JPH11192246A - 歯牙清掃具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯牙の平滑面と隣接面に付着したヤニやステ
イン、歯垢などを効果的に除去できる歯牙清掃具を提供
する。 【解決手段】 全体が棒状のスティック１からなり、該
スティック１は合成樹脂製繊維をその繊維方向がスティ
ック１の長軸方向と略一致するように配向させて熱溶着
した集合体からなり、該スティック１の一方の端部を一
面または二面からなる刷掃面２とするとともに、他方の
端部を略円錐形または略多角錐形に尖らせた刷掃体３と
した。刷掃面２はスティック１の長軸に対してθ＝３０
°〜１５０°の傾斜角を与える。また、合成樹脂製繊維
にヤニやステイン、歯垢などの歯の汚れを溶解、漂白、
除去する有効成分を配合した口腔清掃剤を含浸または塗
布する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯牙の平滑面や隣
接面に付着した汚れを手軽かつ効果的に除去できる歯牙
清掃具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の歯牙清掃具としては、例えば、特
開平４−３３８４６４号公報、実開平３−７８５１６号
公報、実開平７−１７２１２号公報に記載のものが知ら
れている。

【０００３】特開平４−３３８４６４号公報に記載のも
の（歯の付着物および汚れの除去用器具）は、清掃具を
取り付けるハンドルが必要で、しかもハンドル内部に予
備用の清掃具を保管する空間を設けるなどしており、製
造コストが高いという欠点があった。

【０００４】また、実開平３−７８５１６号公報に記載
のもの（歯磨き具）は、清掃体が綿あるいは多孔質の合
成樹脂から作られており、食物残渣などの軟らかい汚れ
は除去できるが、ヤニやステイン、歯垢などは除去する
ことが困難である。

【０００５】また、実開平７−１７２１２号公報に記載
のもの（歯間衛生具）は、歯間部の食べ滓の除去と口中
への薬品の塗布を目的としており、歯牙隣接面のヤニや
ステインの除去、歯牙平滑面のヤニやステイン、歯垢の
除去は困難である。

【０００６】さらに、これら以外にも、歯牙清掃具とし
て通常の歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスなどを挙げるこ
とができるが、いずれもヤニやステインを除去すること
は難しかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決するためになされたもので、歯牙の平滑面
と隣接面に付着したヤニやステイン、歯垢などを効果的
に除去できる歯牙清掃具を提供することを目的とするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る第１の歯牙清掃具は、全体が棒状のス
ティックからなり、該スティックは合成樹脂製繊維をそ
の繊維方向がスティックの長軸方向と略一致するように
配向させて熱溶着した集合体から構成され、該スティッ
クの一方の端部を一面または二面からなる刷掃面とする
とともに、他方の端部を略円錐形または略多角錐形に尖
らせた刷掃体としたことを特徴とするものである。

【０００９】また、本発明に係る第２の歯牙清掃具は、
ホルダーの左右両端部の嵌合孔にそれぞれ棒状のスティ
ックが嵌め込まれ、該スティックは合成樹脂製繊維をそ
の繊維方向がスティックの長軸方向と略一致するように
配向させて熱溶着した集合体から構成され、一方のステ
ィックの外端部を一面または二面からなる刷掃面とする
とともに、他方のスティックの外端部を略円錐形または
略多角錐形に尖らせた刷掃体としたことを特徴とするも
のである。

【００１０】なお、前記第１および第２の歯牙清掃具に
おいて、刷掃面の少なくとも一面をスティックの長軸に
対して３０°〜１５０°の傾斜角を持たせることが好ま
しい。また、前記合成樹脂製繊維としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、またはポリアミドなどを用
いることが好ましい。また、前記合成樹脂製繊維の太さ
は３〜１８デニールとすることが好ましい。さらに、前
記合成樹脂製繊維にヤニやステイン、歯垢などを溶解、
漂白、除去する有効成分を配合した口腔清掃剤を含浸ま
たは塗布することが好ましい。

【００１１】

【作用】歯牙平滑面を清掃する場合、一面または二面か
らなる刷掃面側を歯牙平滑面に当てて刷掃する。また、
歯牙隣接面を清掃する場合、略円錐形または略多角錐形
に尖らせた刷掃体側を歯牙隣接面に当てて刷掃する。こ
れによって、１本の歯牙清掃具で歯牙平滑面と歯牙隣接
面の両方を簡単かつ確実に、効率よく清掃することがで
きる。また、刷掃面や刷掃体のカット面から外部へ臨ん
だ合成樹脂製繊維の先端部で歯牙平滑面や歯牙隣接面を
刷掃するので、刷掃効果が高く、ヤニやステイン、歯垢
などを効率よく除去できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１に本発明に係る歯牙清
掃具の第１の実施形態を示すもので、（Ａ）は歯牙清掃
具の正面図、（Ｂ）はスティック端部の刷掃面の部分斜
視図、（Ｃ）は（Ａ）中のＡ−Ａ矢視断面図、（Ｄ）は
（Ａ）中のＢ−Ｂ矢視断面図、（Ｅ）は歯牙清掃具の中
央縦断面図である。

【００１３】本発明に係る歯牙清掃具は、その全体が棒
状のスティック１として構成されている。この棒状のス
ティック１は、図１（Ｅ）に示すように、極細の合成樹
脂製繊維（フィラメント）をスティックの長軸方向に略
一致するように配向して束ねた後、熱圧縮成形で連続的
に熱溶着し、棒状の集合体としたものであり、熱をかけ
ることによって繊維同士が溶着し、スティック形状を形
づくるものである。

【００１４】合成樹脂製繊維の太さは、清掃力と歯肉為
害性の兼ね合いより、３〜１８デニール、好ましくは３
〜７デニールがよい。合成樹脂製繊維の素材は汎用プラ
スチックで十分であり、低コストで製造することができ
る。具体的には、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレ
ン（ＰＥ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、
ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリアミド
（ＰＡ）などを用いることできるが、硬さの点から、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートが特に好ましい。

【００１５】スティック１の断面は、手に持ちやすい形
状であればどのような形状であってもよいが、図１
（Ｃ）に示すように、特に断面円形が好ましい。スティ
ック１の中央部は指でつまんで持つための柄部となる部
分であり、その直径は３〜１０ｍｍ程度が持ちやすい。
好ましくは、直径５〜８ｍｍがよい。また、スティック
１の全長は、５〜１０ｃｍ程度が女性にも男性にも持ち
やすい。つま楊枝をつまむような持ち方も可能であるの
で、全長５ｃｍ程度でも使用に不便を感じるようなこと
はない。

【００１６】スティック１の一方の端部（図示例では左
端部）は斜めに切り落とされて刷掃面２とされており、
この刷掃面２によって歯牙の平滑面と歯ぐきに近い歯肉
縁辺部を清掃するものである。この刷掃面２の傾斜角θ
は、スティック１の長軸に対して３０°〜１５０°の範
囲とされるが、前歯唇側の平滑面の清掃効率に優れると
いう点から３０°〜７０°あるいは１１０°〜１５０°
の範囲が好ましい。

【００１７】スティック１の他方の端部（図示例では右
端部）はグラインダーなどで削りだすことによって略円
錐形に尖った刷掃体３とされており、この尖った円錐形
の刷掃体３を歯間部に挿入することにより、歯の隣接面
に付着したヤニやステイン、歯垢などを効率的に除去す
ることができるようになっている。刷掃体３の長さは、
５〜２０ｍｍ程度あれば十分である。

【００１８】上記のような構成の歯牙清掃具の場合、ス
ティック１を構成する合成樹脂製繊維の配向方向がステ
ックの長軸方向に略一致するように配向されているの
で、左右両端の刷掃面２と刷掃体３の表面に現れた繊維
端面は、刷掃面２と刷掃体３の表面から角度をもって立
ち上がるような形で外部へ露出している。したがって、
刷掃面２で歯牙の歯面を刷掃したり、刷掃体３で歯間の
隣接歯面を刷掃すると、この立ち上がった繊維によって
歯面や隣接面を効果的に刷掃する。このため、従来は取
るのが困難であったヤニやステイン、歯垢などを確実に
掻き落とすことが可能となる。

【００１９】また、スティック１の断面をミクロ的に見
ると、束ねられた繊維が網目状に連なっており、繊維と
繊維の間には小さな空間が多数存在する。このため、ヤ
ニやステイン、歯垢などを溶解、漂白、除去する有効成
分を配合した口腔清掃剤（液体や練り剤）を含浸あるい
は塗布して用いることもできる。この有効成分として
は、ヤニやステインを溶解する効果のあるポリエチレン
グリコール、ポリビニルピロリドン、コウジ酸、また、
ヤニやステインを漂白する効果のある過酸化水素、過酸
化尿素、また、ヤニやステイン、歯垢の除去効果のある
研磨剤としての第２リン酸カルシウム・２水和物、水酸
化アルミニウム、炭酸カルシウムなどを挙げることがで
きる。

【００２０】前記研磨剤を配合した口腔清掃剤を含浸あ
るいは塗布して用いた場合、研磨粒子が極細繊維の間の
無数の空間部に入り込んで保持されるので、刷掃面２ま
たは刷掃体３で刷掃した際にその表面の繊維が動く度
に、繊維の間に保持されている研磨粒子がヤニやステイ
ン、歯垢などを削り取り、ヤニやステイン、歯垢などを
効果的に除去できる。また、前記溶解剤や漂白剤を配合
した口腔清掃剤を含浸して用いた場合でも、口腔清掃剤
中の有効成分が極細繊維の間の無数の空間部に入り込ん
で保持されるので、刷掃の際に刷掃面２または刷掃体３
に外力が働いた時に含浸している有効成分がしみ出し、
ヤニやステインを溶解あるいは漂白する。

【００２１】さらに、棒状のスティック１はその全体を
熱溶着によって一体化しているので、接着剤を全く使用
することなく歯牙清掃具を製造することができ、製造が
簡単であるとともに、衛生上も極めて安全である。

【００２２】図２〜図５に、刷掃面２の他の形状例を示
す。図２（Ａ）（Ｂ）は、スティック１の端面をスティ
ックの長軸に対して垂直（θ＝９０°）に切り落として
刷掃面２としたものである。図３（Ａ）（Ｂ）は、第一
の面２ａと第二の面２ｂによってブレード状の刷掃面２
としたものである。図４（Ａ）（Ｂ）は、第一の面２ａ
と第二の面２ｂによって二折れ凸状の刷掃面２としたも
のである。図５（Ａ）（Ｂ）は凹状曲面によって刷掃面
２を構成したものである。なお、図３〜図５の場合も、
傾斜角θは前述したと同様に３０°〜１５０°の範囲で
設定される。

【００２３】図６に、刷掃体３の他の形状例を示す。
（Ａ）は刷掃体３部分のの斜視図、（Ｂ）は（Ａ）中の
Ｃ−Ｃ矢視拡大断面図であって、断面が略六角錐形にな
る刷掃体３とした場合の例である。六角錐形の刷掃体と
した場合、各面は平らな面となるので、歯面への接触面
積が大きくなり、より効果的にヤニやステイン、歯垢な
どを除去することができる。

【００２４】図７に、本発明の第２の実施の形態を示
す。この第２の実施の形態は、図１に示した棒状のステ
ィック１を、合成樹脂やゴム製のホルダー４に嵌め込ん
だもので、柄部をより持ちやすくしたものである。

【００２５】図８に、本発明の第３の実施の形態を示
す。この第３の実施の形態は、別体として用意したホル
ダー５の両端部に、刷掃面２と刷掃体３を備えた棒状の
スティック１Ａ，１Ｂをきつく嵌合できる嵌合孔６，７
が形成されており、この嵌合孔６，７に前記刷掃面２と
刷掃体３を備えた棒状のスティック１Ａ，１Ｂを差し込
んで使用するもので、使用時のステックの長さが短くて
済み、大変経済的である。また、このステック１Ａ，１
Ｂを取り替え式とした場合には、スティックのみを取り
替えるたけで済み、より経済的である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の歯牙清
掃具によるときは、全体が棒状のスティックからなり、
該スティックは合成樹脂製繊維をその繊維方向がスティ
ックの長軸方向と略一致するように配向させて熱溶着し
た集合体から構成され、該スティックの一方の端部を一
面または二面からなる刷掃面とするとともに、他方の端
部を略円錐形または略多角錐形に尖らせた刷掃体とした
ので、スティックを持ち替えるだけで歯牙平滑面清掃用
の刷掃面と歯牙隣接面清掃用の刷掃体とを簡単に使い分
けることができ、効率的な歯牙清掃を行なうことができ
る。また、合成樹脂製繊維を束ねて熱溶着して製造して
いるので製造が簡単であり、安価に製造することがで
き、ディスポーザブル用品として対応することが可能と
なる。また、接着剤などをまったく使用していないの
で、衛生上も安全である。さらに、刷掃面や刷掃体の表
面から露出した合成樹脂製繊維の先端部で歯牙平滑面や
歯牙隣接面を刷掃するので、刷掃効果が高く、ヤニやス
テイン、歯垢などを効率よく除去できる。

【００２７】請求項２の歯牙清掃具によるときは、ホル
ダーの左右両端部の嵌合孔にそれぞれ棒状のスティック
が嵌め込まれ、該スティックは合成樹脂製繊維をその繊
維方向がスティックの長軸方向と略一致するように配向
させて熱溶着した集合体から構成され、一方のスティッ
クの外端部を一面または二面からなる刷掃面とするとと
もに、他方のスティックの外端部を略円錐形または略多
角錐形に尖らせた刷掃体としたので、前記請求項１の歯
牙清掃具の効果に加え、使用時のステックの長さが短く
て済み、大変経済的である。また、ステックを取り替え
式とした場合には、スティックのみを取り替えるたけで
済むので、より経済的である。

【００２８】請求項３の歯牙清掃具によるときは、刷掃
面の少なくとも一面にスティックの長軸に対して３０°
〜１５０°の傾斜角を持たせたので、刷掃効果がより大
きくなり、ヤニやステイン、歯垢などをより効果的に除
去できる。

【００２９】請求項４の歯牙清掃具によるときは、合成
樹脂繊維の素材としてポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、またはポリアミドなどの汎用プラスチックを用い
ているので、歯牙清掃具を安価に製造することができ
る。

【００３０】請求項５の歯牙清掃具によるときは、合成
樹脂製繊維の太さを３〜１８デニールとしたので、清掃
力と歯肉為害性の両方を満足でき、使用感のよい歯牙清
掃具を提供することができる。

【００３１】請求項６の歯牙清掃具によるときは、溶解
剤、漂白剤、研磨剤などの有効成分を配合した口腔清掃
剤を合成樹脂製繊維に含浸または塗布したので、繊維の
間に保持されている研磨粒子がヤニやステイン、歯垢な
どを溶解、漂白あるいは削り取り、さらに効果的に除去
できる。このため、より刷掃効果の高い歯牙清掃具を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態を示し、（Ａ）は歯牙
清掃具の正面図、（Ｂ）はスティック端部の刷掃面の部
分斜視図、（Ｃ）は（Ａ）中のＡ−Ａ矢視断面図、
（Ｄ）は（Ａ）中のＢ−Ｂ矢視断面図、（Ｅ）は歯牙清
掃具の中央縦断面図である。

【図２】刷掃面の他の形状例を示すもので、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は正面図である。

【図３】刷掃面の他の形状例を示すもので、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は正面図である。

【図４】刷掃面の他の形状例を示すもので、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は正面図である。

【図５】刷掃面の他の形状例を示すもので、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は正面図である。

【図６】刷掃体の他の形状例を示すもので、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は（Ａ）中のＣ−Ｃ矢視断面図である。

【図７】本発明の第２の実施形態の正面図である。

【図８】本発明の第３の実施形態の正面図である。

【符号の説明】

１ スティック １Ａ スティック １Ｂ スティック ２ 刷掃面 ２ａ 第１の面 ２ｂ 第２の面 ３ 刷掃体 ４ ホルダー ５ ホルダー ６，７ 嵌合孔 θ 刷掃面とスティック長軸とのなす角

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体が棒状のスティックからなり、該ス
   ティックは合成樹脂製繊維をその繊維方向がスティック
   の長軸方向と略一致するように配向させて熱溶着した集
   合体から構成され、該スティックの一方の端部を一面ま
   たは二面からなる刷掃面とするとともに、他方の端部を
   略円錐形または略多角錐形に尖らせた刷掃体としたこと
   を特徴とする歯牙清掃具。
2. 【請求項２】 ホルダーの左右両端部の嵌合孔にそれぞ
   れ棒状のスティックが嵌め込まれ、該スティックは合成
   樹脂製繊維をその繊維方向がスティックの長軸方向と略
   一致するように配向させて熱溶着した集合体から構成さ
   れ、一方のスティックの外端部を一面または二面からな
   る刷掃面とするとともに、他方のスティックの外端部を
   略円錐形または略多角錐形に尖らせた刷掃体としたこと
   を特徴とする歯牙清掃具。
3. 【請求項３】 前記刷掃面の少なくとも一面はスティッ
   クの長軸に対して３０°〜１５０°の傾斜角を持つこと
   を特徴とする請求項１または２記載の歯牙清掃具。
4. 【請求項４】 前記合成樹脂製繊維がポリプロピレン、
   ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
   レンテレフタレート、またはポリアミドからなることを
   特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の歯牙清掃
   具。
5. 【請求項５】 前記合成樹脂製繊維の太さが３〜１８デ
   ニールであることを特徴とする請求項１〜４のいずれか
   に記載の歯牙清掃具。
6. 【請求項６】 前記合成樹脂製繊維にヤニやステイン、
   歯垢などを溶解、漂白、除去する有効成分を配合した口
   腔清掃剤を含浸または塗布したことを特徴とする請求項
   １〜５のいずれかに記載の歯牙清掃具。