JPH11195521A - 酸化物磁性材料、その製造方法および磁気検出素子 - Google Patents

酸化物磁性材料、その製造方法および磁気検出素子

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JPH11195521A
JPH11195521A JP9367560A JP36756097A JPH11195521A JP H11195521 A JPH11195521 A JP H11195521A JP 9367560 A JP9367560 A JP 9367560A JP 36756097 A JP36756097 A JP 36756097A JP H11195521 A JPH11195521 A JP H11195521A
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oxide
magnetic material
magnetic
mol
chipping
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Yoshihito Tsuruta
好仁 鶴田
Minoru Iino
実 飯野
Kiyoshi Kurakane
清 倉金
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4

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  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に磁気記録ヘッド材料や磁気センサー材料
といった磁気検出素子等に使用する場合の加工時に、カ
ケ、クラック、チッピング等の破損を生じることがない
酸化物磁性材料、その製造方法、およびこれを用いた磁
気検出素子を提供する。 【解決手段】 主成分として、酸化鉄をFe23 換算
で48〜52 mol%、酸化亜鉛をZnO換算で25〜3
5 mol%、酸化ニッケルをNiO換算で15〜25 mol
%含有し、副成分として前記主成分に対し、酸化ビスマ
スをBi23換算で0.02〜0.08wt%含有する酸
化物磁性材料とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物磁性材料に関
し、特にFe−Ni−Znを主成分とする酸化物磁性材
料の強度面での改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の酸化物磁性材料として、例えば特
開平3−293705号に記載されているものが知られ
ている。同文献に記載されている酸化物磁性材料は、3
2.0〜35.0 mol%の酸化亜鉛と、10.0〜1
2.0 mol%の一酸化ニッケルと、5.0〜7.0 mol
%の一酸化銅と、残部が酸化第2鉄からなる主成分と、
副成分として、0.03wt%以下の二酸化ケイ素および
0.10wt%以下の一酸化マンガンのそれぞれ1種また
は2種と、0.05wt%以下の三酸化ビスマスと、0.
06wt%以下の酸化アルミニウムとからなっている。そ
して、この酸化物磁性材料は、電波吸収体等に用いた場
合に比透磁率を大幅に低下することなく、高周波帯域と
低周波帯域における電磁反射係数を改善するものであ
る。
【0003】しかし、このような従来の酸化物磁性材料
を、磁気記録ヘッドや磁気センサーといった磁気検出素
子等の材料に使用する場合、例えば、成形後の酸化物磁
性材料をチップに加工する必要がある。この加工は通
常、ダイサーと称する切削装置等で切断することにより
行われるが、切断の際にチップにカケ、クラック等のチ
ッピングを生じてしまうことがあった。
【0004】このようなカケ、クラック等のチッピング
が生じたチップは不良品として廃棄されることになり、
製品の歩留まり率を低下させると共に、カケ、クラック
等のチッピング不良を検出するために専用の検査要員を
必要とし、製造設備、製造コストを低減する上で大きな
障害となっていた。
【0005】これまでにも、カケ、クラック等のチッピ
ングを防止するために、種々の試みがなされているが、
いずれの場合にも製品の特性を劣化させる等して、総合
的に満足しうる効果が得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
磁気記録ヘッド材料や磁気センサー材料といった磁気検
出素子等に使用する場合の加工時に、カケ、クラック等
のチッピングの破損を生じることがない酸化物磁性材
料、その製造方法、およびこれを用いた磁気検出素子を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の構成
により達成される。 (1) 主成分として、酸化鉄をFe23 換算で48
〜52 mol%、酸化亜鉛をZnO換算で25〜35 mol
%、酸化ニッケルをNiO換算で15〜25 mol%含有
し、副成分として前記主成分に対し、酸化ビスマスをB
23 換算で0.02〜0.08wt%含有する酸化物
磁性材料。 (2) さらに、副成分として前記主成分に対し、酸化
カルシウムをCaO換算で0.05〜0.2wt%含有す
る上記(1)の酸化物磁性材料。 (3) 抗折強度が8kg/mm2 以上である上記(1)ま
たは(2)の酸化物磁性材料。 (4) 飽和磁束密度B15が3400G以上であり、残
留磁束密度Br が2500G以下であり、保磁力Hc が
0.30 Oe以下であり、100kHz での透磁率μ’が
1100±300であり、1MHzでの透磁率μ’が10
00以上である上記(1)〜(3)のいずれかの酸化物
磁性材料。 (5) 上記(1)〜(4)のいずれかの酸化物磁性材
料を、熱間静水圧プレスにより製造する酸化物磁性材料
の製造方法。 (6) 上記(1)〜(4)のいずれかの酸化物磁性材
料を有する磁気検出素子。
【0008】
【作用】本発明者はNi−Zn系フェライトにおいて、
カケ、クラック、チッピング等の発生する原因について
検討した結果、フェライト中の粒内破断とカケ、クラッ
ク、チッピング等の発生と密接な関係があることを見出
した。すなわち、加工により粒内破断が生じると、その
破断の際に生じる亀裂が、任意の方向に成長し、カケ、
クラック等のチッピング破損現象を生じる。
【0009】従って、粒内破断を粒界破断とすることに
より、カケ、クラック等のチッピングの発生が防止でき
る。加工時に粒界破断を生じる場合には、フェライトの
結晶粒子が粒界から次々と剥離するようにして破断する
ため、亀裂が任意の方向に成長するといった現象が生じ
なくなり、結果としてカケ、クラック等のチッピングが
発生することを防止できる。
【0010】また、このような粒界破断を生じるように
するためには、ビスマスの添加が有効である。ビスマス
を添加することにより、粒内破断から粒界破断へと性質
を転換できる。この場合、熱間静水圧プレス(HIP)
により焼成すると、焼結密度が向上し、磁気特性が向上
し、抗折強度も向上するが、その結果として、チッピン
グが生じやすくなる。つまり、このようなチッピングは
HIPによって顕在化する現象である。
【0011】ところで、ビスマスを添加すると結晶粒径
が大きくなる。そして、結晶粒径が大きくなることによ
り抗折強度が低下してくるが、これを防止するためには
カルシウムの添加が有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の酸化物磁性材料は、主成
分として、酸化鉄をFe23 換算で48〜52 mol
%、酸化亜鉛をZnO換算で25〜35 mol%、酸化ニ
ッケルをNiO換算で15〜25 mol%含有し、副成分
として前記主成分に対し、酸化ビスマスをBi23
算で0.02〜0.08wt%含有する。
【0013】主成分は、酸化鉄をFe23 換算で48
〜52 mol%、酸化亜鉛をZnO換算で25〜35 mol
%、酸化ニッケルをNiO換算で15〜25 mol%含有
し、好ましくは、酸化鉄をFe23 換算で49〜50
mol%含有する。
【0014】主成分の組成が上記範囲を超えると、磁気
的性質が大きく変化し、事実上使用することが困難にな
る。
【0015】副成分は前記主成分に対し、酸化ビスマス
をBi23 換算で0.02〜0.08wt%含有し、好
ましくは、酸化ビスマスをBi23 換算で0.02〜
0.04wt%含有する。
【0016】酸化ビスマスの添加量が少なすぎると粒界
破断しなくなり、多すぎると結晶粒径が大きくなり、抗
折強度が低下する。
【0017】本発明では、好ましくはさらに副成分とし
て前記主成分に対し、酸化カルシウムをCaO換算で
0.05〜0.2wt%含有し、より好ましくは、酸化カ
ルシウムをCaO換算で0.05〜0.1wt%含有す
る。
【0018】酸化カルシウムが少なすぎると、酸化ビス
マスの添加による抗折強度の低下を防止することが困難
になり、多すぎると結晶性が悪化し、結晶粒の異常が生
じ、結晶粒径が不揃いとなってくる。
【0019】本発明の酸化物磁性材料は、上記主成分、
副成分の他に、Cr,Co,Al,Si,P等の不可避
成分を酸化物の形で、それぞれ100ppm 以下程度含有
していても良い。
【0020】このように、本発明ではNi−Zn系のフ
ェライトに。ビスマスと、好ましくはカルシウムとを適
量添加することにより、カケ、クラック等のチッピング
の発生を防止し、しかも抗折強度の劣化を抑え、磁気的
特性を大きく変動させることのない酸化物磁性材料とし
たものである。そして、このような酸化物磁性材料は、
本発明において初めて実現されたものである。
【0021】通常、前記主成分はスピネル構造の結晶中
に存在し、副成分は結晶粒界中に存在するものと考えら
れる。これらの成分は、通常、酸化物の形で存在する
が、その化学量論組成から多少偏倚していても良い。フ
ェライトの組成は、蛍光X線定量分析等により確認する
ことができる。
【0022】結晶粒径の大きさとしては、特に限定され
るものではないが、通常、その平均粒径が5〜30μm
、好ましくは10〜20μm である。結晶粒の平均粒
径の大きさは、例えば、JIS−C−2563−198
1等により求めることができる。また、粒界の平均厚さ
としては、通常、0.2〜0.4μm 程度である。
【0023】抗折強度としては、好ましくは8kg/mm2
以上、より好ましくは14kg/mm2以上である。また、
その上限としては特に規制されるものではないが、通
常、18kg/mm2 程度である。
【0024】磁気的特性としては、好ましくは飽和磁束
密度B15が3400G以上、特に3600〜3800G
であり、残留磁束密度Br が2500G以下、特に16
00〜2300G、さらには1800〜2300Gであ
り、保磁力Hc が0.30 Oe以下、特に0.15〜
0.25Oe、さらには0.18〜0.25Oeであり、1
00kHz での透磁率μ’が1100±300、特に11
00±200、さらには1100±100であり、1MH
z での透磁率μ’が1000以上、特に1000〜13
00である。
【0025】次に、本発明の酸化物磁性材料の製造方法
について説明する。先ず、主成分原料を上記組成範囲と
なるように秤量混合する。原料粉末としては、通常、酸
化鉄(Fe23)粉末と、酸化ニッケル(NiO)を含
有する粉末と、酸化亜鉛(ZnO)を含有する粉末とを
用いるが、これらの酸化物に限定されるものではなく、
焼成により酸化物となる化合物、例えば、炭酸塩、水酸
化物、硝酸塩等のいずれのものであってもよい。原料粉
末の平均粒径も特に限定されるものではないが、1次粒
子の平均粒径が、好ましくは0.5〜3μm 程度であ
る。この原料粉末を混合する。混合には、例えばアトラ
イター等を用い、好ましくは湿式混合する。混合後、ス
プレードライヤー等により乾燥を行う。
【0026】次いで、乾燥した原料の仮焼を行う。仮焼
は、例えば空気中において、900〜1000℃前後
で、2〜6時間程度行う。
【0027】得られた仮焼物に、副成分原料である酸化
ビスマス(B23)や、必要により酸化カルシウムとな
る炭酸カルシウム(CaCO3)等を所定量添加し、粉
砕を行う。粉砕は、例えばアトライター等により、5〜
20時間程度湿式粉砕を行えばよい。このとき、好まし
くは仮焼物および副成分原料の平均1次粒径が、0.5
〜1.5μm 、特に0.8〜1.2μm となるように調
整する。粉砕後、スプレードライヤー等により乾燥を行
う。
【0028】次いで、得られた仮焼物と副成分原料の混
合粉末の仮成型を行う。成型には、例えばパンチング等
により、所定形状のブロック状に成型される。さらに、
この仮成型物をCIP(Cold Isostatic Pressing )に
より、好ましくは1〜5 ton/cm2 程度の加圧を行い成
型する。
【0029】次いで、得られた成型体の焼成を行う。焼
成は、例えば、空気中で1100〜1300℃前後で、
15〜30時間程度行う。焼成後、さらに熱間静水圧プ
レス(HIP:Hot Isostatic Pressing)により、まし
くは800〜1200kg/cm2 程度の加圧を行い、12
00〜1300℃前後で、1〜3時間程度処理する。こ
のときの雰囲気としては、O2 濃度を50ppm 前後とし
たAr,He等の不活性ガスや、Mn−Zn、Fe、M
o、Ni、Pt等の粉末を用いてもよい。
【0030】HIP処理された焼成体の形状、厚さの加
工を行い、必要によりラップ等により表面研磨して酸化
物磁性体材料を得る。
【0031】本発明の酸化物磁性体は、種々の磁性材料
として使用することが可能であるが、特に好ましい応用
例として、磁気記録ヘッドや磁気センサーといった磁気
検出素子の材料として用いることができる。
【0032】次に、本発明の好ましい応用例として、ホ
ール素子を例示して説明する。図1はホール素子の一構
成例を示した外見斜視図である。図示例のホール素子
は、概正六面体に加工された本発明の酸化物磁性体によ
る本体1と、この本体1上の一面に設けられたMn−Z
nフェライトチップ2と、印刷等により形成された導体
パターン3と、端子部4を有している。また、Mn−Z
nフェライトチップ2は樹脂モールドされており、さら
にホール素子全体が引き出し電極を取り付けた後、樹脂
モールドされるようになっている。
【0033】このホール素子の本体の大きさは、例え
ば、一辺が0.1〜0.5mmの正六面体を成しており、
プレート状に成型加工された本発明の酸化物磁性体をダ
イシングソー等を用いて前記形状に切削加工する。この
際、例えば、10〜30μm 程度のカケ、クラックによ
るチッピングが生じると、前記導体パターン3等が損傷
を受け、断線等が生じてしまう。このため、チッピング
はこの範囲以下であることが好ましい。
【0034】
【実施例】次に、実施例を示し本発明をより具体的に説
明する。<実施例1>主成分原料として、酸化第二鉄、
酸化亜鉛、酸化ニッケルを用意し、これを下記組成とな
るように秤量混合した。原料粉末の1次粒子の平均粒径
は1.0μm程度であった。 Fe23 :49.5 mol% ZnO :30.5 mol% NiO :20 mol% この原料粉末をアトライターを用いて湿式混合し、混合
後スプレードライヤーにより乾燥を行った。
【0035】次いで、乾燥した原料を、空気中、950
℃で、4時間程度仮焼した。
【0036】得られた仮焼物に、副成分原料である酸化
ビスマス(B23)と、酸化カルシウムとなる炭酸カル
シウム(CaCO3)を表1に示す量添加し、アトライ
ターにより、10時間程度湿式粉砕を行った。このと
き、仮焼物および副成分原料の平均1次粒径が、0.8
〜1.2μm となるように調整した。粉砕後、スプレー
ドライヤーにより乾燥を行った。
【0037】次いで、得られた仮焼物と副成分原料の混
合粉末を、パンチングにより所定のブロック状に仮成型
し、さらに、この仮成型物をCIP(Cold Isostatic P
ressing )により3 ton/cm2 程度の加圧を行い成型し
た。
【0038】次いで、得られた成型体を、大気雰囲気
中、1180℃で、20〜25時間焼成し、さらにHI
P(Hot Isostatic Pressing)により、1000kg/cm
2 の加圧を行い、1250℃で、2時間程度処理した。
このときの雰囲気としては、O2 濃度を50ppm 前後と
したArガスを用いた。
【0039】HIP処理された焼成体を、所定の形状に
前加工して母材とし、これからさらに30mm角の正6面
体サンプルを作製した。このとき用いた加工装置として
は、ブレード80μm のダイシングソーを用い、60mm
/s の切削速度で、0.88mmピッチで往復切断を行っ
た。そして、その際のカケ、クラック、チッピングにつ
いての評価を行った。評価基準としては、 ◎:10μm 以上のチッピングが発見されない。 ○:20μm 以上のチッピングが一箇所以上発見できな
い。 ×:20μm 以上のチッピング複数箇所以上ある。 とした。また、結晶粒径、抗折強度、飽和磁束密度B1
5、残留磁束密度Br 保磁力Hc 、粒界破断率、密度、
比抵抗、透磁率μ’、ビッカース硬さHv 、キュりー点
(キュリー温度)について測定した。なお、結晶粒径に
ついてはJIS−C−2563−1981に準拠して測
定した。また、粒界破断率については断面を観察し、一
定領域中に粒内破断したものが幾つあるかを調べ、全体
の結晶粒の個数との比を求めた。透磁率μ’は、100
kHz、500kHz、1MHz、5MHzの値を求めた。結果
を表1および表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】さらに、得られたデータから、抗折強度−
CaO添加量の関係を図2に、抗折強度−Bi23
関係を図3に、結晶粒径−CaO添加量の関係を図4
に、結晶粒径−Bi23 の関係を図5に示した。
【0043】表1,2および図2〜5から明らかなよう
に、Bi23 を添加することにより、カケ、クラック
等のチッピングが抑制されていることがわかる。また、
Bi23 の添加量が増大すると、結晶粒径が大きくな
り、抗折強度は8kg/mm2 以上となっているものの低下
する傾向にあるが、CaOを添加することによりこれが
抑制されることがわかる。
【0044】さらに、各磁気的特性は、従来の比較サン
プル(No. 9)と比べても、さほど相違は見られず、飽
和磁束密度B15は3400G以上であり、残留磁束密度
Brは2500G以下であり、保磁力Hc は0.30 Oe
以下であり、100kHz での透磁率μ’が1100±3
00であり、1MHzでの透磁率μ’が1000以上とな
っている。
【0045】また、各サンプルの破断面を観察し、その
中からBi23 0.04wt%単独添加したサンプルの
SEM写真を図6に、Bi23 0.08wt%単独添加
したサンプルのSEM写真を図7に、Bi23 0.0
4wt%とCaO0.1wt%添加したサンプルのSEM写
真を図8に、Bi23 0.08wt%とCaO0.1wt
%添加したサンプルのSEM写真を図9に、Bi23
0.02wt%とCaO0.2wt%添加したサンプルのS
EM写真を図10に、比較サンプルとして添加物を加え
ないサンプルののSEM写真を図11に示す。
【0046】さらに、Bi23 0.04wt%とCaO
0.05wt%添加したサンプルの断面の写真を図12
に、上記母材加工後に、各サンプルチップが配置されて
いる状態を示した写真を図13に示す。
【0047】図6〜11から明らかなように、本発明の
サンプルは表面に結晶粒がそのまま存在し、切断が結晶
粒界の破壊により行われていることがわかる。また、B
23 の添加量の増大により、結晶粒径が大きくなっ
ている様子や、CaOの添加により結晶粒径の大型化が
抑制されている様子がわかる。また、図12、13から
切断面にカケやクラッ等のチッピングを生じることな
く、優れた加工性を有していることがわかる。
【0048】<実施例2>実施例1で得られた各サンプ
ルを用いて、図1に示すような構造のホール素子を作製
したところ、従来のホール素子と同等の性能が得られる
ことが確認された。
【0049】
【発明の効果】特に磁気記録ヘッド材料や磁気センサー
材料といった磁気検出素子等に使用する場合の加工時
に、カケ、クラック、チッピング等の破損を生じること
がない酸化物磁性材料、その製造方法、およびこれを用
いた磁気検出素子を提供可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の応用例である、ホール素子の基本構成
を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例であるサンプルの、抗折強度−
CaO添加量の関係を示したグラフである。
【図3】本発明の実施例であるサンプルの、抗折強度−
Bi23 の関係を示したグラフである。
【図4】本発明の実施例であるサンプルの、結晶粒径−
CaO添加量の関係を示したグラフである。
【図5】本発明の実施例であるサンプルの、結晶粒径−
Bi23 の関係を示したグラフである。
【図6】Bi23 0.04wt%単独添加したサンプル
の切断面のSEM図面代用写真である。
【図7】Bi23 0.08wt%単独添加したサンプル
の切断面のSEM図面代用写真である。
【図8】Bi23 0.04wt%とCaO0.1wt%添
加したサンプルの切断面のSEM図面代用写真である。
【図9】Bi23 0.08wt%とCaO0.1wt%添
加したサンプルの切断面のSEM図面代用写真である。
【図10】Bi23 0.02wt%とCaO0.2wt%
添加したサンプルの切断面のSEM図面代用写真であ
る。
【図11】比較サンプルとして添加物を加えないサンプ
ルの切断面のSEM図面代用写真である。
【図12】Bi23 0.04wt%とCaO0.05wt
%添加したサンプルの断面の図面代用写真である。
【図13】母材加工後に、各サンプルチップが配置され
ている状態を示した図面代用写真である。
【符号の簡単な説明】
1 本体 2 Mn−Znチップ 3 導体 4 端子部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として、酸化鉄をFe23 換算
    で48〜52 mol%、酸化亜鉛をZnO換算で25〜3
    5 mol%、酸化ニッケルをNiO換算で15〜25 mol
    %含有し、 副成分として前記主成分に対し、酸化ビスマスをBi2
    3 換算で0.02〜0.08wt%含有する酸化物磁性
    材料。
  2. 【請求項2】 さらに、副成分として前記主成分に対
    し、酸化カルシウムをCaO換算で0.05〜0.2wt
    %含有する請求項1の酸化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 抗折強度が8kg/mm2 以上である請求項
    1または2の酸化物磁性材料。
  4. 【請求項4】 飽和磁束密度B15が3400G以上であ
    り、残留磁束密度Br が2500G以下であり、保磁力
    Hc が0.30 Oe以下であり、100kHzでの透磁率
    μ’が1100±300であり、1MHzでの透磁率μ’
    が1000以上である請求項1〜3のいずれかの酸化物
    磁性材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの酸化物磁性材
    料を、熱間静水圧プレスにより製造する酸化物磁性材料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかの酸化物磁性材
    料を有する磁気検出素子。
JP9367560A 1997-12-26 1997-12-26 酸化物磁性材料、その製造方法および磁気検出素子 Pending JPH11195521A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002179460A (ja) * 2000-12-08 2002-06-26 Kyocera Corp フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア

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