JPH11189006A - タイヤ用のチューブ及びそれを用いたタイヤとリムの組立体 - Google Patents

タイヤ用のチューブ及びそれを用いたタイヤとリムの組立体

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JPH11189006A
JPH11189006A JP9358151A JP35815197A JPH11189006A JP H11189006 A JPH11189006 A JP H11189006A JP 9358151 A JP9358151 A JP 9358151A JP 35815197 A JP35815197 A JP 35815197A JP H11189006 A JPH11189006 A JP H11189006A
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rim
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 横バネを高めうるのに適したタイヤ用のチュ
ーブ及びそれを用いたタイヤとリムの組立体を提供す
る。 【解決手段】 タイヤ2と、このタイヤ2をリム組みす
るリム3とが囲むタイヤ内腔面4内に配されかつ加圧に
より膨張するタイヤ用のチューブ5であって、このチュ
ーブ5は、チューブにチューブ表面上の窪みがなくなる
最低空気圧を充填した計測状態での断面最大巾Wtと断
面最大高さHtとの比(Wt/Ht)であるチューブ形
状比Atと、タイヤ内腔面4の断面最大巾Wcとリム径
位置からタイヤ内腔面4のタイヤ半径方向最外端までの
高さである断面最大高さHcとの比(Wc/Hc)であ
るタイヤ内腔形状比Acとにおいて、 1.1≦At/Ac≦1.2 の関係を満たすことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横バネを高めうる
のに適したタイヤ用のチューブ及びそれを用いたタイヤ
とリムの組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤ用のチューブは、図6に示すよう
にタイヤaとリムbが形成するタイヤ内腔面c内に配さ
れ、充填された空気を保持する機能を有し、また充填さ
れた空気により膨張してタイヤ内腔面cに均一に空気圧
を作用させる。またチューブtは、厚さが非常に薄く、
またゴムモジュラスも小さいため、その剛性は実質上無
視できるものとなっている。
【0003】このため、タイヤaをリムbにリム組みし
たタイヤ組立体のバネ定数は、タイヤaに作用する荷重
に拘わらず、タイヤaの構造に起因した剛性とチューブ
tから受ける空気圧とにより実質的に決定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、タイヤ
組立体のバネ定数は、タイヤの剛性と空気圧によりほぼ
決定しうるが、通常、チューブは断面が円形をなすもの
が一般的であるため、タイヤ組立体の通常走行時など、
タイヤのサイドウォール部において、チューブ外面がタ
イヤ内腔面から離れてしまうことがある。このようにチ
ューブが、タイヤサイドウォール部のタイヤ内腔面から
離間すると、タイヤ組立体の横バネが低下し、操縦安定
性を損なうという問題がある。
【0005】他方、岩場、瓦礫、砂地等といった不整地
を走行する例えばバギー車や、モトクロス走行する自動
二輪車用のタイヤ組立体においては、荷重に応じてバネ
定数、とりわけ縦方向のバネ定数が異なる方が好ましい
場合がある。
【0006】すなわち、これらの車両のタイヤが路面と
接触して走行している間(低荷重時)は、路面の凹凸を
吸収することが必要であるため、タイヤ組立体の縦バネ
定数は小さい方が好ましいが、車両がジャンプして路面
に接地する場合には、非常に大きな荷重がタイヤ組立体
に作用するため、このときには縦バネ定数がある程度大
きい方が望ましい。
【0007】ここで、図7に示すように、チューブtが
タイヤ内腔面cに比して相対的に小さくチューブtがタ
イヤ内腔面cに十分に接触していないような場合には、
タイヤaに空気圧が作用し得ず、低荷重時においては、
図8(A)に示すように、タイヤ組立体の縦バネ定数
は、ほぼタイヤaの構造自体に起因するものとなるが、
高荷重時においては、同図(B)に示すように、タイヤ
aの大きな変形に伴いトレッド部のタイヤ内腔面cとチ
ューブtとが接触し、空気圧とタイヤaの構造剛性とが
縦バネ成分に作用するため、低荷重時に比べてタイヤ組
立体の縦バネ定数が相対的に高くすることができる。
【0008】しかしながら、このような小さなチューブ
tでは、タイヤaにとって空気圧が作用していないのと
実質的に同じであるため、タイヤaがリムbから容易に
外れやすく、かつタイヤ組立体の横剛性も確保できない
など実用しうるものではない。
【0009】そこで、請求項1記載の発明は、横バネ定
数を高めうるのに適したタイヤ用のチューブ及びそれを
用いたタイヤとリムの組立体を提供することを目的とし
ている。
【0010】また請求項2〜5記載の発明では、前記目
的に加え、チューブの大きさ等をタイヤ内腔面などに対
して適切に設定することを基本として、前記2例の中間
的な状態のタイヤ用のチューブを作り出すことにより、
タイヤ組立体に作用する荷重に応じて、このタイヤ組立
体の実質的な縦バネ定数を変化させうるのに適したタイ
ヤ用のチューブ及びそれを用いたタイヤとリムの組立体
を提供することを目的としている。
【0011】とりわけ、請求項2、3記載の発明では、
チューブの中心軸を含む断面の外周長を設定することに
より、タイヤ組立体に作用する荷重に応じて、タイヤ組
立体の実質的な、縦バネ定数を変化させうるのに適した
タイヤ用のチューブを提供することを目的としている。
【0012】また請求項4記載の発明では、チューブ自
体に剛性を持たせかつこのチューブの剛性を適切に設定
することによって、空気圧の大部分をチューブの膜力と
釣り合わせ、タイヤ組立体に作用する圧力を小として、
とりわけ低荷重時での縦バネ定数を小さくするのに適し
たタイヤ用のチューブを提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、タイヤと、このタイヤをリム組みするリム
とが囲むタイヤ内腔面内に配されかつ加圧により膨張す
るタイヤ用のチューブであって、前記チューブは、チュ
ーブにチューブ表面上の窪みがなくなる最低空気圧を充
填した計測状態での断面最大巾Wtと断面最大高さHt
との比(Wt/Ht)であるチューブ形状比Atと、前
記タイヤ内腔面の断面最大巾Wcとリム径位置からタイ
ヤ内腔面のタイヤ半径方向最外端までの高さであるタイ
ヤ内腔断面最大高さHcとの比(Wc/Hc)であるタ
イヤ内腔形状比Acとにおいて、 1.1≦At/Ac≦1.2 の関係を満たすことを特徴とする。
【0014】また請求項2記載の発明は、前記チューブ
は、前記計測状態での中心軸を含む断面での計測外周長
Ltnが、自然状態での前記タイヤ内腔面の断面の周長
Lの0.8〜0.9倍であることを特徴とする請求項1
記載のタイヤ用のチューブである。
【0015】また請求項3記載の発明は、前記チューブ
は、チューブに使用空気圧を充填した使用状態での中心
軸を含む断面での膨張外周長Ltiが、自然状態での前
記タイヤ内腔面の断面の周長Lの1.05〜1.10倍
であることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ用
のチューブである。
【0016】また請求項4記載の発明は、前記チューブ
は、チューブの厚さGと、100%モジュラスEと、前
記計測状態での中心軸を含む断面の半径rnとにおい
て、下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3の
いずれか1に記載のタイヤ用のチューブである。 0.20≦P・rn/4G・E≦0.35
【0017】また請求項5記載の発明は、前記チューブ
は、前記計測状態において中心軸からチューブの断面中
心までの断面中心径Rnが、下記式を満たすことを特徴
とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のタイヤ用の
チューブである。 Rr+0.45Hc≦Rn≦Rr+0.55Hc 但し、Rr:リム半径 Hc:タイヤ内腔面の断面最大高さ
【0018】また請求項6記載の発明は、タイヤとこの
タイヤをリム組みするリムとが囲むタイヤ内腔面内に、
請求項1乃至5のいずれか1に記載のタイヤ用のチュー
ブを配したタイヤとリムの組立体である。
【0019】なお本明細書において、「自然状態でのタ
イヤ内腔面」とは、空気圧を0としたチューブとともに
タイヤをリム組みし、このチューブにタイヤのビード部
外面がリムフランジに接触する最低の空気圧を充填した
状態のタイヤ内腔面として定義する。またチューブの計
測時の前記空気圧は20g/cm2 以下とし、チューブを
凹ませることなく寸法測定を行うものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のタイヤ用のチュー
ブが、自動二輪車用のタイヤとリムの組立体に用いられ
た場合を例に挙げ図面に基づき説明する。本実施形態の
タイヤ用のチューブ5は、図1に示すように、例えばモ
トクロス等に使用される自動二輪車用かつ不整地走行用
のタイヤ2に使用されるものを例示しており、タイヤ2
とこのタイヤ2にリム組みされたリム3とが囲むタイヤ
内腔面4内に配され、加圧によって膨張する。
【0021】前記タイヤ2は、走行に際して路面に接地
しかつ本例ではタイヤ最大巾をなすトレッド部Tと、そ
の両端からタイヤ半径方向内方に向けてのびるサイドウ
オール部S、Sと、該サイドウオール部S、Sの半径方
向内方側に夫々位置したビード部B、Bとを有する中空
のトロイダル状をなす。なおタイヤ2は、図示していな
いがトレッド部Tからサイドウォール部Sを経てビード
部Bのビードコアで折り返されかつコードを並列した繊
維コードからなる1プライ以上のカーカス等によって適
宜補強される。
【0022】前記リム3は、前記ビード部B、Bの半径
方向内方端に形成されるビード底面が夫々着座する一対
のリムシート部3a、3aを接続したリング状をなし、
前記タイヤ2とリム3とによって前記タイヤ内腔面4を
形成しうる。
【0023】そして、本発明のチューブ5は、タイヤ内
腔に組み入れることなくチューブにチューブ表面上の窪
みがなくなる最低空気圧、本例では5g/cm2 の空気圧
を充填した計測状態での断面最大巾Wtと断面最大高さ
Htとの比(Wt/Ht)であるチューブ形状比At
と、前記タイヤ内腔面4の断面最大巾Wcとリム径位置
からタイヤ内腔面4のタイヤ半径方向最外端までの高さ
である断面最大高さHcとの比(Wc/Hc)であるタ
イヤ内腔形状比Acとにおいて、 1.1≦At/Ac≦1.2 の関係を満たすことを特徴としている。
【0024】このように、チューブ形状比Atを、タイ
ヤ内腔形状比Acの1.1〜1.2倍とすることによ
り、チューブ断面形状をタイヤ内腔に対して横長形状に
設定することができ、タイヤ2のサイドウォール部Sの
タイヤ内腔面において、タイヤ2とチューブ5とが離れ
にくくなり、サイドウォール部Sに前記チューブ5の空
気圧を作用させることによってタイヤとリムの組立体の
横バネ定数の低下を効果的に防止することができる。
【0025】なお前記比(At/Ac)が、1.1より
も小さいと、横バネ定数の低下を効果的に防ぐことがで
きず、逆に1.2を超えると、チューブ5の横長形状の
度合いが大きくなりすぎて、チューブへの空気圧非充填
時において、サイドウォール部のタイヤ内腔面4とチュ
ーブ5とが接触する場合があり、チューブ5にしわ等が
発生するため、パンクの原因となり易いため採用できな
い。
【0026】また本実施形態のチューブ5は、前記計測
状態での中心軸を含む断面での計測外周長(いわゆる断
面の外周輪郭長さ)Ltnが、自然状態での前記タイヤ
内腔面4の断面の周長L(いわゆる断面の内周輪郭長
さ)の0.8〜0.9倍であるものを例示している。
【0027】このように、チューブ5の計測外周長Lt
nを自然状態での前記タイヤ内腔面4の断面の周長Lに
近づけることにより、例えば使用空気圧の充填により、
チューブ5がタイヤ内腔面4の断面の周長L程度に膨張
したときなど、チューブ5の伸長量を小さくすることが
できるため、前記横バネ定数の低下を防ぎつつ、チュー
ブ5を介して伝えられるタイヤ2への空気圧の作用を減
じることが可能となり、低荷重時において高荷重時に比
べて相対的に空気圧の縦バネ効果を抑え、荷重によりタ
イヤ組立体の縦バネ定数を変化させることも可能とな
る。
【0028】前記チューブ5の計測外周長Ltnが、前
記タイヤ内腔面4の断面の周長Lの0.8倍未満である
と、チューブ5に空気圧を充填したときの伸長量が大き
くなる傾向があるため、チューブ5の耐久性を低下させ
る傾向があり、逆に0.9倍よりも大きいとリム組み作
業時にチューブ噛みを生じやすく好ましくない。なお本
実施形態では、前記計測状態において、チューブ5の中
心軸を含む断面形状は、実質的に楕円形をなすものを例
示している。
【0029】また前記チューブ5は、前記計測状態での
寸法規定値を充足しつつタイヤ内腔に組み入れることな
くチューブ5に使用空気圧を充填した使用状態での中心
軸を含む断面での膨張外周長Ltiが、自然状態での前
記タイヤ内腔面4の断面の周長Lの1.05〜1.10
倍であることが望ましい。
【0030】このように、使用空気圧を充填したときの
チューブ5の膨張外周長Ltiと、前記タイヤ内腔面4
の断面の周長Lとの差を最適に設定することによって、
その伸長量をリム外れ等を防止しつつ極力小さくするこ
とができ、タイヤ2への空気圧の作用を減じうるため、
低荷重時において高荷重時に比べて相対的に空気圧の縦
バネ効果を抑え、荷重によりタイヤ組立体のバネ定数を
変化させることが可能となる。
【0031】なお前記チューブ5の膨張外周長Lti
が、前記タイヤ内腔面4の断面の周長Lの1.05倍未
満であると、タイヤ2に組み込んだ状態で走行したとき
にチューブずれが生じるおそれがあり、また、タイヤ2
のビード部Bをリム3に保持させ難くなる傾向があり、
逆に1.10倍を超えるとチューブ5の空気圧分担率が
低下し、タイヤ2にチューブ5の空気圧をそのまま作用
させる傾向があり、荷重変化に伴う縦バネ定数の変化が
あまり期待できなくなる。
【0032】また、本実施形態のチューブ5は、ゴムの
厚さGを従来に比して増すことや、ゴムの100%モジ
ュラスEを大きくすること、さらにこれらを組み合わせ
ることによって、チューブ自体が比較的高い剛性を有す
るように形成されたものを示している。そして、このチ
ューブ5の剛性は、チューブ5に働く応力から特定する
ことが可能である。
【0033】先ず、図1に示すように、チューブ5の赤
道面を通るチューブ外周点Uと、チューブ内周点Lとに
おいて、使用空気圧Pを充填したたときに生じる周方向
歪εU、εLは、次の数1、2の式により表すことがで
きる(この式は、例えば酒井秀男著「タイヤ工学」(グ
ランプリ出版)67頁の(5.1.37)、(5.1.
38)等により説明されている。)。
【数1】
【数2】
【0034】なおこれらの式中、Gはチューブのゴムの
厚さ、Eはチューブを構成するゴムの100%モジュラ
ス、Rnは前記計測状態でのチューブ断面中心までの断
面中心径、rnは計測状態でのチューブの断面の平均半
径である。ここで、チューブの断面の平均半径rnは、
前記チューブの計測外周長Ltnを2πで除して得られ
る値を用いる。
【0035】この数1、数2の式から、使用空気圧Pを
充填して膨張したときのチューブの外周点Uの半径RU
iと前記内周点Lの半径RLiとを数3、数4にて求め
ることができる。
【数3】
【数4】
【0036】また、タイヤ内腔に配することなく使用空
気圧Pを充填したときのチューブ5の断面の平均半径r
iと、計測状態でのチューブの断面の前記平均半径rn
との比で表されるチューブ5の断面での平均半径の変化
率(ri/rn)は、数5により求めることができる。
ここで、使用空気圧Pを充填したときのチューブ5の断
面の平均半径riは、チューブの前記膨張外周長Lti
を2πで除して得られる値を用いる。
【数5】
【0037】そして、この数5に、数1〜4を代入して
整理すると、数6のように表すことができる。
【数6】
【0038】一方、前記したようにチューブ5の計測外
周長Ltnは、2π・rn、またチューブ5の膨張外周
長Ltiは、2π・riとしてそれぞれ表すことがで
き、これを前記自然状態でのタイヤ内腔面の断面の周長
Lとの関係から数7、数8として特定することができ
る。
【数7】
【数8】
【0039】そして、この数7、数8から、チューブ5
の断面の平均半径の変化率(ri/rn)は1.17〜
1.38が得られるが、本発明者らの実験によればさら
に好ましい範囲として1.20〜1.35が得られた。
したがって、これらの値と数6を用いると、数9のよう
に表すことができ、さらに各項から1を減じて数10の
ように表すことができる。
【数9】
【数10】
【0040】このように、チューブ5の形状を特定し、
またチューブ自体に高い剛性を持たせることによって、
図2に概念的に示すように、チューブ5に充填された空
気圧Pの大部分をチューブ5の膜力Fで釣り合いさせる
ことにより、タイヤ内腔面4に作用する圧力pを小さく
することができる。したがって、本実施形態のチューブ
5及びこれを用いたタイヤとリムの組立体は、低荷重時
においては、バネ定数に係わるチューブ5の空気圧の作
用を極力少なくしうるため、前述の通り横バネの低下を
防ぎつつ高荷重時に相対して縦バネ定数を変えることも
できる。
【0041】なお前記数10において、P・rn/4G
Eのより好ましい範囲は0.20〜0.30、さらに好
ましい範囲は0.20〜0.25である。これによりチ
ューブ5の剛性が、さらに高められ縦バネ定数の変化を
大とすることができる。
【0042】そして好ましくは、タイヤ組立体の低荷重
時の縦バネ定数K1と、高荷重時の縦バネ定数K2との
比(K2/K1)が1.3以上、より好ましくは1.4
以上、さらに好ましくは1.5以上とするのが望まし
い。なお例えば低荷重は、装着される車両(乗員を含め
た運転状態)の1G相当、高荷重は2G相当として定め
ることができる。
【0043】また、前記チューブ5は、前記計測状態に
おいて中心軸からチューブの断面中心までのチューブの
断面中心径Rnが、下記式を満たすことが望ましい。 Rr+0.45Hc≦Rn≦Rr+0.55Hc 但し、Rr:リム半径 Hc:タイヤ内腔面の断面最大高さ
【0044】すなわち、チューブ5は、使用空気圧の充
填により、均一に伸びるのが好ましいため、計測状態で
のチューブ5の断面の中心を、タイヤ内腔面4の実質的
な中心位置に設定しているのである。
【0045】
【実施例】タイヤサイズ110/90−19(リム2.
15−19)の自動二輪車用タイヤ用として表1に示す
ようなチューブを複数種試作するとともに、これらのチ
ューブを用いてタイヤとリムの組立体(チューブの空気
圧0.8kgf /cm2 )とし、低荷重(150kgf )を作
用させてその横バネ定数、縦バネ定数を測定した。なお
バネ定数は、加振機により周波数1Hz、±1mmの振幅
で加振したときのバネ定数を測定し、縦バネについて
は、高荷重(300kgf )についても測定した。これら
の低荷重、高荷重は、それぞれ250ccのオフロード
二輪車の1名乗車時の1G相当及び2G相当に対応して
いる。テストの結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】テストの結果、実施例のタイヤとリムの組
立体は、横バネ定数を向上していることが確認できる。
また実施例のタイヤとリムの組立体は、荷重による縦バ
ネ定数の変化が大きいことが確認できる。特に、実施例
のタイヤは、低荷重時、高荷重時の縦バネ定数の比(K
2/K1)がいずれも1.5以上であり、非常に優れて
いることがわかる。また、図3〜図5には、実施例3の
タイヤとリムの組立体のCTスキャン撮影断面を示し、
図3は無負荷時、図4は低荷重時、図5は高荷重時を夫
々示している。通常走行状態といえる低荷重時において
は、チューブ5がタイヤ内腔面から離れていないことが
確認できる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、チューブ形状比Atを、タイヤ内腔形状比Ac
の1.1〜1.2倍とすることにより、チューブ断面形
状をタイヤ内腔に対して横長形状に設定することがで
き、タイヤのサイドウォール部のタイヤ内腔面におい
て、タイヤとチューブとが離れにくくなり、タイヤのサ
イドウォール部に該チューブの空気圧を効果的に作用さ
せることができ、タイヤとリムの組立体の横バネ定数の
低下を効果的に防止するのに適したタイヤ用のチューブ
が得られる。
【0049】また請求項2又は3記載の発明では、チュ
ーブの伸長を小さくすることができるため、タイヤへの
空気圧の作用を減じることが可能となり、低荷重時にお
いて空気圧の縦バネ効果を抑え、荷重によりタイヤ組立
体のバネ定数を変化させうる。
【0050】また請求項4記載の発明では、チューブ
は、使用空気圧P、チューブの厚さG、100%モジュ
ラスEとの関係を設定することにより、チューブ自体の
剛性を増すことができ、しかも充填された空気圧の大部
分をチューブの膜力と釣り合わせ、タイヤに作用する圧
力を小として、とりわけ低荷重時でのタイヤの縦バネ定
数を小さくすることによって、タイヤ組立体の高荷重時
と低荷重時とで縦バネ定数を変えることに役立たせるこ
とができる。
【0051】また、請求項5記載の発明では、前記効果
に加え、計測状態でのチューブの断面の中心を、タイヤ
内腔面の実質的な中心位置に設定しているため、チュー
ブに使用内圧を充填した際に均一な伸びを図ることがで
き、チューブにしわが発生して耐久性が低下するのを防
止しうる。
【0052】また、請求項6記載の発明では、タイヤと
このタイヤをリム組みするリムとが囲むタイヤ内腔面内
に、請求項1乃至4のいずれか1に記載のタイヤ用のチ
ューブを配したタイヤとリムの組立体とすることによ
り、横バネ定数の低下を防止でき、また作用する荷重に
応じて縦バネ定数を変化させうるタイヤとリムの組立体
を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すタイヤとリムの組立体
の断面図である。
【図2】チューブの膜力を説明するタイヤとリムの組立
体の断面図である。
【図3】無負荷時のタイヤとリムの組立体をCTスキャ
ンで撮影した断面図である。
【図4】低荷重時のタイヤとリムの組立体をCTスキャ
ンで撮影した断面図である。
【図5】高荷重時のタイヤとリムの組立体をCTスキャ
ンで撮影した断面図である。
【図6】従来のチューブを説明する断面図である。
【図7】他のチューブを説明する断面図である。
【図8】(A)は低荷重、(B)は高荷重をそれぞれ作
用させた断面図である。
【符号の説明】
2 タイヤ 3 リム 4 タイヤ内腔面 5 チューブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤと、このタイヤをリム組みするリム
    とが囲むタイヤ内腔面内に配されかつ加圧により膨張す
    るタイヤ用のチューブであって、 前記チューブは、チューブにチューブ表面上の窪みがな
    くなる最低空気圧を充填した計測状態での断面最大巾W
    tと断面最大高さHtとの比(Wt/Ht)であるチュ
    ーブ形状比Atと、 前記タイヤ内腔面の断面最大巾Wcとリム径位置からタ
    イヤ内腔面のタイヤ半径方向最外端までの高さである断
    面最大高さHcとの比(Wc/Hc)であるタイヤ内腔
    形状比Acとにおいて、 1.1≦At/Ac≦1.2 の関係を満たすことを特徴とするタイヤ用のチューブ。
  2. 【請求項2】前記チューブは、前記計測状態での中心軸
    を含む断面での計測外周長Ltnが、自然状態での前記
    タイヤ内腔面の断面の周長Lの0.8〜0.9倍である
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ用のチューブ。
  3. 【請求項3】前記チューブは、チューブに使用空気圧を
    充填した使用状態での中心軸を含む断面での膨張外周長
    Ltiが、自然状態での前記タイヤ内腔面の断面の周長
    Lの1.05〜1.10倍であることを特徴とする請求
    項1又は2記載のタイヤ用のチューブ。
  4. 【請求項4】前記チューブは、チューブの厚さGと、1
    00%モジュラスEと、前記計測状態での中心軸を含む
    断面の平均半径rnとにおいて、下記式を満たすことを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のタイヤ
    用のチューブ。 0.20≦P・rn/4G・E≦0.35
  5. 【請求項5】前記チューブは、前記計測状態において中
    心軸からチューブの断面中心までの断面中心径Rnが、
    下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1に記載のタイヤ用のチューブ。 Rr+0.45Hc≦Rn≦Rr+0.55Hc 但し、Rr:リム半径 Hc:タイヤ内腔面の断面最大高さ
  6. 【請求項6】タイヤとこのタイヤをリム組みするリムと
    が囲むタイヤ内腔面内に、請求項1乃至5のいずれか1
    に記載のタイヤ用のチューブを配したタイヤとリムの組
    立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011057184A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Bridgestone Corp 二輪車用空気入りタイヤ

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