JPH11190289A - 液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置 - Google Patents

液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置

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JPH11190289A
JPH11190289A JP35667197A JP35667197A JPH11190289A JP H11190289 A JPH11190289 A JP H11190289A JP 35667197 A JP35667197 A JP 35667197A JP 35667197 A JP35667197 A JP 35667197A JP H11190289 A JPH11190289 A JP H11190289A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】複列配置した深溝形玉軸受の機能及び信頼性を
向上させ、軸受の長寿命化を可能にする。 【解決手段】ポンプ軸5Aを支持する複数の軸受、及び
ポンプ軸近傍に設けられて軸受へのスラスト荷重の軽減
を行う軸スラスト平衡装置5Mを有するII軸型潜没ポン
プにおいて、軸スラスト平衝装置5Mの近傍でリングス
ペーサを介し複列配置した深溝型玉軸受の内輪側にリテ
ーナ5Kを設け、リテーナ5K上面着座面とリテーナ5
Kに着座する相手側回転軸着座面との間に、緩衝材12
A又は緩衝構造を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガス用ポンプ
装置に係わり、特に液化天然ガス等の液化ガスを貯蔵す
る液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液化天然ガス等の液化ガスを輸送する液
化ガス用ポンプ装置には、例えば、液化ガスタンク内で
用いられる、タンク内蔵式の液化ガスタンク用潜没ポン
プ装置があり、このような液化ガス用ポンプ装置では、
従来、例えば特開平8−296586号公報に示される
ように、静圧軸受および補助用の複列配置深溝形玉軸受
が採用されている。
【0003】ここで、かかる従来の液化ガス用ポンプ装
置について、液化ガスタンク用潜没ポンプ装置を例とし
て、図9を用いて説明する。
【0004】1は液化ガスタンクであり、1Aはガスタ
ンク1の天井板、そして、2は前記液化ガスタンク1内
に垂下された揚液管である。この液化ガスタンク1内に
垂下された揚液管2の下端には、吸込弁3が取り付けら
れ、この揚液管2の座面4には、前記の液化ガスタンク
用潜没ポンプ本体5が設置されており、6は、前記潜没
ポンプ本体5の外周に設けられた複数の吐出口である。
また、揚液管2の頂部には、ポンプ吊上機構を備えたヘ
ッドプレート7が設けられ、8は吊り上げ用ワイヤであ
り、9は給電ケーブルであり、10は巻き上げ機であ
る。
【0005】そして、前記液化ガスタンク用潜没ポンプ
本体5は、前記液化ガスタンク1の天井板1Aから鉛直
に垂下された揚液管2の内部に、前記ヘッドプレート7
から、前記吊り上げ用ワイヤ8によって、例えば深さ5
0m程度にまで吊り下げられて、前記揚液管2の下部の
前記座面4に着座して設置される。
【0006】また、この液化ガスタンク用潜没ポンプ本
体5には、給電ケーブル9によって電源が供給されてお
り、ポンプの運転が開始されると、液化ガスは吸込弁3
から吸い込まれて昇圧されてポンプ吐出口6から吐出さ
れ、図中に矢印で示すように、前記揚液管2内を上昇し
て吐出管11に送り出される。
【0007】次に、従来の液化ガス用ポンプ本体の例と
して、図10に示す液化ガスタンク用潜没ポンプ本体図
により説明する。
【0008】液化ガスタンク用潜没ポンプ本体5の構造
は、ポンプ回転軸5Aに、吸込性能向上のために取り付
けられたインデューサ5B、複数の羽根車5C及びサブ
マージドモータロータ5Dが固定され、これらは一体型
構造であり、一体となって回転するようになっている。
また、このポンプ回転軸5A、インデューサ5B、複数
の羽根車5C、サブマージドモータロータ5Dは、軸受
寿命が長く、制振性に優れた自液潤滑される静圧軸受
(上静圧軸受5E、中静圧軸受5F、下静圧軸受5G)
によって、半径方向に支持されている。また、上静圧軸
受5Eと中静圧軸受5Fには、ポンプ起動・停止時の補
助用軸受として、玉軸受(上玉軸受5H、中玉軸受5
I)を設けている。
【0009】ポンプが通常運転の状態(揚液管2がポン
プ吐出液で満たされている状態)では、玉軸受5H、5
Iの代わりに静圧軸受5E、5F、5Gが働くように、
例えば特公昭61−5558号公報に示されるようなバ
ランスディスク等からなる軸スラスト平衡装置5Mが構
成されている。これにより、ポンプ通常運転状態では軸
スラスト平衡装置5Mの機能により、ポンプ回転軸5A
が軸方向へ遊動し、中玉軸受5Iはハウジング5Lから
離脱浮上し、中玉軸受5Iに負荷されるスラスト荷重は
ゼロとなる。しかし、ポンプ5を起動した場合、吐出液
で揚液管2内が満たされるまでの数分間は、ポンプ5
は、所定の吐出圧力よりかなり低い吐出圧力で運転され
る。この数分間は、液を押し上げるだけのわずかな吐出
圧力だけで充分なためである。このため、軸スラスト平
衡装置5Mは機能せず、ポンプ回転体の重量や、羽根車
5Cの下向きの推力といった大きなスラスト荷重が中玉
軸受5Iに負荷される。特に、ポンプの大容量化等によ
って、揚液管2の大口径化がなされた場合、ポンプ5を
起動してから液が揚液管2を満たすまでに要する時間が
更に延長し、それに伴い、スラスト荷重が中玉軸受5I
に加わる時間も長くなり中玉軸受5Iの寿命も短くな
る。これに対処するため、中玉軸受5Iには、特開平8
−296586号公報に示されている単列深溝形玉軸受
を複列配置した複列配置深溝形玉軸受5I(以下複列玉
軸受と云う)を用い、玉軸受1個当たりに負荷される荷
重を低減させている。
【0010】また、前記複列玉軸受5Iは、特願平8−
139864号公報に示されているように、複列玉軸受
の間にリングスペーサ5Jを介しハウジング5Lに設置
し、リテーナ5Kにより玉軸受内輪を固定し、ポンプ運
転中の軸スラスト平衡装置5Mが機能する間は、回転軸
5Aがリテーナ5Kから浮上しスラスト荷重は負荷され
ず、スラスト平衡装置5Mが機能しないポンプ起動時に
は、回転軸が複列玉軸受の内輪に固定したリテーナ5K
に着座しそれぞれの玉軸受への荷重の等分配を確保して
いる。従来の技術では、ハウジング5Lに固定された複
列玉軸受5Iは、内輪側にリテーナを有し、ポンプ起動
・停止時には、回転軸5Aの着座面がリテーナ5K上面
に直接着座しポンプのスラスト荷重を受けるものとして
いた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図11に、液化ガスタ
ンク用立軸形潜没ポンプの起動直後のシステムヘッドカ
ーブを示す。この図11左側のカーブは、横軸が吐出流
量、縦軸が吐出圧力を示し、が起動時、以後、、
、と変化していく様子を示している。起動後約3分
後にの状態となって吐出管11から昇圧液化ガスが吐
出する。図11右側には、揚液管2と、ポンプ5と、ヘ
ッドプレート7と、吐出管11より成る例を示してい
る。
【0012】ポンプ5が起動した後最初の数分間は、ポ
ンプ5の吐出圧力が小さいために図10に示す軸スラス
ト平衡装置5Mは働かず、前記複列玉軸受5Iに羽根車
5Cの多大なスラスト力がかかった状態が続く。また、
この数分間は、ポンプ5の吐出圧力が小さいために、静
圧軸受5E、5F、5Gの軸受効果が小さく、回転軸5
Aは静圧軸受と回転軸との隙間一杯に振れ廻る。これら
の状態が組合わさると、図12に示すように回転軸5A
は、複列玉軸受用リテーナ5Kの下面着座面を支点とし
て振れ廻るような歳差運動を行う。この歳差運動の状態
では、回転軸5A下面の着座面が全面で着座せず点接触
の状態で着座し、多大なスラスト荷重を回転軸が傾いた
状態で受けるため、前記複列玉軸受5Iに不安定な荷重
がかかる状態となり、前記複列玉軸受5Iの摩耗を増加
させ、軸受寿命が低下する。
【0013】本発明の目的は、ポンプの大容量化、揚液
管の大口径化のもとで、複列配置した深溝形玉軸受の機
能と信頼性を向上させ、軸受の長寿命化を可能にする液
化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、液化ガスタ
ンク内に垂下された揚液管内に挿入され、液化タンクか
らの液化ガスを吸い込み吐出する液化ガスタンク用立軸
形潜没ポンプ装置において、ポンプ軸と、該ポンプ軸を
回転駆動する駆動部と、ポンプ軸に沿って駆動部よりも
下方の位置に設けられ液化タンクから吸い込んだ液化ガ
スを昇圧する羽根車と、羽根車で昇圧した液化ガスを吐
出する吐出穴と、ポンプ軸を支持する複数の軸受と、ポ
ンプ軸近傍に設けられて軸受へのスラスト荷重の軽減を
行う軸スラスト平衡装置と、軸スラスト平衝装置の近傍
に設けられた軸受は単列深溝形玉軸受をリングスペーサ
を介し複列配置し、複列配置した深溝型玉軸受の内輪側
にリテーナを有し、該複列配置深溝形玉軸受用リテーナ
上面着座面と該リテーナに着座する相手側回転軸着座面
との間に、緩衝材または緩衝構造を介在させる、ことに
よって達成される。
【0015】また上記発明は、ポンプ軸と、該ポンプ軸
を回転駆動する駆動部と、ポンプ軸に沿って駆動部より
も下方の位置に設けられ液化タンクから吸い込んだ液化
ガスを昇圧する羽根車と、羽根車で昇圧した液化ガスを
吐出する吐出穴と、ポンプ軸を支持する複数の軸受と、
ポンプ軸近傍に設けられて軸受へのスラスト荷重の軽減
を行う軸スラスト平衡装置と、軸スラスト平衝装置の近
傍に設けられた軸受は単列深溝形玉軸受をリングスペー
サを介し複列配置し、複列配置した深溝型玉軸受の内輪
側にリテーナを有する液化ガスタンク用立軸形潜没ポン
プ装置において、複列配置した深溝型玉軸受の外輪側と
該複列配置した深溝玉軸受が設置される相手側ハウジン
グの間に、予圧かけた緩衝材を介在させ支持する構造と
する、ことによって達成される。
【0016】液化ガスタンク用潜没ポンプ装置におい
て、ポンプ起動時、液化ガスが揚液管を満たし所定の吐
出圧力となり、スラスト平衡装置が作用するまでの数分
間、軸受に負荷されるスラスト荷重に対して、深溝形玉
軸受1個当たりに負荷する荷重を低減させ、軸受長寿命
化を図るために複列配置した深溝形玉軸受に関し、該複
列配置深溝形玉軸受の内輪側に設けたリテーナ上面接触
面と該リテーナに着座する相手側回転軸着座面との間
に、緩衝材または緩衝構造を介在させることによって、
または、内輪側にリテーナを設けた複列配置深溝形玉軸
受の外輪下面と相手側ハウジングの間に、予圧をかけた
緩衝材を介在させることによりポンプ回転軸の振れ廻り
による歳差運動が起きた場合においても、該リテーナ下
面着座面の傾きに、緩衝材または緩衝構造が追従し、こ
れによって、複列配置深溝形玉軸受の異常摩耗を防止
し、さらに軸受長寿命に対する信頼性の向上を図る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら、詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例として、図9、
図10で説明した液化ガスタンク用潜没ポンプ装置に本
発明を適用した場合のポンプ本体断面図である。また、
図2は図1に示すポンプ本体の中軸受部分の拡大図であ
り、図3から図8は、本発明の各種の実施例として、図
9、図10で説明した液化ガスタンク用潜没ポンプ装置
に本発明を適用した場合のポンプの中軸受部の断面図で
ある。図中、図9及び図10と同一符号のものは、従来
技術と同等部分であり、図1には示していないが、図9
と同じように液化ガスタンク、吐出管等が存在すること
は云うまでもない。
【0019】図1に示す本実施例の液化ガスタンク用潜
没ポンプ装置は、液化ガスタンク内に垂下された揚液管
2と、揚液管2の底部座面4に設置されたポンプ本体5
からなる。揚液管の底部には、吸込弁3が取り付けら
れ、ここより液化ガスを吸い込み、前記ポンプ本体5の
外周に設けられた複数の吐出口6から溶液管2内部に吐
出される。ポンプ本体5の構造は、ポンプ回転軸5A
に、インデューサ5B、複数の羽根車5C及びサブマー
ジドモータロータ5Dが固定され、これらは一体型構造
であり、一体となって回転するようになっている。ま
た、このポンプ回転軸5Aは、自液潤滑される静圧軸受
(上静圧軸受5E、中静圧軸受5F、下静圧軸受5G)
によって、半径方向に支持されている。また、上静圧軸
受5Eと中静圧軸受5Fには、ポンプ起動・停止時の補
助用軸受として、玉軸受(上玉軸受5H、中玉軸受5
I)を設けている。中軸受付近の拡大図を図2に示す。
【0020】ポンプが通常運転の状態では、軸スラスト
平衡装置5Mによるポンプ回転軸5Aの軸方向への遊動
により、回転軸5Iはリテーナ5Kから離脱(浮上)
し、中玉軸受5Iに負荷され、スラスト荷重はゼロとな
る。しかし、ポンプ5を起動した場合、吐出液で揚液管
2内が満たされるまでの数分間は、ポンプ5は、所定の
吐出圧力よりかなり低い吐出圧力で運転されるため、軸
スラスト平衡装置5Mは機能せず、ポンプ回転体の重量
や、羽根車5Cの下向きの推力といった大きなスラスト
荷重が中玉軸受5Iに負荷される。このため、中玉軸受
5Iには、単列深溝形玉軸受を複列配置した複列配置深
溝形玉軸受5I(以下複列玉軸受と云う)を用い、玉軸
受1個当たりに負荷される荷重を低減させている。ま
た、前記複列玉軸受5Iは、複列玉軸受の間にリングス
ペーサ5Jを介してリテーナ5Kにより玉軸受内輪を固
定し一体化させ、複列玉軸受のそれぞれの玉軸受への荷
重の等分配を確保している。
【0021】しかし図12に示すように、ポンプ起動後
の数分間は、回転軸5Aは、複列玉軸受用リテーナ5K
の上面着座面を支点として振れ廻るような歳差運動を行
う。
【0022】従来、歳差運動の状態では、リテーナ5K
下面着座面が全面で着座せず点接触の状態で着座し、多
大なスラスト荷重を回転軸が傾いた状態で受けていた。
本発明では、複列玉軸受用リテーナ下面着座面と該リテ
ーナに着座する相手側回転軸5A着座面との間に緩衝
材、または緩衝構造を介在させることを特徴としてお
り、図1及び図2に示す実施例では、複列玉軸受用リテ
ーナ下面着座面と該リテーナが着座する相手側回転軸5
A着座面との間に緩衝材として、皿状ばね12Aを設け
ている。これによって、ポンプ回転軸の歳差運動が起き
た状態においても、皿状ばね12Aがたわむことで複列
玉軸受用リテーナ5K上面着座面の傾きに追従し、リテ
ーナ上面着座面が皿状ばね12Aと点接触ではなく全面
で着座することによって、ポンプ回転軸の歳差運動を緩
衝させ、歳差運動時に複列玉軸受へ負荷される不安定な
荷重を低減させ、複列玉軸受の異常摩耗を防止すること
ができる。
【0023】緩衝材としては、図1、図2に示した皿状
ばね12Aの他にも各種考えられる。次に、図3に示す
のは緩衝材として板ばね12Bを用いた場合であり、図
3に示す板ばね12Bは、リング状の板の下面内側をテ
ーパ形状としてばねを形成し、また、リテーナ5Kとの
追従性を良くするために、板ばね12Bの周方向に複数
の切り込みと凸部13を設けている。
【0024】リテーナ5Kと回転軸5Aの間に緩衝材を
挿入する構造の他に、複列玉軸受用リテーナ下面着座面
と該リテーナに着座する相手側回転軸着座面を緩衝構造
とする方法もある。その例として、図4に、複列玉軸受
用リテーナ下面着座面15と該リテーナに着座する相手
側回転軸5Aの着座面を、それぞれ適当な円弧断面によ
り形成する球面座緩衝構造とする場合を示す。ポンプ回
転軸5Aが歳差運動をしてわずかに傾いた場合にも、図
12のように、リテーナ5K上面着座面14及び回転軸
5Aの着座面15を、着座する部分が点接触とならず全
面で着座するように適当な球面座構造とする。
【0025】さらに他の実施例を図5、6に示す。内輪
側をリテーナ5Kにより固定された複列玉軸受の外輪下
面と複列玉軸受が着座する相手側ハウジングの間に、緩
衝材設置させ、予め緩衝材に圧が加わるように、固定板
16により複列玉軸受外輪上面を固定する。図5には、
請求項2を実施した際、皿ばねを適用した場合、図6に
は、二枚のリングプレートの間に複数のコイルばね12
Cを介在させたものを示す。これらばね類の介在とし
て、図3に示すような板ばね、リングプレート全集を取
り巻く1コイルのばねを用いてもよい。
【0026】また、板ばね12Cは、皿ばね12A及び
コイルばね12Bと同様にハウジング5Lと板ばね12
Cを締結しても良いし、あるいは一体構造としても良
い。例として、図7、図8に板ばね12Cの取付け方法
の概念図を示す。図7は、板ばね12Bをハウジング5
Lと一体構造とした場合であり、ハウジング内部の複列
玉軸受用リテーナが着座する面に最初から板ばね12C
を形成させておけばよい。また、図8は板ばね12Bを
ハウジングにボルト等で締結する場合の一例であり、図
8に示す方法は、ハウジング5Lを上下に分割し、その
間に板ばね12Cを挟んで締結した場合である。図8の
ように板ばね12Cを締結する方法によれば、簡単に板
ばね12Cを交換することもできる。
【0027】これらにより、回転軸の歳差運動に対する
リテーナ着座面15の追従性を確保することができ、ま
たは、複列玉軸受の外輪下面に設けた緩衝材により回転
軸の歳差運動による挙動を吸収させることができ、回転
軸の歳差運動時に複列玉軸受へ負荷される不安定な荷重
を低減させ、複列玉軸受の異常摩耗を防止することがで
きる。
【0028】以上、本発明は、他の種類の液化ガス用ポ
ンプ装置の場合(例えば特公平7−65588号公報に
示されるような、サクションケーシング内にポンプを収
納するポット式液化ガス用ポンプ)にも当然適用でき
る。また、液化ガスに限らず、低温液体を取り扱うポン
プにも有効な発明である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、複列玉軸受用リテーナ
上面着座面と該リテーナに着座する相手側回転軸着座面
との間に緩衝材として各種のばねを設ける構造、及び複
列玉軸受用リテーナ上面着座面と該リテーナに着座する
相手側回転軸着座面を球面座とした緩衝構造とする構
造、または、内輪側をリテーナによって固定した複列玉
軸受の外輪下面と該複列玉軸受が着座する相手側ハウジ
ングの間に予圧をかけた緩衝材を介在支持する構造によ
って、ポンプ起動時に起こるスラスト荷重が複列玉軸受
に作用した状態でのポンプ回転軸の歳差運動に緩衝材、
緩衝構造が追従することによって、複列配置深溝形玉軸
受の異常摩耗を防止し、さらに軸受長寿命に対する信頼
性が向上し、これによって、液化ガスタンク用潜没ポン
プ装置の長期安定運転を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す液化ガス用ポンプ本体
断面図。
【図2】本発明の実施例を示すポンプ中軸受部拡大図。
【図3】本発明の他の実施例を示すポンプ中軸受部拡大
図。
【図4】本発明のさらに他の実施例を示すポンプ中軸受
部拡大図。
【図5】本発明のさらに他の実施例を示すポンプ中軸受
部拡大図。
【図6】本発明のさらに他の実施例を示すポンプ中軸受
部拡大図。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示すポンプ中軸受
部拡大図。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示すポンプ中軸受
部拡大図。
【図9】液化ガスタンク用潜没ポンプ装置全体図。
【図10】従来の液化ガスタンク用潜没ポンプ本体断面
図。
【図11】液化ガスタンク用潜没ポンプの起動直後のシ
ステムヘッドカーブ図。
【図12】ポンプ回転軸の歳差運動説明図。
【符号の説明】
1 液化ガスタンク 1A タンク天井板 2 揚液管 3 吸込弁 4 座面 5 液化ガス用ポンプ本体 5A 回転軸 5B インデューサ 5C 羽根車 5D サブマージドモータロータ 5E 上静圧軸受 5F 中静圧軸受 5G 下静圧軸受 5H 上補助玉軸受 5I 中補助玉軸受(複列配置深溝形玉軸受) 5J リングスペーサ 5K リテーナ 5L ハウジング 5M 軸スラスト平衡装置 6 ポンプ吐出口 7 ヘッドプレート 8 吊上ワイヤ 9 給電ケーブル 10 巻き上げ機 11 吐出管 12A 皿ばね 12B 板ばね類 12C コイルばね 13 突起物あるいは凸部形状 14 リテーナ上面着座面球面座部 15 回転軸側着座面球面座部 16 固定板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液化ガスタンク内に垂下された揚液管内に
    挿入され、液化タンクからの液化ガスを吸い込み吐出す
    る液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置において、ポ
    ンプ軸と、該ポンプ軸を回転駆動する駆動部と、ポンプ
    軸に沿って駆動部よりも下方の位置に設けられ液化タン
    クから吸い込んだ液化ガスを昇圧する羽根車と、羽根車
    で昇圧した液化ガスを吐出する吐出穴と、ポンプ軸を支
    持する複数の軸受と、ポンプ軸近傍に設けられて軸受へ
    のスラスト荷重の軽減を行う軸スラスト平衡装置と、軸
    スラスト平衝装置の近傍に設けられた軸受は単列深溝形
    玉軸受をリングスペーサを介し複列配置し、複列配置し
    た深溝型玉軸受の内輪側にリテーナを有し、該複列配置
    深溝形玉軸受用リテーナ上面着座面と該リテーナに着座
    する相手側回転軸着座面との間に、緩衝材または緩衝構
    造を介在することを特徴とする液化ガスタンク用立軸形
    潜没ポンプ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液化ガスタンク用立軸形潜
    没ポンプ装置において、前記複列配置深溝形玉軸受用リ
    テーナ上面着座面と該リテーナ上面に着座する相手側シ
    ャフト着座面との間の緩衝材として皿状ばねを設けるこ
    とを特徴とする液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の液化ガスタンク用立軸形潜
    没ポンプ装置において、前記複列配置深溝形玉軸受用リ
    テーナ上面着座面と該リテーナ上面に着座する相手側シ
    ャフト着座面との間の緩衝材として板ばねを設けること
    を特徴とする液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の液化ガスタンク用立軸形潜
    没ポンプ装置において、前記複列配置深溝形玉軸受用リ
    テーナ上面と該リテーナ上面に着座する回転軸の着座面
    のそれぞれの面が、円弧断面によって形成された球面座
    の構造とすることを特徴とする液化ガスタンク用立軸形
    潜没ポンプ装置。
  5. 【請求項5】ポンプ軸と、該ポンプ軸を回転駆動する駆
    動部と、ポンプ軸に沿って駆動部よりも下方の位置に設
    けられ液化タンクから吸い込んだ液化ガスを昇圧する羽
    根車と、羽根車で昇圧した液化ガスを吐出する吐出穴
    と、ポンプ軸を支持する複数の軸受と、ポンプ軸近傍に
    設けられて軸受へのスラスト荷重の軽減を行う軸スラス
    ト平衡装置と、軸スラスト平衝装置の近傍に設けられた
    軸受は単列深溝形玉軸受をリングスペーサを介し複列配
    置し、複列配置した深溝型玉軸受の内輪側にリテーナを
    有する液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置におい
    て、複列配置した深溝型玉軸受の外輪側と該複列配置し
    た深溝玉軸受が設置される相手側ハウジングの間に、予
    圧かけた緩衝材を介在させ支持する構造とすることを特
    徴とする液化ガスタンク用立軸形潜没ポンプ装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載の液化ガスタンク用立軸形潜
    没ポンプ装置において、複列配置した深溝型玉軸受の外
    輪側と、該複列配置した深溝玉軸受が設置される相手側
    ハウジングの間に予圧をかけて介在させる緩衝材とし
    て、さらばねを設けることを特徴とする液化ガスタンク
    用立軸形潜没ポンプ装置。
  7. 【請求項7】請求項2記載の液化ガスタンク用立軸形潜
    没ポンプ装置において、複列配置した深溝型玉軸受の外
    輪側と、該複列配置した深溝玉軸受が設置される相手側
    ハウジングの間に予圧をかけて介在させる緩衝材とし
    て、板ばねを設けることを特徴とする液化ガスタンク用
    立軸形潜没ポンプ装置。
  8. 【請求項8】請求項2記載の液化ガスタンク用立軸形潜
    没ポンプ装置において、複列配置した深溝型玉軸受の外
    輪側と、該複列配置した深溝玉軸受が設置される相手側
    ハウジングの間に予圧をかけて介在させる緩衝材とし
    て、コイルばねを設けることを特徴とする液化ガスタン
    ク用立軸形潜没ポンプ装置。
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JP2008151143A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Snecma ポンプ
CN102748320A (zh) * 2012-07-13 2012-10-24 无锡太博泵业有限公司 立式离心泵底座

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