JPH11191483A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JPH11191483A
JPH11191483A JP9368980A JP36898097A JPH11191483A JP H11191483 A JPH11191483 A JP H11191483A JP 9368980 A JP9368980 A JP 9368980A JP 36898097 A JP36898097 A JP 36898097A JP H11191483 A JPH11191483 A JP H11191483A
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voltage
power supply
switching
input
switching element
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JP9368980A
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Hiroshi Mano
宏 真野
Minoru Hayashizaki
実 林崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁気誘導加熱方式の加熱装置における電源装
置のユニバーサル化(100v系と200v系の共
用)。 【解決手段】 入力電圧を例えば、絶縁トランスで適正
な電圧レベルまで降圧して検出し、定電流回路でコンデ
ンサに充電し、三角波を発生する周知の波形発生回路の
定電流回路の電流値を制御することによって、比較電圧
に対する最高オン幅発生時間の制限値を入力電圧の値に
応じて変化するように動作させるものである。すなわ
ち、AC入力電圧を検出する手段により検出した電圧に
スイッチングオン幅の制限値が連動する構成とし、入力
電圧の振幅の高い所ではオン幅制御の制限値が短パルス
幅となる様に動作させ、ユニバーサル化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気誘導加熱方式の
加熱装置における電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】便宜上、電子写真プロセスを用いたプリ
ンタ装置等の画像形成装置における定着装置に代表され
る像加熱装置を例にして説明する。
【0003】画像形成装置において、未定着画像(トナ
ー画像)を形成担持させた記録材を加熱して画像を永久
固着像として定着させる定着装置としては、加熱ローラ
方式の装置が従来より汎用されている。また近時はフィ
ルム加熱方式や磁気誘導加熱方式の装置も実用に供され
ている。
【0004】a)加熱ローラ方式の定着装置 この装置は、ハロゲンヒータで加熱される加熱ローラ
(定着ローラ)とこれに圧接する加圧ローラとを基本構
成とし、該両ローラの圧接ニップ部(定着ニップ部)に
未定着画像を支持した記録材を挟持搬送通過させて加熱
・加圧により像定着を行なうものである。
【0005】加熱ローラである定着ローラはアルミニウ
ム(アルミ)を一般的とする中空の金属ローラを基本と
し、その外周面に弾性層として耐熱ゴム層を形成してあ
り、中空部内に熱源であるハロゲンヒータが挿入配設さ
れている。
【0006】この構成において、通常熱源であるハロゲ
ンヒータの通電電力は、ヒータを発熱発光させて輻射、
対流によって一般にアルミ金属で作られた定着ローラを
加熱する。このアルミ金属ローラは、受けた熱をローラ
全体に温度差の無い様に伝導する働きを行なう。このよ
うにして一様な温度分布となった定着ローラはその上層
にコートされた耐熱ゴムを介して、記録紙上の未定着ト
ナーを加熱、溶融させて記録紙媒体上に染み込ませ、定
着させるものである。
【0007】通常熱源であるハロゲンヒータはガラス封
止した細長い棒状体であり、これを定着ローラ中空部の
中央部に挿入配設する。このハロゲンヒータには通常、
交流電源(ライン入力電源)をスイッチング制御素子を
介して接続して電流を流して発熱させ、その発熱で定着
ローラを加熱する構成である。
【0008】従って、定着ローラ温度制御は、定着ロー
ラに近接させて配した温度検出素子、一般に、サーミス
タ感熱素子によりローラ温度を検出し交流電源とハロゲ
ンヒータ間に設けられたスイッチング素子、例えば、ト
ライアック等によってオン/オフ制御を行ない、目標の
一定温度が得られるように制御している。
【0009】この様な制御系は、温度が目標温度に到達
した時点でスイッチをオフしたとしても、それまでに供
給した大電力の為に目標温度を遥かに越えてオーバシュ
ートを発生してしまう。このようなオーバシュートは上
記のような簡素な制御手段を行なった場合には、目標温
度の約5%発生してしまうことが報告されている。
【0010】上記の定着装置は、その構成上、ヒータ
が、その発熱を伝えたい定着ローラ金属からかなり離れ
たローラ中空部中央部に配置されるため熱がローラに到
達する迄の熱抵抗、及び、ローラの有する熱容量によっ
て、その熱モデルは非常に複雑な構成となり、解析も困
難となってしまう。少なくとも単純な一次伝達モデルで
はない。この事はヒータ→ヒータガラス管→ローラ内空
間(放射、対流)→定着ローラ→耐熱ゴム層といった経
路を介して、定着ニップ部に熱を導く構成であり、特に
熱の一次蓄熱系が複雑(定着金属ローラ、及び、耐熱ゴ
ム)に存在していることに起因しているものと考えられ
る。
【0011】以上の構成で定着ローラ表面の温度検出に
より、温度制御を行なった場合、ローラ表面に熱が伝導
するまでの伝達関数のため、ヒータと定着ローラ表面温
度は、数百℃の温度差を生じながらオン/オフを繰返
し、結果として定着ローラ表面を一定に保つような制御
が行なわれている。このようなモデルで制御が成立して
いるのは、一巡伝達経路である、ヒータ→ヒータガラス
管→ローラ内空間(放射、対流)→定着ローラ→耐熱ゴ
ム層が充分な時間積分機能を果たし、その結果として、
入力電力を比較的時間レベルで緩慢な制御を行なって
も、一定な温度が得られるように動作した結果である。
【0012】ところが、上記の様な制御対象について理
想的な温度制御を行なうには、通常の通紙していない時
のモデル、通紙中、紙質、周囲温度、その他温度に絡む
様々なファクタによって制御方法を都度変更する必要が
生じてしまう。即ち、プリント中、スタンバイ中、紙質
制御、周囲温度、といった条件を常にセンシングして制
御パラメータを操作しながら複雑な制御をしなくては高
精度な制御を行なうことが出来ないといった事があっ
た。
【0013】b)フィルム加熱方式の定着装置 この装置は、熱源の発熱をフィルム材を介して被加熱材
としての記録材に付与して未定着画像を熱定着させるも
のである。熱源としてはセラミック基板上に酸化金属皮
膜抵抗を印刷し、この印刷抵抗に電流を流すことにより
発熱させる所謂セラミックヒータが多用されている。こ
のセラミックヒータは低熱容量であり、迅速に昇温する
特性を有する。そしてこのフィルム加熱方式の定着装置
は、ファーストプリント時間を短縮化でき、省エネを実
現しているものである。
【0014】c)磁気誘導加熱方式の定着装置 上記フィルム加熱方式の定着装置はモノカラーの定着で
良好に機能するものの、カラーで且つ高速に定着を行な
う時には、そのトナーの挙動から、各色の剛性処理を同
時に行なえる温度及び圧力が要求され、ここで、ファー
ストプリント及び充分な加圧、温度応答性を考慮して考
案されたのが磁気誘導加熱方式の定着装置である。
【0015】この磁気誘導加熱方式の定着装置は、コイ
ルに高周波電流を印加して発生する高周波磁界によって
金属表面に発生する表皮電流による発熱をそのままトナ
ーに付与する構成のものである。このような定着装置で
は熱伝達モデルが非常に簡素(磁気発生→フィルム金属
加熱→ゴム層熱伝達→トナー溶融)となり、熱の応答が
前記の加熱ローラ方式やセラミックヒータを用いたフィ
ルム加熱方式に比べ著しく向上する。
【0016】このような定着装置に電力を供給する電源
装置では、スイッチング損失を低減して、且つ、コスト
メリットの高い電圧共振方式の電源が用いられる。
【0017】この電圧共振方式電源では、スイッチング
素子のターンオフした時に発生するフライバック電圧は
ターンオンで供給した電力量に比例しており、スイッチ
ング状態をそのままにして、入力電圧を上昇させると、
オン制御時にコイルに蓄積した電力に比例したフライバ
ック電圧が発生してスイッチング素子の規格をオーバー
した時点でスッチング素子は破壊に至る。
【0018】従って、入力電圧は、当然100V系と2
00V系では制御幅の関係から個別の電源ユニットで対
応する構成となる。
【0019】従来、特に電子写真を用いたプリンタ装置
ではハロゲンヒータ方式やセラミックヒータ方式の定着
装置では電源のワイド化を行なうためには、電圧変換を
実現するためのコイルまたはトランスを別途に付加して
構成することは技術的に可能であるが、コストの点で積
極的には行なわれていないのが現状である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述従
来例によれば、スイッチング素子のスイッチング制御状
態を合わせ込む(調整する)ことにより100Vと20
0V系を共用出来ることは自明である。また、共振電源
装置の構成では、オン時間幅の制御によって、フライバ
ック電圧のみを管理する事で解決できる。
【0021】一方、定着ユニット(励磁捲線と加熱フィ
ルム)の構成は100V系と200V系では巻数を共通
化出来るスイッチング状態を作り出せば何等変更する必
要なく、従って、高周波電源のみの回路方式を規定する
だけで電源のワイド化(各国対応)が可能である。
【0022】上記ワイド化を行なうにあたり、以下の課
題を解決して行くことが必要である。
【0023】1)入力電圧の低い領域では、スイッチン
グオン幅を広げ、充分な電力が供給されるように制御時
間幅の制限値を長くする。
【0024】2)入力電圧が高い領域では、スイッチン
グオン幅の制御時間幅の制限値を短くする。
【0025】3)上記1)及び2)の何れの制御を行な
った際にも少なくともスイッチング素子のフライバック
電圧制限値を逸脱しない、且つ、電圧共振状態から逸脱
しない制御状態を実現する。
【0026】そこで本発明の目的は磁気誘導加熱方式の
加熱装置における電源装置について上記の課題を解決し
て電源のユニバーサル化(100V系と200V系の共
用)を行なうことにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、線輪と、該線
輪に電流を印加する手段と、線輪で生じる主磁束に結合
する磁性材を有し、線輪で生じる主磁束の作用で磁性材
に発生する渦電流による該磁性材の発熱により被加熱材
を加熱する磁気誘導加熱方式の加熱装置における電源装
置であって、入力交流電源を整流した後にフィルタコン
デンサに接続され、該フィルタコンデンサからスイッチ
ング素子を介してスイッチング電力を負荷に供給する電
源装置において、負荷に電力を供給すべく上記フィルタ
コンデンサから接続される上記線輪を介してスイッチン
グ素子の一端に接続され、もう一端は該コンデンサの別
の一端に接続される電流回路を構成しており、上記入力
交流電圧の振幅を計測する手段と、上記スイッチング素
子のオン幅制御の最大値を限定する手段を有し、上記入
力交流電圧振幅計測手段からの計測結果に基づき、上記
スイッチング素子のオン幅制御の最大値を限定するよう
に作動することを特徴とする電源装置、である。
【0028】〈作 用〉即ち本発明は以下に示す処理の
組み合わせによって課題を解決するものである。
【0029】.入力電圧を常時監視し、その電圧振幅
に応じた制御信号を発生する手段 .スイッチング素子に供給するパルスオン幅を制御す
るための三角波発生手段 .スイッチングオン幅の最大制限値を可変するための
三角波立上り電圧のスロープ変調手段 .三角波から時間幅のパルスを発生するための電圧比
較手段 .上記入力電圧を制御信号として三角波立上り電圧の
スロープを変調する手段 以上の手段を有し、入力電圧を例えば、絶縁トランスで
適正な電圧レベルまで降圧して検出し、定電流回路でコ
ンデンサに充電し、三角波を発生する周知の波形発生回
路の定電流回路の電流値を制御することによって、比較
電圧に対する最高オン幅発生時間の制限値を入力電圧の
値に応じて変化するように動作させるものである。
【0030】要するに、本発明は、AC入力電圧を検出
する手段により検出した電圧にスイッチングオン幅の制
限値が連動する構成とし、入力電圧の振幅の高い所では
オン幅制御の制限値が短パルス幅となる様に動作させ、
ユニバーサル化を行なった。
【0031】
【発明の実施の形態】[実施例1](図1〜図8) (1)画像形成装置例 図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図であ
る。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利
用のレーザービームプリンタである。
【0032】101は像担持体としての回転ドラム型の
電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。該
感光ドラム101は矢印の時計方向に所定の周速度(プ
ロセススピード)をもって回転駆動され、その回転過程
で一次帯電装置102により所定の極性・電位に一様に
帯電処理される。
【0033】103はレーザービームスキャナであり、
不図示のホストコンピュータ・ワードプロセッサ・画像
読取装置等のホスト装置から入力される目的の画像情報
の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレ
ーザービームLを出力し、上記のように一次帯電装置1
02で一様に帯電処理された回転感光ドラム101面が
該レーザービームLで走査露光されることで回転感光ド
ラム101面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形
成されていく。
【0034】その静電潜像が現像装置104によりトナ
ー画像として反転現像もしくは正規現像される。
【0035】一方、給紙トレイ105上に積載セットさ
れている記録材(記録媒体)Pが給紙ローラ106によ
り一枚宛繰り出し給送され、レジストローラ対107を
経由して、回転感光ドラム101と、これに当接され、
転写バイアスの印加された転写ローラ(転写装置)10
8との圧接部である転写ニップ部Tへ、感光ドラム10
1の回転と同期どりされた適切な制御タイミングをもっ
て給送され、転写ニップ部Tを挟持搬送されることで、
回転感光ドラム101面のトナー画像が記録材P面に順
次に転写されていく。
【0036】転写ニップ部Tを通った記録材Pは回転感
光ドラム101面から分離され、定着装置(定着ユニッ
ト)110へ導入されて転写トナー画像の定着を受け、
画像形成物(プリント)として排紙トレイ111へプリ
ントアウトされる。定着装置110は磁気誘導加熱方式
の熱定着装置である。これについては次の(2)項・
(3)項で詳述する。
【0037】記録材分離後の回転感光ドラム101面は
クリーニング装置109で転写残りトナー等の感光ドラ
ム面残留物の除去を受けて清浄面化されて繰り返して作
像に供される。
【0038】(2)定着装置110 図2の(a)は定着装置110の横断面模型図、(b)
は磁気誘導発熱性フィルムの層構成模型図である。
【0039】本例の定着装置110は磁気誘導発熱性フ
ィルム(金属フィルム)を用いた磁気誘導加熱方式の装
置である。
【0040】112は横断面上向きの略コ字形のフィル
ム内面ガイドステーであり、液晶ポリマー・フェノール
樹脂等で構成され、その内側には芯材(励磁コア、鉄
心)114に巻きつけた線輪としての励磁コイル113
を配設してある。またそのガイドステー112の外側に
は円筒状(エンドレスベルト状)の磁気誘導発熱性フィ
ルム115をルーズに外嵌させてある。
【0041】116は加圧ローラであり、芯金116a
の周囲にシリコーンゴム・フッ素ゴム等の弾性層116
bを被覆して構成され、フィルム115を挟ませてフィ
ルム内面ガイドステー112の下面と所定の押圧力をも
って圧接させてある。その圧接部が定着ニップ部Nであ
る。
【0042】該加圧ローラ116は駆動手段Mにより矢
印の反時計方向に回転駆動される(加圧ローラ駆動方
式)。この加圧ローラ116の回転駆動による該ローラ
116とフィルム115の外面との摩擦力で定着ニップ
部Nにおいてフィルム115に回転力が作用して、該フ
ィルム115が定着ニップ部Nにおいてステー112の
下面に密着摺動してステー112の外回りを回転する。
このフィルム115の回転を円滑にするためにステー1
12の下面とフィルム115の内面間にはグリース・オ
イル等の潤滑剤を介在させるとよい。
【0043】117は温度検出手段としてのサーミスタ
であり、フィルム内面ガイドステー112の下面の定着
ニップ部Nに対応する部分に配設してある。
【0044】120は線輪としての励磁コイル113に
高周波電流を印加する電源装置(励磁回路、高周波電源
装置)である。
【0045】磁気誘導発熱性フィルム115は本例のも
のは、図2の(b)の層構成模型図のように、内側の基
層aと、その外周面に形成した磁気誘導発熱層bと、更
にその外周面に形成した離型層cの3層構成のものであ
る。
【0046】基層aは、例えば、厚さ10μm〜100
μmのポリイミド・ポリアミド・PEEK・PES・P
PS・PEA・PTFE・FEP等の耐熱性樹脂であ
る。
【0047】磁気誘導発熱層bは磁性材(金属、導電
体)の層であり、例えば、鉄やコバルトの層、メッキ処
理によってニッケル・銅・クロム等の金属層を1μm〜
100μmの厚みで形成したもの等である。
【0048】離型層cは、例えば、PFA・PTFE・
FEP・シリコン樹脂等のトナー離型性の良好な耐熱性
樹脂の単独材料層あるいは混合材料層である。
【0049】電源装置120から励磁コイル113に高
周波電流が印加されることでフィルム115の磁気誘導
発熱層bが主として定着ニップ部Nの領域において磁気
誘導加熱により発熱する。
【0050】これは、励磁コイル113に電源装置12
0から高周波電流が印加されることで励磁コイル113
の周囲に図2の(b)に矢印Hで示した磁束が生成消滅
を繰り返す。この磁束Hはフィルム115の磁気誘導発
熱層bを横切る。変動する磁界が磁性材である磁気誘導
発熱層bを横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界を
生じるように磁気誘導発熱層b中には渦電流が発生す
る。図2の(b)においてAはその発生渦電流を示して
いる。
【0051】この渦電流は表皮効果のために殆ど磁気誘
導発熱層bの励磁コイル113側の面に集中して流れ、
磁気誘導発熱層bの表皮抵抗に比例した電力で発熱(ジ
ュール熱)を生じる。
【0052】そして定着ニップ部Nの温度がサーミスタ
117で検出されてその検出温度情報が電源装置120
の制御回路に入力して、定着ニップ部Nの温度が所定の
定着温度になるように電源装置120から励磁コイル1
13への印加高周波電流の制御がなされる。
【0053】而して、加圧ローラ116の回転によりフ
ィルム115の回転がなされ、電源装置120から励磁
コイル113への電流印加がなされてフィルム115の
磁気誘導発熱層bが主として定着ニップ部Nの領域にお
いて磁気誘導加熱により発熱し、かつ定着ニップ部Nが
温調された状態において、定着ニップ部Nのフィルム1
15と加圧ローラ116の間に未定着トナー画像tを担
持した記録材Pが導入されてフィルム115の外面に密
着して該フィルム115と一緒に定着ニップ部Nを通過
することで、フィルム115の磁気誘導加熱された磁気
誘導発熱層bの発熱で記録材Pの未定着トナー画像tが
熱と圧力で定着される。定着ニップ部Nを通った記録材
Pは回転するフィルム115の面から順次に曲率分離さ
れていく。
【0054】(3)電源装置120 図3は上記定着装置110の線輪である励磁コイル11
3に対する電源装置120の回路構成図である。
【0055】1及び2は商用交流電圧の入力ターミナ
ル、3は電源入力フィルタ、4は両波整流ブリッジ、5
はフィルタ用のインダクタ、6はフィルタコンデンサ、
7は定着ユニット110の励磁コイル113と並列接続
されて共振回路を形成する共振コンデンサ、8と9は定
着ユニット110の励磁コイルが接続される電源出力タ
ーミナル、11は共振負荷であるフィルタコンデンサ7
と励磁コイル113に電力を供給するスイッチング素
子、12はゲート抵抗、13は制御回路、14は入力電
圧検出トランス、15は検出トランス14からの電圧の
絶対値回路である。
【0056】以上の構成で動作を説明する。商用交流入
力の電圧がターミナル1・2間に印加されると、入力フ
ィルタ3の後、整流ブリッジ4によって両波整流され、
フィルタインダクタ5を介して、フィルタコンデンサ6
を充電する。フィルタコンデンサ6を電圧源として、共
振負荷(共振コンデンサ7、磁気誘導用加熱励磁コイル
113)に電力を供給すべく接続されたスイッチング半
導体(FET)11がオンオフする。
【0057】このように構成された回路で通常の電力供
給しているときのフィルタコンデンサ6の電圧波形を図
4に示す。
【0058】また図5にスイッチング状態に於けるスイ
ッチング素子11のフライバック電圧とスイッチング電
流を示した。
【0059】図5で示した通り、通常のスイッチング状
態に於ける、スイッチング電流及びスイッチング電圧
は、入力電圧の波形に相似な砲洛線を描く。但し、スイ
ッチング状態(オンオフ比率)が固定している場合の波
形である。
【0060】ここで定着ユニット110の温度センサ1
17から制御回路13に加熱結果である温度のフィード
バックが入力されると、スイッチング素子11のスイッ
チングオン幅は縮小し、励磁コイル113に付与する電
力が少なくなるため、フライバック電圧の振動振幅が減
少する。本来図6で示した、正常状態に於けるスイッチ
ングの入力電圧が振動電圧がゼロ電圧よりも低い領域、
即ち図中22の領域では、励磁コイル113の充電電力
が共振負荷回路コンデンサ7と励磁コイル113で定ま
る共振周期で振動する。この振動はスイッチング素子1
1がオフした時点から、上昇し弧を描き約1/2周期の
所で供給されている電源電圧(−フィルタコンデンサ6
の電圧値)20まで下降し、更にゼロVをクロスする波
形を描く。さて、周知の如く共振方式電源では、このゼ
ロVをクロスした時点をスイッチング素子11のオンタ
イミングとすることによってスイッチング素子11の負
担を軽減し、損失を低減する構成を実現するものであ
る。
【0061】以上の様な動作によって温度制御が行なわ
れる高周波スイッチング電源に於て、スイッチング素子
11のゲート制御を行なっているスイッチング周期の波
形を図6に示した。図6に於て、スイッチング素子11
はフィルタコンデンサ6の端子電圧20から励磁コイル
113に電流を供給した波形を対応して示している。励
磁コイル113は三角波で励磁されスイッチングオフ時
に励磁した強さに応じたフライバック電圧を発生する。
このフライバック電圧と入力電圧の関係を図7に示す。
【0062】図7の(a)は入力電圧が低い時、(b)
は電圧が高いときを示している。ここではスイッチング
素子11に与えている制御パルス信号は同じ波形を与え
ている場合である。一方(c)と(d)は各々、スイッ
チング素子11に与えている制御パルス信号のオン幅を
変化した場合のフライバック電圧を示した。(c)は入
力電圧が高い時で、オン幅を短くした時の波形、(d)
は入力電圧が低い時にオン幅を長くした時の波形であ
る。
【0063】当然の事ながら、高い入力電圧の時はフラ
イバック電圧は高く、低い入力電圧のときは低い値を示
す。即ち、入力電圧が高い時はすいオン幅を小さくする
ことによってフライバック電圧がオーバしないように制
御することが可能である。
【0064】基本的には以上で説明した動作特性を用い
て、入力電圧のワイド化を行なうようにしたのが本件提
案の主旨で、以下の手段によって実現する。
【0065】入力フィルタを介した後接続した電圧検出
トランス14によって適正な電圧、例えば、AC100
V入力時に、1V(最大値1、41V)即ち100対1
の巻数比のトランスにより適正な検出電圧を得る。検出
した入力電圧の絶対値を求める為に、両波整流回路4で
整流し、レベルを保証する為の回路を介して、上述した
三角波発生回路(定電流回路とコンデンサ)の定電流発
生回路の基準電圧入力に検出電圧波形の絶対値を入力し
電流値を変調することによりすいオン幅の最大値の制限
値を与えるものである。
【0066】図8に上記説明で用いた回路ブロック、ト
ランス14、波形検出15、及びオン幅制限回路(13
の一部)の実施例と動作を説明する。図8で14及び1
5はすでに説明したトランスと検出回路である。
【0067】検出回路15の中の回路構成を説明する。
電圧検出トランスの二次捲線から検出された電圧はダイ
オード223、225及び負荷抵抗222及び224の
働きでトランジスタ226及び227のベースに交流電
圧の各々、正方向電圧と負方向電圧を発生する。各々、
トランジスタ226及び227は定電流回路228と2
29によって電流合成された結果として両波整流動作を
行ない、絶対値検出回路として動作する。
【0068】検出された電流は、基準電圧発生部200
から供給している、定電流充電トランジスタ208のベ
ース電圧を変調する。トランジスタ208はエミッタに
取り付けられている抵抗209とベース電圧で決定され
る定電流をコレクタから送出する。このコレクタ電流は
三角波発生コンデンサ210を充電し、コンパレータ2
02により比較、スイッチングが行なわれる。このコン
パレータの基準端子には、温度計測端子220からの温
度情報が入力されている。一方、221の目標設定温度
と比較増幅された温度誤差信号がコンパレータ202の
基準端子に供給されている。即ち、温度誤差情報に従っ
て、コンパレータ202はタイマー動作を行なう。この
タイマー動作によって発生したパルスエッジはフリップ
フロップ204によって動作反転し、トランジスタ21
1をオンさせると同時にトランジスタ215をオフする
ことによって、オフタイマーを起動する。オフタイマー
はトランジスタ212の定電流回路とコンデンサ214
及び基準電圧216によって定まったタイマー動作する
オフタイマーがタイムアップすると同時にフリップフロ
ップ204は初期の状態にステアリングしてオンタイマ
動作となる。この繰返しによって出力端子217には温
度検出値に応じた制御パルスが発生する。このパルスを
増幅し絶縁トランスを介してスイッチング素子11のゲ
ートに印加すれば温度制御された誘導加熱が実現する。
【0069】上述説明した一連の動作で電圧検出トラン
スの波形に応じてオンタオマー定電流回路の電流値を変
調すればよく、オン幅のタイマーを構成している定電流
トランジスタ208のベースは抵抗205と206によ
ってバイアスが掛けられている処から検出電流に相当し
た電流がトランジスタ228及び229と電流値を決定
する抵抗230の定電流回路に流出するように構成して
ある。即ち、流出電流が多ければ多い程(入力検出電圧
が高ければ高い程)定電流トランジスタ208のベース
電圧は低下し、定電流値が増大して結果的にはコンデン
サ210の充電カーブが急峻な立上りを示すためコンパ
レータ202は基準端子に加わっている電圧が同じでも
早期に反転する。また、仮に定着装置110の立ち上げ
時等で温度フィードバックがまだかかっていない領域で
最大出力状態であった場合でも温度比較結果の誤差増幅
信号は定電圧リミッタ231によって規制されており、
入力電圧の大きさに従ってオン幅は狭められるわけであ
る。
【0070】以上の動作により交流入力電圧の大きさに
応じたスイッチングオン幅をスイッチング素子に供給す
ることによって、定着ユニットは共通して100V系と
200V系を同一の構成で実現することが可能である。
【0071】[実施例2](図9) 実施例1では入力電圧検出回路をトランスの捲線を用い
て絶縁処理と入力電圧のモニタを行なっていた。入力電
圧のモニタ方式としてはフォトカプラを用いて入力電圧
を段階的に監視する方式を用いてもその目的を果たすこ
とは可能である。
【0072】図9に於て電圧を監視する電圧は両波整流
後のフィルタコンデンサ両端の電圧を監視している。
【0073】抵抗301〜306は入力電圧を各接続点
毎に電圧を分割して発生する様に配列している。各々の
分割電圧は各々異なるしきい値を与えるために、定電圧
ダイオード307〜311により各トランジスタベース
312〜316に接続される。この定電圧ダイオードの
電圧値は、ダイオード307よりも308の方が高く設
定してあり、入力電圧の分圧抵抗と定電圧ダイオードの
組み合わせにより各々トランジスタは例えば、312は
127V(AC90V時の最大値に相当)、313は1
54V(AC110V相当)、314は196V(AC
140V相当)、315は252V(AC180V相
当)、316は336V(AC240V相当)でオンす
る構成とした場合、入力電圧(両波整流波形)の波高値
に応じて後続したフォトカプラ317が各々抵抗ターミ
ナル318〜322のバイパス回路として動作する。
【0074】このバイパスした結果、残った抵抗と検出
抵抗324による電圧分割回路によって得られた検出電
圧は電圧電流変換トランジスタ229によって定電流シ
ンク信号に変換した後、実施例1でも述べた同様の動作
によって三角波発生回路の定電流供給回路の電流値を決
定しているバイアス電圧を変調して三角波の立ち上がり
傾斜を変化させオン幅の制限値を与える。
【0075】[その他] a.本発明の高周波電源装置は実施例の磁気誘導加熱装
置の電源装置に限られず、高周波電流印加用の電源装置
として広く活用できることはもちろんである。
【0076】b.磁気誘導加熱装置は実施例の磁気誘導
発熱性フィルム(金属フィルム)を用いた装置に限られ
ないことはもちろんである。
【0077】c.画像形成装置の作像原理・プロセスは
実施例の転写方式電子写真プロセスに限られないことは
もちろんである。
【0078】d.本発明において加熱装置には、実施例
の加熱定着装置に限らず、画像を担持した記録材を加熱
してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する
像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラ
ミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・
装置等も含む。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は磁気誘導
加熱方式の加熱装置の電源装置について、従来ハロゲン
ヒータやセラミックヒータ等では困難であった入力電圧
のワイド化(ユニバーサル化)を比較的容易に実現し
た。
【0080】電源のユニバーサル化によって製品のデリ
バリが向上すると共に、仕向け地別対応を不用とするた
め製品在庫管理にとって極めて経済効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置の一例の概略構成図
【図2】 (a)は定着装置(磁気誘導加熱方式)の横
断面模型図、(b)は磁気誘導発熱性フィルムの層構成
模型図
【図3】 電源装置の回路構成図
【図4】 電源装置の動作説明図(その1)
【図5】 電源装置の動作説明図(その2)
【図6】 電源装置の動作説明図(その3)
【図7】 電源装置の動作説明図(その4)
【図8】 電源装置の動作説明図(その5)
【図9】 実施例2の電源装置の回路構成図
【符号の説明】
110 定着装置 113 励磁コイル 115 磁気誘導発熱性フィルム(金属フィルム) 120 電源装置(励磁回路、高周波電源装置)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線輪と、該線輪に電流を印加する手段
    と、線輪で生じる主磁束に結合する磁性材を有し、線輪
    で生じる主磁束の作用で磁性材に発生する渦電流による
    該磁性材の発熱により被加熱材を加熱する磁気誘導加熱
    方式の加熱装置における電源装置であって、入力交流電
    源を整流した後にフィルタコンデンサに接続され、該フ
    ィルタコンデンサからスイッチング素子を介してスイッ
    チング電力を負荷に供給する電源装置において、 負荷に電力を供給すべく上記フィルタコンデンサから接
    続される上記線輪を介してスイッチング素子の一端に接
    続され、もう一端は該コンデンサの別の一端に接続され
    る電流回路を構成しており、上記入力交流電圧の振幅を
    計測する手段と、上記スイッチング素子のオン幅制御の
    最大値を限定する手段を有し、上記入力交流電圧振幅計
    測手段からの計測結果に基づき、上記スイッチング素子
    のオン幅制御の最大値を限定するように作動することを
    特徴とする電源装置。
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