JPH1119576A - 骨材含有塗料の塗装方法及び塗装物 - Google Patents

骨材含有塗料の塗装方法及び塗装物

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JPH1119576A
JPH1119576A JP17800697A JP17800697A JPH1119576A JP H1119576 A JPH1119576 A JP H1119576A JP 17800697 A JP17800697 A JP 17800697A JP 17800697 A JP17800697 A JP 17800697A JP H1119576 A JPH1119576 A JP H1119576A
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JP
Japan
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coating
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paint
containing paint
tip
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JP17800697A
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English (en)
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Shuichi Iyama
秀一 居山
Toyohiro Maeda
豊広 前田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産効率の高いタイル調、レンガ調、石材調
等の高外観の化粧窯業建材を提供する。 【解決手段】 骨材含有塗料を塗装ガン先の塗料液圧1
〜10kgf/cm2のエアレス方式によるシャワーコ
ート塗装を行う骨材含有塗料の塗装方法であって、前記
塗装ガンは、固定式塗装ガンであり、前記塗装ガンの先
端のノズルチップ20は、タングステンカーバイドの硬
度以上の硬度を有し、このノズルチップ20に対して噴
霧装置22により水又は有機溶剤を噴霧すると共に、未
塗着塗料は、被塗物背後に具備されたフッ素加工されか
つ底面に傾斜部が形成された液回収部23を介して回収
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は骨材含有塗料の塗装方法
及び塗装物、特に建造物内外壁に用いる窯業建材を工場
塗装し、タイル調、レンガ調、石材調等の高外観を有す
る化粧窯業建材を提供する骨材含有塗料の塗装方法及び
塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】建造物の内外壁の素材として天然石が多
く用いられており、天然物特有の透明感と深みのある落
ち着いた色調が高級感を醸成して品質の向上に寄与して
いる。しかし、天然石は入手が困難でありかつ高価であ
ること、加工しにくいこと等の欠点を有していた。
【0003】これらの問題を解決すべく、種々の方法が
提案されている。例えば、セメントなどの無機質原料で
建材成形し、更に美感を向上させるために、タイル調、
レンガ調、石材調等の用途に合わせて、表面に凹凸模様
を付し、この模様が形成された化粧面に耐水性付与を兼
ねて表面塗装を行う方法が提案されている。また、上記
無機質建材の表面に塗装する従来の方法としては、例え
ばディッピング、フローコータ方式、ロールコータ方
式、スプレー吹き付け方式が用いられている。
【0004】しかしながら、ディッピングやスプレー吹
き付け法は、以下の欠点を有する。すなわち、ディッピ
ングの場合には表面積の大きな槽を用いるため塗装剤の
揮発成分の損失が多く、スプレー法は塗装剤の損失が大
きいという問題があった。
【0005】そこで、特開昭50−141634号公報
の「シャワー式塗装方法」には、上記の点を改良し、塗
装剤中に空気の泡の混入することを防ぐために、最終流
下部の塗装剤のシャワー式流下を逆U字形の多数の細管
(シャワーノズル)にした塗装方法が提案されている。
【0006】しかしながら、化粧面に均一な塗膜厚を形
成するためには、模様の深さによって塗装処理速度を制
限する必要があった。例えば、深彫り模様が施された建
材では、塗装ラインの速度を上げると、模様凹部まで塗
料が確実に流し込めないため、塗装ライン速度を10〜
20m/min.程度に押さえざるを得ず、処理能力が
劣るという問題があった。一方、処理能力を上げる場合
には、深彫り模様に対して均一に塗装することは不可能
であり、ムラが生じ外観が劣る。このため、模様を浅く
するか、又は塗り直しをしなければならなかった。
【0007】そこで、上記問題を解決すべく、特開昭6
4−80473号公報の「深彫凹凸模様付建材の塗装方
法」には、深彫凹凸模様を有する建材表面にシャワーコ
ータにより過剰に塗料を塗布し、次いで表面に対して吹
付角度を垂線に対して1〜20°の角度でエアーノズル
により空気を吹付け、余剰塗料を除去する塗装方法が提
案されている。
【0008】更に、特開平2−261571号公報の
「深彫り模様建材の塗装方法」には、建材の深彫り模様
面に塗料を必要塗膜厚が得られる以上の量で厚く塗布
し、その直後に必要塗膜厚よりも余分の塗料を掻き取り
部材、例えばスポンジロールによりで掻き取る塗装方法
が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭64−80473号公報及び特開平2−26157
1号公報に記載された塗装方法の場合には、塗装後必ず
余剰塗料を除去する工程が必要となるため、工程が繁雑
になり、また設備も大型化してしまうという問題があっ
た。
【0010】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、塗装工程を削減し設備をコンパクト化
すると共に、均一に塗膜を形成し、高外観の化粧窯業建
材を生産する骨材含有塗料の塗装方法及を提供すると共
に、高外観の塗装物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の骨剤含有塗料の塗装方法は、以下の特
徴を有する。
【0012】(1)骨材含有塗料を塗装ガン先の塗料液
圧1〜10kgf/cm2のエアレス方式によりシャワ
ーコート塗装する。
【0013】塗料液圧を低圧にすることにより、塗装ガ
ンからの塗料噴射時の脈動を抑えることができる。
【0014】(2)上記(1)に記載の骨材含有塗料の
塗装方法において、前記シャワーコート塗装は、前記塗
装ガンの先端につけた小さな穴を持つ塗装用ノズルチッ
プに対して水又は有機溶剤を噴霧する。
【0015】従って、骨材を含有する塗料がノズルチッ
プの先端で固まって塗料の噴霧に支障をきたすおそれが
ない。更に、ノズルチップ先端で、塗料が乾いて被膜を
形成することもなく、更に、ノズルチップ先端で塗料が
乾いて、塗料の粘度が増大し、均一塗装に支障をきたす
おそれもない。このため、塗装パターンの崩れ、ノズル
チップ先端の詰まりによる塗装物の外観不良を防止する
ことができる。さらに回収塗料の粘度を一定に保つこと
ができ、塗料の粘度調整が不要となる。
【0016】(3)上記(1)又は(2)に記載の骨材
含有塗料の塗装方法において、前記シャワーコート塗装
は、固定式塗装ガンにより塗装する。
【0017】塗装ムラを防止するために、一般的にはレ
シプロケーター、すなわち塗装ガンを左右に移動させて
塗装するが、そのとき被塗物を搬送するベルトコンベア
スピードは、10m/min.前後であるため、生産効
率が悪かった。
【0018】しかし、上記のように、低圧エアレス方式
で固定塗装する場合には、ベルトコンベアのスピードを
20〜90m/min.に上げても均一塗装を行うこと
ができる。
【0019】(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の骨材含有塗料の塗装方法において、前記塗装用ノズ
ルチップの硬度が、タングステンカーバイド以上の硬度
を有する。
【0020】塗料に含まれる骨材は、一般の顔料に比
べ、かなり硬度が高い。従って、タングステンカーバイ
ド以上の硬度を有する塗装用ノズルチップを用いること
により、骨材による塗装用ノズルチップの磨耗を防止す
ることができる。
【0021】(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記
載の骨材含有塗料の塗装方法において、被塗物に付着し
ない未塗着塗料が、被塗物背後に具備されたフッ素加工
されかつ底面に傾斜部が形成された液回収部を介して回
収される。
【0022】未塗着塗料は、フッ素加工された底面に傾
斜部が形成された液回収部内壁に付着することなく、自
重で落下して回収される。従って、回収効率が向上す
る。
【0023】(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記
載の骨材含有塗料の塗装方法において、骨材含有塗料タ
ンクから前記塗装ガンに前記骨材含有塗料を送る塗料輸
送ホースは、前記塗装ガンの手前で分岐し、前記骨材含
有塗料タンクに前記骨材含有塗料を一部戻す塗料戻しホ
ースを有する。
【0024】エアレスポンプから塗料を押し出す場合、
どうしても脈動が発生してしまう。この脈動のまま、塗
装ガンより塗料を噴霧すると、連続的に高外観の均一塗
装することがやや困難となる。しかし、上記のように、
塗料戻しホースによって一部の塗料をリークさせること
により、脈動を減少させることができ、高外観の均一塗
装を連続的に行うことができる。
【0025】(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記
載の骨材含有塗料の塗装方法において、前記骨材含有塗
料が、ロックウェル硬度6以上の硬度を有する骨材を含
有する。
【0026】従って、ブロッキング(すなわち、被塗物
を重ねた際に、塗膜同士が加圧され接着すること)を防
止することができる。
【0027】(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記
載の骨材含有塗料の塗装方法において、前記骨材含有塗
料が、水性塗料であり、前記塗装用ノズルチップに対し
て水を噴霧する。
【0028】従って、上記同様、骨材を含有する水性塗
料がノズルチップの先端で固まって塗料の噴霧に支障を
きたすおそれがない。更に、ノズルチップ先端で、水性
塗料が乾いて被膜を形成することもなく、更に、ノズル
チップ先端で水性塗料が乾いて、塗料の粘度が増大し
て、均一塗装に支障をきたすおそれもない。さらに回収
塗料の粘度を水量を調整することによって一定に維持で
きるため、塗料の粘度調整が不要となる。
【0029】(9)上記(1)〜(6)のいずれかに記
載の骨材含有塗料の塗装方法により塗膜が形成された塗
装物である。
【0030】従って、高外観の均一塗膜が形成された塗
装物が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】本実施形態の骨材含有塗料の塗装
方法は、好ましくは窯業建材の塗装に用いられる。さら
に好適には凹凸加工された窯業建材に適用される。上記
凹凸加工された窯業建材としては、例えば住宅の内外壁
に用いる窯業建材であって、石綿スレート板、木片セメ
ント板、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板、スラ
グ石膏板、軽量気泡コンクリート板及びそれらを用いた
パネルが用いられる。上記凹凸加工された窯業建材の表
面には、エンボス加工、溝加工等の凹凸加工がなされて
いる。
【0032】本実施形態の骨材含有塗料の塗装方法は、
例えば上記凹凸加工された窯業建材の表面全体に例えば
濃い目の塗料(例えば、下塗りエナメル塗料)を塗り、
次いで凸部にローラで薄目の塗料(例えば、下塗りエナ
メル塗料)を塗った後の被塗物に対してなされる塗装で
あり、後述するようなクリヤー塗料中に着色骨材を含有
した塗料を塗装する塗装方法に関するものである。上記
塗装により、天然石特有の深みのある風合いを有する石
材調の窯業建材が得られる。
【0033】尚、上記下塗りエナメル塗料としては、例
えばアクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルウ
レタン樹脂、フッ素樹脂等を用いた溶剤型塗料、エマル
ジョン型塗料等が挙げられる。
【0034】<骨材含有塗料>本実施形態で用いられる
塗料は、例えば平均粒径0.1〜1.0mmの着色骨材
5〜25重量%、平均粒径0.1〜1.0mmで隠ぺい
率(JIS K 54007.2)20〜90の無機粒
子20〜60重量%、展色剤25〜50固形分重量%、
並びにポリ塩化ビニル系増粘剤及び無水マレイン酸共重
合体系増粘剤のうち少なくとも1種0.1〜1.0固形
分重量%を含有する塗料が好ましい。
【0035】上記骨材の材料としては、特に限定され
ず、ホタル石、珪砂、石英等の通常の天然の素材や、陶
磁器粉砕粒子、炭酸カルシウム粒子、雲母片等を用いる
ことができる。上記着色骨材は、上記骨材を塗料でコー
ティングすることにより得ることができる。このような
コーティングのための塗料としては、骨材との密着性が
よく、耐アルカリ性、耐候性のよい反応硬化型樹脂塗料
が好ましく、例えばアクリルシリコン樹脂、アクリルウ
レタン樹脂、フッ素樹脂等からなる塗料等を挙げること
ができる。着色骨材が、上記範囲内で含有されることに
より、冴えた立体的色調となる。
【0036】また、上記無機粒子の材料としては、特に
限定されないが、例えば珪石粉、炭酸カルシウム粉、シ
リカ粉、タルク粉、クレー粉等が挙げられる。無機粒子
が、上記範囲内で含有されることにより、塗面の平滑性
が得られ、かつ透明性を保つことができる。
【0037】また、上記展色剤としては、無色透明な乾
燥塗膜を形成するために含有されるものであり、例えば
アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂等の
エマルジョン型のもの等を挙げることができる。展色剤
が、上記範囲内で含有されることにより、適当な塗膜強
度が得られ、かつ塗膜の平滑性が得られる。
【0038】尚、上記増粘剤は、2〜20ポイズ程度の
低粘度で流動性を保ち、上記着色骨材及び上記無機粒子
を沈殿させない働きを有するものである。
【0039】<骨材含有塗料の塗装方法>本実施形態の
骨材含有塗料の塗装方法について、図1を用いて説明す
る。
【0040】図1には、本実施形態の塗装方法に用いる
装置の構成概念図が示されている。ダイヤフラムポンプ
のような低圧エアレスポンプ14によって、容量200
リットルの塗料タンク10から貯溜されていた上述の骨
材含有塗料が吸入される。一方、低圧エアレスポンプ1
4には、エアーレギュレータ12において1次圧2〜7
kgf/cm2(低圧)に調整されたエアが、エアホー
ス17、オイラー13を介して送られてくる。低圧エア
レスポンプ14では、この低圧に調整されたエアと骨材
含有塗料(以下「塗料」と略す)とが混合され、アキュ
ムレータ16を介して、塗料送りホース27により塗装
ガン(以下「エアレスガン」という)の塗装用ノズルチ
ップ(以下「ノズルチップ」という)20に圧力を加え
られた塗料が輸送される。
【0041】上記アキュムレータ16は、低圧エアレス
ポンプ14から輸送される塗料の脈動を抑えるために設
けられている。また、アキュムレータ16には、アキュ
ムレータゲージ15がエア戻しホース18を介して連結
されており、アキュムレータ16からリークされたエア
は、アキュムレータゲージ15において1〜7kgf/
cm2に調整されて低圧エアレスポンプ14に戻され
る。
【0042】塗料送りホース27により輸送された塗料
21は、ブース50内の液圧計19(例えば、プルトン
管隔膜式液圧計)により1〜10kgf/cm2になる
よう塗料戻しホース28に設けられた戻し弁26を適宜
調整し、口径1.0〜5.0mmのノズルチップ20よ
りエアレス方式でシャワー状に被塗物である塗装板36
に噴霧される(シャワーコート塗装)。ブース50内の
塗装板36は、ベルトコンベア40によって搬送されて
いる。なお、上記シャワーコート塗装は、スプレー塗装
とカーテン塗装との丁度中間的な方式の塗装方法であ
る。
【0043】ここで、エアレス方式とは、塗料に高圧を
加え、小さい穴から噴射して塗装を霧にして被塗物に運
ぶ方式であり、スプレー方式の範疇に入るものである。
しかし、圧縮空気で塗料を霧にするエアースプレーとは
原理的に異なるため、無気噴射(エアレススプレー)と
呼ばれる。エアレススプレーは、高圧力を加えた塗料を
エアレスガンの先端に付けた小さな穴を持つノズルチッ
プ20より噴出する塗料を細かい霧にして噴霧するもの
である。通常、塗料の加圧圧力は,100kgf/cm
2前後でエアレス塗装が行われ、場合によっては200
〜300kgf/cm2エアレス塗装が行われる。
【0044】本実施形態では、上記のように、エアレス
ガン先の塗料液圧を1〜10kgf/cm2と低圧にす
ることにより、エアレスガンからの塗料噴射時の脈動を
抑えることができる。
【0045】また、図1では、ノズルチップ20が、1
つ配置されているが、これに限るものではなく、少なく
とも1つ以上配置されていればよい。複数個ノズルチッ
プ20を配置することにより、被塗物の表面積が大きい
場合でも、被塗物をベルトコンベアによって搬送しなが
ら塗装しても、連続して安定的に均一塗装をすることが
できる。
【0046】また、ブース50内には、上記エアレスガ
ンの先端のノズルチップ20に対して、水又は有機溶剤
を噴霧する噴霧装置22が配置されている。この噴霧装
置22には、ブース50外に配置された圧送タンク30
から水又は有機溶剤が圧送される。これにより、シャワ
ーコート塗装においてノズルチップ20に対して水又は
有機溶剤を1〜10kgf/cm2の圧力で噴霧しなが
ら塗装することができる。ここで、塗料21が水性塗料
の場合には、圧送タンク30に水が貯溜され、圧送タン
ク30より供給された水が噴霧装置22からノズルチッ
プ20に対して噴霧される。噴霧装置22は、1個のノ
ズルチップ20に対して少なくとも1個あればよいが図
1に示すようにノズルチップ20の両側から噴霧するこ
とにより、効率的な効果が得られる。噴霧装置22を3
個以上用いてもよい。水の噴霧量は10〜2000cc
/hが好ましい。
【0047】従って、骨材を含有する塗料21がノズル
チップ20の先端で固まって塗料21の噴霧に支障をき
たすおそれがない。また、ノズルチップ20の先端で、
塗料21が乾いて塗料(エマルション)が造膜すること
もなく、更に、ノズルチップ20の先端で塗料21が乾
いて、塗料21の粘度が増大して、均一塗装に支障をき
たすおそれもない。このため、塗装パターンの崩れ、ノ
ズルチップ20の先端の詰まりによる塗装物の外観不良
を防止することができる。また、噴霧装置22より噴霧
される水又は有機溶剤の量をコントロールすることによ
り、常時バージン塗料と回収塗料との固形分(NV)及
び粘度を安定させることができる。従って、被塗物の外
観意匠が安定化する。
【0048】また、本実施形態のエアレスガンは、固定
式塗装ガンである。通常、塗装ムラを防止するために、
レシプロケーター、すなわち塗装ガンを左右に移動させ
て塗装するが、そのとき被塗物を搬送するベルトコンベ
アスピードは、10m/min.前後であるため、生産
効率が悪い。しかし、本実施形態の場合には、低圧エア
レス方式で固定塗装するので、ベルトコンベアのスピー
ドを20〜90m/min.に上げても均一塗装を行う
ことができる。
【0049】パターン幅については、被塗物形状及びノ
ズルチップ20から被塗板36までの距離に応じて、所
望のパターン幅となるノズルチップを選定する。
【0050】また、上記ノズルチップ20の硬度は、タ
ングステンカーバイド以上の硬度を有する。上記骨材
は、一般の顔料に比べ、かなり硬度が高いため、タング
ステンカーバイド以上の硬度を有するノズルチップ20
を用いることにより、骨材によるノズルチップ20の磨
耗を防止することができる。
【0051】また、ブース50内には、液回収部23が
設けられている。ノズルチップ20より噴霧され、塗装
板36に付着しない未塗着塗料が、被塗物背後に具備さ
れたフッ素加工されかつ底面に傾斜部が形成された液回
収部23を介して必要により具備された回収ポンプ24
によって吸引され、塗料回収ホース25を介して塗料タ
ンク10に回収される。未塗着塗料は、フッ素加工され
た底面に傾斜部が形成された液回収部23内壁に付着す
ることなく、自重で落下するため、容易に回収される。
従って、回収効率が向上する。
【0052】また、図1に示すように、塗料タンク10
からノズルチップ20に塗料21を送る塗料輸送ホース
27は、液圧計19の手前で分岐し、塗料タンク10に
塗料の一部を戻す塗料戻しホース28が設けられてい
る。塗料の戻し割合は、好ましくは40〜60%であ
り、更に好ましくは50%である。
【0053】低圧エアレスポンプ14により塗料21を
押し出す場合、どうしても脈動が発生してしまう。この
脈動のまま、ノズルチップより塗料21を噴霧すると、
連続的に高外観の均一塗装することがやや困難となる。
しかし、塗料戻しホース28によって一部の塗料をリー
クさせることにより、脈動を減少させることができ、高
外観の均一塗装を連続的に行うことができる。
【0054】本実施形態において、塗料輸送ホース27
と塗料戻しホース28は、内面がフッ素加工されている
か、又はテフロン素材のホースからなる。従って、塗料
がホース内で固り、いわゆるコレステロールのようにな
って、塗料の搬送を阻止することを防止することができ
る。
【0055】また、上記塗料は、ロックウェル硬度3以
上の硬度を有する骨材を含有する。尚、例えば珪砂は、
ロックウェル硬度が7であり、プラスチックビーズは、
ロックウェル硬度が5である。従って、ブロッキング
(すなわち、被塗物を重ねた際に、塗膜同士が加圧され
接着すること)を防止することができる。
【0056】なお、塗料タンク10において、随時、回
収された未塗着塗料や戻し塗料が新規塗料と混合され、
実質的に濃度、粘度調整されている。
【0057】従って、本実施形態の塗装方法によれば、
連続的に塗装運転を行うことができる。
【0058】また、液圧計19の手前に設けられたバル
ブコック29は、連続塗装時には開の状態であるが、例
えば塗装作業を中断したり、停止する場合には、閉じら
れる。これにより、ノズルチップの洗浄が可能になり、
さらに塗料ホース内を随時塗料が循環して、いわゆるコ
レステロールによる詰まり等を解消することができる。
【0059】塗料戻しホース28に設けられた戻し弁2
6を調整することにより、液圧の管理が容易に行うこと
ができる。
【0060】<塗装物>上記塗装方法により、塗膜が形
成された塗装物は、高外観の均一塗膜が形成される。
【0061】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0062】実施例1〜6 (1)被塗物:スラブ石膏板(45×45×12mm)
/深堀凹凸板 (2)塗装工程:上記被塗物に「オーデタイトエナメ
ル」(日本ペイント(株)製)を乾燥膜厚(DFT)が
30μmになるようにスプレー塗装し、下塗塗装を行っ
た。その後100℃、1分乾燥させる(DRY ON)
か、又は乾燥させることなく(WET ON)、「オー
デタイトカラー骨材クリヤー」(日本ペイント(株)
製)を乾燥膜厚が20〜50μmとなるように上塗塗装
し、100℃1分乾燥された。
【0063】(3)塗装仕様:図1の塗装装置において ノズルチップ;タングステンカーバイド製、チップN
o.803/0055(尚、チップNo.によって塗装
パターンと塗膜厚が決まる) エアレスガンの高さ(ノズルチップから被塗物までの距
離);400mm ベルトコンベアの速度;68m/min. 一次圧 ;4.5〜5.0kgf/cm2 アキュムレータ;1.5kgf/cm2 塗布量 ;110±10g/m2 水スプレー量;約500g/h (4)評価項目: (a)色差データ:「ミノルタCR210」にて測色し
た。
【0064】色差は、通常ΔE、ΔL、Δa、Δbで表
される。ここで、ΔEとは、色差を表す。また、Lab
表色系立体において、Lは明度を表し、a,bはそれぞ
れ色の方向を表す。そして、aは赤−緑方向、bは黄−
青方向を表し、aとbとの交差する点が色度になり、彩
度Cは(a2+b21/2で求まる。
【0065】(b)外観:目視又はマイクロスコープ
(×50)により観察した。
【0066】<実施例1>DRY ONとWET ON
のそれぞれにおける連続塗装を行った結果を表1に示
す。
【0067】
【表1】 以上より、4時間連続塗装の結果、循環塗料量:100
kg(未追加)、水スプレー使用量:2kg/4時間、
エアレスガン先の液圧:2.2〜3.2kgf/cm2
で塗装外観はいずれも良好であった。ノズルチップの詰
まりもなく、エアレスガン先に塗料のつららは発生しな
かった。
【0068】<実施例2>上記骨材顔料塗料の粘度を変
化させた結果を表2に示す。
【0069】
【表2】 以上より、骨材含有塗料の粘度は、4.5〜8ポイズ
(PS)が好ましい。但し、連続循環塗装中に粘度が上
昇するため、少なくとも5PSから塗装を開始すること
がより好ましい。
【0070】<実施例3>従来のまま噴霧口断面が三角
のものと、ノズルチップの噴霧口の形状にR加工を施し
断面形状が半円状のものとの比較を行った。1時間連続
循環塗装の結果を表3に示す。
【0071】
【表3】 1時間連続循環塗装において、色差及び外観に変動はな
かった。但し、長時間連続循環塗装を行った場合、ノズ
ルチップの噴霧口の形状にR加工を施したものの方が、
エアレスガン先に塗料のつららが発生することを防止で
きた。
【0072】<実施例4>ノズルチップの先に水スプレ
ーの有無による外観等の比較を行った。1時間連続循環
塗装の結果を表4に示す。
【0073】
【表4】 以上より、水スプレーによってエアレスガン先の塗料の
つららの発生を防止できることが判明した。
【0074】<実施例5>エアレスガン先(以下「ガン
先という」)の液圧を変化させた場合の外観等の比較を
行った。1時間連続循環塗装の結果を表5に示す。
【0075】
【表5】 ガン先液圧が低すぎると塗料が微粒化せず、一方ガン先
液圧が高過ぎる場合には、塗料量をコントロールして噴
霧することができないことが判明した。
【0076】<実施例6>骨材含有塗料と骨材を含まな
い塗料とのブロッキング性を比較した。なお、ブロッキ
ング性は、塗装面を他の板に5kg/cm2の圧力で2
4時間押圧した後、塗装面と他の板を離し、そのときの
塗装面のくっつき、剥離を評価した。
【0077】 ○ : くっつかない △ : くっつくけれど、剥離なし × : 離したら塗膜剥離あり
【表6】 これらの結果から、本発明の骨材含有塗料の塗装方法に
よれば、連続循環塗装が安定して行え、その際の、塗装
色調、及び塗装外観が良好であることが判明した。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る骨材含有塗
料の塗装方法によれば、連続循環塗装が安定して行え
る。更に、その塗装物は、均一塗膜が形成され、更に塗
装色調及び塗装外観が良好であり、タイル調、レンガ
調、石材調等の高外観の化粧窯業建材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る骨材含有塗料の塗装方法に用い
る装置の構成概念図である。
【符号の説明】
10 塗料タンク、12 エアーレギュレータ、13
オイラー、14 低圧エアレスポンプ、15 アキュム
レータゲージ、16 アキュムレータ、17エアホー
ス、18 エア戻しホース、19 液圧計、20 塗装
用ノズルチップ(ノズルチップ)、21 塗料、22
噴霧装置、23 液回収部、24 回収ポンプ、25
塗料回収ホース、26 戻し弁、27 塗料輸送ホー
ス、28塗料戻しホース、29 バルブコック、30
圧送タンク、36 塗装板、40ベルトコンベア、50
ブース。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材含有塗料を塗装ガン先の塗料液圧1
    〜10kgf/cm2のエアレス方式によりシャワーコ
    ート塗装することを特徴とする骨材含有塗料の塗装方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の骨材含有塗料の塗装方
    法において、 前記シャワーコート塗装は、前記塗装ガンの先端に付設
    した小さな穴を持つ塗装用ノズルチップに対して水又は
    有機溶剤を噴霧することを特徴とする骨材含有塗料の塗
    装方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の骨材含有
    塗料の塗装方法において、 前記シャワーコート塗装は、固定式塗装ガンにより塗装
    することを特徴とする骨材含有塗料の塗装方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    骨材含有塗料の塗装方法において、 前記塗装用ノズルチップの硬度が、タングステンカーバ
    イド以上の硬度を有することを特徴とする骨材含有塗料
    の塗装方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    骨材含有塗料の塗装方法において、 被塗物に付着しない未塗着塗料が、被塗物背後に具備さ
    れたフッ素加工されかつ底面に傾斜部が形成された液回
    収部を介して回収されることを特徴する骨材含有塗料の
    塗装方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    骨材含有塗料の塗装方法において、 骨材含有塗料タンクから前記塗装ガンに前記骨材含有塗
    料を送る塗料輸送ホースは、前記塗装ガンの手前で分岐
    し、前記骨材含有塗料タンクに前記骨材含有塗料を一部
    戻す塗料戻しホースを有することを特徴とする骨材含有
    塗料の塗装方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    骨材含有塗料の塗装方法において、 前記骨材含有塗料が、ロックウェル硬度3以上の硬度を
    有する骨材を含有することを特徴とする骨材含有塗料の
    塗装方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の
    骨材含有塗料の塗装方法において、 前記骨材含有塗料が、水性塗料であり、前記塗装用ノズ
    ルチップに対して水を噴霧することを特徴とする骨材含
    有塗料の塗装方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    骨材含有塗料の塗装方法により塗膜が形成されたことを
    特徴とする塗装物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006095477A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 建築板の塗装方法
JP2006522191A (ja) * 2003-04-04 2006-09-28 ドイチェ アムフィボーリン−ヴェルケ フォン ロベルト ムールヤーン シュティフツング アンド コー カーゲー 少なくとも一つのポリマー分散液をベースとした塗料と該塗料の適用方法
JP2015178074A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 中電工業株式会社 鋼管送電鉄塔の主柱材内面の塗装方法

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