JPH11192005A - 苗床シートの製造方法 - Google Patents

苗床シートの製造方法

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JPH11192005A
JPH11192005A JP30290598A JP30290598A JPH11192005A JP H11192005 A JPH11192005 A JP H11192005A JP 30290598 A JP30290598 A JP 30290598A JP 30290598 A JP30290598 A JP 30290598A JP H11192005 A JPH11192005 A JP H11192005A
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sheet
nursery
rice
main
opening
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Motonobu Katsuragawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苗床シートの製造工程を簡素化し、生産性を
向上させることができる苗床シートの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 主シート4に複数の開口部4aを穿設す
る工程と、開口部4aが穿設された部分の裏面に裏面保
護シート5を重ね合わす工程と、主シート4の開口部4
a内に種籾を装填する工程と、種籾が装填された主シー
ト4に表面保護シート3を被覆する工程と、開口部4a
の周囲の前記表面保護シート3、主シート4、及び裏面
保護シート5を離脱不能となるようにステープル14で
係止する工程とからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗床シートの製造
方法に関するものであり、特に、苗床に敷設するだけで
稲等を栽培できる苗床シートの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、稲を育てるには、水田の粗か
き作業、代かき作業、苗造り作業、田植作業、雑草除去
作業、水管理作業、病害虫予防作業等の様々な工程を経
て米の収穫に至っている。
【0003】苗を育てる作業としては、塩水選別、水選
別等で選別した種籾を、パレットを利用して籾蒔きし、
ハウス等で育てる方法と、苗作り用の水田(苗床)に籾
蒔きをして育てる方法が一般的に用いられている。ま
た、一部の地域においては、稲作用に準備された水田に
直蒔きをして育て、収穫に至る方法を採っているところ
もある。田植作業は、直蒔きを除けば、苗床等で育てた
苗を手作業、あるいは機械(田植機)を用いて植付けし
ている。
【0004】そして、稲作に必要な肥料撒き作業とし
て、稲の発育に応じた基礎肥料、穂肥料等を散布してい
る。また、害虫駆除作業として、苗の成長期に害虫によ
る食害保護を目的とした害虫駆除剤を散布している。
【0005】しかし、上記のように、従来の稲を育てる
方法では、苗造り作業のときに籾をまいて苗を育てたあ
と、田植作業にて苗を植付けなけらばならなかった。こ
の田植作業は、手作業または機械によって行なっていた
が、いずれにしても手間がかかっていた。
【0006】そこで、植物栽培地で腐敗、分解し得る材
料からなる複数のシートを積層し、シート層の間に種籾
を固定した苗床シートが開発されている。これによれ
ば、苗造り作業及び田植作業の代わりに、この苗床シー
トを水田に敷設するだけで、作業が完了するため、田植
作業に伴い苗を植えかえる必要がない。
【0007】そして、上記の苗床シートを製造する際、
種籾をシートに固定するという作業と、積層されたシー
トどうしを接合するという作業が必要であり、これらの
作業には粘着テープ等の接着固定手段が使われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のもの
は、種籾をシートの所定の場所に位置決めし、種籾の上
から粘着テープを貼ったり、シートどうしをテープで接
着させなければならないため、苗床シートを製造するに
あたり、多くの時間がかかり生産性を上げることができ
なかった。
【0009】そこで、本発明は、苗床シートの製造工程
を簡素化し、生産性を向上させることができる苗床シー
トの製造方法の提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
苗床シートの製造方法は、主シートに複数の開口部を穿
設する工程と、前記開口部が穿設された部分の裏面に裏
面保護シートを重ね合わす工程と、前記主シートの前記
開口部内に種籾を装填する工程と、種籾が装填された前
記主シートに表面保護シートを被覆する工程と、前記開
口部の周囲の前記表面保護シート、前記主シート、及び
前記裏面保護シートを離脱不能となるようにステープル
で係止する工程とからなるものである。
【0011】ここで、主シート、裏面保護シート、及び
表面保護シートは、いずれも所定期間経過後に腐敗する
材料からなり、更に、裏面保護シート及び表面保護シー
トは、種籾の発芽により容易に破れる材質からなる。な
お、苗床シートの用途は、必ずしも稲の栽培に限定され
るものではなく、その他の作物の栽培に応用しても構わ
ない。つまり、収容部に収容する種籾を他の作物の種子
に代えてもよい。
【0012】したがって、請求項1の発明の苗床シート
の製造方法によれば、まず、最初の工程で主シートに複
数の開口部が穿設される。この開口部により、種籾が収
容される空間が形成される。その後、苗床シートの裏面
に裏面保護シートが重ね合わされ、開口部の底側が閉塞
される。なお、この状態では、主シートと裏面保護シー
トとは、単に重ねられているだけであり、固定されてい
ない。
【0013】次に、主シートの開口部内に種籾が装填さ
れ、その後、主シートの上面に表面保護シートが被覆さ
れる。そして、最後に、積層された3つのシート、つま
り、主シート、裏面保護シート、及び表面保護シートが
離脱不能となるように、ステープルで係止される。
【0014】請求項2の発明にかかる苗床シートの製造
方法は、請求項1の苗床シートの製造方法において、前
記主シートの前記開口部内に肥料を装填する工程を付加
したものである。
【0015】ここで、肥料を装填する工程は、主シート
に裏面保護シートが重ねられてから、表面保護シートが
被覆されるまでの間であれば、いつ行うようにしてもよ
い。すなわち、種籾を装填する工程の前に行うようにし
てもよく、種籾を装填する工程の後で行うようにしても
よい。
【0016】したがって、請求項2の発明の苗床シート
の製造方法によれば、請求項1の苗床シートの作用に加
えて、開口部で形成される空間内に、種籾と一緒に肥料
が装填される。ここで、肥料の種類はどのようなもので
もよい。
【0017】請求項3の発明にかかる苗床シートの製造
方法は、請求項1または請求項2のいずれかの苗床シー
トの製造方法において、前記主シートの前記開口部内に
害虫除去剤を装填する工程を付加したものである。
【0018】ここで、害虫除去剤を装填する工程は、主
シートに裏面保護シートが重ねられてから、表面保護シ
ートが被覆されるまでの間であれば、いつ行うようにし
てもよい。すなわち、種籾を装填する工程の前に行うよ
うにしてもよく、種籾を装填する工程の後で行うように
してもよい。
【0019】したがって、請求項3の発明の苗床シート
の製造方法によれば、請求項1または請求項2のいずれ
かの苗床シートの作用に加えて、開口部で形成される空
間内に、種籾と一緒に害虫除去剤が装填される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明をする。図1は本発明の一実施形態である苗床シー
トをロール状に巻いた状態を示す斜視図、図2は本発明
の一実施形態である苗床シートの収容部を示す拡大断面
図である。
【0021】図1及び図2に示すように、本実施形態の
苗床シート1は、表面保護シート3、主シート4、裏面
保護シート5の3層のシート構造により構成されてい
る。
【0022】表面保護シート3及び裏面保護シート5
は、紙等の腐食性で水が浸透できる材質からなり、所定
幅で帯状のシートである。また、表面保護シート3及び
裏面保護シート5は、種籾の発芽により容易に破れるも
のである。
【0023】主シート4も、表面保護シート3及び裏面
保護シート5と同様に紙等の腐食性で水が浸透できる材
質からなり、所定幅で帯状のシートであるが、表面保護
シート3及び裏面保護シート5に比べて厚手である等、
容易に破れないようなものである。また、主シート4に
は、田植作業において苗を植える場合と略等しい間隔で
所定形状の開口部4aが複数穿設されている。
【0024】前記主シート4には、上面に表面保護シー
ト3が、裏面に裏面保護シート5が重ね合わされてい
る。つまり、表面保護シート3と裏面保護シート5との
間に主シート4が介在した状態で一体化されている。そ
して、主シート4の開口部4aが穿設されている部分に
は、図2に示すような袋状の収容部2が形成され、この
収容部2の内部には、肥料7、種籾6、害虫駆除剤8が
各々収容されている。
【0025】このように構成された苗床シート1は、通
常、図1に示すようにロール状に丸められている。しか
し、図3に示すように、折畳んだ状態にしてもよい。図
3は本発明の一実施形態である苗床シートを折畳んだ状
態を示す斜視図である。
【0026】ここで、本実施形態の苗床シート1の製造
工程について説明する。図4は本発明の一実施形態であ
る苗床シートの製造工程を示す説明図である。
【0027】図4に示すように、本実施形態の苗床シー
ト1は、主シート4に裏面保護シート5、表面保護シー
ト3が順次重ね合わされ、矢印の方向に移動して行く
が、途中で穿孔装置9、種籾装填装置10、肥料装填装
置11、害虫駆除剤装填装置12、ペーパーファスナー
13の各装置による工程を経て製造される。
【0028】まず、ロール状に巻かれた主シート4は、
穿孔装置9によって開口部4aが穿設される。開口部4
aの穿設が終了した部分の裏面には、裏面保護シート5
が重ね合わされて種籾装填装置10へと移動する。
【0029】種籾装填装置10では、主シート4の開口
部4aに種籾6が装填される。開口部4aに種籾6が装
填された後、主シート4及び裏面保護シート5は肥料装
填装置11へと移動する。
【0030】肥料装填装置11では、主シート4の開口
部4aに、種籾6に引き続き肥料7が装填される。開口
部4aに種籾6及び肥料7が装填された後、主シート4
及び裏面保護シート5は害虫駆除剤装填装置12へと移
動する。
【0031】害虫駆除剤装填装置12では、開口部4a
に、種籾6及び肥料7に引き続き害虫駆除剤8が装填さ
れる。
【0032】上記のようにして、開口部4aが穿設さ
れ、裏面に裏面保護シート5が重ね合わされ、前記開口
部4aに種籾6、肥料7及び害虫駆除剤8が装填された
主シート4には、続いて上面が表面保護シート3で被覆
され、最後にペーパーファスナー13によってステープ
ル14で開口部4aの周囲を表面保護シート3、主シー
ト4及び裏面保護シート5が離脱不能に係止される。
【0033】このように、本実施形態の苗床シート1
は、穿孔装置9、種籾装填装置10、肥料装填装置1
1、害虫駆除剤装填装置12及びペーパーファスナー1
3の5つの装置による工程を経て形成される。
【0034】続いて、上記のように構成された苗床シー
ト1の敷設作業について説明する。図5は本発明の一実
施形態である苗床シートの敷設作業を示す説明図であ
る。
【0035】図5に示すように、作業者24が操作する
耕運機21には、苗床シート運搬用ボート23が牽引ロ
ープ22によって結ばれている。なお、水田20は、予
め、耕運機21によって耕しておき、このとき水田20
は稲の生育に必要な沼状態であり、畦造り等稲の生育に
必要な沼状態を維持するための防水対策も予め行ってお
く。
【0036】苗床シート運搬用ボート23は、車輪等を
備えているものではなく、水田のような沼地の表面を滑
り移動できるフロートのようなのもである。この苗床シ
ート運搬用ボート23には、図3に示すように折畳まれ
た苗床シート1が載置されている。そして、水田20に
苗床シート1を敷設するには、水田20の苗床シート1
を敷設したい部分に沿って耕運機21を移動させる。そ
うすれば、苗床シート運搬用ボート23は、耕運機21
の移動する軌跡に沿って移動し、苗床シート運搬用ボー
ト23の後部より苗床シート1が順次引き出され、水田
20へと敷設されていく。
【0037】上記のようにして敷設された苗床シート1
は、従来の苗造り作業における苗床に相当するもので、
上記の敷設作業により苗造り作業が終了する。また、苗
床シート1に形成された種籾6等が収容されている収容
部2の隣り合う間隔は、従来の田植作業における隣り合
う苗の間隔に略等しいため、苗が育ってから植え変える
必要がない。さらに、主シート4の開口部4a以外の部
分は雑草の発育により貫通することができない程の強度
を有しているため、結果的に稲の周囲に雑草が生えるこ
とはない。つまり、本実施形態の苗床シート1を使用し
ての稲の栽培では雑草除去作業が不要である。
【0038】このように、本実施形態の苗床シート1
は、水田に敷設したとき雑草の成長により容易に破れな
い等雑草の成長を妨げることができるとともに所定期間
経過後に腐敗し土に帰る材質からなり、所定間隔で複数
の開口部4aが穿設された主シート4と、種籾6の発芽
により容易に破れるとともに所定期間経過後に腐敗し土
に帰る材質からなり、主シート4の上面を被覆する表面
保護シート3と、種籾6の発芽により容易に破れるとと
もに所定期間経過後に腐敗し土に帰る材質からなり、主
シート4の裏面に貼着された裏面保護シート5と、主シ
ート4の開口部4aにおいて表面保護シート3と裏面保
護シート5との間に介装された種籾6、肥料7及び害虫
駆除剤8とを備えたものであり、所定幅で帯状に長くロ
ール状に巻かれたもの、または折畳まれたものである。
【0039】したがって、本実施形態の苗床シート1
は、水田20の粗かき作業、代かき作業が終了後、苗造
り作業及び田植作業の代わりに、水田20に敷設するだ
けで作業が終了する。そのため、田植作業に伴い苗を植
え変える必要がない。しかも、主シート4の開口部4a
以外の部分は雑草の発育により貫通することができない
程の強度を有しているため、結果的に稲の周囲に雑草が
生えることはない。つまり、本実施形態の苗床シート1
を使用しての稲の栽培では雑草除去作業が不要である。
【0040】また、本実施形態の苗床シート1の製造方
法は、穿孔装置9、種籾装填装置10、肥料装填装置1
1、害虫除去剤装填装置12及びペーパファスナー13
の5つの装置による一連の工程を経て苗床シート1を形
成することができるため、作業の自動化が可能であり、
生産性を大きく向上させることができる。また、主シー
ト4に開口部4aを穿設させ、開口部4a内に種籾6を
装填することにより、種籾6を苗床シート1の所定の位
置に固定することができる。
【0041】ところで、上記実施形態の苗床シート1の
製造方法では、肥料を装填する肥料装填装置11や、害
虫除去剤を装填する害虫除去剤装填装置12を備えるも
のを示したが、特に必要がなければ備えなくてもよい。
【0042】また、上記説明では、表面保護シート3、
主シート4及び裏面保護シート5の材質は、必ずしも紙
である必要はなく、稲の収穫後、翌年の田植の時期まで
に、腐敗し土に帰る天然素材のものであれば、絹、綿、
鉋くず等のどのようなものにしても構わない。ただし、
表面保護シート3及び裏面保護シート5については、種
籾6の発芽による芽及び根の成長により容易に破れるも
のでなければならない。また、主シート4については、
雑草の発芽により容易に破れてはならない。
【0043】なお、苗床シート1の用途は、必ずしも稲
の栽培に限定されるものではなく、その他の作物の栽培
に応用しても構わない。つまり、収容部2に収容する種
籾6を他の作物の種子に変えてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の苗床シ
ートの製造方法は、主シートに開口部を穿設させ、開口
部内に種籾を装填することにより、種籾を所定の位置に
固定することができるため、従来のように粘着テープで
種籾を固定するという煩わしい作業を必要としない。ま
た、3枚のシートをステープルにより一体化させるた
め、従来のように粘着テープで貼り合わせるという煩わ
しい作業を必要としない。したがって、製造方法が簡素
化でき生産性を向上させることができる。
【0045】請求項2の発明の苗床シートの製造方法
は、請求項1の苗床シートの製造方法の効果に加えて、
肥料は、種籾と一緒に主シートの開口部に装填されるた
め、肥料を備える苗床シートを容易に製造することがで
きる。
【0046】請求項3の発明の苗床シートの製造方法
は、請求項1または請求項2のいずれかの苗床シートの
製造方法の効果に加えて、害虫駆除剤は、種籾と一緒に
主シートの開口部に装填されるため、害虫駆除剤を備え
る苗床シートを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である苗床シートをロール
状に巻いた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態である苗床シートの収容部
を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態である苗床シートを折畳ん
だ状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態である苗床シートの製造工
程を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態である苗床シートの敷設作
業を示す説明図である。
【符号の説明】
1 苗床シート 3 表面保護シート 4 主シート 4a 開口部 5 裏面保護シート 6 種籾 7 肥料 8 害虫駆除剤 9 穿孔装置 10 種籾装填装置 11 肥料装填装置 12 害虫駆除剤装填装置 13 ペーパーファスナー 14 ステープル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主シートに複数の開口部を穿設する工程
    と、 前記開口部が穿設された部分の裏面に裏面保護シートを
    重ね合わす工程と、 前記主シートの前記開口部内に種籾を装填する工程と、 種籾が装填された前記主シートに表面保護シートを被覆
    する工程と、 前記開口部の周囲の前記表面保護シート、前記主シー
    ト、及び前記裏面保護シートを離脱不能となるようにス
    テープルで係止する工程とからなることを特徴とする苗
    床シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記主シートの前記開口部内に肥料を装
    填する工程を付加したことを特徴とする請求項1に記載
    の苗床シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記主シートの前記開口部内に害虫除去
    剤を装填する工程を付加したことを特徴とする請求項1
    または請求項2のいずれかに記載の苗床シートの製造方
    法。
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