JPH11194129A - 免疫測定用担体及びそれを用いた免疫測定用固相の調製方法 - Google Patents
免疫測定用担体及びそれを用いた免疫測定用固相の調製方法Info
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Abstract
あり、かつ、ガラス繊維を用いた、先に開発した免疫測
定用担体を用いた場合よりも測定感度を高くすることが
できる、新規な免疫測定用担体及びそれを用いた免疫活
性物質の固相化方法を提供すること。 【解決手段】 水溶性有機溶媒で処理した後、乾燥させ
たガラス繊維から成る免疫測定用担体を提供した。
Description
測定法により測定することが広く行なわれており、中で
も固相の担体を用いる方法が広く用いられている。免疫
測定法で用いる固相担体としては、ポリスチレン製のビ
ーズや、マイクロプレートのウェル等が通常用いられて
いる。
や、マイクロプレートのウェル等に抗原や抗体等の免疫
活性物質を固相化して行う従来の免疫測定方法では、免
疫反応のためにおよそ30から180分、標識抗体との
反応もおよそ30から180分必要であり、かなり時間
がかかる。また、BF分離の際に用いる洗浄液は100
0から10000μlと多量の洗浄液を必要とする。
の組成を有するガラス繊維から成る担体を用いることに
より、免疫測定の時間を従来よりも大幅に短縮でき、か
つ、用いる洗浄液や検体の量も従来よりも少なくするこ
とができることを見出し、特許出願した(特願平8−2
77154号)。しかしながら、この方法では、ガラス
繊維の組成に制限がある。また、この方法よりもさらに
測定感度が向上すれば、好ましいことは言うまでもな
い。
成にかかわりなく適用可能であり、かつ、ガラス繊維を
用いた、先に開発した免疫測定用担体を用いた場合より
も測定感度を高くすることができる、新規な免疫測定用
担体及びそれを用いた免疫活性物質の固相化方法を提供
することである。
繊維から成る免疫測定用担体を、水溶性有機溶媒で処理
してから免疫活性物質を固相化することにより、免疫測
定の感度を大幅に向上させることができ、ひいては固相
化する高価な免疫活性物質の量を大幅に減少させても所
期の測定感度が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
理した後、乾燥させたガラス繊維から成る免疫測定用担
体を提供する。また、本発明は、上記本発明の免疫測定
用担体と、免疫活性物質とを接触させて該免疫活性物質
を前記免疫測定用担体に固相化することから成る、免疫
測定用固相の調製方法を提供する。
るガラス繊維の直径は特に限定されないが、0.1〜1
00μmが適当であり、0.5〜2.0μmが好まし
い。また、ガラス繊維はどのような形態にあってもよい
が、メンブレン状の形態にあるのものが利用し易く好ま
しい。この場合、メンブレンの目付重量は特に限定され
ないが90〜130g/m2 程度が適当であり、また、
厚さも特に限定されないが0.3mmから0.6mm程度が
適当である。ガラス繊維を構成するガラスの組成は限定
されない。ガラスファイバーメンブレンはいくつか市販
されており、市販のガラスファイバーメンブレンを本発
明の免疫測定用担体として用いることができる。
を10v/v %以上溶解することができる有機溶媒を意味
し、好ましくは水を20v/v %以上溶解することができ
る有機溶媒である。本発明に用いることができる水溶性
有機溶媒の好ましい例として、メタノール、エタノー
ル、プロパノール(n-,iso- )、ブタノール(n-, sec
-, tert-)、のような炭素数1〜4の脂肪族アルコー
ル、アセトンのような炭素数1〜4の脂肪族ケトンを挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
く、上記した「水溶性有機溶媒」の定義に当てはまるも
のはいずれも用いることができる。また、複数の有機溶
媒を混合して用いることも可能である。これらのうち、
イソプロパノールが最も好ましい。なお、これらの水溶
性有機溶媒は、水を全く含まない状態で使用するのが最
も好ましいが、水をさらに10v/v%以上溶解するこ
とができるのであれば、水を含んでいてもよい。もっと
も、水の量は少ないほど好ましく、20v/v%以下が
好ましく、さらに好ましくは10v/v%以下である。
から成る担体を水溶性有機溶媒中に浸漬したり、水溶性
有機溶媒を噴霧し、又は、スピナー等を用いて塗布する
ことにより行うことができる。処理は、水溶性有機溶媒
が液体である状態を維持できるいずれの温度でも行うこ
とができ、従って、室温で行うのが最も簡便である。
は、水溶性有機溶媒の除去が達成されればよく、通常、
室温ないし120℃で30秒ないし20分間程度、好ま
しくは30秒ないし10分間程度行うことができる。ま
た、乾燥は乾燥機内で行ってもよいが、乾燥時間を10
分間以下にするのであれば、室内で行ってもよい。
る。乾燥後の担体を空気中に放置すると、空気中の水分
が再度担体表面に付着するので、できるだけ速やかに固
相化処理に移ることが好ましく、室内に放置する場合、
水性有機溶媒による処理から固相化処理までの時間は1
0分間以下が好ましく、さらに好ましくは5分間以下で
ある。なお、担体にリガンドを結合させる直前に水溶性
有機溶媒処理を行うことが好ましいが、水溶性有機溶媒
で処理したガラス繊維から成る担体を乾燥器内や真空包
装内に収容して湿気を遮断することにより、保存や輸送
が可能である。また、水溶性有機溶媒中に浸漬した状態
で保存や輸送を行うことも可能である。
「リガンド」ということがある)は、抗原抗体反応を行
うことができるあらゆる物質を意味し、抗原及び抗体の
みならず、それらの断片、例えばハプテンや抗体のFab
フラグメント、F(ab')2 フラグメント等をも包含する。
また、固相化は、リガンドを緩衝液中に溶解した溶液と
担体とを接触させることにより行うことができる。この
場合、固相化反応は、従来と同様、室温で15分間〜2
時間程度、4℃なら一夜程度で行うことができる。ま
た、固相化に用いるリガンド溶液の濃度は、リガンドの
種類や測定すべき検体中の物質の種類や濃度に応じて適
宜選択することが可能であるが、通常0.5〜200μ
g/ml程度である。
いて行う免疫測定を行う方法のいずれにも用いることが
でき、これを用いた免疫測定方法自体は基本的に従来と
同様である。すなわち、本発明の免疫測定用担体には、
上記のようにリガンドを固相化する。このようなリガン
ドを本発明の免疫測定用担体に固相化したものは従来と
同様、例えばサンドイッチ法等に用いることができる。
様、リガンドを固相化した本発明の担体を、カゼインや
ウシ血清アルブミン(BSA)等のタンパク質でブロッ
キング後、検体と反応させる。次いで、担体を洗浄後、
第2抗体を反応させ、洗浄後、固相に残っている第2抗
体を測定する。第2抗体の測定は、予め第2抗体を酵
素、蛍光色素、ビオチン、放射性物質等で標識してお
き、これらの標識を検出することにより行うことができ
る。なお、本発明の免疫測定用担体は、サンドイッチ法
に限らず、リガンドを固相化して用いるあらゆる免疫測
定に利用可能である。
ラス繊維を水溶性有機溶媒で処理することにより、免疫
測定の感度が有意に上昇し、従って、同じ測定条件で同
程度の感度を達成するのに必要なリガンドの量を有意に
(例えば1/2〜1/100に)減少させることができ
る。リガンドは高価であるので、リガンドの量を減少で
きることは大きな利点である。
り、なぜ免疫測定の感度が向上するのかは確認されてい
ないが、おそらく有機溶媒が蒸発する際に、ガラス繊維
の表面に付着している水が分離レベルで除去されるため
に、固相化できるリガンドの量が増大することに起因す
ると推測される。
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
スファイバーメンブレンGA100、ガラス繊維の直径
は0.8μm〜1.5μm、目付重量は110g/m
2 、厚さは0.45mm、サイズは300mm×200
mm)をイソプロパノール中に30秒間浸漬し、室温で
5分間乾燥させた。直径6mmのディスク状に切断し
て、自動免疫測定装置(協和メデックス社製ID-1000 )
の反応容器内の担体として使用した。
原の固相化 リガンドとして、アミノ酸40個から成るHCVコアペ
プチドを25μg/ml又は100μg/mlの濃度に
0.01M PBS(pH7)で調製し、60μlを滴
下、室温で30分間反応させた。続いて、80μlの市
販のブロッキング剤(商品名ブロックエース)の50%
溶液及び50%ヤギ血清(0.01MPBS pH7で
希釈)を滴下、室温で30分間反応させた。
料を50倍に希釈し、50μlを反応させた。反応は室
温で2分間行い、続いて洗浄液50μlで洗浄後、ペル
オキシダーゼ標識抗体希釈液50μlを滴下、室温で2
分間反応後、洗浄液80μlを2回滴下してBF分離を
行った。ペルオキシダーゼの基質としてテトラメチルベ
ンジジン(TMB)の溶液を30μl滴下した。上記自
動免疫測定装置からΔk/s値を得た。なお、Δk/s
値は、協和メデックス社製ID-1000 により測定される値
であり、通常の免疫測定法における吸光度にほとんど完
全に対応している。従って、以下、Δk/s値を「吸光
度」と記載する。結果を下記表1に示す。
き、実施例1と同じ操作を行った。結果を下記表1に示
す。
施例1の方が比較例1よりも有意に吸光度が高く、一
方、陰性検体では、むしろ実施例1の方が比較例1より
もやや吸光度が低くなっている。従って、実施例1の方
が比較例1よりも測定感度が有意に高い。また、リガン
ドの濃度が25μg/mlの場合の実施例1における陽
性検体の吸光度と、リガンド濃度100μg/mlの場
合の比較例1における陽性検体の吸光度がほとんど同じ
であるから、同程度の測定感度を得るために必要なリガ
ンドの量が、実施例1では比較例1の1/4でよい。
ァイバーメンブレンGF/D、目付重量は120g/m
2 、厚さは0.68mm、サイズは150mm×150
mm)をアセトン中に60秒間浸漬し、室温で3分間乾
燥させた。直径6mmのディスク状に切断して、自動免
疫測定装置(協和メデックス社製ID-1000 )の反応容器
内の担体として使用した。
化 リガンドを滴下する前処理として、プロパノール20μ
lを滴下、さらに純水を30μl滴下した。リガンドと
して、ネイティブTP抗原を1μg/ml又は100μ
g/mlの濃度に0.01M PBS(pH7)で調製
し、60μlを滴下、室温で30分間反応させた。続い
て、80μlの市販のブロッキング剤(商品名ブロック
エース)の50%溶液及び50%ヤギ血清(0.01M
PBSpH7で希釈)を滴下、室温で30分間反応さ
せた。
記表2に示す。
2と同じ操作を行った。結果を下記表2に示す。
施例2の方が比較例2よりも有意に吸光度が高く、一
方、陰性検体では、実施例2の方が比較例2よりも吸光
度が低くなっている。従って、実施例2の方が比較例2
よりも測定感度が有意に高い。また、リガンドの濃度が
1μg/mlの場合の実施例2における陽性検体の吸光
度と、リガンド濃度100μg/mlの場合の比較例2
における陽性検体の吸光度がほとんど同じであるから、
同程度の測定感度を得るために必要なリガンドの量が、
実施例2では比較例2の約1/100でよい。
用いた新規な免疫測定用担体及びそれを用いたリガンド
の固相化方法が提供された。本発明によれば、ガラス繊
維を水溶性有機溶媒で処理することにより、この処理を
行わない場合に比較して免疫測定の感度が有意に高ま
り、また、同程度の測定感度を得るためには固相化する
リガンドの量を有意に減少できるという効果が奏され
る。また、マイクロタイタープレートのウェルやビーズ
を担体として用いる従来の免疫測定法と比較すると、本
発明によれば、従来よりも短い時間で免疫測定を行うこ
とができ、また、用いる洗浄液や検体の量も従来より少
なくすることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水溶性有機溶媒で処理した後、乾燥させ
たガラス繊維から成る免疫測定用担体。 - 【請求項2】 前記水溶性有機溶媒は、炭素数1〜4の
脂肪族アルコール又は脂肪族ケトンである請求項1記載
の免疫測定用担体。 - 【請求項3】 前記水溶性有機溶媒はプロパノール又は
アセトンである請求項2記載の免疫測定用担体。 - 【請求項4】 ガラス繊維から成るメンブレンの形態に
ある請求項1ないし3のいずれか1項に記載の免疫測定
用担体。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
の免疫測定用担体と、免疫活性物質とを接触させて該免
疫活性物質を前記免疫測定用担体に固相化することから
成る、免疫測定用固相の調製方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP36839697A JP3874520B2 (ja) | 1997-12-27 | 1997-12-27 | 免疫測定用担体及びそれを用いた免疫測定用固相の調製方法 |
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