JPH11190422A - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機

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JPH11190422A
JPH11190422A JP35995397A JP35995397A JPH11190422A JP H11190422 A JPH11190422 A JP H11190422A JP 35995397 A JP35995397 A JP 35995397A JP 35995397 A JP35995397 A JP 35995397A JP H11190422 A JPH11190422 A JP H11190422A
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control
vehicle
driving force
traveling
uphill
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Application number
JP35995397A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yoshida
浩之 吉田
Kisaburo Hayakawa
喜三郎 早川
Masataka Osawa
正敬 大澤
Masuji Oshima
満寿治 大嶋
Yoshio Ito
良雄 伊藤
Hiroya Nakamura
泰也 中村
Kazuyuki Shiiba
一之 椎葉
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 登降坂制御を行うことによって、ビジーシフ
トを抑制し、エンジンブレーキを作用させる車両用自動
変速機において、登降坂制御から通常制御への変更時点
を人の感覚に沿ったものとする。 【解決手段】 駆動力算出部24にて、駆動輪による車
両を駆動する力(駆動力)を算出する。一方、走行抵抗
算出部30にて、現時点での車両の走行抵抗を算出す
る。前記駆動力と、前記走行抵抗がほぼ一致した時点、
または駆動力と走行抵抗の差の変化量が0となった時点
で、登降坂制御から通常制御への制御変更を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の自動変速
機、特に平坦路走行時と、登坂路または降坂路走行時と
は、異なる変速パターンによって制御される自動変速機
の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、車両の走行状態お
よび運転者の操作に基づき、あらかじめ記憶された変速
スケジュールに従って、適切な変速比などの選定を行っ
ている。最も一般的に知られたものでは、車両の走行状
態として車両速度を、運転者の操作としてスロットルバ
ルブ開度を採り、これらに応じて、変速比の選定を行っ
ている。前記の変速スケジュールは、平坦路走行時に基
づき作成されているため、登坂路や降坂路を走行してい
るときには、適切な変速比が選定されない場合があっ
た。たとえば、登坂路走行時、運転者がアクセルペダル
を戻す(スロットルバルブが絞られる)と、ただちにシ
フトアップし、次にアクセルペダルを踏むとシフトダウ
ンして加速に移る、という頻繁にシフトアップ、ダウン
が繰り返される、いわゆるビジーシフトとなっていた。
これを避けるために、運転者は、4速以上のギアの選定
を禁止するシフトレンジの選択を行う必要があった。ま
た、降坂路走行時は、エンジンブレーキを作用させるた
めに、2速ギアに固定されるレンジなどを選定する必要
があった。
【0003】近年、前記の不都合を解決するために、平
坦路を走行しているのか、登降坂路を走行しているのか
を判断して、それぞれの走行に適した変速スケジュール
を選択する変速機が実用に供されている。たとえば、特
開平4−61号公報には、走行抵抗を求め、これと固定
の所定値を比較することにより、平坦路と登降坂路の判
別を行う技術が開示されている。また、特開平5−71
626号公報には、スロットルバルブ開度が固定の所定
値以上になると降坂制御を解除する技術が開示されいて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の二つの
公報に記載された技術によれば、固定の走行抵抗値また
はスロットルバルブ開度により、平坦路走行の制御と登
降坂路走行の制御の一方を選択しているため、必ずしも
運転者の意図に沿った変速時期を得られない場合があっ
た。具体的な例を図1および図2を用いて説明する。
【0005】図1は、登坂路走行時に運転者が手動操作
により3速から4速へシフトアップをした前後数秒間の
車両状態を示した図である。横軸は、駆動輪による車両
の駆動力から走行抵抗を減算した値(以下、総駆動力と
記す)を表し、縦軸は道路勾配を表している。曲線Aで
示す第1のケースでは、曲線Aに沿って勾配、総駆動力
とも減少していく過程で、点PAにて運転者は、シフト
アップしたことが示されている。また、曲線Bで示す第
2のケースでは、点PBにてシフトアップしている。こ
のシフトアップした時点で、運転者は登坂路を上り終
え、平坦路と同様に走行しようとしたと判断できる。し
たがって、このシフトアップ点PA,PBにて、登坂路の
制御から平坦路の制御に移行することが望ましい。な
お、曲線A,B上に書き込まれた秒数は、運転者の手動
操作によるシフトアップ時点を基準(0秒)としたとき
の前後の時刻を示す数値である。
【0006】前記特開平4−61号公報は、所定の走行
抵抗で制御の移行を行っている。走行抵抗と道路勾配
は、車両速度が大きく変化しなければ、ほぼ一意に対応
するので、前記の公報の装置の制御変更は、たとえば図
1に示した破線aまたは破線bのように、道路勾配一定
の直線上で行われる。したがって、制御変更が第2のケ
ースの望ましい変更点である点PBを通る破線bで行わ
れるように設定すると、第1のケースの場合、制御変更
が行われず、シフトアップ制御が行われない。一方、第
1のケースの望ましい変更点である点PAを通る破線a
にて制御変更が行われるように設定すると、運転者が意
図した時点PBより早く、点Pbにて平坦路に入ったと判
断され、結果としてこの時点でシフトアップ制御がなさ
れる。
【0007】図2には、降坂路走行時に運転者が手動操
作により3速から4速へシフトアップした前後数秒間の
車両状態を示した図である。スロットルバルブ開度と総
駆動力に対する運転者の手動操作によるシフトアップ点
が示されている。図2において、横軸は総駆動力の変化
量、すなわち現時刻と2秒前の総駆動力の差、縦軸はス
ロットルバルブ開度を表している。曲線Cで表される第
3のケースの場合、点PCで手動によりシフトアップ操
作が行われ、曲線Dで表される第4のケースの場合、点
Dで手動によりシフトアップ操作が行われる。この時
点PC,PDが、運転者が降坂路走行を終えたと判断した
時点であるといえる。よって、この時点PC,PDで、降
坂路の制御から平坦路の制御に移行することが望まし
い。なお、曲線C,D上に書き込まれた秒数は、運転者
の手動操作によるシフトアップ時点を基準(0秒)とし
たときの前後の時刻を示す数値である。
【0008】前記特開平5−71626号公報は、所定
のスロットルバルブ開度にて、制御の移行を行ってお
り、この移行は、スロットルバルブ開度一定の直線上、
たとえば図中破線cまたは破線dで行われることにな
る。制御変更が第4のケースの望ましい変更点である点
Dを通る破線dで行われるように設定すると、第3の
ケースの場合、制御変更が行われず、シフトアップ制御
がなされない。また、第3のケースの望ましい変更点で
ある点PCを通る破線cにて制御変更が行われるように
設定すると、第4のケースでは、はじめから平坦路走行
が判断されていることになる。
【0009】以上のように、前記の公報のように、走行
抵抗の固定の所定値、スロットルバルブ開度の固定の所
定値を用いて、制御変更を行おうとすると、運転者が望
む時点で制御変更がなされず、変速制御がなされないと
いう問題があった。
【0010】本発明は、前述の問題点を解決するために
なされたものであり、運転者の判断に近い変速制御の切
換を行うことのできる車両自動変速機を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる自動変速機は、平坦路を走行する
のに適した変速制御を行う通常制御と、登坂路および降
坂路を走行するのに適した変速制御を行う登降坂路制御
とを選択する選択手段を有し、前記選択手段は、登降坂
路制御にて走行中に、車両を駆動する機関の駆動力と車
両の走行抵抗とがほぼ一致した場合において、通常制御
に切り換える、制御変更手段を含んでいる。
【0012】または、前記選択手段は、渡航販路制御に
て走行中に、車両を駆動する機関の駆動力と車両の走行
抵抗の差の時間的変化がほぼ零になった場合において、
通常制御に切り換える制御変更手段を含むものであって
も良い。
【0013】登降坂路制御は、平坦路に比べてシフトア
ップを抑制するように制御を行うことによって、登坂路
においてはビジーシフトを抑制し、降坂路においてはエ
ンジンブレーキが積極的に使用されるようにしている。
そして、登降坂路から平坦路に移ったと判断された時点
で、制御を平坦路のものに変更する。この変更の判断
は、駆動輪による駆動力と走行抵抗の比較によって行わ
れ、これらがほぼ一致する、すなわち駆動輪による駆動
力と走行抵抗の差(総駆動力)が0となったとき、また
は前記総駆動力の変化量が0となったときに、平坦路に
移行したとの判断がなされる。これは、前述の図1およ
び図2、さらに図3、図4に示されるように、運転者の
手動操作で変速がなされた時点が総駆動力が0のとき付
近、または総駆動力の変化量が0のとき付近であるとい
う知見に基づいている。図3は、横軸に総駆動力、縦軸
にエンジン回転速度が採られており、これらの変化する
様子が図示する曲線によって示されている。曲線上の
「○」印で示す位置が、運転者が手動操作で3速から4
速にシフトアップした時点である。そして、この時点を
基準(0秒)に前後の時刻がグラフ上に書き込まれてい
る。前述したように、この時点が総駆動力が0となると
きにほぼ一致していることがわかる。そして、登降坂路
制御から通常制御に移行することによって、抑制されて
いたシフトアップがなされ、運転者の意図する時期と近
い時点でシフトアップの制御がなされる。
【0014】また、図4は、横軸に総駆動力の変化量、
すなわち所定時間間隔で測定された総駆動力の差が、縦
軸にはエンジン回転速度が採られている。なお、本実施
形態においては、前記の所定時間間隔は2秒である。そ
して、図4に示される曲線が、ある運転状況における総
駆動力の変化量とエンジン回転速度の変化の様子を示し
ている。曲線上の「○」印で示す位置が、運転者手動操
作で、3速から4速にシフトアップした時点である。そ
して、この時点を基準(0秒)に前後の時刻がグラフ上
に書き込まれている。前述したように、この時点が総駆
動力の変化量が0となるときにほぼ一致していることが
わかる。そして、登降坂路制御から通常制御に移行する
ことによって、抑制されていたシフトアップがなされ、
運転者の意図する時期と近い時点でシフトアップの制御
がなされる。
【0015】特に、登坂路走行中は、総駆動力が減少中
に0となった時点で、登降坂路制御から通常制御に移行
する制御を行う。また、降坂路走行中は、総駆動力の変
化量が減少中に0となった時点で、登降坂路制御から通
常制御に移行する制御を行う。
【0016】また、登坂路であるか降坂路であるかによ
らず、総駆動力が単調に減少している場合には総駆動力
が0になった時点で、また総駆動力が一旦増加してその
後減少した場合には、総駆動力の変化量が0になった時
点で、登降坂制御から通常制御に移行する制御を行うこ
とも可能である。
【0017】また、前述の登降坂路制御から通常制御に
移行する制御は、アクセルがオンかつブレーキがオフか
つ非旋回時においてのみ、制御を行うようにすることも
できる。アクセルオンの状態は、アクセルペダルの操作
量を検出するセンサまたはスロットルバルブの開度を検
出するセンサなどを用いて判定することができる。ま
た、ブレーキペダルオフは、ブレーキペダルの操作量を
検出するセンサを用いて、またはブレーキランプの点灯
状態を検出するなどして判定することができる。さら
に、旋回状態は、ステアリングホイールの操作量を検出
するか、またはヨーレートセンサや横加速度センサなど
の出力により判定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図5に
は、本実施形態の自動変速機の制御に係わる部分の構成
が示されている。制御部10は、車両の走行状態を検出
する各種センサの出力と、あらかじめ変速スケジュール
マップ記憶部12に記憶された変速スケジュールマップ
に基づき適切な変速段を算出する変速演算部14と、こ
れの演算結果に従い油圧回路のソレノイドバルブなどを
制御する油圧回路制御部16を有している。油圧回路の
制御によって、変速機内部の所定の油圧クラッチに油圧
が供給され、前記算出された変速段が選択される。制御
部10は、さらに平坦路を走行中か、登降坂路を走行中
かを判断して、いずれに適した制御を行うか選択する制
御選択部18を有している。変速演算部14は、制御選
択部18で選択された制御、すなわち平坦路走行に適し
た通常制御および登降坂路の走行に適した登降坂路制御
の一方に対応した変速スケジュールマップを読み出し、
このマップに従って変速段の選択が行われる。制御選択
部18は、所定の条件の下、登降坂制御から通常制御へ
の制御変更を行う制御変更部20を含んでいる。
【0019】制御変更部20の作用を以下説明する。ト
ルクセンサ22は、機関たとえばエンジンの出力軸トル
クを検出し、検出値を駆動力算出部24に送出する。駆
動力算出部24では、エンジン出力軸トルク、トルクコ
ンバータのトルク比、変速段のギア比、最終減速比およ
びタイヤ有効半径から駆動輪における駆動力を算出す
る。前記のトルクコンバータのトルク比、変速段のギア
比、最終減速比およびタイヤ有効半径は、車両諸元記憶
部26に記憶されており、ここから読み出された値を用
いて、前記の駆動輪の駆動力の算出が行われる。また、
勾配センサ28は、傾斜計またはジャイロメータにより
車両の前後方向の傾きを検出し、道路勾配を算出するセ
ンサである。算出された道路勾配は、走行抵抗算出部3
0に送出され、ここで走行抵抗が勾配抵抗、転がり抵抗
および空気抵抗の和として算出される。勾配抵抗は道路
勾配と車重から、また転がり抵抗は道路勾配と車重と転
がり抵抗係数から、さらに空気抵抗は車速と空気抵抗係
数と正面投影面積から算出される。ここで、転がり抵抗
係数、空気抵抗係数および正面投影面積は、あらかじめ
車両諸元記憶部26に記憶されており、ここから読み出
されて計算に用いられる。また、車重は定数として、車
両諸元記憶部26に記憶しておき、これを用いることも
でき、またより精度を求めるのならば、車重センサを設
けこのセンサ出力を用いることもできる。また、車両重
量と車高センサで検知された車高の対応をあらかじめ求
めておき、空車状態など基準とする重量のときの車高に
対して、その時の車高の変化から車重を推定することも
できる。
【0020】次に、総駆動力算出部32にて、算出され
た駆動輪の駆動力から走行抵抗を減算して、次式から車
両の総駆動力を算出する。
【0021】
【数1】 (車両総駆動力)=(駆動輪の駆動力)−(走行抵抗) そして、この総駆動力が、減少中であって、ほぼ0とな
ったとき、登降坂制御から通常制御への制御変更を行う
時点であることが、判定部34で判定される。この判定
に基づき制御選択部18は制御の変更を行い、変速演算
部は、平坦路走行に適した変速スケジュールマップに従
って変速制御を行う。
【0022】総駆動力の正値から負値への減少は、運転
者が、総駆動力がそれほど必要な状態ではないと判断し
たときである。これは登坂中であれば、運転者が、これ
以上駆動力を必要としないほど上り勾配が小さくなった
と判断したことを意味する。また、降坂中であれば、走
行抵抗が増し下り勾配が減少したと運転者が感じ、これ
以上の減速を必要としないと判断したことを意味する。
すなわち、運転者は、登降坂路走行が終わったと判断し
たと考えられ、本実施形態では、この時点で通常制御へ
の制御変更が行われる。したがって、運転者の意図とほ
ぼ一致した時点で制御変更が行われる。
【0023】なお、前述した制御変更は、エンジンブレ
ーキやフットブレーキによって、積極的な制動が行われ
ておらず、また旋回中でないときに行われる。すなわ
ち、アクセルオンかつブレーキオフかつ非旋回中である
ときに、前記の条件により制御変更が実行される。積極
的に制動が行われているときには、エンジンブレーキが
弱くなるシフトアップ操作は、運転者には急に制動力が
減少したと感じ、違和感を与える可能性があるからであ
る。また、旋回中に、シフトアップによって駆動輪の駆
動力が変化すると、運転者に違和感を与える場合があ
り、また旋回時にシフトアップし、コーナ脱出時にアク
セルをオンにすると、シフトダウンの制御がなされ、結
局ビジーシフトが発生してしまう。このため、本実施形
態においては、非旋回時に限って前述の制御変更を行っ
ている。。
【0024】図6には、本実施形態の制御を示すフロー
チャートが示されている。図に示されるルーチンは、登
降坂制御中には制御周期ごとに実行される。まず、登坂
路走行に移行したかを判定する周期となるまで待機し、
判定周期となると次のステップに移行する(S10
0)。次に、車両の走行状態および運転者の操作を示す
変数を各種センサにて検出し、これを読み込む(S10
2)。運転者の操作にかかる変数は、たとえばアクセル
ペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイールの操作
量である。また、車両の走行状態を示す変数は、たとえ
ばエンジン出力軸トルク、変速段、車速であり、さらに
道路勾配など、道路環境に関する変数も含んでいる。次
に、車両の諸元を読み込む(S104)。車両の諸元
は、車重、変速比、最終減速比およびタイヤ有効半径、
さらには転がり抵抗係数、空気抵抗係数、前面投影面積
などであり、あらかじめその車両のものを記憶してお
き、必要に応じてこれが読み出される。前記の検出値お
よび車両諸元などから総駆動力の演算が行われ(S10
6)、前回の算出値の更新が行われる(S108)。
【0025】次に、登降坂制御に移行して所定時間が経
過したかが判断される(S110)。経過していなけれ
ば、ステップS100に戻る。一方、所定時間が経過し
ていれば、次にステップS102で読み込んだ検出値に
基づき、アクセルがオンかつブレーキがオフかつ非旋回
状態であるかが判定される(S112)。判定がnoな
らば、ステップS100に戻る。一方、判定がyesな
らば、登坂制御中であるかが判定される(S114)。
【0026】登坂制御中と判定されれば、前回の判定周
期における車両の総駆動力が正または0かが判定され
(S116)、これがyesならば、さらに現在の総駆
動力が0か負かが判定される(S118)。ステップS
118でyesと判定されれば、登坂制御の解除を行う
(S120)。一方、ステップS116,S118でn
oの判定がなされた場合は、ステップS100に戻る。
【0027】ステップS114で降坂制御中と判定され
れば、前回の判定周期における車両の総駆動力の変化量
が正または0かが判定され(S122)、これがyes
ならば、さらに現在の総駆動力の変化量が0か負かが判
定される(S124)。ステップS124でyesと判
定されれば、降坂制御の解除を行う(S126)。一
方、ステップS122,S124でnoの判定がなされ
た場合は、ステップS100に戻る。
【0028】なお、このフローにおいては、登坂制御と
降坂制御において、別のステップを設けているが、その
内容は、全く同一であるので、これらを統合することも
可能である。
【0029】前述の実施形態においては、エンジンの出
力軸トルクはトルクセンサにより検出したが、これに替
えて、あらかじめスロットルバルブ開度およびエンジン
回転速度と出力軸トルクとの関係を求め、記憶してお
き、スロットルバルブ開度、エンジン回転速度を検出し
て前記の関係から出力軸トルクを算出するようにしても
よい。
【0030】さらに、前述の実施形態においては、総駆
動力に基づき制御変更の時期を判定したが、車両の前後
加速度に基づきその時期を判定することも可能である。
これは、車両の総駆動力が車両の加速度を決定するもの
であるからである。前後加速度は、車速やエンジン出力
軸回転数から演算した値、あるいは、加速度センサの信
号を用いることができる。加速度センサの信号を用いる
場合は、時間遅れを考慮しつつフィルタでノイズ除去す
るのが望ましい。すなわち、一般的にフィルタは、ノイ
ズ除去効果が高いものほど時間遅れが大きくなる傾向が
あり、登降坂制御の解除判定に支障のないように、ノイ
ズ除去と時間遅れを考慮して最適な特性のフィルタを選
択することが望ましい。
【0031】登降坂制御から通常制御に制御変更する判
断をニューラルネットワーク(以下、NNと記す)を用
いて判定することも可能である。図7には、NNの構成
例が示されている。図示するように、旋回判定フラグ、
車速、車両総駆動力、車両総駆動力の変化量、所定時間
前の車両総駆動力、所定時間前の車両総駆動力変化量が
入力され、登降坂制御解除推定値(0:解除禁止〜1:
解除)を出力する。そして、この推定値が所定値、たと
えば0.6以上であれば、解除の許可をするように構成
する。これによって、登降坂制御から通常制御への制御
変更が行われる。
【0032】図8には、図7に示すNNを用いた場合の
制御フローチャートが示されている。図6の制御フロー
と同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省
略する。ステップS128に示す車両の総駆動力の保存
と更新について図9を用いて説明する。判定周期を0,
5秒、車両の総駆動力変化量を2秒間の変化量、1秒前
の総駆動力と総駆動力変化量を用いるとすれば、現時刻
から3秒前までの0.5秒ごとの総駆動力を保存する必
要がある。判定周期の時期になると、保存してある総駆
動力をそれぞれ1時刻前の位置にコピーした後、最新の
現在値をtの位置に保存する。ここで、現時刻から3秒
前までの総駆動力が必要なことから、登坂あるいは降坂
制御開始後3秒経過した時点から判定が可能となる。こ
の時点が判定開始タイミングである。総駆動力の保存用
メモリは、登降坂制御開始時にクリアされる。
【0033】また、NNを用いた場合は、ステップS1
30でブレーキオンがされていない場合のみ、登降坂制
御の解除の判定を行う。そして、登坂時においては、登
坂制御用のNNの入力の正規化が実行され(S13
2)、登坂制御解除の判定がなされ(S134)、解除
すべきと判定された場合、解除フラグがオンとなる(S
136)。一方、降坂時においては、降坂制御用のNN
の入力の正規化が実行され(S138)、降坂制御解除
の判定がなされ(S140)、解除すべきと判定された
場合、解除フラグがオンとなる(S136)。なお、ス
テップS130にてブレーキオンのときは制御変更の判
定を行わないようにしたが、ブレーキフラグをNNに入
力して、ブレーキオンのときは解除禁止を判定するよう
に構成してもよい。また、別途算出した運転者の指向、
たとえば燃費指向やスポーツ指向を表す指標を入力する
ことも可能である。
【0034】図10および図11には、降坂路における
降坂制御解除の判定結果の一例を示す。図10は、運転
者が手動により3速から4速へのシフトアップを行った
ときの走行データであり、推定値によれば、運転者のシ
フトアップ時点より0.5秒早い時点で降坂制御の解
除、すなわち通常制御への移行が判定されている。ま
た、図11は、3速にシフトホールドしたときの走行デ
ータであり、推定値はほぼ0のままで、降坂制御の解除
禁止を判定している。
【0035】図12には、NNの他の構成が示されてい
る。このNNは、図7のNNに対して、現時刻と所定時
間t1秒前の車両の総駆動力と車両総駆動力の変化量の
代わりに、現時刻から所定時間t2秒前(たとえば3秒
前)までの総駆動力の時系列を入力する構成となってい
る。
【0036】図13には、NNのさらに他の構成が示さ
れている。このNNは、登降坂制御時に選択される最も
低い変速段〜最高速段までの変速段(たとえば5速オー
トマチックトランスミッションにおいては、登降坂制御
時に選択される最も低い変速段が3速であれば、3から
5速)を出力するNNとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 登坂時に運転者が手動によりシフトアップを
した時点を示す図である。
【図2】 降坂時に運転者が手動によりシフトアップを
した時点を示す図である。
【図3】 登坂時に運転者が手動によりシフトアップを
した時点を示す図である。
【図4】 降坂時に運転者が手動によりシフトアップを
した時点を示す図である
【図5】 本実施形態の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図6】 本実施形態の制御を示すフローチャートであ
る。
【図7】 制御変更にかかる判定を行うニューラルネッ
トワークの構成を示す図である。
【図8】 ニューラルネットワークを用いた場合の制御
を示すフローチャートである。
【図9】 過去の総駆動力を記憶するメモリの構成の説
明図である。
【図10】 制御変更の判定を実走行で検証した結果を
示す図である。
【図11】 制御変更の判定を実走行で検証した結果を
示す図である。
【図12】 ニューラルネットワークの他の構成を示す
図である。
【図13】 ニューラルネットワークのさらに他の構成
を示す図である。
【符号の説明】
10 制御部、18 制御選択部、20 制御変更部、
24 駆動力算出部、30 走行抵抗算出部、32 総
駆動力算出部、34 判定部。
フロントページの続き (72)発明者 早川 喜三郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大澤 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大嶋 満寿治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 伊藤 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 椎葉 一之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態および運転者の操作に基
    づき適切な変速段を選定する車両用自動変速機であっ
    て、 平坦路を走行するのに適した変速制御を行う通常制御
    と、登坂路および降坂路を走行するのに適した変速制御
    を行う登降坂路制御とを選択する選択手段を有し、 前記選択手段は、登降坂路制御にて走行中に、車両を駆
    動する機関の駆動力と車両の走行抵抗とがほぼ一致した
    場合において、通常制御に切り換える、制御変更手段を
    含む、車両用自動変速機。
  2. 【請求項2】 車両の走行状態および運転者の操作に基
    づき適切な変速段を選定する車両用自動変速機であっ
    て、 平坦路を走行するのに適した変速制御を行う通常制御
    と、登坂路および降坂路を走行するのに適した変速制御
    を行う登降坂路制御とを選択する選択手段を有し、 前記選択手段は、登降坂路制御にて走行中に、車両を駆
    動する機関の駆動力と車両の走行抵抗の差の時間的変化
    がほぼ零になった場合において、通常制御に切り換え
    る、制御変更手段を含む、車両用自動変速機。
JP35995397A 1997-12-26 1997-12-26 車両用自動変速機 Pending JPH11190422A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004517282A (ja) * 2001-01-16 2004-06-10 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 自動車トランスミッションの制御方法
JP2011021721A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機
JP2012197818A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Toyota Motor Corp 車両用動力伝達装置の制御装置

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