JP2000046174A - 車輌の変速制御装置 - Google Patents
車輌の変速制御装置Info
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Abstract
合に機能する専用のコーナ出口制御を設け、素速いコー
ナからの脱出を図ると共に、運転者に違和感を与えるこ
とを防止する。 【解決手段】 車輌がコーナ中を走行したことを検出し
た状態(S50)にあって、運転者がアクセルペダルを
オフからオンに切換える等により加速を意図すると(S
51)、車輌はコーナから脱出状態にあると判断(S5
2)する。この状態で、アクセル開度変化率等により加
速状態にあると判断すると、アップシフトが禁止され
(S55)、また車輌が略々定速状態になると、上記禁
止が解除される(S56)。
Description
載した車輌の変速制御装置に係り、詳しくは車輌がコー
ナから脱出状態にある場合に適合するように上記自動変
速機構を制御する変速制御装置に関する。
又は電気モータ等の駆動源と共に用いられるベルト式及
びトロイダル式等の無段変速機(以下、CVTという)
が好ましいが、有段自動変速機(オートマチックトラン
スミッション;AT)でもよく、更に内燃エンジンと電
気モータを有するハイブリット車輌又は電気自動車に用
いられ、モータジェネレータを制御することにより無段
変速を出力する電気制御装置をも含むものである。
されるように、車輌の現在位置の周囲に関するナビゲー
ション装置の道路情報に応じて、自動変速機の制御パタ
ーンを変更する自動変速機の制御装置が案出されてい
る。このものは、高地走行時には、高出力要求モード
(いわゆるパワーモード又はスポーツモード)の変速線
図が選択され、またカーブ走行中では変速が禁止され、
更に低μ路走行時には、2段のシフトダウン制御が禁止
されて、車輌の駆動力における急激なトルク変動が防止
される。
ビゲーション装置により前方道路がカーブであることを
認知した場合、変速制御を禁止するが、車輌がカーブか
ら脱出して前方道路がカーブでなくなると、直ちにアッ
プシフト制御が可能となる。このため、運転者は、カー
ブ出口において加速を持続し、素速くカーブから脱出し
ようとしても、自動変速機が、変速線図に沿ってアップ
シフトされることがあり、運転者の意思に反して素速い
コーナリングができず、運転者に違和感を与えることが
ある。特に、自動変速機としてCVTを用いる場合、そ
の変速特性から車速の増加に伴い直ちにアップシフト側
に変速され、上述した違和感が顕著に表われる。
合、運転者は、カーブコーナを脱出して加速を意図して
も、ナビゲーション装置は、まだ前方にカーブがあると
判断して変速制御を禁止し、このためダウンシフト(い
わゆるキックダウン)による素速い加速を行うことがで
きないと共に、アクセルペダルを戻すことによるアップ
シフト(いわゆるオフアップ)もできず、運転者に違和
感を与えてしまう。特にこの状態でも、自動変速機とし
てCVTを用いる場合、変速比の変更(アップシフト及
びダウンシフト)が比較的敏感に反応するため、上述し
た違和感が顕著に表われる。
することを意図した場合に機能する専用のコーナ出口制
御を設け、上述した課題を解消した車輌の変速制御装置
を提供することを目的とするものである。
は、駆動源から駆動車輪へ駆動力を伝達する自動変速機
構を制御する車輌の変速制御装置(9,20)におい
て、車輌が所定量以上の走行方向の変更を必要とするコ
ーナ中にあることを検出するコーナ中検出手段(S3
1,S35,S36)と、運転者による加速意思を検出
する加速意思検出手段(S51)と、前記コーナ中検出
手段がコーナ中を検出した状態において、前記加速意思
検出手段が加速意思を検出すると作動し、車輌が加速状
態にある場合、前記駆動力が小さくなる方向の変更を禁
止し、かつ車輌が略々定速状態にある場合、前記駆動力
が小さくなる方向の変更を許可するコーナ出口制御手段
(10d)と、を備えることを特徴とする車輌の変速制
御装置にある。
参照)、前記加速意思検出手段(S51)は、アクセル
ペダルがオフからオンに切換わることを検出するアクセ
ルセンサ(2a)である、請求項1記載の車輌の変速制
御装置にある。
前記コーナ出口制御手段(10d)は、例えばスロット
ル開度センサ(2d)からの信号に基づき、アクセル開
度変化率を検出し、該アクセル開度の戻り方向の変化率
が所定値(θ)以下の場合、車輌が加速状態にあると判
断し、該アクセル開度の戻り方向の変化率が前記所定値
以上の場合、車輌が略々定速状態にあると判断してな
る、請求項1又は2記載の車輌の変速制御装置にある。
前記コーナ出口制御手段(10d)は、例えば車速セン
サ(2d)からの信号に基づき、所定時間の車速変化量
(V−Vo)を検出し、該車速変化量が所定値(λ)以
上の場合、車輌が加速状態にあると判断し、該車速変化
量が前記所定値以下の場合、車輌が略々定速状態にある
と判断してなる、請求項1ないし3のいずれか記載の車
輌の変速制御装置にある。
記自動変速機構は、前記駆動源と駆動車輪との間に介在
する無段変速機(20,9)であり、前記駆動力は、前
記無段変速機の変速比である、請求項1ないし4のいず
れか記載の車輌の変速制御装置にある。
構は、前記駆動源と駆動車輌との間に介在する有段自動
変速機であり、前記駆動力が小さくなる方向の変更は、
前記有段変速機の変速段をアップシフトすることであ
る、請求項1ないし4のいずれか記載の車輌の変速制御
装置にある。
モータジェネレータ又はモジュールジェネレータ及び内
燃エンジンであり、前記自動変速機構は、前記モータジ
ェネレータの正方向及び負方向の駆動力を制御する電気
制御装置である、請求項1ないし4のいずれか記載の車
輌の変速制御装置にある。
手段にて車輌がコーナ中を走行したことを検出した状態
(例えば図9,図10,図11参照)にあって、運転者
がアクセルペダルをオフからオンに切換える等により加
速を意図すると、車輌はコーナから脱出状態にあると判
断して、コーナ出口制御手段(10d)を作動する。こ
の状態では、例えばアクセル開度変化率、所定時間の車
速変化量により、車輌が加速状態にあるかを判断し、加
速状態にある場合、自動変速機構(例えばCVT)の駆
動力(例えば変速比)が小さくなる方向の変更が禁止さ
れ、また車輌が略々定速状態にある場合、上記禁止が解
除される。なお、駆動力なる用語は、モータジェネレー
タによる制御を含むために用いているが、変速機を介在
する場合、変速比が大きくなればそれに比例して正方向
駆動力が大きくなるので、変速比と実質的に同じ意味と
なり、一般の車輌では変速機が採用されているので、以
下通常では変速比という。
て、車輌が加速状態にある場合、自動変速機構は、変速
比が小さくなる方向の変速(アップシフト)が禁止さ
れ、比較的大きい変速比に保持された状態で加速状態を
維持し、素速くコーナから脱出し得る。そして、運転者
がアクセルペダルを戻す等により、車輌が略々定速状態
になると、上記禁止は解除され、自動変速機構は、車速
及びアクセル開度に対応するようにアップシフトされ
る。
は、図面と対照するためのものであるが、これは、理解
を容易にするための便宜的なものであり、本発明の構成
を何等限定するものではない。
コーナを脱出する際、加速状態にあると、駆動力(変速
比)が小さくなる方向の変更は禁止されて、大きな駆動
力(変速比)にて車輌を加速して、素速くコーナから脱
出でき、また略々定速状態になると、上記禁止は解除さ
れ、走行状況に合せて駆動力(変速比)が小さくなる方
向に変更され、運転者に違和感を与えることなく、素速
いコーナからの脱出を行うことができる。
ペダルのオフからオンへの切換えにより運転者の加速意
思を検出するので、通常車輌に備わっているアクセルセ
ンサにより確実かつ正確に運転者の加速意思を検出する
ことができる。
開度変化率により車輌の加速状態を判断するので、運転
者の意思を反映した車輌の加速状態を、通常車輌に備わ
っているスロットル開度センサからの信号に基づき確実
かつ正確に判断することができる。
の車速変化量により車輌の加速状態を判断するので、実
際の車輌の走行を反映した車輌の加速状態を、通常車輌
に備わっている車速センサからの信号に基づき確実かつ
正確に判断することができる。
等の駆動源と駆動車輪との間に無段変速機(CVT)を
介在した車輌に適用する場合、CVTは、その変速特性
から、変速比の変更が敏感に反応するが、本発明を適用
することにより、コーナ脱出時には、アップシフト側へ
の変速を確実に防止して充分な加速を行うことができる
と共に、コーナを脱出した状態にあっては、無段変速機
の変速比を適正な値に自動的に設定して、精度の高い車
輌変速制御装置を得ることができる。
駆動車輪との間に有段自動変速機を介在した車輌、即ち
通常のオートマチックミッション(AT)を搭載した車
輌に適用して、アップシフトを防止して素速い加速を行
うことができる。
ェネレータの駆動力を制御して道路状況に応じた駆動力
を設定するので、駆動源として電気モータを搭載した電
気自動車、並びに内燃エンジン及び電気モータを搭載し
たハイブリット車にも、本発明を適用して適正な変速制
御を行うことができる。
施の形態について説明する。図1は、本発明を適用した
車輌用変速制御装置のシステム全体を示すブロック図で
あり、車輌状態検出手段2、ナビゲーション装置3、エ
ンジン用制御部(ENG.ECU)5、無段変速機用制
御部(CVT・ECU)6、エンジン操作手段7、CV
T操作手段9、そしてナビ変速制御手段10を有する。
び運転者の意思を検出する手段であり、具体的には、ア
クセルペダルのオン・オフ及びアクセル開度量(踏込み
量)を検出するアクセルセンサ2a、ブレーキペダルの
操作及び非操作を検出するブレーキセンサ2b、CVT
の出力部の回転数を検出する車速センサ2c、スロット
ル開度を検出するスロットル開度センサ2d、ステアリ
ングの回動角(操舵角)を検出するステアリングセンサ
2e及びエンジン回転数センサ2f等を有している。
なるものであって、GPSレシーバ、地磁気センサ、距
離センサ、ジャイロセンサ等からなる現在位置検出部3
a、CD−ROM、MO等の地図情報を記憶した道路情
報記憶部3b、操作ボタン、タッチセンサパネル又は音
声入力装置等からなる入力部3c、及びCRT又はLC
パネル等の表示部3dを有しており、車輌の現在位置を
検出すると共に、運転者により入力された目的地までの
経路検索や案内、並びに車輌の進行方向に位置する道路
の情報、例えばカーブ、交差点、所定区間内におけるノ
ードやカーブ曲率半径、現在位置から交差点、カーブ区
間までの距離等が検出される。
ットからなり、運転者が操作したアクセル開度、即ち実
際のスロットル開度及び無段変速機用制御部6からの変
速比等の各信号を入力して演算し、所定出力信号をイン
ジェクタ等のエンジン操作手段7に出力する。
センサ2f、車速センサ2c及びモード選択部11から
の信号を入力して、該モード選択部で選択された最良燃
費特性又は最大動力特性になるように変速比を設定する
通常走行制御手段6aと、ナビ変速制御手段10からの
信号を入力して道路状況に適合した変速比を設定するナ
ビ情報走行制御手段6bとを有しており、これら制御手
段からの信号を油圧アクチュエータ等のCVT操作手段
9に出力する。
ーション装置3から得られる車輌進行方向前方の道路状
況に適合する最適駆動力(最適変速比)を演算する駆動
力(変速比)演算手段10aと、上記最適変速比に基づ
き、車輌が進行しようとする道路状況に対応する変速比
を設定するコーナ進入制御手段10bと、車輌が所定量
以上の走行方向の変更を必要とするコーナ中にあること
を検出し、該コーナ中に車輌が位置する際に適正な変速
比を設定するコーナ中制御手段10cと、前記車輌がコ
ーナ中から脱出状態にあることを検出して、車輌がコー
ナを脱出する際に適正な変速比を設定するコーナ出口制
御手段10dと、前記コーナ進入制御手段、前記コーナ
中制御手段及び前記コーナ出口制御手段により設定され
た各変速比の中で、最大変速比を選択する選択制御手段
10eとを有しており、該選択制御手段に選択された変
速比を上記CVT用制御部6のナビ情報走行制御手段6
bにそのフラグと共に出力する。
に、ナビゲーション装置3に内蔵されている制御部に格
納されているが、これに限らず、CVT用制御部に格納
してもよく、更に車輌用制御部として、上記ENG.E
CU5、CVT・ECU6及びナビゲーション装置制御
部を統合した制御部内に格納してもよい。
る無段変速機構の一例としてのベルト式無段変速機(C
VT)について説明する。CVT20は、発進装置とし
てのロックアップクラッチCL 付きトルクコンバータ2
1と、正逆転装置を構成するデュアルピニオンプラネタ
リギヤ22と、ベルト式無段変速装置23と、ディファ
レンシャル装置25とを備え、これら各装置が分割され
た一体ケースに収納されている。
S、リングギヤ22R、これらギヤにそれぞれ噛合する
2個のピニオン22P1 ,22P2 を支持するキャリヤ
22Cを有しており、サンギヤ22Sがトルクコンバー
タ21からの入力軸26に連結され、かつキャリヤ22
Cが無段変速装置23のプラネタリプーリ27に連結さ
れている。そして、該キャリヤ22Cとリングギヤ22
Rとの間に直結クラッチCが介在し、また前記リングギ
ヤ22Rとケース29との間に逆転用ブレーキBが介在
している。
プーリ27、セカンダリプーリ30及びこれら両プーリ
に巻掛けられる金属製等のベルト(若しくはチェーン)
31を有しており、かつ前記両プーリは、それぞれ固定
シーブ27a,30a及び可動シーブ27b,30bか
らなる。プライマリ側可動シーブ27bの背面にはダブ
ルチャンバ31a,31bを有する油圧サーボ31が配
設されており、またセカンダリ側可動シーブ30bの背
面にはプーリロード用スプリング32及びシングルチャ
ンバ33aを有する油圧サーボ33が配設されている。
そして、これら油圧サーボ31,33には、負荷トルク
に対応するベルト挟圧力を付与すると共に、所定変速比
になるように油圧が供給される。該油圧は、図示しない
油圧回路におけるリニアソレノイド弁(前記CVT操作
部9に相当)が、前記CVT・ECU6からの信号を入
力して適宜調圧されると共に、切換え弁等により切換え
られる。
ンタギヤ35を介してディファレンシャル装置25のリ
ングギヤ25aに連結されており、該プーリの回転が減
速してディファレンシャル装置25に伝達される。該デ
ィファレンシャル装置25は、上記リングギヤ25aの
回転をデフキャリヤ25bを介して左右サイドギヤ25
c,25dにその負荷に応じて伝達し、これらサイドギ
ヤは、それぞれ左右車軸36l,36rを介して駆動車
軸に連結されている。
シャフト39に連結しているトルクコンバータハウジン
グ21aに臨んで配置され、エンジン回転数を検出する
センサであり、また40は、プライマリ固定シーブ27
aに臨んで配置され、プライマリプーリ27の回転数を
検出する入力回転センサであり、更に41は、セカンダ
リ固定シーブ30aに臨んで配置され、セカンダリプー
リ30の回転数を検出する車速センサであり、これらプ
ライマリ及びセカンダリ回転センサ40,41からの信
号に基づき、ベルト式無段変速装置23従って無段変速
機20の実際の変速比が検出される。
に限らず、例えば特開平8−261303号公報に示さ
れる出力が0となる状態に自己収束する無段変速機(I
VT)、トロイダル式無段変速機、静油圧式無段変速機
(HST)等の他の無段変速機に同様に適用し得ること
は勿論、電気モータを駆動源とする電気自動車並びに電
気モータ及び内燃エンジンを駆動源とするハイブリット
自動車における上記モータジェネレータによる駆動力制
御装置等、車輪への駆動トルクを無段に制御し得るもの
にも同様に適用し得る。更に、有段自動変速機(オート
マッチクトランスミッション)を搭載した車輌にも、最
適変速比に最も近い変速段を設定することにより、同様
に適用可能である。
明に係るナビゲーション装置から道路情報に基づく変速
制御について説明する。図3は、上記変速制御(ナビC
VT)の全体を示すフローチャートであり、ナビゲーシ
ョン装置3の道路情報記憶部(道路データファイル)3
bに基づき算出された、車輌現在位置から進行方向所定
範囲の道路情報、例えばカーブの曲率半径等及び現在の
車輌位置から上記カーブのコーナまでの距離、道路の勾
配等が入力され(S1)、またアクセルセンサ2a、ブ
レーキセンサ2b、車速センサ2c等の車輌状態検出手
段2からの車輌情報、例えば、アクセルペダル、ブレー
キペダルの運転者のイベント情報(減速操作情報)、車
速、CVT変速比等が入力される(S2)。
情報記憶部12には、図4に示すように、道路データが
ノード及びノード間を結び線として格納されている。即
ち、図4中、実線Rは道路の形状を示しているが、ここ
で、道路は、ノードN1,N2,N3…N12と、前記
各ノード間を結ぶ線分であるリンクによって表現されて
おり、各ノードは、絶対座標である緯度及び経度等の座
標により定義されている。更に、道路形状は、上記ノー
ドやリンクのみならず、標高によっても定義されてい
る。標高データは、左右上下所定間隔(例えば250
m)のマトリクス状の各点において保持されており、例
えば図中11−11の地点で標高24m、11−12の
地点で標高28mというデータを有しており、各ノード
の標高は、上記各マトリクス地点の標高から線間補完し
て求められる。また、前記リンクは、その道路がどのよ
うな特性を有するかを示す道路属性データ及び道路種別
データ等により更に定義されている。ここで、道路属性
データは、道路の車線数、一方通行の有無、交差点の有
無、交差点の分岐数、距離、幅員、カント、バンク等で
あり、また道路種別データは、高速道路、国道、一般道
等の道路の種類である。
位置関係と、該ノードを取り囲む各標高データとの位置
関係によって、平均曲率、道路勾配、標高変化率、カー
ブの曲率半径等が求められる。即ち、3個のノード位
置、例えばN1,N2,N3から該N1〜N3区間の道
路の曲率半径が求められ、更にN2,N3,N4から該
N2〜N4区間の道路の曲率半径が、ついでN3,N
4,N5から該N3〜N5区間の道路の曲率半径が、次
々と求められ、前記標高データと相俟って、上記道路の
状況が正確に求められる。なお、データ量を小さくする
ため、マトリクス状に標高点を保持している、ノード毎
に標高データを持つことも可能であり、また道路の区間
毎に、例えばリンク毎に勾配値を予め持つようにして、
これを用いることも可能である。
路が設定されており、該予定走行経路とは、ナビゲーシ
ョン装置において目的地までの走行経路が予め設定され
ている場合は、その設定された経路であり、設定されて
いない場合は、例えば車輌が自然に進行する場合に通過
することが予想される経路(道路種別、道路属性が現在
走行している種別と同じ経路)とすることができる。そ
して、現在位置検出部3aからの信号に基づき、上記道
路上の車輌現在位置が求められ、現在位置を含むその進
行方向前方における所定範囲(例えば現在位置から1k
m)における上記カーブ等の道路状況及び現在位置から
そこまで(例えば各ノード)の距離が求められ、ナビ変
速制御手段の変速比演算手段10a(図1)に入力され
る。なお、上記道路状況は、図4に示すようにカーブに
限らず、交差点及びT字路等でも同様に求められ、本発
明を適用し得る。
入力された道路情報及び車輌情報により推奨車速Vrが
算出される。図5に示すように、推奨車速データテーブ
ル(マップ)が用意されており、推奨車速Vrは、前記
道路情報から各ノードに基づき求められたカーブ(コー
ナ)の曲率半径Rにより定められ、即ち該曲率半径が小
さくなるに従って推奨車速が低くなるように設定されて
おり、各ノード地点毎の通過推奨車速Vrが設定され
る。なお、該推奨速度Vrは、そのカーブ(コーナ)を
通過するのに安定して通過できる速度をいう。また、該
推奨車速Vrは、上記各ノード毎に設定するものに限ら
ず、前記リンクを等間隔に分割した一定距離毎に仮のノ
ード点(補完点)を設定してもよい。該補完点を設定す
ることにより、道路の形状(カーブ、コーナ)を詳細に
判断できるので、より道路状況に適合した推奨車速(駆
動力)を設定することができる。
ードにおける推奨車速Vrになるように必要減速度が算
出される。図6に示すように、車輌現在位置における車
速(現在車速)Voと、車輌現在位置から進行方向前方
所定範囲(例えば200m)内における各ノードN1,
N2,N3…の前記推奨速度Vr1,Vr2,Vr3
と、現在位置から各ノードN1,N2,N3までの距離
L1,L2,L3とから、前記各ノードにおける推奨速
度となる点P1,P2,P3に滑らかになるように、所
定マップ又は所定式により必要減速度(減速加速度)が
算出される。即ち、現在点Poから各点P1,P2,P
3に至る曲線上の接線の勾配が求められ、該勾配が各ノ
ードの推奨速度を満足するための必要減速度となる。
2,N3について説明したが、隣接する前後のノードに
より所定ノード(例えばN1,N2,N3からN2のノ
ード)地点での曲率半径が順次入力され、現在位置から
所定範囲内のすべての各ノードN1 ,N2 …Nn に対し
て推奨車速Vr1,Vr2…Vrnが算出され、更に各
ノードまでの距離L1 ,L2 …Ln とから点P1,P2
…Pnが求められて、すべてのノードに対する減速する
度合い、即ち減速度dが算出される。
てあるが、例えば道路勾配に対応する複数のマップを用
意するか、又は勾配データにより上記平地用のマップ又
は式を補正する等により、道路勾配を考慮して上記減速
度dを算出することが好ましい。更に、1名乗車と4名
乗車等の車輌重量を、例えば特定の出力軸トルクが発生
している場合の加速度によって算出して、該車輌重量を
考慮して上記減速度dを補正してもよい。
必要減速度dに基づくCVT20の最適変速比Ipを算
出する。予め車輌重量等の慣性力が解っている関係上、
制御を行う車輌特性から、図7に示すように、CVTの
変速比Ipをパラメータとした車速と減速度との関係の
マップを用意することができる。そして、現在車速Vo
と前記各ノードに係る必要減速度dから、その交点Ip
xが求められ、該交点Ipxを、パラメータである変速
比Ipから線間補完して変速比(プーリ比)が求められ
る。なお、該必要減速度を満足するための最適変速比I
pxは、上記マップに限らず、数種のプーリ比における
特性を数式化して、これらを算出補完することによって
も求められる。即ち、本ナビ変速制御にあっては、カー
ブ等の減速を必要とする制御である関係上、一般に、ア
クセルペダルはOFFの状態にあり、車輪からエンジン
方向へ動力が伝達される負駆動力状態(いわゆるエンジ
ンブレーキ状態)にあって、エンジンは、上記車輪慣性
トルクを吸収するものとして機能し、上記必要減速度か
らCVTの最適変速比が設定される。なお、上記図7に
示すマップは、走行抵抗等の環境的な因子をも考慮して
作られることが望ましい。
系に対し、目標となったノードで推奨車速と自車速を一
致させるため、減速させるのに必要な駆動力、即ち減速
トルクを算出することにより求めてもよい。即ち、車輌
を減速させるのに必要な駆動力Fは、F=mdで算出さ
れる。ここで、mは、車輌質量であり、前述したように
乗員の人数等により補正することが可能であり、dは前
記ステップS4にて算出された減速度(減速加速度)で
ある。更に、この駆動力Fから、F=KTなる式に基づ
き、減速に必要なトルク(減速トルク)Tが算出され
る。ここで、Kは車輌特性を示す因子であり、車輌特有
のタイヤ径や減速比等に応じて決定される値である。そ
して、該減速トルクに基づき、例えば図7の必要減速度
の代りに該減速トルクを置いたマップ又は式により、最
適変速比が決定される。なお、該減速トルクは、電気自
動車又はハイブリット車輌にあって、直接駆動力制御を
行う場合に有用である。
速比の算出について説明したが、多段式自動変速機(い
わゆるオートマチックトランスミッション;AT)に適
用することも可能であり、この場合、上記ステップS5
にて求められた最適変速比に最も近い変速段を最適変速
比とし採用する。また、電気モータ又はモータジェネレ
ータにより駆動力制御を行う場合、上記減速トルクを出
力するように上記電気モータ又はモータジェネレータを
制御する。即ち、車輪から駆動源方向の負トルクが上記
減速トルクとなるが、電気モータの場合、回生ブレーキ
として上記減速トルクに相当するように制御し、ハイブ
リット車輌の場合、内燃エンジン出力に上記減速トルク
を加えたトルクを、モータジェネレータにて発電するよ
うに制御することが考えられる。
ナ進入制御が行なわれる。該コーナ進入制御は、図8に
示す通り、まず、運転者の減速操作として、アクセルセ
ンサ2aに基づきアクセルペダルがONからOFFへの
変化があったか判断される(S20)。なお、このよう
に運転者が何らかの操作した時にある変化があった瞬間
をイベントと称し、上記ステップS20はアクセルイベ
ントと呼ぶ。上記アクセルペダルのON→OFFへの切
換え(YES)は、運転者が減速をしようとする意思が
あるものと判断し、前記ステップS5にて算出した最適
変速比を推奨変速比と設定して、該推奨変速比がコーナ
進入制御にて設定されたことを示すフラグを立てる(S
21)。
がない場合(NO)、運転者の減速操作としてアクセル
ペダルがOFF状態にあるか否か判断される(S2
2)。そして、アクセルOFF状態にある場合(YE
S)、前記算出した最適変速比に0.8を乗じた値を推
奨変速比に設定して、上記ステップS21と同様にフラ
グを立てる(S23)。該アクセルOFFが所定時間連
続している状態は、運転者は、少なくとも現状以上に減
速度(減速加速)を大きくする意思がない状態、例えば
定速状態(コースト状態)を維持するものと判断して、
最適変速比よりも弱い減速を達成するため、1より小さ
い係数(例えば0.8)を乗じて前記最適変速比より僅
かにアップシフト側にシフトした変速比を推奨変速比と
して設定する。
合(NO)、運転者の減速操作としてブレーキセンサ2
bに基づきブレーキペダルが踏まれているか否か判断さ
れる(S24)。ブレーキが作動しているON状態の場
合(YES)、前記最適変速比に1より大きい係数(例
えば1.2)を乗じた値を推奨変速比に設定して、上記
ステップS21と同様にフラグを立てる(S25)。該
ブレーキON状態は、運転者は、大きく減速する意思が
あるものと判断して、最適変速比よりも強い減速が作用
するように、1より大きい係数(例えば1.2)を乗じ
て前記最適変速比より所定量ダウンシフト側にシフトし
た変速比を推奨変速比として設定する。
OFFからONへの変化があったか(ブレーキイベント
があったか)に応じて上記ステップS24の判断をして
もよい。また、図示しないブレーキ踏圧力センサを設
け、運転者により踏まれたブレーキペダルの踏圧力の大
小により、上記ステップS24の判断をしてもよく、更
には最適変速比に乗ずる係数を更に細かく設定してもよ
い。
O)、アクセルペダルがON状態にありかつブレーキが
作動していない状態であり、この場合、CVT制御部
(ECU)6は、ナビ変速制御手段10からの変速比指
令より優先して、通常制御走行手段6aにより車速及び
スロットル開度に基づく最良燃費特性又は最大動力特性
に応じた所定変速比が設定される(S26)。この場
合、一般に運転者による減速は要求されていないので、
小さい変速比(例えばIp=0.5)に設定される。
等の道路状況(カーブ状況)に拘らず、各ノードN1 ,
N2 …Nn 毎にそれぞれ設定される最適変速比に基づき
順次行なわれる。即ち、図4にあって、コーナN4に対
してノードN1,N2,N3がコーナ進入路であり、コ
ーナN7に対してノードN5,N6がコーナ進入路に相
当するとしても、現実の道路状況によるコーナ進入路に
拘りなく、すべてのノードN1 ,N2 …N4 …N7 …N
n に対して、上記コーナ進入制御が順次行なわれる。
ナ中制御が行なわれる。該コーナ中制御が作動するコー
ナ中か否かの判定は、一例として図9に示すように、ナ
ビゲーション装置の道路データベースに基づき行なわれ
る。図9において、まずステップS30により、GPS
レシーバ等の現在位置検出部3aに基づく車輌現在位置
が判定され、該現在位置における前記ステップS3に基
づく推奨車速、厳密には現在位置と最も近いノードにお
ける推奨車速Vrが求められ、該推奨車速が所定速度α
[km/h]、例えば40[km/h]と比較される
(S31)。推奨車速Vrは、前記ステップS3にて求
めたものであり、各ノードにおける道路のカーブ曲率半
径等により算出され、従って推奨車速Vrが所定値以下
であるきついカーブの場合(YES)、コーナ中と判定
される(S32)。また、推奨車速が所定速度以上の場
合(NO)、コーナ中でないと判定される(S33)。
判定された場合、現在車輌はコーナ中を走行していると
判断して、コーナ中判定フラグを立て、アップシフトを
禁止すると共に、ダウンシフトを制限する(S34)。
該ステップS34のコーナ中制御は、図12にて後述す
るが、一般に、車輌がコーナ(所定曲率半径以下のきつ
いカーブ)を走行する場合、車速が高すぎると、サイド
フォースにエネルギが喰われるため、該コーナの曲率半
径に適合した変速比、即ち該曲率半径に対応した車輌に
作用する遠心力よりも接線方向の力が大きくなる変速比
(車速)を維持して走行することが望まれる。また、コ
ーナ走行中に急激に減速すると、駆動力がタイヤの摩擦
力の限界に近い(又は越える)値にあり、車輌の挙動の
安定感が損なわれる。
ナ進入制御にて、運転者が減速意思を示さずに(即ちス
テップS26;指令なし)、コーナの中に入って来た場
合、2つの問題を生じる。1つ目は、アクセルペダルの
踏込みを緩めると、CVTはその変速特性からアップシ
フト側(変速比が小さくなる方向)に変速されてしまう
(オフアップ)ことであり、その2つ目は、コーナ中に
おいて一番減速を必要とされる箇所(曲率半径が一番き
ついノードに対応)に対応するように減速(ダウンシフ
ト)させる際、通常と同じ変速操作では、減速度(減速
加速度)が大きく、車輌の挙動に影響を与える虞れがあ
ることである。
から、アップシフトを許可しないように設定し、かつ一
番減速が必要とされる箇所までの減速する際、CVTの
変速ゲインを変更して、減速度を小さく、即ち目標変速
比になるまでの時間を通常の場合より大きく設定して、
ゆっくりと変速する(S34)。なお、ステップS33
にてコーナ中でないと判断した場合、CVT・ECU6
に対しての指令値を設定せず、従ってCVTは、コーナ
進入制御手段10b又は通常制御手段6aにて制御され
ることになり、かつ前記ステップS32で立てられたコ
ーナ中判定フラグをクリアする。
すフローチャートで、ナビゲーション装置3に配設され
ているジャイロセンサに基づく制御を示す。図中S30
は、図9と同様に、車輌の現在位置を判定するステップ
である。そして、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等
のジャイロセンサにより車輌の回転角加速度、即ち現在
の旋回横加速度Gを算出し、該旋回横加速度Gと予め設
定されている所定値β[m/s2 ]と比較する(S3
5)。上記横加速度Gが所定値β以上である場合(N
O)、図9と同様に、コーナ中と判定してコーナ中判定
フラグを立て(S33)、アップシフトを禁止すると共
に、ダウンシフトを制限し(S34)、また上記横加速
度Gが所定値β以下である場合(YES)、コーナ中で
ないと判定し(S33)、変速指令を発信しないと共に
上記コーナ中判定フラグをクリアする。
施例を示すフローチャートで、車輌検知手段(車輌セン
サ)に基づく制御を示す。なお、図中においてステップ
S30,S32,S33,S34については、図9及び
図10のものと同様なので説明を省略する。ステップS
36において、ステアリングセンサ2eからの操舵角
が、直進に対して所定値γ[rad]以下にあるか、又
は左右輪(駆動輪及び非駆動輪のどちらかでもよい)の
回転数を検出してその回転数差が所定値δ[rpm]以
下か、又はVSC(Vehicle Stabilit
y Control)システムからの情報、即ち車輌が
急ハンドル操作等により横滑りすることを防止するシス
テムから得られるVSC所定レベル(車輌横滑り発生判
定レベル)が所定値ε以下か、を判断する。なお、車輌
情報(操舵角、左右輪回転数差、VSC判定レベル)
は、そのいずれか1個を採用すれば足りるが、その内の
複数を検出して、コーナ中の判定をより正確にしてもよ
いことは勿論である。そして、上記操舵角が所定値γ以
上の場合、左右輪回転数差が所定値δ以上の場合、VS
C判定レベルが所定値ε以上の場合、コーナ中と判定し
(S32)、また各車輌情報が所定値以下の場合、コー
ナ中でないと判定する(S33)。
34のサブルーチンについて説明する。まず、ステップ
S40において、前記ステップS32にてコーナ中判定
フラグが立った時の、CVT・ECU6が指令している
現在のCVT操作部9への変速比指令値を基準値とし
て、記憶・保持する。そして、前記図8に示すコーナ進
入制御において算出した各ノードでの推奨変速比(S2
1,S23,S25参照)と上記基準値として保持され
る実際の変速比とを比較する(S41)。上記推奨変速
比が基準値より大きい場合(YES)、即ち実際の変速
比がカーブ曲率半径に対応した推奨変速比に対して高速
側にある場合、減速指令が充分でないとして前記推奨変
速比を指令値と設定すると共にコーナ中制御での指令値
である旨のフラグを立て(S42)、更に、該カーブ曲
率半径に対応する推奨変速比を基準値として設定・変更
する(S43)。この際、後述するように、コーナ中で
ある旨のフラグ(信号)に基づき、CVT・ECU6が
変速指令を行う際に、前記推奨変速比を目標値とするC
VTの変速ゲインを変更して、ゆっくりとした操作速度
で目標値となるようにして、急激なダウンシフトを防止
する。
ち実際の変速比が推奨変速比に対して低速側にある場
合、既に充分な減速指令状態にあって安全性が高いと判
断して、上記ステップS40で保持されている実際の変
速比を指令値として設定する。これにより、コーナ中制
御が選択された場合、アップシフトが禁止され、例えオ
フアップ状態となったとしても、CVTは、現在の変速
比に保持される。
制御と同様に、順次刻々と行なわれる。前記コーナ進入
制御において、例えば運転者がアクセルペダルをOFF
せずに、軽く踏んだ状態で上記コーナ中制御に入ると、
ステップS26にて指令なし状態にあって、この場合、
一般に、トルクが要求されていないので、後述するCV
T・ECU6(通常走行制御手段)の判断結果に基づ
き、CVT変速比は最高速位置(例えばIp=0.5)
又はそれに近い位置にあり、この状態でコーナ中制御に
入ると、カーブ曲率半径に応じた推奨変速比が指令され
るが、その際の変速ゲインは、後に詳述するように、滑
らかな減速操作変速にて行なわれる。また、前記コーナ
進入制御からコーナ中制御にかけて、運転者がブレーキ
ペダルを踏んで低速にした状態からアクセルペダルを踏
込んで加速しようとする場合、コーナ中制御において、
実際の基準値が推奨変速比より低速側となるが、この場
合、アクセルペダルを緩めて又はOFFするなどして、
通常アップシフト側に変速比が変更される状況になって
も、該アップシフトは禁止されて、前記基準値にホール
ドされる。
出口制御が行なわれる。車輌がコーナを脱出する場合、
道路の状況と運転者の脱出意思(加速意思)を考慮し
て、車速をスムーズに上昇させることが望ましい。従っ
て、従来の技術で述べたように、道路状況(カーブ及び
低摩擦係数(μ)道路)によってのみ変速段をホールド
すると、運転者がアップシフトを望んでも、変速段がホ
ールドされたままの場合もあり、運転者の脱出意思と一
致せず、違和感につながる。
ーナ出口制御のサブルーチンを示す図であり、アクセル
開度に基づき運転者の意思を判定するものである。ま
ず、前記ステップS32(図9,図10,図11)にて
述べたコーナ中判定フラグが立っているか否かによりコ
ーナ中制御有りか否かを判断し(S50)、コーナ中制
御有りの場合(YES)、アクセルペダルがOFFから
ONへの変化(イベント)があったか否かを判断する
(S51)。即ち、コーナ中制御が有ってコーナを車輌
が走行した状態で、アクセルセンサ2a(図1)がON
からOFFへ切換わってアクセルのオンイベントがある
場合、運転者は、コーナを脱出する意思があると判断
し、脱出開始フラグを立てる(S52)。一方、コーナ
中制御がない場合、即ちステップS32でのコーナ中判
定フラグが立っていない場合、又はコーナ中制御が有っ
ても、アクセルのオンイベントがない場合(NO)、コ
ーナ脱出意思なしとして脱出判定なしと判断し、上記脱
出開始フラグが立っている場合はこれをクリアする(S
53)。
定した場合、スロットル開度センサ2d(図1)からの
信号に基づきアクセル開度の戻し方向の変化率、即ち運
転者が行うアクセルペダルの操作速度(開度/時間)が
所定値θより大きいか否か判断する(S54)。そし
て、アクセル開度変化率(戻し側)が所定値θより小さ
い場合(NO)、即ち運転者が、アクセルペダルを踏ん
だ後、その状態で大きく移動しない場合、運転者は加速
を要求し続けて車輌は加速状態にあると判断し、車速が
増加して、例え通常制御ではアップシフトする状態とな
っても、アップシフトが禁止され、前記コーナ中制御に
て設定された比較的大きい値である低速側変速比(ステ
ップS43又はS44にて設定される基準値)にホール
ドされ、該大きい変速比により運転者の加速意思に沿っ
て車輌を加速する(S55)。
戻し方向変化率が所定値θ以上の場合(YES)、即ち
運転者が、充分に加速されたと判断してアクセルペダル
を所定速度以上で戻した場合、運転者に加速意思がなく
車輌は略々定速状態になると判断して、上記ステップS
55でのアップシフト禁止を解除すると共に、前記ステ
ップS32でのコーナ中判定フラグをクリアし、かつ通
常走行制御手段6aのマップに沿って、上記アクセル開
度及び車速に基づき変速比をアップシフトすることを許
可する(S56)。なお、上記ステップS55を経由し
てリターン(S57)した場合、ステップS56でコー
ナ中判定フラグがクリアしていない以上、コーナ中制御
有り(S50;YES)であり、かつ該この状態で既に
アクセルOFF→ONのイベントがあるので(S51;
YES)、何サイクルでも繰返してステップS54にて
アクセル開度変化率が判断される。
よるサブルーチンを示す図で有り、車速に基づき判定す
るものである。なお、本実施例にあっても、図13にて
説明したステップS50,S51,S52,S53,S
55,S56は同様なので、説明を省略する。コーナ中
判定フラグが立っているコーナ中制御有りであり(S5
0;YES)、かつアクセルペダルのOFFからONへ
のイベントがある場合(S51;YES)、脱出開始と
判定されてフラグが立てられる(S52)。更に、該判
定時点での車速センサ2c(図1)による車速が基準車
速Voとして記憶・決定されると共に、タイマにより所
定時間(4〜16[ms])保持・遅延される(S5
9)。そして、該所定時間が経過すると、該所定時間経
過時点での現在の車速Vと上記記憶されている基準車速
Voとの差(V−Vo)が所定値λと比較され(S6
0)、該差が所定値λよりも大きい場合(YES)、車
輌は実際に加速状態にあって運転者は加速意思があると
判断して、ステップS55に進みアップシフトが禁止さ
れる。また、上記差が所定値λよりも小さい場合、例え
ば何回目かのサイクルで、運転者の意図する車速に達し
て、運転者がアクセルペダルを緩める等により定速状態
にすると、ステップS59で決定された基準車速Vo
と、それよりも所定時間経過した現在車速Vとが略々同
じになる場合(V≒Vo)、ステップS56に進み、ス
テップS55のアップシフト禁止が解除されると共に通
常走行制御手段により変速比が設定される。なお、上記
所定値λは、正の値であり、例えば基準車速Voの1割
程度とする定率値でも、また5[km/h)等の定数値
でも、更にはこれらを組合わせた値でもよい。また、上
記図14に示すフローチャートは、ステップS59にて
所定時間遅延保持しているが、これを各サイクル毎又は
数サイクル毎に記憶された基準車速Voと、現在車速V
とを比較するようにしてもよい。
定された場合、車輌が加速状態にある場合はアップシフ
トが禁止され、車輌は比較的大きい変速比により加速し
つつカーブコーナを素速く脱出でき、そして車輌が充分
に加速されて略々定速状態になると、上記アップシフト
の禁止は解除されて、車速及びスロットル開度に応じた
変速比になるようにアップシフトされる。
は、上記ステップS54によるアクセル開度変化率及び
ステップS60による車速差に限らず、例えばスロット
ル開度変化率に基づくエンジン出力トルクの変化又はC
VT入力回転軸の回転変化等によっても、同様に運転者
の加速意思を判断できる。
コーナ進入制御、コーナ中制御及びコーナ出口制御にお
いてそれぞれ設定された変速比の中から最も大きい変速
比が選択される。即ち、コーナ進入制御において、カー
ブの曲率半径等のナビゲーション装置から得られる道路
情報に対応する最適変速比に基づき設定される変速比
(S21,S23,S25参照)と、コーナ中制御にお
いて、ホールド又は変更された基準値(ステップS4
4,S43参照)と、コーナ出口制御においてアップシ
フト禁止された変速比又は許可された変速比(S55,
S56参照)との中で最も大きい変速比(低速側変速
比)が選択される。
進入制御、コーナ中制御、コーナ出口制御が連続して一
連に実行されており、山道や首都高速道路等のカーブが
連続している場合(一方向に曲率の異なるカーブが連続
している場合及び方向が異なるカーブが連続している場
合を含む)、現在車輌がカーブのどの状態にあるのか不
明であっても、各制御が同時に変速比を設定し、その中
から最も大きい変速比を選択する(S9)。例えば、コ
ーナ進入制御において、運転者がアクセルオフ(オフイ
ベント)して、これから進入する前方カーブ曲率半径に
対応する推奨車速になるべく算出された最適変速比が設
定され(S21参照)、また同時に、現在車輌がコーナ
中にあると判定された状態(ステップS32)にある
と、車輌が位置するカーブ曲率半径に対応する推奨変速
比が設定され(S42,S43参照)、これらコーナ進
入制御による最適変速比とコーナ中制御による推奨変速
比のうちの大きい変速比が選択される。従って、次のカ
ーブの曲率がきつくなるカーブ道路、即ちコーナ中制御
中である車輌現在位置のカーブ半径に比し、次に進入し
ようとする車輌前方道路のカーブ半径が小さい場合、一
般に、カーブ進入制御による推奨変速比が採用され、反
対に次のカーブの曲率が緩くなるカーブ道路の場合、一
般に、カーブ中制御による推奨変速比が採用される。
より設定される変速比が、上記コーナ進入制御及びコー
ナ中制御にて設定された変速比と比較される。即ち、コ
ーナ中制御があって、アクセルオンのイベントがあり、
脱出開始と判定された場合(S52参照)、コーナ出口
制御にて設定されるアップシフト禁止された変速比が比
較される。一般には、ステップS55では、コーナ中制
御により設定された比較的大きい変速比に保持される
が、例えば運転者がコーナ出口制御にあってアクセルペ
ダルを急激に踏込むことにより(いわゆるキックダウ
ン)、変速比のダウンシフトが要求されると、該ダウン
シフトされた変速比が、上記コーナ進入制御及びコーナ
中制御の推奨変速比よりも大きくなり、該出口制御にお
ける変速比が採用される。
御がONである場合、常に作動して採用可能であるが、
コーナ中制御は、ステップS32にてコーナ中判定フラ
グが立っている場合にのみ作動状態にあって採用可能と
なるものであり、該コーナ中フラグは、ステップS33
によるコーナ中でないとの判定又はステップS56によ
るアップシフト許可判定によりクリアされる。更に、コ
ーナ出口制御は、コーナ中フラグが立っている場合で
(S50参照)かつアクセルOFF→ONのイベントが
ある場合(S51参照)に、ステップS52にて脱出開
始判定フラグが立ち、該フラグが立っている場合にのみ
作動状態にあって採用可能となるものであり、該脱出開
始判定フラグは、ステップS53の脱出なし判定又はス
テップS56のアップシフト許可判定によりクリアされ
る。
記ステップS9にて選択された各制御のステップ(コー
ナ進入制御のS21,S23,S25,コーナ中制御の
S44,S42(S43)、コーナ出口制御のS55)
に基づく信号、即ち各選択されたステップの内容である
変速比指令値が、当該ステップにて選択された値である
旨のフラグ(各ステップで立てられている)と共に、C
VT・ECU6に送信される。これにより、CVT・E
CU6において、ナビ情報走行制御手段6bによりコー
ナ進入制御が採用されている場合、図8に示すように、
アクセルペダルのON→OFFイベント、アクセルOF
F、ブレーキONの運転者の各減速操作により、カーブ
曲率半径等に対応する最適変速比に基づく推奨変速比が
CVTの変速目標値として、各ステップS21,S2
3,S25のフラグと共に選択される。また、コーナ中
制御が採用されている場合、図12に示すように、実際
の変速比と上記推奨変速比と比較されて、現在の変速比
(基準値)又は推奨変速比が変速目標値として、各ステ
ップS44,S42のフラグと共に選択される。更に、
コーナ出口制御が採用されている場合、図13又は図1
4に示すように、アクセル開度変化率、車速差(V−V
o)によりアップシフトが禁止された変速比が変速目標
値として、ステップS55のフラグと共に選択される。
検出することにより、コーナ中制御にあって推奨変速比
を目標値としてダウンシフトする際、変速ゲイン(スイ
ープゲイン)が変更されてゆっくりと変速操作される。
即ち、通常の変速制御にあっては、図15(a) に示すよ
うに、目標値に対し、最大変化量及び最大変化速度を制
御して、急激な実変速比の変化を抑えつつ、最適に目標
値に近づくように、適正な変速ゲインが設定されている
が、上記コーナ中制御の変速制御にあっては、図15
(b) に示すように、目標値に対して、実際の変速比がゆ
っくりと滑らかに変化するように、変速ゲインが変更さ
れる。
常走行制御手段6aに基づく変速比判定値(通常車輌判
定値)と、上述したナビゲーション変速手段10から送
信されているナビ判定値とが比較され、変速比の大きい
方が選択され、該選択された変速比になるように、CV
Tのアクチュエータ9が操作される。
更した実施の形態について説明する。前記実施の形態に
あっては、ステップS9(図3)において、コーナ進入
制御、コーナ中制御及びコーナ出口制御にて設定された
変速比の中で最も大きい変速比を選択しているが、本実
施の形態にあっては、図16のステップS12に示すよ
うに、走行状態の適合性を判断して、各制御の実施を選
択する。なお、他の点においては、先の実施の形態と同
様なので説明を省略する。
制御においてステップS32(図9,図10,図11参
照)にて立てられたコーナ中フラグがON(立てられて
いる)か否かが判断される(S70)。該フラグが立て
られていない場合(NO)、図8に示す通常のコーナ進
入制御が実施され、運転者の減速操作に基づき作動し、
これから進入しようとするカーブ(コーナ)の曲率半径
等に適合した最適変速比に上記減速操作の種類に基づく
係数を乗じた変速比を満足するように、現在の変速比が
設定される。
が立っていると判断される場合(YES)、更にステッ
プS58(図13,図14参照)にて立てられた脱出開
始フラグがON(立てられている)か否かが判断され
る。該脱出開始フラグがOFFの場合、即ちコーナ中フ
ラグがONで脱出判定がOFFの場合、図12に示すコ
ーナ中制御が実施される。
コーナ進入制御にて算出された、現在車輌が位置するコ
ーナ地点での推奨変速比(目標値)と実際の車輌の変速
目標値である基準値とが比較され(S74)(前記図1
2のステップS41と同様)、現在の目標値に比して、
推奨変速比(目標値)が大きい場合、スイープゲインを
下げて、即ち前記図15(b) で示すように変速操作速度
を遅くして、ゆっくりとコーナ進入制御で算出された推
奨変速比になるように変速比制御が実施される(S7
5)。また、現在の目標値が、前記推奨変速比(目標
値)に比して既に大きい場合(NO)、該現在の目標値
に変速比をホールドする制御が実施される(S76)。
Nの場合(YES)、図13に示すコーナ出口制御(脱
出制御)が実施される。具体的には、コーナ中制御後の
運転者の加速意思を見て作動し、加速意思が継続してい
る間は、アップシフトを禁止して、比較的大きい変速比
にて加速を確保し、運転者の加速状態の停止意思に基づ
き、アップシフトを許可する。
いて説明したが、交差点、T字路等の車輌の操舵を必要
とする道路には同様に適用することができ、またナビゲ
ーション装置からの道路情報としては主にカーブ曲率半
径について説明したが、道路勾配、道路の摩擦係数、道
路幅等の他の道路情報をも加味して変速比を設定しても
よいことは勿論である。
図。
T)を示す正面断面図。
ト。
めのマップを示す図。
ャート。
に基づく制御を示すフローチャート。
ロに基づく制御を示すフローチャート。
ンサに基づく制御を示すフローチャート。
ーチャート。
セル開度に基づく判定を示すフローチャート。
に基づく判定を示すフローチャート。
は、通常の変速ゲインによる制御を示し、(b) は、変速
ゲインを変更した制御を示す図。
フローチャート。
態の適合性判断を示すサブルーチンを示すフローチャー
ト。
トル開度センサ) 3 ナビゲーション装置 6 無段変速機制御部(CVT・ECU) 9,20 自動変速機構(CVT操作部、無段変速
機) 10 ナビ変速制御手段 10c コーナ中制御手段 10d コーナ出口制御手段
Claims (7)
- 【請求項1】 駆動源から駆動車輪へ駆動力を伝達する
自動変速機構を制御する車輌の変速制御装置において、 車輌が所定量以上の走行方向の変更を必要とするコーナ
中にあることを検出するコーナ中検出手段と、 運転者による加速意思を検出する加速意思検出手段と、 前記コーナ中検出手段がコーナ中を検出した状態におい
て、前記加速意思検出手段が加速意思を検出すると作動
し、車輌が加速状態にある場合、前記駆動力が小さくな
る方向の変更を禁止し、かつ車輌が略々定速状態にある
場合、前記駆動力が小さくなる方向の変更を許可するコ
ーナ出口制御手段と、 を備えることを特徴とする車輌の変速制御装置。 - 【請求項2】 前記加速意思検出手段は、アクセルペダ
ルがオフからオンに切換わることを検出するアクセルセ
ンサである、 請求項1記載の車輌の変速制御装置。 - 【請求項3】 前記コーナ出口制御手段は、アクセル開
度変化率を検出し、該アクセル開度の戻り方向の変化率
が所定値以下の場合、車輌が加速状態にあると判断し、
該アクセル開度の戻り方向の変化率が前記所定値以上の
場合、車輌が略々定速状態にあると判断してなる、 請求項1又は2記載の車輌の変速制御装置。 - 【請求項4】 前記コーナ出口制御手段は、所定時間の
車速変化量を検出し、該車速変化量が所定値以上の場
合、車輌が加速状態にあると判断し、該車速変化量が前
記所定値以下の場合、車輌が略々定速状態にあると判断
してなる、 請求項1ないし3のいずれか記載の車輌の変速制御装
置。 - 【請求項5】 前記自動変速機構は、前記駆動源と駆動
車輪との間に介在する無段変速機であり、 前記駆動力は、前記無段変速機の変速比である、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌の変速制御装
置。 - 【請求項6】 前記自動変速機構は、前記駆動源と駆動
車輌との間に介在する有段自動変速機であり、 前記駆動力が小さくなる方向の変更は、前記有段変速機
の変速段をアップシフトすることである、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌の変速制御装
置。 - 【請求項7】 前記駆動源は、モータジェネレータ又は
モジュールジェネレータ及び内燃エンジンであり、 前記自動変速機構は、前記モータジェネレータの正方向
及び負方向の駆動力を制御する電気制御装置である、 請求項1ないし4のいずれか記載の車輌の変速制御装
置。
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