JPH11193590A - カーテンウォール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーテンウォールユニットのフレームの室外
側に装飾を施す場合に、別体の装飾用パネルを取り付け
る方法の組み立ての手間を解消し、施工を簡素化する。 【解決手段】 カーテンウォールユニットを形成するフ
レームＦの縦枠１と横枠２を、見込み幅方向の室内側の
内周に突設される、箱形断面形状の中空部３と、中間部
の内周に形成される、ガラス７，またはパネルを収納す
る収納溝４と、この収納溝４から室外側へ連続して張り
出す張出部６とから構成し、中空部３と収納溝４，及び
張出部６をフレームＦに沿って周回させると共に、隣接
するフレームＦ，Ｆの張出部６，６間にシール材９を充
填し、張出部６，６の室外側先端より室内側へ窪んだ目
地を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は意匠的な機能を付
与したカーテンウォールユニットから構成されるカーテ
ンウォールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】予め組
み立てられたカーテンウォールのユニットは現場での作
業性の向上が図れる等の利点を持つことから、カーテン
ウォールの部品として多用される傾向にある。

【０００３】カーテンウォールユニットは方形状に組ま
れるフレームの内周に収納されるガラスやパネルが高さ
方向と横方向に連続することにより全体として建物の外
壁を構成するが、例えば特開昭56-25540号等のようにフ
レームの室外側に装飾用の化粧パネルを被せることによ
って積極的に外観に変化を持たせる場合もある。

【０００４】このようにフレームに別体の化粧パネルを
取り付けて装飾を施す方法は、一種の規格化されたフレ
ームに対して表面形状の相違するパネルを用意すること
によって容易に意匠に多様性を与えることができるが、
組立に手間がかかり、また梁や方立等との取合いが複雑
化する、等の問題がある。

【０００５】この発明はフレームに装飾を加える場合の
問題に着目してなされたもので、この問題を解決する形
態のフレームから構成されるカーテンウォールを提案す
るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明ではフレームの、
ガラスやパネルを収納する部分から室外側へ連続して張
り出す張出部を形成し、この張出部に装飾性を持たせる
ことによりフレーム自身に意匠の要素を付加し、別体の
部品を組み合わせる場合の煩雑さを解消すると同時に、
施工を簡素化する。

【０００７】張出部はフレームが高さ方向や横方向に隣
接することにより建物の外壁面の表面に規則的な模様を
描く、あるいは自然光によりガラス面に陰影を付ける等
の装飾効果を持つ。

【０００８】フレームは縦枠と横枠とから方形状に組み
立てられ、縦枠と横枠は見込み幅方向の室内側の内周に
突設される、箱形断面形状の中空部と、中間部の内周に
形成される、ガラス，またはパネルを収納する収納溝
と、この収納溝から室外側へ連続して張り出す張出部と
からなり、中空部と収納溝，及び張出部はそれぞれ縦枠
と横枠に連続して周回する。

【０００９】隣接するフレームの張出部間にはシール材
が充填され、両張出部はその室外側先端より室内側へ窪
んだ目地を形成する。このことによりカーテンウォール
は隣接するフレーム間の目地が一定深さで横方向に、も
しくは高さ方向に通る外観を呈することになり、張出部
が外壁面の表面に規則的な模様を描くことと、目地が一
定深さで通ることの２通りの意匠的効果を有する。

【００１０】

【発明の実施の形態】この発明のカーテンウォールは縦
枠１と横枠２とから方形状に組み立てられ、内周にガラ
ス７，もしくはパネルを収納してなるカーテンウォール
ユニットを図３に示すように高さ方向，または横方向に
連続させて構成されるものである。

【００１１】カーテンウォールユニットを形成するフレ
ームＦの縦枠１と横枠２は見込み幅方向の室内側の内周
に突設される中空部３と、見込み幅方向の中間部の内周
に形成される収納溝４と、収納溝４から室外側へ連続し
て張り出す張出部６の三部分からなり、中空部３と収納
溝４及び張出部６はいずれも縦枠１と横枠２の長さ方向
に連続し、フレームＦを構成したときにフレームＦの周
方向に周回する。

【００１２】中空部３は図１，図２に示すように室内に
面する室内片3aと、これに並列して室外に面する室外片
3b、及び両片3a, 3bに連続する内周片3cから箱形断面形
状に、縦枠１と横枠２の一部として一体的に形成され、
その内の室外片3bは中空部３の室外側に位置する収納溝
４を構成する。

【００１３】中空部３は収納溝４の一部を構成すると共
に、収納溝４へのガラス７等の収納時に、その両面に充
填されるシール材９の室内側への露出を隠す役割を果た
し、その見付け幅はガラス７等ののみこみ深さにシール
材９の幅を加えた程度の大きさを持つ。

【００１４】収納溝４は中空部３の室外片3bと、これに
平行に室外側から差し込まれる押縁５から形成される。
押縁５は例えば図１に示すようにその係合片5aを収納溝
４の内部に突設された受け片4aに係合させる等により縦
枠１や横枠２に取り付けられるが、実施例ではフレーム
Ｆの上側の横枠２の押縁５を横枠２に一体化した形にし
ている。

【００１５】ガラス７やパネルは図１，図２に示すよう
に収納溝４内にパックアップ材８を置き、その深さを利
用して室外側から建て入れられ、シール材９を充填する
ことにより収納される。

【００１６】収納溝４が形成された、フレームＦの見込
み幅方向中間部の外周側には図示するように高さ方向と
横方向に隣接するフレームＦとの間の止水を施す乾式の
シール材10がフレームＦを環状に周回して敷設される。

【００１７】シール材10はフレームＦの外周面に周回し
て形成された埋込み溝14内に差し込むことにより工場に
おいて予め取り付けられ、隣接するフレームＦのシール
材10と互いに接触して圧密され、フレームＦ，Ｆ間で水
密性を保つ。

【００１８】収納溝４の室外側にはこれから連続して張
り出す張出部６が形成される。張出部６は単独でカーテ
ンウォールの装飾部分となり、フレームＦの全見込み幅
に占める割合が高く、図示するように通常のカーテンウ
ォールユニットの幅を決める収納溝４の幅に対して比較
的大きな見込み幅を持っている。

【００１９】張出部６は図３に示すようにフレームＦが
高さ方向と横方向に連続的に配列されることにより壁面
に凹凸を出し、全体的に整然とした模様を造り出すこと
に加え、フレームＦ自体の剛性を高める役割を果たす。
図面では張出部６の外周側の一部の肉厚を縦枠１や横枠
２のその他の部分の肉厚より大きくすることでフレーム
Ｆの剛性を一層高めている。

【００２０】乾式のシール材10の室外側に位置する、張
出部６の外周側には図１，図２に示すように高さ方向と
横方向に隣接するフレームＦ，Ｆを連結する、縦枠１や
横枠２の長さ方向に連続する長さを持つ連結ピース11が
跨設される。

【００２１】連結ピース11はその係合片11ａを張出部６
の外周面に室外側を向いて突設された鉤片15, 15に係合
させることにより跨設され、その背面側に裏当て材12を
置き、これと連結ピース11を貫通するビス13で両者を連
結することにより隣接するフレームＦ，Ｆが互いに連結
される。

【００２２】連結ピース11の室外側の、隣接するフレー
ムＦ，Ｆの各張出部６，６間の空間にはバックアップ材
８が設置され、その室外側に湿式のシール材９が充填さ
れる。隣接するフレームＦ，Ｆの張出部６，６間にシー
ル材９が充填されることで、両張出部６，６はその室外
側先端より室内側へ窪んだ目地を形成し、カーテンウォ
ール全体では隣接するフレームＦ，Ｆ間の目地が一定深
さで通る外観を形成する。

【００２３】図面ではバックアップ材８とシール材９を
張出部６の厚肉部分の区間に充填しているが、シール材
９の表面を厚肉部分と室外側の非厚肉部分との境界より
室内側に位置させることで、厚肉部分にシール材９の見
切り材の役目を持たせている。またバックアップ材８と
シール材９が厚肉部分の区間に充填されることで、張出
部６に厚肉部分を形成しない場合より充填量が節減され
ている。

【００２４】シール材９の表面と張出部６の室外側先端
との間には断面上、段差があり、カーテンウォールの外
観へはこの段差によって陰影が付けられる。縦枠１の室
内側の外周部には図１に示すように略Ｌ形の目隠し材1
6，16が取り付けられており、この目隠し材16，16が相
互に重合することにより室内側において隣接する縦枠
１，１間の隙間を隠すと共に、高さ方向に連続する縦目
地を形成している。

【００２５】図面では縦枠１と横枠２の室内側の外周部
に、見込み幅方向に並列する一対の鉤片17，17を突設
し、一対の鉤片17，17によって縦枠１と横枠２の外周に
溝18を形成している。鉤片17と溝18はカーテンウォール
のユニットを躯体に取り付ける際に利用される他、図１
に示すように縦枠１の目隠し材16，16を取り付けるため
に利用される。

【００２６】

【発明の効果】カーテンウォールユニットを形成するフ
レームの室外側にガラス等の収納溝から張り出す張出部
を形成し、張出部にカーテンウォールユニットの装飾の
機能を持たせているため、装飾のための部品を付加する
する必要がなく、別体の部品の組み合わせや組み立ての
煩雑さが解消され、それに伴い、現場での作業も簡略化
されることになる。

【００２７】また張出部によってフレーム自体の剛性が
高められ、ユニットの変形防止効果が高い。加えて隣接
するフレームの張出部間にシール材が充填され、両張出
部がその室外側先端より室内側へ窪んだ目地を形成する
ため、隣接するフレーム間の目地が一定深さで横方向
に、もしくは高さ方向に通る外観を有するカーテンウォ
ールを形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】横方向に隣接するカーテンウォールユニットの
接合部を示した横断面図である。

【図２】高さ方向に隣接するカーテンウォールユニット
の接合部を示した横断面図である。

【図３】カーテンウォールの外観を示した立面図であ
る。

【符号の説明】

Ｆ……カーテンウォールユニットフレーム、１……縦
枠、２……横枠、３……中空部、3a……室内片、3b……
室外片、3c……内周片、４……収納溝、4a……受け片、
５……押縁、5a……係合片、６……張出部、７……ガラ
ス、８……バックアップ材、９……シール材、10……シ
ール材、11……連結ピース、11ａ……係合片、12……裏
当て材、13……ビス、14……埋込み溝、15……鉤片、16
……目隠し材、17……鉤片、18……溝。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦枠１と横枠２とから方形状に組み立て
   られ、内周にガラス７，もしくはパネルを収納してなる
   カーテンウォールユニットを高さ方向，または横方向に
   連続させて構成されるカーテンウォールにおいて、カー
   テンウォールユニットを形成するフレームＦの縦枠１と
   横枠２は、見込み幅方向の室内側の内周に突設される、
   箱形断面形状の中空部３と、中間部の内周に形成され
   る、ガラス７，またはパネルを収納する収納溝４と、こ
   の収納溝４から室外側へ連続して張り出す張出部６とか
   らなり、中空部３と収納溝４，及び張出部６はそれぞれ
   縦枠１と横枠２に連続して周回していると共に、隣接す
   るカーテンウォールユニットのフレームＦ，Ｆの張出部
   ６，６間にシール材９が充填され、該張出部６，６の室
   外側先端より室内側へ窪んだ目地が形成されているカー
   テンウォール。
2. 【請求項２】 フレームＦの外周に、縦枠１と横枠２に
   連続して環状に周回する乾式のシール材10が取り付けら
   れ、その室外側に、高さ方向，もしくは横方向に隣接す
   るフレームＦ，Ｆを互いに連結するための連結ピース11
   が係合する鉤片15，15が突設されている請求項１記載の
   カーテンウォール。
3. 【請求項３】 フレームＦの縦枠１と横枠２の各張出部
   ６の見込み幅は収納溝４の見込み幅より大きい請求項１
   記載のカーテンウォール。
4. 【請求項４】 フレームＦの縦枠１，または横枠２の張
   出部６の少なくとも一部の肉厚は縦枠１，または横枠２
   のその他の部分の肉厚より大きい請求項１記載のカーテ
   ンウォール。