JPH11193768A - エンジンの点火装置 - Google Patents

エンジンの点火装置

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JPH11193768A
JPH11193768A JP9360266A JP36026697A JPH11193768A JP H11193768 A JPH11193768 A JP H11193768A JP 9360266 A JP9360266 A JP 9360266A JP 36026697 A JP36026697 A JP 36026697A JP H11193768 A JPH11193768 A JP H11193768A
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幹生 浜田
Satomi Wada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、かつ広い可変範囲をもって、
エンジンの回転速度の違いに応じて点火時期を安定的に
自動調整すること。 【解決手段】 エンジン1の点火装置は、燃焼室7に供
給される混合気に対し、点火プラグ14を作動させて火
花を飛ばして点火する。クランクシャフト5上のフライ
ホイール6に設けられた一連の複数の突起19a〜19
cはクランクシャフト5の回転に伴って周回し、その通
過をマグネットピックアップ(MPU)21が順次に検
出する。MPU21は、各突起19a〜19cが近くを
通過するときに、それらの通過速度に比例したピーク値
を有する検出信号をパルス的に順次に出力する。電子制
御ユニット(ECU)18は、MPU21からの各検出
信号がそれらの出力順に応じて予め設定されたしきい値
域に適合するときに、点火コイル15を介して点火プラ
グ14を作動させ、シャフト5の回転速度、即ちエンジ
ン1の回転速度の違いに応じて点火時期を進角又は遅角
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンに供給
される混合気に点火する点火装置に係る。特に詳しく
は、エンジンの回転速度の変化に応じて点火時期を進角
又は遅角させるようにしたエンジンの点火装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、草刈機を含む小形作業機
等には、その駆動源として小形で簡易な汎用エンジンが
使用される。この種の汎用エンジンにあっては、その燃
焼室に供給される混合気に点火を行うために、比較的簡
単な構成を有する自己トリガ式の点火装置が用いられ
る。
【0003】この種の点火装置は、エンジンの燃焼室に
設けられた点火プラグと、エンジンのクランクシャフト
に設けられたフライホイールと、フライホイールに設け
られたマグネットと、マグネットの周回軌跡に隣接して
設けられ、ハイテンションコードを介して点火プラグに
接続されるコア付きの点火コイルとを備える。
【0004】ここで、クランクシャフトの回転に同期し
てマグネットが周回し、そのマグネットがコア横を通過
することにより、点火コイルで高電圧が発生する。この
高電圧が点火プラグに供給されることにより、点火プラ
グに火花が発生して、燃焼室に供給された混合気に点火
が行われる。このような点火装置においては、点火プラ
グに火花が発生する時期、即ち混合気の点火時期が、ク
ランクシャフトの回転速度の違いに拘わらず、クランク
シャフトの回転サイクルに対して一定の時期となってい
た。このため、クランクシャフトの回転速度、即ちエン
ジン回転速度が高い場合に、点火時期が遅れすぎて十分
なエンジン出力が得られなかったり、エンジン回転速度
が低い場合に、点火時期が進みすぎてアイドル運転が不
安定になったりするおそれがあった。そのため、この種
の点火装置においても、エンジン回転速度の違いに応じ
て点火時期を進角又は遅角させる機能が必要であった。
【0005】ここで、特公昭61−10672号公報は
点火時期を進角させることのできるトリガ式点火装置の
一例(以下「第1の従来例」と表す。)を開示する。こ
の点火装置は、点火時期を制御するための制御回路を有
し、その制御回路に進角コンデンサを含む。ここでは、
エンジン回転速度が上昇することにより、進角コンデン
サにおける充電電位が高まり、点火コイルを作動させる
ための主トランジスタのオンタイミングが早まり、点火
コイルによる点火プラグの点火時期が進角される。
【0006】一方、特開平1−262367号公報は、
点火時期を進角させることのできるトリガ式点火装置の
別例(以下「第2の従来例」と表す。)を開示する。こ
の点火装置は、フライホイール・マグネット式の発電機
が組み込まれたエンジンにおいて、その発電機における
固定子を、エンジンと同期して回転するフライホイール
側のマグネットとの間で生ずる電磁力により回動可能に
支承させる。点火装置は、その固定子がフライホイール
の回転方向に回動するのを抑制するためのバネ部材を有
する。点火装置は、フライホイールを共用する自己トリ
ガ式の点火ユニット(ピックアップコア等を含む)を移
動させるための駆動機構を有する。この駆動機構は、固
定子の回動に応じて、上記点火ユニットを、フライホイ
ールの外周に沿って上記回動方向とは逆方向へ移動させ
るものである。ここでは、点火ユニットを、エンジン回
転速度の違いに応じて移動させることにより、エンジン
の点火時期を進角又は遅角させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記第1の
従来例に係る点火装置にあっては、進角コンデンサで変
更し得る点火時期の進角範囲が比較的狭くなる傾向にあ
った。又、進角コンデンサの量産に際して、進角コンデ
ンサの充電に関する時定数の設定値にバラツキが生じ、
点火時期の進角値にバラツキが生じるおそれがある。
【0008】一方、前記第2の従来例に係る点火装置に
あっては、点火ユニットが比較的大きくなり、その点火
ユニットを移動させるための駆動機構や支持機構が複雑
で大形化する傾向にあった。そのため、点火装置として
は、構造的に不安定で、動作の信頼性の点でも問題があ
った。
【0009】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、比較的簡単な構成で、かつ比
較的広い可変範囲をもって、エンジンの回転速度の違い
応じて点火時期を安定的かつ段階的に自動調整すること
を可能にしたエンジンの点火装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、エンジンに供給される
混合気に点火手段により火花を飛ばして点火する点火装
置であって、エンジンの出力軸の回転を予め設定された
複数の回転角度毎に断続的に検出し、出力軸の回転速度
に応じた最大値を有する複数の検出信号をパルス的に順
次に出力するための回転検出手段と、順次に出力される
各検出信号の最大値をそれぞれ監視し、各最大値がそれ
らの出力順序に応じて予め設定された大きさと判断した
ときに、出力軸の今回の回転サイクルにおける点火の時
期として点火手段を制御するための時期制御手段とを備
えたことを趣旨とする。
【0011】上記の構成によれば、出力軸の回転速度が
変わることにより、回転検出手段から順次に出力される
各検出信号の最大値が変わる。ここで、時期制御手段
は、回転検出手段から順次に出力される各最大値がそれ
らの出力順序に応じて予め設定された大きさと判断した
ときに、そのときを今回の回転サイクルにおける点火の
時期として点火手段を制御する。従って、エンジンにお
ける混合気の点火の時期が進角又は遅角され、混合気の
燃焼時期がエンジンの低速運転時又は高速運転時等の状
況の違い応じて変えられる。
【0012】上記の目的を達成するために、請求項2に
記載の発明は、請求項1の発明の構成において、回転検
出手段は、出力軸上のフライホールに設けられた複数の
突起又は複数の切り欠きと、各突起又は各切り欠きの周
回軌跡に隣接して設けられ、各突起又は各切り欠きが近
くを通過するときにそれを検出してそれらの通過速度に
比例した最大値を有する複数の検出信号をパルス的に順
次に出力するマグネットピックアップとを含むことと、
時期制御手段は、各突起又は各切り欠きの通過に伴いマ
グネットピックアップから順次に出力される各検出信号
の最大値をそれらの出力順序に応じて予め設定されたし
きい値域と比較し、各最大値がしきい値域に適合すると
きに点火手段を作動させるための作動時期として決定す
る判断回路を含むこととを備えたことを趣旨とする。
【0013】上記の構成によれば、請求項1の発明の作
用を基本とするが、出力軸と共にフライホイールが回転
することにより、各突起又は各切り欠きがマグネットピ
ックアップの近くを通過し、同ピックアップがそれらの
通過速度、即ち出力軸の回転速度に比例した最大値を有
する各検出信号をパルス的に順次に出力する。このと
き、各検出信号の最大値は、判断回路により、それらの
出力順序に応じて設定されたしきい値域と比較され、各
最大値がしきい値域に適合するときに点火手段を作動さ
せるための作動時期として決定される。ここで、出力軸
の回転サイクルに対して相対的に早い順序で出力される
検出信号の最大値に応じたしきい値域を相対的に高く設
定し、相対的に遅い順序で出力される検出信号の最大値
に応じたしきい値域を相対的に低く設定したとする。そ
して、出力軸の回転速度の上昇に伴って各最大値が相対
的に大きくなった場合には、回転サイクルに対して相対
的に早い順序で出力される検出信号の最大値がしきい値
域に適合することになり、点火手段の作動時期として決
定される。一方、出力軸の回転速度の低下に伴って各最
大値が相対的に低くなった場合には、回転サイクルに対
して相対的に遅い順序で出力される検出信号の最大値が
しきい値域に適合することになり、点火手段の作動時期
として決定される。従って、エンジンの高速運転時に
は、点火手段の作動時期が相対的に早くなり、混合気の
点火時期が進角されてその混合気の燃焼時期がエンジン
の高速運転に適合される。一方、エンジンの低速運転時
には、点火手段の作動時期が相対的に遅くなり、混合気
の点火時期が遅角されてその混合気の燃焼時期がエンジ
ンの低速運転に適合される。
【0014】上記の目的を達成するために、請求項3に
記載の発明は、請求項2の発明の構成において、点火手
段は、混合気に火花を飛ばすための点火プラグと、点火
プラグを駆動するための点火コイルとを含むことと、点
火コイルは、一次コイル及び二次コイルを含み、一次コ
イルに供給される電流を遮断したときに二次コイルに誘
発する高電圧を点火プラグに供給するものであること
と、時期制御手段は、判断回路が作動時期を決定したと
きに一次コイルへの通電を遮断するための遮断回路を含
むことと、一次コイルへの通電の遮断に先立って一次コ
イルへの通電を開始するための通電手段とを備えたこと
を趣旨とする。
【0015】上記の構成によれば、請求項2の発明の作
用に加え、点火手段の構成が具体的に特定され、混合気
に対する点火が、点火コイル及び点火プラグの協働によ
り行われる。又、点火コイル(二次コイル)から点火プ
ラグへ高電圧を供給するために必要となる点火コイル
(一次コイル)への通電及びその遮断を行うための構成
が具体化される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエンジンの点火装
置を具体化した一実施の形態を図1〜図10を参照して
詳細に説明する。
【0017】図1は本実施の形態における火花点火式の
エンジン1と、そのエンジン1のための点火装置を示す
概略構成図である。このエンジン1は、草刈機を含む小
形作業機等に適用される簡易な小形の汎用タイプのもの
である。即ち、エンジン1は単一気筒タイプのものであ
り、一つのシリンダボア2に上下動可能に設けられた一
つのピストン3と、そのピストン3にコンロッド4を介
して連結された出力軸としてのクランクシャフト5と、
クランクシャフト5上に固定されたフライホイール6
と、シリンダボア2においてピストン3の上方に設けら
れた燃焼室7とを備える。
【0018】エンジン1は、燃焼室7に連通する吸気通
路8及び排気通路9と、各通路8,9をそれぞれ開閉す
る吸気バルブ10及び排気バルブ11と、各バルブ1
0,11をそれぞれ駆動するためのカムシャフト12,
13と、燃焼室7に設けられた点火プラグ14とを備え
る。各カムシャフト12,13は、クランクシャフト5
の回転に同期して駆動される。従って、各バルブ10,
11は、ピストン3の上下動及びクランクシャフト5の
回転に同期して、即ちエンジン1の吸気行程、圧縮行
程、燃焼行程及び排気行程に同期して開閉される。ここ
では、上記一連の行程が1回行われる毎に、即ちエンジ
ン1の1サイクル毎にクランクシャフト5が2回転する
ことになる。
【0019】ここで、吸気行程において吸気バルブ10
が開かれることにより、キャブレタ等の燃料供給手段
(図示しない)により供給される燃料と、外気との混合
気が吸気通路8を通じて燃焼室7に導入される。その
後、圧縮行程においてピストン3が上動して混合気が圧
縮され、点火プラグ14により混合気に火花が飛ばされ
ることにより、混合気に点火されて燃焼行程へと移行す
る。この燃焼行程においてピストン3が押し下げられる
ことにより、クランクシャフト5が回転してエンジン1
に駆動力が得られる。その後、排気行程においてピスト
ン3が再び上動し、排気バルブ11が開かれることによ
り、燃焼後の排気ガスが燃焼室7から排気通路9を通じ
て外部へ排出される。
【0020】この実施の形態において、点火装置は、上
記点火プラグ14と、エンジン1の上部に設けられた点
火コイル15と、回転検出手段としての第1及び第2の
回転センサ16,17と、時期制御手段を構成する電子
制御ユニット(ECU)18とを備える。
【0021】点火コイル15は、点火プラグ14を駆動
するために、同プラグ14に高電圧を供給するためのも
のである。図6に示すように、点火コイル15は、一次
コイル15a及び二次コイル15bを含む。この点火コ
イル15は、一次コイル15aに供給される電流を遮断
したときに、二次コイル15bに誘発する高電圧を点火
プラグ14に供給するものである。点火プラグ14及び
点火コイル15は点火手段を構成する。
【0022】図2はフライホイール6と、各回転センサ
16,17の配置の関係を示す正面図である。図3は、
同じくフライホイール6と各回転センサ16,17の配
置の関係を示す側面図である。図1〜図3に示すよう
に、第1の回転センサ16は、クランクシャフト5の回
転を予め設定された複数の回転角度毎に断続的に検出
し、クランクシャフト5の回転速度、即ちエンジン1の
回転速度に応じた最大値(ピーク値)を有する検出信号
をパルス的に順次に出力するものである。この実施の形
態では、複数の回転角度として、ピストン3の上死点に
対応する位置TDCを基準にそれよりも手前の5度の回
転角度(BTDC5°)、同じく手前の15度の回転角
度(BTDC15°)、及び同じく手前の25度の回転
角度(BTDC25°)を適用する。
【0023】第1の回転センサ16は、フライホイール
6の外周において同一の周回軌跡上に設けられた一連の
第1、第2及び第3の突起19a,19b,19cと、
各突起19a〜19cに対応して設けられた第1のマグ
ネットピックアップ(以下「MPU」と表す。)21と
を含む。第1のMPU21は各突起19a〜19cの周
回軌跡に隣接して設けられ、各突起19a〜19cがそ
の近くを通過するときに、それらの通過速度に比例した
ピーク値Vpを有する三つの検出信号をパルス的に順次
に出力する。即ち、第1のMPU21は、クランクシャ
フト5の回転に伴い、BTDC5°、BTDC15°及
びBTDC25°の位置に対応する検出信号を順次に出
力する。第1の回転センサ16は、点火プラグ14に高
電圧を供給するために、点火コイル15の一次コイル1
5aへの通電を遮断する時期を検出するためのものであ
る。
【0024】図1〜図3に示すように、第2の回転セン
サ17は、クランクシャフト5の回転を予め設定された
回転角度(この実施の形態では、ピストン3の上死点に
対応する位置TDCを基準にそれよりも手前の50度の
回転角度(BTDC50°))毎に検出し、エンジン1
の回転速度に応じた最大値(ピーク値)を有する検出信
号をインパルス的に出力するものである。
【0025】第2の回転センサ17は、フライホイール
6の外周において、上記各突起19a〜19cと並ぶ異
なる周回軌跡上に設けられた第4の突起20と、その突
起20に対応して設けられた第2のMPU22とを含
む。このMPU22は第4の突起20の周回軌跡に隣接
して設けられ、突起20がその近くを通過するときに、
その通過速度に比例したピーク値Vpを有する検出信号
をインパルス的に出力する。第2のMPU22は、一次
コイル15aへの通電の遮断に先立って一次コイル15
aへの通電を開始する時期を検出するためのものであ
る。
【0026】図4は各MPU21,22の内部構造を示
す。各MPU21,22は、ケース23に収容されたボ
ビン24と、そのボビン24の内部に配置されたマグネ
ット25及びコア26と、そのコア26に対応してボビ
ン24に巻かれたコイル27とを備える。
【0027】図5は各MPU21,22がそれらに対応
した各突起19a〜19c,20を検出したときに出力
する電圧変化に係る検出信号の波形を示す。この検出信
号は略正弦波状を示し、各突起19a〜19c,20の
周回速度、即ちクランクシャフト5の回転速度(エンジ
ン1の回転速度)が速くなるに連れてピーク値Vpが高
くなり、時間的には狭い幅を示す。一方、この検出信号
は、クランクシャフト5の回転速度が低くなるに連れて
ピーク値Vpが低くなり、時間的には広い幅を示す。
【0028】ECU18には各MPU21,22がそれ
ぞれ接続される。ECU18には、バッテリ28が接続
される。図6はECU18を含む点火装置の電気的構成
を示す。このECU18は、第1の判断回路31、第2
の判断回路32、終段のフリップフロップ33及びトラ
ンジスタ34を備える。
【0029】第1の判断回路31は、第1のダイオード
35、第1の比較回路36、第2の比較回路37、第3
の比較回路38及び選択回路39を含む。第1の比較回
路36は、第1のオペアンプ40、第1のバッテリ4
1、インバータ42、第1のフリップフロップ43、イ
ンバータ44及びエクスオア回路45を備える。第2の
比較回路37は、第2のオペアンプ47、第2のバッテ
リ48、インバータ49、第2のフリップフロップ50
及びインバータ51を備える。第3の比較回路38は、
第3のオペアンプ52、三つの抵抗53,54,55、
第3のフリップフロップ56及び抵抗57を備える。更
に、選択回路39はカウンタ58、ノア回路59及びア
ンド回路60を備える。
【0030】第1のMPU21は、第1のダイオード3
5を介して第1〜第3のオペアンプ40,47,52の
負の入力端子にそれぞれ接続される。第1の比較回路3
6において、第1のオペアンプ40の正の入力端子に
は、第1のバッテリ41が接続される。このバッテリ4
1は、第1のMPU21の検出信号と比較されるべき、
相対的に低い低しきい値V2を決定するためのものであ
る。このオペアンプ40の出力端子はインバータ42を
介して第1のフリップフロップ43の入力端子(S)に
接続される。このフリップフロップ43の出力端子
(Q)はインバータ44を介してエクスオア回路45の
一方の入力端子に接続される。エクスオア回路45の出
力端子は、カウンタ58の入力端子(P0)に接続され
る。
【0031】第2の比較回路37において、第2のオペ
アンプ47の正の入力端子には、第2のバッテリ48が
接続される。このバッテリ48は、第1のMPU21の
検出信号と比較されるべき、相対的に高い高しきい値V
1(V1>V2)を決定するためのものである。このオ
ペアンプ47の出力端子はインバータ49を介して第2
のフリップフロップ50の入力端子(S)に接続され
る。このフリップフロップ50の出力端子(Q)はイン
バータ51を介してエクスオア回路45の他方の入力端
子及びカウンタ58の入力端子(P1)に接続される。
【0032】第3の比較回路38において、互いに直列
に接続された二つの抵抗53,54の一端はバッテリ2
8に接続され、他端は接地される。第3のオペアンプ5
2の正の入力端子は、両抵抗53,54の間に接続され
る。このオペアンプ52の出力端子は第3のフリップフ
ロップ56及びカウンタ58の入力端子(CK)にそれ
ぞれ接続されると共に、アンド回路60の一方の入力端
子に接続される。更に、このオペアンプ52の出力端子
は、両抵抗53,54の間に接続される。第3のフリッ
プフロップ56の入力端子(D)は抵抗57を介してバ
ッテリ28に接続され、別の入力端子(S)は、接地さ
れ、出力端子(Q)はカウンタ58の入力端子(PR)
に接続される。
【0033】第4の比較回路39において、カウンタ5
8の両出力端子(Q0,Q1)はノア回路59の入力端
子に接続される。このノア回路59の出力端子は、アン
ド回路60の他方の入力端子に接続される。アンド回路
60の出力端子は、終段のフリップフロップ33の入力
端子(CK)に接続される。
【0034】一方、第2の判断回路32は、第2のダイ
オード61、第4のオペアンプ62、第3のバッテリ6
3及びインバータ64を含む。第2のMPU22は、第
2の判断回路32において、第2のダイオード61を介
して第4のオペアンプ62の負の入力端子に接続され
る。このオペアンプ62の正の入力端子には、第3のバ
ッテリ63が接続される。このバッテリ63は、第2の
MPU22の検出信号と比較されるべきしきい値V3を
決定するためのものである。このオペアンプ62の出力
端子は、インバータ64を介して第1〜第3のフリップ
フロップ43,50,56の入力端子(R)、及び終段
のフリップフロップ33の入力端子(S)にそれぞれ接
続される。
【0035】この実施の形態において、第2のMPU2
2、第2の判断回路32、終段のフリップフロップ33
及びトランジスタ34は、一次コイル15aへの通電の
遮断に先立って一次コイル15aへの通電を開始するた
めの通電手段を構成する。この構成の中で、第2の判断
回路32、フリップフロップ33及びトランジスタ34
は通電回路を構成する。これに対して、第1のMPU2
1、第1の判断回路31、フリップフロップ33及びト
ランジスタ34は、一次コイル15aへの通電を遮断す
るための遮断手段を構成する。この構成の中で、第1の
判断回路31、フリップフロップ33及びトランジスタ
34は遮断回路を構成する。
【0036】終段のフリップフロップ33の入力端子
(D)(R)はそれぞれ接地され、出力端子(Q)はト
ランジスタ34のベースに接続される。トランジスタ3
4のコレクタは点火コイル15の一次コイル15aに接
続され、同点火コイル15はバッテリ28に接続され
る。点火コイル15の二次コイル15bは点火プラグ1
4に接続される。
【0037】次に、上記のように構成したエンジンの点
火装置の動作について説明する。エンジン1の運転時に
クランクシャフト5が回転してフライホイール6が、図
1,2において反時計方向(矢印方向)へ回転すると、
各突起19a〜19c,20が共に周回する。ここで、
第4の突起20が第2のMPU22の近くを通過する
と、同MPU22はそのときの突起20の通過速度、即
ちクランクシャフト5の回転速度(エンジン1の回転速
度)に応じたピーク値Vpを有する略正弦波状の検出信
号を出力する。第2のダイオード61は、この検出信号
を整流し、第4のオペアンプ62はその整流信号を所定
のしきい値V3と比較する。そして、整流信号がしきい
値V3を超えると、第4のオペアンプ62はロウレベル
の信号を出力し、インバータ64は、その出力信号をハ
イレベルの信号に反転して出力する。このハイレベルの
信号が終段のフリップフロップ33の入力端子(S)に
入力されると、フリップフロップ33は出力端子(Q)
からハイレベルの信号をトランジスタ34へ出力する。
これを受けてトランジスタ34がオンすると、点火コイ
ル15の一次コイル15aが通電を受ける。更に、イン
バータ64から出力される信号は、第1〜第3のフリッ
プフロップ43,50,56の入力端子(R)にそれぞ
れ入力される。
【0038】その後、やや遅れて第1〜第3の突起19
a〜19cが第1のMPU21の近くを順次に通過する
と、MPU21はそのときのクランクシャフト5の回転
速度に応じたピーク値Vpを有する略正弦波状の一連の
検出信号を順次に出力する。第1のダイオード35は、
これらの検出信号を整流し、第1及び第2のオペアンプ
40,47はそれらの整流信号を所定のしきい値V2,
V1とそれぞれ比較する。第3のオペアンプ52は、そ
のそれらの整流信号を抵抗53,54によって形成され
る所定の基準値と比較する。
【0039】そして、第1の比較回路36では、整流信
号がしきい値V2を超えると、第1のオペアンプ40は
ロウレベルの信号を出力し、インバータ42は、その出
力信号をハイレベルの信号に反転して出力する。このハ
イレベルの信号が第1のフリップフロップ43の入力端
子(S)に入力されると、フリップフロップ43は出力
端子(Q)からハイレベルの信号を出力する。このハイ
レベルの信号は、インバータ44により反転され、エク
スオア回路45に入力される。
【0040】同様に、第2の比較回路37では、整流信
号がしきい値V1を超えると、第2のオペアンプ47は
ロウレベルの信号を出力し、インバータ49は、その出
力信号をハイレベルの信号に反転して出力する。このハ
イレベルの信号が第2のフリップフロップ50の入力端
子(S)に入力されると、フリップフロップ50は出力
端子(Q)からハイレベルの信号を出力する。このハイ
レベルの信号は、インバータ51により反転され、エク
スオア回路45及びカウンタ58にそれぞれ入力され
る。
【0041】更に、第3の比較回路38では、整流信号
が所定の基準値を超えると、第3のオペアンプ52はロ
ウレベルの信号を出力する。このロウレベルの信号は、
第3のフリップフロップ56及びカウンタ58の入力端
子(CK)にそれぞれ入力されると共に、アンド回路6
0に入力される。フリップフロップ56の入力端子(C
K)にロウレベルの信号が入力されると、同フリップフ
ロップ56はその信号の立ち上がりに同期して、カウン
タ58の入力端子(PR)へハイレベルの信号を出力す
る。カウンタ58の入力端子(PR)にハイレベルの信
号が入力されると、同カウンタ58は両入力端子(P
0,P1)の値をセットする。
【0042】そして、カウンタ58の両出力端子(Q
0,Q1)からノア回路59にロウレベルの信号が入力
され、同回路59からアンド回路60にハイレベルの信
号が入力されると共に、第3のオペアンプ52からアン
ド回路60にハイレベルの信号が入力される。これによ
り、アンド回路60から終段のフリップフロップ33の
入力端子(CK)にハイレベルの信号が入力される。フ
リップフロップ33は、この信号の最初の立ち上がりに
伴って出力信号を立ち下がらせる。これを受けてトラン
ジスタ34がオフすると、一次コイル15aに対する通
電が遮断される。このとき、二次コイル15bに高電圧
が誘発し、その高電圧が点火プラグ14に供給される
と、点火プラグ14で火花が飛ばされる。この火花が、
エンジン1の圧縮行程において飛ばされると、燃焼室7
に導入された混合気に点火され、混合気が爆発・燃焼す
る。これにより、ピストン3が押し下げられ、クランク
シャフト5がトルクを受けて回転され、エンジン1に駆
動力が得られる。尚、この火花は、エンジン1の排気行
程においても飛ばされることになるが、そのときの火花
は無効火花となる。
【0043】ここで、上記の各信号の関係を図7〜図9
のタイムチャートに示す。各タイムチャートは、一連の
突起19a〜19cにつき、第1のMPU21から出力
される検出信号のピーク値Vpの大きさの違いによって
分類されたものである。
【0044】図7はピーク値Vpが高しきい値V1より
高い(V1<Vp)場合、即ち、エンジン1の回転速度
が相対的に高い場合を示す。この場合における第1及び
第2のフリップフロップ43,50の出力と、カウンタ
58の両入力端子(P0,P1)の入力との関係を、図
10の表中の第3欄に示す。
【0045】この場合において、先ず、BTDC50°
の位置において、第2のMPU22による第4の突起2
0の検出に伴い、終段のフリップフロップ33からハイ
レベルの信号が出力され、点火コイル15に通電が開始
される。その直後に、一連の検出信号の入力に伴い、第
3のオペアンプ52から出力される断続的なロウ・ハイ
切り替わりの信号が第3のフリップフロップ56の入力
端子(CK)に入力されると、その一つ目の信号の立ち
上がりに同期してフリップフロップ56の出力がロウレ
ベルからハイレベルに切り替わる。これにより、カウン
タ58の入力端子(PR)の入力がロウレベルからハイ
レベルに切り替わり、両入力端子(P0,P1)の値が
同カウンタ58にセットされる。ここでは、それらの値
が共にロウレベルであるので、ノア回路59の出力はハ
イレベルのまま変化がない。このとき、第3のオペアン
プ52からアンド回路60に入力される信号が、第1の
突起19aの検出に伴って最初にロウレベルからハイレ
ベルに切り替わると、アンド回路60から終段のフリッ
プフロップ33へハイレベルの信号が出力される。これ
を受けて、フリップフロップ33はその出力をハイレベ
ルからロウレベルに切り替え、トランジスタ34がオフ
され、一次コイル15aへの通電が遮断され、点火プラ
グ14により点火が行われる。このように、エンジン1
の回転速度が相対的に高い場合には、BTDC25°に
位置する第1の突起19aの検出に伴い点火が行われ、
点火時期が相対的に進角される。
【0046】図8はピーク値Vpが高しきい値V1より
も低く、低しきい値V2よりも高い(V2<Vp<V
1)場合、即ち、エンジン1の回転速度が中程度の場合
を示す。この場合における第1及び第2のフリップフロ
ップ43,50の出力と、カウンタ58の両入力端子
(P0,P1)の入力との関係を、図10の表中の第2
欄に示す。
【0047】この場合において、上記の場合と同様に、
BTDC50°の位置において、第4の突起20の検出
に伴い点火コイル15に対する通電が開始される。その
直後に、一連の検出信号の入力に伴い、第3のオペアン
プ52から出力される断続的なロウ・ハイ切り替わりの
信号が第3のフリップフロップ56の入力端子(CK)
に入力されると、その一つ目の信号の立ち上がりに同期
して、同フリップフロップ56の出力がロウレベルから
ハイレベルに切り替わる。これにより、カウンタ58の
入力端子(PR)の入力がロウレベルからハイレベルに
切り替わり、両入力端子(P0,P1)の値が同カウン
タ58にセットされる。ここでは、入力端子(P0)の
値がハイレベル、入力端子(P1)の値がロウレベルと
なるので、カウンタ58の出力端子(Q0)の出力がハ
イレベル、出力端子(Q1)の出力がロウレベルとな
る。その結果、ノア回路59の出力信号はハイレベルか
らロウレベルに立ち下がり、カウンタ58のカウント終
了と共にロウレベルからハイレベルに立ち上がる。この
とき、第3のオペアンプ52からアンド回路60に入力
される信号が、第2の突起19bの検出に伴って二回目
にロウレベルからハイレベルに切り替わると、アンド回
路60から終段のフリップフロップ33へハイレベルの
信号が出力される。これを受けて、フリップフロップ3
3はその出力をハイレベルからロウレベルに替え、トラ
ンジスタ34がオフされ、一次コイル15aへの通電が
遮断され、点火プラグ14により点火が行われる。この
ように、エンジン1の回転速度が中程度の場合には、B
TDC15°に位置する第2の突起19bの検出に伴い
点火が行われ、点火時期が調整される。
【0048】図9はピーク値Vpが低しきい値V2より
も低い(Vp<V2)場合、即ち、エンジン1の回転速
度が相対的に低い場合を示す。この場合における第1及
び第2のフリップフロップ43,50の出力と、カウン
タ58の両入力端子(P0,P1)の入力との関係を、
図10の表中の第1欄に示す。
【0049】この場合において、上記の場合と同様に、
BTDC50°の位置において、第4の突起20の検出
に伴い点火コイル15に対する通電が開始されたとす
る。その直後に、一連の検出信号の入力に伴い、第3の
オペアンプ52から出力される断続的なロウ・ハイ切り
替わりの信号が第3のフリップフロップ56の入力端子
(CK)に入力されると、その一つ目の信号の立ち上が
りに同期して、同フリップフロップ56の出力がロウレ
ベルからハイレベルに切り替わる。これにより、カウン
タ58の入力端子(PR)の入力がロウレベルからハイ
レベルに切り替わり、両入力端子(P0,P1)の値が
同カウンタ58にセットされる。ここでは、入力端子
(P0)の値がロウレベル、入力端子(P1)の値がハ
イレベルであるので、カウンタ58の出力端子(Q0)
の出力がロウレベル、出力端子(Q1)の出力がハイレ
ベルとなる。その結果、ノア回路59の出力信号はハイ
レベルからロウレベルに立ち下がり、カウンタ58のカ
ウント終了と共にロウレベルからハイレベルに立ち上が
る。このとき、第3のオペアンプ52からアンド回路6
0に入力される信号が、第3の突起19cの検出に伴っ
て三回目にロウレベルからハイレベルに切り替わると、
アンド回路60から終段のフリップフロップ33へハイ
レベルの信号が出力される。これを受けて、フリップフ
ロップ33はその出力をハイレベルからロウレベルに替
え、トランジスタ34がオフされ、一次コイル15aへ
の通電が遮断され、点火プラグ14により点火が行われ
る。このように、エンジン1の回転速度が相対的に低い
場合には、BTDC5°に位置する第3の突起19bの
検出に伴い点火が行われ、点火時期が相対的に遅角され
る。
【0050】以上説明したように、エンジン1の運転時
にクランクシャフト5の回転速度が変わると、第1のM
PU21から順次に出力される各検出信号のピーク値V
pが変わる。ここで、ECU18は、第1のMPU21
から順次に出力される一連のピーク値Vpがそれらの出
力順序に応じて予め設定された大きさと判断したとき
に、その判断時を今回のクランクシャフト5の回転サイ
クルにおける点火時期として点火コイル15を介して点
火プラグ14を制御する。従って、エンジン1の燃焼室
7における混合気の点火時期が進角又は遅角され、混合
気の燃焼時期がエンジン1の低速運転時、或いは高速運
転時等の運転状況の違い応じて変えられる。
【0051】具体的には、クランクシャフト5と共にフ
ライホイール6が回転すると、各突起19a〜19cが
第1のMPU21の近くを通過し、同MPU21がそれ
らの通過速度、即ちエンジン1の回転速度に比例したピ
ーク値Vpを有する各検出信号をパルス的に順次に出力
する。このとき、各検出信号のピーク値Vpは、第1の
判断回路31により、それらの出力順序に応じて設定さ
れた各しきい値域、即ち、低しきい値V2より低い「低
しきい値域(Vp<V2)」、低しきい値V2と高しき
い値V1との間の「中しきい値域(V2<Vp<V
1)」、及び高しきい値V1より高い「高しきい値域
(V1<Vp)」と比較される。そした、各ピーク値V
pが上記各しきい値域の何れかに適合したと判断された
ときに、そのときが点火プラグ14を作動させるための
作動時期、即ち点火時期として決定される。
【0052】この実施の形態では、クランクシャフト5
の回転サイクルに対して相対的に早い順序で出力される
検出信号、即ち、第1の突起19aに係る検出信号のピ
ーク値Vpに応じたしきい値域を、高しきい値域(V1
<Vp)として設定し、第2の突起19bに係る検出信
号のピーク値Vpに応じたしきい値域を中しきい値域
(V2<Vp<V1)として設定し、第3の突起19c
に係る検出信号のピーク値Vpに応じたしきい値域を低
しきい値域(Vp<V2)として設定している。そし
て、クランクシャフト5の回転速度の上昇に伴い、各ピ
ーク値Vpが相対的に高くなった場合には、同シャフト
5の回転サイクルに対して相対的に早い順序で出力され
る第1の突起19aに係る検出信号のピーク値Vpが、
上記高しきい値域(V1<Vp)に適合することにな
り、そのときが点火プラグ14等を作動させる点火時期
として決定される。一方、クランクシャフト5の回転速
度の低下に伴い、各ピーク値Vpが相対的に低くなった
場合には、同シャフト5の回転サイクルに対して相対的
に遅い順序で出力される第3の突起19cに係る検出信
号のピーク値Vpが低しきい値域(Vp<V2)に適合
することになり、そのときが点火プラグ14等を作動さ
せる点火時期として決定される。
【0053】従って、エンジン1の高速運転時には、点
火プラグ14が火花を発生させる時期が相対的に早めら
れ、燃焼室7における混合気の点火時期が進角されて、
その混合気の燃焼時期がエンジン1の高速運転に適合さ
れる。一方、エンジン1の低速運転時には、点火プラグ
14等が火花を発生させる時期が相対的に遅れさせら
れ、燃焼室7における混合気の点火時期が遅角されて、
その混合気の燃焼時期がエンジン1の低速運転に適合さ
れる。
【0054】このことから、本実施の形態の点火装置に
よれば、駆動機構や支持機構が複雑で大形化するような
前記第2の従来例の点火装置とは異なり、各突起19a
〜19c,20を有するフライホイール6、一対のMP
U21,22及びECU18を含む比較的簡単な構成で
エンジン1の回転速度の違いに応じて点火時期を、安定
的に、かつ自動的に調整することができるようになる。
【0055】加えて、本実施の形態の点火装置によれ
ば、点火時期の進角範囲が比較的狭くなるような前記第
1の従来例の点火装置とは異なり、フライホイール6上
に設けられた複数の突起19a〜19cの配列範囲を任
意に設定することにより比較的広い可変範囲をもって、
エンジン1の回転速度の違いに応じて点火時期を、安定
的に、かつ自動的に調整することができるようになる。
【0056】この実施の形態の点火装置では、点火コイ
ル15に対する通電及びその通電の遮断を行うために、
二つのMPU21,22を必要としているが、第2の判
断回路32を簡略化することが可能となり、ECU18
の回路構成を比較的単純なものにすることができる。
【0057】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で以下のように実施することができる。
【0058】(1)前記実施の形態では、各MPU2
1,22に対応させてフライホイール6の外周に複数の
突起19a〜19c,20を設けた。これに対して、図
11に示すように、各MPU21,22に対応させてフ
ライホイール6の外周に複数の切り欠き71a〜71
c,72を設けてもよい。
【0059】(2)前記実施の形態では、フライホイー
ル6の外周に三つの突起19a〜19cを設け、それら
を互いに10度の等角度間隔をもって隔てた。これに対
し、複数の突起の数を二つ又は四つ以上とし、各突起の
角度間隔も10度以外の角度間隔にしたり、或いは不等
角度間隔に設定したりしてもよい。
【0060】(3)前記実施の形態では、本発明の点火
装置を単一気筒のエンジン1に具体化したが、本発明の
点火装置を複数気筒のエンジンに具体化することも可能
である。この場合、その気筒数に応じてフライホール6
における複数の突起19a〜19c,20又は切り欠き
71a〜71c,72の数を増やすと共に、点火コイル
15及び点火プラグ14の数を増やし、ECU18等の
電気的構成を適宜に変更すればよい。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
エンジンの出力軸の回転を複数の回転角度毎に回転検出
手段により断続的に検出し、その回転速度に応じた最大
値を有する複数の検出信号を回転検出手段によりパルス
的に順次に出力させる。更に、順次に出力される各検出
信号の最大値を時期制御手段により監視し、各最大値が
それに対応する出力順序に応じて予め設定された大きさ
と判断したときに、そのときを出力軸の今回の回転サイ
クルにおける点火時期として時期制御手段により点火手
段を制御すようにしている。従って、出力軸の回転速度
が変わり、順次に出力される各検出信号の最大値がそれ
らの出力順序に応じて設定された大きさと判断されたと
きに、そのときを点火時期として点火手段が制御され、
エンジンにおける混合気の点火の時期が進角又は遅角さ
れ、混合気の燃焼時期がエンジンの低速運転時又は高速
運転時等の状況の違い応じて変えられる。この結果、比
較的簡単な構成で、かつ比較的広い可変範囲をもって、
エンジンの回転速度の違い応じて点火時期を安定的かつ
段階的に自動調整することができるという効果を発揮す
る。
【0062】請求項2に記載の発明の構成によれば、請
求項1の発明の構成において、回転検出手段を、出力軸
上のフライホールに設けられた複数の突起又は複数の切
り欠きと、各突起又は各切り欠きの通過を検出してそれ
らの通過速度に比例した最大値を有する複数の検出信号
をパルス的に順次に出力するマグネットピックアップに
より構成する。更に、時期制御手段に、前記各検出信号
の最大値をそれらの出力順序に応じて予め設定されたし
きい値域と比較し、各最大値が各しきい値域に適合する
ときを点火手段の作動時期として決定する判断回路を含
ませる。この発明によれば、第1の発明の作用を基本と
するが、フライホイールの回転に伴い、マグネットピッ
クアップが各突起又は各切り欠きの通過速度、即ち出力
軸の回転速度に比例した最大値を有する複数の検出信号
を順次に出力する。このとき、判断回路で順次に比較さ
れる各検出信号が各しきい値域に適合することにより、
出力軸の回転速度に応じて点火手段が作動する。従っ
て、エンジンが高速運転の場合には、混合気の点火の時
期が進角されてその燃焼時期が高速運転に適合され、エ
ンジンが低速運転の場合には、混合気の点火の時期が遅
角されてその燃焼時期が低速運転に適合される。この意
味で、第1の発明と同等の効果を得ることができる。
【0063】請求項3に記載の発明の構成によれば、請
求項2の発明の構成において、一次コイル及び二次コイ
ルを含む点火コイルと点火プラグとにより点火手段を構
成する。更に、マグネットピックアップの検出信号がし
きい値より大きくなったときに、一次コイルへの通電を
遮断する遮断回路を時期制御手段に設け、一次コイルへ
の通電の遮断に先立って一次コイルへの通電を開始する
通電手段を設けている。従って、この発明によれば、請
求項2の発明の作用に加え、点火手段の構成が具体的に
特定され、混合気に対する点火が、点火コイル及び点火
プラグの協働により行われ、更には、点火コイルの一次
コイルへの通電及びその遮断を行うための構成が具体化
される。この意味で、請求項2の発明と同様の効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、エンジン及び点火装置を
示す概略構成図である。
【図2】同じく、フライホイール上の各突起及び各MP
Uの配置を示す概念図である。
【図3】同じく、フライホイール上の各突起及び各MP
Uの配置を示す概念図である。
【図4】同じく、MPUの内部構造を示す部分断面図で
ある。
【図5】同じく、各MPUが出力する検出信号の波形を
示すグラフである。
【図6】同じく、点火装置の電気的構成を示す電気回路
図である。
【図7】同じく、各種信号の関係を示すタイムチャート
である。
【図8】同じく、各種信号の関係を示すタイムチャート
である。
【図9】同じく、各種信号の関係を示すタイムチャート
である。
【図10】同じく、ピーク値レベルと各種出力及び入力
等の関係を示す表である。
【図11】別の実施の形態に係り、フライホイール上の
各切り欠き及び各MPUの配置を示す概念図である。
【符号の説明】
1 エンジン 5 クランクシャフト(出力軸を構成する。) 6 フライホイール 14 点火プラグ 15 点火コイル(14,15は点火手段を構成す
る。) 15a 一次コイル 15b 二次コイル 16 第1の回転センサ(回転検出手段を構成す
る。) 18 ECU(時期制御手段を構成する。) 31 第1の判断回路(31,33,34は遮断回路
を構成する。) 32 第2の判断回路 19a 第1の突起 19b 第2の突起 19c 第3の突起 20 第4の突起 21 第1のMPU 22 第2のMPU(32,22,33,34は通電
手段を構成する。) 71a 第1の切り欠き 71b 第2の切り欠き 71c 第3の切り欠き 72 第4の切り欠き V1 しきい値 V2 しきい値 Vp ピーク値(最大値)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】第1の判断回路31は、第1のダイオード
35、第1の比較回路36、第2の比較回路37、第3
の比較回路38及び選択回路39を含む。第1の比較回
路36は、第1のオペアンプ40、第1のバッテリ4
1、インバータ42、第1のフリップフロップ43、イ
ンバータ44及びエクスクルーシブオア回路45を備え
る。第2の比較回路37は、第2のオペアンプ47、第
2のバッテリ48、インバータ49、第2のフリップフ
ロップ50及びインバータ51を備える。第3の比較回
路38は、第3のオペアンプ52、三つの抵抗53,5
4,55、第3のフリップフロップ56及び抵抗57を
備える。更に、選択回路39はカウンタ58、ノア回路
59及びアンド回路60を備える。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】第1のMPU21は、第1のダイオード3
5を介して第1〜第3のオペアンプ40,47,52の
負の入力端子にそれぞれ接続される。第1の比較回路3
6において、第1のオペアンプ40の正の入力端子に
は、第1のバッテリ41が接続される。このバッテリ4
1は、第1のMPU21の検出信号と比較されるべき、
相対的に低い低しきい値V2を決定するためのものであ
る。このオペアンプ40の出力端子はインバータ42を
介して第1のフリップフロップ43の入力端子(S)に
接続される。このフリップフロップ43の出力端子
(Q)はインバータ44を介してエクスクルーシブオア
回路45の一方の入力端子に接続される。エクスクルー
シブオア回路45の出力端子は、カウンタ58の入力端
子(P0)に接続される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】第2の比較回路37において、第2のオペ
アンプ47の正の入力端子には、第2のバッテリ48が
接続される。このバッテリ48は、第1のMPU21の
検出信号と比較されるべき、相対的に高い高しきい値V
1(V1>V2)を決定するためのものである。このオ
ペアンプ47の出力端子はインバータ49を介して第2
のフリップフロップ50の入力端子(S)に接続され
る。このフリップフロップ50の出力端子(Q)はイン
バータ51を介してエクスクルーシブオア回路45の他
方の入力端子及びカウンタ58の入力端子(P1)に接
続される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】そして、第1の比較回路36では、整流信
号がしきい値V2を超えると、第1のオペアンプ40は
ロウレベルの信号を出力し、インバータ42は、その出
力信号をハイレベルの信号に反転して出力する。このハ
イレベルの信号が第1のフリップフロップ43の入力端
子(S)に入力されると、フリップフロップ43は出力
端子(Q)からハイレベルの信号を出力する。このハイ
レベルの信号は、インバータ44により反転され、エク
スクルーシブオア回路45に入力される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】同様に、第2の比較回路37では、整流信
号がしきい値V1を超えると、第2のオペアンプ47は
ロウレベルの信号を出力し、インバータ49は、その出
力信号をハイレベルの信号に反転して出力する。このハ
イレベルの信号が第2のフリップフロップ50の入力端
子(S)に入力されると、フリップフロップ50は出力
端子(Q)からハイレベルの信号を出力する。このハイ
レベルの信号は、インバータ51により反転され、エク
スクルーシブオア回路45及びカウンタ58にそれぞれ
入力される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに供給される混合気に点火手段
    により火花を飛ばして点火する点火装置であって、 前記エンジンの出力軸の回転を予め設定された複数の回
    転角度毎に断続的に検出し、前記出力軸の回転速度に応
    じた最大値を有する複数の検出信号をパルス的に順次に
    出力するための回転検出手段と、 前記順次に出力される各検出信号の最大値をそれぞれ監
    視し、前記各最大値がそれらの出力順序に応じて予め設
    定された大きさと判断したときに、前記出力軸の今回の
    回転サイクルにおける点火の時期として前記点火手段を
    制御するための時期制御手段とを備えたことを特徴とす
    るエンジンの点火装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンの点火装置に
    おいて、 前記回転検出手段は、前記出力軸上のフライホールに設
    けられた複数の突起又は複数の切り欠きと、前記各突起
    又は各切り欠きの周回軌跡に隣接して設けられ、前記各
    突起又は各切り欠きが近くを通過するときにそれを検出
    してそれらの通過速度に比例した最大値を有する複数の
    検出信号をパルス的に順次に出力するマグネットピック
    アップとを含むことと、 前記時期制御手段は、前記各突起又は各切り欠きの通過
    に伴い前記マグネットピックアップから順次に出力され
    る前記各検出信号の最大値をそれらの出力順序に応じて
    予め設定されたしきい値域と比較し、前記各最大値が前
    記しきい値域に適合するときに前記点火手段を作動させ
    るための作動時期として決定する判断回路を含むことと
    を備えたことを特徴とするエンジンの点火装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエンジンの点火装置に
    おいて、 前記点火手段は、前記混合気に火花を飛ばすための点火
    プラグと、前記点火プラグを駆動するための点火コイル
    とを含むことと、 前記点火コイルは、一次コイル及び二次コイルを含み、
    前記一次コイルに供給される電流を遮断したときに前記
    二次コイルに誘発する高電圧を前記点火プラグに供給す
    るものであることと、 前記時期制御手段は、判断回路が前記作動時期を決定し
    たときに前記一次コイルへの通電を遮断するための遮断
    回路を含むことと、 前記一次コイルへの通電の遮断に先立って前記一次コイ
    ルへの通電を開始するための通電手段とを備えたことを
    特徴とするエンジンの点火装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018013120A (ja) * 2016-07-07 2018-01-25 弘 牧田 ホール素子によるエンジン点火信号発生装置

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