほぼ平行に配設され、前記永久磁石の第1の磁極面の一
    辺の半分の長さを一辺とする矩形にほぼ内接する電流経
    路を有する第5電機子コイルと、該第5電機子コイルと
    前記所定方向に並べて配置され、前記第5電機子コイル
    とほぼ同形状を有する第6電機子コイルとから成る第3
    コイル対を少なくとも1つ含む第2平板状コイル群を更
    に備え、 前記第1平板状コイル群と前記第2平板状コイル群と
    は、各電機子コイルに流れる電流の位相を同じにした際
    に、前記第1平板状コイル群に発生する力の位相と前記
    第2平板状コイル群に発生する力の位相とがずれるよう
    に配置されることを特徴とする請求項5に記載の平面型
    モータ。
  10. 【請求項10】 前記第3コイル対を構成する前記第5
    電機子コイル及び前記第6電機子コイルとほぼ同形状で
    該第5、第6電機子コイルに異なる側でそれぞれ隣接
    し、前記第1平板状コイル群に対向して配置された第7
    電機子コイルと第8電機子コイルとから成る第4コイル
    対を更に備え、 前記第3コイル対と前記第4コイル対とによって、前記
    第1の磁極面とほぼ重なる外形を有し、前記第2平板状
    コイル群を構成する第2コイルユニットが形成されてい
    ることを特徴とする請求項9に記載の平面型モータ。
  11. 【請求項11】 前記第2平板状コイル群は、マトリク
    ス状に配列された複数の前記第2コイルユニットを備え
    ることを特徴とする請求項10記載の平面型モータ。
  12. 【請求項12】 前記駆動制御装置は、選択された前記
    第1コイル対には第1駆動信号を供給し、選択された前
    記第2コイル対には第2駆動信号し、選択された第3コ
    イル対には、前記第1駆動信号とは位相の異なる第3駆
    動信号を供給し、選択された第4コイル対には、前記第
    2駆動信号とは位相の異なる第4駆動信号を供給するこ
    とを特徴とする請求項10に記載の平面型モータ。
  13. 【請求項13】 前記電機子コイルを前記平板状発磁体
    側とは反対側で支持する第2磁性体部材を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の平面型モータ。
  14. 【請求項14】 前記平板状発磁体と前記第1平板状コ
    イル群との間に配置され、非磁性体から成る平板状部材
    を更に備えるとともに、 前記平板状発磁体は、前記第1磁極面側に複数の空気吹
    出し口を有することを特徴とする請求項1に記載の平面
    型モータ。
  15. 【請求項15】 前記電機子コイルを冷却する冷却装置
    を更に備える請求項1に記載の平面型モータ。
  16. 【請求項16】 前記冷却装置は、前記電機子コイルが
    その一方の面に配置された第2磁性体部材と、前記電機
    子コイルの前記第2磁性体部材と反対側に配置された、
    非磁性体から成る平板状部材との間の空間に冷媒を供給
    する冷媒供給装置を備える請求項15に記載の平面型モ
    ータ。
  17. 【請求項17】 前記電機子コイルは、樹脂剤によって
    前記第2磁性体部材に固定されることを特徴とする請求
    項16に記載の平面型モータ。
  18. 【請求項18】 前記冷却装置は、前記電機子コイルと
    該電機子コイルを前記平板状発磁体側とは反対側で支持
    する第2磁性体部材との間に配設された複数のペルチェ
    素子を備える請求項15に記載の平面型モータ。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載の平
    面型モータと;前記平板状発生磁体及び前記第1平板状
    コイル群の一方と一体的に移動する移動体とを備えるス
    テージ装置。
  20. 【請求項20】 第1物体に形成されたパターンを第2
    物体に転写する露光装置において、請求項19に記載の
    ステージ装置を、前記第1物体及び前記第2物体の少な
    くとも一方の位置決めをする位置決め装置として具備す
    ることを特徴とする露光装置。
  21. 【請求項21】 少なくとも1つの磁石を含む平板状発
    磁体と;前記磁石の磁極面に対向して配置され、前記磁
    石の磁極面の面積内に入る一対の電機子コイルで構成さ
    れるコイル対と;前記コイル対の各々に流れる電流値及
    び電流方向の少なくとも一方を制御する駆動制御装置と
    を備え、 前記コイル対の各々に流れる電流値及び電流方向の少な
    くとも一方を制御することによって前記コイル対と前記
    磁石との間に発生するローレンツ電磁力の合力により、
    平板状発磁体は、前記磁極面と平行な面内を前記コイル
    対に対して相対移動することを特徴とする平面型モー
    タ。
  22. 【請求項22】 前記磁石の前記磁極面が矩形状であ
    り、前記コイル対は前記磁石の磁極面の一辺の半分の長
    さを一辺とする矩形の一対の電機子コイルであり、該各
    電機子コイルの各辺に発生するローレンツ電磁力の合力
    により、平板状発磁体は前記コイル対に対して相対移動
    することを特徴とする請求項21に記載の平面型モー
    タ。
  23. 【請求項23】 前記平板状発磁体を構成する前記少な
    くとも1つの磁石は、永久磁石又は電磁石、あるいは永
    久磁石及び電磁石の任意の組み合わせであることを特徴
    する請求項21に記載の平面型モータ。
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