JPH11188817A - ポリスチレン系熱収縮ラベル - Google Patents

ポリスチレン系熱収縮ラベル

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JPH11188817A
JPH11188817A JP36127197A JP36127197A JPH11188817A JP H11188817 A JPH11188817 A JP H11188817A JP 36127197 A JP36127197 A JP 36127197A JP 36127197 A JP36127197 A JP 36127197A JP H11188817 A JPH11188817 A JP H11188817A
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heat
shrinkable
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base film
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JP36127197A
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Toshio Yamamoto
富志男 山本
俊哉 ▲よし▼井
Toshiya Yoshii
Hiroshi Harada
寛 原田
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Fuji Seal Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、焼却後に有害物質が発生しないポ
リスチレンを主成分とし、良好なフロスト調又はパール
調の外観を有し、且つ仕上がり良く容器に装着できるポ
リスチレン系熱収縮ラベルを提供することを課題とす
る。 【解決手段】 ベースフィルム2の少なくとも一面側に
印刷層3が設けられたポリスチレン系熱収縮ラベルであ
って、前記ベースフィルム2が、スチレン−ジエン系樹
脂に、該樹脂との屈折率の差が0.01以上であるアク
リル系樹脂を10重量%〜40重量%混合した組成物を
製膜したフィルムから構成することにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロスト調の外観
(例えて、靄のかかったような外観)又はパール調の外
観(例えて、真珠光沢の外観)を有するポリスチレン系
熱収縮ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】透明な熱収縮フィルムに印刷を施した熱
収縮ラベルが多用されている一方で、装飾的観点等から
フロスト調又はパール調の外観を有する熱収縮ラベルも
多用されている。
【0003】かかるフロスト調又はパール調の外観の熱
収縮ラベルとして、従来、ポリ塩化ビニルを主原料とす
るものが知られているが、焼却後に有害物質を生ずる等
の環境上の理由から近年その使用は敬遠されている。
【0004】そこで、ポリスチレンやポリエチレンテレ
フタレート等を主原料とするフロスト調又はパール調の
外観の熱収縮ラベルが提供されているが、かかる原料か
らなる熱収縮ラベルをフロスト調又はパール調の外観と
するには以下のような手段によって行われている。
【0005】即ち、透明のフィルムの表面にマット印
刷(表面艶消し仕上げ)又は人造真珠顔料等を加えたパ
ール塗料を印刷してフロスト調又はパール調の外観の熱
収縮ラベルを製造するという手段があり、他の手段と
して、透明フィルムの表面にエンボス加工を行いフロス
ト調の外観の熱収縮ラベルを製造するという手段が知ら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
手段(上記の手段)にあっては、フロスト調又はパー
ル調を有する印刷層が、ラベルを容器に装着する時及び
ラベル装着容器を搬送する時等に傷付き易いため、ラベ
ルの外観が劣化するという問題点があった。
【0007】また、後者の手段(上記の手段)にあっ
ては、エンボス加工を施す時期として製造工程上、以下
の2種類に大別される。まず、フィルムの延伸前にエン
ボス加工を施す場合には、該フィルムを延伸した後のエ
ンボスが不明瞭となるため、期待するフロスト調の外観
が得られないという問題点を有する。一方、フィルムの
延伸後にエンボス加工を施す場合には、該エンボス加工
を高温で行うとフィルムの熱収縮性が低下するため、ラ
ベルを容器に仕上がり良く装着できないという問題点が
あり、又、該エンボス加工を低温で行うとエンボスが不
明瞭となるため、期待するフロスト調の外観が得られな
いという問題点を有する。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みて、焼
却後に有害物質が発生しないポリスチレンを主成分と
し、良好なフロスト調又はパール調の外観を有し、且つ
仕上がり良く容器に装着できるポリスチレン系熱収縮ラ
ベルを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者は、
焼却後に有害物質が発生しない熱収縮ラベルを前提と
し、上記従来の手段の問題点を解決すべく印刷やエンボ
ス加工を行うことなく良好なフロスト調又はパール調の
外観を有する熱収縮ラベルを製造するために鋭意研究を
重ねた結果、ポリスチレン系の樹脂に、該樹脂と屈折率
の異なるアクリル系の樹脂を混合して製膜したフィルム
を用いることにより上記課題を解決できることを突き止
めた。
【0010】即ち、ベースフィルム2の少なくとも一面
側に印刷層3が設けられたポリスチレン系熱収縮ラベル
であって、前記ベースフィルム2が、スチレン−ジエン
系樹脂に、該樹脂との屈折率の差が0.01以上である
アクリル系樹脂を10重量%〜40重量%混合した組成
物を製膜したフィルムから構成することにある。
【0011】上記構成からなるポリスチレン系熱収縮ラ
ベルは、そのベースフィルム2を構成するフィルムが、
ポリスチレンを主成分とするため、該ラベルを焼却した
場合であっても有害物質の発生する蓋然性が極めて低
い。
【0012】また、上記組成物を製膜したフィルムは、
良好なフロスト調又はパール調の外観を有し、従って、
従来のフィルムのように、フロスト調又はパール調の外
観を有するフィルムを構成するに際して、フィルム自体
に印刷やエンボス加工を施すことを行う必要がない。
【0013】具体的には、請求項2記載のように、前記
屈折率の差が0.01〜0.03のアクリル系樹脂を2
0重量%〜40重量%混合して製膜すれば、良好なフロ
スト調の外観を有するベースフィルム2ができ、又、請
求項3記載のように、前記屈折率の差が0.03以上の
アクリル系樹脂を10重量%〜30重量%混合して製膜
すれば、良好なパール調の外観を有するベースフィルム
2ができる。
【0014】上記スチレン−ジエン系樹脂としては、ス
チレン系モノマーを主成分とし、これにジエン系モノマ
ーを共重合させたものが用いられ、必要に応じてアクリ
ル系モノマー等を共重合させたものも用いられる。ま
た、アクリル系樹脂としては、アクリル系モノマーの共
重合体、又は、アクリル系モノマーに、スチレン系モノ
マー、ジエン系モノマー等から選ばれた1種又は2種以
上を共重合させたものが用いられる。
【0015】かかるスチレン系モノマーとしては、スチ
レン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、エチルスチレン、イソブチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン等から選ばれた1種又は2種以
上の共重合体が用いることができ、その中でも、透明性
等の観点からスチレンが好ましい。
【0016】ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等か
ら選ばれた1種又は2種以上の共重合体を用いることが
でき、その中でも、衝撃性、透明性等の観点からブタジ
エンが好ましい。
【0017】アクリル系モノマーとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ノルマルブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ノルマルオクチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ノルマルブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ノルマルオクチル等から選ばれ
た1種のアクリル(メタクリル)酸アルキルエステル又
は2種以上のアクリル(メタクリル)酸アルキルエステ
ル共重合体を用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1に於いて、熱収縮ラベル1は、一面側に
印刷層3が設けられたベースフィルム2からなり、該印
刷層3を内側にした円筒状に形成されている。尚、印刷
層3は、ベースフィルム2の両面側に設けられていてもよ
い。
【0019】ベースフィルム2は、上記スチレン−ジエ
ン系樹脂に、該樹脂と屈折率の差が0.01以上の上記
アクリル系樹脂を10〜40重量%混合した組成物を製
膜したフィルムから構成されている。ベースフィルム2
を製膜するに際しては、必要に応じて無機若しくは有機
の微粒子、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤等の添加
剤を加えてもよい。
【0020】上記構成からなるポリスチレン系熱収縮ラ
ベルは、焼却後に有害物質を発生する蓋然性が極く、
又、良好なフロスト調又はパール調の外観を有すると共
に、熱収縮による装着後の仕上がり具合も良好である。
【0021】尚、本発明に係るポリスチレン系熱収縮ラ
ベルは、後述するのように、必ずしも上記屈折率の各樹
脂を上記混合割合で製膜したものに限定されるものでは
ない。
【0022】次に、本発明に係るポリスチレン系熱収縮
ラベルの製造方法及びその装着方法の一例について説明
する。まず、スチレン−ジエン系樹脂と、該樹脂と屈折
率が異なるアクリル系樹脂とを所定割合で混合して押出
機に供給し、約200℃の温度下でT型口金から溶融押
出して得られたシートを、テンター内で約100℃に加
熱して幅方向(図1のX方向)に約4.0倍延伸して厚
さ50μmの横一軸延伸熱収縮フィルムを得た。尚、二
軸延伸熱収縮フィルムを製造する場合には、T型口金か
ら溶融押出して得られたシートを、約80℃に加熱して
長手方向(図1のY方向)に例えば1.05〜1.3倍
延伸し、冷却した後、テンターへ導入して再び約100
℃で予熱して幅方向に延伸する。
【0023】その後、緊張状態で約85℃の熱処理ゾー
ンで固定し、テンターの外部に出して冷却し、コアに巻
き取りベースフィルム2を製造する。
【0024】次に、このベースフィルム2の一面側(必
要に応じて両面側)に所定の印刷を施した印刷層3を設
け、これを適当な幅にスリットして1列づつの巻物と
し、これを印刷層3の設けられた一面側が内側になり、
且つベースフィルム2の幅方向が被装着物5(容器)の周
方向になるように筒状に丸め、両端辺を溶剤等で接着し
長尺筒状に形成した熱収縮性ラベル1とした。
【0025】このようにして製造された筒状の熱収縮性
ラベル1を自動ラベル装着装置に供給して内部充填済み
の被装着物(例えば、PET容器)に連続的に被嵌し、
スチームトンネルを通過させることにより収縮してラベ
ルがPET容器に装着される。
【0026】
【実施例】以下の実施例1〜4及び比較例1〜4に示す
ように、各樹脂の屈折率及び混合割合が異なる種々のポ
リスチレン系熱収縮ラベルを製造し、その全光線透過
率、曇価、収縮率、ラベルの装着後の外観及び収縮仕上
がりについて比較試験を行った。
【0027】<各実施例及び比較例の共通事項> ・樹脂及び屈折率 スチレン−ジエン系樹脂としては、スチレン82重量%
とブタジエン18重量%の共重合体(以下、「共重合体
(A)」という)を用い、該共重合体(A)の屈折率をJIS
K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に
則して測定したところ、その屈折率は1.57であっ
た。アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル30
重量%とスチレン70重量%の共重合体(以下、「共重
合体(B)」という)を用い、同様に該共重合体(B)の屈折
率は1.56であった。さらに、他のアクリル系樹脂と
しては、メタクリル酸メチル70重量%とアクリル酸ノ
ルマルブチル30重量%の共重合体(以下、「共重合体
(C)」という)を用い、同様に該共重合体(C)の屈折率は
1.50であった。
【0028】・ラベルの製造方法及び被装着物への装着
方法 熱収縮ラベルの製造方法及び被装着物への装着方法につ
いては、上記発明の実施の形態で例示説明した製造方法
(尚、ベースフィルムは幅方向に一軸延伸したもの)及
び装着方法を使用したので省略する。
【0029】・試験方法 全光線透過率及び曇価は、印刷前のベースフィルムを試
験片として用い、JIS K7105(プラスチックの
光学的特性試験方法)に則して測定を行った。収縮率
は、ラベルを試験片とし、80℃温水中に10秒間浸漬
した後、浸漬前の長さに対する浸漬後の収縮長さをラベ
ルの長手方向と幅方向について各々測定し、それを百分
率で表した(式:{(元の長さ−収縮後の長さ)/(元
の長さ)}×100で表される)。さらに、ラベルの装
着後の外観及び収縮仕上がりは、各熱収縮ラベルを熱収
縮させて被装着物に装着した後に、そのラベルが一般的
に商品として通用する程度(商品価値があるか)のフロ
スト調又はパール調の外観を有するか及び商品として通
用する程度(商品価値があるか)の仕上がり(収縮不足
や皺の発生等)かを目視によって検査して評価した。
【0030】実施例1 実施例1では、共重合体(A)を70重量%、共重合体(B)
を30重量%混合して熱収縮ラベルを得た。その全光線
透過率は88%、曇価は44%、長手方向の収縮率は0
%、幅方向の収縮率は23%であった。さらに、ラベル
の外観は、極めて良好なフロスト調の外観となり、収縮
仕上がりは、極めて良好であった。
【0031】実施例2 実施例2では、共重合体(A)を60重量%、共重合体(B)
を40重量%混合して熱収縮ラベルを得た。その全光線
透過率は82%、曇価は49%、長手方向の収縮率は0
%、幅方向の収縮率は13%であった。さらに、ラベル
の外観は、極めて良好なフロスト調の外観となり、収縮
仕上がりは、商品として通用する程度のものであった。
【0032】実施例3 実施例3では、共重合体(A)を80重量%、共重合体(C)
を20重量%混合して熱収縮ラベルを得た。その全光線
透過率は76%、曇価は53%、長手方向の収縮率は0
%、幅方向の収縮率は15%であった。さらに、ラベル
の外観は、極めて良好なパール調の外観となり、収縮仕
上がりは、極めて良好であった。
【0033】実施例4 実施例4では、共重合体(A)を60重量%、共重合体(B)
を20重量%、共重合体(C)を20重量%混合して熱収
縮ラベルを得た。その全光線透過率は72%、曇価は5
7%、長手方向の収縮率は0%、幅方向の収縮率は15
%であった。さらに、ラベルの外観は、極めて良好なパ
ール調の外観となり、収縮仕上がりは、商品として通用
する程度のものであった。
【0034】比較例1 比較例1では、共重合体(A)を95重量%、共重合体(B)
を5重量%混合して熱収縮ラベルを得た。その全光線透
過率は89%、曇価は17%、長手方向の収縮率は0
%、幅方向の収縮率は28%であった。さらに、ラベル
の外観は、フロスト調となったが、商品として通用する
程度のものではなかった。一方、収縮仕上がりは、極め
て良好であった。
【0035】比較例2 比較例2では、共重合体(A)を50重量%、共重合体(B)
を50重量%混合して熱収縮ラベルを得た。その全光線
透過率は80%、曇価は51%、長手方向の収縮率は0
%、幅方向の収縮率は8%であった。さらに、ラベルの
外観は、極めて良好なフロスト調の外観となったが、収
縮仕上がりは、商品として通用する程度のものではなか
った。
【0036】比較例3 比較例3では、共重合体(A)を55重量%、共重合体(C)
を45重量%混合して熱収縮ラベルを得た。その全光線
透過率は68%、曇価は67%、長手方向の収縮率は0
%、幅方向の収縮率は7%であった。さらに、ラベルの
外観は、極めて良好なパール調の外観となったが、収縮
仕上がりは、商品として通用する程度のものではなかっ
た。
【0037】比較例4 比較例4では、共重合体(A)を50重量%、共重合体(B)
を30重量%、共重合体(C)を20重量%混合して熱収
縮ラベルを得た。その全光線透過率は71%、曇価は5
9%、長手方向の収縮率は0%、幅方向の収縮率は8%
であった。さらに、ラベルの外観は、極めて良好なパー
ル調の外観となったが、収縮仕上がりは、商品として通
用する程度のものではなかった。
【0038】表1に実施例1〜4及び比較例1〜4の結
果をまとめた。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1〜2と比較例1〜2とを対比する
と、スチレン−ジエン系樹脂と屈折率の差が0.01で
あるアクリル系樹脂の混合割合を高くすると、収縮率が
低下するので収縮仕上がりが悪くなる。一方、該アクリ
ル系樹脂の混合割合を低くすると良好なフロスト調の外
観が得られない。これらを考慮すると、スチレン−ジエ
ン系樹脂と屈折率の差が0.01〜0.03(0.01
以上0.03以下)のアクリル樹脂を20重量%〜40
重量%(20重量%以上40重量%以下)混合すると収
縮仕上がりもよく且つ良好なフロスト調の外観を有する
熱収縮ラベルを得ることができると考えられる。
【0041】また、実施例3〜4と比較例3〜4とを対
比すると、スチレン−ジエン系樹脂と屈折率の差が0.
07であるアクリル系樹脂を混合する、即ち、屈折率の
差が大きいアクリル系樹脂を混合するとパール調の外観
のラベルを得ることができるが、その混合割合を高くす
ると、収縮率が低下するので収縮仕上がりが悪くなる。
一方、混合割合が低すぎては良好なパール調の外観が得
られない。これらを考慮すると、スチレン−ジエン系樹
脂と屈折率の差が0.03以上であるアクリル系樹脂を
10重量%〜30重量%混合すると収縮仕上がりもよく
且つ良好なパール調の外観を有する熱収縮ラベルを得る
ことができると考えられる。
【0042】尚、本発明に係るポリスチレン系熱収縮ラ
ベルは、上記屈折率の各樹脂を上記の割合で混合するこ
とによりフロスト調又はパール調の外観を有し、且つ収
縮仕上がりの良い熱収縮ラベルが得られるが、必ずしも
上記屈折率の各樹脂を上記の割合で混合しなければ本発
明に係るポリスチレン系熱収縮フィルムを得ることがで
きないわけではない。
【0043】即ち、焼却によって有害物質を発生しない
スチレン−ジエン系樹脂に、該樹脂と屈折率の異なるア
クリル系樹脂を混合して製膜したベースフィルムの全光
線透過率、曇価及びラベルの収縮率が以下の範囲もので
あれば、良好なフロスト調又はパール調の外観を有し且
つ収縮仕上がり良い熱収縮ラベルを得ることができるの
であり、上記屈折率の差及び混合割合以外の範囲でも本
発明に係るポリスチレン系熱収縮フィルムを得ることが
できると考えられる。
【0044】ここで、良好なフロスト調の外観を有する
熱収縮ラベル1は、そのベースフィルム2の全光線透過率
が概ね80%〜90%で且つ曇価が概ね30%〜60%
の範囲のものと考えられる。全光線透過率が高く且つ曇
価が低過ぎると透明なラベルとなり、全光線透過率が低
く且つ曇価が低過ぎると不透明な(反射する)ラベルと
なり、又、全光線透過率が高く且つ曇価が高いと白っぽ
いラベルとなり、全光線透過率が低く曇価が高いと黒っ
ぽいラベルとなるからである。
【0045】さらに、良好なパール調の外観を有するラ
ベルは、そのベースフィルム2の全光線透過率が概ね5
0%〜80%で且つ曇価が概ね50%以上の範囲のもの
と考えられる。全光線透過率が高くなり過ぎるとラベル
が光を反射しなくなりパール調の外観を得られないから
である。尚、フロスト調の外観を有するラベルの全光線
透過率及び曇価と、パールの外観を有するラベルの全光
線透過率及び曇価とは重複する範囲があるが、外観は視
覚によって判断しているため、かかる範囲はフロスト調
又はパール調の何れのラベルとも判断できるものと思わ
れる。
【0046】また、ラベルの少なくとも一方向(幅方
向)の収縮率は、概ね10%〜70%(前記80℃温水
中に10秒間浸漬)の範囲のものが好ましいと考えられ
る。この範囲以外ではラベル装着後の収縮仕上がりが悪
くなるからである。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明に係る熱収縮性ラベ
ルは、ポリスチレン系の樹脂でベースフィルムが構成さ
れているので、それを焼却した後には、従来の塩化ビニ
ル製のラベルのように有害物質が発生する蓋然性が極め
て低いく、環境にも優しいラベルである。このように環
境上好ましいだけでなく、ポリスチレン−ジエン系樹脂
に屈折率の異なるアクリル系樹脂を混合することによ
り、フィルム自体が良好な(商品価値のある)フロスト
調又はパール調の外観を有するので、従来のようにフロ
スト調等の外観を作り出すために印刷やエンボス加工等
を施す必要がない。さらに、被装着物に装着する際にも
不具合なく熱収縮し、収縮仕上がりの良い熱収縮ラベル
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリスチレン系熱収縮ラベルの一
実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
2…ベースフィルム、3…印刷層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム(2)の少なくとも一面側
    に印刷層(3)が設けられたポリスチレン系熱収縮ラベル
    であって、前記ベースフィルム(2)が、スチレン−ジエ
    ン系樹脂に、該樹脂との屈折率の差が0.01以上であ
    るアクリル系樹脂を10重量%〜40重量%混合した組
    成物を製膜したフィルムからなるポリスチレン系熱収縮
    ラベル。
  2. 【請求項2】 前記屈折率の差が0.01〜0.03の
    アクリル系樹脂を20重量%〜40重量%混合してなる
    請求項1記載のポリスチレン系熱収縮ラベル。
  3. 【請求項3】 前記屈折率の差が0.03以上のアクリ
    ル系樹脂を10重量%〜30重量%混合してなる請求項
    1記載のポリスチレン系熱収縮ラベル。
  4. 【請求項4】 ベースフィルム(2)の少なくとも一面側
    に印刷層(3)が設けられたポリスチレン系熱収縮ラベル
    であって、前記ベースフィルム(2)が、スチレン−ジエ
    ン系樹脂に、該樹脂と屈折率の異なるアクリル系樹脂を
    混合した組成物を製膜したフィルムからなり、該ベース
    フィルム(2)の全光線透過率が80%〜90%で、且つ
    曇価が30%〜60%であり、ラベルの少なくとも一方
    向の収縮率が、10%〜70%の範囲にあることを特徴
    とするポリスチレン系熱収縮ラベル。
  5. 【請求項5】 ベースフィルム(2)の少なくとも一面側
    に印刷層(3)が設けられたポリスチレン系熱収縮ラベル
    であって、前記ベースフィルム(2)が、スチレン−ジエ
    ン系樹脂に、該樹脂と屈折率の異なるアクリル系樹脂を
    混合した組成物を製膜したフィルムからなり、該ベース
    フィルム(2)の全光線透過率が50%〜80%で、且つ
    曇価が50%以上であり、ラベルの少なくとも一方向の
    収縮率が、10%〜70%の範囲にあることを特徴とす
    るポリスチレン系熱収縮ラベル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006215245A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Fuji Seal International Inc 熱収縮性筒状ラベル
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