JPH09267009A - 炭素繊維不織布及びその製造法 - Google Patents

炭素繊維不織布及びその製造法

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JPH09267009A
JPH09267009A JP8101907A JP10190796A JPH09267009A JP H09267009 A JPH09267009 A JP H09267009A JP 8101907 A JP8101907 A JP 8101907A JP 10190796 A JP10190796 A JP 10190796A JP H09267009 A JPH09267009 A JP H09267009A
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woven fabric
fibers
carbon fiber
nonwoven fabric
carbon
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JP8101907A
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Inventor
Takeshi Maeda
武士 前田
Katsumi Okawa
勝美 大川
Kazutaka Masuda
一隆 増田
Takahiro Ikeda
孝博 池田
Tatsuya Ito
龍哉 伊藤
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルタ−用の濾過材または吸着材として使
用可能な、圧力損失の少ない炭素繊維不織布を得ること
を課題とする。 【解決手段】 炭素繊維(A)と、50−200 ℃で
熱溶融可能な熱可塑性繊維(B)とを、B/Aが20−
70%の範囲で混合し、従来法に従って不織布を製造す
る第一工程と、当該不織布をプリ−ツ状に蛇行して折り
畳み、または平板状の不織布を積層して、その両側面か
ら、適当な圧力で押圧、加熱し、成形体を得る第二工程
と、この成形体を、プリ−ツ面に垂直に所定の厚さにス
ライスして炭素繊維が厚さ方向に配向された不織布を得
る工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の流体中に懸
濁、または溶存する物質を、濾過または吸着作用により
除去するフィルタ−として好適に用いられる、圧力損失
の少ない炭素繊維製不織布、およびその製造方法、並び
にその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】フェルト状加工品を得る場合、従来は一
般に各種の合成繊維または天然繊維を、反毛式カ−ド機
およびニ−ドルパンチ機よって収束加工処理して、必要
な密度と引張り強度を備えた各種フェルトを作成してい
る。しかし繊維状炭素の場合は、他の合成繊維や天然繊
維等に比べて、脆く折れやすい上、かつ伸長性が小さ
く、一般に5%未満であるので、補強材として網状物を
入れる(実願昭63−166534)か、ポリエステル
やアラミド繊維のように柔軟性があり、5−15%の伸
長度を有する補強繊維を混合して、フェルト状炭素繊維
不織布を作成していた。
【0003】ところが、炭素繊維フェルトの場合、溶融
ピッチ延伸−堆積−不融化−炭化法により得た物、ある
いは炭化後、短繊維に裁断した後、バインダ−で収束し
た物、あるいは合成繊維−不融化−炭化法により得た物
等、何れの製造法による場合も、繊維の方向は平面状に
一定の方向に並ぶか(図2b)、二次元状に無方向に並
ぶか(図2c)、何れにしても不織布表面に対して並行
に収束されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように原反フエ
ルトを、図1に示すような工程を経て、反毛式カ−ド機
およびニ−ドルパンチ機で不織布を製造した場合、フエ
ルト内の繊維方向は図2a,b,cに示すように、不織
布の表面に対し並行な、一次元、または二次元状に繊維
が並ぶ傾向は避けられない。
【0005】そのため、このような従来構造の不織布を
フィルタ−として、面に対して垂直方向(図3a・G)
に流体(ガス、液体)を流すとき、表面及び中央部には
細長い繊維が横たわり、表面開口率が小さいので、結果
として流体の通過抵抗が大きく、圧力損失が高くなると
言う欠点があった。
【0006】本発明は、従来技術にかかる、上記の炭素
繊維不織布の欠点を補い、小さい低い通気流通抵抗、圧
力損失で、かつ高い吸着表面積を有する、新規なる構造
を有する高性能フィルタ−用不織布に関し、併せて、そ
の様な不織布の製造方法、並びにそれらの不織布の用途
についても提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、フィルタ
−を構成する不織布内の炭素繊維の方向が、不織布の厚
み方向に配向していることを特徴とした、新規なる構造
を有する不織布(図4e)によって達せられる。不織布
がかかる構造の物であるとき、繊維は流体の流通方向
(図4e・G)に対して並行であるため、流体の通過抵
抗が小さく、流体との接触もよく、かつ不織布の表面は
繊維の断面部分によってのみ塞がれ、以外は空隙である
ため表面開口率が大きく、更に抵抗が少なくなり、両者
相まって高い吸着表面積を有しつつ、かつ流体の流通抵
抗が著しく低いフイルタ用不織布を得ることができる。
【0008】このような特殊な構造を有する不織布は、
炭素繊維と熱溶融性繊維が混合されてなる帯状の不織布
原反(図3a)を、図3b,cの様にプリ−ツ様に折り
畳み、重ね合わせて、熱融着した後、図3dの様に重ね
合わせ面と垂直方向にスライス状に裁断することによ
り、簡単に製造することができる。
【0009】かかる製造方法による時、表面に平行に繊
維が並んだ抵抗の大きい、従来方法によって得られた不
織布の欠点を、逆に利用して、これを一旦プリ−ツ状に
折り畳んだ状態で、これを加熱し、熱溶融性繊維を溶融
させプリ−ツ状成形体(図3c)を得る工程と、これを
所望する厚さ(図4d・t)に裁断する工程とで、簡
単、かつ容易に、不織布の厚み方向に炭素繊維が並ん
だ、流体流通抵抗の小さい、本願発明に係る不織布を製
造することができる。
【0010】炭素繊維が、不織布の厚み方向に、表面に
垂直方向に並んだ不織布は、前記のプリ−ツ状折り畳み
方法に類似した別なる方法でも製造することができる。
例えば、図5に示すように炭素繊維と熱溶融繊維とが混
合されてなる、従来法によって得られた平板状の不織布
(図5a)を、複数枚重ね合わせて押圧下、熱溶着し
て、不織布積層体(図5b)を形成させる工程と、これ
を積層面と垂直方向に、スライス状に裁断(図5d)
し、シ−トを形成させる工程とによっても、本願の不織
布(図5e)を製造することができる。
【0011】本発明にかかる不織布は、構成する繊維の
方向が不織布表面に対して、平均的に垂直方向、即ち不
織布の厚さ方向に配向しているので、この不織布を除塵
用等の液相、気相濾過フイルタ−、脱臭用等の気相吸着
フイルタ−、脱色用等の液相吸着フイルタ−として使用
する時は、被処理流体は大きい表面開口部より不織布内
部へ入り、フイルタ−装着面に対して略垂直な繊維の方
向に沿って通過するので、圧力損失を低くすることがで
きる。かつ脱色、脱臭等の場合には活性炭繊維の吸着面
が有効に作用する。
【0012】
【実施の態様】炭素繊維または繊維状活性炭(A)の種
類としては、ピッチ系、PAN系、セルロ−ズ系等の原
料繊維を、必要に応じ不融化、炭化、必要に応じ活性化
した、各種のものを広く使用することができる。
【0013】炭素繊維等と共に混用し、これを一定の形
に保つための、接着材としての作用をなす熱溶融繊維
(B)は、ポリエステル,ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリアクリロニトリル、ポバ−ル等の単独、或いは
これらの混合、共重合樹脂繊維、積層構造繊維等が好適
に用いられる。上記例示の繊維のように5−15%の伸
長度を有する熱可塑性繊維が望ましい。ここに伸長度と
は、JIS R 7601に記載される測定法による数
値を言う。
【0014】また、使用する熱溶融性繊維とは、200
℃以下、好ましくは150℃以下、50℃以上で可塑性
を発現する合成高分子製繊維が好適に使用できる。この
温度が高すぎると熱融着加工時に多量に熱エネルギ−が
必要になり、また高分子分解生成物物が活性吸着面を汚
染、機能を低下させる悪影響が生じる。また低すぎる
と、常温保存時あるいはフィルタ−として使用中に軟化
し、炭素繊維相互間の繋止力が低下する結果、形が崩れ
る恐れがある。
【0015】炭素繊維又は繊維状活性炭(A)に対する
熱溶融性繊維(B)の含有率としては、B/Aが20−
70%の範囲が好ましい。Bが大きすぎると繊維状活性
炭のが含有率が小さくなり、吸着性能の発揮が不充分と
なる。逆に小さすぎると、接着強度が低く、製品が弱く
なる。
【0016】原料となる、繊維の方向が不織布表面に対
して平行な不織布は、従来の方法で作ったフエルトが使
用できるが、特に反毛式カ−ド機、および/またはニ−
ドルパンチ機法で、ある程度の厚みのフエルト状に束縛
されたものが好ましい。この様な従来法で製造した不織
布は、図1の様な工程を経るため、構成する繊維は不織
布面に対して平行、即ち一次元的に一方向(図2b)に
並ぶか、二次元的に面状(図2c)に繊維が並ぶ。何れ
にしても繊維の大部分が横倒し状態であるので、不織布
の表面の開口率が小さい。従って表面に対し垂直方向
(図3a・G)から処理流体が流れるとき、圧力損失が
大きい欠点が生じたのである。
【0017】これに対して、本願方法では、図1の様に
一旦、上記の従来方法で不織布(図2a;図3a)を製
造する工程、次にこれをプリ−ツ状に蛇行(図3b)さ
せながら、折り畳み、両側面から適当な圧力で押圧され
た状態(図3c)で、適当な温度下で加熱され、冷却、
固化する工程が加えられる。ここに、適当な圧力とは、
プリ−ツ状成形体(立方体状、図4d)中の炭素繊維
が、所望の密度になるように押圧される。密度は流通す
る流体の物性等を考慮して決定するのがよい。また、適
当な温度とは、炭素繊維と混合された熱可塑性繊維が溶
融する温度範囲を言い、使用した熱可塑性高分子の物性
を考慮して決定するのがよい。
【0018】次いで、上記のプリ−ツ状成形体を図4d
の様に、折畳み、重ね合わせ面に垂直方向に沿ってスラ
イスする工程が施される。スライス片の厚さ(t)は、
濾過材として使用する際の流通流体の物性や吸着に必要
な滞留時間等を考慮して決定、裁断される。通常5−1
00mm位が適当である。また必要に応じて、数枚重ね
て使用することができる。 このような方法で製造され
たスライス片(図4e)は、本発明に言う、炭素繊維が
表面に垂直方向に配向された、換言すれば炭素繊維が不
織布の厚み方向に配向している不織布を構成している。
【0019】前述のように、プリ−ツ状成形体の製造に
供する原反中の炭素繊維が、略一次元的に平行に並んだ
帯状の不織布である場合(図2b)は、これを繊維の方
向に折り畳んでプリ−ツ状にした時は、これを横方向に
裁断して得られるスライス片は、繊維が完全に表面に垂
直に揃って配向した不織布が得られる。(図4e) また、原反中の炭素繊維が、不織布の表面に並行で、二
次元的に交錯した状態の不織布(図2c;従来法で製作
された不織布の殆どがこれに相当する)である場合は、
プリ−ツ化後、横方向に裁断して得られるスライス片
は、繊維が概ね表面に垂直であるが、その垂直二次元面
内にて多少斜めに交錯している状態の物も得られる。
(図4g) 本願にては、前者の場合、及び後者の場合、両方を含む
ものである。少々、斜めの繊維がランダムに混在して
も、全体として繊維が表面に垂直に配向していれば、流
体が通過したときの圧力損失の点では、両者共、略同様
の好成績が得られる。
【0020】帯状不織布を折り畳んで得たプリ−ツ状成
形体、または平板状不織布を重ね合わせて得た不織布積
層体を、重ね合わせ面に垂直方向にスライスする場合、
多少斜めに裁断してもフイルタ−としての実用上の性能
には大差ない。例えば、図6hに示すように、重ね合わ
せ面の軸(M−N)に対して完全に垂直方向(X−Y;
θ=0°)にスライスすることが最も望ましいが、裁断
方向が多少傾いた状態(P−Q;θ=45°以下)で
も、得られる本願発明に係る不織布内の繊維の傾きは、
表面に対して巨視的には平均45°の傾きの範囲内であ
れば不織布の表面開口率や、不織布内の繊維に沿い流れ
る流体の流通抵抗には大差なく、フイルタ−性能上、θ
=0°の場合と実質的に同様に使用できる。本願にて
は、裁断上の都合にて不織布内の炭素繊維が巨視的に多
少傾いた状態の物も含むものである。
【0021】上記の構造を有する本願発明の不織布は、
構成する繊維が表面に垂直、乃至は略垂直方向に配向さ
れているので、表面に平行方向に並ぶ繊維が無い。従っ
て縦方向に流れる流体に対し圧力損失が非常に少ない利
点があるが、反面不織布の横方向に対する引張り強度に
劣る欠点も認められた。この欠点を補う為に、本願発明
の不織布の片面、または上、下両面に、補強用の比較的
目の粗い不織布、不織紙、網、または格子状の支持薄板
等を添えて使用することもできる。(図4f)
【0022】以下に実施例を用いて説明する。
【実施例1】活性炭素繊維〔(株)アド−ル製・商品名
A−10(ピッチ系)(物性)表1.表2〕30Kg
と、熱溶融性繊維〔チッソ(株)製・商品名ES繊維
(ポリエステル、ポリプロピレン二層構造);融点13
0 ℃〕20Kgを混合し、反毛式カ−ド機を介して、
長尺、帯状、坪量300g/m2 の不織布を製作した
(第1工程)。製作に際し、図1のように熱溶融繊維か
らなる不織紙(1、2)を上、下に添えた。
【0023】上記の方法で得た不織布の比表面積を、G
C−BET法により測定したところ、580m2 /gで
あった。この方法で得た不織布は、目視及び顕微鏡下で
の観察により、繊維が表面に並行な横倒し繊維が略二次
元面に並んで構成されていることが観察された。この不
織布に、表面に対して垂直な方向(図3a・G)に、常
温で、空気を線速度(LV)を変えながら透過させ、不
織布層の前後に於ける圧力損失(ΔP)を測定した。線
速度(LV)と圧力損失(ΔP)の関係を、図7中に線
aとして示す。
【0024】
【表1】基礎物性(商品名A−10) ──────────────── 比表面積(m2 /g) 1000 細孔半径 (A) 8 酸化開始温度(℃) 460
【0025】
【表2】繊維特性(商品名A−10) ─────────────────── 糸半径 (μm) 10−20 伸度 (%) 1.5−2.0 真密度 (g/ml) 1.5−1.8 見掛密度(g/ml)0.01−0.2
【0026】
【実施例2】 実施例1で製作した不織布を高さ50c
mのプリ−ツ状(図3C)に加工し、両端からプリ−ツ
山側面が互いに接触するように押圧し、この状態を保っ
たまま140 ℃の温度で30分間保持し、ES繊維を
熔解、冷却させプリ−ツ成形体(図4d)を得た。(工
程2) 工程1で、不織布の上、下両面に沿わせた熱溶融紙(図
1;1、2)は、折り返されたプリ−ツの襞の間に共に
挟まれ、原型を止めず溶融、冷却されて、プリ−ツ成形
体を強固なものにする効果があった。
【0027】このプリ−ツ成形体を、図4dの様にプリ
−ツ山を横断する方向の面に、厚み(t)7mmにスラ
イスする方法により、坪量300g/m2 の不織布を得
た(工程3)。
【0028】上記の方法で得た不織布の比表面積を、G
C−BET法により測定したところ、560m2 /gで
あった。この方法で得た不織布は、目視及び顕微鏡下で
の観察により、繊維が表面に略垂直な方向、即ち炭素繊
維が主として不織布の厚み方向に配向されて構成されて
いることが観察された。更にこの不織布に対して、表面
に対して垂直な方向(図4e・G)に、常温で、空気を
線速度(LV)を変えながら透過させ、不織布層の前後
に於ける圧力損失(ΔP)を測定した。線速度(LV)
と圧力損失(ΔP)の関係を、図7中にb線として示
す。図7中のa,b線の比較から、本発明にかかる不織
布は、従来の不織布の繊維が表面に並行に横倒し状態で
あるに対し、繊維が厚さ方向に配向しているので、空気
の透過に対して抵抗が少ないことを示している。
【0029】
【実施例3】 実施例2の方法で得た不織布の両面に、
合成樹脂製の繊維を抄紙接着して得た不織紙を添え、必
要に応じニ−ドルパンチング、加熱、または接着剤を介
し、補強した濾過材(図4f)を得た。この不織紙は薄
く、目が粗いので、本体の不織布の圧力損失には殆ど影
響を与えないが、これにより取扱性、引き裂き強度が向
上し、当該不織布を装着する際の操作が容易になった。
【0030】
【実施例4】実施例1と同様の方法でで得た不織布を裁
断し、平板状裁断片を平置、積層し、実施例2と同様に
140 ℃、30分間加熱し、積層体を形成させた。但
し、本例の場合は、工程1で原反シ−トを作る際、添え
る不織紙は図1;1のみとした。プリ−ツの場合と異な
り、平置、積層の場合は上、下層の接合境界は共通とな
るからである。尚、工程1において炭素繊維不織布に添
えて使用する不織紙(図1;1、2)は、本願発明には
必ずしも必須ではないが、図1の装置で原料の搬送が容
易になること、およびプリ−ツ成形体や積層成形体が補
強される効果もあり、片面または両面に必要に応じ使用
される。
【0031】
【実施例5】実施例2で製造された、本願発明に係る不
織布を室内空気清浄器に装着したところ、圧力損失が少
なくかつ防塵性に優れていた。
【0032】
【発明の効果】 本発明に係る、表面に垂直に配向され
た炭素繊維または活性炭繊維から構成された不織布は、
家庭用、業務用の空気清浄器のフイルタ−、オゾン除去
用フイルタ−、自動車の空気清浄器用フイルタ−、温風
暖房機等の脱臭、除塵、脱湿、金属を担持させた触媒担
体等の用途に広範に使用できる。また、気相用の他、液
相用にも排水中の色素、不純物等の吸着除去、液中浮遊
物の分離に供することができる。単なる濾過である場
合、吸着活性を要する場合と、用途に応じて、原料とな
る炭素繊維か、活性炭繊維か、が選択される。これらの
用途に供したとき、濾材を構成する炭素繊維体が流体の
通過方向と並行にあり、且つ不織布の厚み方向に繊維が
配向されているので表面開口率が大きく、結果として圧
力損失が著しく小さいので、設備経済、節エネルギ的に
好適である。
【0033】そして本発明に係る不織布の製造法による
と、炭素繊維等に、熱溶融繊維を混合し、従来の製造法
と同様にして得られる長尺、帯状の不織布を、単にプリ
−ツ状に蛇行、折畳み、または平板状に裁断したものを
平置、積層し、これらを熱押圧して成形体を得、重ね合
わせた積層面に垂直方向にスライス状に裁断するのみ
で、容易に本発明に係る高効率フイルタを容易、かつ経
済的に製造することが出来、結果として低い圧力損失の
濾過、吸着を可能ならしめたメリットは大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布製造装置の側面図を示す。
【図2】a;上記、図1の装置で製造された不織布の斜
視図を、 b;不織布を構成する炭素繊維が略平行に並んだ不織布
の、 c;炭素繊維が、二次元的に交錯しつつ表面に並行にあ
る不織布の斜視図を、それぞれ示す。
【図3】a;炭素繊維が、表面に並行してある従来法の
不織布、 b;上記aの帯状不織布をプリ−ツ状に蛇行させた状
態、 c;上記bのプリ−ツを両側面から押圧した状態の、そ
れぞれ横断面図(一部斜視図)を示す。
【図4】d;図3cのプリ−ツ成形体を横方向裁断する
状態、 e;上記dで得られた、炭素繊維が厚さ方向に配向した
本発明の不織布、 f;上記eの不織布に、補強用の薄不織布を添えた本発
明の不織布、 g;繊維が表面に略垂直であるが、多少斜めに交錯して
いる本発明の不織布、の、それぞれ横断面図(一部斜視
図)を示す。
【図5】a;炭素繊維が、表面に並行してある従来法の
不織布、 b;上記aの平板状不織布を、平置、積層、加熱、押圧
した状態、 d;上記bを積層面に垂直に裁断する状態、 e;上記dで得られた、本発明の不織布、 f;上記eの不織布に、補強用の薄不織布を添えた本発
明の不織布、の、それぞれ横断面図を示す。
【図6】h;プリ−ツ状成形体の、裁断方法の一なる態
様を示す断面図、 i;上記hの方法で得られた、本発明の不織布である。
【図7】不織布に空気を流通させた場合の、空気流速と
圧力損失の関係図である。 a;従来法にて製作された不織布の場合の、 b;本発明に係る不織布の場合の、実験例をそれぞれ示
す。
【符号の説明】
1、2;不織紙 6;炭素繊維供給、裁断用羽根車 9;ニ−ドルパンチ 11;従来法不織布ロ−ル G;流体の通過方向 △P;圧力損失 (mm Aq) LV;通過流体の流速 ( m/s ) t;不織布の厚さ M−N;プリ−ツの重ね合わせ面の方向を示す線 P−Q;スライス裁断面の方向を示す線 X−Y;M−N面に垂直な方向を示す線 θ;X−Y線とP−Q線との傾き角度 → ←;不織布を押圧する方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 孝博 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 伊藤 龍哉 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維を基本構成とする不織布であっ
    て、炭素繊維が不織布の厚み方向に配向していることを
    特徴とする炭素繊維不織布。
  2. 【請求項2】 前記炭素繊維が、繊維状活性炭素である
    ことを特徴とする請求項1の炭素繊維不織布。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の炭素繊維
    不織布を用いたフイルタ。
  4. 【請求項4】 炭素繊維と熱溶融性繊維とが混合されて
    なる平板状の不織布を複数枚重ね合わせて熱接着する不
    織布積層体形成工程と、前記不織布積層体を積層面と垂
    直方向にスライスして、炭素繊維が厚み方向に配向した
    積層体スライスシ−トを形成するスライスシ−ト形成工
    程と、を備える炭素繊維不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭素繊維と熱溶融性繊維とが混合されて
    なる帯状の不織布を長手方向にそってプリ−ツ状に折り
    畳み重ね合わせた後、熱接着するプリ−ツ状成形体形成
    工程と、 前記成形体を重ね合わせ面と垂直方向にスライスし、炭
    素繊維が厚み方向に配向したスライスシ−トを作製する
    スライスシ−ト作製工程とを備える炭素繊維不織布の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記炭素繊維が、繊維状活性炭素である
    ことを特徴とする請求項4または請求項5の製造方法。
  7. 【請求項7】 炭素繊維と熱溶融性繊維とが混合されて
    なる平板状または帯状の不織布が、その片面または両面
    に熱溶融性不織布または不織紙または格子状の開孔を有
    する薄板を予め沿わせたものあることを特徴とする、請
    求項4、請求項5または請求項6の炭素繊維不織布の製
    造方法。
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