JPH11193867A - ポリエステル系樹脂製の広角度対応ジョイントブーツ - Google Patents

ポリエステル系樹脂製の広角度対応ジョイントブーツ

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JPH11193867A
JPH11193867A JP24863898A JP24863898A JPH11193867A JP H11193867 A JPH11193867 A JP H11193867A JP 24863898 A JP24863898 A JP 24863898A JP 24863898 A JP24863898 A JP 24863898A JP H11193867 A JPH11193867 A JP H11193867A
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joint
diameter end
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joint boot
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真幸 鳥海
Seiichi Hamate
誠一 濱手
Hiroshi Ono
宏 大野
Katsushi Saito
克志 斎藤
Shinichi Ito
慎一 伊藤
Hiroshi Mochizuki
啓史 望月
Tomoyasu Wada
知恭 和田
Nobuhiko Okano
信彦 岡野
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/703Bellows

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  • Diaphragms And Bellows (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の等速ジョイント等などに用いら
れ、広角度の屈曲変形に対応するジャバラ状のジョイン
トブーツにおいて、充分な耐オゾン性及び耐摩耗性と、
繰り返し屈曲に対する充分な耐疲労性を備えるととも
に、締め付けバンドの締め付け力を増加させることなく
充分なシール性及びその信頼性が得られるものを提供す
る 【解決手段】熱可塑性ポリエステルエラストマーからな
り、ジャバラの山及び谷におけるブーツの径が大口径端
から小口径端へと順次小さくなっているジョイントブー
ツにおいて、(1)ジャバラにおける両端以外の斜面
は、ジョイントブーツの外側に向かって凸であってその
曲率半径が大口径端円筒部の外径の0.3〜2倍であ
り、(2)山と山に挟まれた谷部において、大口径端側
斜面の幅(ブーツ軸方向寸法)が谷幅の30〜40%で
あり、かつ、(3)シール用突条の外面の周方向条溝
は、幅寸法が深さ寸法以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テルエラストマー等のポリエステル系エラストマー樹脂
からなるジョイントブーツに関する。詳しくは、自動車
の等速ジョイントなどに用いられるジャバラ状のジョイ
ントブーツに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業機械の駆動シャフトのジョ
イントには、封入されているグリースを保持するため、
あるいは塵などを防ぐためにジョイントブーツと呼ばれ
る筒状の弾性体膜が装着される。
【0003】このようなジョイントブーツは、例えば、
図7に示すように、両端部に口径差のある筒状のジャバ
ラ構造であり、このジョイントブーツの大口径端円筒部
5と小口径端円筒部6に、自在継ぎ手ケース3とシャフ
ト2とが挿入されそれぞれ締め付けクランプ4により固
着されている。自在継ぎ手ケース3内において上記シャ
フト2と別のシャフトとが回転駆動力を伝達可能な自在
継ぎ手により接続されている。大口径端円筒部5及び小
口径端円筒部6の内周には、断面が山形のシール用突条
91が形成されており、このシール用突条91がクラン
プ4によって締め付けられて押さえ込まれることによ
り、封入されているグリースの漏れが防止されている。
【0004】従来、このようなジョイントブーツは、ク
ロロプレンゴム材料などのゴム材料を射出成形すること
により製造されていた。しかし、自動車用途において
は、近年、部品の保証期間が長期化しており、このよう
な汎用合成ゴム材料では耐オゾン性や耐摩耗性について
の要求を十分に満足させることができなかった。
【0005】そこで、これらの要求を満足できる材料と
して熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂が用いられ
るようになってきている。
【0006】熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂
は、一般に、高融点結晶性の芳香族ポリエステル単位か
らなるハードセグメントと、ポリテトラメチレングリコ
ールといった低融点の脂肪族ポリエーテル単位からなる
ソフトセグメントとがエステル結合されてなり、ハード
セグメント同士の凝集によって物理的に架橋が行われる
ものである。
【0007】熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂等
のポリエステル系エラストマー樹脂は、その構造に由来
する優れた耐久性と耐摩擦性を有する。
【0008】しかし、このようなポリエステル系エラス
トマー樹脂の性能を引き出すためには、樹脂の物性にぴ
ったり適合した形状とする必要がある。ところが、ポリ
エステル系エラストマー樹脂と汎用合成ゴムとでは、根
本的に物性が異なるために、長年使用され試験されて来
た汎用合成ゴム製のジョイントブーツについて経験的に
得られている形状はあまり参考にならない。
【0009】特に、ジャバラの耐屈曲疲労性と、シール
部における密着性、シール性の確保が問題となる。
【0010】シール部における密着性及びシール性を確
保するためには、例えば図8又は図9のような断面形状
に形成されていた(それぞれ特開平2−221766及
び特公平5−73952)。図示の例では、断面略半円
状のシール用突条91の背面に、幅aが狭く深さbの大
きい切り込み状の条溝92が形成されていた。この切り
込み状の条溝92は、シール部が締めけクランプ4から
のある大きさの押圧力によって締め付けられた際に、シ
ール用突条91とシャフト等との密着性を高めるもので
ある。図9のものにあっては、密着性をさらに高める目
的で、背面に条溝92を備えたシール用突条91が、2
本、略W字形断面をなすように設けられている。すなわ
ち、シール用突条91が二重に設けられている。現在市
販されているジョイントブーツにおいては、図9のよう
なシール部形状が主流となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル系エラス
トマー樹脂製ジョイントブーツのジャバラの形状が最適
でない場合には、広角変形が加わった際に応力が集中す
る部位が生じやすく、繰り返し屈曲に対する必要な耐疲
労性が得られなかった。
【0012】また、ポリエステル系エラストマー樹脂製
ジョイントブーツにおいては、自在継ぎ手部が大角度に
傾いたとき、この傾きに追随してジャバラが折り曲げら
れる際の折り曲げトルクが大きくなる傾向にある。この
折り曲げトルクは、シール部をブーツ内側から剥がす向
きの力として作用する。そのため、ジャバラの形状につ
いて折り曲げトルクの発生を最大限抑制する形状とする
とともに、シール部における密着性を充分に高めなけれ
ば、シール性を損ないグリース漏れを起こすおそれがあ
る。
【0013】一方、充分なシール性を確保するために
は、締め付けクランプによる締め付け力を大きくすると
ともに、シール用突条が締め付けられて押さえ込まれる
寸法、すなわちシール用突条の山が締め付け力により高
さを減じる寸法(以降、ツメシロと呼ぶ)を充分大きく
とる必要がある。そのため、用いる締め付けクランプの
板厚を大きく取り強度を充分に大きく取らなければなら
ずそれだけ部品コストが上昇する。また、締め付けクラ
ンプによりジョイントブーツを自在継ぎ手部に組み付け
る際の作業工程負担が大きくなる。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、加わる応力を充分に分散させることができ、繰
り返し屈曲による疲労に対する充分な耐久性が得られる
とともに、シール部締め付けのための部品コスト及び工
程負担の増大なしにシール部の充分な信頼性を確保する
ことのできる樹脂製ブーツを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のポリエステル
系樹脂製の広角度対応ジョイントブーツにおいては、自
由継ぎ手の一方のシャフトに固定された自由継ぎ手収納
ケースに接続するための大口径端短円筒部と、自由継ぎ
手の他方のシャフトに接続するための小口径端短円筒部
と、大口径端から小口径端へと径が順次小さくなってい
るジャバラとからなるポリエステル系樹脂製の広角度対
応ジョイントブーツにおいて、ジャバラを構成する斜面
であって大口径端円筒部及び小口径端円筒部に直接接続
しないものは、ジョイントブーツ軸方向の断面形状にお
いて、ジョイントブーツの外側に向かって凸であってそ
の曲率半径が大口径端円筒部の外径の0.3〜2倍であ
り、ジャバラの二つの稜線に挟まれた谷において、大口
径端側の稜線から谷底までのジョイントブーツ軸方向に
おける距離が、これら二つの稜線の間のジョイントブー
ツ軸方向における距離の30〜40%であり、かつ、大
口径端短円筒部及び小口径端短円筒部において内周面側
にシール用突条が形成され、このシール用突条が形成さ
れた部位の外周面側に条溝が形成され、この条溝は、開
口における幅寸法が深さ寸法に比べて同一か又はより大
きいことを特徴とする。
【0016】上記構成により、広角変形が行われる場合
にも、ジョイントブーツに加わる応力を充分に分散させ
ることができ、繰り返し屈曲による疲労に対する充分な
耐久性が得られるとともに、シール部締め付けのための
部品コスト及び工程負担の増大なしにシール部の密着性
及びシール性についての充分な信頼性を確保することが
できる。
【0017】請求項2記載のポリエステル系樹脂製の広
角度対応ジョイントブーツにおいては、請求項1記載の
ポリエステル系樹脂製の広角度対応ジョイントブーツに
おいて、前記シール用突条の突起の高さ及び前記深さ寸
法が、前記シール用突条に隣接する部位のジョイントブ
ーツの膜厚より大きいことを特徴とする。
【0018】上記構成により、シール部のツメシロを大
きくとることができるため、シール部の密着性とシール
の信頼性をさらに高めることができる。
【0019】請求項3記載のポリエステル系樹脂製の広
角度対応ジョイントブーツにおいては、請求項1記載の
ポリエステル系樹脂製の広角度対応ジョイントブーツに
おいて、前記条溝内の略中央に断面略逆くさび形の突条
が形成されたことを特徴とする。
【0020】上記構成により、シール性をさらに高める
べくシール用突条の幅を大きくとった場合にも、シール
用突条の全面とシャフト等の外面とがほぼ均等な力で密
着するようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】<ジョイントブーツのジャバラの
形状>実施例及び比較例のジョイントブーツのジャバラ
の形状について、向かって右半が軸方向断面図であり、
左半が側面図である図1〜2にそれぞれ示す。ジョイン
トブーツの大口径端円筒部5の径はいずれも約100m
mである。
【0022】ジョイントブーツの材質は、東洋紡積
(株)の熱可塑性ポリエステルエラストマー、ベルプレ
ンP46Dである。
【0023】これら実施例及び比較例は、いずれも、下
記(1)〜(6)の共通の特徴を備えている。これは、
現行品が備える特徴である。
【0024】(1)大口径端から小口径端へとジャバラ
の山及び谷の径が順次小さくなっている。
【0025】(2)継ぎ手ケースに接続する大口径端円
筒部5の端縁から第1谷が始まる。
【0026】(3)ブーツ軸方向の断面において、大口
径端円筒部の中点C1と小口径端円筒部の中点C2との
間のブーツ軸方向における距離をLとし、大口径端円筒
部の中点から第1山の稜線までのブーツ軸方向における
距離をL0、第5山の稜線から小口径端円筒部の中点ま
でのブーツ軸方向における距離をL1、第1山の稜線か
ら第5山の稜線までのブーツ軸方向における距離をL2
としたとき、L0はLの5〜15%、L1はLの12〜
22%、L2はLの67〜77%である。
【0027】(4)各谷において、大口径端側斜面につ
いてのブーツ径方向(ジョイントブーツの半径方向)に
おける寸法(谷面の深さ)が、小口径端側の山の稜線に
おけるジョイントブーツの外径の28〜40%である。
【0028】(5)大口径端円筒部の外径が約100m
mである場合に、稜線における曲率半径が約2mmであ
る。
【0029】(6)ジャバラの稜線近傍の肉厚が、谷底
近傍の肉厚の60〜100%である。
【0030】このような構成において、実施例において
は、下記(7)〜(8)の特徴を備える。
【0031】(7)ジャバラを構成する斜面であって大
口径端円筒部及び小口径端円筒部に直接接続しないも
の、即ちジャバラの両端以外のものは、ブーツ軸方向の
断面形状において、ジョイントブーツの外側に向かって
凸であってその曲率半径が大口径端円筒部の外径の0.
3〜2倍である(以降、凸R形と呼ぶ)。
【0032】(8)ジャバラの二つの稜線に挟まれた谷
において、大口径端側の稜線から谷底までのジョイント
ブーツ軸方向における距離が、これら二つの稜線の間の
ジョイントブーツ軸方向における距離の30〜40%で
ある(以降、のこ刃形と呼ぶ)。
【0033】<ジョイントブーツのジャバラについての
FEM解析>実施例及び比較例のジョイントブーツにつ
いて、有限要素法(Finite Elementanalysis Method)
による解析(以降、FEM解析と呼ぶ。)を用いて、駆
動軸と従動軸とが広角度に変形した場合における変形形
状と応力の分布についてシミュレーションを行った。こ
のFEM解析において、材質である熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー樹脂の物性値について、温度30℃での
ヤング率を440kg/cm2とした。
【0034】FEM解析によるシミュレーションにて得
られた、実施例及び比較例についての大変形時の変形に
おける形状を図3及び4に示す。シミュレーションは、
ジャバラ部の形状に基づくものであるため、変形例につ
いても実施例と同一である。
【0035】実施例と比較例のシミュレーション図を屈
曲内側について比較した場合、実施例のものでは、ジャ
バラの山が比較的整然と積み重なり、ジャバラとシャフ
ト間の押圧がより少ない。そのため、大口径端側のシー
ル部をブーツ内側から剥がす向きに作用するトルク(図
中矢印で示す)が、実施例のもので比較例のものよりも
小さい。
【0036】一方、屈曲外側について比較した場合、実
施例のものでは、小口径端側へのジャバラの山の突きだ
しが比較的少なく、小口径端に隣接した山の折り畳みが
より少ない。そのため、小口径端側のシール部をブーツ
内側から剥がす向きに作用するトルク(図中矢印で示
す)が、実施例のもので比較例のものよりも小さい。
【0037】表1には、実施例及び比較例についてのF
EM解析結果をまとめて示す。
【0038】下記表において、「谷をなす2斜面」が
「等幅」であるとは、当該2斜面についてのブーツ軸方
向の寸法がほぼ等しいことを示す。
【0039】「圧縮側ジャバラ同士の接触」等の欄にお
ける「1〜4谷」は、大口径端から数えて第1〜4谷を
示す。「(2谷)」及び「(大径肩)」は、それぞれ、
第2谷、及び、大径端円筒部の肩部において接触押圧力
が最大となることを示す。
【0040】また、「応力振幅」とは、最大応力と最小
応力との差であり、「応力振幅」等の欄における「3谷
外」は、応力振幅が第3谷の外側で最大となることを示
す。
【0041】
【表1】 上記表1に示すように、ジャバラの広角変形時の応力振
幅及び接触圧は、実施例のものにおいて、比較例のもの
より顕著に小さい。このことは、屈曲に対する耐疲労性
が、実施例により顕著に向上することを意味する。
【0042】表1の末尾には、実施例及び比較例のジャ
バラについて、大角度変形時の変形における折り曲げト
ルクをFEM解析により算出した結果を示している。広
角変形時におけるジャバラの折り曲げトルクが小さくな
ることは、ジャバラが受ける負担が減少することであ
り、同時に、シール部をブーツ内側から剥がす向きに作
用するトルクが減少することでもある。
【0043】以上で示したように、谷をなす2斜面がの
こ刃形をなし、かつ、これら斜面が凸R形である実施例
のジャバラ形状が、耐疲労性及びシール性の観点から望
ましいことが知られる。
【0044】<ジョイントブーツのシール部の形状>次
に、実施例及び変形例のジョイントブーツの大口径端円
筒部及び小口径端円筒部におけるシール部の形状につい
て、図5〜6にそれぞれ示す。比較例のジョイントブー
ツは、上記図9のシール部形状を有している。
【0045】実施例及び変形例のジョイントブーツは、
シール部に関して下記(9)〜(12)の共通の特徴を
備える。
【0046】(9)シール部において、シール用突条9
1が形成された部位の外周面側に位置する周方向の条溝
92は、幅寸法aが深さ寸法bに比べて同一か又はより
大きい。
【0047】(10)シール用突条91は、二重に設け
られず、一重である。
【0048】(11)シール用突条91の突起の高さ
は、シール用突条91に隣接する部位におけるジョイン
トブーツの厚さの1〜2倍である。
【0049】(12)条溝92の深さ寸法は、シール用
突条91に隣接する部位におけるジョイントブーツの厚
さの1〜1.5倍である。
【0050】これに対して、比較例に係るシール部にお
いては、条溝92の幅寸法aが深さ寸法bの3分の1以
下であり、シール用突条91は、2重に設けられ、突起
の高さがシール用突条91の隣接部におけるジョイント
ブーツの厚さの3分の2以下である。条溝92の深さ寸
法は、実施例と同程度である。
【0051】以下に、実施例及び変形例のジョイントブ
ーツにおけるそれぞれのシール部の形状について、より
詳細に説明する。
【0052】実施例のジョイントブーツのシール部は、
そのブーツ軸方向に切断した断面図において、シール用
突条91が略半円形をなし、この背面に、条溝92が正
方形を少し扁平にしたような形状に形成されている。ま
た、該断面図において、シール部外面条溝92の左右対
称軸は、シール用突条91の左右対称軸と一致する。シ
ール用突条91の突起の高さ、及び、条溝92の深さb
は、シール用突条91に隣接する部位におけるジョイン
トブーツの膜厚とほぼ同程度である。また、条溝92の
底面からシール用突条91の外面までの距離は、最短
で、該膜厚と同程度である。
【0053】変形例のジョイントブーツのシール部は、
そのブーツ軸方向に切断した断面図において、シール用
突条91が、角を丸めた台形状をなし、この背面には、
略逆くさび形の突条93を中央に有する略半円形の条溝
92が形成されている。シール用突条91の突起の高さ
は、シール用突条91に隣接する部位におけるジョイン
トブーツの膜厚の約2倍であり、条溝92の深さbは、
該膜厚の約1.5倍である。条溝内突条93の突起の高
さは、条溝92の深さと同程度である。また、条溝92
の底面からシール用突条91の外面までの距離は、最短
で、該膜厚と同程度である。
【0054】<シール部のクランプ圧力>実施例、変形
例及び比較例のジョイントブーツについて、締め付けク
ランプ4によりシール部を締め付けて締め付けクランプ
4と該シール部の間の圧力が1kg/mm2となる場合
のツメシロを算出した。その結果を表2に示す。
【0055】ツメシロが大きいほど、ジョイントブーツ
のシール部とシャフト等との密着性と、この部分におけ
るシール性が向上する。
【0056】下記表2に示すシール部のクランプ圧力の
算出にあたっては、実施例、変形例及び比較例のジョイ
ントブーツがシール部において具体的に以下の寸法を有
するとした。単位はmmである。
【0057】 実施例 変形例 比較例 シール用突条の高さ 2.3 ← 2.8 シール用突条の全体の幅 5.5 ← 7 シール用突条隣接部の厚さ 1.5 ← 1.6 条溝の幅a 1.6 ← 0.5 条溝の深さb 1.2 ← 1.6
【表2】 上記表に示すように、シールの形状が実施例及び変形例
のようであると、シール部における締め付け圧力、すな
わち締め付け時に締め付けクランプ4にかかる圧力を一
定とする場合に、従来技術にかかる比較例に比べて、ツ
メシロをかなり大きくとることとなる。
【0058】したがって、締め付けクランプの強度、及
び、締め付け作業の負担を増大させることなく、シール
部における密着性、及びシールの信頼性を向上させるこ
とができる。
【0059】<シール性耐久試験>実施例及び比較例の
ブーツを実際に試作して、中角度変形時の回転耐久試験
によりグリース漏れが発生するまでの時間を測定した。
この際、回転数は、600r.p.mとし、温度は11
0℃とした。下記表3に示すように、実施例のブーツ
は、比較例のブーツのほぼ2倍の耐久性を有していた。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】広角度の屈曲変形に対応するジャバラ状
のジョイントブーツにおいて、充分な耐オゾン性及び耐
摩耗性と、繰り返し屈曲に対する充分な耐疲労性を備え
るとともに、締め付けバンドの締め付け力を増加させる
ことなく充分なシール性及びその信頼性が得られるもの
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のジョイントブーツについての半断面半
側面図である。
【図2】比較例のジョイントブーツについての半断面半
側面図である。
【図3】実施例1のジョイントブーツを大角度変形させ
た場合についてのFEM解析によるシミュレーション図
である。
【図4】比較例のジョイントブーツについての図3と同
様のシミュレーション図である。
【図5】実施例のジョイントブーツにおけるシール部の
縦断面図である。
【図6】変形例のジョイントブーツにおけるシール部の
縦断面図である。
【図7】ジョイントブーツを概念的に説明するための切
開側面図である。
【図8】従来のジョイントブーツにおけるシール部の縦
断面図である。
【図9】従来の他のジョイントブーツ(比較例)におけ
るシール部の縦断面図である。
【符号の説明】 1 ジョイントブーツ 2 シャフト 3 継ぎ手ケース 4 締め付けバンド 5 大口径端円筒部 6 小口径端円筒部 7 ジャバラの稜線 8 ジャバラの谷線 9 シール部 91 シール用突条 92 シール用突条の背面の条溝 93 条溝内突条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱手 誠一 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 大野 宏 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 斎藤 克志 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 伊藤 慎一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 望月 啓史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 和田 知恭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岡野 信彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自由継ぎ手の一方のシャフトに固定された
    自由継ぎ手収納ケースに接続するための大口径端短円筒
    部と、自由継ぎ手の他方のシャフトに接続するための小
    口径端短円筒部と、大口径端から小口径端へと径が順次
    小さくなっているジャバラとからなるポリエステル系樹
    脂製の広角度対応ジョイントブーツにおいて、 ジャバラを構成する斜面であって大口径端円筒部及び小
    口径端円筒部に直接接続しないものは、ジョイントブー
    ツ軸方向の断面形状において、ジョイントブーツの外側
    に向かって凸であってその曲率半径が大口径端円筒部の
    外径の0.3〜2倍であり、 ジャバラの二つの稜線に挟まれた谷において、大口径端
    側の稜線から谷底までのジョイントブーツ軸方向におけ
    る距離が、これら二つの稜線の間のジョイントブーツ軸
    方向における距離の30〜40%であり、かつ、 大口径端短円筒部及び小口径端短円筒部において内周面
    側にシール用突条が形成され、このシール用突条が形成
    された部位の外周面側に条溝が形成され、この条溝は、
    開口における幅寸法が深さ寸法に比べて同一か又はより
    大きいことを特徴とするポリエステル系樹脂製の広角度
    対応ジョイントブーツ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリエステル系樹脂製の広
    角度対応ジョイントブーツにおいて、 前記シール用突条の突起の高さ及び前記深さ寸法が、前
    記シール用突条に隣接する部位のジョイントブーツの膜
    厚より大きいことを特徴とするポリエステル系樹脂製の
    広角度対応ジョイントブーツ。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリエステル系樹脂製の広
    角度対応ジョイントブーツにおいて、 前記条溝内の略中央に断面略逆くさび形の突条が形成さ
    れたことを特徴とするポリエステル系樹脂製の広角度対
    応ジョイントブーツ。
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