JPH11188856A - インクジェット記録方法及び装置 - Google Patents

インクジェット記録方法及び装置

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JPH11188856A
JPH11188856A JP9357829A JP35782997A JPH11188856A JP H11188856 A JPH11188856 A JP H11188856A JP 9357829 A JP9357829 A JP 9357829A JP 35782997 A JP35782997 A JP 35782997A JP H11188856 A JPH11188856 A JP H11188856A
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ink jet
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系媒体と、該水系媒体中に微分散せしめら
れた、色材にて着色された微小樹脂粒子とを含む水系分
散インクを用いて印字を行うインクジェット記録方法に
関し、インクが記録媒体にしみ込むことがなく、よっ
て、記録画像に光沢を与え、印字品位を向上させること
のできる記録方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 インクジェット記録を実施するに当たっ
て、印字工程の直後、前記微小樹脂粒子のガラス転移温
度(Tg)以上の温度まで印字部を加熱することによって
定着を行うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
方式に関し、さらに詳しく述べると、水系媒体と、該水
系媒体中に微分散せしめられた、色材にて着色された微
小樹脂粒子とを含む水系分散インクを用いて印字を行う
インクジェット記録方法及び装置に関する。本発明のイ
ンクジェット記録方法及び装置を使用すると、色材にて
着色された微小樹脂粒子をそのガラス転移温度(Tg)以
上の温度に加熱した状態で印字を行うことにより、記録
画像に光沢を与え、印字品位を上げることができる。ま
た、使用するインクが分散安定性に優れた水系分散イン
クであるので、耐目詰まり性及び噴射安定性に優れた印
字が行え、色鮮やかで、高耐水性及び高耐光性の画像を
得ることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ、ワード
プロセッサ、ファクシミリ装置、複写機などの電子機器
に内蔵、あるいは接続される印刷機として、インクジェ
ットプリンタが広く用いられている。また、インクジェ
ットプリンタで用いられる印字インク、すなわち、イン
クジェットインクとしては、従来、染料と、水溶性有機
溶剤と、水とから基本的に構成されている染料水溶液が
用いられている。この種の染料インクは、しかし、ノズ
ルから飛ばされたインクが記録紙に付着した時、インク
が記録紙上ににじむという問題を避けることができず、
したがって、記録紙上のインクのドットはノズルからの
インク液滴の直径よりも大きくなってしまったり、ま
た、着色成分として使用する染料に特有の性質のため、
耐水性、耐光性に関して満足し得る記録物を得ることが
できない。
【0003】上記したような染料インクの問題を解決す
るため、染料に代えて顔料を使用することが実行されて
いる。顔料インクの特徴としては、まず、得られる記録
物においてその耐水性及び耐光性が、染料インクの比べ
て格段に高いことが挙げられる。また、染料インクと比
較して、記録物の濃度が高く、にじみの発生も少ないこ
とも特徴である。
【0004】さらに、染料及び顔料のいずれも着色成分
として使用可能なインクジェットプリンタ用インクも提
案されている。例えば、特開平7−97540号公報
は、染料又は顔料によって着色され、かつ特定のベンゾ
トリアゾール系の化合物、例えば2−(5−メチル−2
−ヒドロキシルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを含
有し、20〜1000eq/tonの範囲でイオン性基
を含有するポリエステル粒子を分散質とする水分散体で
あることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク
を開示している。この発明のインクは、耐光性を向上さ
せるために特定のベンゾトリアゾール系の化合物を使用
するとともに、高い画像濃度を得るという課題に対し
て、染色が容易であるポリエステルを着色粒子として使
用している。しかし、このインクを使用した記録方法及
び装置では、インクが記録媒体にしみ込んで、記録媒体
の繊維が印字に悪影響を与えて、印字品位を低下させる
という問題がある。
【0005】ここで、従来の技術における記録媒体の加
熱について考察すると、従来の染料インクを用いたイン
クジェットプリンタにおいても、印字後の記録媒体を加
熱することが行われているが、本発明で使用する水系分
散インクとは異なって、満足し得る光沢を生む効果は得
られてない。また、特開昭61−29581号公報は、
水系染料インクを用いるインクジェット記録装置であっ
て、インク吸収層を有する被記録材について、記録位置
のインク吸収層の温度をそのガラス転移温度以上とし得
る加熱手段を備えていることを特徴とするインクジェッ
ト記録装置を開示している。この記録装置では、しか
し、記録媒体にあらかじめインク吸収層を塗布しておく
作業が必要であり、その結果、製造コスト及び装置価格
が上昇してしまうという問題がある。
【0006】さらに、特開平1−278361号公報
は、インク噴射ヘッドによる印字位置の直前の位置から
下流側の領域中のいずれかの位置に印字用紙を加熱する
印字用紙加熱装置を設けたことを特徴とするホットメル
ト式インクジェットプリンタを開示している。しかし、
このプリンタでは、固形インクをヘッドから噴射するま
でに十分に加熱して液状に溶融させながら印字を行うホ
ットメルト方式を採用しているので、インクカートリッ
ジやヘッドを加熱する手段が必要で、また、熱変化に伴
うインクの体積変化によりヘッド内に気泡を生じやす
く、ノズルの目詰まりを生じやすいという問題がある。
【0007】さらにまた、特開平4−251747号公
報は、環状の循環式のワックスインク記録用中間媒体の
内側に加熱手段を配設したことを特徴とするワックスジ
ェット式記録装置を開示している。しかし、この記録装
置も、先に説明したホットメルト式インクジェットプリ
ンタと同様な問題をかかえている。すなわち、ワックス
の溶融に原因してノズルの目詰まりが発生しやすく、ま
た、ワックスインク像の熱転写のために加熱手段を配設
しなければならないので、機構の複雑化や製品コストの
上昇を避けることができないという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、した
がって、上記したような従来の技術の問題点を解決し
て、インクが記録媒体にしみ込むことがなく、よって、
記録画像に光沢を与え、印字品位を向上させることがで
き、ノズルの目詰まりを生ぜず、装置を複雑化せず、装
置コストも上昇させないインクジェット記録方法及び装
置を提供することにある。
【0009】本発明の目的は、また、噴射安定性、耐水
性、そして耐光性に優れ、かつ色鮮やかでにじみのない
印字を行うことのできるインクジェット記録方法及び装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水系媒
体と、該水系媒体中に微分散せしめられた、色材にて着
色された微小樹脂粒子とを含む水系分散インクを用いて
印字を行うインクジェット記録方法であって、印字工程
の直後、前記微小樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上
の温度まで印字部を加熱することによって定着を行うこ
とを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
【0011】また、本発明によれば、水系媒体と、該水
系媒体中に微分散せしめられた、色材にて着色された微
小樹脂粒子とを含む水系分散インクを用いて印字を行う
インクジェット記録装置であって、定着時に前記微小樹
脂粒子のガラス転移温度以上の温度まで印字部を加熱す
るための加熱手段を装備していることを特徴とするイン
クジェット記録装置も提供される。
【0012】本発明では、記録媒体に対するインクのし
み込みを防止するという課題に対して、特定の水系分散
インクを使用し、また、印字の直後、インク中の微小樹
脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上の温度まで印字部を
加熱することによって定着を行い、樹脂を溶融させて薄
い膜を形成させることで対応している。また、このよう
にして形成される薄い樹脂膜は、記録画像に対して光沢
を付与するのにも有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるインクジェット記録
方法及び装置では、上記したように、水系媒体と、該水
系媒体中に微分散せしめられた、色材にて着色された微
小樹脂粒子とを含む水系分散インクを使用する。水系媒
体は、インクジェットインクの分野で一般的に行われて
いるように、水と水溶性有機溶剤とから構成するのが好
ましい。水系媒体の調製に有利に使用される水溶性有機
溶剤は、その一例を以下に列挙すると、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール
等のポリアルキレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテルなどを包含す
る。これらの水溶性有機溶剤のなかで、特に好適に使用
することができる有機溶剤は、ジエチレングリコール等
の2価アルコールである。これらの有機溶剤は、単独で
使用してもよく、あるいは混合して使用してもよい。ま
た、かかる有機溶剤の使用量は、水系媒体中に分散せし
められるべき微小樹脂粒子の種類及び量やその他のファ
クタに応じて広く変更することができるというものの、
通常、水系媒体の全量を基準にして1〜20重量%の範
囲であるのが有利である。
【0014】水系媒体中には、以下に詳細に説明するよ
うに染料、顔料などの色材にて着色された、天然あるい
は合成の樹脂の微小粒子が微分散せしめられる。本発明
のインクジェットインクでは特に、微小樹脂粒子の含有
量を、インクの全量を基準にして30重量%以下とする
のが好ましい。これは、微小樹脂粒子の含有量が30重
量%を上回った場合、残余が水であっても、粘度が20
cpよりも大きくなることもあり、また、20cpより
も粘度が小さい樹脂粒子の水分散体でも、湿潤剤などを
添加すると、その粘度が20cpを超えてしまうからで
ある。
【0015】色材にて着色せしめられた後に水系媒体中
に分散せしめられるべき微小樹脂粒子は、上記したよう
に天然あるいは合成の樹脂の微小粒子であることがで
き、いろいろな樹脂の使用可能性を包含している。かか
る微小粒子の形成に適当な樹脂は、しかし、染色が容易
であり、すぐれた水分散性を発現させることなどの観点
から、イオン性基含有ポリエステル樹脂、特に20〜1
000eq/tonの範囲でイオン性基を含有するポリ
エステル樹脂である。また、かかる樹脂粒子の粒子径は
1.0μm以下であることが好ましい。実際、ポリエス
テル微小樹脂粒子は、エマルジョンであるため、記録媒
体に付着した時の滲みも少なく、また、ポリエステル自
体に耐水性があるため、得られる記録物の耐水性も優れ
ている。
【0016】本発明の実施において微小樹脂粒子の形成
に有利に使用することのできるポリエステル樹脂は、高
分子化学の分野において一般的によく知られているよう
なポリエステル樹脂を包含し、その典型例は、多価カル
ボン酸類と多価アルコール類の反応生成物である。出発
物質として用いられる多価カルボン酸類としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、スルホテレフタル酸
などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などの
芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸などの
脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽
和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸、さらにまた、トリメリット酸、
ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を挙げ
ることができる。
【0017】また、多価アルコール類としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリト
ールなどの脂肪族多価アルコール類、1,4−シクロヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、トリシクロ
デカンジオールなどの脂環族多価アルコール類、パラキ
シレングリコール、メタキシレングリコール、1,4−
フェニレングリコールなどの芳香族多価アルコール類、
その他を挙げることができる。
【0018】ポリエステル樹脂の形成は、常用の重合法
を使用して実施することができる。また、その際、必要
に応じて、上記した単量体成分の他、その他の単量体成
分を追加的に併用してもよい。ポリエステル樹脂中に導
入されるべきイオン性基は、特に限定されないというも
のの、好ましくは、スルホン酸アルカリ金属塩基又はス
ルホン酸アンモニウム塩基を有するモノ−又はジカルボ
ン酸、カルボン酸アルカリ金属塩基又はカルボン酸アン
モニウム塩基を有する単量体、硫酸基、燐酸基、ホスホ
ン酸基等の酸基単量体もしくはそのアンモニウム塩、金
属塩等のアニオン性基単量体、あるいはその第1アミン
基、第3アミン基等のカチオン性基単量体、その他であ
る。
【0019】イオン性基の導入もいろいろな手法に従っ
て実施することができる。例えば、カルボン酸アルカリ
金属塩基又はカルボン酸アンモニウム塩基を有する単量
体を用いてそのイオン性基をポリエステル樹脂中に導入
する場合には、ポリエステルの重合の最終段階で、トリ
メリット酸等の多価カルボン酸を重合系内に導入するこ
とにより、生成途中のポリマーの末端にカルボキシ基を
付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等
で中和することによりカルボン酸塩の基となす方法を使
用することができる。
【0020】本発明で用いられるイオン性基含有ポリエ
ステル樹脂において、イオン性基の含有量は、好ましく
は、上記したように20〜1000eq/tonの範囲
である。イオン性基の含有量が20eq/tonを下回
る場合には、満足し得る程度の水分散性が得られないで
あろう。反対に1000eq/tonを上回る場合に
は、イオン性基の含有量が増加したにもかかわらず得ら
れる効果に向上が期待できないであろう。
【0021】上記したイオン性基含有ポリエステル樹脂
及びその他の樹脂の微小粒子は、色材にて着色せしめら
れた状態で使用される。樹脂の着色のための色材として
は、染料及び顔料のいずれも使用することができ、さも
なければ、必要に応じて、染料と顔料を混合して使用し
てもよい。本発明の実施において、特に、カラーの印字
を目的とするような場合には、色が鮮やかとなるので、
色材として染料を使用することが好ましい。染料を使用
する場合、所望とするインクの色調やその他のファクタ
に応じて、各種の商業的に入手可能な染料、例えば分散
染料、油溶性染料、建染め染料、ヴァット染料、塩基性
染料などのなかから適当な染料を選択して使用すること
ができる。本発明のインクのような水系分散体の特徴を
生かすためには、特に分散染料や油溶性染料を使用する
のが好ましい。これは、インクをカラーインクジェット
プリンタで使用する場合、色再現範囲が広く、かつ高耐
水性の印字が可能になるためである。適当な分散染料あ
るいは油溶性染料の一例を示すと、C.I.Dispe
rseYellow 198、C.I.Dispers
e Red 92、C.I.Disperse Vio
let 26、C.I.Disperse Blue6
0、C.I.Solvent Yellow 162、
C.I.Solvent Blue 25、C.I.S
olvent Blue 64、C.I.Solven
t Black 3、その他を挙げることができる。な
お、画像を色鮮やかにするためにかかる染料を使用した
場合には、場合によって耐光性が低下する恐れがあるけ
れども、そのような時には、樹脂中に紫外線吸収剤等を
添加することが推奨される。
【0022】色材としての染料及び以下に詳細に説明す
る顔料は、所望とする結果などに応じていろいろな量で
使用することができる。また、樹脂に対する染料等の色
材の比率が高ければ高いほど、インクが記録紙に付着し
た時の画像濃度が高くなるけれども、通常、微小樹脂粒
子の重量を基準にして2〜20重量%の量で色材を使用
するのが好ましい。色材の量が20重量%を超えると、
色材が遊離して、水系分散体の安定性が悪くなったり、
記録紙に付着した際の耐水性が著しく悪化する。また、
反対に色材の量が2重量%を下回ると、記録紙上の画像
濃度が不足し、良好な画質を得ることができない。
【0023】染料で微小樹脂粒子を着色するに当たって
は、いろいろな技法を使用することができ、その一例と
して、例えば、高温分散染色法を挙げることができる。
しかし、染料を樹脂に対して直接に練り込む方法は、加
熱により染料に対して悪い影響が及ぼされるなどの不都
合を考慮した場合、好ましい方法ではない。樹脂として
ポリエステル樹脂を使用し、それに対して高温分散染色
法で染料を含有せしめる場合には、本発明で使用される
ポリエステル樹脂はイオン性基の作用により水中にて良
好かつ安定な分散性を呈することができるので、樹脂の
粒子状態を維持したまま高濃度な染色が可能である。ま
た、別法によれば、ポリエステル樹脂を溶剤に溶解して
エマルジョンを調製する時、あわせて染料を添加して着
色を行ってもよい。
【0024】本発明において用いられるインクジェット
インクでは、顔料を色材として使用して微小樹脂粒子を
着色してもよい。例えば、黒色顔料を色材として使用し
て、得られた顔料インクを黒インクとして使用すること
もできる。このようなインクを使用すると、にじみのな
い高品位のモノクロ黒記録を行うことができる。モノク
ロ黒記録において、インクを構成する水系分散体におい
て有利に使用することのできる黒色顔料は、カーボンブ
ラックである。カーボンブラックの特性は、一般的に、
粒子径、表面積、吸油量、揮発分、pH値などで決定さ
れ、また、したがって、本発明の実施において有利に使
用することのできるカーボンブラックも、それを特性的
に規定すると、30nm以下の一次粒径、200m2/g以
下のBET表面積、80ml/100g以下のDBP吸油
量、2.0%以上の揮発分及び7以下のpH値を有してい
るものである。これは、使用するカーボンブラックの特
性が上記した範囲を外れていると、水系分散体中で凝集
が起こりやすく、分散が不安定となるからである。
【0025】上記したようなカーボンブラックは、通
常、商業的に入手可能であり、また、その一例を示す
と、三菱化学社製のMA−7、MA−8及びMA−11
(商品名)、コロンビアンカーボン社製のRaven
1255、Raven 1250及びRaven 10
80 Ultra(商品名)、キャボット社製のMog
ul−L及びRegal 400R(商品名)、デグサ
社製のSpecial Black 550及びPri
ntex 150T(商品名)などを挙げることができ
る。これらのカーボンブラックも、単独で使用しても、
あるいは混合して使用してもよい。
【0026】顔料インクは、上記したような黒インクに
代えて、カラーインクとして使用してもよい。カラーイ
ンクで使用する顔料は、所望とする色相などによってい
ろいろに変更することができる。使用可能な顔料の一例
を示すと、例えば、不溶性型アゾ系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、ベンゾイミダゾロン系顔料、縮合アゾ系顔
料などの黄色系顔料、不溶性型アゾ系顔料、キナクリド
ン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料などの
赤色系顔料、フタロシアニン系顔料、インダスレン系顔
料などの青色系顔料を挙げることができる。
【0027】上記の説明から理解されるように、本発明
で用いられる微小着色樹脂粒子を調製するため、色材と
しての染料又は顔料を樹脂中に含有せしめ、均一に分散
させることが必要である。この色材の分散には、この技
術分野において通常用いられている各種の分散手段、例
えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、ロールミ
ル、ビーズミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザ、
高圧ホモジナイザなどの商業的に入手可能な各種の分散
機を使用することができる。
【0028】上記したような着色樹脂の微小粒子は、本
発明のインクジェットインクおいて使用する場合、0.
1μm以下の平均粒子径を有していることが好ましい。
微小樹脂粒子の粒子径がことさら大きくなると、水系媒
体中に分散せしめた時に分散安定性が悪化し、所望とす
る水系分散体を得ることができないおそれがある。本発
明で用いられるインクジェットインクでは、上記したよ
うな微小樹脂粒子と組み合わせて、湿潤剤を、樹脂粒
子:湿潤剤の比(重量比)が1:0.5〜1:2となる
ような量で存在せしめることが好ましい。適当な湿潤剤
としては、例えば、グリセリンや、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどの多価アルコールを挙げ
ることができる。これらの湿潤剤は、単独で使用しても
よく、あるいは2種類以上の湿潤剤を混合して使用して
もよい。湿潤剤は、その樹脂粒子との重量比が上記した
範囲となるような量で使用することが好ましく、もしも
その範囲を外れた量で使用すると、満足し得る湿潤効果
を得ることができないであろう。
【0029】本発明のインクジェットインクでは、さら
に、それをカラーインクとして使用する際に、記録紙上
での、隣接した色間におけるインクの流れ出し、いわゆ
るブリードを防止するため、ノニオン系又はアニオン系
界面活性剤を追加的に使用することが好ましく、そのよ
うな場合、界面活性剤は、インクの全量を基準にして
0.1〜10重量%の量で使用するのが好ましい。適当
なノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ソルビタン、ソルビタン脂
肪酸エステルなどを挙げることができ、また、アニオン
系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、硫酸ドデシルナトリウムなどを挙げ
ることができる。これらの界面活性剤は、単独で使用し
てもよく、あるいは2種類以上の界面活性剤を混合して
使用してもよい。界面活性剤は、上記した範囲となるよ
うな量で使用することが好ましく、もしもその範囲を外
れた量で使用すると、そのブリード防止の効果を得るこ
とができないであろう。
【0030】さらに、本発明のインクジェットインクで
は、その粘度が20cp以下であることが好ましい。イ
ンクの粘度が20cpを上回ると、インクジェットプリ
ンタのノズルの目詰まりを生じたり、ノズルから吐出さ
せる時に最良の状態でインク液滴を飛翔させることがで
きないであろう。以上、本発明でインクジェットインク
として用いられる水系分散インクを構成する必須成分に
ついて説明したけれども、本発明のインクジェットイン
クは、この技術分野において一般的に行われているよう
に、必要に応じて任意の添加剤を含有することができ
る。適当な添加剤の一例として、例えば、pH調整剤ある
いは緩衝剤、防錆剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、殺菌剤、防カビ剤、蒸発促進剤、浸透剤、金属イオ
ン封鎖キレート化剤などを挙げることができる。
【0031】本発明のインクジェットインクの調製は、
すなわち、微小着色樹脂粒子を水系媒体中に微分散せし
めた水系分散インクを調製するプロセスは、微小着色樹
脂粒子とその他の必要な成分を予め混合して、得られた
混合物にさらに水を添加して混合する方法、すべてのイ
ンク形成性成分を一緒に混合して加熱する方法などに従
って実施することができる。また、場合によって微小着
色樹脂粒子に加えて粗大着色樹脂粒子(粒子径が1μm
よりも大)が存在するかもしくはその可能性がある場
合、インク化の際に沈殿が生成するのを回避するため、
例えば、調製した水系分散体をポアサイズ0.8μmの
メンブレンフィルタで濾過及び蒸留して、所望とする粒
子径の微小着色樹脂粒子を所定の固形分濃度で含有する
水分散体を得ることが推奨される。
【0032】以上に説明したような水分散系インクを使
用することにより、本発明方法及び装置では、耐目詰ま
り性及び噴射安定性に優れた印字が行え、色鮮やかで、
高耐水性及び高耐光性の画像記録を得ることができる。
なお、参考までに記載すると、本発明の実施において、
特に着色ポリエステル樹脂の微小粒子の形成は、例えば
特開平4−296321号公報に記載の手法に従って実
施してもよく、また、かかる微小着色樹脂粒子の水系媒
体中における微分散とそれによるインクの調製は、例え
ば特開平7−97540号公報(先に引用した)及び特
開平7−196965号公報に記載の手法に従って実施
してもよい。
【0033】本発明の実施において、インクジェットイ
ンクを使用して記録が付与されるべき記録媒体は、特に
限定されないというものの、好ましくは記録紙である。
適当な記録紙の一例を示すと、その製造原料によって多
種多様であるけれども、乾式複写機等で広く用いられて
いるいわゆる「普通紙」、再生紙、インクジェット記録
用専用紙などを挙げることができる。
【0034】本発明によるインクジェット記録方法は、
基本的に、上記したような水系分散インクを使用して、
従来より一般的に用いらているインクジェット記録方
式、例えばピエゾ(圧電)方式、バブルジェット(B
J)方式などに準じて実施することができる。本発明方
法は、特に、通常の手法に従って印字を行った後、特に
その印字の直後、インク中に含まれる微小樹脂粒子のガ
ラス転移温度(Tg)以上の温度まで印字部を加熱するこ
とによって定着を行うことを特徴とする。加熱温度は、
いろいろなファクタによって変更可能であるというもの
の、通常、Tg上20℃前後以内の温度であることが好ま
しく、さらに好ましくはTg上5℃前後以内の温度であ
る。印字部の加熱は、いろいろな形で行うことができる
というものの、記録媒体を予熱又は加熱する形で行うの
が好ましい。
【0035】また、本発明によるインクジェット記録装
置は、上記したような水系分散インクを収容した容器を
含むインクカートリッジと、該インクカートリッジの容
器からのインクを所望の記録パターンに従って記録媒体
上に適用する手段とを含んで構成され,特に、装置の印
字部を加熱するための加熱手段を装備していることを特
徴とする。加熱手段は、いろいろな形態で装備すること
ができるというものの、好ましくは、記録媒体を予熱又
は加熱する手段として装備することができる。ここで有
利に使用することのできる加熱手段の具体的な例として
は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれ
ども、発熱体、例えば加熱ローラ、加熱シャフトなど、
あるいは発光体、例えばキセノン光源、赤外光源など、
を挙げることができる。これらの加熱手段を、印字部の
適当な場所に任意に配置することができる。例えば、2
個の加熱手段を記録媒体をサンドイッチするように対向
して配置して、その際、媒体の裏面を印字面よりも低い
温度で加熱するように構成することができる。また、こ
のようにして加熱手段を配置する場合には、媒体の裏面
の温度が水系分散インク中の微小樹脂粒子のガラス転移
温度未満となるように加熱手段を配置するのが好まし
い。加熱手段をこのような形態で配置した場合には、印
字後の定着において、溶融したインクが印字面から媒体
の内部に向かって過度に流れ込んでいくのを効果的に防
止することができる。
【0036】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例についてさ
らに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではないことを理解されたい。なお、
「部」は、特に断りのある場合を除いて「重量部」を表
す。例1 共重合ポリエステル樹脂(1)の調製:下記の出発物質
を用意した。
【0037】 ジメチルテレフタレート 290部 エチレングリコール 109部 ネオペンチルグリコール 180部 2−ジメチルアミノメチル,2−メチル−1,3−プロパンジオール 15部 テトラブトキシチタネート 0.2部 温度計及び攪拌機を装備したオートクレーブに上記の出
発物質を記載の量で装填し、エステル交換反応のため、
150〜220℃の温度で180分間にわたって加熱し
た。次いで、反応混合物を240℃まで加熱した後、オ
ートクレーブ内の圧力を徐々に低下させて30分後に1
0mmHgとし、この圧力の下で60分間にわたって反応を
継続した。引き続いて、オートクレーブを窒素ガスでパ
ージし、大気圧とした。分子量が3200でありかつイ
オン性基含有量が150eq/tonである共重合ポリ
エステル樹脂(1)が得られた。例2 共重合ポリエステル樹脂(2)の調製:下記の出発物質
を用意した。
【0038】 ジメチルテレフタレート 130部 ジメチルイソフタレート 56部 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6部 エチレングリコール 159部 ネオペンチルグリコール 268部 テトラブトキシチタネート 0.1部 温度計及び攪拌機を装備したオートクレーブに上記の出
発物質を記載の量で装填し、エステル交換反応のため、
180〜230℃の温度で120分間にわたって加熱し
た。次いで、反応混合物を240℃まで加熱した後、オ
ートクレーブ内の圧力を1〜10mmHgとし、この圧力の
下で60分間にわたって反応を継続した。引き続いて、
オートクレーブを窒素ガスでパージし、大気圧とした。
分子量が3200でありかつイオン性基含有量が150
eq/tonである共重合ポリエステル樹脂(2)が得
られた。例3 微小樹脂粒子(Y1)及び(Y2)の調製:前記例1及
び例2で調製した共重合ポリエステル樹脂(1)及び
(2)を使用して、本発明で用いられるインクジェット
インクの調製に使用する着色ポリエステル樹脂の微小粒
子(微小樹脂粒子)を調製した。
【0039】下記の成分: 共重合ポリエステル樹脂(1)又は(2) 100部 黄色染料(C.I. Solvent Yellow 162) 15部 メチルエチルケトン 175部 テトラヒドロフラン 175部 を入念に混合して溶解した。次いで、得られた溶液に6
00部の水を添加し、さらに混合を継続した。得られた
混合物をポアサイズ0.8μmのメンブレンフィルタで
濾過し、さらに蒸留した。固形分濃度40重量%の微小
樹脂粒子の水分散体が得られた。この水分散体中に微分
散せしめられている微小樹脂粒子は、約0.7μmの粒
子径を有する、黄色に着色したポリエステル樹脂の微小
粒子であった。なお、このようにして得られた微小樹脂
粒子は、以下、その原料ポリエステル樹脂及び染料の色
調に応じて、微小樹脂粒子(Y1)又は(Y2)と記す
ことにする。例4 その他の色調の微小樹脂粒子の調製:前記例3に記載の
手法を繰り返した。しかし、本例では、黄色以外の色調
の微小樹脂粒子を調製するため、色材として、黄色染料
(C.I. Solvent Yellow 162)に代えて下記の表に記載の
染料を同量で使用した。下記の表に略語で例示する微小
樹脂粒子が得られた。
【0040】 色材として使用した染料 得られた微小樹脂粒子 マゼンタ染料(C.I. Disperse Red 92) M1及びM2 シアン染料(C.I. Solvent Blue 64) C1及びC2 黒色染料(C.I. Solvent Black 3) B1及びB2 例5 インクジェットインクの調製:前記例3で調製した微小
樹脂粒子(Y1)の水分散体を、ノズル内の目詰まりを
防止するための湿潤剤、グリセリン及び隣接した色間に
おけるインクの流れ出し(ブリード)を防止するための
ノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルと混合した。得られたインクジェットインク(Y
I1)において、不揮発分(樹脂粒子+染料)は15重
量%、グリセリンは10重量%、ノニオン系界面活性剤
は0.8重量%、そして残余は水であり、また、粘度は
4cpであった。
【0041】さらに、前記例3で調製した微小樹脂粒子
(Y2)及び前記例4で調製した微小樹脂粒子(M1、
M2、C1、C2、B1及びB2)を使用して、上記と
同様にしてインクジェットインク(YI2、MI1、M
I2、CI1、CI2、BI1及びBI2)を調製し
た。例6 インクジェットインクの評価:前記例5で調製したイン
クジェットインク(YI1)を使用して、(1)記録画
像における光沢の有無及び(2)印字画質の2項目に関
して印字試験を実施した。印字条件は、印字の直後に
行う加熱シャフトによる定着加熱の省略、印字の直
後、微小樹脂粒子(Y1)中で使用したポリエステル樹
脂のガラス転移温度=60℃を下回る54℃に加熱した
加熱シャフトによる定着加熱を併用、印字の直後、微
小樹脂粒子(Y1)中で使用したポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度=60℃に加熱した加熱シャフトによる定
着加熱を併用、とした。なお、本例で使用したインクジ
ェットインク記録装置は、図1に印字部を示す本発明に
よるインクジェットプリンタ10である。図示のプリン
タ10の場合、記録媒体(ここでは、電子写真複写機で
使用されている普通紙を使用)1は、ベイルローラ11
で押さえられてプラテン12に巻き付けられており、矢
印Aの方向に移動可能である。プラテン12と平行に設
けられたステーシャフト13には、キャリッジ14が摺
動自在に取り付けられていて、記録媒体1の表面にそっ
てキャリッジ14が往復運動(矢印Bを参照されたい)
可能である。キャリッジ14には、図示されるように、
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒
(Bk)の液体インク(水系分散インク)を貯留した4個
のインクカートリッジ1Y、1M、1C及び1Bkと、そ
のインクカートリッジから供給されるインクに圧力を加
えてノズル(図示せず)から記録媒体1の記録面に向か
ってインクを噴出させる、前記インクカートリッジにそ
れぞれ対応する4個のインクジェットヘッド2Y、2
M、2C及び2Bkが取り付けられている。インクカート
リッジとインクジェットヘッドは、各色インク別に一体
的に設けられていて、キャリッジ14に対して取り外し
可能に固定されている。また、ベイルローラ11の前、
すなわち、印字位置の直後の空間には、図示されるよう
に、熱源を内蔵した加熱シャフト15が記録媒体1とは
非接触で設けられている。図示のプリンタ10を運転す
ると、インクジェットヘッドのノズル(図示せず)から
記録媒体1に向かってインク滴が吐出されて、所定のピ
ッチのドットが記録媒体1上に形成される。そして、イ
ンク滴の吐出タイミング、キャリッジ14の横断方向の
走査、さらに記録媒体1の垂直方向の走査により、記録
媒体1にドットのパターンが形成されて、任意の文字や
図形、自然画等を記録することができる。また、記録媒
体1上で各色インクの付着量を制御することにより、各
種の色を表現することができる。
【0042】得られた印字試験の結果を下記の第1表に
示す。なお、(1)記録画像における光沢の有無及び
(2)印字画質とも、20人のパネラーによる肉眼によ
る評価の結果をもとにしている。 第1表 評価項目 定着加熱なし 54℃で定着加熱 60℃で定着加熱 光沢の有無 光沢なし 光沢なし 光沢あり 印字画質 良好 良好 優良 さらに、上記した印字試験を、前記例5で調製したその
他のインクジェットインクを使用して繰り返したとこ
ろ、第1表に記載した結果と同様な結果を得ることがで
きた。すなわち、本発明によると、印字直後に記録紙を
60℃に加熱して定着を行ったため、優れた光沢及び印
字画質を得ることができた。例7 インクジェットプリンタの変更(1):前記例5で調製
したインクジェットインク(YI1)を使用して、前記
例6に記載の印字試験を繰り返した。本例では、図1に
示したインクジェットプリンタに代えて、図2に示した
インクジェットプリンタ、すなわち、加熱シャフト15
に代えて赤外光の加熱ランプ16を装備したプリンタを
使用した。印字条件は、前記例6と同一とした。本例で
も、前記第1表に記載した結果と同様な結果を得ること
ができた。 インクジェットプリンタの変更(2):熱効率及び印字
品質をさらに向上させるため、図1に示したインクジェ
ットプリンタの加熱機構を図3に示すインクジェットプ
リンタのように変更することも試みた。すなわち、図3
のプリンタでは、記録紙を中心にして加熱シャフト15
の反対側に、もう1本の加熱シャフト、補助加熱シャフ
ト17(熱源内蔵)を配置した。また、図示の例では、
省スペースのため、プラテン12を中空体として、その
内部に加熱シャフト17を組み込んだ。
【0043】図3のプリンタを使用した場合、記録紙の
印字面よりも、その裏面のほうが温度が高いと、インク
が溶融したまま記録紙にしみ込み、記録密度を低下させ
る可能性がある。このため、図示の補助加熱シャフトあ
るいはその他の補助加熱手段を用いての記録紙裏面から
の加熱は、必ず印字面よりも低い温度、それも、使用す
るインク中に含まれる樹脂のガラス転移温度よりも低い
温度で行うことが望ましい。このようにすることによ
り、印字面の光沢をさらに効率よく発現させることがで
きる。
【0044】また、裏面加熱を記録紙の予熱に利用する
と、インクをすばやく乾燥させることができ、また、そ
れにあわせて非浸透性のインク(界面活性剤を含まない
インク)を使用すると、より記録密度の高い、鮮明でか
つ光沢のある画質を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法及び
装置を使用して印字を行えば、インクが記録媒体にしみ
込むことがなく、よって、記録画像に光沢を与え、印字
品位を向上させることのできる。さらに、本発明によれ
ば、ノズルの目詰まりが発生することがなく、装置が複
雑化することもなく、また、装置コストが上昇すること
もない。さらにまた、本発明によれば、耐目詰まり性及
び噴射安定性に優れた印字を行うことができ、また、色
鮮やかでにじみがなく、耐水性及び耐光性に優れた記録
画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録装置の印字部
の好ましい1態様を示した斜視図である。
【図2】本発明によるインクジェット記録装置の印字部
のもう1つの好ましい態様を示した斜視図である。
【図3】本発明によるインクジェット記録装置の印字部
のさらにもう1つの好ましい態様を示した斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…記録媒体 10…インクジェット記録装置 11…ベイルローラ 12…プラテン 13…ステーシャフト 14…キャリッジ 15…加熱シャフト 16…加熱ランプ 17…補助加熱シャフト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系媒体と、該水系媒体中に微分散せし
    められた、色材にて着色された微小樹脂粒子とを含む水
    系分散インクを用いて印字を行うインクジェット記録方
    法であって、 印字工程の直後、前記微小樹脂粒子のガラス転移温度以
    上の温度まで印字部を加熱することによって定着を行う
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体を予熱又は加熱することにより
    前記印字部の加熱を行うことを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 水系媒体と、該水系媒体中に微分散せし
    められた、色材にて着色された微小樹脂粒子とを含む水
    系分散インクを用いて印字を行うインクジェット記録装
    置であって、 定着時に前記微小樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度
    まで印字部を加熱するための加熱手段を装備しているこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 記録媒体を予熱又は加熱して前記印字部
    を加熱するための手段を装備していることを特徴とする
    請求項3に記載のインクジェット記録装置。
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