JPH11188408A - 真円度の優れた電気抵抗溶接鋼管の製造方法 - Google Patents

真円度の優れた電気抵抗溶接鋼管の製造方法

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JPH11188408A
JPH11188408A JP35985697A JP35985697A JPH11188408A JP H11188408 A JPH11188408 A JP H11188408A JP 35985697 A JP35985697 A JP 35985697A JP 35985697 A JP35985697 A JP 35985697A JP H11188408 A JPH11188408 A JP H11188408A
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JP
Japan
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welded
pipe
steel pipe
roll
welded steel
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JP35985697A
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English (en)
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Hiromasa Fujimoto
宏昌 藤本
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接部が栗型形状を呈するパイプの形状修復
法を提供する。 【解決手段】 電気抵抗溶接により連続的に成形・溶接
されたパイプの溶接部を、高周波誘導加熱装置にて熱処
理したのち、溶接部外面温度が600 ℃以上のうちに後段
に配置された水平ロールにて溶接部を円形に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気抵抗溶接鋼
管の製造方法、特に真円度の優れた電気抵抗溶接鋼管の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気抵抗溶接鋼管は、孔型を有す
る一群の成形ロールで素地の帯鋼を円筒状に連続成形し
て、鋼帯の両エッジ部を突き合わせて電気抵抗溶接法に
より溶接を行い、得られた溶接部を高周波誘導加熱装置
により熱処理し、次いで十分に冷却した後に、例えば特
開昭64−2709号公報に見られるような、定径のために複
数配置した絞りスタンドにて真円に近い形状に成形し
て、製造している。
【0003】このような従来の定径法による製造方法で
は、製品の外径精度が、絞り成形前のパイプの形状に大
きく左右されてしまう。例えば、溶接後のパイプ断面の
一部がいびつであった場合には、形状の履歴は完全には
消えず、最終製品は真円とはほど遠い形状となってしま
う。
【0004】実際問題としては、薄肉品のエッジ成形
に、厚肉兼用型ロールを使用した場合、上ロールが素材
に接触しないため素材が拘束されず、エッジ部のみ成形
不足となり、この部分のパイプの曲率半径は他の箇所に
比較して大きくなる。その結果、溶接後のパイプの溶接
部近傍は、溶接部を栗型の頂点としたような、いびつな
形状を呈することになる。
【0005】このような問題は、それぞれの肉厚に応じ
た専用のエッジ成形ロールを使用すれば解決できるが、
各外径、各肉厚ごとに専用の成形ロールを用意し、所有
するのは費用的に高負担であり、さらに、肉厚変わりご
とにロール段取り替えが必要となるため、極端に製造能
率を悪化させてしまう。
【0006】簡便法として、溶接後のパイプ形状はその
ままで、定径絞りスタンドの絞り量を増加して最終製品
の真円度を向上させることも可能であるが、製品外径公
差の下限狙いとなってしまい、外径が小さくなるという
不良が発生しやすくなることにより、製品不良率は何等
改善されない。また素材鋼帯の幅寸法を広くして、予め
大きな外径のパイプを製造しておき絞り量を増加する手
法をとれば、鋼帯の製造歩留まりが悪化してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
定径法による溶接鋼管の製造方法では、正確なエッジ成
形が困難で、溶接後のパイプの溶接部近傍が溶接部を凸
とする栗型形状を呈した場合に、最終製品の真円度を極
端に損ねてしまう。
【0008】したがって、この発明の課題は、従来の方
法ではその形状回復が困難であった、溶接部が栗型形状
を呈するパイプの最終製品の高真円度を容易に確保する
ことができる電気抵抗溶接鋼管の製造方法を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決せんとして、最終製品の外径を詳細に調査した結
果、溶接部が栗型形状を呈するパイプにおいて最終真円
度を悪化させている原因は、一連の定径絞りスタンド中
に水平ロールの上ロールにてパイプを圧下する際に、栗
型凸部の両横部がパイプ中心方向へ座屈し、径小化して
しまうためであることを見い出した。
【0010】そこで、かかる知見に基づき、本発明者
は、上記の課題を解決せんとして、種々の方法を検討し
た結果、溶接部の栗型凸部を高周波誘導加熱装置にて加
熱・軟化し、その後、直ちに水平ロールにて圧下するこ
とにより、両横部を座屈させることなく凸部頂点のみ曲
げ成形でき、定径絞りスタンドに進入する前に溶接部の
栗型形状を改善し、最終製品真円度を大幅に向上させる
ことが可能であることに着目した。
【0011】通常、電気抵抗溶接鋼管の溶接部は高周波
電流を用いて狭い範囲を急速に加熱溶融したのち、スク
イズロールによって圧着させ、急速に冷却するため、母
材部に比較して組織、硬度などが不均一な状態となって
おり、加工性や靱性などが低下している。このため、電
気抵抗溶接鋼管は、加工性、靱性などを母材並みに回復
させることを目的として、熱処理が施されている。
【0012】この電気抵抗溶接鋼管の熱処理方法として
は、加熱炉を用いてパイプ全体に熱処理を行う方法もあ
るが、中、大径サイズは容積効率が悪くなるため、電気
抵抗溶接鋼管製造ライン内に高周波誘導加熱装置を設置
して、溶接直後のパイプの溶接部のみを連続的に熱処理
する方法が一般的に用いられている。この高周波誘導加
熱により加熱・軟化している間を利用し、溶接部だけに
集中的に曲げ成形を行って前述のような栗型形状を回復
させるのである。
【0013】ここに、この発明は、(1) 連続的に成形・
溶接して得られた溶接鋼管を定径にする電気抵抗溶接鋼
管の製造ラインにおいて、溶接後、高周波誘導加熱装置
によって溶接鋼管の溶接部を加熱・軟化させてから水平
孔型ロールに挿入し、次いで定径にすることを特徴とす
る電気抵抗溶接鋼管の製造方法、(2) 水平孔型ロールに
挿入するとき、前記溶接部の外面温度を600 ℃以上とす
ることを特徴とする請求項1記載の電気抵抗溶接鋼管の
製造方法、である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明について添付図面
を参照しながらさらに具体的にその実施の形態について
説明する。図1は一般的に用いられている電気抵抗溶接
による鋼管製管機の模式的説明図である。
【0015】図1において、素材帯鋼1は、エッジ成形
孔型を有する成形ロール群2に送られ、円筒状に連続的
に成形され、両エッジ部が突き合わされて、スクイズロ
ール4に支持されながら電気抵抗溶接機3によって溶接
される。このようにして連続的に溶接されたパイプ5
は、次いで、高周波誘導加熱装置6によって加熱され、
さらに水冷帯7を経て、定径ロール群8で寸法の調整が
行われ、その後、走行切断機9によって所定長さに走行
切断され、最終製品10として表面検査に供される。
【0016】ここに、この発明の電気抵抗溶接鋼管の製
造方法によれば、、図1の電気抵抗溶接鋼管の製造ライ
ンにおいて、連続的に成形・溶接されたパイプの溶接部
を、高周波誘導加熱装置6によって熱処理し、図中、点
線で示す位置において、直ちに水平ロール14( 便宜上、
下方に示してあるが、実際は、矢印方向に示す点線箇所
に取付けられる) を使用して加熱・軟化した溶接部を集
中的に成形する。
【0017】図2は、水平ロール14によって栗型凸部が
解消する様子を従来法と比較して模式的示す説明図であ
り、図2(a) は、図1に示したエッジ成形孔型を有する
成形ロール群2中でのエッジ成形状況である。各成形ロ
ールは上ロール11と下ロール12とから構成される。この
状況で上ロール11を圧下すれば、エッジ部にて素材帯鋼
1と上ロール11が接触せず、エッジ部のみ成形不足とな
る。
【0018】図2(b) は、エッジ部成形不足により発生
した、溶接部を頂点とした栗型形状を呈する栗型パイプ
13である。図2(c) は、栗型パイプ13を図1の定径ロー
ル群8に通し、走行切断機9にて粗切りしたのち、検査
に供された最終製品10の断面図であり、溶接部の両横部
に座屈により生じた径小部が存在しているのが分かる。
【0019】次に、図2(d) 、図2(e) に示すように、
栗型パイプ13の溶接部を図1の高周波誘導加熱装置6に
て熱処理し、溶接部が熱により軟化したとき、水平ロー
ル14を圧下することにより、溶接部を集中的に曲げ成形
することで、図中、矢印で示すように溶接部の栗型凸型
部を消失させることができる。これにより、定径ロール
群8にて絞り成形を行っても溶接部の両横部に座屈が発
生しなくなる。
【0020】図2(f) は、この発明により、定径後の最
終製品10が非常に真円に近い断面に仕上げられることを
示す。
【0021】この発明において、パイプの溶接部を高周
波誘導加熱装置にて熱処理する際の熱処理範囲は極力広
幅とした方が良いが、成形ロール群での成形不十分な部
分はエッジ部より50mm程度であり、通常パイプの溶接部
を中心にパイプ外面側で周方向に幅30mm以上あれば十分
である。
【0022】また、この高周波誘導加熱装置の後段に配
置した水平ロールスタンドは、駆動式、アイドル式いず
れでも良い。使用するロール孔型は、真円ならばその孔
型半径は、定径ロール群の初段ロールのそれと、スクイ
ズロール孔型のそれとの中間であればいくらでも良い。
パイプの溶接部近傍がロールに面接触する孔型形状であ
れば、真円でなくとも良い。
【0023】
【実施例】次に、本発明の電気抵抗溶接鋼管の製造方法
を図1および図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0024】(実施例1)C:0.17%、Si:0.01%、Mn:
0.50%、P:0.03%、S:0.02%を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物からなる鋼組成を有する帯鋼を使用
して、図1に示す構成をもった電気抵抗溶接鋼管製管機
にて外径508.0 mm、肉厚6.4 mmのSTK400規格相当品を製
造した。
【0025】図2(a) に示した通り、本例では、素材帯
鋼1は肉厚6.40mmであった。上ロール11、下ロール12は
それぞれ帯鋼肉厚を12.70 mmに設計してある。この状況
で上ロール11を圧下すれば、エッジ部にて素材帯鋼1と
上ロール11が接触せず、エッジ部のみ成形不足となる。
【0026】図2(b) は、エッジ部成形不足により発生
した、溶接部を頂点とした栗型形状を呈する栗型パイプ
13である。図1の水冷帯7出側、定径ロール群8入側位
置にて栗型パイプの外径をノギスにて実測したところ、
0°外径は520 mm、90°外径は500 mmであった。
【0027】図2(c) は、栗型パイプ13を図1の定径ロ
ール群8に通し、走行切断機9にて粗切りしたのち、検
査に供された最終製品10の断面図である。溶接部の両横
部に座屈による径小部が存在していた。これの各位置の
外径 (管端部、管中央部とも) をノギスにて実測したと
ころ、いずれも溶接部の両方の横50mm位置の外径が最小
であった。
【0028】次に、図1に示す電気抵抗溶接鋼管製管機
ライン内に、高周波誘導加熱装置6の2m出側位置に水
平ロール14のロールスタンドを設置し、定径ロール群8
の初段ロールの孔径半径と、スクイズロール4のそれと
のちょうど平均値となる孔型半径を有する真円ロールを
組み込んだ。そして、水平ロール14をパイプに接触しな
い位置まで解放したのち、上記と全く同じ素材、成形条
件にて栗型パイプ13を故意に製造し、0°外径が520 m
m、90°外径が500 mmとなるよう微調整した。
【0029】そして、水冷帯7と定径ロール群8の間に
て、0°外径、90°外径がそれぞれ510 mmとなるよう水
平ロールの圧下量を調整した。その後、高周波誘導加熱
装置6の入熱量を変化させ、水平ロールに挿入される際
の溶接部の外面温度が200 ℃、400 ℃、600 ℃、800
℃、1000℃となるよう順次調整し、その都度、最終製品
10を採取した。その間、定径ロール群8は一定の設定を
保ち、調整はしなかった。
【0030】図3に、上記の本例の試験にて得られた各
最終製品10について溶接部の横50mm位置外径と、製品全
体の真円度を調査した結果を示す。水平ロール挿入時の
溶接部外面温度が増加するにつれ、溶接部の横50mm位置
の外径は公称外径値508.0 mmに漸近した。その結果、製
品全体の真円度も向上した。これは、図2(d) 、図2
(e) に示すように栗型パイプ13の溶接部を高周波誘導加
熱装置6にて熱処理し、溶接部が熱により軟化したとこ
ろ、水平ロール14を圧下することにより、溶接部を集中
的に曲げ成形し、溶接部の栗型凸型部を無くしたため、
定径ロール群8にて溶接部両横部に座屈が発生しなくな
ったからである。
【0031】この結果、図2(f) に示すように定径後の
最終製品は非常に真円に近い断面に仕上げることが可能
となったのである。なお、水平ロール挿入時の溶接部外
面温度が600 ℃以上となった場合に、溶接部の横50mm位
置外径が極めて公称外径に近くなることにより真円度が
改善されるのは、一般に鋼は600 ℃以上にて急激に引っ
張り強さが低減し、より成形抵抗が少なくなるので、水
平ロールの曲げ成形の効果がより顕著に現れてくるから
である。上記の適性温度範囲を持たせることにより、0.
1 %以内という優れた真円度を実現できる。
【0032】
【発明の効果】この発明にかかる電気抵抗溶接鋼管の製
造方法を用いれば、電気抵抗溶接鋼管の製造ラインにお
いて連続的に成形・溶接されたパイプの溶接部を、高周
波誘導加熱装置によって熱処理し、直ちに水平ロールを
使用して加熱・軟化した溶接部を集中的に成形すること
により、エッジ成形の不足した場合に発生する溶接部の
栗型形状のパイプの溶接部に曲げ成形を加え、必要最小
限のロールにて、製造能率を損なうことなく安定して真
円度に優れた電気抵抗溶接鋼管を製造できる。
【0033】さらに、上記溶接部の曲げ成型の際の溶接
部外面温度を600 ℃以上とすることで、効果的な曲げ成
形が可能となり、真円度に優れた電気抵抗溶接鋼管をよ
り安定的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的に用いらている電気抵抗溶接鋼管製管機
の模式的正面図である。
【図2】図2(a) は、一般的に用いらているエッジ成形
孔型を有する成形ロール群中での、設計孔型より薄い素
材帯鋼を製造した場合のエッジ成形状況の断面図、図2
(b) は、エッジ部成形不足により発生した、溶接部を頂
点とした栗型形状を呈するパイプの断面図、図2(c)
は、栗型形状パイプを定径ロール群に通し、走行切断機
にて粗切りしたのち、検査に供された最終製品の断面
図、図2(d) は、栗型形状パイプの溶接部を、高周波誘
導加熱装置にて熱処理した際の断面図、図2(e) は、こ
の発明の電気抵抗溶接鋼管の製造方法を用いて製造した
溶接部曲げ成形中のパイプの断面図、そして、図2(f)
は、同製造方法を用いて製造した最終製品の断面図であ
る。
【図3】水平ロールに挿入される際の溶接部の外面温度
と最終製品真円度との関係と適正範囲を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1:素材帯鋼、 2:成形ロール群、 3:電気
抵抗溶接機 4:スクイズロール、 5:パイプ、 6:高周
波誘導加熱装置 7:水冷帯、 8:定径ロール群、 9:走行
切断機 10:最終製品、 11:上ロール、 12:下ロ
ール 13:栗型パイプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に成形・溶接して得られた溶接鋼
    管を定径にする電気抵抗溶接鋼管の製造ラインにおい
    て、溶接後、高周波誘導加熱装置によって溶接鋼管の溶
    接部を加熱・軟化させてから水平孔型ロールに挿入し、
    次いで定径にすることを特徴とする電気抵抗溶接鋼管の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 水平孔型ロールに挿入するとき、前記溶
    接部の外面温度を600 ℃以上とすることを特徴とする請
    求項1記載の電気抵抗溶接鋼管の製造方法。
JP35985697A 1997-12-26 1997-12-26 真円度の優れた電気抵抗溶接鋼管の製造方法 Pending JPH11188408A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104647170A (zh) * 2015-03-10 2015-05-27 洛阳新强联回转支承股份有限公司 一种三排滚子回转支承滚道软带的打磨工装以及打磨方法

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CN104647170A (zh) * 2015-03-10 2015-05-27 洛阳新强联回转支承股份有限公司 一种三排滚子回转支承滚道软带的打磨工装以及打磨方法

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Effective date: 20020108