JPH11192906A - 車両用バンパー - Google Patents

車両用バンパー

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JPH11192906A
JPH11192906A JP36785197A JP36785197A JPH11192906A JP H11192906 A JPH11192906 A JP H11192906A JP 36785197 A JP36785197 A JP 36785197A JP 36785197 A JP36785197 A JP 36785197A JP H11192906 A JPH11192906 A JP H11192906A
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lower half
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Kiyoshi Watanabe
潔 渡辺
Takaya Tejima
孝哉 手島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた衝撃吸収を発揮して車両メンバーへ衝
撃荷重を効果的に伝え、さらに、小衝突時においては車
両ボディの変形に至らぬようにした車両用バンパーを提
供する。 【解決手段】 バンパー本体Pに複数の中空部Oが設け
られた車両用バンパーであって、バンパー本体Pの裏面
部2は,車両メンバー91に対向する部位に配される下
半部Bと、車両ロアバックレインフォースメント92に
対向する部位に配される上半部Aとに区分するよう、車
両側からバンパーの表面部1へ向けて中空部Oを窪ませ
て凹部23を形成し、該凹部23の溝底g1 を前記表面
部1に近接又は接合させると共に、前記上半部Aと前記
下半部Bの境界域にノッチ5を設け、さらに、バンパー
本体Pに係る前記上半部Aの肉厚t2 を前記下半部の肉
厚t1 より小さくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車等でフロン
ト或いはリアに取着される車両用バンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車等の車両用バンパーは、少なくと
もバンパーとして剛性を発揮させるビーム部と、車体外
部に露出するフェイシャ部と、車体に取付けるためのブ
ラケットとからなり、従来、これらは別部品構成である
のが一般的であった。ところが、近年、斯る車両用バン
パーについて、特開平6−247237号公報等のごと
く、部品点数の削減,軽量化等を狙ってこれらの部品を
一体ブロー成形したものが検討されている(図4)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来品は、
衝突の際、大部分の荷重を車両メンバーに効果的に伝え
て衝撃吸収させるのが難しかった。バリア試験で、ボデ
ィ(ロアバックパネル)に入力する荷重比率が高く、ボ
ディが変形してしまい、ストロング5マイル規制から外
れてしまう傾向にあった。そして、小衝突の際でも衝撃
が車両ロアバックに荷重がかかり、ボディが変形してし
まう欠点があった。近年、バンパー上部は車の意匠面の
一翼を担っており、小衝突でもバンパーが損傷すると、
ボディを傷めることとなった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するもので、
優れた衝撃吸収を発揮して車両メンバーへ衝撃荷重を効
果的に伝え、さらに、小衝突時においては車両ボディの
変形に至らぬようにした車両用バンパーを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1記載の発明の要旨は、バンパー本体に複数の中
空部が設けられた車両用バンパーであって、バンパー本
体の裏面部は、車両メンバーに対向する部位に配される
下半部と車両ロアバックレインフォースメントに対向す
る部位に配される上半部とに区分するよう、車両側から
バンパーの表面部へ向けて中空部を窪ませて凹部を形成
し、該凹部の溝底を前記表面部に近接又は接合させると
共に、前記上半部と前記下半部の境界域にノッチを設
け、さらに、バンパー本体に係る前記上半部の肉厚を前
記下半部の肉厚より小さくしたことを特徴とする車両用
バンパーにある。ここで、「上半部と下半部の境界域」
には、文字通り上半部と下半部の境界部分の他、その付
近,周辺が含まれる。
【0006】請求項1の発明のごとく、上半部の肉厚を
下半部の肉厚より小さくすると、下半部の方が剛性を発
揮するので、衝突時の荷重を車両メンバーへ集中させる
構造となる。そして、上半部と下半部の境界域にノッチ
を設けると、ここで切断されやすくなるので、上半部は
薄肉形成と相まって衝撃負荷を吸収し、小衝突程度では
ボディ変形まで至らせない。小衝突の場合には、バンパ
ー交換のみで済む。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用バンパ
ーの実施形態について詳述する。図1〜図12は本発明
の車両用バンパーの一形態を表し、図1はその横断面
図、図2は車両用バンパーの裏面図、図3はメンバー位
置での横断面図、図4は平面概略断面説明図、図5は平
坦面付近の部分斜視図,図6は衝突時の説明断面図、図
7は図6の部分拡大図、図8はノッチの別形態断面図、
図9はノッチの形成範囲を変えた別態様図、図10,図
11は衝突試験説明図、図12は衝突試験の結果グラフ
を示す。乗用車のリアバンパーに適用したものである。
【0008】本車両用バンパーは、バンパー本体Pがブ
ロー成形で造られ、バンパーの意匠面となる表面部1と
車両側の裏面部2とを備え、さらに裏面部2に車両のメ
ンバー91へ取着するためのボルト81をインサート成
形したものである。バンパー本体Pは表面部1と裏面部
2とからなり、符号Oはこれらで囲まれた中空部を示
す。表面部1は、横断面が図1のような円弧状の一様断
面になって、車体外部に露出するフェイシャ部1aが形
成される。
【0009】上記バンパー本体Pは、また、車両メンバ
ー91に対向する部位に配される下半部Bと車両ロアバ
ックレインフォースメント92に対向する部位に配され
る上半部Aとに区分するよう、裏面部2に車両側からバ
ンパーの表面部1へ向けて中空部Oを窪ませて凹部23
を形成する。そして、上半部Aと下半部Bの境界域にあ
る裏面部2にノッチ5を設ける。ここでは、凹部23の
溝底g1 を表面部1に接合させ、該溝底部分にノッチ5
を設ける。上記ノッチ5は、形状に急激な変化のある部
分で、例えば図1,図7のように裏面部2に設けられ、
上半部Aと下半部Bをつなぐ狭い通路Nになっている。
ノッチ5とは、切欠部,横断面V字形やU字形の溝,
穴,刻み込み等の形状変化があるところをいう。ノッチ
部分が在ることにより、バンパーに衝突荷重が加わった
場合、該ノッチで亀裂,分断を起り易くする。プラスチ
ック成形におけるノッチは、本来、外力が加わった際、
亀裂の発生源になり、忌み嫌われるものであるが、本発
明では、上半部Aと下半部Bの境界域たる裏面側溝底g
1 にノッチ5を設けることによって(図7のイ)、衝突
等の応力時に、逆に該ノッチ部分に集中応力を発生させ
(図6,図7のロ)、この部分で積極的に亀裂を起こさ
せようとするものである。図7(イ)に係る正常なバン
パーがポール7等に衝突すると、ノッチ5は、図7
(ロ)のごとく、その狭い通路Nが開くか折れるかなど
して上半部Aを下半部Bと切り離し衝撃を緩和する。特
に、上半部Aの肉厚t2 が薄いことからノッチ上部51
が拡開,折切し易く、車両ロアバックレインフォースメ
ントへの荷重を削減する(図6)。ノッチ5は、ここで
は裏面部2に設けるが、意匠形成の一部を担って表面部
1に設けることも可能である。
【0010】ノッチ付近の形状については、本実施形態
と違って、凹部溝底g1 が表面部1に接合していなくて
もよく、例えば、図8(イ)のようにノッチ5の溝底g
1 が表面部1に近接する形態であってもよい。ただし、
小衝突時において車両ボディの変形に至らぬよう、本発
明の有効な効果を得るには、種々実験結果より図8
(イ)で示す距離Lは50mm以下が好ましいとされ
る。ノッチ5は、上半部Aと下半部Bを区分けすべく、
図2のごとく裏面部2がバンパーを横断する形で設けら
れる。本実施形態では、ノッチ5は直線状に設けている
が、図9のように上半部Aと下半部Bの境界域でコ字状
に設けてもよい。また、ノッチ5は、図2のように直線
状に通してもよいが、ミシン目状に通しても構わなし、
部分的に通しても勿論よい。ノッチ5がミシン目にあっ
ては、図8(ロ)のようにノッチ5の溝底通路Nに切れ
込みKを入れてもよい。
【0011】そして、バンパー本体Pは、ブロー成形時
に周方向パリソン或いは偏心コアなどを利用して、下半
部Bに係る肉厚t1 より上半部Aに係る肉厚t2 を小さ
く成形する(図3,図5)。具体的には、下半部肉厚t
1 を3.5mm〜7.5mmの範囲内の厚肉とする一
方、上半部肉厚t2 を0.5mm〜4.5mmの範囲内
の薄肉にして成形する。上半部Aの肉厚t2 を下半部B
のものより薄くすることによって、衝突時の車両ロアバ
ックレインフォースメント92への荷重を抑え、車両メ
ンバー91へ荷重を集中させる狙いである。
【0012】バンパー本体Pの裏面部2については、車
両の両サイドにあるメンバー91へ安定してバンパー本
体Pを当てがえるよう、両メンバー91に対向する位置
でそれぞれ矩形の平坦面21が形成される。そして、図
4,図5のごとく、両平坦面21に車幅方向につなぐ連
接部22を形成し、該連接部を二山にして凹部23を設
け、さらに、両平坦面21および連接部22に接する上
下位置に車両側からバンパーの表面部1に向けて凹部2
3を設ける。上記裏面部2は、ブロー成形時に該凹部2
3の溝底g1 を表面部1に接合させて、表面部1とで大
きく二つの中空部Oに区画化し、上半部Aと下半部Bに
分けている(図1)。さらに、下半部Bについては、平
坦部21の背面でメンバー91に対向する部位に中空部
Oを確保しながら、裏面部2が屈曲して溝底g2,g3
表面部1に接合させて複数(ここでは三つ)の中空部O
に区分けする。中空部Oは閉空間を形成して衝撃吸収を
行う。また、前記凹部23を形成する起立リブ23a
が、バンパーとして剛性を発揮させるビーム部の役割を
担う。特に、下半部Bのメンバー91に対応するバンパ
ー本体Pの凹部23の立壁たる起立リブ23aは、上半
部Aと違って厚肉形成され頑丈であり、衝撃荷重は衝撃
を受けたバンパーからメンバー91へと確実に伝わって
いく。尚、好都合なことに、該起立リブ23aは、断面
視V形であることから、立壁となって上記剛性を発揮し
つつも、あるレベルまでの衝撃荷重を弾性変形によって
緩和し、バンパー本体Pの保形維持に努める。
【0013】ところで、上述の上半部Aの中空部Oは、
ロアバックレインフォースメント92に対応する部位に
設け、この部位の裏面部2はロアバックパネルに合わせ
た大きめのフラット面を形成している(図1)。衝突の
際、ロアバックパネル(ボディ)へ入力する荷重を小さ
くしてボディ変形を極力抑えるためである。
【0014】また、前記平坦面21には、バンパー本体
Pをメンバー91に取着するためのボルト81がブロー
成形時にインサートされ、植え込まれる(図3,図
5)。ここでは、ボルト81をインサート成形させてい
るが、該ボルトに代えナットでも構わない。尚、図2
中、符号82はバンパー周縁に設けられる取付ボルトを
示し、他の図面では図示を省略する。
【0015】かくして、車両用バンパーは、下半部Bの
肉厚t1 よりも上半部Aの肉厚t2を薄くし且つバンパ
ー本体Pの裏面部2で上半部Aと下半部Bの境界域にノ
ッチ5を形成した格好になっている。そして、凹部23
を構成してビーム部の役目を果たす起立リブ23aと、
フェイシャ部1aになる表面部1と、車体に取付けるべ
くインサートされるボルト81と、表面部1と裏面部2
とが形づくる中空部Oとをブロー成形により一体化した
ものになっている。表面部1と裏面部2をつくるバンパ
ー本体Pは、ポリプロピレン樹脂やフィラー入りポリプ
ロピレン樹脂(PPF)等からなる。勿論、表面部1に
ついては、必要に応じ、その表層に意匠面を形成する別
の樹脂を多層成形によってバンパー本体Pに接合させる
こともできる。
【0016】このように構成した車両用バンパーは、車
体に取付けるボルト81(或いはナット)をインサート
し、ビーム部(起立リブ23a),フェイシャ部1aを
一体化したものであるので、部品点数の削減につながり
低コストとなる。そして、該車両用バンパーは、中空部
Oの存在に加え、車両側からバンパー表面部1へ向けて
凹部23を形成しているので、凹部23の起立リブ23
aがビーム部の役割を担い、衝突時に優れた衝撃吸収を
発揮する。しかも、小衝突程度では、上半部Aが薄肉形
成されているので、車両ロアバックレインフォースメン
ト92への荷重を抑えてボディの変形防止に効を奏する
ことになる。さらに、上半部Aと下半部Bの境界域にあ
る裏面部2にノッチ5を設けることによって、衝突時、
ノッチ形状が開くか折れるなどして自ら変形,破壊し、
車両ロアバックレインフォースメント92への衝突時の
荷重を抑えることが可能となる(図6)。小衝突時はバ
ンパー本体Pのみの損壊にとどめ、車両ボディまで損傷
に至らせないよう保護する。また、バンパーに加わる衝
撃が大きくなっても、下半部Bが上半部Aに比し厚肉形
成されているので、ボディへの入力を抑え、下半部Bの
起立リブ23aを経由してその衝撃の大半を頑強なメン
バー91で受け支えさせることができる。下半部Bに係
る起立リブ23aが剛性を発揮して衝撃吸収に威力を増
す。車両メンバー91へ衝撃荷重を効果的に伝達する。
【0017】本車両用バンパーについては、図10のよ
うなポール7への衝撃試験を行い、大部分の衝撃荷重を
車両メンバー91に集中させることが可能であることが
確認された。図10は図2のIV−IV線断面図を示すが、
バンパー本体Pは図10(イ)から衝突後の図10
(ロ)へ移る段階で、衝突荷重をビーム部たる起立リブ
23aで吸収し、しかも、本発明の構成によりロアバッ
クパネルには荷重がかかりにくい状態になっている。事
実、図11の測定点〜について、図12のごとくの
結果を得た。測定点はメンバー部位91、測定点〜
はロアバック部位である。図12に示すごとく、メン
バー部位に入力する荷重が1.5ton以上であるの
に対し、ロアバック部位〜では高々250kg程度
にとどまる。上半部Aの中空部Oは小荷重で変形するの
に対し、下半部Bの中空部Oは大荷重で変形するため、
衝突が進行するにしたがって下半部Bの中空部Oに加わ
る荷重が大きくなり、殆どのエネルギを下半部Bの中空
部Oで吸収していく。実際、本車両用バンパーは、バリ
ア試験でストロング5マイル規制をクリアし、なおか
つ、小衝突程度ではボディが変形しない良好な結果を得
ている。
【0018】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。バンパー本体P,上半部A,下半部B,
下半部及び上半部の肉厚t1,t2, 凹部23,ノッチ5
の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて適宜選択でき
る。実施形態ではバンパー本体Pをブロー成形により造
ったが、射出成形に依ってもよい。
【0019】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の車両用バンパー
は、優れた衝撃吸収を発揮して車両メンバーへ衝撃荷重
を効果的に伝え、さらに、小衝突程度ではノッチの形成
と上半部の薄肉形成が効を奏して車両ボディに変形を与
えないなど極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用バンパーの一形態を表し、その
横断面図である。
【図2】車両用バンパーの裏面図である。
【図3】車両用バンパーのメンバー位置での横断面図で
ある。
【図4】車両用バンパーの平面概略断面説明図である。
【図5】車両用バンパーの平坦面付近の部分斜視図であ
る。
【図6】衝突時の車両用バンパーの説明断面図である。
【図7】図6の部分拡大図である。
【図8】ノッチの別形態断面図である。
【図9】ノッチの形成範囲を変えた別態様図である。
【図10】衝突試験の説明図である。
【図11】衝突試験に用いたバンパーの測定点を示す説
明図である。
【図12】衝突試験の結果グラフである。
【符号の説明】
凹部 23 5 ノッチ 91 メンバー 92 ロアバックレインフォースメント A 上半部 B 下半部 O 中空部 P バンパー本体 g1 溝底 t1,t2 肉厚

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンパー本体に複数の中空部が設けられ
    た車両用バンパーであって、 バンパー本体の裏面部は、車両メンバーに対向する部位
    に配される下半部と車両ロアバックレインフォースメン
    トに対向する部位に配される上半部とに区分するよう、
    車両側からバンパーの表面部へ向けて中空部を窪ませて
    凹部を形成し、該凹部の溝底を前記表面部に近接又は接
    合させると共に、前記上半部と前記下半部の境界域にノ
    ッチを設け、さらに、バンパー本体に係る前記上半部の
    肉厚を前記下半部の肉厚より小さくしたことを特徴とす
    る車両用バンパー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109693627A (zh) * 2017-10-23 2019-04-30 三菱自动车工业株式会社 前保险杠结构

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CN109693627A (zh) * 2017-10-23 2019-04-30 三菱自动车工业株式会社 前保险杠结构

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