JP4483340B2 - 耐熱性複合布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性複合布帛の製造方法 - Google Patents

耐熱性複合布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性複合布帛の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高温環境下で好適に用いることができる耐熱性と、プリーツ加工やハニカム加工が可能な高い剛性とを有する耐熱性複合布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性複合布帛の製造方法に関する。
フッ素樹脂系繊維は合成繊維の中でも優れた耐熱性と耐薬品性を兼備した繊維であることから、ゴミ焼却場などから排出される高温含塵ガスの集塵用バグフィルターとして広く採用されている。
バグフィルターに用いられる布帛は、短繊維の集合体であるウェブと織物とを積層してニードルパンチなどで絡合して一体化し、しかる後に袋状に縫製してなるものが公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1にはフッ素樹脂系繊維の短繊維のウェブと、フッ素樹脂系繊維の織物とをニードルパンチ法でフェルト加工し、袋状に縫製して成形したバグフィルターが提案されている。
このような従来の袋状バグフィルター集塵においては、処理ガス量を増やしてより効率的な運転をしようとする要望があるが、処理ガス量を大きくするためにはバグフィルターの濾過面積を大きくする必要があった。限られた大きさの中で濾過面積をより大きくする手段として、ハニカム構造やプリーツ構造にすることが従来から公知である(例えば、特許文献2参照)。特許文献2にはポリエチレンやポリプロピレンの織布または不織布にPTFE多孔膜をラミネートしたものを、ハニカム構造としたフィルター材料が提案されている。
しかしながら、フッ素樹脂系繊維は他の合成繊維、例えば特許文献2に記載のポリエチレンやポリプロピレンに比較して繊維強度が低く、ポリマーそのものも柔らかい性質であるために、フッ素樹脂系繊維のみから構成されるフェルトをハニカム構造やプリーツ型に成形することはこれまで不可能であった。
また、フェルトの表面に樹脂加工をして全体を硬く仕上げることでプリーツ加工をすることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、フッ素樹脂系繊維はポリマーそのものが他の素材と接着しないという性質を持ち、したがってフェルトの全体を硬く仕上げるという従来公知の樹脂加工ができないという問題があった。
特開平9−3756号公報 特開平5−184842号公報 特開平8−299725号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、フッ素樹脂系繊維の優れた特性を損なうことなく、高い耐熱性とプリーツ加工やハニカム加工が可能な高い剛性とを併せ持つ複合布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに複合布帛の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の複合布帛は、フッ素樹脂系繊維を50〜90wt%と、フッ素樹脂系繊維以外の耐熱性の繊維を10〜50wt%と含む布帛であって、該耐熱性繊維がガラス繊維および炭素繊維から選ばれた少なくとも1種であり、該布帛はウェブを一体化した布帛であって、かつ、該布帛に対してバインダー樹脂が5〜50重量部付着してなることを特徴とするものである。
本発明のプリーツ型バグフィルターは、かかる耐熱性複合布帛をプリーツ加工したもので構成されていることを特徴とするものであり、また、かかる複合布帛の製造方法は、フッ素樹脂系繊維を50〜90wt%と、ガラス繊維および炭素繊維から選ばれた少なくとも1種を10〜50wt%含むウェブを、ニードルパンチもしくはウォータージェットパンチ処理により一体化して布帛とした後、該布帛に対してバインダー樹脂を5〜50重量部含浸して乾燥、固化する工程によるものである。
本発明によれば、フッ素樹脂系繊維100wt%の場合に比べて、バインダー樹脂との相溶性が向上し、布帛を構成する繊維と繊維とをバインダー樹脂で固着することが可能となり、耐熱性と耐薬品性に優れてかつ高剛性の複合布帛を提供することができる。この複合布帛によれば、高剛性のプリーツ型バグフィルターを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまりフッ素樹脂系繊維の優れた特性を損なうことなく、高い耐熱性とプリーツ加工やハニカム加工が可能な高い剛性とを併せ持つ複合布帛について、鋭意検討し、フッ素樹脂系繊維に、耐熱性の繊維を組み合わせて複合布帛を作ってみたところ、意外にも、かかる複合布帛に対する、バインダー樹脂の親和性が改善されることを究明したものである。
本発明は、かかる機能、つまり耐熱性とバインダー樹脂の親和性の上から、該複合布帛には、フッ素樹脂系繊維を50〜90wt%、かつ、フッ素樹脂系繊維以外の耐熱性の繊維を10〜50wt%の範囲で含む布帛とすることが重要であること究明したものである。すなわち、かかる複合割合とすることによって、初めて該複合布帛に対してバインダー樹脂を5〜50重量部付着させることができたものである。
該フッ素樹脂系繊維を90wt%より多く含む場合は、バインダー樹脂との親和性が損なわれ、該布帛へのバインダー樹脂の密着性が極めて低くなり、ひいては所望の剛性を得ることができなくなる。また、該フッ素樹脂系繊維が50wt%未満の場合は、フッ素樹脂系繊維の耐薬品性が効果的に発揮されなくなる。より好ましくは、かかるフッ素樹脂系繊維を、該複合布帛中に60〜80wt%の範囲内に制御して含ませたものが、前記本発明の効果をより改善する。
本発明に用いられるフッ素樹脂系繊維は、重合体の繰り返し構造単位の90%以上が、主鎖または側鎖にフッ素原子を1個以上含むモノマーで構成された繊維であれば、いずれのものでも使用することができるが、フッ素原子数の多いモノマーで構成された繊維ほど好ましく、例えば、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはエチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、または、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを使用することができる。かかるフッ素樹脂系繊維としては、耐熱性、耐薬品性、また表面低摩擦性に特に優れているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることがさらに好ましい。
かかるポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法は従来公知のマトリックス紡糸法(エマルジョン紡糸法)や、ペースト押出法、スプリット法(スカイブ法)のいずれでも製造することが出来る。マトリックス紡糸法とはビスコースなどのマトリックスポリマーとテトラフルオロエチレンポリマーとを混合してエマルジョンとし、成型用口金より凝固浴中に吐出して繊維化する製造方法であり、またペースト押出法とはテトラフルオロエチレンポリマーにソルベンナフサなどの可塑化助剤を混合したペーストを押出成形して引き延ばして繊維化する製造方法であり、またスプリット法とはテトラフルオロエチレンの加熱成形体をフィルム状にスプリット加工して繊維化する製造方法である。
本発明の耐熱性布帛は、ポリテトラフルオロエチレン微多孔膜をラミネートしたものも、特にフィルター用に好適に用いることができる。ポリテトラフルオロエチレン微多孔膜をラミネート、すなわち、積層して接着することで、微細なダストの集塵効率がさらに向上して好ましい。フッ素樹脂系繊維はそのポリマーの持つ性質上、他素材との接着性がやや悪いという欠点を持つが、本発明の耐熱性布帛ではフッ素樹脂系繊維に加えて耐熱性の繊維が存在することから、フッ素樹脂系繊維のみからなる不織布に比較して接着性が向上しており、ラミネートしやすくなるという効果も併せ持つものである。
本発明の耐熱性複合布帛は、プリーツ状に成型してプリーツ型バグフィルターとして好適に用いることができる。プリーツ型に成形することで濾過面積を大きく増大させることができるので、従来の封筒型フィルターに比べて、フィルターのサイズそのものを小サイズ化することができる。
本発明の耐熱性複合布帛に用いられるフッ素樹脂系繊維以外の耐熱性の繊維は、10〜50wt%の範囲内にあることが重要である。耐熱性の繊維が50wt%より多く含まれる場合にはフッ素樹脂系繊維の耐薬品性が充分に発揮されず、寿命が短くなる可能性があるので好ましくない。また、耐熱性の繊維が10wt%未満の場合にはバインダー樹脂との密着性が極めて悪くなり、所望の剛性を得ることができないので好ましくない。
該耐熱性繊維は、フッ素樹脂系繊維の耐熱性を損なわないために無機繊維であることが好適である。無機繊維は耐熱温度が高く、さらにまた、電気絶縁性にも優れることから加工性に優れるので好適に用いることができる。該無機繊維の中でも、ガラス繊維は高い耐熱温度と優れた耐薬品性を兼備し、さらに水系バインダーとの接着性に優れることから、より好適に用いることができる。
該耐熱性繊維としてガラス繊維を用いる場合は、20〜40wt%の範囲内で用いられるのが上述の観点からより好適である。
また、該耐熱性繊維としては炭素繊維が好適に用いられる。なぜならフッ素樹脂系繊維よりも分解温度が高くて耐熱性に優れ、バインダー樹脂との接着性に優れ、かつ、耐薬品性が総合的に高い繊維は炭素繊維であるので好適に用いることができる。さらにまた炭素繊維は、引っ張り弾性率が高いことから、布帛としたときに高い布帛強力を達成することができる点でも特に好適である。
本発明は、かかるフッ素樹脂系繊維と耐熱性の繊維を組み合わせた複合布帛とすることにより、バインダー樹脂との親和性を大幅に改善することができたものである。かかる耐熱性の繊維の中でも、ガラス繊維と炭素繊維が特にバインダー樹脂との親和性効果に優れており、好ましく使用され、かつ、かかる複合布帛とすることにより、布帛強度および布帛剛性を大幅に向上させることができたものである。
かかるバインダー樹脂としては、有機バインダーと無機バインダーのいずれも使用することができるが、無機バインダーであることが好適である。なぜなら無機バインダーは耐熱温度が有機系の樹脂バインダーより高いのに加え、その原料は自然界に天然に存在しているものが多いことから、より好適に用いることが出来る。
かかる無機バインダーとしては、セメントも好適に用いることが出来るが、水ガラスを固化した二酸化珪素であることが特に好ましい。該水ガラスには一般式Na2O・nSiO2・xH2O(n=2〜4)で表現される液状の珪酸ナトリウムであれば特に問題なく用いることができる。該水ガラスは二酸化炭素の存在下で二酸化珪素に固化して繊維同士を接着する役割を発現するものである。
また、かかる有機バインダーとしては、アルカリ性のフェノール樹脂またはポリイミド樹脂を好適に用いることができる。フェノール樹脂は耐熱温度が高いのに加え、完全に硬化した状態では三次元構造を持ち、加熱しても溶解せず、溶媒にも不要であることから好適に用いることができるが、中でもアルカリ性のフェノール樹脂が好適である。フェノール樹脂をアルカリ性で用いることで、特に石炭火力発電用ボイラーの集塵用に用いる際、含まれる酸性ガス、例えば硫黄酸化物や窒素酸化物を中和するので布帛の劣化が進まないことから好適に用いることが出来る。
該アルカリ性のフェノール樹脂は、アルカリ性物質含有のフェノール樹脂組成物であり、該アルカリ性物質としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アミン類が挙げられる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムが取り扱い性と安定性に優れることから、より好適に用いることが出来る。
また、該アルカリ性のフェノール樹脂に用いられるフェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂でもノボラック型フェノール樹脂でも、いずれでも用いることが出来る。
また、該バインダー樹脂としてポリイミド樹脂も好適に用いることが出来る。ポリイミド樹脂は熱硬化性樹脂の中でも優れた耐熱性を示し、かつ、含浸作業が可能な樹脂粘度を有する点から好適に用いることができる。
これらのバインダー樹脂は、本発明の特定な複合布帛に対して、優れた親和性を示し、5〜50重量部というフッ素樹脂系繊維100%の布帛では考えられない付着量を達成するものである。ここでいうバインダー樹脂の付着量(重量部)とは、布帛重量を基準としたものであり、該布帛に対して付着したバインダーの重量を表したものである。例えば、該布帛100gに対して30gのバインダーが付着して全体で130gの複合布帛とした場合、バインダー付着量は30重量部としたものである。
なお、かかるバインダー樹脂の付着量が5重量部未満の場合では、繊維同士の接着点が少ないために複合布帛全体の剛性が低いので好ましくない。また、バインダー樹脂の付着量が50重量部よりも多い場合は、複合布帛全体の剛性は高いが、繰り返しの屈曲に対する耐久性、すなわち耐折疲労強度が低くなり、特にプリーツ型フィルターとして使用する時には払い落としのパルスによりプリーツの山に沿って亀裂が発生する可能性が高くなるため好ましくない。
ただし、バインダー樹脂として水ガラスを用いる場合には、かかる付着量としては30〜50重量部の範囲内に制御するのが、剛性と耐折疲労強度との兼ね合いから好ましい。
かくして得られる本発明の耐熱性複合布帛は、通気量が3〜35cc/cm2/sec、剛軟度が3000〜13000mgの範囲にあるものが、プリーツ型バグフィルターとして好適に用いられる。
なぜなら通気量が3cc/cm2/sec未満の場合には、該フィルターとして用いた場合の圧力損失が高くなるので好ましくない。さらにまた、プリーツ型バグフィルターとして用いる場合には、一定時間ダストを捕集してフィルターの圧力損失が特定の値まで上昇し、しかる後に圧縮空気をフィルターの清浄空気側から負荷して、堆積したダストの層を払い落とす操作を繰り返して使用するが(以下では払い落としのパルスと記載する)、その場合、通気量が3cc/cm2/sec未満である場合、初期の圧力損失が高いために払い落としのパルスを負荷する圧力損失に達する時間が極めて短時間になり、寿命が短くなるため好ましくない。また、通気量が35cc/cm2/secより大きい場合には、細かいダストを捕集する捕集効率が低くなるので好ましくない。かかる捕集効率と圧力損失の関係から、該耐熱性複合布帛の通気量は、3〜18cc/cm2/secの範囲にあるものがより好適である。
また、かかる耐熱性複合布帛の剛軟度が3000〜13000mgの範囲外であると、つまり、剛軟度が3000mg未満の場合には、プリーツ状に成形しても、プリーツの山や谷の形を維持しないし、また、剛軟度が13000mgよりも大きい場合には、その硬さゆえにプリーツ加工機によるプリーツ加工性がきわめて悪くなる上に、プリーツ型バグフィルターとして用いた際に、ダストを払い落とすパルス衝撃により、プリーツの山や谷の稜線に沿って該複合布帛が裂ける現象を生じる懸念があることから好ましくない。より好適にはかかる剛軟度は4000〜12000mgの範囲であるとよい。
かかる本発明の耐熱性複合布帛の製造方法は、フッ素樹脂系繊維を50〜90wt%と耐熱性の繊維を10〜90wt%含むウェブを、ニードルパンチもしくはウォータージェットパンチ処理により一体化して布帛とした後、該布帛に対してバインダー樹脂を5〜50重量部含浸して乾燥、固化する、耐熱性複合布帛の製造方法が好ましい。フッ素樹脂系繊維と耐熱性繊維との混合は、一般的な開繊(オープナー)装置とカーディング装置により実施することができるし、該カーディング装置により得られた短繊維の集合体であるウェブを、ニードルパンチやウォータージェットパンチ処理により厚み方向で絡合一体化して布帛とすることが好適に実施できる。該布帛にバインダー樹脂を複合する必要があるので、布帛の嵩密度は高すぎない方が好ましいので、嵩密度が比較的低くできる点でニードルパンチ処理による絡合処理が特に好ましい。バインダー樹脂を含浸する布帛の嵩密度は0.2〜0.7g/cm3の範囲内であることが好適である。また該嵩密度は、布帛の目付(A)g/cm2と厚さ(B)cmとから次式で算出される。
嵩密度=A/B
該ニードルパンチ処理により得られる布帛は、目付が300〜900g/m2の範囲内にあることが好ましい。目付が300g/m2未満の場合は布帛の引っ張り強度が低く、さらにまた、ウェブの密度が小さいので捕集効率が低いため好ましくない。目付が900g/m2より大きいものでは、捕集効率は高くなるが、通気量が低くなるためフィルターとして用いたときの圧力損失が高くなるので好ましくない。
バインダー樹脂の含浸方法は、バインダー樹脂液中に布帛を浸漬してロール(マングル)で絞り、所望の付着量とするディッピング加工が好適に用いられるが、所望の付着量が含浸できるのであれば、ディッピング加工に特に限定されないで加工することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、布帛の各物性の測定方法は以下の通りである。
[目付]
JIS L 1913に記載の方法で目付(単位面積当たりの質量)を測定した。サンプルサイズは300mm角とし、3枚測定して平均をとった。
[厚み]
JIS L 1913 A法に記載の方法で測定した。測定装置はNAKAYAMA ELECTRIC IND.社製の圧縮弾性試験機を用いた。
[通気量]
JIS L 1096に規定されるフラジール形法に基づいて測定した。測定箇所は無作為に5点選んで測定した。
[剛軟度]
JIS L 1096に規定されるガーレ法に基づいて測定した。布帛は長さ63.5mm、幅25.4mmサイズにカットして表裏1回ずつ測定した。測定試料はn=3で実施した。
[捕集効率]
JIS B 9908形式3に準拠した測定装置を用いて評価した。図1に概略図を示す。常温において大気中に存在する粒径0.3〜0.5μmの範囲内にある粒子数をパーティクルカウンター(上流)1(リオン社製)でカウントし、Xとする。さらに濾過風速1m/minで気流を通過させ、複合布帛2を通過した粒子数を同じくパーティクルカウンター(下流)3でカウントして、Yとする。サンプルボリュームはいずれも0.01CF(キュービックフィート)で評価した。得られた数値から捕集効率は次式で求めた。
捕集効率=(X−Y)/X×100
[耐熱性]
布帛を300℃に設定した高温乾燥機(TABAI ESPEC CORP社製、高温乾燥機STPH−200)に投入して24時間放置して熱処理を実施する。該熱処理を実施した後の布帛強度が、熱処理前の布帛強度の70%以上であれば耐熱性は○(マル)と判定し、70%未満の布帛強度であれば耐熱性は×(バツ)と判定した。
(実施例1)
布帛を構成するウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm)とガラス繊維(E型ガラス繊維、繊維径6μm×57mm)とを75:25の重量比で混合したものを用いる。二つの短繊維をオープナー装置とカーディング装置に通して混合し、ウェブ状とする。該ウェブを2枚用意してその間にスクリムを挟み込んで積層し、しかる後に400本/cm2の針密度でニードルパンチ加工して絡合一体化して布帛とする。スクリムとしてラステックススクリム(ゴアテックス社製、PTFEスリットヤーン糸440dtex使い、20本/2.54cmの織密度を有する平織り織物、目付140g/m2)を用いる。
得られた布帛に珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を含浸してマングルで絞った後、乾燥機で190℃の加熱空気中で10分間乾燥し、バインダー付着量が先の布帛100重量部に対し35重量部である耐熱性複合布帛を得た。
(実施例2)
実施例1と同様のウェブおよびスクリムを用い、カーディング装置に投入する短繊維の量を実施例1の1.2倍とした以外は実施例1と同様の方法で布帛を得る。次にバインダーとして、フェノール1000グラム、40%ホルムアルデヒド水溶液1596グラム、イオン交換水900グラムを還流装置の付いたフラスコに入れて、攪拌しつつ、水酸化ナトリウムの50%水溶液400グラムを徐々に加えながら80℃迄昇温し、80℃で5時間反応させてアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液を得た。得られたアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液の固形分濃度は40%、粘度は120mPa・s、pHは11.0であった。実施例1と同様の方法で得た布帛に得られたアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液をディップマングルを用いて含浸させ、次いで乾燥機を用いて200℃で5分間で樹脂配合液の水分を除去しB化状態とした。次いで、200℃で3分間熱処理しC化状態として、耐熱性複合布帛を得た。
(実施例3)
布帛を構成するウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm)とピッチ系炭素繊維(ドナック社製ドナカーボ(R)、繊維径18μm×51mm)とを80:20の重量比で混合したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で布帛を得る。得られた布帛に実施例2と同様のバインダーを含浸し、耐熱性複合布帛を得た。
(実施例4)
布帛を構成するウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(Lenzing社製PROFILEN(R)、タイプ803/60、2.7dtex×60mm)とガラス繊維(E型ガラス繊維、繊維径6μm×57mm)とを65:35の重量比で混合したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で布帛を得る。得られた布帛に実施例1と同様方法で珪酸ナトリウム水溶液を含浸、乾燥して耐熱性複合布帛を得た。
(比較例1)
布帛を構成するウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(Lenzing社製PROFILEN(R)、タイプ803/60、2.7dtex×60mm)のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛に実施例1と同様の珪酸ナトリウム水溶液を含浸しようとしたが布帛が水溶液をはじいて容易に含浸できず、バインダー付着量が先の布帛100重量部に対し3重量部である耐熱性複合布帛を得た。
(比較例2)
布帛を構成するウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm)のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛に実施例2と同様のアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液をディップマングルを用いて含浸しようとしたが布帛が水溶液をはじいて容易に含浸できず、バインダー付着量が先の布帛100重量部に対し4重量部である耐熱性複合布帛を得た。
Figure 0004483340
表1の評価結果から明らかなようにプリーツ加工が可能な剛軟度を有し、高い捕集効率を有し、かつ、高い耐熱性と布帛の均一性を兼ね備えるのは実施例の耐熱性複合布帛のみであった。
実施例で用いる捕集効率評価装置の概略図である。
符号の説明
1:パーティクルカウンター(上流)
2:複合布帛
3:パーティクルカウンター(下流)
4:マノメーター(差圧計)
5:送風機(Hitachi社製ブロワーVB−007−E)
6:大気中の塵の流れ
7:大気中の塵が除去された大気の流れ

Claims (8)

  1. フッ素樹脂系繊維を50〜90wt%と、フッ素樹脂系繊維以外の耐熱性繊維を10〜50wt%と含む布帛であって、該耐熱性繊維がガラス繊維および炭素繊維から選ばれた少なくとも1種であり、該布帛はウェブを一体化した布帛であって、かつ、該布帛に対してバインダー樹脂が5〜50重量部付着してなることを特徴とする耐熱性複合布帛。
  2. 該フッ素樹脂系繊維が、ポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする、請求項1に記載の耐熱性複合布帛。
  3. 該バインダー樹脂が、無機バインダーであることを特徴とする、請求項1または2に記載の耐熱性複合布帛。
  4. 該無機バインダーが、水ガラスを固化した二酸化珪素であることを特徴とする、請求項3に記載の耐熱性複合布帛。
  5. 該バインダー樹脂が、アルカリ性のフェノール樹脂またはポリイミド樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の耐熱性複合布帛。
  6. 該耐熱性複合布帛が、通気量が3〜35cc/cm/sec、剛軟度が3000〜13000mgの範囲にあるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性複合布帛。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の耐熱性複合布帛をプリーツ加工したもので構成されていることを特徴とする、プリーツ型バグフィルター。
  8. フッ素樹脂系繊維を50〜90wt%と、ガラス繊維および炭素繊維から選ばれた少なくとも1種を10〜50wt%含むウェブを、ニードルパンチもしくはウォータージェットパンチ処理により一体化して布帛とした後、該布帛に対してバインダー樹脂を5〜50重量部含浸して乾燥、固化することを特徴とする、耐熱性複合布帛の製造方法。
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