JPH11192428A - 有害物質除去機能を有する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその製造方法 - Google Patents
有害物質除去機能を有する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその製造方法Info
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- JPH11192428A JPH11192428A JP29054898A JP29054898A JPH11192428A JP H11192428 A JPH11192428 A JP H11192428A JP 29054898 A JP29054898 A JP 29054898A JP 29054898 A JP29054898 A JP 29054898A JP H11192428 A JPH11192428 A JP H11192428A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い有害物質除去機能を有すると共に、高強
度で、かつ成形加工性に優れた、有害物質除去機能を有
する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害
物質除去材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 補強用シートAの片面もしくは両面に、
活性炭素繊維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維
シートBが積層一体化された積層シート材Cである。こ
の積層シート材Cは、引張り強度が10kgf/cm2
以上であり、1cm幅当たりの曲げ剛さが10gf・c
m2 /cm以上である。
度で、かつ成形加工性に優れた、有害物質除去機能を有
する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害
物質除去材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 補強用シートAの片面もしくは両面に、
活性炭素繊維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維
シートBが積層一体化された積層シート材Cである。こ
の積層シート材Cは、引張り強度が10kgf/cm2
以上であり、1cm幅当たりの曲げ剛さが10gf・c
m2 /cm以上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種燃料を焼成さ
せるボイラ、ガスタービン、エンジン及び燃焼炉等から
排出される排ガス中の窒素酸化物(NOX )、硫黄酸化
物(SOX )及びごみ焼却炉から排出されるダイオキシ
ン等を除去する有害物質除去機能を有する積層シート材
とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその
製造方法に関するものである。
せるボイラ、ガスタービン、エンジン及び燃焼炉等から
排出される排ガス中の窒素酸化物(NOX )、硫黄酸化
物(SOX )及びごみ焼却炉から排出されるダイオキシ
ン等を除去する有害物質除去機能を有する積層シート材
とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリアクリロニトリル系、フ
ェノール系、レーヨン系、ピッチ系等の繊維状物から得
られた活性炭素繊維は、粒状活性炭に比べ吸脱着速度が
速いことから、気相系又は液相系での有害物質の除去、
溶媒回収の分野等に広く利用されている。近年、環境意
識の向上に伴い、ごみ焼却炉から排出されるダイオキシ
ン、各種燃料を焼成させるボイラ、ガスタービン、エン
ジン及び燃焼炉等から排出される排ガス中の窒素酸化物
(NOX )、硫黄酸化物(SOX )等の有害物質の高い
除去が求められてきており、このため、特に、これらの
有害物質を高効率に除去可能な活性炭素繊維を用いた除
去方法が検討されている。
ェノール系、レーヨン系、ピッチ系等の繊維状物から得
られた活性炭素繊維は、粒状活性炭に比べ吸脱着速度が
速いことから、気相系又は液相系での有害物質の除去、
溶媒回収の分野等に広く利用されている。近年、環境意
識の向上に伴い、ごみ焼却炉から排出されるダイオキシ
ン、各種燃料を焼成させるボイラ、ガスタービン、エン
ジン及び燃焼炉等から排出される排ガス中の窒素酸化物
(NOX )、硫黄酸化物(SOX )等の有害物質の高い
除去が求められてきており、このため、特に、これらの
有害物質を高効率に除去可能な活性炭素繊維を用いた除
去方法が検討されている。
【0003】しかしながら、この活性炭素繊維を利用し
た有害物質除去システムにおいて、活性炭素繊維そのも
のを処理塔内に充填して使用することは、圧力損失、汚
染性、取扱い性等の観点から実用上困難である。また、
例えば、特開平6−23268号公報には、活性炭素繊
維が繊維状もしくは粉末状の熱可塑性樹脂により接合さ
れた活性炭素繊維含有シートが開示されているが、この
シートは強度的に実用上必ずしも十分ではなかった。
た有害物質除去システムにおいて、活性炭素繊維そのも
のを処理塔内に充填して使用することは、圧力損失、汚
染性、取扱い性等の観点から実用上困難である。また、
例えば、特開平6−23268号公報には、活性炭素繊
維が繊維状もしくは粉末状の熱可塑性樹脂により接合さ
れた活性炭素繊維含有シートが開示されているが、この
シートは強度的に実用上必ずしも十分ではなかった。
【0004】また、排ガス中の有害物質除去方法とし
て、活性炭素繊維シートを成形したハニカム構造体も知
られている。このハニカム構造体の有害物質除去機能を
有効に作用させるためには、活性炭素繊維シート中の活
性炭素繊維含有量を高めることと共に、活性炭素繊維シ
ートの密度を低くする必要がある。しかしながら、活性
炭素繊維シート中の活性炭素繊維含有量を高めることは
できても、活性炭素繊維シートの密度を低くすると実用
に供し得る強度を有するハニカム構造体を得ることは困
難であった。そのため、活性炭素繊維の有する吸着性能
等の低下がなく、かつ高強度を有する成形体が要望され
ているが、この要望を満足する成形体は未だ提案されて
いない。
て、活性炭素繊維シートを成形したハニカム構造体も知
られている。このハニカム構造体の有害物質除去機能を
有効に作用させるためには、活性炭素繊維シート中の活
性炭素繊維含有量を高めることと共に、活性炭素繊維シ
ートの密度を低くする必要がある。しかしながら、活性
炭素繊維シート中の活性炭素繊維含有量を高めることは
できても、活性炭素繊維シートの密度を低くすると実用
に供し得る強度を有するハニカム構造体を得ることは困
難であった。そのため、活性炭素繊維の有する吸着性能
等の低下がなく、かつ高強度を有する成形体が要望され
ているが、この要望を満足する成形体は未だ提案されて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、活性炭素繊維の有する吸着性能等の低下がな
く、かつ高強度の、有害物質除去機能を有する積層シー
ト材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材と
その製造方法を提供することを技術的な課題とするもの
である。
を解決し、活性炭素繊維の有する吸着性能等の低下がな
く、かつ高強度の、有害物質除去機能を有する積層シー
ト材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材と
その製造方法を提供することを技術的な課題とするもの
である。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記の課題を解
決するために鋭意検討した結果、補強用シートの片面も
しくは両面に、活性炭素繊維を含有する活性炭素繊維シ
ートを積層一体化すればよいことを見出して本発明に到
達した。すなわち、本発明は、上記の課題を解決するた
めに、次の構成を有するものである。 (1) 補強用シートAの片面もしくは両面に、活性炭素繊
維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維シートBが
積層一体化された積層シート材であって、引張り強度が
10kgf/cm2 以上であり、かつ1cm幅当たりの
曲げ剛さが10gf・cm2 /cm以上であることを特
徴とする有害物質除去機能を有する積層シート材。 (2) 補強用シートAが熱融着性繊維製シートである上記
(1) 記載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 (3) 補強用シートAが合成樹脂又は合成樹脂と強化繊維
とからなる多孔質プラスチック製シートである上記(1)
記載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 (4) 活性炭素繊維シートBが、熱融着性繊維10〜10
0重量部と合成パルプ0〜15重量部及び活性炭素繊維
100重量部からなり、かつ熱融着性繊維の融着により
活性炭素繊維が均一な分散状態で熱融着性繊維及び合成
パルプと結合されたものであり、気孔率が50〜95体
積%である上記(1) 〜(3) のいずれかに記載の有害物質
除去機能を有する積層シート材。 (5) 厚みが0.1〜10mmの補強用シートAの両面
に、厚みが0.1〜10mmの活性炭素繊維シートBが
配された3層構造である上記(1) 〜(4) のいずれかに記
載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 (6) 補強用シートAの片面もしくは両面に活性炭素繊維
シートBを積層し、加熱プレスによって前記シート間を
接合することを特徴とする上記(1) 〜(5) のいずれかに
記載の有害物質除去機能を有する積層シート材の製造方
法。 (7) 補強用シートAの両面に活性炭素繊維シートBを積
層一体化された上記(1)〜(5) のいずれかに記載の有害
物質除去機能を有する積層シート材Cが、セルピッチ
(a)1mm以上、セル高さ(b)1mm以上の三角形
セル形状を有するか、又はセルピッチ(a)1mm以
上、セル高さ(b)1mm以上、条線幅(c)0.1m
m以上の台形セル形状を有するコルゲート状有害物質除
去材。 (8) 積層シート材Cをコルゲータ装置にて片面段ボール
構造体に加工し、次いで、前記片面段ボール構造体を巻
き回し又は重層することを特徴とする上記(7) 記載のコ
ルゲート状有害物質除去材の製造方法。
決するために鋭意検討した結果、補強用シートの片面も
しくは両面に、活性炭素繊維を含有する活性炭素繊維シ
ートを積層一体化すればよいことを見出して本発明に到
達した。すなわち、本発明は、上記の課題を解決するた
めに、次の構成を有するものである。 (1) 補強用シートAの片面もしくは両面に、活性炭素繊
維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維シートBが
積層一体化された積層シート材であって、引張り強度が
10kgf/cm2 以上であり、かつ1cm幅当たりの
曲げ剛さが10gf・cm2 /cm以上であることを特
徴とする有害物質除去機能を有する積層シート材。 (2) 補強用シートAが熱融着性繊維製シートである上記
(1) 記載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 (3) 補強用シートAが合成樹脂又は合成樹脂と強化繊維
とからなる多孔質プラスチック製シートである上記(1)
記載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 (4) 活性炭素繊維シートBが、熱融着性繊維10〜10
0重量部と合成パルプ0〜15重量部及び活性炭素繊維
100重量部からなり、かつ熱融着性繊維の融着により
活性炭素繊維が均一な分散状態で熱融着性繊維及び合成
パルプと結合されたものであり、気孔率が50〜95体
積%である上記(1) 〜(3) のいずれかに記載の有害物質
除去機能を有する積層シート材。 (5) 厚みが0.1〜10mmの補強用シートAの両面
に、厚みが0.1〜10mmの活性炭素繊維シートBが
配された3層構造である上記(1) 〜(4) のいずれかに記
載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 (6) 補強用シートAの片面もしくは両面に活性炭素繊維
シートBを積層し、加熱プレスによって前記シート間を
接合することを特徴とする上記(1) 〜(5) のいずれかに
記載の有害物質除去機能を有する積層シート材の製造方
法。 (7) 補強用シートAの両面に活性炭素繊維シートBを積
層一体化された上記(1)〜(5) のいずれかに記載の有害
物質除去機能を有する積層シート材Cが、セルピッチ
(a)1mm以上、セル高さ(b)1mm以上の三角形
セル形状を有するか、又はセルピッチ(a)1mm以
上、セル高さ(b)1mm以上、条線幅(c)0.1m
m以上の台形セル形状を有するコルゲート状有害物質除
去材。 (8) 積層シート材Cをコルゲータ装置にて片面段ボール
構造体に加工し、次いで、前記片面段ボール構造体を巻
き回し又は重層することを特徴とする上記(7) 記載のコ
ルゲート状有害物質除去材の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cは、補強用シートAの片面もしくは両面に、活
性炭素繊維を50〜90重量%含有する活性炭素繊維シ
ートBが積層一体化されたものである。
する。まず、本発明の有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cは、補強用シートAの片面もしくは両面に、活
性炭素繊維を50〜90重量%含有する活性炭素繊維シ
ートBが積層一体化されたものである。
【0008】本発明において、補強用シートAを設ける
のは、活性炭素繊維シートBの強度を補強するためであ
り、これによって、活性炭素繊維シートB中の活性炭素
繊維含有量を高めることができ、かつ、活性炭素繊維シ
ートBの密度を低くすることが可能となり、実用に供し
得る強度を有するコルゲート状有害物質除去材を得るこ
とができる。補強用シートAは、活性炭素繊維シートB
を補強するものであれば、特に限定されるものではな
く、例えば、熱融着性繊維や合成樹脂製の不織布、ネッ
ト状をしたシート等が挙げられる。特に、合成樹脂又は
合成樹脂と強化繊維とからなる多孔質プラスチック製シ
ートであることが、強度面及び成形加工性の面から好ま
しい。
のは、活性炭素繊維シートBの強度を補強するためであ
り、これによって、活性炭素繊維シートB中の活性炭素
繊維含有量を高めることができ、かつ、活性炭素繊維シ
ートBの密度を低くすることが可能となり、実用に供し
得る強度を有するコルゲート状有害物質除去材を得るこ
とができる。補強用シートAは、活性炭素繊維シートB
を補強するものであれば、特に限定されるものではな
く、例えば、熱融着性繊維や合成樹脂製の不織布、ネッ
ト状をしたシート等が挙げられる。特に、合成樹脂又は
合成樹脂と強化繊維とからなる多孔質プラスチック製シ
ートであることが、強度面及び成形加工性の面から好ま
しい。
【0009】また、補強用シートAの気孔率は、30〜
90体積%であることが望ましい。気孔率30体積%未
満の場合には、被処理ガスが透過することが不可能とな
り、高効率に有害物質を除去することが困難となった
り、洗浄時にシート内部まで有効に洗浄されないことが
あり、一方、気孔率が90体積%を超えると、十分な強
度を有する有害物質除去機能を有する積層シート材が得
られ難くなる。なお、本発明でいう補強用シートAや活
性炭素繊維シートBの気孔率とは、次方法で求めるもの
である。すなわち、シートの気孔を有しない場合の理論
密度をPg/cm3 とし、シートの見かけ密度をQg/
cm3 とすると、気孔率は〔(P−Q)/P〕×100
%の計算式から算出されるものである。
90体積%であることが望ましい。気孔率30体積%未
満の場合には、被処理ガスが透過することが不可能とな
り、高効率に有害物質を除去することが困難となった
り、洗浄時にシート内部まで有効に洗浄されないことが
あり、一方、気孔率が90体積%を超えると、十分な強
度を有する有害物質除去機能を有する積層シート材が得
られ難くなる。なお、本発明でいう補強用シートAや活
性炭素繊維シートBの気孔率とは、次方法で求めるもの
である。すなわち、シートの気孔を有しない場合の理論
密度をPg/cm3 とし、シートの見かけ密度をQg/
cm3 とすると、気孔率は〔(P−Q)/P〕×100
%の計算式から算出されるものである。
【0010】次に、補強用シートAとして、熱融着性繊
維製の不織布、ネット状等のシートを用いる場合や活性
炭素繊維シートBに使用できる熱融着性繊維としては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体等のポリオレフィン系、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル系、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリスチレン、フッ素樹脂等の公知の熱可塑性樹脂
のホモポリマー又はコポリマーからなる繊維が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上の混合物として使用する
ことができる。また、各種の複合繊維を使用することも
でき、例えば、芯部がポリプロピレンで鞘部が変性ポリ
エチレンからなるポリオレフィン系、芯部がポリエチレ
ンテレフタレートで鞘部が低融点ポリエステルからなポ
リエステル系、芯部がポリエステルで鞘部がポリエチレ
ンからなるポリエステル・ポリオレフィン複合系等の鞘
部が芯部より融点が低い芯鞘構造複合繊維が挙げられ
る。
維製の不織布、ネット状等のシートを用いる場合や活性
炭素繊維シートBに使用できる熱融着性繊維としては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体等のポリオレフィン系、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル系、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリスチレン、フッ素樹脂等の公知の熱可塑性樹脂
のホモポリマー又はコポリマーからなる繊維が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上の混合物として使用する
ことができる。また、各種の複合繊維を使用することも
でき、例えば、芯部がポリプロピレンで鞘部が変性ポリ
エチレンからなるポリオレフィン系、芯部がポリエチレ
ンテレフタレートで鞘部が低融点ポリエステルからなポ
リエステル系、芯部がポリエステルで鞘部がポリエチレ
ンからなるポリエステル・ポリオレフィン複合系等の鞘
部が芯部より融点が低い芯鞘構造複合繊維が挙げられ
る。
【0011】また、補強用シートAとして、合成樹脂又
は合成樹脂と強化繊維とからなる多孔質プラスチック製
シートを用いる場合、このシートに使用できる合成樹脂
としては、上記熱融着性繊維用のポリマーと同様なもの
の他に、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ
る。また、合成樹脂の形態は、繊維状物、粒状物、粉末
状物が挙げられるが、目的に応じて選択される。多孔質
プラスチック製シートは、これら合成樹脂単独のものよ
り、合成樹脂と強化繊維の複合体であることが強度面か
らより好ましい。上記で使用する強化用繊維としては、
有機系、無機系の繊維が用いられ、好ましくは、ピッチ
系又はポリアクリロニトリル系のカーボン繊維、ガラス
繊維、メタ系又はパラ系のアラミド繊維、アルミナ繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオ
レフィン系繊維等が単独又は混合して用いられる。
は合成樹脂と強化繊維とからなる多孔質プラスチック製
シートを用いる場合、このシートに使用できる合成樹脂
としては、上記熱融着性繊維用のポリマーと同様なもの
の他に、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ
る。また、合成樹脂の形態は、繊維状物、粒状物、粉末
状物が挙げられるが、目的に応じて選択される。多孔質
プラスチック製シートは、これら合成樹脂単独のものよ
り、合成樹脂と強化繊維の複合体であることが強度面か
らより好ましい。上記で使用する強化用繊維としては、
有機系、無機系の繊維が用いられ、好ましくは、ピッチ
系又はポリアクリロニトリル系のカーボン繊維、ガラス
繊維、メタ系又はパラ系のアラミド繊維、アルミナ繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオ
レフィン系繊維等が単独又は混合して用いられる。
【0012】次に、補強用シートAとともに本発明の有
害物質除去機能を有する積層シート材を構成する前記活
性炭素繊維シートBは、気孔率が好ましくは30〜90
体積%の補強用シートAの片面もしくは両面に積層一体
化されていることが必要であり、これによって活性炭素
繊維シートBが補強され、活性炭素繊維シートB中の活
性炭素繊維含有量を高めることができると共に、活性炭
素繊維シートBの密度を低くすることができ、実用に供
し得る強度を有するコルゲート状有害物質除去材を得る
ことができる。
害物質除去機能を有する積層シート材を構成する前記活
性炭素繊維シートBは、気孔率が好ましくは30〜90
体積%の補強用シートAの片面もしくは両面に積層一体
化されていることが必要であり、これによって活性炭素
繊維シートBが補強され、活性炭素繊維シートB中の活
性炭素繊維含有量を高めることができると共に、活性炭
素繊維シートBの密度を低くすることができ、実用に供
し得る強度を有するコルゲート状有害物質除去材を得る
ことができる。
【0013】上記の活性炭素繊維シートBは、活性炭素
繊維を45〜90重量%含有することが必要である。活
性炭素繊維含有量が45重量%未満になると、十分な有
害物質除去機能を得られ難くなる傾向にあり、90重量
%を超えると、活性炭素繊維シートBの強度が十分では
なくなり、取扱いに問題がある。
繊維を45〜90重量%含有することが必要である。活
性炭素繊維含有量が45重量%未満になると、十分な有
害物質除去機能を得られ難くなる傾向にあり、90重量
%を超えると、活性炭素繊維シートBの強度が十分では
なくなり、取扱いに問題がある。
【0014】活性炭素繊維シートBとしては、活性炭素
繊維を45〜90重量%含有する任意のシート状物が用
いられる。例えば、活性炭素繊維と合成樹脂や熱融着性
繊維との複合化シート状物、活性炭素繊維と無機バイン
ダーとの複合化シート等が挙げられる。特に、補強用シ
ートとの接着力の観点から、活性炭素繊維と合成樹脂や
熱融着性繊維との複合化シート状物が好んで使用され
る。
繊維を45〜90重量%含有する任意のシート状物が用
いられる。例えば、活性炭素繊維と合成樹脂や熱融着性
繊維との複合化シート状物、活性炭素繊維と無機バイン
ダーとの複合化シート等が挙げられる。特に、補強用シ
ートとの接着力の観点から、活性炭素繊維と合成樹脂や
熱融着性繊維との複合化シート状物が好んで使用され
る。
【0015】活性炭素繊維シートBに使用される活性炭
素繊維は、その種類が特に限定されるものではなく、有
害物質除去の目的に応じて選択することができる。例え
ば、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、フェノール
樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系等の繊維を所望に
より不融化し、所望により炭化処理した後、水蒸気、二
酸化炭素を含有する雰囲気中、所定温度で所定時間保持
することによって賦活することにより製造される任意の
活性炭素繊維や、脱硫及び脱硝機能を有するように調整
された任意の活性炭素繊維の他、活性炭素繊維に抗菌性
やその他の特性を付与するために銀や白金等の金属を添
着したものも使用できる。
素繊維は、その種類が特に限定されるものではなく、有
害物質除去の目的に応じて選択することができる。例え
ば、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、フェノール
樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系等の繊維を所望に
より不融化し、所望により炭化処理した後、水蒸気、二
酸化炭素を含有する雰囲気中、所定温度で所定時間保持
することによって賦活することにより製造される任意の
活性炭素繊維や、脱硫及び脱硝機能を有するように調整
された任意の活性炭素繊維の他、活性炭素繊維に抗菌性
やその他の特性を付与するために銀や白金等の金属を添
着したものも使用できる。
【0016】上記の活性炭素繊維シートBは、活性炭素
繊維と熱融着性繊維と好ましくは合成パルプとで構成さ
れるのがよい。活性炭素繊維と熱融着性繊維との混合比
は活性炭素繊維100重量部に対して熱融着性繊維10
〜100重量部が好ましい。この範囲外では十分な強度
と高い有害物質除去機能を有する活性炭素繊維シートB
が得られ難く、また気孔率を50〜95体積%に確保す
るのが難しい。
繊維と熱融着性繊維と好ましくは合成パルプとで構成さ
れるのがよい。活性炭素繊維と熱融着性繊維との混合比
は活性炭素繊維100重量部に対して熱融着性繊維10
〜100重量部が好ましい。この範囲外では十分な強度
と高い有害物質除去機能を有する活性炭素繊維シートB
が得られ難く、また気孔率を50〜95体積%に確保す
るのが難しい。
【0017】活性炭素繊維シートBで使用する熱融着性
繊維の平均繊維長は1〜50mmが望ましく、特に3〜
25mmが好ましい。平均繊維長が1mmより短くなる
と、十分な強度のシートが得られ難くなり、50mmを
超えると、活性炭素繊維と十分に混合させることが難く
なる。また、熱融着性繊維の平均繊維径は、100μm
以下、特に50μm以下が好ましい。平均繊維径が10
0μmを超えると、活性炭素繊維を十分に捕捉し難くな
る傾向を示す。
繊維の平均繊維長は1〜50mmが望ましく、特に3〜
25mmが好ましい。平均繊維長が1mmより短くなる
と、十分な強度のシートが得られ難くなり、50mmを
超えると、活性炭素繊維と十分に混合させることが難く
なる。また、熱融着性繊維の平均繊維径は、100μm
以下、特に50μm以下が好ましい。平均繊維径が10
0μmを超えると、活性炭素繊維を十分に捕捉し難くな
る傾向を示す。
【0018】また、活性炭素繊維シートBには、強度を
向上させるために合成パルプを添加するのが好ましい。
合成パルプは、水中に分散させた場合に他材料の捕捉力
が非常に強力であると共に、湿式強度を向上するため、
合成パルプの少量の添加で、取扱い性に優れた高強度の
活性炭素繊維含有率の高いシートを作製することができ
る。この合成パルプとしては、ポリオレフィン系、芳香
族ポリアミド、全芳香族ポリエステル等のパルプ状多分
岐繊維があり、目的に応じて適当に選択すればよい。活
性炭素繊維シートBにおける合成パルプの添加量として
は、活性炭素繊維100重量部に対して0〜15重量部
であることが好ましい。合成パルプの添加量が15重量
部を超えると、シートの乾燥に時間がかかり、効率よく
生産することが難しくなる。
向上させるために合成パルプを添加するのが好ましい。
合成パルプは、水中に分散させた場合に他材料の捕捉力
が非常に強力であると共に、湿式強度を向上するため、
合成パルプの少量の添加で、取扱い性に優れた高強度の
活性炭素繊維含有率の高いシートを作製することができ
る。この合成パルプとしては、ポリオレフィン系、芳香
族ポリアミド、全芳香族ポリエステル等のパルプ状多分
岐繊維があり、目的に応じて適当に選択すればよい。活
性炭素繊維シートBにおける合成パルプの添加量として
は、活性炭素繊維100重量部に対して0〜15重量部
であることが好ましい。合成パルプの添加量が15重量
部を超えると、シートの乾燥に時間がかかり、効率よく
生産することが難しくなる。
【0019】本発明の有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cは、引張り強度が10kgf/cm2 以上、1
cm幅当たりの曲げ剛さが10gf・cm2 /cm以上
であることが必要である。この範囲外においては、各種
有害物質処理塔に充填し、使用する際に取扱い性や強度
面で不都合が生じる場合がある。また、特に補強用シー
トAとして合成樹脂又は合成樹脂と強化繊維とからなる
多孔質プラスチック製シートを用いた場合、曲げ剛さが
20gf・cm2 /cm以上の積層シート材Cを得るこ
とができる。なお、積層シート材1cm幅当たりの曲げ
剛さとは、1cm幅当たりの曲げモーメントをM(gf
・cm・cm-1)、曲率をK(cm-1)とすると、−
(dM/dK)の計算式から算出されるものである。
ート材Cは、引張り強度が10kgf/cm2 以上、1
cm幅当たりの曲げ剛さが10gf・cm2 /cm以上
であることが必要である。この範囲外においては、各種
有害物質処理塔に充填し、使用する際に取扱い性や強度
面で不都合が生じる場合がある。また、特に補強用シー
トAとして合成樹脂又は合成樹脂と強化繊維とからなる
多孔質プラスチック製シートを用いた場合、曲げ剛さが
20gf・cm2 /cm以上の積層シート材Cを得るこ
とができる。なお、積層シート材1cm幅当たりの曲げ
剛さとは、1cm幅当たりの曲げモーメントをM(gf
・cm・cm-1)、曲率をK(cm-1)とすると、−
(dM/dK)の計算式から算出されるものである。
【0020】本発明の有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cは、補強用シートAの片面もしくは両面に、活
性炭素繊維シートBが積層一体化された積層シート材で
あるが、補強用シートAの両面に活性炭素繊維シートB
が配された三層構造品である場合には、補強用シートA
の厚みは0.1〜10mmであることが好ましく、活性
炭素繊維シートBの厚みも0.1〜10mmであること
が好ましい。補強用シートAや活性炭素繊維シートBの
厚みがこの範囲外では、十分な強度が得られなかった
り、十分な有害物質除去機能が得られ難くなる傾向にあ
る。
ート材Cは、補強用シートAの片面もしくは両面に、活
性炭素繊維シートBが積層一体化された積層シート材で
あるが、補強用シートAの両面に活性炭素繊維シートB
が配された三層構造品である場合には、補強用シートA
の厚みは0.1〜10mmであることが好ましく、活性
炭素繊維シートBの厚みも0.1〜10mmであること
が好ましい。補強用シートAや活性炭素繊維シートBの
厚みがこの範囲外では、十分な強度が得られなかった
り、十分な有害物質除去機能が得られ難くなる傾向にあ
る。
【0021】本発明の有害物質除去機能を有する積層シ
ート材は、そのままでも使用できるが、可撓性がよくて
加工性に優れているので、例えば波状に加工したり、エ
ンボス加工によって表面を凹凸状に加工したり、コルゲ
ート加工法によってハニカムを作製するのにも好適に使
用できる。
ート材は、そのままでも使用できるが、可撓性がよくて
加工性に優れているので、例えば波状に加工したり、エ
ンボス加工によって表面を凹凸状に加工したり、コルゲ
ート加工法によってハニカムを作製するのにも好適に使
用できる。
【0022】図1は、本発明の三角形のセル形状を有す
るコルゲート状有害物質除去材の、図2は台形のセル形
状を有するコルゲート状有害物質除去材の構造を示す説
明図である。本発明のコルゲート状有害物質除去材は、
補強用シートAの両面に、活性炭素繊維を45〜90重
量%含有する活性炭素繊維シートBが積層一体化さた有
害物質除去機能を有する積層シート材Cが、セルピッチ
(a)1mm以上、セル高さ(b)1mm以上の三角形
のセル形状を有する(図1)か、又はセルピッチ(a)
1mm以上、セル高さ(b)1mm以上、条線幅(c)
0.1mm以上の台形のセル形状を有する(図2)こと
が必要である。セルピッチ(a)、セル高さ(b)及び
条線幅(c)が上記範囲外の場合には、コルゲート加工
時に積層シート材が破損する等の問題が生じる傾向を示
す。
るコルゲート状有害物質除去材の、図2は台形のセル形
状を有するコルゲート状有害物質除去材の構造を示す説
明図である。本発明のコルゲート状有害物質除去材は、
補強用シートAの両面に、活性炭素繊維を45〜90重
量%含有する活性炭素繊維シートBが積層一体化さた有
害物質除去機能を有する積層シート材Cが、セルピッチ
(a)1mm以上、セル高さ(b)1mm以上の三角形
のセル形状を有する(図1)か、又はセルピッチ(a)
1mm以上、セル高さ(b)1mm以上、条線幅(c)
0.1mm以上の台形のセル形状を有する(図2)こと
が必要である。セルピッチ(a)、セル高さ(b)及び
条線幅(c)が上記範囲外の場合には、コルゲート加工
時に積層シート材が破損する等の問題が生じる傾向を示
す。
【0023】次に、本発明の有害物質除去機能を有する
積層シート材の製造方法について説明する。まず、補強
用シートAのうち、熱融着性繊維製のシートの製造方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、スパンボン
ド法、トウ開繊法、バーストファイバー法、メルトブロ
ーン法等の公知の技術で作製された任意の不織布を使用
することができる。不織布を構成する熱融着性繊維の繊
維長は、長繊維又は短繊維のどちらでもよく、より高強
度の積層シート材を得る目的から、長繊維の熱融着性繊
維製の不織布が好んで使用される。また、不織布の基底
重量は、特に限定されたものではなく、目的に応じて選
択される。
積層シート材の製造方法について説明する。まず、補強
用シートAのうち、熱融着性繊維製のシートの製造方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、スパンボン
ド法、トウ開繊法、バーストファイバー法、メルトブロ
ーン法等の公知の技術で作製された任意の不織布を使用
することができる。不織布を構成する熱融着性繊維の繊
維長は、長繊維又は短繊維のどちらでもよく、より高強
度の積層シート材を得る目的から、長繊維の熱融着性繊
維製の不織布が好んで使用される。また、不織布の基底
重量は、特に限定されたものではなく、目的に応じて選
択される。
【0024】次に、補強用シートAのうち、多孔質プラ
スチック製シートの製造方法も特に限定されるものでは
なく、例えば、合成樹脂単独又は合成樹脂と強化用繊維
の混合物を合成樹脂の融点以上の温度で加熱、冷却して
シート化する方法、合成樹脂単独又は合成樹脂と強化用
繊維とを水中で分散し、紙抄きの要領でシート化する方
法、合成樹脂単独又は合成樹脂と強化用繊維とを水中で
分散し、紙抄きの要領でシート化したものを加熱プレス
する方法等を採用することができる。
スチック製シートの製造方法も特に限定されるものでは
なく、例えば、合成樹脂単独又は合成樹脂と強化用繊維
の混合物を合成樹脂の融点以上の温度で加熱、冷却して
シート化する方法、合成樹脂単独又は合成樹脂と強化用
繊維とを水中で分散し、紙抄きの要領でシート化する方
法、合成樹脂単独又は合成樹脂と強化用繊維とを水中で
分散し、紙抄きの要領でシート化したものを加熱プレス
する方法等を採用することができる。
【0025】次に、活性炭素繊維シートBは、例えば次
のようにして製造する。まず、活性炭素繊維100重量
部、熱融着性繊維10〜100重量部、合成パルプ0〜
15重量部を水等の水性媒体中で分散、混合した後、活
性炭素繊維シートBを形成する。活性炭素繊維、熱融着
性繊維、合成パルプとを水中で分散、混合する際には、
結合剤を少量、すなわち、シートの約3重量%未満、好
ましくは1重量%未満で用いることが好ましい。
のようにして製造する。まず、活性炭素繊維100重量
部、熱融着性繊維10〜100重量部、合成パルプ0〜
15重量部を水等の水性媒体中で分散、混合した後、活
性炭素繊維シートBを形成する。活性炭素繊維、熱融着
性繊維、合成パルプとを水中で分散、混合する際には、
結合剤を少量、すなわち、シートの約3重量%未満、好
ましくは1重量%未満で用いることが好ましい。
【0026】上記で使用する結合剤としては、例えば、
結合したスルホニウム基、イソチオウロニウム基、ピリ
ジニウム基、第四アンモニウム基、サルフェート基、ス
ルホネート基又はカルボキシレート基を含有するアクリ
ルポリマー又はスチレン・ブタジエンポリマーのような
結合した陰イオンもしくは陽イオン電荷を有する実質的
に水に不溶な有機ポリマーからなるポリマーラテックス
が挙げられる。また、活性炭素繊維、熱融着性繊維、合
成パルプを水中に分散させて複合化する際には、澱粉、
特に天然澱粉又はコーンスターチのような線状澱粉及び
陽イオン澱粉を含む酵素的又は化学的に変性した澱粉を
含めた澱粉を結合剤として使用することができる。
結合したスルホニウム基、イソチオウロニウム基、ピリ
ジニウム基、第四アンモニウム基、サルフェート基、ス
ルホネート基又はカルボキシレート基を含有するアクリ
ルポリマー又はスチレン・ブタジエンポリマーのような
結合した陰イオンもしくは陽イオン電荷を有する実質的
に水に不溶な有機ポリマーからなるポリマーラテックス
が挙げられる。また、活性炭素繊維、熱融着性繊維、合
成パルプを水中に分散させて複合化する際には、澱粉、
特に天然澱粉又はコーンスターチのような線状澱粉及び
陽イオン澱粉を含む酵素的又は化学的に変性した澱粉を
含めた澱粉を結合剤として使用することができる。
【0027】さらに、これらの結合剤を使用する際に
は、有機凝集剤を併用することがこのましい。好適な有
機凝集剤としては、アルミニウム・ポリクロリド(アル
ミニウム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水分解した
ポリアクリルアミド、変性陽イオンポリアクリルアミ
ド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド等の種々の
有機凝集剤が挙げられる。この凝集剤の添加量は、シー
トの約3重量%未満、特に1重量%未満が好ましい。ま
た、分散性を向上させるために、例えばキサンタンガム
等のスラリー粘度調整剤を用いることもできる。このよ
うな増粘剤の添加量は、シートの2重量%未満であるこ
とが好ましい。
は、有機凝集剤を併用することがこのましい。好適な有
機凝集剤としては、アルミニウム・ポリクロリド(アル
ミニウム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水分解した
ポリアクリルアミド、変性陽イオンポリアクリルアミ
ド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド等の種々の
有機凝集剤が挙げられる。この凝集剤の添加量は、シー
トの約3重量%未満、特に1重量%未満が好ましい。ま
た、分散性を向上させるために、例えばキサンタンガム
等のスラリー粘度調整剤を用いることもできる。このよ
うな増粘剤の添加量は、シートの2重量%未満であるこ
とが好ましい。
【0028】このようにして、水中で活性炭素繊維と熱
融着性繊維と合成パルプとを混合した後、望ましくは抄
紙機等を用いて抄紙の要領で、水中の固形分をシート状
となすように固液分離する。これにより、各繊維と合成
パルプとが十分に混合され、活性炭素繊維が均一に分散
したシートが得られ、次いで、この湿ったシートを乾燥
して活性炭素繊維シートBとする。
融着性繊維と合成パルプとを混合した後、望ましくは抄
紙機等を用いて抄紙の要領で、水中の固形分をシート状
となすように固液分離する。これにより、各繊維と合成
パルプとが十分に混合され、活性炭素繊維が均一に分散
したシートが得られ、次いで、この湿ったシートを乾燥
して活性炭素繊維シートBとする。
【0029】上記で得られた活性炭素繊維シートBを、
補強用シートAの片面又は両面に配し、補強用シートA
や活性炭素繊維シートBの一部を構成する熱融着性繊維
の融点以上、好ましくは融点より20℃高い温度範囲
で、0.1kgf/cm2 以上のプレス圧力下に加熱
し、次いで前記範囲のプレス圧力を保持した状態で冷却
して目的とする有害物質除去機能を有する積層シート材
Cを得る。なお、補強用シートAや活性炭素繊維シート
Bの一部を構成する熱融着性繊維が、鞘部が芯部より融
点が低い芯鞘構造複合繊維の場合には、鞘部を構成する
熱可塑性樹脂の融点以上、好ましくは融点より20℃高
い温度範囲で上記の処理を施せばよい。この加熱プレス
工程において、熱融着性の繊維の融点以上に加熱される
ことで、活性炭素繊維シートB内の活性炭素繊維と合成
パルプと熱融着性繊維とが強固に融着すると共に、活性
炭素繊維シートBと補強用シートA間が強固に接着一体
化される。
補強用シートAの片面又は両面に配し、補強用シートA
や活性炭素繊維シートBの一部を構成する熱融着性繊維
の融点以上、好ましくは融点より20℃高い温度範囲
で、0.1kgf/cm2 以上のプレス圧力下に加熱
し、次いで前記範囲のプレス圧力を保持した状態で冷却
して目的とする有害物質除去機能を有する積層シート材
Cを得る。なお、補強用シートAや活性炭素繊維シート
Bの一部を構成する熱融着性繊維が、鞘部が芯部より融
点が低い芯鞘構造複合繊維の場合には、鞘部を構成する
熱可塑性樹脂の融点以上、好ましくは融点より20℃高
い温度範囲で上記の処理を施せばよい。この加熱プレス
工程において、熱融着性の繊維の融点以上に加熱される
ことで、活性炭素繊維シートB内の活性炭素繊維と合成
パルプと熱融着性繊維とが強固に融着すると共に、活性
炭素繊維シートBと補強用シートA間が強固に接着一体
化される。
【0030】なお、活性炭素繊維シートBの気孔率を5
0〜95体積%の範囲とするためには、上記プレス圧力
で調整するか、所定のシート厚みとなるような金型もし
くはスペーサーを使用する等の方法を採用することがで
きる。
0〜95体積%の範囲とするためには、上記プレス圧力
で調整するか、所定のシート厚みとなるような金型もし
くはスペーサーを使用する等の方法を採用することがで
きる。
【0031】また、補強用シートAの片面もしくは両面
に、活性炭素繊維シートBを積層一体化する方法は、上
記の加熱プレス法に限定されるものではなく、他の方法
としては、例えば、接着剤による接着法、テープ等によ
る接着法、圧着法等が挙げられ、活性炭素繊維シートB
と補強用シートAの連続気孔、及びその界面の連続気孔
が確保される条件下で、目的に応じて選択すればよい。
に、活性炭素繊維シートBを積層一体化する方法は、上
記の加熱プレス法に限定されるものではなく、他の方法
としては、例えば、接着剤による接着法、テープ等によ
る接着法、圧着法等が挙げられ、活性炭素繊維シートB
と補強用シートAの連続気孔、及びその界面の連続気孔
が確保される条件下で、目的に応じて選択すればよい。
【0032】次に、上述の方法で得られた有害物質除去
機能を有する積層シート材Cを、例えば、図3に示すよ
うなコルゲータ装置を用いて、図4に示すような、三角
形のセル形状を有する片面段ボール構造体(D−1)又
は台形のセル形状を有する片面段ボール構造体(D−
2)に加工する。なお、図3において、1は中芯用の積
層シート材、2はライナ用の積層シート材、3は片面段
ボール構造体、4は上段ロール、5は下段ロール、6は
予熱ヒータ、7はプレスロール、8は糊剤ロール、9は
糊剤用の皿である。このコルゲータ加工に際し、上段ロ
ール4及び下段ロール5の形状を変えることで、所望の
セル形状、所望のセルピッチ、所望のセル高さ、所望の
状線幅をしたコルゲート状有害物質除去材を得ることが
できる。また、積層シート材Cからなる中芯とライナ間
を接着させるための糊剤は特に限定されるものではな
く、目的に応じて選択される。
機能を有する積層シート材Cを、例えば、図3に示すよ
うなコルゲータ装置を用いて、図4に示すような、三角
形のセル形状を有する片面段ボール構造体(D−1)又
は台形のセル形状を有する片面段ボール構造体(D−
2)に加工する。なお、図3において、1は中芯用の積
層シート材、2はライナ用の積層シート材、3は片面段
ボール構造体、4は上段ロール、5は下段ロール、6は
予熱ヒータ、7はプレスロール、8は糊剤ロール、9は
糊剤用の皿である。このコルゲータ加工に際し、上段ロ
ール4及び下段ロール5の形状を変えることで、所望の
セル形状、所望のセルピッチ、所望のセル高さ、所望の
状線幅をしたコルゲート状有害物質除去材を得ることが
できる。また、積層シート材Cからなる中芯とライナ間
を接着させるための糊剤は特に限定されるものではな
く、目的に応じて選択される。
【0033】また、上記で得られる片面段ボール構造体
を所望の寸法に巻き回して図5のような円筒状のコルゲ
ート状有害物質除去材にしたり、又は前記片面段ボール
構造体を所望の寸法にカットし、所望の枚数を重層し、
図6のような直方体のコルゲート状有害物質除去材に加
工する。
を所望の寸法に巻き回して図5のような円筒状のコルゲ
ート状有害物質除去材にしたり、又は前記片面段ボール
構造体を所望の寸法にカットし、所望の枚数を重層し、
図6のような直方体のコルゲート状有害物質除去材に加
工する。
【0034】
【作用】本発明の有害物質除去機能を有する積層シート
材は、補強用シートAの片面もしくは両面に、活性炭素
繊維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維シートB
が積層一体化されているので、活性炭素繊維の有する有
害物質処理性能を保持しつつ、高強度で、かつ成形加工
性に優れているという特性を有している。特に,補強用
シートAとして、合成樹脂又は合成樹脂と強化繊維とか
らなる多孔質プラスチック製シートを使用した積層シー
ト材は、曲げ剛さも著しく向上したものとなる。さら
に、本発明のコルゲート状有害物質除去材は、上記の特
長を有する積層シート材をコルゲート加工しているの
で、実用に供し得る強度を有するとともに、極めて高効
率に排ガス中の有害物質を除去することができる。
材は、補強用シートAの片面もしくは両面に、活性炭素
繊維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維シートB
が積層一体化されているので、活性炭素繊維の有する有
害物質処理性能を保持しつつ、高強度で、かつ成形加工
性に優れているという特性を有している。特に,補強用
シートAとして、合成樹脂又は合成樹脂と強化繊維とか
らなる多孔質プラスチック製シートを使用した積層シー
ト材は、曲げ剛さも著しく向上したものとなる。さら
に、本発明のコルゲート状有害物質除去材は、上記の特
長を有する積層シート材をコルゲート加工しているの
で、実用に供し得る強度を有するとともに、極めて高効
率に排ガス中の有害物質を除去することができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例における物性値は次の方法で評価し
た。 (1) 理論比表面積 積層シート材1g中に含有される活性炭素繊維重量を
L、活性炭素繊維の比表面積をTm2 /gとすると、 理論比表面積(m2 /g積層シート材)=L×T 式により算出した。 (2) 実測比表面積 窒素を被吸着物質として用い、BET多点法で測定し
た。 (3) 1cm幅当たりの曲げ剛さ 純曲げ試験機(カトーテック社製、KES−FB2)を
用いて測定した。 実施例1 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.04gを加えた後、合成
パルプとして60%の水分を含むポリエチレンパルプ
〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・E400〕
0.68g、熱融着性繊維として鞘部が芯部より融点が
低い芯鞘構造のポリオレフィン系複合繊維〔大和紡績
(株)、商品名NBF・Hタイプ、芯部:ポリプロピレ
ン、鞘部:ポリエチレン〕0.82gを加え、5分間攪
拌してよく分散させた。次いで、この分散物に平均繊維
長5mm、比表面積1540g/m2 のピッチ系活性炭
素繊維〔アドール(株)、商品名A−15〕4.36g
と、固体アクリルポリマーラテックス0.03gを加え
た後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laborator
ies 社製、商品名Betz 1260 〕2.18gを徐々に加え
ることによって凝集させてスラリーを得た。このスラリ
ーを水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷
理機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン
上で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られたシー
トを軽く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量51g/
m2の活性炭素繊維シートBを得た。この時、活性炭素
繊維100重量部に対し、熱融着性繊維19重量部、合
成パルプ6重量部であった。
する。なお、実施例における物性値は次の方法で評価し
た。 (1) 理論比表面積 積層シート材1g中に含有される活性炭素繊維重量を
L、活性炭素繊維の比表面積をTm2 /gとすると、 理論比表面積(m2 /g積層シート材)=L×T 式により算出した。 (2) 実測比表面積 窒素を被吸着物質として用い、BET多点法で測定し
た。 (3) 1cm幅当たりの曲げ剛さ 純曲げ試験機(カトーテック社製、KES−FB2)を
用いて測定した。 実施例1 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.04gを加えた後、合成
パルプとして60%の水分を含むポリエチレンパルプ
〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・E400〕
0.68g、熱融着性繊維として鞘部が芯部より融点が
低い芯鞘構造のポリオレフィン系複合繊維〔大和紡績
(株)、商品名NBF・Hタイプ、芯部:ポリプロピレ
ン、鞘部:ポリエチレン〕0.82gを加え、5分間攪
拌してよく分散させた。次いで、この分散物に平均繊維
長5mm、比表面積1540g/m2 のピッチ系活性炭
素繊維〔アドール(株)、商品名A−15〕4.36g
と、固体アクリルポリマーラテックス0.03gを加え
た後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laborator
ies 社製、商品名Betz 1260 〕2.18gを徐々に加え
ることによって凝集させてスラリーを得た。このスラリ
ーを水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷
理機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン
上で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られたシー
トを軽く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量51g/
m2の活性炭素繊維シートBを得た。この時、活性炭素
繊維100重量部に対し、熱融着性繊維19重量部、合
成パルプ6重量部であった。
【0036】熱融着性繊維からなる不織布(補強用シー
トA)として、厚み0.50mm、基底重量100g/
m2 の鞘部が芯部より融点が低い芯鞘構造の熱融着性複
合繊維からなる不織布〔ユニチカ(株)、商品名エルベ
スS1003WDO、芯部:ポリエステル、鞘部:ポリ
エチレン〕を用い、この両面に、前記活性炭素繊維シー
トBを積層し、1.00mmのスペーサーを配した2枚
の金型間に挿み、面圧5kg/cm2 、温度170℃で
2分間加熱プレスし、次いでこの圧力を保持しつつ室温
まで冷却し、厚みが1.00mmの有害物質除去機能を
有する積層シート材Cを得た。
トA)として、厚み0.50mm、基底重量100g/
m2 の鞘部が芯部より融点が低い芯鞘構造の熱融着性複
合繊維からなる不織布〔ユニチカ(株)、商品名エルベ
スS1003WDO、芯部:ポリエステル、鞘部:ポリ
エチレン〕を用い、この両面に、前記活性炭素繊維シー
トBを積層し、1.00mmのスペーサーを配した2枚
の金型間に挿み、面圧5kg/cm2 、温度170℃で
2分間加熱プレスし、次いでこの圧力を保持しつつ室温
まで冷却し、厚みが1.00mmの有害物質除去機能を
有する積層シート材Cを得た。
【0037】この積層シート材Cの端面を分析したとこ
ろ、活性炭素繊維シートB1枚当りの厚みは0.25m
m、密度0.20g/cm3 、不織布Aの厚みは0.5
0mm、密度は0.20g/cm3 であった。この時、
活性炭素繊維シートBの気孔率は約87体積%、不織布
Aの気孔率は約84体積%と算出された。得られた積層
シート材Cの5cm角2枚(全活性炭素繊維量0.40
g)をテドラーバッグ中に入れて密閉し、200ppm
のベンゼンガスを注入した。12時間後、テドラーバッ
グ中のベンゼンの残留濃度をガス検知管にて測定したと
ころ、0.1ppm以下であった。また、得られた積層
シート材Cの評価結果を表1に示す。 実施例2 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.04gを加えた後、熱融
着性繊維としてポリプロピレン繊維〔大和紡績(株)、
商品名マーキュリー〕1.09gを加え、5分間攪拌し
てよく分散させた。次いで、この分散物に平均繊維長5
mm、比表面積1540g/m2 のピッチ系活性炭素繊
維〔アドール(株)、商品名A−15〕4.36gと、
固体アクリルポリマーラテックス0.03gを加えた
後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laboratorie
s 社製、商品名Betz 1260 〕2.18gを徐々に加える
ことによって凝集させてスラリーを得た。このスラリー
を水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷理
機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン上
で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られたシート
を軽く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量51g/m
2の活性炭素繊維シートBを得た。この時、活性炭素繊
維100重量部に対し、熱融着性繊維25重量部であっ
た。
ろ、活性炭素繊維シートB1枚当りの厚みは0.25m
m、密度0.20g/cm3 、不織布Aの厚みは0.5
0mm、密度は0.20g/cm3 であった。この時、
活性炭素繊維シートBの気孔率は約87体積%、不織布
Aの気孔率は約84体積%と算出された。得られた積層
シート材Cの5cm角2枚(全活性炭素繊維量0.40
g)をテドラーバッグ中に入れて密閉し、200ppm
のベンゼンガスを注入した。12時間後、テドラーバッ
グ中のベンゼンの残留濃度をガス検知管にて測定したと
ころ、0.1ppm以下であった。また、得られた積層
シート材Cの評価結果を表1に示す。 実施例2 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.04gを加えた後、熱融
着性繊維としてポリプロピレン繊維〔大和紡績(株)、
商品名マーキュリー〕1.09gを加え、5分間攪拌し
てよく分散させた。次いで、この分散物に平均繊維長5
mm、比表面積1540g/m2 のピッチ系活性炭素繊
維〔アドール(株)、商品名A−15〕4.36gと、
固体アクリルポリマーラテックス0.03gを加えた
後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laboratorie
s 社製、商品名Betz 1260 〕2.18gを徐々に加える
ことによって凝集させてスラリーを得た。このスラリー
を水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷理
機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン上
で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られたシート
を軽く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量51g/m
2の活性炭素繊維シートBを得た。この時、活性炭素繊
維100重量部に対し、熱融着性繊維25重量部であっ
た。
【0038】熱融着性繊維からなる不織布(補強用シー
トA)として、厚み0.50mm、基底重量100g/
m2 の鞘部が芯部より融点が低い芯鞘構造の熱融着性複
合繊維からなる不織布〔ユニチカ(株)、商品名エルベ
スS1003WDO、芯部:ポリエステル、鞘部:ポリ
エチレン〕2枚を積層したものを用い、その積層された
不織布の両面に、前記活性炭素繊維シートBを積層し、
1.50mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿
み、面圧5kg/cm2 、温度190℃で2分間加熱プ
レスし、次いでこの圧力を保持しつつ室温まで冷却し、
厚みが1.50mmの有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cを得た。
トA)として、厚み0.50mm、基底重量100g/
m2 の鞘部が芯部より融点が低い芯鞘構造の熱融着性複
合繊維からなる不織布〔ユニチカ(株)、商品名エルベ
スS1003WDO、芯部:ポリエステル、鞘部:ポリ
エチレン〕2枚を積層したものを用い、その積層された
不織布の両面に、前記活性炭素繊維シートBを積層し、
1.50mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿
み、面圧5kg/cm2 、温度190℃で2分間加熱プ
レスし、次いでこの圧力を保持しつつ室温まで冷却し、
厚みが1.50mmの有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cを得た。
【0039】この積層シート材Cの端面を分析したとこ
ろ、活性炭素繊維シートB1枚当りの厚みは0.25m
m、密度0.20g/cm3 、不織布の厚みは1.00
mm、密度は0.20g/cm3 であった。この時、活
性炭素繊維シートBの気孔率は約87体積%、不織布の
気孔率は約84体積%と算出された。得られた積層シー
ト材Cの5cm角2枚(全活性炭素繊維量0.40g)
をテドラーバッグ中に入れて密閉し、200ppmのベ
ンゼンガスを注入した。12時間後、テドラーバッグ中
のベンゼンの残留濃度をガス検知管にて測定したとこ
ろ、0.1ppm以下であった。また、得られた積層シ
ート材Cの評価結果を表1に示す。 比較例1 実施例2で得られた活性炭素繊維シートB2枚を0.5
0mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿み、面圧
5kg/cm2 、温度190℃で2分間加熱プレスし、
次いでこの圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚み0.
50mm、密度0.20g/cm3 、気孔率約88体積
%の、活性炭素繊維シートBを得た。
ろ、活性炭素繊維シートB1枚当りの厚みは0.25m
m、密度0.20g/cm3 、不織布の厚みは1.00
mm、密度は0.20g/cm3 であった。この時、活
性炭素繊維シートBの気孔率は約87体積%、不織布の
気孔率は約84体積%と算出された。得られた積層シー
ト材Cの5cm角2枚(全活性炭素繊維量0.40g)
をテドラーバッグ中に入れて密閉し、200ppmのベ
ンゼンガスを注入した。12時間後、テドラーバッグ中
のベンゼンの残留濃度をガス検知管にて測定したとこ
ろ、0.1ppm以下であった。また、得られた積層シ
ート材Cの評価結果を表1に示す。 比較例1 実施例2で得られた活性炭素繊維シートB2枚を0.5
0mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿み、面圧
5kg/cm2 、温度190℃で2分間加熱プレスし、
次いでこの圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚み0.
50mm、密度0.20g/cm3 、気孔率約88体積
%の、活性炭素繊維シートBを得た。
【0040】得られた活性炭素繊維シートBの5cm角
1枚(全活性炭素繊維量0.40g)をテドラーバッグ
中に入れて密閉し、200ppmのベンゼンガスを注入
し、12時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残留濃
度をガス検知管にて測定したところ、0.1ppm以下
であった。また、得られた積層シート材の評価結果を表
1に示す。
1枚(全活性炭素繊維量0.40g)をテドラーバッグ
中に入れて密閉し、200ppmのベンゼンガスを注入
し、12時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残留濃
度をガス検知管にて測定したところ、0.1ppm以下
であった。また、得られた積層シート材の評価結果を表
1に示す。
【0041】
【表1】 前述したように、実施例1及び2で得られた積層シート
材Cは、熱融着性繊維からなる不織布が積層されていな
い比較例1の活性炭素繊維シート材と同等の有害物質除
去機能を有すると共に、表1から明らかなように、熱融
着性繊維からなる不織布が積層されていない、比較例1
の活性炭素繊維シート材と比べて優れた引張り強度と曲
げ剛さを有するものであった。 実施例3 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.08gを加えた後、60
%の水分を含むポリエチレンパルプ〔三井石油化学工業
(株)製、商品名SWP・E400〕1.36g、ポリ
プロピレン繊維〔大和紡績(株)製、商品名マーキュリ
ー〕1.63gを加え、5分間攪拌してよく分散させ
た。次いで、この分散物に平均繊維長3mm、比表面積
1540g/m2 のピッチ系活性炭素繊維〔アドール
(株)製、商品名A−15〕8.71gと、固体アクリ
ルポリマーラテックス0.05gを加えた後、0.5重
量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laboratories 社製、商品
名Betz 1260 〕4.36gを徐々に加えることによって
凝集させてスラリーを得た。このスラリーを水12.5
リットルを含有するシートマシン〔熊谷理機工業(株)
製〕に加え、0.18mmのスクリーン上で脱水して湿
ったシートを得、次いで、得られたシートを軽く圧縮
し、120℃で乾燥し、坪量 101g/m2 の活性炭素繊
維シートBを得た。この時、活性炭素繊維100重量部
に対し、ポリプロピレン繊維19重量部、ポリエチレン
パルプ6重量部の割合であった。
材Cは、熱融着性繊維からなる不織布が積層されていな
い比較例1の活性炭素繊維シート材と同等の有害物質除
去機能を有すると共に、表1から明らかなように、熱融
着性繊維からなる不織布が積層されていない、比較例1
の活性炭素繊維シート材と比べて優れた引張り強度と曲
げ剛さを有するものであった。 実施例3 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.08gを加えた後、60
%の水分を含むポリエチレンパルプ〔三井石油化学工業
(株)製、商品名SWP・E400〕1.36g、ポリ
プロピレン繊維〔大和紡績(株)製、商品名マーキュリ
ー〕1.63gを加え、5分間攪拌してよく分散させ
た。次いで、この分散物に平均繊維長3mm、比表面積
1540g/m2 のピッチ系活性炭素繊維〔アドール
(株)製、商品名A−15〕8.71gと、固体アクリ
ルポリマーラテックス0.05gを加えた後、0.5重
量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laboratories 社製、商品
名Betz 1260 〕4.36gを徐々に加えることによって
凝集させてスラリーを得た。このスラリーを水12.5
リットルを含有するシートマシン〔熊谷理機工業(株)
製〕に加え、0.18mmのスクリーン上で脱水して湿
ったシートを得、次いで、得られたシートを軽く圧縮
し、120℃で乾燥し、坪量 101g/m2 の活性炭素繊
維シートBを得た。この時、活性炭素繊維100重量部
に対し、ポリプロピレン繊維19重量部、ポリエチレン
パルプ6重量部の割合であった。
【0042】次に、水12.5リットル中に、攪拌しな
がらスラリー粘度調整剤としてキサンタンガム0.31
gを加えた後、60%の水分を含むポリエチレンパルプ
〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・E400〕
3.27g、高密度ポリエチレン樹脂粉末〔丸善ポリマ
ー(株)、商品名1070〕20.47gを加え、5分
間攪拌してよく分散させた。さらに、この分散物に平均
繊維長6mmのガラス繊維(オーウェンズ・コーニング
・ファイバーグラス社製、商品名415BB)21.7
8gと、固体アクリルポリマーラテックス0.21gを
加えた後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Labor
atories 社製、商品名Betz 1260 〕17.42gを徐々
に加えることによって凝集させてスラリーを得た。この
スラリーを水12.5リットルを含有するシートマシン
〔熊谷理機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスク
リーン上で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られ
たシートを軽く圧縮して120℃で乾燥し、坪量 405g
/m2 の多孔質プラスチック製シート(補強用シート
A)を得た。この時、ガラス繊維繊維100重量部に対
し、高密度ポリエチレン樹脂粉末は94重量部、ポリエ
チレンパルプは6重量部であった。
がらスラリー粘度調整剤としてキサンタンガム0.31
gを加えた後、60%の水分を含むポリエチレンパルプ
〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・E400〕
3.27g、高密度ポリエチレン樹脂粉末〔丸善ポリマ
ー(株)、商品名1070〕20.47gを加え、5分
間攪拌してよく分散させた。さらに、この分散物に平均
繊維長6mmのガラス繊維(オーウェンズ・コーニング
・ファイバーグラス社製、商品名415BB)21.7
8gと、固体アクリルポリマーラテックス0.21gを
加えた後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Labor
atories 社製、商品名Betz 1260 〕17.42gを徐々
に加えることによって凝集させてスラリーを得た。この
スラリーを水12.5リットルを含有するシートマシン
〔熊谷理機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスク
リーン上で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られ
たシートを軽く圧縮して120℃で乾燥し、坪量 405g
/m2 の多孔質プラスチック製シート(補強用シート
A)を得た。この時、ガラス繊維繊維100重量部に対
し、高密度ポリエチレン樹脂粉末は94重量部、ポリエ
チレンパルプは6重量部であった。
【0043】上記で得られた多孔質プラスチック製シー
トAの両面に、前記活性炭素繊維シートBを積層し、2
mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿み、面圧5k
g/cm2 、温度190℃で2分間加熱プレスし、次いで
この圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚みが2mmの
有害物質除去機能を有する積層シート材Cを得た。
トAの両面に、前記活性炭素繊維シートBを積層し、2
mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿み、面圧5k
g/cm2 、温度190℃で2分間加熱プレスし、次いで
この圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚みが2mmの
有害物質除去機能を有する積層シート材Cを得た。
【0044】この積層シート材Cの端面を分析したとこ
ろ、活性炭素繊維シートBの厚みは0.5mm、密度
0.2g/cm3 、多孔質プラスチック製シートAの厚
みは1.0mm、密度0.4g/cm3 であった。この
時、活性炭素繊維シートBの気孔率は約88体積%、多
孔質プラスチック製シートAの気孔率は約70体積%で
あった。得られた積層シート材Cの5cm角1枚(全活
性炭素繊維量0.40g)をテドラーバッグ中に入れて
密閉し、200ppmのベンゼンガスを注入した。12
時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残留濃度をガス
検知管にて測定したところ、0.1ppm以下であっ
た。また、得られた積層シート材Cの評価結果を表2に
示す。 比較例2 実施例3で得られた活性炭素繊維シートBを0.5mm
のスペーサーを配した2枚の金型間に挿み、面圧5kg
/cm2 、温度190℃で2分間加熱プレスし、次いで
この圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚み0.5m
m、密度0.2g/cm3 、気孔率約88体積%の活性
炭素繊維シートを得た。
ろ、活性炭素繊維シートBの厚みは0.5mm、密度
0.2g/cm3 、多孔質プラスチック製シートAの厚
みは1.0mm、密度0.4g/cm3 であった。この
時、活性炭素繊維シートBの気孔率は約88体積%、多
孔質プラスチック製シートAの気孔率は約70体積%で
あった。得られた積層シート材Cの5cm角1枚(全活
性炭素繊維量0.40g)をテドラーバッグ中に入れて
密閉し、200ppmのベンゼンガスを注入した。12
時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残留濃度をガス
検知管にて測定したところ、0.1ppm以下であっ
た。また、得られた積層シート材Cの評価結果を表2に
示す。 比較例2 実施例3で得られた活性炭素繊維シートBを0.5mm
のスペーサーを配した2枚の金型間に挿み、面圧5kg
/cm2 、温度190℃で2分間加熱プレスし、次いで
この圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚み0.5m
m、密度0.2g/cm3 、気孔率約88体積%の活性
炭素繊維シートを得た。
【0045】加熱プレス後の活性炭素繊維シート5cm
角2枚(全活性炭素繊維量0.40g)をテドラーバッ
グ中に入れて密閉し、200ppmのベンゼンガスを注
入した。12時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残
留濃度をガス検知管にて測定したところ、0.1ppm
以下であった。また、加熱プレス後の活性炭素繊維シー
トの評価結果を表2に示す。
角2枚(全活性炭素繊維量0.40g)をテドラーバッ
グ中に入れて密閉し、200ppmのベンゼンガスを注
入した。12時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残
留濃度をガス検知管にて測定したところ、0.1ppm
以下であった。また、加熱プレス後の活性炭素繊維シー
トの評価結果を表2に示す。
【0046】
【表2】 前述したように、実施例3で得られた積層シート材C
は、多孔質プラスチック製シートAが積層されていない
比較例2の活性炭素繊維シート材と同等の有害物質除去
機能を有すると共に、表1から明らかなように、多孔質
プラスチック製シートAが積層されていない、比較例2
の活性炭素繊維シート材と比べて優れた引張り強度と曲
げ剛さを有するものであった。 実施例4 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.04gを加えた後、合成
パルプとして60%の水分を含むポリエチレンパルプ
〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・E400〕
0.68g、熱融着性繊維として鞘部が芯部より融点が
低い芯鞘構造のポリオレフィン系複合繊維〔大和紡績
(株)、商品名NBF・Hタイプ、芯部:ポリプロピレ
ン、鞘部:ポリエチレン〕0.82gを加え、5分間攪
拌してよく分散させた。次いで、この分散物に平均繊維
長5mm、比表面積1540g/m2 のピッチ系活性炭
素繊維〔アドール(株)、商品名A−15〕4.36g
と、固体アクリルポリマーラテックス0.03gを加え
た後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laborator
ies 社製、商品名Betz 1260 〕2.18gを徐々に加え
ることによって凝集させてスラリーを得た。このスラリ
ーを水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷
理機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン
上で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られたシー
トを軽く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量51g/
m2の活性炭素繊維シートBを得た。この時、活性炭素
繊維100重量部に対し、熱融着性繊維19重量部、合
成パルプ6重量部であった。
は、多孔質プラスチック製シートAが積層されていない
比較例2の活性炭素繊維シート材と同等の有害物質除去
機能を有すると共に、表1から明らかなように、多孔質
プラスチック製シートAが積層されていない、比較例2
の活性炭素繊維シート材と比べて優れた引張り強度と曲
げ剛さを有するものであった。 実施例4 水12.5リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム0.04gを加えた後、合成
パルプとして60%の水分を含むポリエチレンパルプ
〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・E400〕
0.68g、熱融着性繊維として鞘部が芯部より融点が
低い芯鞘構造のポリオレフィン系複合繊維〔大和紡績
(株)、商品名NBF・Hタイプ、芯部:ポリプロピレ
ン、鞘部:ポリエチレン〕0.82gを加え、5分間攪
拌してよく分散させた。次いで、この分散物に平均繊維
長5mm、比表面積1540g/m2 のピッチ系活性炭
素繊維〔アドール(株)、商品名A−15〕4.36g
と、固体アクリルポリマーラテックス0.03gを加え
た後、0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laborator
ies 社製、商品名Betz 1260 〕2.18gを徐々に加え
ることによって凝集させてスラリーを得た。このスラリ
ーを水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷
理機工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン
上で脱水して湿ったシートを得、次いで、得られたシー
トを軽く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量51g/
m2の活性炭素繊維シートBを得た。この時、活性炭素
繊維100重量部に対し、熱融着性繊維19重量部、合
成パルプ6重量部であった。
【0047】水12.5リットル中に、攪拌しながらス
ラリー粘度調整剤としてキサンタンガム0.19gを加
えた後、合成パルプとして60%の水分を含むポリエチ
レンパルプ〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・
E400〕1.94g、合成樹脂として高密度ポリエチ
レン樹脂粉末〔丸善ポリマー(株)、商品名1070〕
12.11gを加え、5分間攪拌してよく分散させた。
次いで、この分散物に強化繊維として平均繊維長6mm
のガラス繊維〔オーウェンズ・コーニング・ファイバー
グラス社製、商品名415BB〕12.87gと、固体
アクリルポリマーラテックス0.13gを加えた後、
0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laboratories 社
製、商品名Betz 1260 〕10.30gを徐々に加えるこ
とによって凝集させてスラリーを得た。このスラリーを
水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷理機
工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン上で脱
水して湿ったシートを得、次いで、得られたシートを軽
く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量240g/m2
の多孔質プラスチック製シートAを得た。この時、ガラ
ス繊維100重量部に対し、高密度ポリエチレン樹脂粉
末94重量部、ポリエチレンパルプ6重量部であった。
ラリー粘度調整剤としてキサンタンガム0.19gを加
えた後、合成パルプとして60%の水分を含むポリエチ
レンパルプ〔三井石油化学工業(株)、商品名SWP・
E400〕1.94g、合成樹脂として高密度ポリエチ
レン樹脂粉末〔丸善ポリマー(株)、商品名1070〕
12.11gを加え、5分間攪拌してよく分散させた。
次いで、この分散物に強化繊維として平均繊維長6mm
のガラス繊維〔オーウェンズ・コーニング・ファイバー
グラス社製、商品名415BB〕12.87gと、固体
アクリルポリマーラテックス0.13gを加えた後、
0.5重量%の陽イオン凝集剤〔Betz Laboratories 社
製、商品名Betz 1260 〕10.30gを徐々に加えるこ
とによって凝集させてスラリーを得た。このスラリーを
水12.5リットルを含有するシートマシン〔熊谷理機
工業(株)製〕に加え、0.18mmのスクリーン上で脱
水して湿ったシートを得、次いで、得られたシートを軽
く圧縮し、120℃で乾燥し、基底重量240g/m2
の多孔質プラスチック製シートAを得た。この時、ガラ
ス繊維100重量部に対し、高密度ポリエチレン樹脂粉
末94重量部、ポリエチレンパルプ6重量部であった。
【0048】上記で得られた多孔質プラスチック製シー
トAの両面に、前記活性炭素繊維シートBを積層し、
1.00mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿
み、面圧5kg/cm2 、温度170℃で2分間加熱プ
レスし、次いでこの圧力を保持しつつ室温まで冷却し、
厚みが1.00mmの有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cを得た。
トAの両面に、前記活性炭素繊維シートBを積層し、
1.00mmのスペーサーを配した2枚の金型間に挿
み、面圧5kg/cm2 、温度170℃で2分間加熱プ
レスし、次いでこの圧力を保持しつつ室温まで冷却し、
厚みが1.00mmの有害物質除去機能を有する積層シ
ート材Cを得た。
【0049】この積層シート材Cの端面を分析したとこ
ろ、活性炭素繊維シートB1枚当りの厚み0.25m
m、密度0.20g/cm3 、多孔質プラスチック製シ
ートAの厚み0.50mm、密度0.48g/cm3 で
あった。この時、活性炭素繊維シートBの気孔率は約8
7体積%、多孔質プラスチック製シートAの気孔率は約
66体積%と算出された。また、前記積層シート材Cの
引張り強度は70kgf/cm2 、1cm当りの曲げ剛さ
は89gf・cm2 /cm、比表面積は498m2 /g
シートであった。
ろ、活性炭素繊維シートB1枚当りの厚み0.25m
m、密度0.20g/cm3 、多孔質プラスチック製シ
ートAの厚み0.50mm、密度0.48g/cm3 で
あった。この時、活性炭素繊維シートBの気孔率は約8
7体積%、多孔質プラスチック製シートAの気孔率は約
66体積%と算出された。また、前記積層シート材Cの
引張り強度は70kgf/cm2 、1cm当りの曲げ剛さ
は89gf・cm2 /cm、比表面積は498m2 /g
シートであった。
【0050】上記の有害物質除去積層シート材をコルゲ
ータにてセルピッチ10.0mm、セル高さ5.0m
m、条線幅0.5mmの台形型のセル形状を有した片面
段ボール構造体に加工し、次いで、この片面段ボール構
造体を10枚重層し、高さ5cm、幅5cm、長さ5c
mの直方体のコルゲート状有害物質除去材を得た。得ら
れた直方体のコルゲート状有害物質除去材は、手で押し
ても容易に破損することはなかった。また、この直方体
のコルゲート状有害物質除去材をテドラーバッグ中に入
れて密閉し、200ppmのベンゼンガスを注入し、1
2時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残留濃度をガ
ス検知管にて測定したところ、0.1ppm以下であっ
た。
ータにてセルピッチ10.0mm、セル高さ5.0m
m、条線幅0.5mmの台形型のセル形状を有した片面
段ボール構造体に加工し、次いで、この片面段ボール構
造体を10枚重層し、高さ5cm、幅5cm、長さ5c
mの直方体のコルゲート状有害物質除去材を得た。得ら
れた直方体のコルゲート状有害物質除去材は、手で押し
ても容易に破損することはなかった。また、この直方体
のコルゲート状有害物質除去材をテドラーバッグ中に入
れて密閉し、200ppmのベンゼンガスを注入し、1
2時間後、テドラーバッグ中のベンゼンの残留濃度をガ
ス検知管にて測定したところ、0.1ppm以下であっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明の有害物質除去機能を有する積層
シート材は、補強用シートの片面又は両面に有害物質除
去機能を有する活性炭素繊維シートを設けたので、高い
有害物質除去機能を有しつつ、優れた機械的強度を有す
ると共に耐久性に富み、しかも、成形加工性にも優れて
いる。また、補強用シートとして多孔質プラスチック製
シートを用いれば、曲げ剛さも著しく向上したものとな
る。さらに、本発明のコルゲート状有害物質除去材は、
上記特徴を有する積層シート材をコルゲート加工してい
るので、実用に供し得る強度を有するとともに、極めて
高効率に排ガス中の有害物質を除去することが可能であ
る。次に、本発明の製造方法によれば、上記した有害物
質除去機能を有する積層シート材とコルゲート状有害物
質除去材とを、容易に安定して製造することができる。
シート材は、補強用シートの片面又は両面に有害物質除
去機能を有する活性炭素繊維シートを設けたので、高い
有害物質除去機能を有しつつ、優れた機械的強度を有す
ると共に耐久性に富み、しかも、成形加工性にも優れて
いる。また、補強用シートとして多孔質プラスチック製
シートを用いれば、曲げ剛さも著しく向上したものとな
る。さらに、本発明のコルゲート状有害物質除去材は、
上記特徴を有する積層シート材をコルゲート加工してい
るので、実用に供し得る強度を有するとともに、極めて
高効率に排ガス中の有害物質を除去することが可能であ
る。次に、本発明の製造方法によれば、上記した有害物
質除去機能を有する積層シート材とコルゲート状有害物
質除去材とを、容易に安定して製造することができる。
【図1】本発明のコルゲート状有害物質除去材の一実施
態様である三角形のセル形状を有する除去材の説明図で
ある。
態様である三角形のセル形状を有する除去材の説明図で
ある。
【図2】本発明のコルゲート状有害物質除去材の他の実
施態様である台形のセル形状を有する除去材の説明図で
ある。
施態様である台形のセル形状を有する除去材の説明図で
ある。
【図3】本発明のコルゲート状有害物質除去材の製造方
法で使用するコルゲータ装置の一例を示す説明図であ
る。
法で使用するコルゲータ装置の一例を示す説明図であ
る。
【図4】同上のコルゲータ装置で得られる片面段ボール
構造体の説明図である。
構造体の説明図である。
【図5】本発明のコルゲート状有害物質除去材の一実施
態様である円筒状の除去材を示す平面図である。
態様である円筒状の除去材を示す平面図である。
【図6】本発明のコルゲート状有害物質除去材の一実施
態様である直方体の除去材を示す斜視図である。
態様である直方体の除去材を示す斜視図である。
【符号の説明】 A 補強用シート B 活性炭素繊維シート C 有害物質除去機能を有する積層シート材 D−1 三角形のセル形状を有する片面段ボール構造体 D−2 台形のセル形状を有する片面段ボール構造体 a セルピッチ b セル高さ c 条線幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 5/24 101 B32B 5/24 101 (72)発明者 井上 勝雄 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 山崎 秀信 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 補強用シートAの片面もしくは両面に、
活性炭素繊維を45〜90重量%含有する活性炭素繊維
シートBが積層一体化された積層シート材であって、引
張り強度が10kgf/cm2 以上であり、かつ1cm
幅当たりの曲げ剛さが10gf・cm2 /cm以上であ
ることを特徴とする有害物質除去機能を有する積層シー
ト材。 - 【請求項2】 補強用シートAが熱融着性繊維製シート
である請求項1記載の有害物質除去機能を有する積層シ
ート材。 - 【請求項3】 補強用シートAが合成樹脂又は合成樹脂
と強化繊維とからなる多孔質プラスチック製シートであ
る請求項1記載の有害物質除去機能を有する積層シート
材。 - 【請求項4】 活性炭素繊維シートBが、熱融着性繊維
10〜100重量部と合成パルプ0〜15重量部及び活
性炭素繊維100重量部からなり、かつ熱融着性繊維の
融着により活性炭素繊維が均一な分散状態で熱融着性繊
維及び合成パルプと結合されたものであり、気孔率が5
0〜95体積%である請求項1〜3のいずれかに記載の
有害物質除去機能を有する積層シート材。 - 【請求項5】 厚みが0.1〜10mmの補強用シート
Aの両面に、厚みが0.1〜10mmの活性炭素繊維シ
ートBが配された3層構造である請求項1〜4のいずれ
かに記載の有害物質除去機能を有する積層シート材。 - 【請求項6】 補強用シートAの片面もしくは両面に活
性炭素繊維シートBを積層し、加熱プレスによって前記
シート間を接合することを特徴とする請求項1〜5のい
ずれかに記載の有害物質除去機能を有する積層シート材
の製造方法。 - 【請求項7】 補強用シートAの両面に活性炭素繊維シ
ートBを積層一体化された請求項1〜5のいずれかに記
載の有害物質除去機能を有する積層シート材Cが、セル
ピッチ(a)1mm以上、セル高さ(b)1mm以上の
三角形セル形状を有するか、又はセルピッチ(a)1m
m以上、セル高さ(b)1mm以上、条線幅(c)0.
1mm以上の台形セル形状を有するコルゲート状有害物
質除去材。 - 【請求項8】 積層シート材Cをコルゲータ装置にて片
面段ボール構造体に加工し、次いで、前記片面段ボール
構造体を巻き回し又は重層することを特徴とする請求項
7記載のコルゲート状有害物質除去材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29054898A JPH11192428A (ja) | 1997-10-29 | 1998-10-13 | 有害物質除去機能を有する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29664097 | 1997-10-29 | ||
JP9-296640 | 1997-10-29 | ||
JP29054898A JPH11192428A (ja) | 1997-10-29 | 1998-10-13 | 有害物質除去機能を有する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11192428A true JPH11192428A (ja) | 1999-07-21 |
Family
ID=26558111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29054898A Pending JPH11192428A (ja) | 1997-10-29 | 1998-10-13 | 有害物質除去機能を有する積層シート材とその製造方法及びコルゲート状有害物質除去材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11192428A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-10-13 JP JP29054898A patent/JPH11192428A/ja active Pending
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