JPH11190135A - コンクリート躯体壁面の改修ライニング工法及び改修ライニング構造 - Google Patents

コンクリート躯体壁面の改修ライニング工法及び改修ライニング構造

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JPH11190135A
JPH11190135A JP9358933A JP35893397A JPH11190135A JP H11190135 A JPH11190135 A JP H11190135A JP 9358933 A JP9358933 A JP 9358933A JP 35893397 A JP35893397 A JP 35893397A JP H11190135 A JPH11190135 A JP H11190135A
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panel
lining
concrete
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panel support
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JP9358933A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 恒久的に優れた防食性を得ることができる
上、簡単に施工でき、コストを削減できるコンクリート
躯体壁面の改修ライニング工法を提供する。 【解決手段】 断面H型のパネル支持部材30を準備し
ておき、コンクリート躯体壁面2にアンカーボルト10
を固植し、そのボルト10に、パネル支持部材30のボ
ルト挿通孔33内を係止させて、パネル支持部材30を
所定位置に配置するとともに、パネル支持部材30のパ
ネル側縁挿入溝31に、硬質合成樹脂製ライニングパネ
ル20の両側縁を挿入して、多数のライニングパネル2
0を面状に配置し、そのライニングパネル20を、アン
カーボルト10に固定した仮設抑止手段によって抑止状
態に保持し、その抑止状態で、ライニングパネル20と
躯体壁面2と間に裏込材を充填して、裏込材養生硬化
後、仮設抑止手段を撤去するものとした改修ライニング
工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば下水や汚
泥の集積処理槽等のコンクリート製液槽等におけるコン
クリート躯体壁面の改修ライニング工法及び改修ライニ
ング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理槽等の液槽は、一般に鉄筋コン
クリート製のものとして地中に埋設状態に建設設置され
ている。かかる液槽等は、その内部に貯溜される下水等
からの揮発成分、特に細菌によって発生する硫酸その他
の酸化物成分等の影響により、予測をこえる短い期間の
うちに内面腐食を生じ、壁面がぼろぼろになって構造強
度が損なわれる事態を生じる。
【0003】従って、上記のように腐食したコンクリー
ト製液槽等は、安全性のためにも、爾後的に補修を施
し、望ましくは以降の腐食防止を恒久的に図り得るもの
とすることが強く求められている。
【0004】このような状況下において、従来、改修す
べきコンクリート躯体壁面に、新規のコンクリート層を
介して多数の硬質合成樹脂製ライニングパネルを面状に
固定するようにしたライニングパネル工法が多数提案さ
れている。
【0005】例えば、特開平8−34017号公報のラ
イニングパネル工法においては、長さ方向に沿って所定
の間隔おきに複数のパネル係止用開口部が設けられた多
数のパネル取付用金属フレームを用いてライニングパネ
ルを施工する技術が開示されている。この工法は、改修
すべきコンクリート躯体壁面にアンカーボルトを固植す
るとともに、そのアンカーボルトを利用して、上記多数
本の金属フレームを、コンクリート躯体壁面に沿って、
水平方向に所定間隔おきにそれぞれ垂直に取り付ける。
その後、各金属フレームの所定のパネル係止用開口部
に、ライニングパネルをそれぞれ係止することにより、
多数のライニングパネルを、コンクリート躯体壁面から
所定の間隔をおいて面状に配置してから、各ライニング
パネルを、仮設抑止手段によって、コンクリート躯体壁
面側に抑止した状態に保持する。
【0006】そしてその抑止状態において、コンクリー
ト躯体壁面とライニングパネルとの間の空間部内にコン
クリート等の裏込材を充填し、その裏込材を養生硬化さ
せた後、仮設抑止手段を撤去するものである。
【0007】このライニングパネル工法においては、改
修施工面が硬質合成樹脂からなるライニングパネルによ
り被覆されるものであるため、恒久的に優れた防食性を
得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ラ
イニングパネル工法において、ライニングパネルを支持
するための金属フレームは、その長さ方向に沿って所定
の間隔おきに多数のライニングパネル係止用開口部が形
成された非常に複雑な形状を有するものであるため、こ
のような複雑形状の金属フレームを製作するのに手間が
かかり、コストの増大を招くという問題が発生する。
【0009】また上記のライニング工法における金属フ
レームは、開口部に正確にライニングパネルの所定箇所
を係止するという緻密な作業を必要とするので、施工が
困難であるという問題を有していた。
【0010】更に上記の工法においては、仮設抑止手段
を固定するために抑止手段固定専用のアンカーボルト等
を躯体壁面に別途固植する必要があるので、このアンカ
ーボルトの固植作業を行う分、作業数が多くなり、施工
が一段と困難になるとともに、使用部品点数も増加する
ので、より一層、コストの増大を招くという問題があっ
た。
【0011】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、恒久的に優れた防食性を得ることができる上更に、
簡単に施工でき、コストも削減できるコンクリート躯体
壁面の改修ライニング工法及び改修ライニング構造を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のコンクリート躯体壁面の改修ライニング
工法は、所定の長さを有し、両側縁部に沿って両側方に
向けて開放するパネル側縁挿入溝を有する断面H型のパ
ネル支持部材を複数準備する工程と、裏面側に埋設固着
片が突設された硬質合成樹脂製のライニングパネルを複
数準備する工程と、コンクリート躯体壁面に所定配置に
複数のアンカーボルトを固植する工程と、前記パネル支
持部材における一方側フランジからウェブを通って他方
側フランジにかけて貫通するボルト挿通孔内に前記アン
カーボルトを係止させることにより、前記複数のパネル
支持部材を、前記コンクリート躯体壁面に沿って水平方
向に所定の間隔おきにそれぞれ垂直に配置する工程と、
隣り合う前記パネル支持部材の対向し合うパネル側縁挿
入溝に、前記ライニングパネルの両側縁を挿入すること
により、前記複数のライニングパネルを、前記コンクリ
ート躯体壁面から所定の間隔をおいて面状に配置する工
程と、前記アンカーボルトに固定された仮設抑止手段に
よって、前記複数のライニングパネルを前記コンクリー
ト躯体壁面側に抑止した状態に保持する工程と、前記複
数のライニングパネルを前記仮設抑止手段により抑止し
た状態において、そのライニングパネルと前記コンクリ
ート躯体壁面との間の空間部内にコンクリート等の裏込
材を、その裏込材により前記埋設固着片を埋め込むよう
に注入充填する工程と、前記裏込材を養生硬化させた
後、前記仮設抑止手段を撤去する工程とを含むものを要
旨としている。
【0013】本発明の改修ライニング工法においては、
コンクリート躯体壁面が、硬質合成樹脂製ライニングパ
ネルからなるライニング壁によって被覆されるので、恒
久的に優れた防食性を得ることができる。
【0014】またパネル支持部材のボルト挿通孔内にア
ンカーボルトを係止するという簡単な作業で、パネル支
持部材を取り付けることができる上、ライニングパネル
もパネル支持部材の溝内に挿入するという簡単な作業で
取り付けることができる。
【0015】更にパネル支持部材取付用のアンカーボル
トを利用して、仮設抑止手段を固定するものであるた
め、仮設抑止手段固定専用の固着具を、別途使用する場
合に比べて、その固着具の取付作業を省略できるととも
に、使用部品点数を減少させることができる。
【0016】しかも使用部品としてのパネル支持部材
は、長さ方向に連続する断面H型のもので、形状が非常
にシンプルであり、例えば押出加工等を用いて容易に製
造することができる。
【0017】上記発明の工法においては、前記パネル支
持部材におけるウェブの幅が、前記ボルト挿通孔の径よ
りも広く形成されてなる構成を採用するのが好ましい。
【0018】すなわちこの構成を採用する場合、ボルト
挿通孔が、パネル側縁挿入溝に連通するのを防止できる
ので、裏込材がパネル側縁挿入溝からボルト挿通孔を通
って外部に漏出するという不具合を確実に防止すること
ができる。
【0019】また本発明の工法においては、前記パネル
支持部材のフランジ表面に、中心線に対応して、V字状
の孔開け工具位置合せ溝が長さ方向に沿って形成されて
なる構成を採用するのが良い。
【0020】すなわちこの構成を採用する場合には、パ
ネル支持部材にドリル等の孔開け工具によりボルト挿通
孔を形成する際、位置合せ溝内にドリルの先端を突き付
けて位置決めしながら、ドリルを作動させることによ
り、ドリルに良好な求心性が得られるので、ボルト挿通
孔を、中心位置に精度良く簡単に形成することができ
る。
【0021】更に本発明の工法においては、前記パネル
支持部材におけるウェブが、その内部に長さ方向に連続
する中空部を有する中空構造に形成されてなる構成を採
用するのが望ましい。
【0022】すなわちこの構成を採用する場合には、パ
ネル支持部材として、所定の強度を保持しつつ、軽量化
を図ることができる。
【0023】一方、本発明のコンクリート躯体壁面の改
修ライニング構造は、所定の長さを有し、両側縁部に沿
って両側方に向けて開放するパネル側縁挿入溝を有する
断面H型の複数のパネル支持部材と、裏面側に埋設固着
片が突設された硬質合成樹脂製の複数のライニングパネ
ルとを備え、コンクリート躯体壁面に所定配置に複数の
アンカーボルトが固植され、前記パネル支持部材におけ
る一方側フランジからウェブを通って他方側フランジに
かけて貫通するボルト挿通孔内に前記アンカーボルトが
係止することにより、前記複数のパネル支持部材が、前
記コンクリート躯体壁面に沿って水平方向に所定の間隔
おきにそれぞれ垂直に配置され、隣り合う前記パネル支
持部材の対向し合うパネル側縁挿入溝に、前記ライニン
グパネルの両側縁が挿入されることにより、前記複数の
ライニングパネルが、前記コンクリート躯体壁面から所
定の間隔をおいて面状に配置され、前記コンクリート躯
体壁面と前記ライニングパネルとの間にコンクリート等
の裏込材が充填硬化されて、その裏込材内部に前記埋設
固着片が埋設固着されてなるものを要旨としている。
【0024】この発明の改修ライニング構造は、上記本
発明の改修ライニング工法の実施により得られる構造を
特定するものであり、上記と同様の目的を達成可能であ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態である改修ライニング工法について説明す
る。
【0026】まず本実施形態の工法に使用されるライニ
ングパネル(20)と、パネル支持部材(30)の構成
について説明する。
【0027】図1ないし図6に示すように、ライニング
パネル(20)は、硬質塩化ビニル樹脂等の硬質合成樹
脂の成形品をもって構成されている。このライニングパ
ネル(20)は、板状のパネル本体(21)と、その裏
面側に突出状に一体形成され、上下方向に所定の間隔お
きに配置されるとともに、パネル幅方向に連続する複数
本の埋設固着片(22)とを有している。各埋設固着片
(22)は、パネル本体(21)の裏面側から水平方向
に延びてから垂直上方に延びる鉤状に形成されている。
【0028】一方、パネル支持部材(30)は、図1な
いし図5、図7に示すように、硬質合成樹脂の押出成形
品からなり、表裏両面側のフランジ(35)(35)
と、両フランジ(35)(35)間の中央に架け渡され
るよう形成されるウェブ(36)とを有する断面がH型
に形成されており、両側縁部に沿って両側方に向けて開
放するパネル側縁挿入溝(31)(31)が形成されて
いる。
【0029】更にパネル支持部材(30)の表面側フラ
ンジ(35)には、パネル支持部材(30)の中心線に
対応して、V字状の孔開けドリル位置合せ溝(32)
が、パネル支持部材(30)の長さ方向に連続して形成
されている。
【0030】本実施形態においては、上記構成のライニ
ングパネル(20)及びパネル支持部材(30)を多数
用いて、以下に説明するように、下水処理槽等のコンク
リート躯体における壁面の改修施工を行うものである。
【0031】まず図1ないし図3に示すように、改修す
べき液槽において、腐食したコンクリート躯体(1)の
壁面(2)は、多くの場合ぼろぼろの状態であるので、
その腐食欠陥部を適宜の掻取り工具等を用いて除去した
後、その表面に素地調整を施す。
【0032】次に、壁面(2)に所定の配列ピッチで、
すなわちパネル支持部材(30)の係止位置に対応させ
て、多数本のアンカーボルト(10)を固植する。
【0033】続いて必要に応じて、各アンカーボルト
(10)のねじ軸に調整ナット(11)を螺着して、更
にその調整ナット(11)に連結ねじ軸(12)を螺着
する。
【0034】次に図7及び図8に示すように、パネル支
持部材(30)の中心線上における上記アンカーボルト
固植位置に対応する位置に、ドリル(50)等の孔開け
工具を用いて、パネル支持部材(30)の表面側フラン
ジ(35)、ウェブ(36)及び裏面側フランジ(3
5)に沿って孔を開け、これによりパネル支持部材(3
0)に長さ方向に沿って所定の間隔おきに複数のボルト
挿通孔(33)を形成する。
【0035】このとき本実施形態においては、パネル支
持部材(30)の表面に、中心線に対応して、孔開けド
リル位置合せ溝(32)を形成しているため、この溝
(32)内にドリル(50)の先端を突き付けて位置決
めしながら、ドリル(50)を作動させることにより、
ドリル(50)に良好な求心性が得られるので、ボルト
挿通孔(33)を、中心線に対応する位置に精度良く簡
単に形成することができる。
【0036】ここで本実施形態においては、図7に示す
ように、パネル支持部材(30)におけるウェブ(3
6)の幅(W1)は、ドリル(50)の径、つまりボル
ト挿通孔(33)の径よりも広く形成されており、ボル
ト挿通孔(33)が、パネル側縁挿入溝(31)(3
1)に連通するのを防止している。
【0037】なおパネル支持部材(30)の孔開け作業
は、アンカーボルト(10)を固植する前に行っておい
ても良く、更にはパネル支持部材(30)を現場に搬入
する前にあらかじめ行っておいても良い。
【0038】ボルト挿通孔(33)を形成した後、パネ
ル支持部材(30)の各ボルト挿通孔(33)内に、上
記アンカーボルト(10)に連結された連結ねじ軸(1
2)を挿通して、ボルト支持部材(30)の裏面側フラ
ンジ(35)におけるボルト挿通孔(33)の周縁部
を、調整ナット(11)の端面に当接するとともに、ボ
ルト挿通孔(33)の内周面を、連結ねじ軸(12)の
外周面に係止し、これにより、ボルト支持部材(30)
を、コンクリート躯体壁面(2)から所定の間隔をおい
て壁面(2)と平行に垂直に配置する。
【0039】こうして多数のパネル支持部材(30)
を、コンクリート躯体壁面(2)に沿わせながら、水平
方向に所定間隔おきにそれぞれ垂直に配置する。
【0040】続いて隣り合うパネル支持部材(30)の
対向し合う2つのパネル側縁挿入溝(31)(31)内
に、その上端から、ライニングパネル(20)の両側縁
部をそれぞれ挿入することにより、多数のパネル支持部
材(30)の各間に、それぞれ複数枚のライニングパネ
ル(20)を上下方向に並べて配置する。
【0041】こうして多数枚のライニングパネル(2
0)を、コンクリート躯体壁面(2)から所定の間隔を
おいて壁面(2)と平行に面状に配置する。
【0042】なおライニングパネル(20)の躯体壁面
(2)からの間隔は、調整ナット(11)のアンカーボ
ルト(10)に対する螺合量を調整したり、あるいは、
調整ナット(11)の長さサイズを変更することによ
り、適宜調整することができる。
【0043】ライニングパネル(10)を面状に配置し
た後、そのライニングパネル(20)の表面側のほぼ全
域に、ベニヤ合板等からなる抑止パネル(41)を重ね
合わせるように配置する。
【0044】次に、抑止パネル(41)の表面側に抑止
桟(42)を多数本組み付ける。すなわち各抑止桟(4
2)に形成された複数のボルト挿通孔(42a)に、パ
ネル支持部材(30)の表面側に引き出された連結ねじ
軸(12)をそれぞれ挿通するようにして、各抑止桟
(42)を抑止パネル(41)の表面側に、上下方向に
所定間隔おきにそれぞれ水平方向に沿って配置する。更
に各抑止桟(42)の表面側に引き出された多数の連結
ねじ軸(12)に抑止ナット(43)をそれぞれ螺合し
て抑止桟(42)にそれぞれ圧締する。これにより抑止
パネル(41)、抑止桟(42)、抑止ナット(43)
等からなる仮設抑止手段によって、多数のライニングパ
ネル(20)を、コンクリート躯体壁面(2)側に押圧
させるように抑止した状態に保持する。
【0045】そしてこの抑止状態において、コンクリー
ト躯体(1)とライニングパネル(20)との間の空間
部内に、コンクリート等の裏込材(5)(図4参照)を
打設する。このとき裏込材(5)の内部に、ライニング
パネル(20)の埋設固着片(22)が埋設されること
になる。
【0046】続いて、上記裏込材(5)が養生硬化した
後、抑止ナット(43)をそれぞれ取り外して、抑止桟
(42)及び抑止パネル(41)をそれぞれ取り外す。
【0047】その後、連結ねじ軸(12)を調整ナット
(11)からそれぞれ取り外してから、図4に示すよう
に、パネル支持部材(30)に形成されたボルト挿通孔
(33)を閉塞部材(60)により閉塞する。
【0048】これにより図4及び図5に示すように、本
実施形態におけるコンクリート躯体壁面(2)の改修施
工が完了し、本実施形態における改修ライニング構造が
形成される。
【0049】以上のように、本実施形態の改修ライニン
グ工法によれば、躯体壁面(2)が、面状に配置された
多数の硬質合成樹脂製ライニングパネル(20)からな
るライニング壁によって被覆されるものであるから、恒
久的に優れた防食性を得ることができるとともに、ライ
ニング壁は表面平滑性に優れたものと成し得るので、下
水等の槽内貯溜液や流動液の滞留を有効に防止すること
ができ、流下特性の向上を図ることができる。
【0050】またパネル支持部材(30)のボルト挿通
孔(33)内にアンカーボルト(10)を係止するとい
う簡単な作業で、パネル支持部材(30)を取り付ける
ことができる上、パネル支持部材(30)のパネル側縁
挿入溝(31)内に、ライニングパネル(20)の両側
縁を挿入するとう簡単な作業で、ライニングパネル(2
0)も取り付けることができるので、施工作業を簡単に
行うことができる。
【0051】更にパネル支持部材(30)を取り付ける
ためのアンカーボルト(10)を利用して、仮設抑止手
段を固定するものであるため、仮設抑止手段固定専用の
固着具を、別途使用する場合に比べて、その固着具の取
付作業を省略できるので、施工作業を、一層簡単に行う
ことができるとともに、使用部品点数の減少により、コ
ストの削減を図ることができる。
【0052】しかも本実施形態に使用されるパネル支持
部材(30)は、断面がH型で形状が非常にシンプルで
あり、押出成形により簡単に製造することができるの
で、量産も可能であり、より一層、コストの削減も図る
ことができる。
【0053】また本実施形態では、パネル支持部材(3
0)における表面側フランジ(35)の表面に、V字状
の孔開けドリル位置合せ溝(32)を形成しているた
め、ボルト挿通孔(33)を、正確な位置に精度良く簡
単に形成することができ、改修施工作業を、より一層簡
単かつ正確に行うことができる。
【0054】なお本発明において、パネル支持部材(3
0)のウェブ幅(W1)は、特に限定されるものではな
いが、上記本実施形態に示すように、ウェブ幅(W1)
を、ボルト挿通孔(33)の径よりも広く設定するのが
好ましい。
【0055】すなわち図9及び図10に示すように、パ
ネル支持部材(130)におけるウェブ(136)の幅
(W2)を、ボルト挿通孔(33)の径よりも狭く形成
すると、ボルト挿通孔(33)が、パネル側縁挿入溝
(31)に連通してしまうので、ボルト挿通孔(33)
及びパネル側縁挿入溝(31)によって、裏込材漏出経
路(P)が形成されてしまう。このため裏込材(5)を
打設した際に、その裏込材(5)が上記漏出経路(P)
を通って、パネル支持部材(130)の表面側に漏出す
る恐れがあり、改修施工作業をスムーズに行えない場合
がある。
【0056】これに対し、上記図7及び図8に示す本実
施形態のパネル支持部材(30)においては、ウェブ幅
(W1)が、ボルト挿通孔(33)の径よりも狭いた
め、ボルト挿通孔(33)がパネル側縁挿入溝(31)
に連通するようなことはなく、上記の裏込材漏出経路が
形成されるのを防止することができ、裏込材(5)の不
本意な漏出を確実に防止することができ、施工作業をス
ムーズに行うことができる。
【0057】またウェブ幅(W1)を広く形成すること
により、パネル支持部材(30)の強度を向上させるこ
とができ、ライニングパネル(20)を、より安定した
状態に支持することができ、より一層、改修施工作業を
スムーズに行うことができる。
【0058】また本発明においては、図11に示すよう
に、中空構造のウェブ(236)を有するパネル支持部
材(230)を採用することも可能である。このパネル
支持部材(230)は、ウェブ(236)の中心線に沿
って、断面矩形状の中空部(237)がパネル支持部材
長さ方向に連続して形成されるものである。
【0059】このパネル支持部材(230)において
は、ウェブ(236)を中空箱型形状に形成しているた
め、十分な強度を確保できて、ライニングパネル(2
0)を、より安定した状態に支持できる上更に、軽量化
をも図ることができるので、取り扱いを容易に行え、一
段と、改修施工作業をスムーズに行うことができる。
【0060】なお、このような中空構造ウェブを有する
パネル支持部材(230)においては、上記したよう
に、パネル側縁挿入溝(31)とボルト挿通孔(33)
(図7、8等参照)との連通を防止するために、ウェブ
幅(W3)を、ボルト挿通孔(33)の径よりも大きく
形成するのが好ましい。
【0061】更に中空部(237)の幅(W4)を、ボ
ルト挿通孔(33)の径、換言すれば孔開け用ドリル
(50)の径よりも狭くするのが好ましい。すなわちド
リル(50)によりボルト挿通孔(33)を形成する場
合、中空部幅(W4)をドリル径よりも狭く設定してい
ると、ドリル(50)が一方側フランジ(35)を貫通
した直後に、ドリル(50)の先端が、ウェブ(23
6)の両側壁(236a)(235a)内面にガイドさ
れて、ドリル(50)がパネル支持部材(230)の中
心線位置に導かれるので、ボルト挿通孔(33)を位置
精度良く形成することができる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明のコンクリート躯
体壁面の改修ライニング工法によれば、断面H型のパネ
ル支持部材を、そのボルト挿通孔内にアンカーボルトを
係止させて、躯体壁面に沿って配置するとともに、ライ
ニングパネルを、その両側縁部をパネル支持部材のパネ
ル側縁挿入溝内に挿入して、躯体壁面に沿って面状に配
置した後、ライニングパネルと躯体壁面との間に裏込材
を充填するものであるため、躯体壁面が、硬質合成樹脂
製ライニングパネルからなるライニング壁によって被覆
されて、恒久的に優れた防食性を得ることができる。ま
たパネル支持部材のボルト挿通孔内をアンカーボルトに
係止させるという簡単な作業で、パネル支持部材を取り
付けることができる上、ライニングパネルもパネル支持
部材の溝内に挿入するという簡単な作業で取り付けるこ
とができるので、施工作業を簡単に行うことができる。
更に、パネル支持部材取付用のアンカーボルトを利用し
て、仮設抑止手段を固定するものであるため、仮設抑止
手段固定専用の固着具を、別途使用する場合に比べて、
その固着具の取付作業を省略できるので、施工作業を、
一層簡単に行うことができるとともに、使用部品点数の
減少により、コストの削減を図ることができる。しかも
使用部品としてのパネル支持部材は、断面H型で、形状
が非常にシンプルであり、例えば押出加工等を用いて容
易に製造することができるので、より一層、コストの削
減を図ることができるという効果がある。
【0063】また本発明において、パネル支持部材にの
ウェブ幅を、ボルト挿通孔の径よりも広く形成する場合
には、ボルト挿通孔が、パネル側縁挿入溝に連通するの
を防止できるので、裏込材がパネル側縁挿入溝からボル
ト挿通孔を通って外部に漏出するという不具合を確実に
防止することができ、改修施工作業をスムーズに行うこ
とができるという利点がある。
【0064】更に本発明において、パネル支持部材の表
面中心位置に孔開け工具位置合せ溝を形成する場合に
は、パネル支持部材にドリル等の孔開け工具によりボル
ト挿通孔を形成する際、位置合せ溝内にドリルの先端を
突き付けて位置決めしながら、ドリルを作動させること
により、ドリルに良好な求心性が得られるので、ボルト
挿通孔を、中心位置に精度良く簡単に形成することがで
き、改修施工作業を、より一層、簡単かつ正確に行うこ
とができるという利点がある。
【0065】更に本発明において、パネル支持部材のウ
ェブを中空構造に形成する場合には、パネル支持部材と
して、所定の強度を保持しつつ、軽量化を図ることがで
きるので、改修施工作業を、より一層スムーズに行うこ
とができるという利点がある。
【0066】一方、本発明のコンクリート躯体壁面の改
修ライニング構造によれば、上記改修ライニング工法の
実施により得られる構造を特定するものであるため、上
記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である工法によって施工さ
れた改修ライニング構造において一部のライニングパネ
ルを離脱させた状態で示す斜視図である。
【図2】実施形態の改修ライニング構造を分解して示す
斜視図である。
【図3】実施形態の工法において仮設抑止手段組付直後
の状態を示す水平断面図である。
【図4】実施形態の改修ライニング構造を示す水平断面
図である。
【図5】実施形態の改修ライニング構造を示す正面図で
ある。
【図6】実施形態に適用されたライニングパネルを示す
図であって、同図(a)は背面図、同図(b)は側面
図、同図(c)は平面図である。
【図7】実施形態に適用されたパネル支持部材を孔無し
状態で示す水平断面図である。
【図8】実施形態に適用されたパネル支持部材を孔開け
状態で示す水平断面図である。
【図9】本発明に適用可能な第1の変形例であるパネル
支持部材を孔無し状態で示す水平断面図である。
【図10】第1の変形例のパネル支持部材を孔開け状態
で示す水平断面図である。
【図11】本発明に適用可能な第2の変形例であるパネ
ル支持部材を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…コンクリート躯体 2…躯体壁面 5…裏込材 10…アンカーボルト 20…ライニングパネル 22…埋設固着片 30、130、230…パネル支持部材 31…パネル側縁挿入溝 32…孔開けドリル位置合せ溝(孔開け工具位置合せ
溝) 33…ボルト挿通孔 35…フランジ 36、136、236…ウェブ 237…中空部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の長さを有し、両側縁部に沿って両
    側方に向けて開放するパネル側縁挿入溝を有する断面H
    型のパネル支持部材を複数準備する工程と、 裏面側に埋設固着片が突設された硬質合成樹脂製のライ
    ニングパネルを複数準備する工程と、 コンクリート躯体壁面に所定配置に複数のアンカーボル
    トを固植する工程と、 前記パネル支持部材における一方側フランジからウェブ
    を通って他方側フランジにかけて貫通するボルト挿通孔
    内に前記アンカーボルトを係止させることにより、前記
    複数のパネル支持部材を、前記コンクリート躯体壁面に
    沿って水平方向に所定の間隔おきにそれぞれ垂直に配置
    する工程と、 隣り合う前記パネル支持部材の対向し合うパネル側縁挿
    入溝に、前記ライニングパネルの両側縁を挿入すること
    により、前記複数のライニングパネルを、前記コンクリ
    ート躯体壁面から所定の間隔をおいて面状に配置する工
    程と、 前記アンカーボルトに固定された仮設抑止手段によっ
    て、前記複数のライニングパネルを前記コンクリート躯
    体壁面側に抑止した状態に保持する工程と、 前記複数のライニングパネルを前記仮設抑止手段により
    抑止した状態において、そのライニングパネルと前記コ
    ンクリート躯体壁面との間の空間部内にコンクリート等
    の裏込材を、その裏込材により前記埋設固着片を埋め込
    むように注入充填する工程と、 前記裏込材を養生硬化させた後、前記仮設抑止手段を撤
    去する工程とを含むコンクリート躯体壁面の改修ライニ
    ング工法。
  2. 【請求項2】 前記パネル支持部材におけるウェブの幅
    が、前記ボルト挿通孔の径よりも広く形成されてなる請
    求項1記載のコンクリート躯体壁面の改修ライニング工
    法。
  3. 【請求項3】 前記パネル支持部材のフランジ表面に、
    中心線に対応して、V字状の孔開け工具位置合せ溝が長
    さ方向に沿って形成されてなる請求項1又は2記載のコ
    ンクリート躯体壁面の改修ライニング工法。
  4. 【請求項4】 前記パネル支持部材におけるウェブが、
    その内部に長さ方向に連続する中空部を有する中空構造
    に形成されてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の
    コンクリート躯体壁面の改修ライニング工法。
  5. 【請求項5】 所定の長さを有し、両側縁部に沿って両
    側方に向けて開放するパネル側縁挿入溝を有する断面H
    型の複数のパネル支持部材と、 裏面側に埋設固着片が突設された硬質合成樹脂製の複数
    のライニングパネルとを備え、 コンクリート躯体壁面に所定配置に複数のアンカーボル
    トが固植され、 前記パネル支持部材における一方側フランジからウェブ
    を通って他方側フランジにかけて貫通するボルト挿通孔
    内に前記アンカーボルトが係止することにより、前記複
    数のパネル支持部材が、前記コンクリート躯体壁面に沿
    って水平方向に所定の間隔おきにそれぞれ垂直に配置さ
    れ、 隣り合う前記パネル支持部材の対向し合うパネル側縁挿
    入溝に、前記ライニングパネルの両側縁が挿入されるこ
    とにより、前記複数のライニングパネルが、前記コンク
    リート躯体壁面から所定の間隔をおいて面状に配置さ
    れ、 前記コンクリート躯体壁面と前記ライニングパネルとの
    間にコンクリート等の裏込材が充填硬化されて、その裏
    込材内部に前記埋設固着片が埋設固着されてなるコンク
    リート躯体壁面の改修ライニング構造。
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